2022年3月ネット句会

今月の投句(春の戦第2ステージ)

1水温む長靴を干す真昼時
2夕椿角のコンビニ野菜市
3珈琲を片手に宵の朧月
4振り向くな突っ走れ早春の吾
5泣きたくて泣けぬ夜道の白椿
6飛び石を濡らす茶庭の水温む
7躙り口覗く椿の赤さかな
8戸口より笑ひこぼるる雛の家
9雛飾る母娘三代昼下がり
10箱出でて頬の冷たき女雛かな
11蓮池の鯉の揺らぎや水温む
12一輪の椿を添えて床飾る
13さびしくて鈴転がして鳴く子猫
14インコ走るしぐさおかしき春の音
15立春の大雪山の光かな
16落椿拾い集めて手水鉢
17水温む池の水面空戻る
18よく見れば玄関脇に雪間草
19花粉症まってましたと飛ぶ構え
20春動く小さな小山盛り上がる
21水温む宇治橋架かる五十鈴川
22顔洗ふ無骨なる手に水温む
23背き合ふ赤い椿と白椿
24椿落つ猫驚きて尾を立てり
25廃屋と知るや知らずや椿咲く
26椿落つ上り電車の始発駅
27紅つばき模したるみやび京和菓子
28赤子はやはじめの一歩水温む
29椿落つ小川の水に日の反射
30水温む鍵の振れゐるランドセル
31せせらぎの音も軽やか水温む
32五日ほどジョギング休み水温む
33華やかな時もあったと散る椿
34人の来ぬ池畔に開く白椿
35廃屋を護りて咲くや藪椿
36一日を大事に大事に椿咲く
37撮影を待ち居る如く椿咲く
38落椿拾えばしとり艶めいて
39気掛かりは人それぞれに椿落つ
40身の内の大半占めて水温む
41投げキスで立去る舞台落椿
42誘われて鼻寄せてみる白椿
43落椿これっきりよと言うごとく
44過去の人想いだしおり水温む
45三味線の指しなやかに水温む
46余寒なほ眉間に皺の阿修羅像
47枕木を数えてわたる雪解風
4
8雪解けて吾子の靴下現るる
4
9轟々と光広ぐる雪解川
50連覇への襷を晒す雪解川
51余寒なほ体育館の保護者会
52友禅を透かし雪どけ水ながる
53駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ
54雪解水ふわり越え来る転校生
55霊山の嶺より落つる雪解水
56仏間までピンクの香りヒヤシンス
57地震に覚め支度の時の余寒かな
58雪解川往くに存分なる日差し
59雪解川所々に鄙びた草浸る
60野仏の欠けし目鼻や余寒なほ
61雪解河わたる客車に人は無く
62寸借の厠に残る寒さかな
63冷えきったサンドイッチの余寒かな
64余寒とて美しき言葉やビル狭間
65屋根よりの雪解のしずく早鐘に
66余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり
67触れ合う手ともに冷たき余寒かな
68ふる里の無人の駅の余寒かな
69雪解けの声に赤鬼面忘れ
70せせらぎの調べ軽やか雪解水

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 ★LINE公式俳句大会発表動画はこちらから
https://sites.google.com/view/haikutaikai-ueno3/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 4月の兼題【遅日】&【花冷】(3月31日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 【春の戦2・3・4月】

 ★4月の兼題(3月31日〆切。)

 【遅日】

昼の長くなった日のことで日永とおなじであるが日の暮れるのが遅くなったことに重点を置いている。傍題に、暮遅し、夕長し。

 【花冷】

桜の咲くころ、急に冷え込むことがある。その冷え冷えとした感じを花冷えという。傍題に、花の冷え、花冷ゆる。

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 <先句に学ぶ>

   暮遅し門燈をつけポストを見 

                                          星野立子

   うどん屋を探して歩く花の冷

                    稲畑汀子

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 3月号2月の結果(春の戦第一ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

雪解川所々に鄙びた草浸る

枕木を数えてわたる雪解風

友禅を透かし雪どけ水ながる

轟々と光広ぐる雪解川

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像

 

<点盛りの結果>

 

六点句 

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像      龍野ひろし

  

五点句 

枕木を数えてわたる雪解風        原田啓子

 

三点句 

雪解けて吾子の靴下現るる        阿部文彦

轟々と光広ぐる雪解川          龍野ひろし

連覇への襷を晒す雪解川         神永誉夫

余寒なほ体育館の保護者会        辻 雅宏

 

二点句 

友禅を透かし雪どけ水ながる       青山好男

駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ        水野幸子

雪解水ふわり越え来る転校生       神永誉夫

霊山の嶺より落つる雪解水        辻 雅宏

 

一点句 

仏間までピンクの香りヒヤシンス     水野幸子

地震に覚め支度の時の余寒かな      阿部文彦

雪解川往くに存分なる日差し       山本佐和子

雪解川所々に鄙びた草浸る        山本佐和子

野仏の欠けし目鼻や余寒なほ       龍野ひろし

雪解河わたる客車に人は無く      青山好男

寸借の厠に残る寒さかな         辻 雅宏

冷えきったサンドイッチの余寒かな    山本佐和子

余寒とて美しき言葉やビル狭間      井上悦男

屋根よりの雪解のしずく早鐘に     水野幸子

余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり   井上悦男

触れ合う手ともに冷たき余寒かな     青山好男

ふる里の無人の駅の余寒かな       阿部文彦

雪解けの声に赤鬼面忘れ         上野貴子

せせらぎの調べ軽やか雪解水       井上悦男

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 ★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

LINE公式俳句大会2月結果発表~

 大賞   富岡眞奈  梅の朱灰色のビルの谷間に

 2点句

 平塚庸代   雪解の野ボール追う犬ぶち模様

 南出千賀子  花の文込めたる詫びを胸に抱き

 Sayuri    昼休み青空眺めリフレッシュ

1点句 

  山本佐和子  雪解川所々に鄙びた草浸る

 龍野ひろし   淡色のローランサンは春の色

 南出千賀子   冴え返る今朝も暖取る卵焼き

 

★LINE公式俳句大会発表動画はこちらから
https://sites.google.com/view/haikutaikai-ueno3/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪
https://lin.ee/UY7VIpw

 ※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

      余寒なほ眉間に皺の阿修羅像・・・六点     

 2022年の春がやってきました。暦の上での春はまだまだ寒さが厳しいことが最高得点句を見ても良く解りますね。この後もコロナ禍がまだまだ続きますが桜の季節まであと少しです。

(春:2月~4月) 

 ~~~今月の選評~~~

 雪解けて吾子の靴下現るる

雪解けしての発見の句である。探していた靴下がこんなところにあったのかという驚きをうまく詠まれている。 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

★4月の兼題(3月末日〆切)

 【遅日】と【花冷】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

 【おしゃべりHAIKU勉強会より】2022年2月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、今回は2月号なので芭蕉全句から梅の俳句を見てみましょう。

 梅が香にのつと日の出る山路かな・・・芭蕉

 の句は芭蕉51才の句と言われています。どこか俳諧味のある楽しい句ですね。「のつと」という擬音語がユーモラスな印象を与えてくれます。切れ字は「かな」止めで解りやすい使い方です。「梅が香」と「日の出」が現代では季重りですが、芭蕉の時代では新年の句となるでしょう。

  梅が香に昔の一字あはれなり・・・芭蕉

 この句は同じく芭蕉51才の時の句とされています。笈日記に残されている句ですが、この句には切れ字は無いようですね。「昔」というところに故人を偲ぶ想いが詠まれています。梅丸という門人の息子の死を慰める手紙にあると言われます。

 どちらも同じ51歳の時の句のようです。「梅が香」に日の出を見たり、故人を偲んだり、その想いは様々ですが、両者とも、所謂、俳句の決まり事にはとらわれていないように読み取れます。

 季語が2つの前者の句に、後者の句には切れ字はありません。やはりこうしてみると、俳句の基本は17文字の日本語のリズムのようです。

 日本語の美しさを575の短い3フレーズに凝縮することが肝心要となっています。

 (2022年令和四年三月 上野貴子)

 「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com

 

【ネット句会後記】

 春の戦第一ステージではなから高得点句が出ました。追い駆ける句が楽しみです。春は名のみの寒さですが、春はそこまで来ています。変異コロナに翻弄される生活環境ですが、隙間をついてやりたいことをしたいものです。

(令和四年三月 辻 雅宏)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

2023年6月ネット句会

今月の投句(夏の戦第2ステージ)

 

1子供らの謎なぞ遊び木下闇

2迷ひ込むサターン出さうな木下闇

3退院日外に出づれば風薫る

4貝塚の層は幾重や風薫る

5迷ひ猫根城さがすや木下闇

6あの角を曲がれば木下闇の謎

7ひとつ登れば晴れて風薫る

8駅までの木漏れ陽の道風薫る

9風薫る木立の中をどこ行くの

10あてもなく風に誘われ夏木立

11窓開き見下ろす街や風薫る

12けん玉で遊ぶ子たちや風薫る

13薫風に称名の寺輝けり

14せせらぎの音生き生きと木下闇

15奥まりて熊野の古道木下闇

16みどり児の笑窪くっきり木下闇

17風に折れし牡丹三本供花とす

18アンパンマンのよな笑顔風薫る

19愛鳥週間インコと共に暮れゆきぬ

20嬰泣きし涙なぞりて夏の風

21伊勢湾へ木曽揖斐長良風薫る

22故里を遠望の丘風薫る

23ピンそばに寄せるショットや風薫る

24熊野古道霊気ただよふ木下闇

25下闇を抜けて広ごる平野かな

26木下闇猛る十五が息を吐く

27パドル上げ五十路は薫風なすがまま

28香気ある手紙を埋めし木下闇

29軋み行くトロッコ列車や風薫る

30猫の駆るバス停ありし木下闇

31サッカーの球フワと浮き風薫る

32薫風や舳先に猫の座りおり

33暗いほど外明るくて木下闇

34自転車の誰か人待つ木下闇

35木下闇家族何やら話し込み

36葉桜の蔭に川瀬の水光る        

37葉桜の中に奏でる瀬音かな       

38夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋       

39バイオリンの弓締め直す昼薄暑     

40葉桜の中をゆるりと車椅子       

41葉桜に透ける光を仰ぎけり       

42葉桜や詰襟開く初年生         

43サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ   

44葉桜の隙間を埋むる空の青       

45人影も絶えて堤の花は葉に       

46作句する語彙の貧しき薄暑かな     

47葉桜を描くキャンバス青き空      

48娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり    

49葉桜の梢へ伸びる緑かな        

50地下街を出でて地上の街薄暑      

51葉桜やケルンに注ぐジン香る      

52二階より豆腐屋止むる夕薄暑      

53配達を終へし自転車夕薄暑       

54老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな       

55葉桜や嬰は保育園なれた頃       

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

7月の兼題【夕立】&【髪洗う】(6月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

【夏の戦5・6・7月】

★7月の兼題(6月末日〆切。)

【夕立】

短時間に雷をともなった雨が激しく降り、特に夏に多く、午後に多い。

傍題に、白雨、驟雨、夕立晴、夕立雲。

 【髪洗う】

汗とほこりに汚れやすい夏は毎日のように髪を洗うことが多くなる。

傍題に、洗ひ髪。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   先ぶれの一粒が来て大夕立

                高橋悦男

 

   髪洗ひ今日の愁ひは今日捨てん

                山田弘子

  

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年6月号5月の結果(夏の戦第1ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋

葉桜を描くキャンバス青き空

娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり

葉桜の梢へ伸びる緑かな

地下街を出でて地上の街薄暑

 

三点句

葉桜の蔭に川瀬の水光る        上野貴子

葉桜の中に奏でる瀬音かな       阿部文彦

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋       龍野ひろし

バイオリンの弓締め直す昼薄暑     原田啓子

葉桜の中をゆるりと車椅子       阿部文彦

 

二点句

葉桜に透ける光を仰ぎけり       龍野ひろし

葉桜や詰襟開く初年生         神長誉夫

サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ   龍野ひろし

葉桜の隙間を埋むる空の青       辻 雅宏

人影も絶えて堤の花は葉に       辻 雅宏

 

一点句

作句する語彙の貧しき薄暑かな     阿部文彦

葉桜を描くキャンバス青き空      青山好男

娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり    水野幸子

葉桜の梢へ伸びる緑かな        原田啓子

地下街を出でて地上の街薄暑      辻 雅宏

葉桜やケルンに注ぐジン香る      神長誉夫

二階より豆腐屋止むる夕薄暑      辻 雅宏

配達を終へし自転車夕薄暑       龍野ひろし

老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな       青山好男

葉桜や嬰は保育園なれた頃       水野幸子

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

葉桜の蔭に川瀬の水光る・・・3点

葉桜の中に奏でる瀬音かな・・・3

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋・・・3

バイオリンの弓締め直す昼薄暑・・・3点

葉桜の中をゆるりと車椅子・・・3点

 

 今回は初夏の戦とあって点がばらけました。最高点が5句も同点です。これははじめての現象です!次回が楽しみですね。

(夏:5月~7月)

 

