2022年2月ネット句会

今月の投句(2月8日更新・春の戦)

1友禅を透かし雪どけ水ながる
2下り落つ雪解けの水岩削る
3雪解河わたる客車に人は無く
4雪解川所々に鄙びた草浸る
5雪解けの道の一本知己の家へ
6えきったサンドイッチの余寒かな
7居座りて木の芽を制す余寒かな
8雪解川往くに存分なる日差し
9遠目にも明るき伊吹雪解晴
10霊山の嶺より落つる雪解水
11余寒なほ体育館の保護者会
12寸借の厠に残る寒さかな
13ミサを待つ日曜朝の余寒かな
14夫のゐぬ家路も遠く余寒かな
15枕木を数えてわたる雪解風
16税務署の度なる通知余寒かな
17雪解けて道おちこちや世界地図
18眼の隅を指でふき取る余寒かな
19インコ鳴く声も余寒のなかにあり
20屋根よりの雪解のしずく早鐘に
21如月の陽射しの欠片漂いぬ
22仏間までピンクの香りヒヤシンス
23駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ
24雪解水ふわり越え来る転校生
25連覇への襷を晒す雪解川
26雪解河渡船に深紅のランドセル
27止まり木に名知らぬ馴染み欠く余寒
28雪解野や葬送幡の揺れ進む
29余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり
30雪解水石に磨かれをりにけり
31せせらぎの調べ軽やか雪解水
32余寒とて美しき言葉やビル狭間
33雲払ふ風鳴る夜の余寒かな
34雪解けの水何処ゆく月明り
35触れ合う手ともに冷たき余寒かな
36雪解けの声に赤鬼面忘れ
37生垣に雪解のあと陽を追って
38駐車場まだ雪解の名残水
39起き抜けの朝の空気に余寒あり
40キッチンにお茶熱く入れ余寒めく
41友禅を透かし雪どけ水ながる
42下り落つ雪解けの水岩削る
43雪解河わたる客車に人は無く
44雪解けの水何処ゆく月明り
45触れ合う手ともに冷たき余寒かな
46地震に覚め支度の時の余寒かな
47ふる里の無人の駅の余寒かな
48風に耐え余寒にも耐え走る犬
49雪解けて吾子の靴下現わるる
50雪解の水があふれて暴れ川
51雪解風とき緩やかに山の宿
52轟々と光広ぐる雪解川
53余寒なほ眉間に皺の阿修羅像
54野仏の欠けし目鼻や余寒なほ
55余寒なほ画廊に架かる抽象画

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

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3月の兼題【水温む】&【椿】(2月28日〆切

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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【春の戦2・3・4月】

★3月の兼題(2月28日〆切。

【水温む】

春になって日差しがあたたかくなり、気温が上昇し、沼や池などの水もぬるんでくる。
傍題に、温む水、温む池、温む川、温む沼

【椿】

つやつやした肉厚の葉の中に真紅の花を咲かせる。花びらが散るのではなく、花ひとつが丸ごと落ちる。傍題に、玉椿、山椿、藪椿、落椿、白椿、紅椿、赤椿、椿咲く

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

   さしのぞく古井の水もぬるみけり
                 富安風生

   赤い椿白い椿と落ちにけり
                河東碧梧桐

 

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2月号月の結果(冬の戦第三ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

内宮へ詣づる人や淑気満つ
いつになく膝そろえ座す淑気かな
エメラルドの氷上渉たるオンネトウ
日昇り山の祠に淑気満つ
田のあらば神社ありけり淑気満つ


<点盛りの結果>

五点句

 

飴色に干魚艶めく浜小春        神長誉夫

釣り人の等間隔に湖小春        辻 雅宏

鈴の音を零して歩く七五三       伊藤 はな

 

四点句

調弦のホールに充ちる淑気かな     原田啓子

冬ざれの棚田の畦を風走る       水野幸子

眠る子の帯を解きし七五三       伊藤 はな

 

三点句

みどりごの含む乳房や淑気満つ     原田啓子

ぴたぴたと寒の水飲む猫の舌      辻 雅宏

飾られて路面電車のクリスマス     井上悦男

爺婆をしたがへ歩む千歳飴       辻 雅宏

冬ざるる村に一つの床屋かな      辻 雅宏

波白く海鳥高く小六月         上野貴子

飾られて路面電車のクリスマス     井上悦男

 

二点句

日昇り山の祠(ほこら)に淑気満つ    青山好男

甲高きインコの声や淑気満つ      水野幸子

御降りや文机の古書読み通し      阿部文彦

解き放つ管風琴の淑気今        神長誉夫

谷抉る清く厳しき寒の水        神長誉夫

銭湯の富士の壁画や淑気満つ      辻 雅宏

途中下車してまで歩く小春空      辻 雅宏

小春凪海鳥の群れ河口まで       上野貴子

初雪や屋根すべり落つ音かろし     水野幸子

湯けむりに夕陽落として山眠る     阿部文彦

冬ざれにブランコのなほ揺れのこり   青山好男

秋時雨鷹は小屋にて眠りをり      広田洋一

何の日か問う子もにぎる千歳あめ   原田啓子

江の島や小春に浮かぶ富士の影    広田洋一

凩に向かって走るランドセル     阿部文彦

小春日のピアノ鳴り来る上り坂    山本佐和子

 

一点句

突として訃報舞い来る寒椿       阿部文彦

寒の水滴る刃文青く燃ゆ        神長誉夫

内宮へ詣づる人や淑気満つ      辻 雅宏

エメラルドの氷上渉たるオンネトウ   水野幸子

いつになく膝そろえ座す淑気かな    原田啓子

田のあらば神社ありけり淑気満つ   井上悦男

喉元におどるカプセル寒の水      原田啓子

散り際を何ぞためらう寒椿       青山好夫

寒の水世継ぎの服を濯ぎおり      山本佐和子

息つかず喉通したり寒の水       水野幸子

寒の水土鍋に注ぎお味噌汁       山中千明

峰々の淑気カールを滑り来て      神長誉夫

御降りの彼方に揺らぐ漁舟       阿部文彦

寒の水世継ぎの服を濯ぎおり      山本佐和子

仏壇の寒の水澄むりんの音       青山好男

吹雪く海口開けているお化け岩     辻 雅宏

高速に早や灯のともり冬ざるる     原田啓子

エアメール開けばメリークリスマス   辻 雅宏

冬ざれや櫓にのぼる影一つ       青山好男

人の影なくて古寺虎落笛        阿部文彦

繰り返すエチュード聖夜は更けゆきて  神長誉夫

乳飲み子の薄目開け閉め冬ざるる    原田啓子

冬ざれの森に巣箱の黄が残り      神長誉夫

子がありて親のはりきるクリスマス   原田啓子

宅配のピザを加へてクリスマス     辻 雅宏

ふところに白樺抱いて山眠る      阿部文彦

冬ざれて川沿いに雀来ている      上野貴子

冬ざれた里山ひとつ越え真昼      上野貴子

冬ざれて透明度増す赤信号       原田啓子

図書館に哲学の在り冬ざれて      山本佐和子

冬ざれて裏戸に菜っ葉解かず置く    上野貴子

ケーキ欲しダイエットでもクリスマス  山本佐和子

救急のサイレン響く街聖夜       青山好男

一年の無沙汰を詫びて賀状書く     阿部文彦

小春日や猫眠る屋根雲の下      青山好男

縁側で爪切る母の小春かな      辻 雅宏

ベランダで小春にそよぐ七分丈     響 あづ妙

千歳飴引きずり歩く着物の子      響 あづ妙

玉砂利を踏みしめる音七五三     水野幸子

小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く   神長誉夫

紅ひいて唇紡ぐ七五三         響 あづ妙

父笑う紅引き笑う娘見て        響 あづ妙

おくるみに小春の光編み込んで     原田啓子

七五三鳥居の長き影踏みて       青山好男

お互ひに孫連れ出会ふ七五三     辻 雅宏

ジャケットの似合うふ青年恋小春    伊藤はな

小春日を分け合う人の写真立て     神長誉夫

産土の神のお祓ひ七五三       広田洋一

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

飴色に干魚艶めく浜小春・・・五点
釣り人の等間隔に湖小春・・・五点

冬の戦では小春の句が勝ち残りましたね。寒さが厳しい中の小春日は心が和み美しい風景とよく合うのですね。次回はもう春の戦となります。

(冬:11月~1月)

