今月の投句(夏の戦第1ステージ)
1新樹光駅へ小走り女学生
2丘の上この道が好き新樹光
3ベンチにはいつもの老人新樹光
4新緑へ曲がればバスは水族館
5通院は今年で二度目新樹光
6爆弾のやうなおむすび新樹光
7老木のわきの豊けき新樹かな
8白シャツや胸の黒子は父ゆづり
9てのひらの黒子が育つ麦の秋
105バーツの籠いっぱいのバナナかな
11新樹風抜くる谷中の築地塀
12銀輪をつらね少年新樹風
13キャンデイを捩るセロハン新樹光
14新樹風背中に跳ねるランドセル
15新樹風杜の都へ新幹線
16目鼻さえ区別なき地蔵新樹光
17新樹光母の生まれし旧家なり
18ネコとイヌ新樹の上下でにらみ合い
19雨上がり新樹まぶしき建長寺
20神の住む四方の山々新樹光
21天を衝きメタセコイヤの新樹かな
22五月雨やしんがりを行くランドセル
23車椅子押す坂道に五月雨るる
24道産子の葦毛三つ編み緑さす
25五月雨や飛鳥寺に蘇を味わいぬ
26文箱あけ紙魚はいづこに目をこらす
27五月雨を爆して落ちる水の音
28新樹雨濡れて身の内洗いけり
29五月雨に句点打つよな赤き傘
30新樹光宙へと続く峠道
31五月雨の葉脈這ひて蹲り
32ヒロインの涙を齧り紙魚きらり
33燃え上がる新樹の影で息を継ぐ
34定まらぬ嬰の眼や新樹光
35英国の野も五月雨に湖となり
36生涯の終わりまで吹け新樹風
37五月雨て乳の香の立つ襁褓かな
38夫眠り書斎に紙魚の走る音
39木洩れ日に緑いやます新樹かな
40徒歩き新樹にもらふ生気かな
41峡谷のトロッコ列車新樹風
42熊野古道翳りの中の新樹かな
43村と村つなぐ吊り橋新樹光
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
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夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)
【新樹】【五月雨】【紙魚(しみ)】
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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【夏の戦5・6・7月】
★6月におすすめの兼題(5月末日〆切。)
【五月雨】
梅雨期に降り続く雨のこと。梅雨は時候を表し、五月雨は雨を表す。
傍題に、さつき雨、さみだるる、五月雨雲。
※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。
<先句に学ぶ>
大風にはげしくにほふ新樹かな 日野草城
五月雨や大河を前に家二軒 与謝蕪村
鴎外も茂吉も紙魚に食はれけり 藤田湘子
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令和6年5月号4月の結果(春の戦最終ステージ)
~~<主宰上野貴子選5句>~~
梅の香はあるようで無き季節病
剣抜かず老ゆる蜜蜂我も又
梅林や夫と分けあふ梅ソフト
戸袋に吸い込まれゆく蜂の群
蜜蜂の仕事疲れて戻る箱
~~<辻 雅宏選5句>~~
麻酔より覚めて窓辺に山笑う
蜜蜂の仕事疲れて戻る箱
春の海会えること無き人想う
道真を偲びて開く梅の花
通勤のひとあしお先春コート
点盛りの結果
七点句
梅一輪花瓶の中の故郷かな 青山好男
五点句
足踏みし窯出し待てば山笑ふ 神長誉夫
ゆづりあい田浦の里の梅日和 阿部文彦
四点句
リハビリの一歩一歩や山笑う 原田啓子
道真を偲びて開く梅の花 青山好男
三点句
山笑ふ六千尺の露天風呂 龍野ひろし
今年また開花早まる梅便り 上野貴子
通勤のひとあしお先春コート 小林ひろ
山笑う孫の乳歯見つけたり 小林ひろ
咲き満ちて此の香此の色梅の花 辻 雅宏
補聴器に風渡る音春立ちぬ 原田啓子
外つ国にゐて待ちどほし梅便り 原田啓子
二点句
捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ 神長誉夫
支笏湖の水のきらめき山笑ふ 水野幸子
蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る 阿部文彦
梅林や夫と分けあふ梅ソフト 水野幸子
麻酔より覚めて窓辺に山笑う 原田啓子
麓行く巡回バスや山笑ふ 辻 雅宏
白梅の庭冴え渡り三回忌 青山好男
ポップコーン弾けるごとく梅開き 原田啓子
猟船の賑わうあたり初茜 青山好男
離れ家に点る白梅星の影 上野貴子
蒼天や冬の桜木時を待つ 青山好男
梅の香と一気に上へエレベーター 原田啓子
梅林に人影絶えて夜の風 青山好男
一点句
蜜蜂も三労四休寒戻る 船津 元
梅の香はあるようで無き季節病 船津 元
産月の娘に蜜蜂の二三匹 原田啓子
剣抜かず老ゆる蜜蜂我も又 神長誉夫
戸袋に吸い込まれゆく蜂の群 阿部文彦
バス停に吾独り待つ余寒かな 原田啓子
咲き競ふ雛の口々山笑ふ 神長誉夫
蜂蜜や春光集め黄金色 龍野ひろし
蜜蜂や琥珀のひかりまき散らす 龍野ひろし
茶処に湯気立ち込めて梅日和 阿部文彦
知らぬ街尋ねる家に梅白し 青山好男
石仏の肩まで埋めて山笑う 阿部文彦
蜜蜂の仕事疲れて戻る箱 阿部文彦
春の海会えること無き人想う 青山好男
四阿に座れば四方の山笑う 阿部文彦