  ~~~今月の選評~~~

 葉桜の蔭に川瀬の水光る

この季節には植物の生命力が強く感じられる。川の流れや水面の光を一層眩しく感じるようになる。

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 

★6月の兼題(5月末日〆切)

 【夕立】と【髪洗う】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は最上川での句を見てみましょう。

五月雨をあつめて早し最上川・・・芭蕉

「奥の細道」の中でも有名な名句です。最上川は山形を川上として日本海の酒田の海へ流れています。芭蕉は五月の長雨の頃に訪れ詠んだ句です。大小の支流からの流れを集めて満々とした濁流は数々の難所を経て勢いよく下り、その早さは夏の暑さを忘れさせてくれる程の清涼感を残してくれているという句の意味がひしひしと伝わります。この句は「集めて早し」ではなく「集めて涼し」と芭蕉は始めに詠んだのですが、後から実際に最上川下りを体験して「涼し」を「早し」と推敲して「奥の細道」に掲載したと言われています。本文からも大石田で雨の止むまで待っている間に一巻残したとあり、川を下る前の一巻での発句を川下りの後の実体験から勢いのある「早し」と推敲したという説は、有名この句の逸話として解説されています。

 切れ字としては特に無いのですが、「早し」の「し」が形容詞ク活用の終止形の「し」なので、切れ字十八では切れ字となります。芭蕉の時代では切れ字ありとなる句でしょう。

 現代では「や」「かな」「けり」には当てはまらないので、切れ字の有無にかかわらず動きのある名句と言えるでしょう。

(令和五年六月号より 上野貴子)

  

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 【ネット句会後記】

 夏の戦第一ステージは3点句が5句と並びました。どの句が第二ステージで抜け出るか、はてまた、2点句から追い越す句が現れるか楽しみな展開です。梅雨入りしました。

紫陽花が雨に似合います。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年六月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 LINE公式俳句大会4月結果発表~

 <大賞>

 1   濱野 洋子 語り部の話に夢中夕薄暑

 2点句>

15 さこた ゆう 薄暑光7000歩越し旨き水

24 山田 純   桜散る画を撮りたくて風を待つ

30 鈴木 恵美子 ほろ苦さ独活をつまみにすすむ酒

34 南出 千賀子 薄暑光温水の中影一瞬

38 大倉 宏美  あと一行読もう蛙の目借時

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2022年4月ネット句会

今月の投句(春の戦最終ステージ) 

1遅き日のたてぶえ響く通学路

2花冷えや地球一周ぶん歩く

3遅日にて夕寝は昼寝となりにけり

4花冷えの蕊の真紅のくっきりと

5花冷えや国一丸の晴天日

6目覚めても日差し明るき遅日かな   

7花冷や行き着く先の海の青

8戦争の報道昼夜遅日かな

9この星の戦い憂ふ花の冷

10花冷や終着近き一両車

11在庫なし遅日の書店めぐる旅

12暮遅し猫の窓辺に長く居り

13花冷の節電対策犬を抱く

14花冷ゆるコーンポタージュの舌ざわり

15花冷や地下鉄内の人丸く

16白米の炊けてキッチン暮れ兼ねる

17エコバック買い物帰り夕永し

18花冷えの町を救急車が走る

19コロナ禍の花冷えに人は無口で

20花冷えの風はさわさわ泣くもんか

21堀の水行きどころ無く遅日かな

22枝と枝重なる影や夕長し

23花冷えを描く老爺のベレー帽

24花冷える街路の狭しランドセル

25花冷えや花見るひとの顔白し

26花冷えやコロナで家に籠りけり

27ベランダに紫煙くゆらす花の冷え

28盆栽の鋏の音や遅日なる

29鎌倉へ母を連れだす遅日かな

30蔵町に鐘の音ひびく遅日かな

31はこべらを食みてインコは緑の香

32雪割の鶴嘴春の音立てて

33ふらここや曽孫を膝に青空へ

34故郷の人らのよぎる春の地震

35種袋ひしめく命ざわめきて

36花冷えや夜へと急ぐ貨車の群れ

37キャンドルに影濃き祈り花の冷え

38花冷えや児を抱く手が銃掴む

39耳朶にピアスの悔いや花の冷え

40花冷えや紅茶にミルクの乱れ雲

41遅日かな夕餉の支度忘れおり

42柵越しに馬と目の合う遅日かな

43夕長くなれど定時の店じまい

44一国の花冷え世界を震撼す

45チョッキ着た犬も小走り花の冷え

46三椏の花の香りに立ち止まる

47遅き日の帰りに遊ぶ幼稚園

48暮れかぬる夕陽眺めて散歩かな

49雪形の種蒔き兎どこ隠れ

50花冷えや如何にするかと電話する

51境内に鳩まだ遊ぶ遅日かな

52遅日とて猫の帰宅も遅くなり

53ひもすがら上野公園花の冷え

54花冷の宴となりぬ一夜城

55花冷や一枚羽織り庭仕事

56水温む長靴を干す真昼時

57夕椿角のコンビニ野菜市

58珈琲を片手に宵の朧月

59振り向くな突っ走れ早春の吾

60泣きたくて泣けぬ夜道の白椿

61飛び石を濡らす茶庭の水温む

62躙り口覗く椿の赤さかな

63戸口より笑ひこぼるる雛の家

64雛飾る母娘三代昼下がり

65箱出でて頬の冷たき女雛かな

66蓮池の鯉の揺らぎや水温む

67一輪の椿を添えて床飾る

68さびしくて鈴転がして鳴く子猫

69インコ走るしぐさおかしき春の音

70立春の大雪山の光かな

71落椿拾い集めて手水鉢

72水温む池の水面空戻る

73く見れば玄関脇に雪間草

74花粉症まってましたと飛ぶ構え

75春動く小さな小山盛り上がる

76水温む宇治橋架かる五十鈴川

77顔洗ふ無骨なる手に水温む

78背き合ふ赤い椿と白椿

79椿落つ猫驚きて尾を立てり

80廃屋と知るや知らずや椿咲く

81椿落つ上り電車の始発駅 

82紅つばき模したるみやび京和菓子

83赤子はやはじめの一歩水温む

84椿落つ小川の水に日の反射

85水温む鍵の振れゐるランドセル

88せせらぎの音も軽やか水温む

89五日ほどジョギング休み水温む

90華やかな時もあったと散る椿

91人の来ぬ池畔に開く白椿

92廃屋を護りて咲くや藪椿

93一日を大事に大事に椿咲く

94撮影を待ち居る如く椿咲く

95落椿拾えばしとり艶めいて

96気掛かりは人それぞれに椿落つ

97身の内の大半占めて水温む

98投げキスで立去る舞台落椿

99誘われて鼻寄せてみる白

100落椿これっきりよと言うごとく

101去の人想いだしおり水温む

102三味線の指しなやかに水温む

103余寒なほ眉間に皺の阿修羅像      

104枕木を数えてわたる雪解風        

105雪解けて吾子の靴下現るる       

106轟々と光広ぐる雪解川          

107連覇への襷を晒す雪解川         

108余寒なほ体育館の保護者会        

109友禅を透かし雪どけ水ながる       

110駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ        

111雪解水ふわり越え来る転校生       

112霊山の嶺より落つる雪解水        

113仏間までピンクの香りヒヤシンス     

114地震に覚め支度の時の余寒かな      

115雪解川往くに存分なる日差し       

116雪解川所々に鄙びた草浸る        

117野仏の欠けし目鼻や余寒なほ       

118雪解河わたる客車に人は無く      

119寸借の厠に残る寒さかな         

120冷えきったサンドイッチの余寒かな    

121余寒とて美しき言葉やビル狭間      

122屋根よりの雪解のしずく早鐘に     

123余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり   

124触れ合う手ともに冷たき余寒かな     

125ふる里の無人の駅の余寒かな       

126雪解けの声に赤鬼面忘れ         

127せせらぎの調べ軽やか雪解水       

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 5月の兼題【衣更】&【薔薇】(4月30日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 【夏の戦5・6・7月】

★5月の兼題(4月30日〆切。)

 【更衣】

冬から春にかけて着用した厚手の衣服を夏物に着替えることをいう。
傍題に、衣更ふ。

 【薔薇】

その姿と香で広く愛され品種も多い。
傍題に、さうび、薔薇園、紅薔薇、白薔薇、薔薇の雨など。

  

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

   試着してストレス増やす更衣
              廣田㐂代子

   どの家も薔薇を咲かせて新開地
                  前橋春菜

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 4月号3月の結果(春の戦第2ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

雛飾る母娘三代昼下がり

さびしくて鈴ころがして鳴く子猫

落椿拾い集めて手水桶

よく見れば玄関脇に雪間草

椿落つ上り電車の始発駅

 

