12月ネット句会

今月の投句(12月5日更新・冬の戦)

1図書館に哲学の在り冬ざれて
2冬ざれの青苔被る鯉の口
3クリスマスケーキ早朝コンビニに
4ケーキ欲しダイエットでもクリスマス
6頓痴気ソング書店に流るる聖夜かな
7冬ざれの獣道にも日当たりて
8冬ざるる四阿風の吹き抜けり
9聖樹なるからくりあつけらかんと朝
10飾られて路面電車のクリスマス
11飾りなき教会今朝のクリスマス
12冬ざれて川沿いに雀来ている
13コロナ禍に途絶えたメールクリスマス
14クリスマス都会の夜のイルミネーション
15冬ざれた里山ひとつ越え真昼
16冬ざれて裏戸に菜っ葉解かず置く
17冬ざれや櫓にのぼる影一つ
18冬ざれにブランコのなほ揺れのこり
19老犬が喧騒に吠え聖夜かな
20救急のサイレン響く街聖夜
21巴里聖夜マダムとなりしひとおほし
22ふところに白樺抱いて山眠る
23湯けむりに夕陽落として山眠る
24一年の無沙汰を詫びて賀状書く
25生きている証のごとく書く賀状
26人の影なくて古寺虎落笛
27クリスマス100均に買うプレゼント
28冬ざれの棚田の畦を風走る
29綿虫やニシン漬けはよ漬けなくちゃ
30夫とゆきし馬籠の宿に初雪や
31初雪や屋根すべり落つ音かろし
32冬ざれの森に巣箱の黄が残り
33繰り返すエチュード聖夜は更けゆきて
34冬ざれを突かんと犀の子駆け始む
35ココア掌に翼の灯数ふ聖夜かな
36冬ざれて残るは蒼穹ばかりなり
37冬ざれて透明度増す赤信号
38高速に早や灯のともり冬ざるる
39冬ざれの帰路の長きに眠りおり
40子がありて親のはりきるクリスマス
41乳飲み子の薄目開け閉め冬ざるる
42冬ざれの湖に昏れゆく浮御堂
43冬ざるる村に一つの床屋かな
44冬ざれて怒涛逆巻く日本海
45エアメール開ければメリークリスマス
46宅配のピザを加へてクリスマス
47飴色に干魚艶めく浜小春
48釣り人の等間隔に湖小春
49眠る子の帯を解きし七五三
50鈴の音を零して歩く七五三
51秋時雨鷹は小屋にて眠りをり
52波白く海鳥高く小六月
53爺婆をしたがへ歩む千歳飴
54小春日や猫眠る屋根雲の下
55縁側で爪切る母の小春かな
56ベランダで小春にそよぐ七分丈
57千歳飴引きずり歩く着物の子
58途中下車してまで歩く小春空
59玉砂利を踏みしめる音七五三
60何の日か問う子もにぎる千歳あめ
61江の島や小春に浮かぶ富士の影
62凩に向かって走るランドセル
63小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く
64紅ひいて唇紡ぐ七五三
65父笑う紅引き笑う娘見て
66おくるみに小春の光編み込んで
67七五三鳥居の長き影踏みて
68お互ひに孫連れ出会ふ七五三
69小春日のピアノ鳴り来る上り坂
70ジャケットの似合うふ青年恋小春
71小春日を分け合う人の写真立て
72小春凪海鳥の群れ河口まで
73産土の神のお祓ひ七五三

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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http://uenotakako.com/?p=74430

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1月の兼題【淑気】&【寒の水】(12月31日〆切)

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【冬の戦11・12・1月】

★1月の兼題(12月31日〆切。)

【淑気】
新年を迎え、あたりが瑞相に満ち、荘厳の気が漂うめでたい気分をいう。
傍題に、淑気満つ。

【寒の水 】
寒の内の水をいい、ことに寒中九日目の水は効能があるといわれている。
傍題に、寒水、寒九の水。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

  青墨をやはらかに磨る淑気かな
               加藤三七子

 

  寒の水かぶつて熱くなる心
              高橋将夫

 


11月の結果(冬の戦第一ステージ)


四点句

飴色に干魚艶めく浜小春        神長誉夫

釣り人の等間隔に湖小春        辻 雅宏

 

