おはようございます。 俳句作家の上野貴子です。 ・ ・ 四月もいよいよ中盤です。 東京あたりでは 桜の満開の季節が もうすぐ終りを迎え花吹雪の季節です。 ・ ・ この頃になると 日本で冬を越していた 秋にやって来る渡り鳥が 北へ帰ってゆく頃なんです。 俳句では「鳥帰る」といい春の季語です。 ・ ・ 春に帰る鳥には 「雁」や「鴨」「白鳥」「鶸・ひわ」「鶫・つぐみ」 などがいます。 それぞれ北の繁殖地へ帰ることを 「引く」ともいい「鳥引く」「小鳥引く」「引鳥」 などとも言われています。 俳句ではよく使われる季語ですが なかなかこの頃では見過ごしていますね。 ・ ・ 自然界の雄大なサイクルは 人間にはとうてい予測できませんが 渡り鳥が日本にやって来る 自然界の動きには 今も昔もまだまだ大きな違いは無いようです。 ・ ・ 俳句では「鳥雲に入る」という季語があり 越冬して北へ帰る渡り鳥が 雲間に消えてゆくように見える そんな様をいう言葉です。 「鳥雲に」といったり「鳥曇」「鳥風」 なんて言い方をしたりして この頃に曇り空が多いことや 鳥がこの頃の風に乗って帰ってゆく姿を 言葉で描写しています。 どこか風情がありますね。 ・ ・ 渡り鳥の不思議が 日本人には切ない情緒に感じられて さまざまな歌や俳句に詠まれています。 特に「雁」は俳句では よく詠まれている季語です。 「帰る雁」「雁帰る」「行く雁」「去る雁」「雁の別れ」 など、さまざまな表現で 秋にわたって来た雁との別れを 惜しんでいるのです。 ・ ・ 雁は「雁」だけでは秋の季語となり やはり、別れの姿よりも 毎年やって来る秋の姿の方が 雁らしいということでしょう。 ・ ・ 人間は春の桜を心待ちにするように 雁がやって来ることを 空を眺めながら待っていたに違いありません。 そして、春に帰ってしまう 渡り鳥の切なさが 何だか大空の彼方に 別の世界があるような 同じ地球上に住む生き物だなんて 考えられない広大な生命の不思議ですね。 今年も北から来た鳥たちが 日本を去って北へ帰る季節がやって来たのですね。 また、秋には渡っておいでね!!! ・ ・ ★俳句記念日 https://haikukinennbi.jimdofree.com ★ショートポエムコレクション https://shortpoemcollection.jimdofree.com/ ★「おしゃべりHAIKUの会」句会情報 https://nbsacademy.jimdofree.com/%E5%8F%A5%E4%BC%9A%E6%83%85%E5%A0%B1/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ワクワクドキドキのライブ配信の楽しさはこちらの「俳句TV」再放送からご覧ください。 ★俳句TV「エンジョイ俳句ライフ」 https://www.facebook.com/haikutv/
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