<点盛りの結果>

 八点句

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像      龍野ひろし

五点句

赤子はやはじめの一歩水温む       井上悦男

枕木を数えてわたる雪解風        原田啓子

四点句

戸口より笑ひこぼるる雛の家       青山好男

三点句

椿落つ上り電車の始発駅         井上悦男

雪解けて吾子の靴下現るる        阿部文彦

轟々と光広ぐる雪解川          龍野ひろし

連覇への襷を晒す雪解川         神永誉夫

余寒なほ体育館の保護者会        辻 雅宏

 二点句

 水温む鍵の振れゐるランドセル      井上悦男

さびしくて鈴転がして鳴く子猫      水野幸子

落椿拾い集めて手水鉢          野里 安のり

紅つばき模したるみやび京和菓子     井上悦男

廃屋を護りて咲くや藪椿         阿部文彦

箱出でて頬の冷たき女雛かな       青山好男

椿落つ猫驚きて尾を立てり        辻 雅宏

ふる里の無人の駅の余寒かな       阿部文彦

余寒とて美しき言葉やビル狭間      井上悦男

雪解河わたる客車に人は無く       青山好男

友禅を透かし雪どけ水ながる       青山好男

駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ        水野幸子

雪解水ふわり越え来る転校生       神永誉夫

霊山の嶺より落つる雪解水        辻 雅宏

 一点句

顔洗ふ無骨なる手に水温む        辻 雅宏

一日を大事に大事に椿咲く        原田啓子

泣きたくて泣けぬ夜道の白椿       上野貴子

蓮池の鯉の揺らぎや水温む        水野幸子

五日ほどジョギング休み水温む      阿部文彦

友禅を透かし雪どけ水ながる       青山好男

雛飾る母娘三代昼下がり         青山好男

よく見れば玄関脇に雪間草        野里 安のり

椿落つ小川の水に日の反射        井上悦男

三味線の指しなやかに水温む       原田啓子

立春の大雪山の光かな          水野幸子

仏間までピンクの香りヒヤシンス     水野幸子

地震に覚め支度の時の余寒かな      阿部文彦

雪解川往くに存分なる日差し       山本佐和子

雪解川所々に鄙びた草浸る        山本佐和子

野仏の欠けし目鼻や余寒なほ       龍野ひろし

寸借の厠に残る寒さかな         辻 雅宏

冷えきったサンドイッチの余寒かな    山本佐和子

屋根よりの雪解のしずく早鐘に      水野幸子

余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり    井上悦男

触れ合う手ともに冷たき余寒かな     青山好男

雪解けの声に赤鬼面忘れ         上野貴子

せせらぎの調べ軽やか雪解水       井上悦男

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 ★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~LINE公式俳句大会月結果発表~

 大賞 濱野 洋子 部室にも一礼をして卒業す

 2点句

 山本 佐和子  卒業歌謳い終われば独りなり

         遅き日のたてぶえ響く通学路

濱野 洋子      青春切符胸とどろかす遅日かな

山田 純     春陽に背中を押され走る朝

Keiko     古雛や一つ欠けたる撥太鼓

さこたゆう    春夕焼レッスン帰り深呼吸

橋詰 博     待望のワクチン終えて水温む

 

1点句 

 南出千賀子  花冷のショールに重なる愛大小(あいだいしょう)

        牡丹雪陽の幻か待つ人か

        川沿いをふわりと散歩夕永し

富岡眞奈    ひなあられ娘はすでに嫁に行き

大堀亮造    冴え返る今朝も暖取る卵焼き

神尾清子    玉堤さくらの枝にさくら色

山田 純      春のとりふわりと温み肩に居り

                      花冷えにしまったコートをまた羽織る

                      徹夜明け自分にご褒美桜ラテ

大倉宏美          花冷に遊べよちょうちょかくれんぼ

 

★LINE公式俳句大会発表HPはこちらから
https://bit.ly/3D8KBpp

 ★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪
https://lin.ee/UY7VIpw

 ※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表

https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

     

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像・・・八点

 

2022年の春はどうも厳しい句が勝ち抜いています。毎日ニュースでは桜の話題と一緒にウクライナ情勢が報道されていて、何だか春のほのぼのとした空気に浸る間もないコロナ禍を反映しているような句ですね。日本はもう春爛漫の桜の季節です。どうか素敵な句を沢山お送りください。恐ろしいパンデミックな時代が早く終わるといいです。

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

五日ほどジョギング休み水温む

 

冬から春へと移り変わる時季は、変わり始めるとあっという間に暖かくなる時があります。ジョギングを数日休んだだけなのに、その数日の間にいつの間にか春めいていたという実感と驚きが、細かな説明無しでユーモラスに見事に表現されていると思いました。

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★5月の兼題(4月末日〆切)

 【更衣】と【薔薇】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【今月のワンポイントレッスン】

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2022年3月号より

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は春の吟行会で行く予定の千住大橋の句を見てみましょう。 

行く春や鳥啼きうをの目は泪・・・芭蕉

 この句は芭蕉46才「奥の細道」の中の名句です。千住大橋の袂までお弟子さん達が別れを惜しみ見送りに来て、とうとうここで別れて、この先は曽良との奥州への旅が始まります。
 奥州街道とは、江戸千住から奥州白河に至る街道。江戸時代の五街道の一つです。この旅が厳しい覚悟を決めた旅であることが、この別れの句から読みとれます。
 切れ字としては「や」が使われていますね。芭蕉が一番よく使う好きな切れ字のようです。「や」は今でも使われますが、その意味は詠嘆や強調ですね。柔らかな語調などからも使われやすい切れ字です。しかも上五ですので、ここでは効果的に春の別れを物語っているのでしょう。
 芭蕉は奥の細道の中で、この切れ字「や」を全六十二句の中で二十九句も使っています。半数近くが「や」のある俳句となりますね。これは調べてみて意外でしたが、面白い結果でした。どこか和歌の様な言葉のリズムや柔らかさをかもちだす切れ字「や」は、詠嘆を感じさせてくれる便利な作句法だったようです。
 芭蕉のこの句は、鳥や魚たちまでもがお弟子さん達と一緒に芭蕉の春の旅立ちを惜しんでいるという美しい句です。春の別れは今も昔も美しい物語を作り出す不思議なものですね。

(2022年令和四年四月 上野貴子)

 「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

 【ネット句会後記】

  春の戦第2ステージは支持を集めた句が8点句となりました。最終ステージでも逃げ切りそうな気配です。そして、夏の戦の準備です。初夏らしい季語を用意しました。

(令和四年四月 辻 雅宏)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 

2023年7月ネット句会

今月の投句(夏の戦第3ステージ)

 

1束ね髪解きて少女は髪洗ふ

2テンポあげトタン叩くや大夕立

3夕立の甍を叩く寺の町

4長靴のポケモン躍る夕立かな

5大夕立街の火照りを覚ましけり

6夕立の後から紫雲奔る

7雨上がり白雨の影を風が追う

8洗い髪まとめて風の頬撫でる

9髪洗い小さな木蔭に癒される

10大粒の夕立の降る今ここに

11夕立や音立て入る部屋暗し

12夕立や異人宿借る大手門

13夕立をせがむ蛙の声高し

14髪洗う水音清し夜の星

15髪洗う湯殿を包む夜の闇

16夕立の歩道に泡の立ちにけり

17夕立や吾子の自転車叩き去る

18夕立によく動きけり池の鯉

19旅人の風に梳かるる洗い髪

20講演を明日に控えて髪洗う

21風一陣風鈴さわぐ夜店かな

22ががんぼや「あなたはいいね」「ほっとする」

23桐の花咲かせてゐたる斜陽館

24ほうたるを蚊帳に放して闇分かつ

25洗い髪夜風に吹かれ回り道

26白雨去りいぶし瓦の底光り

27一列の黒豆戦士髪洗ふ

28夕立や右目の白き達磨居て

29薄明やメデューサ髪を洗ふ影

30藍甕に湧き立つあぶく白雨来る

31傘持たぬ人皆走る夕立かな

32夕立果てあらはれでたる虹の橋

33コンビニへ駆け込む子ども大夕立

34無骨なる指もて妻の髪洗ふ

35初デートあしたにひかへ髪洗ふ

36葉桜の蔭に川瀬の水光る        

37バイオリンの弓締め直す昼薄暑     

38夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋       

39サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ   

40葉桜に透ける光を仰ぎけり       

41葉桜の中に奏でる瀬音かな       

42葉桜の中をゆるりと車椅子       

43薫風や舳先に猫の座りおり       

44貝塚の層は幾重や風薫る        

45軋み行くトロッコ列車や風薫る     

46二階より豆腐屋止むる夕薄暑      

47配達を終へし自転車夕薄暑       

48葉桜や詰襟開く初年生         

49葉桜の隙間を埋むる空の青       

50人影も絶えて堤の花は葉に       

51あてもなく風に誘われ夏木立      

52せせらぎの音生き生きと木下闇     

53伊勢湾へ木曽揖斐長良風薫る      

54熊野古道霊気ただよふ木下闇      

55子供らの謎なぞ遊び木下闇       

56風に折れし牡丹三本供花とす      

57サッカーの球フワと浮き風薫る     

58嬰泣きし涙なぞりて夏の風       

59故里を遠望の丘風薫る         

60みどり児の笑窪くっきり木下闇     

61暗いほど外明るくて木下闇       

62けん玉で遊ぶ子たちや風薫る      

63作句する語彙の貧しき薄暑かな     

64葉桜を描くキャンバス青き空      

65娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり    

66葉桜の梢へ伸びる緑かな        

67地下街を出でて地上の街薄暑      

68葉桜やケルンに注ぐジン香る      

69老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな       

70葉桜や嬰は保育園なれた頃 

71夕立ち止みストーンヘンジの巨石かな

72地の匂い甦る時夕立ちあと

73雨粒のぼつと落ち来て夕立かな

74天窓にさす光なお髪洗う

75髪洗う湯のなつかしき夕べかな

 

      

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

8月の兼題【稲妻】&【墓参】(7月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

【秋の戦8・9・10月】

 

★8月の兼題(7月末日〆切。)

 

【稲妻】

空中で電気が放電して発する光をいう。

傍題に、稲光、稲の殿。

 

【墓参】

お盆に先祖の墓へ詣でることをいう。

傍題に、掃苔、墓洗ふ。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

   いなびかり北よりすれば北を見る

                  橋本多佳子

   きやうだいの縁うすかりし墓参かな

                  久保田万太郎

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

令和5年7月号6月の結果(夏の戦第2ステージ)


~~<主宰上野貴子選5句>~~


子供らの謎なぞ遊び木下闇

風に折れし牡丹三本供花とす

サッカーの球フワと浮き風薫る

サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ

二階より豆腐屋止むる夕薄暑

 

五点句

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋       龍野ひろし

 