 

~~~今月の選評~~~

日昇り山の祠に淑気満つ

祠に焦点を合わせて詠ませており「淑気」との取り合わせが新鮮です。日の出とともに光が当たり始め、何か粛々とした神々しい空気感を醸し出している光景が目に浮かびます。

 

 

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★3月の兼題(2月末日〆切

 

【水温む】と【椿】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年12月号より

 

「や」「かな」「けり」の切れ字について「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、12月号では、11月の月末定例句会勉強会から見てみましょう。

 

目に青葉山郭公初鰹・・・素堂

 

まずこの句は甲州の江戸の俳人山口素堂(そどう)作ですが、切れ字こそありませんが三段切れが効果的な反則技の句として有名です。季重りでもあり斬新な印象が鮮明に残る俳句です。

 

あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉

 

こちらは芭蕉46才「奥の細道」の句です。「なんと瑞々しい青葉も若葉も陽光に輝いていることだ」という解釈となりますが、この句にしても切れ字は無く季語は季重りです。日光東照宮の句、中七の緑の木々の葉の濃淡を季重りで「青葉若葉」と言っている。反則技ですが日光の美しさと東照宮の素晴らしさが伝わります。徳川家康が祀られているだけあって、現代でも謎めくほどの豪華さは未だに神秘的です。

 

降る雪や明治は遠くなりにけり・・草田男

 

この句は明治から昭和の作者の代表句。この句には切れ字「や」「けり」が2つあり反則技ですね。短い17文字の俳句の世界では、決まり事はあって無いようなものですね。令和を生きる私達には、もはや「切れ字」そのものは無いものとして考えても良いように考えます。レトリック的な技法で古典的なリズムを作り出してしまうだけに陥り易いです。

(2021年令和四年一月 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

 

【ネット句会後記】

 

冬の戦は五点句が並び接戦で終わりました。立春を過ぎて各地で大雪に見舞われています。皆さんのところではいかがでしたか。早くあったかくなって欲しいですね、そんな気持ちで、兼題は水温むと椿にさせて戴きました。春の戦の始まりです。多くの皆さんからの投句をお待ちしています。

(2022年令和三年二月 辻 雅宏)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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2022年3月ネット句会

今月の投句(春の戦第2ステージ)

1水温む長靴を干す真昼時
2夕椿角のコンビニ野菜市
3珈琲を片手に宵の朧月
4振り向くな突っ走れ早春の吾
5泣きたくて泣けぬ夜道の白椿
6飛び石を濡らす茶庭の水温む
7躙り口覗く椿の赤さかな
8戸口より笑ひこぼるる雛の家
9雛飾る母娘三代昼下がり
10箱出でて頬の冷たき女雛かな
11蓮池の鯉の揺らぎや水温む
12一輪の椿を添えて床飾る
13さびしくて鈴転がして鳴く子猫
14インコ走るしぐさおかしき春の音
15立春の大雪山の光かな
16落椿拾い集めて手水鉢
17水温む池の水面空戻る
18よく見れば玄関脇に雪間草
19花粉症まってましたと飛ぶ構え
20春動く小さな小山盛り上がる
21水温む宇治橋架かる五十鈴川
22顔洗ふ無骨なる手に水温む
23背き合ふ赤い椿と白椿
24椿落つ猫驚きて尾を立てり
25廃屋と知るや知らずや椿咲く
26椿落つ上り電車の始発駅
27紅つばき模したるみやび京和菓子
28赤子はやはじめの一歩水温む
29椿落つ小川の水に日の反射
30水温む鍵の振れゐるランドセル
31せせらぎの音も軽やか水温む
32五日ほどジョギング休み水温む
33華やかな時もあったと散る椿
34人の来ぬ池畔に開く白椿
35廃屋を護りて咲くや藪椿
36一日を大事に大事に椿咲く
37撮影を待ち居る如く椿咲く
38落椿拾えばしとり艶めいて
39気掛かりは人それぞれに椿落つ
40身の内の大半占めて水温む
41投げキスで立去る舞台落椿
42誘われて鼻寄せてみる白椿
43落椿これっきりよと言うごとく
44過去の人想いだしおり水温む
45三味線の指しなやかに水温む
46余寒なほ眉間に皺の阿修羅像
47枕木を数えてわたる雪解風
4
8雪解けて吾子の靴下現るる
4
9轟々と光広ぐる雪解川
50連覇への襷を晒す雪解川
51余寒なほ体育館の保護者会
52友禅を透かし雪どけ水ながる
53駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ
54雪解水ふわり越え来る転校生
55霊山の嶺より落つる雪解水
56仏間までピンクの香りヒヤシンス
57地震に覚め支度の時の余寒かな
58雪解川往くに存分なる日差し
59雪解川所々に鄙びた草浸る
60野仏の欠けし目鼻や余寒なほ
61雪解河わたる客車に人は無く
62寸借の厠に残る寒さかな
63冷えきったサンドイッチの余寒かな
64余寒とて美しき言葉やビル狭間
65屋根よりの雪解のしずく早鐘に
66余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり
67触れ合う手ともに冷たき余寒かな
68ふる里の無人の駅の余寒かな
69雪解けの声に赤鬼面忘れ
70せせらぎの調べ軽やか雪解水

 

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 4月の兼題【遅日】&【花冷】(3月31日〆切)

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 【春の戦2・3・4月】

 ★4月の兼題(3月31日〆切。)

 【遅日】

昼の長くなった日のことで日永とおなじであるが日の暮れるのが遅くなったことに重点を置いている。傍題に、暮遅し、夕長し。

 【花冷】

桜の咲くころ、急に冷え込むことがある。その冷え冷えとした感じを花冷えという。傍題に、花の冷え、花冷ゆる。

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 <先句に学ぶ>

   暮遅し門燈をつけポストを見 

                                          星野立子

   うどん屋を探して歩く花の冷

                    稲畑汀子

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 3月号2月の結果(春の戦第一ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

雪解川所々に鄙びた草浸る

枕木を数えてわたる雪解風

友禅を透かし雪どけ水ながる

轟々と光広ぐる雪解川

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像

 

<点盛りの結果>

 

六点句 

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像      龍野ひろし

  

五点句 

枕木を数えてわたる雪解風        原田啓子

 

三点句 

雪解けて吾子の靴下現るる        阿部文彦

轟々と光広ぐる雪解川          龍野ひろし

連覇への襷を晒す雪解川         神永誉夫

余寒なほ体育館の保護者会        辻 雅宏

 

二点句 

友禅を透かし雪どけ水ながる       青山好男

駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ        水野幸子

雪解水ふわり越え来る転校生       神永誉夫

霊山の嶺より落つる雪解水        辻 雅宏

 

一点句 

仏間までピンクの香りヒヤシンス     水野幸子

地震に覚め支度の時の余寒かな      阿部文彦

雪解川往くに存分なる日差し       山本佐和子

雪解川所々に鄙びた草浸る        山本佐和子

野仏の欠けし目鼻や余寒なほ       龍野ひろし

雪解河わたる客車に人は無く      青山好男

寸借の厠に残る寒さかな         辻 雅宏

冷えきったサンドイッチの余寒かな    山本佐和子

余寒とて美しき言葉やビル狭間      井上悦男

屋根よりの雪解のしずく早鐘に     水野幸子

余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり   井上悦男

触れ合う手ともに冷たき余寒かな     青山好男

ふる里の無人の駅の余寒かな       阿部文彦

雪解けの声に赤鬼面忘れ         上野貴子

せせらぎの調べ軽やか雪解水       井上悦男

 

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LINE公式俳句大会2月結果発表~

 大賞   富岡眞奈  梅の朱灰色のビルの谷間に

 2点句

 平塚庸代   雪解の野ボール追う犬ぶち模様

 南出千賀子  花の文込めたる詫びを胸に抱き

 Sayuri    昼休み青空眺めリフレッシュ

1点句 

  山本佐和子  雪解川所々に鄙びた草浸る

 龍野ひろし   淡色のローランサンは春の色

 南出千賀子   冴え返る今朝も暖取る卵焼き

 

★LINE公式俳句大会発表動画はこちらから
https://sites.google.com/view/haikutaikai-ueno3/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

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 ※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

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~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

      余寒なほ眉間に皺の阿修羅像・・・六点     

 2022年の春がやってきました。暦の上での春はまだまだ寒さが厳しいことが最高得点句を見ても良く解りますね。この後もコロナ禍がまだまだ続きますが桜の季節まであと少しです。

(春:2月~4月) 

 ~~~今月の選評~~~

 雪解けて吾子の靴下現るる

雪解けしての発見の句である。探していた靴下がこんなところにあったのかという驚きをうまく詠まれている。 

 

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★4月の兼題(3月末日〆切)

 【遅日】と【花冷】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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 【今月のワンポイントレッスン】

 【おしゃべりHAIKU勉強会より】2022年2月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、今回は2月号なので芭蕉全句から梅の俳句を見てみましょう。

 梅が香にのつと日の出る山路かな・・・芭蕉

 の句は芭蕉51才の句と言われています。どこか俳諧味のある楽しい句ですね。「のつと」という擬音語がユーモラスな印象を与えてくれます。切れ字は「かな」止めで解りやすい使い方です。「梅が香」と「日の出」が現代では季重りですが、芭蕉の時代では新年の句となるでしょう。

  梅が香に昔の一字あはれなり・・・芭蕉

 この句は同じく芭蕉51才の時の句とされています。笈日記に残されている句ですが、この句には切れ字は無いようですね。「昔」というところに故人を偲ぶ想いが詠まれています。梅丸という門人の息子の死を慰める手紙にあると言われます。

 どちらも同じ51歳の時の句のようです。「梅が香」に日の出を見たり、故人を偲んだり、その想いは様々ですが、両者とも、所謂、俳句の決まり事にはとらわれていないように読み取れます。

 季語が2つの前者の句に、後者の句には切れ字はありません。やはりこうしてみると、俳句の基本は17文字の日本語のリズムのようです。

 日本語の美しさを575の短い3フレーズに凝縮することが肝心要となっています。

 (2022年令和四年三月 上野貴子)

 「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com

 

【ネット句会後記】

 春の戦第一ステージではなから高得点句が出ました。追い駆ける句が楽しみです。春は名のみの寒さですが、春はそこまで来ています。変異コロナに翻弄される生活環境ですが、隙間をついてやりたいことをしたいものです。

(令和四年三月 辻 雅宏)

 

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2022年4月ネット句会

今月の投句(春の戦最終ステージ) 