娘の握るおにぎり二つ山笑う 原田啓子
梅園に笑う老若あんこ餅 青山好男
安曇野の堰の飛沫や山笑ふ 龍野ひろし
縁側で刈られし白髪山笑ふ 神長誉夫
運命や働き蜂と女王蜂 小林ひろ
門入れば白梅の香に迎えられ 上野貴子
梅の花もの無き畑に色点じ 青山好男
ホットティー今日か明日かと梅の花 小林ひろ
東雲に星消え忘れ山笑ふ 神長誉夫
LINEにて梅の咲き様尋ねけり 辻 雅宏
それぞれの蕾萌えそむ梅月夜 阿部文彦
莟からいつしか香る梅の里 上野貴子
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ
※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。
~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~
梅一輪花瓶の中の故郷かな・・・7点
梅の花の句が春の戦を勝ち抜きました。花瓶に挿した一輪の美しさが心に響く素晴らしい句ですね。次回はもう夏の勝です!今年もいよいよ猛暑の始まりです!楽しみです。
(夏:5月~7月)
~~~今月の選評~~~
山笑ふ六千尺の露天風呂
大自然の中の大きな露天風呂、春のまだ冷たい風と温泉に温まっていく身体。
心が解放されてゆく。
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★6月の兼題(5月末日〆切)
【新樹】【五月雨】【紙魚】
※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。
★オンライン句会
毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
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【今月のワンポイントレッスン】
今回から新しいテーマでこのコーナーの考察を続けて行きたいと思います。
これまで「や」「かな」「けり」の切れ字について芭蕉の「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回からは、そうした手法的な考察ではなく、全体の歴史を見てゆこうと思います。芭蕉が俳諧の発句として、俳句を一句に独立させて、江戸前期に全国に広めました。
古池や蛙飛び込む水の音・・・芭蕉
この句が、芭蕉の俳句の大元と成る開眼の一句だと言われています。句意は「蛙が飛び込む水の音が響きわたっています。何と静かな古い池であろう。」季語は「蛙」春となります。
貞享3年1686年芭蕉43才の句です。蛙を句材に平凡な事柄に風情を見出すことにより、和歌や連歌、またそれまでの俳諧の型にはまった情趣から一線を画したものであるとされ、この句が芭蕉開眼の名句と云われています。この後46才で「奥の細道」の旅にでて、多くの名句を生み出しています。
閑さや岩にしみ入る蝉の声・・・芭蕉
この句も「蝉」という平凡な事柄を詠んでいますが「閑さ」という情趣が禅の精神である侘び寂びにも通じる深い感慨をもたらしています。
芭蕉はこうして江戸前期にこれまでの俳諧の世界を発句という一句独立した文学として高めていったのです。そして、1694年元禄7年51歳で江戸を発ち伊賀上野へ向かう途中に大阪で倒れ病状悪化の為に死去しています。蕉風と呼ばれる芸術性の極めて高い句風を確立し、後世では俳聖として世界的にも知られる、日本史上最高の俳諧師の一人と現在でも云われています。
(会報令和六年四月号より 上野貴子)
「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com/
【ネット句会後記】
春の戦最終ステージは、七点句、五点句、四点句と高点句が並んで終わりました。夏の戦がスタートしています。第一ステージの選句と第二ステージの投句をよろしくお願いします。句会は選句して完結します。必ず、選句に参加して感想も添えて下さるようお願いします。
(令和六年五月 辻 雅宏)
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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~LINE公式俳句大会4月結果発表~
<大賞>
31 大西 文子 手を合わすお地蔵様の顔に蜂
<2点句>
2 米重 初枝 暮れるまで地蔵の視野に雀の子
6 田辺 公子 ミツバチは集団力で危機脱し
15 奥平 雅子 フレンチのフォークとナイフ花衣
28 さこたゆう ホバリング仕事精出す蜂余多
34 大西 文子 房総の潮風うける花見酒
35 大西 文子 草萌ゆる復興祈るコンサート
38 南出 千賀子 刺されまいハッカ油片手のガーデンニング
41 大倉 宏美 蜂の巣も我が家も母は飛び回り
この他の結果はLINEよりご覧ください。
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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。
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