四点句

葉桜の蔭に川瀬の水光る        上野貴子

バイオリンの弓締め直す昼薄暑     原田啓子

葉桜の中をゆるりと車椅子       阿部文彦

 

三点句

サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ   龍野ひろし

葉桜に透ける光を仰ぎけり       龍野ひろし

葉桜の中に奏でる瀬音かな       阿部文彦

 

二点句

薫風や舳先に猫の座りおり       原田啓子

貝塚の層は幾重や風薫る        龍野ひろし

軋み行くトロッコ列車や風薫る     神長誉夫

故里を遠望の丘風薫る         辻 雅宏

二階より豆腐屋止むる夕薄暑      辻 雅宏

配達を終へし自転車夕薄暑       龍野ひろし

葉桜や詰襟開く初年生         神長誉夫

葉桜の隙間を埋むる空の青       辻 雅宏

人影も絶えて堤の花は葉に       辻 雅宏

 

一点句

あてもなく風に誘われ夏木立      上野貴子

せせらぎの音生き生きと木下闇     阿部文彦

伊勢湾へ木曽揖斐長良風薫る      辻 雅宏

熊野古道霊気ただよふ木下闇      辻 雅宏

子供らの謎なぞ遊び木下闇       龍野ひろし

風に折れし牡丹三本供花とす      水野幸子

サッカーの球フワと浮き風薫る     原田啓子

嬰泣きし涙なぞりて夏の風       水野幸子

みどり児の笑窪くっきり木下闇     水野幸子

暗いほど外明るくて木下闇       原田啓子

けん玉で遊ぶ子たちや風薫る      阿部文彦

猫の駆るバス停ありし木下闇      原田啓子

作句する語彙の貧しき薄暑かな     阿部文彦

葉桜を描くキャンバス青き空      青山好男

娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり    水野幸子

葉桜の梢へ伸びる緑かな        原田啓子

地下街を出でて地上の街薄暑      辻 雅宏

葉桜やケルンに注ぐジン香る      神長誉夫

老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな       青山好男

葉桜や嬰は保育園なれた頃       水野幸子

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋・・・5

 

夏の戦は苦戦です。何と同点並びから5点句が勝ち残りました。夏は句材が多い季節だけあって緑の豊かさに美味しい食ネタや楽器を詠まれたりと面白い戦いです。
次回までどの句が勝ち残るかまた楽しみですね。

(夏:5月~7月)

  

~~~今月の選評~~~

 

暗いほど外明るくて木下闇

 

薄暗いトンネルとも感じる木下闇は、この句のとおり、通り抜けたときの明るさは安堵感をもたらします。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 ★8月の兼題(7月末日〆切)

 

【稲妻】&【墓参】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は最上川を日本海へ下り酒田の湊での句を見てみましょう。

 

暑き日を海に入れたり最上川・・・芭蕉

 

「奥の細道」の中で日本海へ下り河口での句となります。悠々と流れる最上川が暑い一日を海へ流し込んでしまい河口付近は涼しくなったという意味の句です。

この句の前後には、芭蕉が得意とする切れ字「や」が多く使われていますが、この句には特に代表的な切れ字は見当たりません。文語調では「たり」がありますが、形容動詞の終止形となりここで句の切れを感じます。下五に名詞止を持って来て上手くまとめています。この後に芭蕉は象潟へ向かいます。芭蕉にとっては象潟はこの「奥の細道」の旅の中で大きな目的地のひとつでした。象潟の抄では、「松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし」という名文を残しています。太平洋と日本海のイメージの違いをまさに見事に言い表わしています。広くおおらかな太平洋と厳しく陰鬱な日本海の同じ海でありながらまったく別の顔を持つ美しさですね。天候が定まらないと今も昔も人の心はどこか陰鬱な恨み節を思わせるものなのですね。コロナ禍の不安定さと天候不順が合いまった現代に通じるものを感じます。

(令和五年七月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 【ネット句会後記】

 

夏の戦第一ステージで5句ありました3点句が第二ステージで4点句へ3句が抜け出ました。果たして、どの句が制するのか興味津々です。

八月からは俳句では秋になります。お盆を迎え、家族の顔も揃う楽しい月です。

秋の第一ステージの始まりでもあります。投句と選句をセットにして参加下さい。

選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年七月 辻 雅宏)

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 

LINE公式俳句大会5月結果発表~

 

<大賞>

 43 南出 千賀子 里帰り懐かしの文庫青葉闇

 

2点句>

4   米重 初枝 青空へ風とスキップ吹き流し

7   濱野 洋子 戸隠の風に押されて夏祓

16 さこたゆう 探検のここが入り口木下闇

27 tanaka624 お日様と隠れん坊する木下闇

31 鈴木 恵美子 木下闇道なき先の滝の音

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

2022年5月ネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

1女王も悪魔もありて薔薇の園

2薔薇の香や入園券を買う列に

3器にもこだわりありし衣更

4衣更子のたのもしきふくらはぎ

5もの言える国こそ良けれ薔薇の花

6物憂げな薔薇に振り出す雨の粒

7衣更真っ新な心地で町へ

8いつかまた蔓薔薇の家友の家

9咲く家の主は知らず薔薇の道

10西洋のガーデン真似て薔薇一鉢

11衣更ふ妻の手細きそっと見る

12薔薇かほる若きランナー深き息

13白薔薇や佳きひと眠るカセドラル

14薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな

15母の日や「写真の人」となりし母

16庭師には嘘はつかない薔薇の花

17薔薇の門くぐり主役の仕草せり

18ポケットの財布移して衣更

19船の旅終えて独りの衣更

20家中の窓開け放し衣更

21母の日の大輪の花束空におく

22ベビー服薄手にしたる衣更

23あめんぼにスケーターワルツながれけり

24オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり

25ジカリヨンの鐘に零るる薔薇の露

26薔薇散れりひとひらごとの影もまた

27薔薇の傷触れし唇濡れた赤

28氷刃をあてがふ薔薇の凛として

29薔薇の雨去りゆく影の透きとほる

30ジャガイモの花の中より斜里そびゆ

31旧友に会えたような日更衣 

32更衣へて一段飛ばしの歩道橋

33長き名の薔薇に手書きの名札つけ

34薔薇散るや一寸法師の舟となり

35薔薇の香に途切れ途切れの読書かな

36更衣あれこれ訊かれ三面鏡

37更衣白一団の今朝の駅

38マネキンの肌もあらはに更衣

39薔薇よ薔薇王家の名前つけられて

40薔薇の門くぐり祝ふや婚の客

41蘇る母の味付け木の芽和え

42狭き空ビルの谷間も余花残花

43狂ほしき風の形の雪柳

44ふがいなき傷を負ひたる恋の猫

45燕来る高速道の高架下

  

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 月の兼題【短夜】【夏帽子】(5月31日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 【夏の戦5・6・7月】

 ★6月の兼題(5月31日〆切。)

【短夜】

その短さ、はかなさを惜しむ気持ちを重ねて夏の夜を呼んだのが短夜という季語です。
傍題に、明易し。

【夏帽子】

夏にかぶる帽子の総称。
傍題に、麦藁帽、パナマ帽、カンカン帽など。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

    短夜のあけゆく水の匂ひかな 

              久保田万太郎

      銀座には銀座のセンス夏帽子

                  松本青風

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

5月号4月の結果(春の戦第3ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

遅き日のたてぶえ響く通学路

在庫なし遅日の書店めぐる旅

花冷えを描く老爺のベレー帽

ひもすがら上野公園花の冷え

雛飾る母娘三代昼下がり

 

<点盛りの結果>

 

九点句

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像   龍野ひろし

  

六点句

赤子はやはじめの一歩水温む   井上悦男

 

五点句

枕木を数えてわたる雪解風    原田啓子

 

四点句

戸口より笑ひこぼるる雛の家   青山好男

 

三点句

花冷ゆるコーンポタージュの舌ざわり   小南彩乃

椿落つ上り電車の始発駅     井上悦男

雪解けて吾子の靴下現るる    阿部文彦

轟々と光広ぐる雪解川      龍野ひろし

連覇への襷を晒す雪解川     神永誉夫

余寒なほ体育館の保護者会    辻 雅宏

 

二点句

花冷えを描く老爺のベレー帽   青山好男

鎌倉へ母を連れだす遅日かな   阿部文彦

遅き日のたてぶえ響く通学路   山本佐和子

花冷えや夜へと急ぐ貨車の群れ  神永誉夫

盆栽の鋏の音や遅日なる     阿部文彦

枝と枝重なる影や夕長し     青山好男

顔洗ふ無骨なる手に水温む    辻 雅宏

雛飾る母娘三代昼下がり     青山好男

水温む鍵の振れゐるランドセル  井上悦男

さびしくて鈴転がして鳴く子猫  水野幸子

落椿拾い集めて手水鉢      野里 安のり

紅つばき模したるみやび京和菓子 井上悦男

廃屋を護りて咲くや藪椿     阿部文彦

箱出でて頬の冷たき女雛かな   青山好男

椿落つ猫驚きて尾を立てり    辻 雅宏

ふる里の無人の駅の余寒かな   阿部文彦

余寒とて美しき言葉やビル狭間  井上悦男

雪解河わたる客車に人は無く   青山好男

友禅を透かし雪どけ水ながる   青山好男

駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ    水野幸子

雪解水ふわり越え来る転校生   神永誉夫

霊山の嶺より落つる雪解水    辻 雅宏

 

一点句

花冷えや児を抱く手が銃掴む   神永誉夫

柵越しに馬と目の合う遅日かな  原田啓子

在庫なし遅日の書店めぐる旅   小南彩乃

ひもすがら上野公園花の冷え   辻 雅宏

花冷や行き着く先の海の青    井上悦男

キャンドルに影濃き祈り花の冷え 神永誉夫

チョッキ着た犬も小走り花の冷え 辻 雅宏

この星の戦い憂ふ花の冷     井上悦男

花冷えや紅茶にミルクの乱れ雲  神永誉夫

蔵町に鐘の音ひびく遅日かな   阿部文彦

暮遅し猫の窓辺に長く居り    小南彩乃

耳朶にピアスの悔いや花の冷え  神永誉夫

白米の炊けてキッチン暮れ兼ねる 上野貴子

花冷えの町を救急車が走る    上野貴子

ベランダに紫煙くゆらす花の冷え 阿部文彦

一日を大事に大事に椿咲く    原田啓子

泣きたくて泣けぬ夜道の白椿   上野貴子

蓮池の鯉の揺らぎや水温む    水野幸子

五日ほどジョギング休み水温む  阿部文彦

友禅を透かし雪どけ水ながる   青山好男

よく見れば玄関脇に雪間草    野里 安のり

椿落つ小川の水に日の反射    井上悦男

三味線の指しなやかに水温む   原田啓子

立春の大雪山の光かな      水野幸子

仏間までピンクの香りヒヤシンス 水野幸子

地震に覚め支度の時の余寒かな  阿部文彦

雪解川往くに存分なる日差し   山本佐和子

雪解川所々に鄙びた草浸る    山本佐和子

野仏の欠けし目鼻や余寒なほ   龍野ひろし

寸借の厠に残る寒さかな     辻 雅宏

冷えきったサンドイッチの余寒かな 山本佐和子

屋根よりの雪解のしずく早鐘に  水野幸子

余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり 井上悦男

触れ合う手ともに冷たき余寒かな 青山好男

雪解けの声に赤鬼面忘れ     上野貴子

せせらぎの調べ軽やか雪解水   井上悦男

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~LINE公式俳句大会4月結果発表~

 大賞 さこたゆう   白薔薇が好き壺にたっぷり活ける

 2点句 

さこたゆう   髪束ねパステルカラーに衣更

濱野 洋子   ブラウスに いつぱいの風更衣

 1点句 

さこたゆう  野茨の角曲がる家へようこそ

      ドライのバラライブの記念に残す

橋詰博    衣更決めて口笛高らかに   

       マネキンの衣更え終えポーカーフェイス

富岡 眞奈      一面の 綿毛蹴り蹴り 散歩する

デビ愛染   花のしべ 雨粒たたえ 咲き誇る

大倉 宏美  衣更早歩きして清々し

南出千賀子  衣更えその手進まぬ母思う

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表

https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

      余寒なほ眉間に皺の阿修羅像・・・九点     

 とうとう逃げ切られてしまいました。今年は厳しい春ですね。寒暖の差が激しい季節には厳しい顔の阿修羅像の句が高得点を取りました。この後の夏は今年もきっと猛暑ですね。
(春:2月~4月)

  