1遅き日のたてぶえ響く通学路

2花冷えや地球一周ぶん歩く

3遅日にて夕寝は昼寝となりにけり

4花冷えの蕊の真紅のくっきりと

5花冷えや国一丸の晴天日

6目覚めても日差し明るき遅日かな   

7花冷や行き着く先の海の青

8戦争の報道昼夜遅日かな

9この星の戦い憂ふ花の冷

10花冷や終着近き一両車

11在庫なし遅日の書店めぐる旅

12暮遅し猫の窓辺に長く居り

13花冷の節電対策犬を抱く

14花冷ゆるコーンポタージュの舌ざわり

15花冷や地下鉄内の人丸く

16白米の炊けてキッチン暮れ兼ねる

17エコバック買い物帰り夕永し

18花冷えの町を救急車が走る

19コロナ禍の花冷えに人は無口で

20花冷えの風はさわさわ泣くもんか

21堀の水行きどころ無く遅日かな

22枝と枝重なる影や夕長し

23花冷えを描く老爺のベレー帽

24花冷える街路の狭しランドセル

25花冷えや花見るひとの顔白し

26花冷えやコロナで家に籠りけり

27ベランダに紫煙くゆらす花の冷え

28盆栽の鋏の音や遅日なる

29鎌倉へ母を連れだす遅日かな

30蔵町に鐘の音ひびく遅日かな

31はこべらを食みてインコは緑の香

32雪割の鶴嘴春の音立てて

33ふらここや曽孫を膝に青空へ

34故郷の人らのよぎる春の地震

35種袋ひしめく命ざわめきて

36花冷えや夜へと急ぐ貨車の群れ

37キャンドルに影濃き祈り花の冷え

38花冷えや児を抱く手が銃掴む

39耳朶にピアスの悔いや花の冷え

40花冷えや紅茶にミルクの乱れ雲

41遅日かな夕餉の支度忘れおり

42柵越しに馬と目の合う遅日かな

43夕長くなれど定時の店じまい

44一国の花冷え世界を震撼す

45チョッキ着た犬も小走り花の冷え

46三椏の花の香りに立ち止まる

47遅き日の帰りに遊ぶ幼稚園

48暮れかぬる夕陽眺めて散歩かな

49雪形の種蒔き兎どこ隠れ

50花冷えや如何にするかと電話する

51境内に鳩まだ遊ぶ遅日かな

52遅日とて猫の帰宅も遅くなり

53ひもすがら上野公園花の冷え

54花冷の宴となりぬ一夜城

55花冷や一枚羽織り庭仕事

56水温む長靴を干す真昼時

57夕椿角のコンビニ野菜市

58珈琲を片手に宵の朧月

59振り向くな突っ走れ早春の吾

60泣きたくて泣けぬ夜道の白椿

61飛び石を濡らす茶庭の水温む

62躙り口覗く椿の赤さかな

63戸口より笑ひこぼるる雛の家

64雛飾る母娘三代昼下がり

65箱出でて頬の冷たき女雛かな

66蓮池の鯉の揺らぎや水温む

67一輪の椿を添えて床飾る

68さびしくて鈴転がして鳴く子猫

69インコ走るしぐさおかしき春の音

70立春の大雪山の光かな

71落椿拾い集めて手水鉢

72水温む池の水面空戻る

73く見れば玄関脇に雪間草

74花粉症まってましたと飛ぶ構え

75春動く小さな小山盛り上がる

76水温む宇治橋架かる五十鈴川

77顔洗ふ無骨なる手に水温む

78背き合ふ赤い椿と白椿

79椿落つ猫驚きて尾を立てり

80廃屋と知るや知らずや椿咲く

81椿落つ上り電車の始発駅 

82紅つばき模したるみやび京和菓子

83赤子はやはじめの一歩水温む

84椿落つ小川の水に日の反射

85水温む鍵の振れゐるランドセル

88せせらぎの音も軽やか水温む

89五日ほどジョギング休み水温む

90華やかな時もあったと散る椿

91人の来ぬ池畔に開く白椿

92廃屋を護りて咲くや藪椿

93一日を大事に大事に椿咲く

94撮影を待ち居る如く椿咲く

95落椿拾えばしとり艶めいて

96気掛かりは人それぞれに椿落つ

97身の内の大半占めて水温む

98投げキスで立去る舞台落椿

99誘われて鼻寄せてみる白

100落椿これっきりよと言うごとく

101去の人想いだしおり水温む

102三味線の指しなやかに水温む

103余寒なほ眉間に皺の阿修羅像      

104枕木を数えてわたる雪解風        

105雪解けて吾子の靴下現るる       

106轟々と光広ぐる雪解川          

107連覇への襷を晒す雪解川         

108余寒なほ体育館の保護者会        

109友禅を透かし雪どけ水ながる       

110駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ        

111雪解水ふわり越え来る転校生       

112霊山の嶺より落つる雪解水        

113仏間までピンクの香りヒヤシンス     

114地震に覚め支度の時の余寒かな      

115雪解川往くに存分なる日差し       

116雪解川所々に鄙びた草浸る        

117野仏の欠けし目鼻や余寒なほ       

118雪解河わたる客車に人は無く      

119寸借の厠に残る寒さかな         

120冷えきったサンドイッチの余寒かな    

121余寒とて美しき言葉やビル狭間      

122屋根よりの雪解のしずく早鐘に     

123余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり   

124触れ合う手ともに冷たき余寒かな     

125ふる里の無人の駅の余寒かな       

126雪解けの声に赤鬼面忘れ         

127せせらぎの調べ軽やか雪解水       

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 5月の兼題【衣更】&【薔薇】(4月30日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【夏の戦5・6・7月】

★5月の兼題(4月30日〆切。)

 【更衣】

冬から春にかけて着用した厚手の衣服を夏物に着替えることをいう。
傍題に、衣更ふ。

 【薔薇】

その姿と香で広く愛され品種も多い。
傍題に、さうび、薔薇園、紅薔薇、白薔薇、薔薇の雨など。

  

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

   試着してストレス増やす更衣
              廣田㐂代子

   どの家も薔薇を咲かせて新開地
                  前橋春菜

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 4月号3月の結果(春の戦第2ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

雛飾る母娘三代昼下がり

さびしくて鈴ころがして鳴く子猫

落椿拾い集めて手水桶

よく見れば玄関脇に雪間草

椿落つ上り電車の始発駅

 

<点盛りの結果>

 八点句

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像      龍野ひろし

五点句

赤子はやはじめの一歩水温む       井上悦男

枕木を数えてわたる雪解風        原田啓子

四点句

戸口より笑ひこぼるる雛の家       青山好男

三点句

椿落つ上り電車の始発駅         井上悦男

雪解けて吾子の靴下現るる        阿部文彦

轟々と光広ぐる雪解川          龍野ひろし

連覇への襷を晒す雪解川         神永誉夫

余寒なほ体育館の保護者会        辻 雅宏

 二点句

 水温む鍵の振れゐるランドセル      井上悦男

さびしくて鈴転がして鳴く子猫      水野幸子

落椿拾い集めて手水鉢          野里 安のり

紅つばき模したるみやび京和菓子     井上悦男

廃屋を護りて咲くや藪椿         阿部文彦

箱出でて頬の冷たき女雛かな       青山好男

椿落つ猫驚きて尾を立てり        辻 雅宏

ふる里の無人の駅の余寒かな       阿部文彦

余寒とて美しき言葉やビル狭間      井上悦男

雪解河わたる客車に人は無く       青山好男

友禅を透かし雪どけ水ながる       青山好男

駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ        水野幸子

雪解水ふわり越え来る転校生       神永誉夫

霊山の嶺より落つる雪解水        辻 雅宏

 一点句

顔洗ふ無骨なる手に水温む        辻 雅宏

一日を大事に大事に椿咲く        原田啓子

泣きたくて泣けぬ夜道の白椿       上野貴子

蓮池の鯉の揺らぎや水温む        水野幸子

五日ほどジョギング休み水温む      阿部文彦

友禅を透かし雪どけ水ながる       青山好男

雛飾る母娘三代昼下がり         青山好男

よく見れば玄関脇に雪間草        野里 安のり

椿落つ小川の水に日の反射        井上悦男

三味線の指しなやかに水温む       原田啓子

立春の大雪山の光かな          水野幸子

仏間までピンクの香りヒヤシンス     水野幸子

地震に覚め支度の時の余寒かな      阿部文彦

雪解川往くに存分なる日差し       山本佐和子

雪解川所々に鄙びた草浸る        山本佐和子

野仏の欠けし目鼻や余寒なほ       龍野ひろし

寸借の厠に残る寒さかな         辻 雅宏

冷えきったサンドイッチの余寒かな    山本佐和子

屋根よりの雪解のしずく早鐘に      水野幸子

余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり    井上悦男

触れ合う手ともに冷たき余寒かな     青山好男

雪解けの声に赤鬼面忘れ         上野貴子

せせらぎの調べ軽やか雪解水       井上悦男

 

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~LINE公式俳句大会月結果発表~

 大賞 濱野 洋子 部室にも一礼をして卒業す

 2点句

 山本 佐和子  卒業歌謳い終われば独りなり

         遅き日のたてぶえ響く通学路

濱野 洋子      青春切符胸とどろかす遅日かな

山田 純     春陽に背中を押され走る朝

Keiko     古雛や一つ欠けたる撥太鼓

さこたゆう    春夕焼レッスン帰り深呼吸

橋詰 博     待望のワクチン終えて水温む

 

1点句 

 南出千賀子  花冷のショールに重なる愛大小(あいだいしょう)

        牡丹雪陽の幻か待つ人か

        川沿いをふわりと散歩夕永し

富岡眞奈    ひなあられ娘はすでに嫁に行き

大堀亮造    冴え返る今朝も暖取る卵焼き

神尾清子    玉堤さくらの枝にさくら色

山田 純      春のとりふわりと温み肩に居り

                      花冷えにしまったコートをまた羽織る

                      徹夜明け自分にご褒美桜ラテ

大倉宏美          花冷に遊べよちょうちょかくれんぼ

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

     

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像・・・八点

 

2022年の春はどうも厳しい句が勝ち抜いています。毎日ニュースでは桜の話題と一緒にウクライナ情勢が報道されていて、何だか春のほのぼのとした空気に浸る間もないコロナ禍を反映しているような句ですね。日本はもう春爛漫の桜の季節です。どうか素敵な句を沢山お送りください。恐ろしいパンデミックな時代が早く終わるといいです。