三点句

眠る子の帯を解きし七五三       伊藤 はな

鈴の音を零して歩く七五三       伊藤 はな

 

二点句

秋時雨鷹は小屋にて眠りをり      広田洋一

波白く海鳥高く小六月         上野貴子

爺婆をしたがへ歩む千歳飴       辻 雅宏

 

一点句

小春日や猫眠る屋根雲の下      青山好男

縁側で爪切る母の小春かな      辻 雅宏

ベランダで小春にそよぐ七分丈     響 あづ妙

千歳飴引きずり歩く着物の子      響 あづ妙

途中下車してまで歩く小春空      辻 雅宏

玉砂利を踏みしめる音七五三     水野幸子

何の日か問う子もにぎる千歳あめ   原田啓子

江の島や小春に浮かぶ富士の影    広田洋一

凩に向かって走るランドセル     阿部文彦

小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く   神長誉夫

紅ひいて唇紡ぐ七五三         響 あづ妙

父笑う紅引き笑う娘見て        響 あづ妙

おくるみに小春の光編み込んで     原田啓子

七五三鳥居の長き影踏みて       青山好男

お互ひに孫連れ出会ふ七五三     辻 雅宏

小春日のピアノ鳴り来る上り坂    芒花

ジャケットの似合うふ青年恋小春    伊藤はな

小春日を分け合う人の写真立て     神長誉夫

小春凪海鳥の群れ河口まで      上野貴子

産土の神のお祓ひ七五三        広田洋一

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

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季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 


     ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

     飴色に干魚艶めく浜小春・・・四点     

    釣り人の等間隔に湖小春・・・四点     

今回は最高点が同点で冬の戦が始まりました。小春日よりのうららかな日には海や湖が美しいですね。冬の始まりなのでまだ暖冬めいた感じでしょうか。いよいよ年末年始ですがまだまだコロナ禍が心配な冬の戦です。
(冬:11月~1月)

 

~~~今月の選評~~~

爺婆をしたがへ歩む千歳飴 

千歳飴を大事そうに抱えていると、子供より千歳飴の方が目立ち、それが主役になってしまう。
千歳飴を持つ子を先頭にして親や爺、婆が後方をついて歩いていく、ユーモラスな状況が目に浮かぶ。親族全員で祝っている姿がとてもほほえましい。

 

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★1月の兼題(12月末日〆切)

【淑気】と【寒の水】
他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年11月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字について「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、11月号では、初冬にちなんで芭蕉全句から時雨の句を見てみましょう。

一尾根はしぐるゝ雲かふじのゆき・・・芭蕉

芭蕉45才の句。芭蕉は11月に没したと言われることから芭蕉忌を時雨忌と言いますが、この句は美しい絶景の句ですね。特に切れ字は無く雪の富士を詠んでいます。富士山が見える場所で詠んでいる事が解ります。雪をかぶった富士の裾野が雲がかかっていてぼんやりとしているのですね。伊豆の方からの富士でしょうか。浮世絵のような日本的な景色です。

時雨をやもどかしがりて松の雪・・・芭蕉

この句は芭蕉がまだ若き23歳の句です。古風な言回しで松の枝の雪に時雨が降る様子を詠んでいます。芭蕉にとっては「時雨」と「雪」は季重なりであることが気にならないくらいにマッチしたどちらも省くことのできない景色のようです。雪が止んでいる白い景色に時雨がはかなく冷たく降り冬を感じさせるのですね。

初めの句でもどんよりと曇った灰色の空に白い富士が浮かぶ光景が日本的な情緒を表しています。後の句にも特に切れ字はありません。初めの富士山は何か動かしがたい存在に読み取れて、若かりし頃の松に雪の景色の色彩感にもまして、冬の厳しい寒さにも美しく見える雪の富士が季節感を超えた日本の表情なのだと感じます。この季節が芭蕉忌となり時雨忌と呼ばれていることが良く解ります。
(2021年令和三年十二月 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

 

【ネット句会後記】

二年続けてコロナで始まりコロナで暮れようとしています。ネット句会に参加されている皆さんも少なからずコロナを句に詠まれたことでしょう。来年こそ終息までは無理としても寛解を迎えたいものです。それでは、納め句座への投句お待ちしています。よいお年をお迎えください。
(令和三年十二月 辻 雅宏)

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