~~~今月の選評~~~

 花冷えや児を抱く手が銃掴む

 何句かウクライナ情勢を詠んでいる句がありましたが、この句は
まさに国境で家族との別れ、妻子はポーランドへ夫は戦場へと、
臨場感があり詠み手の心の様が手に取るようにわかります。
ウクライナに平和が早く訪れますように、
家族の再会をいのっています。

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

月の兼題(5月末日〆切)

 【短夜】【夏帽子】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【今月のワンポイントレッスン】 

2022年「おしゃべりHAIKUの会」会報5月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は私が手術入院という緊急事態となってしまったことに因んで、曽良が病のために先に帰ることになる別れの無念さを詠んだ句を見てみましょう。

 行き行きてたふれ伏とも萩の原・・・曽良

 この先、師と別れての一人旅の途中でたとえ行倒れてしまおうともそこが萩咲く野でありたいという思いの句です。昔の人は厳しい旅を続けることへの覚悟が現代では考えられないほどのものだったのですね。

 今日よりや書付消さん笠の露・・・芭蕉

 芭蕉が曽良の句に「予も又」と書いた句です。今日からは、もう笠に書いた「同行二人」という文字も露で消してしまおう。という一人旅への覚悟が書かれています。病の為とは言えやはり別れは辛いものですね。ましてや旅先では、不安が多いものです。

始めの句には「切れ字」はありません。575のリズムは整っていますから違和感の無い俳句ですね。

芭蕉の句は上五に「や」があります。これは上五の「けふよりや」と文語調では表記されることで「きょう」という現代読みと同じ五文字となります。「ちょう」が「てふ」と文語調では表記されることと同じですね。ですからこの句も整った句となります。

「や」という切れ字は芭蕉が多く使う切れ字です。ここでは、今日の今からという切ない別れの瞬間を惜しんでいることがよく解ります。

芭蕉の時代には自然な作句法だったのでしょう。「や」の柔らかな音調が効いています。

(令和4年5月上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら  https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

【ネット句会後記】

春の戦は9点句の独走で終わりました。5月となり初夏に入りました。すごしやすい気持ちのいい季節です。夏の第1ステージには兼題「更衣、薔薇」に40句が寄せられました。特選には選評も添えて下さるようお願いします。そして、6月の兼題にも奮って投句下さるようお待ちしています。

(令和四年五月 辻 雅宏)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

2023年8月ネット句会

今月の投句(秋の戦第1ステージ)

1新宿の空を広げし稲光

2富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

3稲妻の眼裏に残る軌跡かな

4稲妻やひかりの走る山湖かな

5稲妻や天の重心傾けて

6名瀑をさらに濡らして稲光

7葉を金箔に変えて一閃稲光

8また今度いつものセリフ墓参り

9踏みしめる細き山道墓参り

10外堀に亀平泳ぎ夏は来ぬ

11ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ

12稲妻や川の氾濫大写し

13稲妻やツァラトストラの語りそむ

14本尊の空位を晒す稲光

15墓参り掃除の下手な子でごめん

16稲妻や叱る事なき子と竦み

17モカの香や海に稲妻五本立つ

18稲妻を眺む吾の背に夫の声

19稲妻や空にも夜光虫住むという

20稲妻にルガーノの街一変す

21庭の花父母に手向ける墓参かな

22香煙の低く哀しき雨墓参

23ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿

24天空の闇を稲妻ほしいまま

25稲妻や竿を納むる太公望

26若き日の蹉跌を詫びる墓参かな

27父の歳越えて悔悟の墓参り

 

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

9月の兼題【二百十日】&【草の花】(8月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

【秋の戦8・9・10月】

 

★9月の兼題(8月末日〆切。)

 

【二百十日】

立春から二百十日目で、九月一、二日に当たる。

傍題に、厄日。

 

【草の花】

秋の名のある草、名もない草の花のことである。

傍題に、百草の花、千草の花。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   手紙には書かねど二百十日かな

                 黒田杏子

 

   本名は頓とわからず草の花

               夏目漱石

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年8月号7月の結果(夏の戦第3ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

夕立の甍を叩く寺の町

髪洗う水音清し夜の星

ががんぼや「あなたはいいね」「ほっとする」

ほうたるを蚊帳に放して闇分かつ

白雨去りいぶし瓦の底光り

  

六点句

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋       龍野ひろし

 

五点句

葉桜の中をゆるりと車椅子       阿部文彦

バイオリンの弓締め直す昼薄暑     原田啓子

 

四点句

葉桜の蔭に川瀬の水光る        上野貴子

サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ   龍野ひろし

 

三点句

葉桜に透ける光を仰ぎけり       龍野ひろし

葉桜の中に奏でる瀬音かな       阿部文彦

白雨去りいぶし瓦の底光り       神長誉夫

葉桜の隙間を埋むる空の青       辻 雅宏

二階より豆腐屋止むる夕薄暑      辻 雅宏

 

二点句 

髪洗う湯殿を包む夜の闇        青山好男様

無骨なる指もて妻の髪洗ふ       辻 雅宏

夕立の甍を叩く寺の町         龍野ひろし

洗い髪夜風に吹かれ回り道       水野幸子

大夕立街の火照りを覚ましけり     龍野ひろし

テンポあげトタン叩くや大夕立     龍野ひろし

熊野古道霊気ただよふ木下闇      辻 雅宏

薫風や舳先に猫の座りおり       原田啓子

貝塚の層は幾重や風薫る        龍野ひろし

軋み行くトロッコ列車や風薫る     神長誉夫

故里を遠望の丘風薫る         辻 雅宏

配達を終へし自転車夕薄暑       龍野ひろし

葉桜や詰襟開く初年生         神長誉夫

人影も絶えて堤の花は葉に       辻 雅宏

 

一点句

雨上がり白雨の影を風が追う      上野貴子

髪洗う水音清し夜の星         青山好男

ががんぼや「あなたはいいね」「ほっとする」水野幸子

ほうたるを蚊帳に放して闇分かつ    水野幸子

夕立の歩道に泡の立ちにけり      阿部文彦

旅人の風に梳かるる洗い髪       阿部文彦

夕立ち止みストーンヘンジの巨石かな  原田啓子

天窓にさす光なお髪洗う        原田啓子

夕立や音立て入る部屋暗し       青山好男

薄明やメデューサ髪を洗ふ影      神長誉夫

束ね髪解きて少女は髪洗ふ       龍野ひろし

テンポあげトタン叩くや大夕立     龍野ひろし

講演を明日に控えて髪洗う       阿部文彦

あてもなく風に誘われ夏木立      上野貴子

せせらぎの音生き生きと木下闇     阿部文彦

伊勢湾へ木曽揖斐長良風薫る      辻 雅宏

子供らの謎なぞ遊び木下闇       龍野ひろし

風に折れし牡丹三本供花とす      水野幸子

サッカーの球フワと浮き風薫る     原田啓子

嬰泣きし涙なぞりて夏の風       水野幸子

みどり児の笑窪くっきり木下闇     水野幸子

暗いほど外明るくて木下闇       原田啓子

けん玉で遊ぶ子たちや風薫る      阿部文彦

猫の駆るバス停ありし木下闇      原田啓子

作句する語彙の貧しき薄暑かな     阿部文彦

葉桜を描くキャンバス青き空      青山好男

娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり    水野幸子

葉桜の梢へ伸びる緑かな        原田啓子

地下街を出でて地上の街薄暑      辻 雅宏

葉桜やケルンに注ぐジン香る      神長誉夫

老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな       青山好男

葉桜や嬰は保育園なれた頃       水野幸子

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋・・・6点

 

夏の最終戦です。とうとう6点句が勝ち抜きました。

夏は句材が多い季節ですが、最近は暑すぎる猛暑のためか

意外に苦戦でした。古風な下町情緒の句が最高点を取りましたね。

次回はもう秋の戦となります。残暑が厳しい季節ですが

どんな句が集まるかお楽しみに。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

夕立ち止みストーンヘンジの巨石かな

 

夕立の後のみずみずしい広大な荒野が目に浮かぶとともに、長い歴史の積み重ねを経た巨石群を目前にして、人間の卑小や生命の一瞬性を想い、自然に対して敬虔な気持ちにさせられる。

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 

★9月の兼題(8月末日〆切)

 

【二百十日】&【草の花】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

只今準備中

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は最上川を日本海へ下り酒田の湊での句を見てみましょう。

 

暑き日を海に入れたり最上川・・・芭蕉

 

「奥の細道」の中で日本海へ下り河口での句となります。悠々と流れる最上川が暑い一日を海へ流し込んでしまい河口付近は涼しくなったという意味の句です。

この句の前後には、芭蕉が得意とする切れ字「や」が多く使われていますが、この句には特に代表的な切れ字は見当たりません。文語調では「たり」がありますが、形容動詞の終止形となりここで句の切れを感じます。下五に名詞止を持って来て上手くまとめています。この後に芭蕉は象潟へ向かいます。芭蕉にとっては象潟はこの「奥の細道」の旅の中で大きな目的地のひとつでした。象潟の抄では、「松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし」という名文を残しています。太平洋と日本海のイメージの違いをまさに見事に言い表わしています。広くおおらかな太平洋と厳しく陰鬱な日本海の同じ海でありながらまったく別の顔を持つ美しさですね。天候が定まらないと今も昔も人の心はどこか陰鬱な恨み節を思わせるものなのですね。コロナ禍の不安定さと天候不順が合いまった現代に通じるものを感じます。