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

五日ほどジョギング休み水温む

 

冬から春へと移り変わる時季は、変わり始めるとあっという間に暖かくなる時があります。ジョギングを数日休んだだけなのに、その数日の間にいつの間にか春めいていたという実感と驚きが、細かな説明無しでユーモラスに見事に表現されていると思いました。

 

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★5月の兼題(4月末日〆切)

 【更衣】と【薔薇】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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【今月のワンポイントレッスン】

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2022年3月号より

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は春の吟行会で行く予定の千住大橋の句を見てみましょう。 

行く春や鳥啼きうをの目は泪・・・芭蕉

 この句は芭蕉46才「奥の細道」の中の名句です。千住大橋の袂までお弟子さん達が別れを惜しみ見送りに来て、とうとうここで別れて、この先は曽良との奥州への旅が始まります。
 奥州街道とは、江戸千住から奥州白河に至る街道。江戸時代の五街道の一つです。この旅が厳しい覚悟を決めた旅であることが、この別れの句から読みとれます。
 切れ字としては「や」が使われていますね。芭蕉が一番よく使う好きな切れ字のようです。「や」は今でも使われますが、その意味は詠嘆や強調ですね。柔らかな語調などからも使われやすい切れ字です。しかも上五ですので、ここでは効果的に春の別れを物語っているのでしょう。
 芭蕉は奥の細道の中で、この切れ字「や」を全六十二句の中で二十九句も使っています。半数近くが「や」のある俳句となりますね。これは調べてみて意外でしたが、面白い結果でした。どこか和歌の様な言葉のリズムや柔らかさをかもちだす切れ字「や」は、詠嘆を感じさせてくれる便利な作句法だったようです。
 芭蕉のこの句は、鳥や魚たちまでもがお弟子さん達と一緒に芭蕉の春の旅立ちを惜しんでいるという美しい句です。春の別れは今も昔も美しい物語を作り出す不思議なものですね。

(2022年令和四年四月 上野貴子)

 「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

 【ネット句会後記】

  春の戦第2ステージは支持を集めた句が8点句となりました。最終ステージでも逃げ切りそうな気配です。そして、夏の戦の準備です。初夏らしい季語を用意しました。

(令和四年四月 辻 雅宏)

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2023年2月のネット句会

今月の投句(春の戦第1ステージ)

 

1フリースに包まれ眠る春の風邪

2春めくや老若集うカフェテラス

3春の風邪慢性病も身の内に

4夜の時間やたらと伸びる春の風邪

5レトルトの匂いの粥と春の風邪

6オリオンに向ひ帰宅や春めきて

7餌ねだる猫の鳴き声春めけり

8日当たりの斜めの庭も春めけり

9春の風邪誰も出ぬまま電話鳴る

10春めくやひとりの席に椅子を寄せ

11軽やかに発車のチャイム春めけり

12光さす千体仏や春めけり

13鍵盤に弾む指先春めけり

14春めくやひかり膨らむ堰の水

15妻からのメールにハート春めける

16硝子越し春めくキッチンポット沸く

17上着脱ぎ油断がアダの春の風邪

18目覚めても布団出られず春の風邪

19しののめの鴉の親子春はじめ

20まだぬけずマスクでクシャミ春の風邪

21春めいて草刈られゆく空の堀

22春めきて隣家の灯り眩しけり

23春めきて農婦畑立ち鳥の啼く

24春風邪や花瓶に残る水窓辺

25春風邪や窓から見る山遠し

26春めくや浜辺に人の影あまた

27春めきて薩摩切子を二つ買う 

28春めくや旅のプランを練り直す

29コロナ禍と見紛うほどに春の風邪

30酒二合飲んで寝に入る春の風邪

31嬰のくしゃみ春の風邪飛び散りばめり

32障子戸の春めく光部屋に満つ

33サクサクと雪かく音のうまれけり

34春めきて鼻歌漏るる海女の小屋

35春めきてシェフの帽子も背を伸ばし

36春の風邪汽笛掠れしA列車

37春めきてろくろの土の良く喋る

38春めきてそろそろ嘘の懺悔時

39調弦の軽く揃いて春めきぬ

40ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ

41遠山の丸く見える日春めきぬ

42大っぴらに言えぬ辛さや春の風邪

43一人寝の夜のいつまでも春の風邪

44春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽

45小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ

46社会的距離を忘れて春の風邪

47君のならくれてもいいよ春の風邪

48くちづけのあとでもらひぬ春の風邪

 

 

 

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3月の兼題【陽炎】&【鳥帰る】(2月末日〆切)

 

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【春の戦2・3・4月】

 

★3月の兼題(2月末日〆切。)

 

【陽炎】

あたたかく晴れた日に、地上から水蒸気が蒸発して、ゆらゆらと炎のように立ち昇る現象をいう。

傍題に、糸遊、かぎろひ、陽炎へる。

 

【春の風邪】

秋に日本に渡来し越冬した渡り鳥は、春になると北方の繁殖地に帰っていく。

傍題に、鳥雲に、鳥雲に入る。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

  かげろふの中へ押し行く乳母車

                轡田 進

 

  鳥帰るいづこの空もさびしからむに 

                 安住 敦

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年2月号1月の結果(冬の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

信仰無し何は無くとも初詣

風花のたちまち消ゆる手のひらに

初詣高台よりの海蒼し

風花や母の手書きの文一つ

初詣晴れ着姿のまばらなる

 

 

五点句

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     神長誉夫

 

四点句

風花や母の手書きの文一つ        原田啓子

外人の肩一つ出て初詣          原田啓子

地にとどくまで風花の調べかな      原田啓子

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

 

三点句

海見ゆる土俵に子らの初相撲       水野幸子

猫の髭風花捕え反り返る         神長誉夫

風花を追ふ子掴む子口開く子       辻 雅宏

着ぶくれて見る月食の終るまで      龍野ひろし

着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     龍野ひろし

義士の日や映画の後のしるこかな     青山好男

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   辻 雅宏

 

二点句

巾着に仕舞ふ吉札初詣          龍野ひろし

おくるみの嬰(やや)に風花ふうわりと  辻 雅宏

信仰無し何は無くとも初詣        山本佐和子

二拍めに揃ふ柏手初詣          井上悦男

珈琲の戸の外に風花ゆたり        山本佐和子

風花や奥の院への二百段         龍野ひろし

義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 田中伸明

着膨れて歯のない嬰の破顔かな      水野幸子

義士の日や雪に昏れゆく南部坂      辻 雅宏

義士の日や雨も冷たき泉岳寺       青山好男

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 

一点句

風花のたちまち消ゆる手のひらに     龍野ひろし

初詣高台よりの海蒼し          水野幸子

初詣晴れ着姿のまばらなる        辻 雅宏

初詣神籤見せ合ふ若夫婦         辻 雅宏

朝市の並ぶ川沿ひ風花す         辻 雅宏

初詣令和五年を握りしめ         井上悦男

風花や道一列の紅き頬          青山好男

着ぶくれて犬と星空見上げをり     龍野ひろし

パン屑の溜まる胸元着ぶくれて     原田啓子

義士の日や膝の痛みのいや増して    水野幸子

初時雨産寧坂を濡るるほど       辻 雅宏

着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  辻 雅宏

季語帳を繕うテープ小六月       水野幸子

「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   神長誉夫

着ぶくれてタイムサービス早足に    田中伸明

色コーデする暇もなく着膨れて     原田啓子

義士の日を令和の人が行きすぎる    上野貴子

義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     神長誉夫

着ぶくれて南の島の果実剥く      神長誉夫

着ぶくれて旅行バックを引く婦人    上野貴子

義士会や名優達の時を愛で       神長誉夫

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

 

 

 

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 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日・・・五点句

 

今回の冬の戦では、敵討ちの句が勝ち残りました。「そろり」という表現が仇討ちのすさまじさや切なさを表現されていて上手い句ですね。あっという間にもう春です。次回はいよいよ春の戦となります。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

信仰無し何は無くとも初詣

 

日本人ですね、とにかく元日には家族そろって地元の氏神様へと毎年出かけます。家内安全。家族の健康。世界の平和、小遣いの小銭をもって、何という欲張りなお願いだろうと毎年笑っています。

 

 

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★3月の兼題(2月末日〆切)

 

【陽炎】と【鳥帰る】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきましたが今回は芭蕉の詠んだ梅の句を見てみましょう。

 

梅が香に昔の一字あはれなり・・・芭蕉

 

「奥の細道」は弥生三月二十七日に出発しているので桜の美しい季節ですが、梅の句はまだ無いのです。そこで、芭蕉51才の句を例句に上げてみました。46才で奥の細道の旅に出かけた後の句です。門人梅丸の息子の一周忌に向けた句で「昔」の一文字が浮かび哀しいという句ですね。この句には「梅が香に昔を問へば春の月答へぬ影ぞ袖にうつれる」という藤原家隆の歌が根底にあると言われています。「昔」を訪ねても月は答えてくれないという切ない歌の「昔」のひと文字に掛けているのでしょう。「初昔」の季語を思い出しますが、お目出度い梅春だけに切なさが込められた名句です。

 

梅一輪一輪ほどの暖かさ・・・嵐雪

 

この句は芭蕉の弟子の服部嵐雪の名句ですね。梅と言えばこの句が有名です。リフレインの畳語が一輪を強調させています。切れ字を使わずにたった一輪だけだというのにという感嘆の意味も伝わります。現代でも古びた感じが全くしない名句として語り継がれています。切れ字「けり」をあまり使わない蕉門の弟子らしい雅な名句ですね。次回はいよいよ芭蕉「奥の細道」へと出発の頃となります。