(令和五年七月号より 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

【ネット句会後記】

 

夏の戦が六点句をトップに終わりました。俳句の八月は秋だそうですが、この猛暑からは実感できませんね。秋の戦第一ステージの始まりです。

投句と選句をセットにして参加下さい。選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年八月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 

LINE公式俳句大会6月結果発表~

 

<大賞>

 

25 米重 初枝 あの雲の下は夕立君の駅

 

2点句>

 

17 濱野 洋子 抽斗の古びた名簿麦の秋

18 さこたゆう 夕立が洗い流した一ページ

30 鈴木 恵美子 田植え終え水に映るは空のあお

46 大倉 宏美 気がつけば読みふける間に夕立や

 

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

  

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2022年6月ネット句会

今月の投句(夏の戦第2ステージ)

1寝つかれぬ旅の枕や明易し

2没頭の徹夜麻雀明早し

3能登に泊つランプの宿の明易し

4夏帽の改札抜ける海の駅

5九十の伯母輝くや夏帽子

6短夜のヒールの音や石畳 

7天窓の短夜蒼き空のまま

8竿さしてパナマ帽行く運河かな 

9夏帽に飛行機雲の白さかな 

10立ち止まる人話す人夏帽子 

11短夜にスネアが跳ねて弦が追ふ

12しなやかに人混み抜けて夏帽子

13短夜を舐るネオンの熱き舌

14寝顔秘す大小四つの夏帽子

15短夜じゃ濡れた唇乾かない

16青空に曽孫の花柄夏帽子

17明けやすし住職の打つ寺の鐘

18美しきフランス料理蝸牛

19草を抜く手にひらきけり夏の蝶

20発車ベルホーム彩る夏帽子

21突堤に釣り糸垂らす麦藁帽

22観光のパスが吐き出す夏帽子

23短夜や北へ北へと貨車がゆく

24短夜や机上に積みしままの古書

25畦道に葬列白きパナマ帽

26街の色連れ帰りたりパナマ帽

27古机亡父のにおう麦藁帽

28遠き日や紐ちぎれたる麦藁帽

29短夜や浪にただよう孤舟かな

30夏帽子いつか写真のあの町へ

31捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽

32夏帽子やっとお外で子等の声

33短夜のラジオの歌の懐かしく

34短夜のジグソーパズル終わらずに

35母の忌は母の好みし新茶汲む

36お握りの形いびつに豆の飯

37鳴く猫の声をかき消す夏嵐

38武蔵野は薔薇満つ百花風の路

39若返る色を纏ひし更衣

40追ひついて二つとなりし夏帽子

41短夜や老爺ひとりで目刺し焼く

42夏帽子ブルースは熟年の曲

43日の当たる坂に紫紺の夏帽子

44短夜や沖ゆく船の灯の遅速

45短夜のドライヤー急くこともなく

46短夜の深きに沈むレトロチカ

47夏帽子つばの先向く水平線

48親切に過ぎる叔母の屋薔薇の角

49住処より遠き公園薔薇に雨

50女王も悪魔もありて薔薇の園         

51長き名の薔薇に手書きの名札つけ       

52もの言える国こそ良けれ薔薇の花       

53母の日や「写真の人」となりし母       

54母の日の大輪の花束空におく         

55薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      

56更衣へて一段飛ばしの歩道橋         

57家中の窓開け放し衣更            

58咲く家の主は知らず薔薇の道         

59マネキンの肌もあらはに更衣         

60薔薇散れりひとひらごとの影もまた      

61オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     

62薔薇散るや一寸法師の舟となり        

63衣更子のたのもしきふくらはぎ        

64薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        

65薔薇の門くぐり主役の仕草せり        

66いつかまた蔓薔薇の家友の家         

67ポケットの財布移して衣更          

68更衣あれこれ訊かれ三面鏡          

69薔薇の香や入園券を買う列に         

70白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

月の兼題【滝】【金魚】(6月30日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

【夏の戦5・6・7月】

 

★7月の兼題(6月30日〆切。)

 【滝】

雄大な滝も小さな滝も、眺めてそれぞれに清涼感があるものです。
傍題に、瀑布、滝壺、夫婦滝、滝見茶屋など。

 【金魚】

養殖されて鑑賞用で、紅、白、黒など色、形とも種類が多い。
傍題に、和金、琉金、出目金など。金魚売、金魚鉢は別の兼題になります。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   滝落ちて群青世界とどろけり
              水原秋櫻子 

  金魚浮き時を吸ひては泡を吐く
              西東三鬼

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 6月号5月の結果(夏の戦第1ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 女王も悪魔もありて薔薇の園

もの言える国こそ良けれ薔薇の花

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり

長き名の薔薇に手書きの名札つけ

薔薇散るや一寸法師の舟となり

  

<点盛りの結果>

 

四点句

女王も悪魔もありて薔薇の園        井上悦男

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

 

三点句

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

 

二点句

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

 

一点句

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けておりますが、季節ごとの勝ち抜き戦のため季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~LINE公式俳句大会5月結果発表~

 

大賞 南出 千賀子 旧友と酌み交わす(くみかわす)夜の明け早し

 

2点句

  橋詰 博    村工場訪ねて香る一番茶

  鈴木 恵美子  雨ふふむ命の芽生え葉桜に

                    豆ご飯小指で試す塩加減  

 

1点句

   さこたゆう   太陽をはねのけ白い夏帽子

                  ページ繰る夏の夜(よ)短し時計鳴る

                  幼子の麦わら帽子赤リボン

    濱野 洋子         灯台の風に手を添へ夏帽子

   南出 千賀子     衿足しにUV帽子のつば翳り

    橋詰 博            破天荒竿から逃げた鯉のぼり

    大倉 宏美     夏帽子水玉模様にてんと虫

                      夏帽子虫取りの子の網模様

    じゅんこ     やわき髪ふわりミルクと汗香る  

 鈴木 恵美子    人知れず古刹静まり若葉風

   Keiko     明易し句集のあたりへ手を伸ばし

 

 

★LINE公式俳句大会発表HPはこちらから

https://sites.google.com/view/haikutaikai-ueno3/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表

https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

女王も悪魔もありて薔薇の園・・・四点

長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・四点

 

今月から夏の戦が始まります。まずは薔薇の句が2句同点ですね。これからどんな句が迫って来るか楽しみです。

(夏:5月~7月) 