(令和五年二月 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

冬の戦の決着がつきました。討ち入りの日が5点句になりました。4点句が5句並び、しかも3句が一度に登場でした。伯仲する句が目白押しで楽しみな句会になってきました。令和5年の春の戦の始まりです。選句と投句をよろしくお願いします。

多くのご参加をお待ちしています。

(令和五年二月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会12月結果発表~

 

<大賞>

 16 橋詰 博 夜行列車風花連れて故郷へ

 

2点句>

 

20 奥平 雅子  グラタンの焦げる香のたつ初時雨

27 濱野 洋子 晩酌は二合に決めて掘り炬燵

30 鈴木 恵美子 枝枝に小手毬に似た寒雀

 

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2023年3月のネット句会

今月の投句(春の戦第2ステージ)

 

1街はドラマエンドロールの陽炎す

2線香ゆらと真昼の墓場かぎろひす

3鳥帰る夕日の湖はきらめきて

4冒険といふは誰にも鳥帰る

5帰る雁月光の間を通りけり

6陽炎ふや水面に燭の灯影かな

7鳥雲に水面の影の途切れずに

8引き上ぐる浜の小船や鳥雲に

9つぎつぎと水面くずして鳥帰る

10陽炎に彷徨う少年探偵団  

11鳥帰るいま戦争のなき国へ

12抜き去りしランナーはいま陽炎へ

13鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス

14鳥帰る人なきコインランドリー

15鳥帰る住み慣れし街下に見て

16遮断機の向う陽炎に乳母車

17海までの一本道野馬の立つ

18踏切の音近く陽炎の町迫る

19鳥帰るシベリアまでの空遠く

20別れぎわいつものように鳥帰る

21旧き家の女雛の髪のほつれかな

22女児なき家に春告げて雛飾り

23陽炎にかすみて遠き生駒かな

24陽炎や若き水兵港街

25陽炎や道行く顔のやはらかさ

26陽炎いて貨物列車の浮いてくる

27陽炎の中より吾子が現わるる

28返信の便りの如く鳥帰る

29鳥帰る鳥には鳥の掟あり

30一列に並びて北へ鳥帰る

31春の嬰3歩あゆんでドヤ顔に

32母の手に頭なでられ嬰うらら

33嬰泣いて胸いたくなる春うらら

34けらけらと嬰の笑いや春めける

35泣き声も泣き顔もよし春の嬰 

36碧天を戦火の郷へ鳥帰る

37マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて

38岬端に踏み締む土や鳥帰る

39捨つ郷や母の影さえかぎろひて

40雲は裂け光に濡れて鳥帰る

41鳥帰る空紅色に染まるとき

42鳥帰りトルコ地震の悲報来る

43かげろふや百面相の孫の顔

44教職を辞して日々これ陽炎ヘリ

45陽炎や軽トラに立つ古箪笥

46陽炎を抜けてちんちん電車来る

47かげろへる原爆ドーム昼の黙

48鈍色の空を二手に鳥帰る

49伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る

50投げ竿の放物線や鳥雲に

51春めきて薩摩切子を二つ買う       

52春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      

53調弦の軽く揃いて春めきぬ        

54餌ねだる猫の鳴き声春めけり       

55軽やかに発車のチャイム春めけり     

56障子戸の春めく光部屋に満つ       

57春めきてろくろの土の良く喋る      

58日当たりの斜めの庭も春めけり      

59ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     

60遠山の丸く見える日春めきぬ       

61フリースに包まれ眠る春の風邪      

62春風邪や窓から見る山遠し        

63君のならくれてもいいよ春の風邪     

64妻からのメールにハート春めける     

65オリオンに向ひ帰宅や春めきて      

66光さす千体仏や春めけり         

67一人寝の夜のいつまでも春の風邪     

68レトルトの匂いの粥と春の風邪      

69春めくやひかり膨らむ堰の水       

70春の風邪汽笛掠れしA列車        

71春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        

72小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       

73鍵盤に弾む指先春めけり         

74春めいて草刈られゆく空の堀       

75春めくや老若集うカフェテラス      

76春めくや旅のプランを練り直す      

 

 

 

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4月の兼題【蛙の目借時】&【桜貝】(3月末日〆切)

 

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【春の戦2・3・4月】

 ★4月の兼題(3月末日〆切。)

 【蛙の目借時】

春深く蛙のしきりに鳴く頃は眠気に襲われる。これは蛙に目を借りられるからだという。

傍題に、目借時。

 【桜貝】

浅海の砂泥に産する小形の二枚貝。色と形が桜の花びらに似ているのでこの名がある。

傍題に、花貝、紅貝。

  

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

   黒板にチョークの音や目借時

                                       福川悠子

   ひく波の跡美しや桜貝

                        安住 敦

 

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令和5年3月号2月の結果(春の戦第1ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

フリースに包まれ眠る春の風邪

オリオンに向ひ帰宅や春めきて

日当たりの斜めの庭も春めけり

軽やかに発車のチャイム春めけり

調弦の軽く揃いて春めきぬ

 

 

三点句

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

 

二点句

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

 

一点句

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

春めきて薩摩切子を二つ買う・・・三点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・三点句

調弦の軽く揃いて春めきぬ・・・三点句

 

春の戦が始まりました。コロナ禍での風邪は怖いもおですが俳句には春らしい句材が人気のようです。

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

春めきてろくろの土の良く喋る

 

土と向き合い一心に陶芸に励む作者。春の気配を感じ、思わず捏ね

ている土との対話が弾む昼下がり。

 

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★4月の兼題(3月末日〆切)

 

【蛙の目借時】と【桜貝】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は序文の中の最初の句を見てみましょう。

 草の戸も住替る代ぞひなの家・・・芭蕉

 「奥の細道」弥生三月二十七日に出発して150日、2400Kmにおよぶ旅の紀行文の始まりです。この句の切れ字は「ぞ」。自分が引き払った家には次の住人が娘や孫と住むであろう。そのことに感慨を込めています。人生の刹那です。

芭蕉は、この序文で「人生は旅である」と述べて紀行文のすべてを言い尽くしています。

原文の中で「古人」というのは、おそらく李白、杜甫、宗祇、そして西行でしょう。芭蕉46歳の春から秋にかけての最大の北の旅への想いが綴られた有名な序文の一句です。三月は雛の節供があり、そして桜が咲く季節です。

 行春や鳥啼魚の目は泪・・・芭蕉

 旅立の抄の句です。上野や谷中では桜が咲いているけれど、今度いつ見られるであろうかという不安が込められた句で、切れ字は「や」です。過ぎてしまう春が惜しまれる感嘆が見事に表現されています。この「や」が芭蕉の切れ字の多くを代表していますね。たった十七文字に凝縮された俳句の素晴らしさと難しさを感じます。

(令和五年三月 上野貴子)

 

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 【ネット句会後記】

 令和5年の春の戦が始まりました。第1ステージは「春めきぬ」を詠んでいただきましたが、三月というのに春のきざしがまだ感じられません。花が咲き、うららからな四月が一気に来そうです。投句と選句をセットにして参加下さい。

(令和五年三月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会1月結果発表~

<大賞>

16 橋詰 博 夜行列車風花連れて故郷へ

2点句>

20 奥平 雅子  グラタンの焦げる香のたつ初時雨

27 濱野 洋子 晩酌は二合に決めて掘り炬燵

30 鈴木 恵美子 枝枝に小手毬に似た寒雀

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

2023年4月ネット句会

今月の投句(春の戦最終ステージ)

 1桜貝月の砂漠に流れ着き

2小石かと蟹が蹴とばす桜貝

3帰る家まだある桜貝の詩

4蛙まだ見かけぬうちに目借時

5悔しさに砂浜白く桜貝

6砂浅し波に逆らう桜貝

7桜貝置き所無く海広し

8桜貝繰り返し聴く波の音

9桜貝寄せては返す浪静か

10城映す狛犬まなこねこやなぎ

11鈍行の揺れにまかせる目借時

12二駅を乗り越し気づく目借時

13濡れ縁の猫も舟こぐ目借時

14抽斗に遠き日の恋さくら貝

15乙姫の置き忘れかも桜貝

16砂を透き潮騒を聴く桜貝

17止まり木のインコ静かな目借時

18いつの間にこんなところに一人静

19小さき日のあの思い出に蓬摘む

20木漏れ日や鳥のきている猫柳

21星の降る渚に帰す桜貝

22上り待つ田中の駅の目借時

23桜貝出でし亡父のピース缶

24濡髪にカルキの臭ふ目借時

25朝の浜花貝未だ夢の色

26忍び寄る汚染知らずや桜貝

27さくら貝これは羽化した恋の羽

28このような心でいたい桜貝

29綿々と恋語る友目借時

30目借時ご不在通知が玄関に

31曳く波の光残せしさくら貝

32海の歌歌ひて帰るさくら貝

33寝ころべば海の匂ひや桜貝

34さざ波の絶えることなし桜貝

35曳く波の足跡消すや桜貝

36疵の互いに抱きしめ合ひぬ桜貝

37世の此岸生きて蛙の目借り時

38砂浜の文字の句点よ桜貝

39雨音に目閉づ蛙の目借時

40黒人の娘のふと拾ふ桜貝

41忘れ潮ひとつ残りし桜貝

42波打ちに波に揺らるる桜貝

43流さるるままに生き抜く桜貝

44横笛に指動かざる目借時

45住職の法話かすかに目借時

46春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      

47春めきて薩摩切子を二つ買う       

48鳥帰る空紅色に染まるとき        

49かげろへる原爆ドーム昼の黙       

50軽やかに発車のチャイム春めけり     

51ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     

52遠山の丸く見える日春めきぬ       

53フリースに包まれ眠る春の風邪      

54調弦の軽く揃いて春めきぬ        

55小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       

56鳥帰るシベリアまでの空遠く       

57陽炎や軽トラに立つ古箪笥        

58冒険といふは誰にも鳥帰る        

59投げ竿の放物線や鳥雲に         

60マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   

61碧天を戦火の郷へ鳥帰る         

62鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       

63餌ねだる猫の鳴き声春めけり       

64障子戸の春めく光部屋に満つ       

65春めきてろくろの土の良く喋る      

66日当たりの斜めの庭も春めけり      

67春風邪や窓から見る山遠し        

68春めくやひかり膨らむ堰の水       

69鍵盤に弾む指先春めけり         

70陽炎の中より吾子が現わるる       

71鍵盤に弾む指先春めけり         

72鳥帰る人なきコインランドリー      

73捨つ郷や母の影さえかぎろひて      

74つぎつぎと水面くずして鳥帰る      

75一列に並びて北へ鳥帰る         

76鈍色の空を二手に鳥帰る         

77伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        

78引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       

79陽炎に彷徨う少年探偵団         

80陽炎いて貨物列車の浮いてくる      

81軽やかに発車のチャイム春めけり     

82春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    

83君のならくれてもいいよ春の風邪     

84妻からのメールにハート春めける     

85オリオンに向ひ帰宅や春めきて      

86光さす千体仏や春めけり         

87一人寝の夜のいつまでも春の風邪     

88レトルトの匂いの粥と春の風邪      

89春の風邪汽笛掠れしA列車        

90春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        

91春めいて草刈られゆく空の堀       

92春めくや老若集うカフェテラス      

93春めくや旅のプランを練り直す      

  

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 5月の兼題【薄暑】&【葉桜】(4月末日〆切)

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 【夏の戦5・6・7月】

 ★5月の兼題(4月末日〆切。)

 【薄暑】

初夏にやや暑さを覚えて少し汗ばむのを感じる気候をいう。

傍題に、薄暑光。

 【葉桜】

桜が散り終え、みずみずしい若葉の緑が濃く重なりを深めてその美しさを見せます。

傍題に、花は葉に。

 

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

 

   飼犬の穴掘つてゐる庭薄暑

                倉内法子

 

   葉桜の中の無数の空さわぐ

                篠原 梵

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年4月号3月の結果(春の戦第3ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

冒険といふは誰にも鳥帰る

陽炎の中より吾子が現わるる

鳥帰る空紅色に染まるとき

春めきて薩摩切子を二つ買う

鍵盤に弾む指先春めけり

  

五点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

 

三点句

鳥帰る空紅色に染まるとき        原田啓子

かげろへる原爆ドーム昼の黙       辻 雅宏

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

 

二点句

鳥帰るシベリアまでの空遠く       上野貴子

陽炎や軽トラに立つ古箪笥        原田啓子

冒険といふは誰にも鳥帰る        山本佐和子

投げ竿の放物線や鳥雲に         辻 雅宏

マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   神長誉夫

碧天を戦火の郷へ鳥帰る         神長誉夫

鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       龍野ひろし

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

 

一点句

陽炎の中より吾子が現わるる       阿部文彦

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

鳥帰る人なきコインランドリー      龍野ひろし

捨つ郷や母の影さえかぎろひて      神長誉夫

つぎつぎと水面くずして鳥帰る      井上悦男

一列に並びて北へ鳥帰る         阿部文彦

鈍色の空を二手に鳥帰る         辻 雅宏

伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        辻 雅宏

引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       井上悦男

陽炎に彷徨う少年探偵団         井上悦男

陽炎いて貨物列車の浮いてくる      阿部文彦

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    神長誉夫

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 春めきて薩摩切子を二つ買う・・・五点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・五点句

 

春の戦の最後となります。勝抜いたのはこの2句でした。春らしい句が勝ち残りましたね。やっとコロナ禍の規制がない春がやって来て明るい句が多いと感じます。

(春:2月~4月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂き

マシンの音とともに陽炎を破り出たレーシングカーの

生中継を見る詠みである。

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 ★5月の兼題(4月末日〆切)

 

【薄暑】と【葉桜】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は日光の抄の四月の頃の句を見てみましょう。

 

あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉

 

「奥の細道」の中で特に有名なこの句は季語の使い方も斬新ですし、切れ字もありません。句意は「何と崇高であろうか。日光では東照宮の大改修も進み青葉や若葉が美しく太陽の光りにそのみどりを輝かせていることだ。」と詠んでいます。四月朔日の句と書かれていますから、陽暦の519日頃で新緑が美しい初夏の句です。今の時代では「青葉」「若葉」の二つの季重りですね。これは季感が同じなので「青葉若葉」と一つの言葉とみなすことが出来ますが造語となります。切れ字は無く、日の光が「日光」という名にふさわしく美しく眩しいほどに神々しいということを表現しています。よくある上五の説明にとどまらずに斬新で印象深い句に仕上げている名句ですね。

「あらとうと」この上五は「あら尊し」のことで「あら」が感嘆を表し「とうと」が「とうとし」の語幹となります。

芭蕉は、弥生三月二十七日に出発して四月朔日に日光山に参拝しています。日数計算は暦の違いから難しいところですが、日光街道を旅して辿り着いた日光は改装されていて、その美しさに感銘を受けたに違いありません。

(令和五年四月 上野貴子)

 

 「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

春の戦第2ステージは2句が5点句で競っています。最終ステージの結果が楽しみです。華やかな桜花から瑞々しい若葉の季節へと移り、清々しい五月を迎えます。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年四月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会2月結果発表~

 <大賞>

 10 さこたゆう 陽炎の先ブランコをこぐ二人

 2点句>

22 南出 千賀子 淡雪の足跡に聞く芽吹き声

29 tanaka625 寝過ごして見知らぬ駅に野馬燃ゆる

  

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2023年5月ネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

 

1夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋

2配達を終へし自転車夕薄暑

3若きの日下宿薄暑の四畳半

4葉桜に透ける光を仰ぎけり

5サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ

6葉桜の蔭に川瀬の水光る

7魚跳ね水脈引く池に薄暑来る

8バス通り学校帰り薄暑光

9これからが人生本番薄暑光

10葉桜に山移ろえど動かざる

11葉桜を愛でる群れびと城の下

12グランドの若人の息荒し薄暑

13老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな

14葉桜を描くキャンバス青き空

15葉桜やバス駐車場のエンジン音

16集合の駅前に待つ薄暑かな

17作句する語彙の貧しき薄暑かな

18葉桜の中をゆるりと車椅子

19葉桜や人の影なし河津町

20葉桜の中に奏でる瀬音かな

21この川に友と掬いし目高かな 

22娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり

23緑陰を園児らの手を引かれ過ぐ

24葉桜や嬰は保育園なれた頃

25箱車の園児らのゆく薄暑かな

26葉桜の駅に磯の香キハが連れ

27葉桜や詰襟開く初年生

28七色のソーダの泡や浜薄暑

29葉桜の堤煌めく魚鱗追ふ

30葉桜やケルンに注ぐジン香る

31バイオリンの弓締め直す昼薄暑

32薄暑光字余りの句を持て余し

33葉桜の外人もてなす観光地

34葉桜や時代が一つ変わる如

35葉桜の梢へ伸びる緑かな

36二階より豆腐屋止むる夕薄暑

37地下街を出でて地上の街薄暑

38葉桜の隙間を埋むる空の青

39邂逅のマドンナ老いぬ花は葉に

40人影も絶えて堤の花は葉に 

  

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6月の兼題【風薫る】&【木下闇】(5月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【夏の戦5・6・7月】

 

★6月の兼題(5月末日〆切。)

 

【風薫る】

緑の草木を渡ってきて匂うようなすがすがしい夏の風をいう。

傍題に、薫風。

 

【木下闇】

夏木立が茂って、樹の下のほの暗い様子をいう。

傍題に、下闇、青葉闇。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   海からの風山からの風薫る

                鷹羽狩行

 

   名刹といふもおほかた木下闇

                檜 紀代

 

 

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 令和5年5月号4月の結果(春の戦最終ステージ)

 

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 砂浅し波に逆らう桜貝

鈍行の揺れにまかせる目借時

乙姫の置き忘れかも桜貝

さくら貝これは羽化した恋の羽

世の此岸生きて蛙の目借り時

  

六点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

 

五点句

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

かげろへる原爆ドーム昼の黙       辻 雅宏

 

三点句

桜貝月の砂漠に流れ着き         上野貴子

曳く波の足跡消すや桜貝         龍野ひろし

鳥帰る空紅色に染まるとき        原田啓子

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

 

二点句

桜貝寄せては返す浪静か         青山好男

鈍行の揺れにまかせる目借時       辻 雅宏

乙姫の置き忘れかも桜貝         辻 雅宏

忘れ潮ひとつ残りし桜貝         阿部文彦

海の歌歌ひて帰るさくら貝        龍野ひろし

忍び寄る汚染知らずや桜貝        原田啓子

曳く波の光残せしさくら貝        龍野ひろし

桜貝出でし亡父のピース缶        神長誉夫

鳥帰るシベリアまでの空遠く       上野貴子

陽炎や軽トラに立つ古箪笥        原田啓子

冒険といふは誰にも鳥帰る        山本佐和子

投げ竿の放物線や鳥雲に         辻 雅宏

マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   神長誉夫

碧天を戦火の郷へ鳥帰る         神長誉夫

鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       龍野ひろし

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

 

一点句

抽斗に遠き日の恋さくら貝       辻 雅宏

砂浅し波に逆らう桜貝         青山好男

さくら貝これは羽化した恋の羽     原田啓子

世の此岸生きて蛙の目借り時      山本佐和子

朝の浜花貝未だ夢の色         神長誉夫

流さるるままに生き抜く桜貝      阿部文彦

砂を透き潮騒を聴く桜貝        水野幸子

上り待つ田中の駅の目借時       神長誉夫

横笛に指動かざる目借時        阿部文彦

住職の法話かすかに目借時       阿部文彦

陽炎の中より吾子が現わるる       阿部文彦

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

鳥帰る人なきコインランドリー      龍野ひろし

捨つ郷や母の影さえかぎろひて      神長誉夫

つぎつぎと水面くずして鳥帰る      井上悦男

一列に並びて北へ鳥帰る         阿部文彦

鈍色の空を二手に鳥帰る         辻 雅宏

伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        辻 雅宏

引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       井上悦男

陽炎に彷徨う少年探偵団         井上悦男

陽炎いて貨物列車の浮いてくる      阿部文彦

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    神長誉夫

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

  

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・六点句

 

春の戦の勝ち抜き句となります。春らしく女性の句がかなり追ってきておりました。次回はもう夏となります!