 

~~~今月の選評~~~ 

母の日や「写真の人」となりし母 

写真の人となった母は昨年のことであろう。そう思えばこの句は

しみじみと響いてきます。 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★7月の兼題(6月末日〆切)

 【滝】【金魚】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が呼んだ初夏の名句を見てみましょう。 

あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉 

日光での名句ですね。「青葉若葉」と季語を重ねてひとつの季語として、緑が光輝き美しいことを詠み、新しくなった東照宮を讃頌しています。この句には切れ字は見当たりません。斬新な季語がこの句を印象的にしています。 

木啄も庵はやぶらず夏木立・・・芭蕉 

この夏の句にも切れ字がありません。「夏木立」の仏頂和尚の隠居後を訪て詠んだ句ですが、雨風をしのいだ庵の後が夏木立の中にひっそりとある姿は人の世の刹那を感じさせます。切れ字はこの句にもありません。「や」を好んで使う芭蕉の句の中では、意外に切れ字が無い句が多いのですが、夏の句には、ことさら強調するよりも、季語の印象が強い句が多いようです。

芭蕉の時代から、切れ字の良し悪しはあまり強く解かれていません。

切れ字をよしとするのであれば、どの言葉を用いても切れ字であり、俳句の語調が心地よく整えば、その句の意味が伝わり易いとされています。

やはり、17文字の短い中に、江戸時代の芭蕉の想いが凝縮されているからこそ、現代でも読んで感動し共感するのですね。こうしてみても、現代の私達は現代の言葉の句を詠みたいものです。

(令和四年六月 上野 貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

【ネット句会後記】

 夏の戦第一ステージの兼題「薔薇」にいい句が集まったように思いました。6月に入って、ようやく夏らしくなってきました。街ゆく人にも半袖が目立ちます。7月の兼題は滝と金魚を用意いたしました。どちらも清涼感がある兼題です。

たくさんのご応募をお待ちしています。特選の一句には選評も添えて下さるようお願いします。

(令和四年六月 辻 雅宏)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 

2023年9月ネット句会

今月の投句(秋の戦第2ステージ)

 

1草の花名も無き花に名を付けん

2草の花笑み柔らかき野の仏

3トテ馬車の蹄の音や草の花

4二百十日時の階段飛び越えて

5草の花微笑み合ひし道祖神

6空白し二百十日の畑仕事

7故郷をのぞむ峠や草の花

8草の花ままごと遊び孫が笑む

9植木鉢我が物顔や草の花

10迷い来て道なき野辺の草の花

11廃線を行けば迎える草の花 

12石垣の隙間を埋めて草の花

13何もなく二百十日の夕餉かな

14貝ひとつ二百十日の忘れ潮

15通り雨路地を叩いて厄日過ぐ

16二百十日渦中に眠るみどり児よ

17刈るまいとするも刈りたり草の花

18松島や秋空をブルーインパルス

19複眼のバッタ墓石を飛び越えて

20草の花郷を離るる汽車に散り

21漁場遥か二百十日の波を越え

22去る朝にくしゅんと背なの草の花

23厄日明け薄く泥引く沈下橋

24二百十日待ち侘ぶ客の来ぬ日かな

25通り雨二百十日の庭先に 

26一匹の猫の鼻先草の花

27普段着で歩く楽しさ草の花

28草の花故郷のあの畦道に

29保母さんに吾子が差し出す草の花

30手術待ち二百十日も無事過ぎて

3110年目待ちに待ちたる酢橘のみ

32少し楽心の声の残暑かな

33フェリー航く二百十日の波しずか29

34おだやかな二百十日の句会かな

35牧に咲くその名知りたき草の花

36乳牛の食むをはばかる草の花

37可愛さに摘むをためらふ草の花

38富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     

39稲妻や天の重心傾けて        

40稲妻や竿を納むる太公望       

41モカの香や海に稲妻五本立つ     

42新宿の空を広げし稲光        

43稲妻や川の氾濫大写し        

44香煙の低く哀しき雨墓参       

45名瀑をさらに濡らして稲光      

46稲妻の眼裏に残る軌跡かな     

47ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    

48天空の闇を稲妻ほしいまま      

49ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     

50庭の花父母に手向ける墓参かな    

51また今度いつものセリフ墓参り    

52稲妻にルガーノの街一変す      

53墓参り掃除の下手な子でごめん    

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

10月の兼題【身に入む】&【紅葉且つ散る】(9月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

【秋の戦8・9・10月】

 

★10月の兼題(9末日〆切。)

 

【身に入む】

秋も闌ける頃から寒さが身にしむのを覚えます。

 

【紅葉且つ散る】

紅葉しながら同時に散るのをいう。紅葉散るは冬の季語になります。。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

 

   梵鐘の一打身に入む古都の宵

                 稲畑廣太郎

 

   山紅葉且つ散る雨も加はりて

                稲畑汀子

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 令和5年9月号8月の結果(秋の戦第1ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿   

葉を金箔に変えて一閃稲光

踏みしめる細き山道墓参り

外堀に亀平泳ぎ夏は来ぬ

父の歳越えて悔悟の墓参り

  

四点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

三点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

二点句 

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

稲妻や竿を納むる太公望・・・4点

 

秋の戦が始まりました。始めは順当な句が勝ちとっていますね。

突然の稲妻に慌てている釣り場の動きが見事に目に動きます。

秋はまだまだ猛暑が厳しいようですが

この後が楽しみです。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

稲妻や竿を納むる太公望

 

「太公望」が、単なる「釣り人」以上の意味を醸し出している句だと思いました。恐ろしい稲妻ですが、滑稽さも加味されているように感じます。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 

★10月の兼題(9月末日〆切)

 

【身に入む】&【紅葉且つ散る】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は越後路の七夕の頃の句を見てみましょう。

 

文月や六日も常の夜には似ず・・・芭蕉

 

「文月や」と始まりますから、これは七月の六日の句です。七日では無いのにいつになく七夕の夜を思わせる艶っぽい夜だという意味ですが、蒸し暑いのかも知れませんね。陰暦7月は秋に当たりますので、ちょうど八月頃の蒸し暑さを悶々とした逢瀬になぞらえているようです。切れ字「や」はそうした意味を詠嘆で強調していますね。

 

荒海や佐渡によこたふ天河・・・芭蕉

 

同じ抄に収録されている有名な名句です。天河が七夕祭の頃を思わせます。上五の「や」が、いかにも日本海の波音の高い北国の厳しい荒海の様子を表現しています。

芭蕉の好きな切れ字「や」がこの抄では見事な効果を発揮しています。切れ字と言えば多く「や」を使うのが芭蕉の特徴です。加賀の国、現在の金沢市の日本海らしい美しさが垣間見える素敵な名句です。芭蕉の全俳句の中でも、この天河の句はやはり有名ですね。

(令和五年八月号より 上野貴子)

  

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

【ネット句会後記】

 秋の戦がスタートしました。最終的にどの句が抜け出すのか、それとも追い抜く句が現れるのか楽しみな展開です。十月の兼題の「紅葉且つ散る」は俳句特有の季語です。

どんな句が詠まれるか楽しみです。

投句と選句をセットにして参加下さい。選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年九月 辻 雅宏)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

  

LINE公式俳句大会7月結果発表~

 

<大賞>

 19 南出 千賀子 三姉妹喋りっぱなしの墓参り

 

2点句>

10 米重 初枝 朝顔に友の名をつけ日記帳

24 鈴木 恵美子 八ヶ岳稜線跨ぐ登山の日

26 橋詰 博 盆帰り駅名変わりて半世紀

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

 

2022年7月ネット句会

今月の投句(夏の戦最終ステージ)

1嫁となり仰ぐオシンコシン滝

2大滝のてつぺんの空ゆがむかな

3五合目のひらけ滝の音きよら

4ビール腹気にする夫と金魚かな

5満腹がわかつておらぬ金魚たち

6滝ひとつ過去の孤独を覚えたり

7こころざし特に無けれど滝仰ぐ

8作り滝ここで一回休みとす

9落つるたび生まれ新たな滝となる

10滝浴びる脇に来たりていま一人

11掬ひ来し三年目なる金魚かな

12枯滝やぽろぽろ零れ行く記憶  

13断崖を吹き上ぐ風や滝枯るる 

14蘭鋳の泳ぐ最上階の夜

15三日だけ誰か金魚を預かって

16ひらひらと金魚の尾鰭鉢の花

17舞う様に咲く様に歌う様に金魚

18滝落ちて言葉をなくし空仰ぐ

19せせらぎの森の精霊滝の音

20滝壺の青さ無音の大宇宙

21泳いでも泳いでも金魚水の檻

22金魚の眼水に溶けゆき鉢の中

23店先の空金魚鉢五円玉

24武家屋敷「金魚」声高に過ぎにけり

25滝壺に飲まる小舟やナイヤガラ

26白水となりて落ちくる瀑布かな

27滝壺へ難題捨てて帰りけり

28ガラス器の中が金魚の小宇宙

29母と子が金魚掬いに袖ぬらし

30遠泳に望み捨てぬや土佐金魚

31白扇のわづかに開き走り滝

32三匹の尾鰭ふれあふ金魚かな

33みどり児の初座りして夕立やむ

34薔薇を切ってオレンジの香に満たされぬ

35野湯浴みや何故に励むか滝の音

36欠伸して強がるポイの金魚かな

37地の底に降り来る滝よ我に入れ

38眼を見張る鉢の金魚や大謀議

39荒滝に抗う岩のまろさかな

40鎮座する猿に箕面の滝しぶき

41遠足の子らの小さき背に瀑布

42浮かぶ藻に遊んでくれろと金魚かな

43どの名でも呼ぶと泡出す金魚かな

44子らと見る遠山の滝那智の滝

45長椅子に飛沫楽しむ滝見茶屋

46神官の袴あをあを滝開き

47見つめれば眼剥き見返す出目金魚

48水換へに応へて金魚ひと泳ぎ

49掬はれて金魚三匹電車乗る

50民宿は蚊帳の匂ひ波の音

51エアキャビン五分の旅路夕焼空

52片陰にままごと遊びワンデイケー

53谷川の涼を連れ添い流れけり

54一礼の鳥居の先は夏祭

55長き名の薔薇に手書きの名札つけ       

56女王も悪魔もありて薔薇の園         

57寝顔秘す大小四つの夏帽子          

58追ひついて二つとなりし夏帽子        

59もの言える国こそ良けれ薔薇の花       

60薔薇散れりひとひらごとの影もまた      

61母の日や「写真の人」となりし母       

62更衣へて一段飛ばしの歩道橋         

63草を抜く手にひらきけり夏の蝶        

64夏帽の改札抜ける海の駅           

65夏帽子つばの先向く水平線          

66発車ベルホーム彩る夏帽子          

67観光のパスが吐き出す夏帽子         

68いつかまた蔓薔薇の家友の家         

69母の日の大輪の花束空におく         

70薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      

71家中の窓開け放し衣更            

72咲く家の主は知らず薔薇の道         

73マネキンの肌もあらはに更衣         

74寝つかれぬ旅の枕や明易し          

75短夜じゃ濡れた唇乾かない          

76街の色連れ帰りたりパナマ帽         

77明けやすし住職の打つ寺の鐘         

78能登に泊つランプの宿の明易し        

79立ち止まる人話す人夏帽子          

80母の忌は母の好みし新茶汲む         

81お握りの形いびつに豆の飯          

82短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        

83竿さしてパナマ帽行く運河かな        

84若返る色を纏ひし更衣            

85夏帽に飛行機雲の白さかな          

86短夜や机上に積みしままの古書        

87捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         

88短夜や沖ゆく船の灯の遅速          

89夏帽子いつか写真のあの町へ         

90短夜や北へ北へと貨車がゆく         

91突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          

92オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     

93薔薇散るや一寸法師の舟となり        

94衣更子のたのもしきふくらはぎ        

95薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        

96薔薇の門くぐり主役の仕草せり        

97ポケットの財布移して衣更          

98更衣あれこれ訊かれ三面鏡          

99薔薇の香や入園券を買う列に         

100白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

★LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

8月の兼題【朝顔】&【】(7月31日〆切

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 【秋の戦8・9・10月】

 ★8月の兼題(7月31日〆切。)

 【朝顔】

朝顔は、夏の花と思いきや秋の訪れを告げる花。夜明けに開いて昼にはしぼみます。昔の人はこの花に秋の訪れを感じてきたようです。奈良時代に薬として遣唐使により日本にもたらされたそうです。

傍題に牽牛花。

 【蜩】

夕方や暁方に鳴く蝉。カナカナと哀調ある声が特徴です。

傍題に日暮し、かなかな、寒蝉。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   朝顔へ寝起の貌を近づける

                皆川盤水

   ひぐらしのこゑのつまづく午後三時

                    飯田蛇笏

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  7月号6月の結果(夏の戦第2ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

夏帽の改札抜ける海の駅

母の忌は母の好みし新茶汲む

お握りの形いびつに豆の飯

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く

夏帽子つばの先向く水平線

  

<点盛りの結果>(夏の戦第2ステージ)

五点句

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

四点句

女王も悪魔もありて薔薇の園         井上悦男

三点句

寝顔秘す大小四つの夏帽子          神長誉夫

追ひついて二つとなりし夏帽子        井上悦男

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

二点句

草を抜く手にひらきけり夏の蝶        水野幸子

夏帽の改札抜ける海の駅           辻 雅宏

夏帽子つばの先向く水平線          山本佐和子

発車ベルホーム彩る夏帽子          阿部文彦

観光のパスが吐き出す夏帽子         阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

一点句

寝つかれぬ旅の枕や明易し          辻 雅宏

短夜じゃ濡れた唇乾かない          神長 誉夫

街の色連れ帰りたりパナマ帽         青山好男

明けやすし住職の打つ寺の鐘         水野幸子

能登に泊つランプの宿の明易し        辻 雅宏

立ち止まる人話す人夏帽子          原田啓子

母の忌は母の好みし新茶汲む         伊藤はな

お握りの形いびつに豆の飯          伊藤はな

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        井上悦男

竿さしてパナマ帽行く運河かな        原田啓子

若返る色を纏ひし更衣            伊藤はな

夏帽に飛行機雲の白さかな          原田啓子

短夜や机上に積みしままの古書        阿部文彦

捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         上野貴子

短夜や沖ゆく船の灯の遅速          井上悦男

夏帽子いつか写真のあの町へ         上野貴子

短夜や北へ北へと貨車がゆく         阿部文彦

突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          阿部文彦

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 ★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~LINE公式俳句大会6月結果発表~

 <大賞>

 11 山田 純 我もまた小さき鉢の紅金魚

 <2点句>

 1  南出 千賀子 森を抜け水しぶきキラ滝の音

7  橋詰 博   滝しぶき小猿打たれて大はしゃぎ

13 山田 純   滝に出てマイナスイオン全身に

14 山田 純   永劫に尽きる事なく滝の水

16 訓子     音階を繰るごと動く金魚玉

18 道林 正樹  あじさいが待ってましたと雨に笑う

34 大倉 宏美  山の滝しぶきの向こうはパステル画


★LINE公式俳句大会発表HPはこちらから

https://sites.google.com/view/haikutaikai-ueno3/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

 ★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 ★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表

https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・五点

 夏の戦では薔薇の句ですが女王の悪魔もアニメのような薔薇園の句を手書きの名札の句が勝ち抜きました。温かみのある文字が浮かぶ優しい句です。この後はものすごい猛暑が続きますが夏の最終戦はどうなるのか楽しみです。

(夏:5月~7月)

 