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

桜貝出でし亡父のピース缶

 

亡くなったお父様の小さな秘密を発見したような句。

「ピース缶」がピッタリ決まっています。

 

 

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★6月の兼題(5月末日〆切)

 

【風薫る】と【木下闇】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は雲巌寺での句を見てみましょう。

啄木も庵はやぶらず夏木立・・・芭蕉

 

「奥の細道」雲巌寺のこの句は夏木立が季語です。啄木は季語ではなく秋から冬の間に啄木につつかれることも無く庵がまだ存在していることを詠んでいるのです。

雲巌寺の裏山の緑が美しい岩山にもたれかかるように庵があり、名僧の伝説を思わせるようだと芭蕉は書いています。今は亡き仏頂和尚を訪ねての一句です。

この句には「切れ字」はありませんが、切れ字を十八とすると「ず」がそうなります。今では「や」「かな」「けり」以外の切れ字にはほとんどふれませんから、この句には切れ字は無いとしても良いでしょう。ただ、芭蕉の江戸時代前期の時代には、切れ字十八と言われていましたので、句そのものとしてはやはり「ず」を切れ字とみなした方がよいと考えました。秋の勉強会の基本資料でも「ず」を切れ字としています。「や」のように芭蕉が好んで使っていた切れ字ではないようですね。「ず」は打消しの助動詞なので変化しますが終止形として「あらず」と中七で意味を切っています。そこで切れ字と考えました。芭蕉の時代のことで解りづらいのですが、やはり「ず」は切れ字と成るでしょう。

(令和五年四月 上野貴子)

 

 

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【ネット句会後記】

 

春の戦は六点句が制しました。チューリップや薔薇が咲き誇ってとても心地よい初夏です。コロナも2類から5類となり、人々の動きも前向きになりつつあります。

いざ 夏の戦の選句と投句です。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年五月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会3月結果発表~

 

<大賞>

 

38 大倉 宏美 あと一行読もう蛙の目借時

 

2点句>

 

1  橋詰 博 駆け抜けた十五の恋の桜貝

2  南出 千賀子 天狗来い春も来い来い高尾山

10 奥平 雅子 春落ち葉昼のランプの洋食屋

18 奥平 雅子 銀座三越ライオン像脱マスク

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2024年2月のネット句会

今月の投句(春の戦第1ステージ)

 1莟からいつしか香る梅の里

2今年また開花早まる梅便り

3離れ家に点る白梅星の影

4苗木から育てた梅の二十余年

5門入れば白梅の香に迎えられ

6梅一輪花瓶の中の故郷かな

7梅の花さまざまなれど命かな

8梅林に人影絶えて夜の風

9石垣に寄り添う梅の健気かな

10梅の花もの無き畑に色点じ

11ゆづりあい田浦の里の梅日和

12道真を偲びて開く梅の花

13それぞれの蕾萌えそむ梅月夜

14猟船の賑わうあたり初茜

15蒼天や冬の桜木時を待つ

16支笏湖の水のきらめき山笑ふ

17日の射してぽっんと赤き梅愛し

18咲き初めし梅に誘われ遠くまで

19東雲に星消え忘れ山笑ふ

20足踏みし窯出し待てば山笑ふ

21微睡みの空にぱちりと梅目覚む

22転ぶ地に温もりありて山笑ふ

23捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ

24ポップコーン弾けるごとく梅開き

25外つ国にゐて待ちどほし梅便り

26梅の香と一気に上へエレベーター

27運河沿いボートの数より猫の恋

28補聴器に風渡る音春立ちぬ 

29還暦に親知らず抜きて春を待つ

30ホットティー今日か明日かと梅の花

31山笑う孫の乳歯見つけたり

32らめっこ先に一手のスズメ蜂

33紅白のドローンからの梅林

34その匂ひあまねく満つる梅の園

35咲き満ちて此の香此の色梅の花

36紅梅の横に白梅花競ふ

37妙齢のわし鼻嗅ぐや梅の花

38LINEにて梅の咲き様尋ねけり

 

 

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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

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【春の戦2・3・4月】

★3月におすすめの兼題(2月末日〆切。)

 

【山笑ふ】

春の山の明るい感じをいう。

傍題に、笑ふ山

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

紅白に空を分かちて梅ひらく 高橋悦男

 

モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ 日下野仁美

     

なきがらの蜂に黄の縞黒の縞  橋本多佳子

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和6年2月号1月の結果(冬の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

華やかな口紅選び初鏡

城門の門松の先とがりけり

風止んで三浦三崎の四温晴

どことなく面差し母に初鏡

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

この部屋の奥まで映し初鏡

風止んで三浦三崎の四温晴

軒下に猫のまどろむ四温かな

この獣どこに放つや初鏡

四温晴れ優駿最後のバーを跳ぶ

 

点盛りの結果

 

七点句

犬の名を呼べば枯葉の音連れて     龍野 ひろし

 

四点句

行く年や十字に括る新聞紙       龍野 ひろし

行く年や奥歯の二本抜けたまま     原田啓子

箒目を追いかけるごと降る枯葉     阿部 文彦

 

三点句

軒下に猫のまどろむ四温かな      阿部 文彦

子に頼むタイヤ交換冬日和       辻 雅宏

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      龍野 ひろし

突堤に釣り人並ぶ冬日和        辻 雅宏

転車台くるりと廻り冬麗        水野 幸子

白神のぶなの鼓動や四温晴       龍野ひろし

息白し山門出づる僧の列        龍野 ひろし

 

二点句 

華やかな口紅選び初鏡         龍野ひろし

城門の門松の先とがりけり       青山好男

風止んで三浦三崎の四温晴       阿部 文彦

この部屋の奥まで映し初鏡       阿部 文彦

おでかけのメイクの猫の息白し     辻 雅宏

冬日和床屋の鋏軽やかに        龍野 ひろし

下り線席が空いてる冬日和       上野貴子

単音の孫のピアノや冬日向       小林 ひろ

玻璃越しに光射し込む冬日和      阿部 文彦

バスを待つ人の会話や冬日和      阿部 文彦

冬日和子猫に譲る一等地        龍野 ひろし

来客を待たせて座る初鏡        原田啓子

 

一点句

どことなく面差し母に初鏡       辻 雅宏

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑       原田啓子

石像も戸惑う三寒四温かな       原田啓子

白息に包まる君のさようなら      神長 誉夫

銀輪を連ね少年四温かな        龍野ひろし

初鏡着物の袖で拭いたり        青山好男

黒板にいたづら書や四温晴       龍野ひろし

この獣どこに放つや初鏡        神長 誉夫

四温晴れ優駿最後のバーを跳ぶ     神長 誉夫

身の丈を刻む柱や年送る        原田啓子

後悔を胸中に秘め年歩む        上野貴子

改札を行き交ふ人の息白し       辻 雅宏

駈け抜けて鼻息白し競走馬       辻 雅宏

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑       原田啓子

行く年を帰省バスにて詠む一句    青山好男

雨、雪にかわり音なく年行けり    青山好男

行く年の駅に途切れぬ電子音     龍野 ひろし

断捨離の捨と離を残し年逝けり    辻 雅宏

行く年のビル窓拭きの命綱      龍野ひろし

止まらない時は宇宙へ年果てる    上野貴子

行く年の大さん橋に巨船の灯     龍野 ひろし

船溜まり客が降りくる冬日和      阿部 文彦

枯葉一片舞い込んで駐輪所       上野貴子

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  神長 誉夫

城門を出でて枯葉に時を読む      青山 好男

細枝にしがみついてる枯葉かな     辻 雅宏

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    神長 誉夫

滝糸を長く配して冬紅葉        水野 幸子

枯葉積む廃線の跡日昇らむ       青山 好男

若き日の街夫と訪う冬日和       原田 啓子

冬日和富士捉えたるファインダー    龍野 ひろし

改めて老いを知らされ初鏡       辻 雅宏

特養の母にほどこす初化粧       田中むつみ

 

  

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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

犬の名を呼べば枯葉の音連れて・・・7点

 

やはり冬の戦では断トツで勝ち抜きましたね。動きがあり、かわいい犬の姿が人気を呼んだようです。もう春です。次回からの春らしい句が楽しみです。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

この部屋の奥まで映し初鏡

 

鏡に映る顔ではなく、その奥に映っている部屋の様子を捕らえた点が面白いと思いました。平面の鏡に奥行きができて、明るい部屋の様子にお正月らしさを感じました。

 

 

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★3月の兼題(2月末日〆切)

 

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回はいよいよ大垣の抄で「奥の細道」最後の抄です。

 

蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ・・・芭蕉

 

この句は、連句の終わりの挙句のような紀行文の最後を締めくくる結びの句にあたります。旅は終わり、また新たな旅が始まるという人生哲学が読み取れます。

別れを惜しんだ旅立ちの抄の「行く春」から、再会を喜び無事を喜び合った後にやって来る、新たな出発の別れを、「行秋」として見事に始まりの句と対比させています。切れ字としては、代表的なものは使っていません。 

最後の「ぞ」が昔では切れ字十八のひとつと成りましたが、現代ではあまり使われません。終助詞のようです。

句の意味は、別離の悲しみを離れがたい蛤の殻の蓋と身に例えて表現されています。また、これからの旅が伊勢参りの目的で二見ヶ浦の方へ旅立つことを物語っています。

こうして芭蕉の「奥の細道」は終わりとなります。芭蕉が序文で書かれているように、人は旅に生きる雲や水のように留まるところを知らないものだという人生哲学が、命あるものの宿命を思わせ今でも心に響きますね。

(令和六年一月号より 上野貴子)

 

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

冬の戦は七点句が独走のままゴールしました。

春の戦は、梅、山笑ふ、蜂のどれを詠んでいただいても構いません。

兼題一つを五句、とりまぜて五句でも構いません。

投句と選句をセットでお願いします。また、選評も是非、記載下さい。

(令和六年二月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会12月結果発表~

 

<大賞>

8   鈴木 恵美子 濡れ縁にまどろむ仔猫四温晴

 

2点句>

20 さこたゆう 三寒四温何を着る朝の思案

23 芒花   三寒の日に日に湯船沁みわたる

25 芒花   初鏡気配程度の紅を引く

35 南出 千賀子 三寒に足袋重ね履き四温待つ

 

 

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2024年2月7日 | カテゴリー :

2024年3月のネット句会

今月の投句(春の戦第2ステージ)

1紅白の靄るがごとき梅の園

2放牧の牛の反芻山笑ふ

3安曇野の堰の飛沫や山笑ふ

4光琳の見し紅梅を旅に吾も

5ズームする梅一輪の嬉しさを

6山笑い賑わい戻る日曜日

7メジロ来て何やら突く春の山

8私鉄駅下りれば梅の山笑う

9紅白の山は目出度く笑うほど

10石段を上る四方から山笑う

11白梅の庭冴え渡り三回忌

12梅の香や人影無き寺経響く

13梅園に笑う老若あんこ餅

14和歌の札道も進まず梅の園

15雲の下懐旧集う山笑う

16四阿に座れば四方の山笑う

17尋れば母住む里の山笑う

18山笑う家まばらなり道祖神

19屋根裏へ吸い込まれゆく雀蜂

20蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る

21さへずりの枝々に色こぼれけり

22桃の花を猫柳と・ガーベラに

23シマエナガ春の雫へホバリング

24流氷をこじ開け逃れシャチの群れ

25古雛娘が繕ろふて飾りけり

26縁側で刈られし白髪山笑ふ

27おさげ髪揺れて梅咲く径海へ

28蜂翔けて出でし大河のゆるりゆら

29やなものは嫌だと言えて梅の花

30老樹にも確かな脈音山笑ふ

31ニ窓に分かれてのどか山笑う

32乳母車風受け傾ぐ潮干潟

33娘の握るおにぎり二つ山笑う

34入院の延期の知らせ寒もどる

35リハビリの一歩一歩や山笑う

36運命や働き蜂と女王蜂

37通勤のひとあしお先春コート

38二十年余命を決めて山笑う

39春一番タクシー会話弾んでる

40耳成が笑へば畝傍香具笑ふ

41麓行く巡回バスや山笑ふ

42眠りから覚めて山山笑ひけり

43初孫に浮き立つこころ山笑ふ

44湖とふ五つの鏡富士笑ふ

45足踏みし窯出し待てば山笑ふ    

46梅一輪花瓶の中の故郷かな     

47外つ国にゐて待ちどほし梅便り   

48今年また開花早まる梅便り     

49離れ家に点る白梅星の影      

50道真を偲びて開く梅の花      

51咲き満ちて此の香此の色梅の花   

52蒼天や冬の桜木時を待つ      

53梅の香と一気に上へエレベーター  

54補聴器に風渡る音春立ちぬ     

55梅林に人影絶えて夜の風      

56ゆづりあい田浦の里の梅日和    

57門入れば白梅の香に迎えられ    

58捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    

59梅の花もの無き畑に色点じ     

60ポップコーン弾けるごとく梅開き  

61ホットティー今日か明日かと梅の花 

62東雲に星消え忘れ山笑ふ      

63山笑う孫の乳歯見つけたり     

64猟船の賑わうあたり初茜      

65LINEにて梅の咲き様尋ねけり  

66それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    

67支笏湖の水のきらめき山笑ふ    

68莟からいつしか香る梅の里     

 

 

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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【春の戦2・3・4月】

★4月におすすめの兼題(3月末日〆切。)

 

【蜂】

蜂の種類は多く、尻に毒のある針をもつ

傍題に、足長蜂、熊蜂、蜜蜂、女王蜂、雀蜂、蜂の子、蜂の巣など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

紅白に空を分かちて梅ひらく  高橋悦男

 

モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ   日下野仁美

     

なきがらの蜂に黄の縞黒の縞   橋本多佳子

 

 

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令和6年3月号2月の結果(春の戦第一ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

華やかな口紅選び初鏡

城門の門松の先とがりけり

風止んで三浦三崎の四温晴

どことなく面差し母に初鏡

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

 ~~<辻 雅宏選5句>~~

道真を偲びて開く梅の花

莟からいつしか香る梅の里

今年また開花早まる梅便り

蒼天や冬の桜木時を待つ

外つ国にゐて待ちどほし梅便り

  

点盛りの結果

 

四点句

足踏みし窯出し待てば山笑ふ    神長誉夫

 

三点句

梅一輪花瓶の中の故郷かな     青山好男

外つ国にゐて待ちどほし梅便り   原田啓子

 

二点句

今年また開花早まる梅便り     上野貴子

離れ家に点る白梅星の影      上野貴子

道真を偲びて開く梅の花      青山好男

咲き満ちて此の香此の色梅の花   辻 雅宏

蒼天や冬の桜木時を待つ      青山好男

梅の香と一気に上へエレベーター  原田啓子

補聴器に風渡る音春立ちぬ     原田啓子

梅林に人影絶えて夜の風      青山好男

ゆづりあい田浦の里の梅日和    阿部文彦

 

一点句

門入れば白梅の香に迎えられ    上野貴子

捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    神長誉夫

梅の花もの無き畑に色点じ     青山好男

ポップコーン弾けるごとく梅開き  原田啓子

ホットティー今日か明日かと梅の花 小林ひろ

東雲に星消え忘れ山笑ふ      神長誉夫

山笑う孫の乳歯見つけたり     小林ひろ

猟船の賑わうあたり初茜      青山好男

LINEにて梅の咲き様尋ねけり  辻 雅宏

それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    阿部文彦

支笏湖の水のきらめき山笑ふ    水野幸子

莟からいつしか香る梅の里     上野貴子

 

 

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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

足踏みし窯出し待てば山笑ふ・・・4点

 

足踏みをして待ちきれない様子がユーモラスですね。春のうららかさと上手くマッチしていると思います。そろそろ春の花の季節なので次回からの句が楽しみです。

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

道真を偲びて開く梅の花

 

道真と梅の花は即くとも言われ、また、類句も多いが、それにしてもこの詠みはさらりとよどみない。

 

 

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★4月の兼題(3月末日〆切)

 

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は最後のまとめです。

 

草の戸も住替る代ぞひなの家

蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ

 

始めの「序章」と最後の「大垣」の抄のどちらにも切れ字十八の「ぞ」が使われています。この「ぞ」は終助詞で強調させる感嘆の意味として使われていると考えます。ですから切れ字が無いとは言い難いのですが、代表的な3つの切れ字は使われていません。

 

あらたうと青葉若葉の日の光

 

この句は「日光」の抄の句です。切れ字が使われていない代表的な句です。季語に関しても「青葉若葉」と二つの季語を組み合わせて造語にして一つの言葉としていますので、季重なりとも言い切れません。日光の緑の美しさを強調しながら、江戸の徳川の威光を表現していると解釈され、「あらたうと」は「あら尊し」の意味で、「日光」の旧称「二荒(ふたあら)」に掛かり、昔の名から空海大使が「日光」と改めたことを句のなかに詠み込んでいます。印象深い名句です。

このように現代で切れ字と云われる「や」「かな」「けり」を使わない句にも名句は多く、芭蕉の時代に遡って考えてみても、切れ字の有る無しではなく、意味が切れているのかどうかという解釈の問題ですね。言葉の響きやリズムでは文語調になるため、現在の自分らしい句を詠むためにはことさら必要は無くなってきているようです。

(令和六年三月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

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【ネット句会後記】

 

春の戦第一ステージは、四点句を筆頭に好句が並びました。そして、第2ステージでの選句と第3ステージの投句になります。自信の五句をお待ちしています。投句と選句をセットでお願いします。選評をされる方が少なく、是非、目に止まった句から一句 選評をお寄せください。

(令和六年三月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会2月結果発表~

 

<大賞>

45 大倉 宏美 赤と白絵の具絞りて梅の花

 

2点句>

2   橋詰 博 梅日和友を誘いて隣町

11 奥平 雅子 啓蟄のしまい忘れの俳句の本

28 鈴木 恵美子 爪木崎岬に香る黄水仙

30 芒花 白梅の畑静かに時とどめ

32 芒花 枝垂れ梅つぼみ啄むジョウビタキ

37 米重 初枝 大将も後期高齢ちゃんちゃんこ

41 大西 文子 凍空の星の瞬き能登念(おも)

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

※1月が抜けましたことお詫びいたします。LINE公式俳句大会でご確認ください。
 

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