~~~今月の選評~~~

 夏帽の改札抜ける海の駅

駅の改札口を抜けた先に広がる青い海を思い起こさせる。「夏帽」という言葉が効果的で、涼しげな風を感じさせてくれる。

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★8月の兼題(7月末日〆切)

 朝顔】と【

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ夏の名句を見てみましょう。

 

夏草や兵どもが夢の跡・・・芭蕉

 

この句は平泉の抄の句です。藤原三代の栄華の儚さを詠んでいます。芭蕉の好きな切れ字「や」がしみじみとした感慨を生み出し歴史の重さを感じますね。勿論、名句ですから、この「や」は効果的です。「夢の跡」という栄枯盛衰の刹那を上手くまとめています。

同じ平泉の抄に

 

五月雨の降のこしてや光堂・・・芭蕉

 

この句が収録されており、夏の長雨の頃の厳しい旅が伺えます。長い月日は千年の時を越えて芭蕉に語り掛けているようです。この句にもやはり「や」が使われています。現代まで保存され残されている光堂ですが、芭蕉の時代では、雨風をしのいで残されていることが心を打つ何よりの刹那だったと読み取れます。

こうして名句を鑑賞していると、歴史の移り変わりが嘘のように、現代の私たちの心に響いてくる句ばかりです。切れ字のあるなしを芭蕉本人のことさら強く言い伝えてはいないようですが、奥の細道を見ても、芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようです。野点の席で烏帽子姿の平安の貴族たちが短冊に和歌を詠んでいる光景が切れ字「や」から浮かんできます。きっと芭蕉も同じように和歌や連歌から俳句を独立した文芸として高めることを常に理想として考えていたからなのかも知れませんね。

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

 

夏の戦第二ステージが終了しましたが、薔薇を詠んだ二句が高位置をキープしています。最終ステージの展開が楽しみです。そして、投句は秋の第一ステージです。

投句されましたら是非、選句もお願いします。今年は梅雨明けが早く、猛暑が続いています。また、台風もこれからです。しっかり対策をしたいものです。

(令和四年七月 辻 雅宏)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

2023年10月ネット句会

今月の投句(秋の戦第3ステージ)

 

1身に入むや初手の碁石の響く部屋

2身に入むや灯りのつかぬ老舗宿

3身に入むや平家滅びし壇ノ浦

4サックスの身に入む音やジャズクラブ

5池の面に紅葉且つ散る古都の寺

6「身に入む」「紅葉且つ散る」

7雲間より落ちる風光しむ身なる

8地球誕生謎めく伝説身に沁みて

9桜紅葉枯れゆく前に紅をさし

10錦染め且つ散る山の紅葉谷

11受け取りて便り身に入む追って書き

12身に入むや玻璃戸を叩く風の音 

13恩師らの法話身に入む夕間暮

14バス降りて紅葉且つ散る里の山

15そよ風に紅葉且つ散る点描画

16紅葉かつ散る蓮池の華やげり

17リハビリの膝の曲がりや身に沁みる

18踏切の音に負けじと落とし水

19夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿

20病窓や仏舎利塔へ秋夕焼け

21郷抱く星の静寂の身に入みて

22麗しき死は無く紅葉且つ散りて

23友去りぬ長き汽笛の身に入みて

24碧岩に紅葉且つ散る小歩危峡

25寄る辺なき星の蒼さの身に入みて

26紅葉かつ散るやほろほろ鳩の声

27紅葉かつ散りて水面の舟となり

28流れゆく月日の身に入む便りかな

29北国の暮るる速さや身に入みて

30雨音の身に入む今朝の目覚めかな

31フルートの音色身に入む演奏会

32警官の説諭身に入む違反かな  

33特攻の遺書に身に入む知覧かな

34登頂の紅葉かつ散る山路かな

35紅葉且つ散る石畳馬籠宿

36葉を金箔に変えて一閃稲光

37踏みしめる細き山道墓参り

38父の歳越えて悔悟の墓参り

39草の花名も無き花に名を付けん

40草の花笑み柔らかき野の仏

41トテ馬車の蹄の音や草の花

42二百十日時の階段飛び越えて

43草の花微笑み合ひし道祖神

44空白し二百十日の畑仕事

45故郷をのぞむ峠や草の花

46草の花ままごと遊び孫が笑む

47植木鉢我が物顔や草の花

48迷い来て道なき野辺の草の花

49廃線を行けば迎える草の花 

50石垣の隙間を埋めて草の花

51何もなく二百十日の夕餉かな

52貝ひとつ二百十日の忘れ潮

53通り雨路地を叩いて厄日過ぐ

54二百十日渦中に眠るみどり児よ

55刈るまいとするも刈りたり草の花

56松島や秋空をブルーインパルス

57複眼のバッタ墓石を飛び越えて

58草の花郷を離るる汽車に散り

59漁場遥か二百十日の波を越え

60去る朝にくしゅんと背なの草の花

61厄日明け薄く泥引く沈下橋

62二百十日待ち侘ぶ客の来ぬ日かな

63通り雨二百十日の庭先に 

64一匹の猫の鼻先草の花

65普段着で歩く楽しさ草の花

66草の花故郷のあの畦道に

67保母さんに吾子が差し出す草の花

68手術待ち二百十日も無事過ぎて

6910年目待ちに待ちたる酢橘のみ

70少し楽心の声の残暑かな

71フェリー航く二百十日の波しずか29

72おだやかな二百十日の句会かな

73牧に咲くその名知りたき草の花

74乳牛の食むをはばかる草の花

75可愛さに摘むをためらふ草の花

76富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     

77稲妻や天の重心傾けて        

78稲妻や竿を納むる太公望       

79モカの香や海に稲妻五本立つ     

80新宿の空を広げし稲光        

81稲妻や川の氾濫大写し        

82香煙の低く哀しき雨墓参       

83名瀑をさらに濡らして稲光      

84稲妻の眼裏に残る軌跡かな     

85ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    

86天空の闇を稲妻ほしいまま      

87ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     

88庭の花父母に手向ける墓参かな    

89また今度いつものセリフ墓参り    

90稲妻にルガーノの街一変す      

91墓参り掃除の下手な子でごめん    

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

11月の兼題【冬日和】&【枯葉】(10月末日〆切

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 【冬の戦11・12・1月】 

★11月の兼題(10末日〆切。

 【冬日和】

冬の晴れわたった穏やかな日和をいう。

傍題に、冬晴、冬晴るる。

 【枯葉】

霜が降り始めると木の葉、草の葉も枯れ始める。

傍題に、枯葉鳴る、枯葉飛ぶ、枯葉舞ふ。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 <先句に学ぶ>

 

   冬晴のとある駅より印度人

               飯田龍太

 

   一陣の風一陣の枯葉舞ふ

              大橋 晄 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 令和5年10月号9月の結果(秋の戦第2ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

草の花名も無き花に名を付けん

貝ひとつ二百十日の忘れ潮

普段着で歩く楽しさ草の花

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

また今度いつものセリフ墓参り

 

七点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

 

五点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

四点句

草の花笑み柔らかき野の仏      龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

三点句

普段着で歩く楽しさ草の花      原田啓子

通り雨路地を叩いて厄日過ぐ     阿部文彦

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

 

二点句 

草の花微笑み合ひし道祖神      龍野ひろし

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

空白し二百十日の畑仕事       青山好男

故郷をのぞむ峠や草の花       青山好男

何もなく二百十日の夕餉かな     阿部文彦

漁場遥か二百十日の波を越え     神長 誉夫

葉を金箔に変えて一閃稲光      青山好男

踏みしめる細き山道墓参り      青山好男

父の歳越えて悔悟の墓参り      辻 雅宏

草の花名も無き花に名を付けん    龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

一匹の猫の鼻先草の花       原田啓子

おだやかな二百十日の句会かな   辻 雅宏

厄日明け薄く泥引く沈下橋     神長 誉夫

フェリー航く二百十日の波しずか  辻 雅宏

墓参り掃除の下手な子でごめん   神長 誉夫

トテ馬車の蹄の音や草の花     龍野ひろし

保母さんに吾子が差し出す草の花  小林 ひろ

 

四点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

三点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

二点句 

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ・・・7点

 

秋の戦は断トツでこの句が勝ち残っています。長い猛暑でご先祖様もさぞ暑かろうと思う気持ちが共感を呼んでいますね。やっと秋らしくなりましたが何となく油断禁物です。

この後の最終戦が楽しみです。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

 

富士山を眺めるお墓のシチュエーションが良い。水をかける行為が、

その2つを見事につないでいる。

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

  

★11月の兼題(10月末日〆切

 

【冬日和】&【枯葉】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は山中の抄の句を見てみましょう。

 

今日よりや書付消さん笠の露・・・芭蕉

 

この句は芭蕉と同行して来た曽良が別れて、これから芭蕉が一人で旅を続けて行くに当たりその寂しさを詠んでいます。曽良は、内臓を病んでしまいここからは先に知人の元へ向かうことになりその別れを惜しんでいるのです。曽良は、一人で行倒れたとしてもそこは萩の花の咲く野原であって欲しい「行々てたふれ伏とも萩の原」という句を残し旅立ます。

芭蕉の句は、芭蕉が好んでいる切れ字「や」を使い、今日これからの旅の不安に詠嘆強調の効果を生み出しています。

「露」という季語がありながら、句の意味の中心を上五にするための見事な効果ですね。

芭蕉の時代ならではの古風な言葉の調べが美しい句です。

また、これまで同行して来た門弟の曽良との旅の別れを詠んでいるところから有名な句となっています。

「や」の多くは上五に使われていますが、やはり自然に時代をうつしている文語調の句ですね。

(令和五年10月号より 上野貴子)

  

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

  

【ネット句会後記】

 

秋の戦第2ステージで7点句が登場し、リードしています。勝ち抜き戦がこの句会の特色です。追い抜く句、新たに高得点の句が出るか最終ステージの結果が楽しみです。

投句と選句をセットにして参加下さるようお願いします。また、選評もお忘れなくお寄せください。

(令和五年十月 辻 雅宏)

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 

LINE公式俳句大会8月結果発表~

 

<大賞>

 

37 大西 文子 隣家まで伸びた朝顔すまし顔

 

2点句>

 

13 鈴木 恵美子 日が落ちて髪を結いあげ盆踊り

20 奥平雅子  幼子が手をのばしとる葡萄棚

29 橋詰 博   秋草の刈り込む匂い袖に染み

 

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

  

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

自由な句会オンライン句会はこちらから