今月の投句(冬の戦第2ステージ)
1着ぶくれて見る月食の終るまで
2着ぶくれて犬と星空見上げをり
3絶やさぬ窯火陶工は着ぶくれて
4着ぶくれし夜釣りの背中並びけり
5着ぶくれて時間のかかる脱衣場
6着ぶくれて旅行バックを引く婦人
7着ぶくれて電車乗る人降りる人
8着ぶくれを吐き出すバスのターミナル
9着ぶくれてお腹から乗るマタニティー
10義士の日や雪に昏れゆく南部坂
11四十七の香煙空に義士の会
12着ぶくれてタイムサービス早足に
13義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君
14着ぶくれも十年前は着やせ組
15義士の日に誕生祝い赤穂パン
16手足まで着ぶくれ浸かり汗光る
17パン屑の溜まる胸元着ぶくれて
18着ぶくれてチェックインする日本人
19色コーデする暇もなく着膨れて
20義士の日や四十七士が動いた日
21義士の日に義士の日のことグーグルす
22落葉風なまぬるくコロナ禍の町
23義士の日を令和の人が行きすぎる
24着ぶくれて家路を急ぐ一番星
25着ぶくれて待つ顔険し交差点
26義士の日や映画の後のしるこかな
27義士の日や雨も冷たき泉岳寺
28棒振りてスタアになりし義士の日よ
29風の音石の声冬銀閣寺
30着膨れて歯のない嬰の破顔かな
31義士の日や膝の痛みのいや増して
32嬰を呼ぶ父親の声冬ぬくし
33季語帳を繕うテープ小六月
34小春日や父の顔なり離乳食
35義士会や名優達の時を愛で
36着ぶくれて南の島の果実剥く
37群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日
38「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯
39義士の日や夜を駆けゆく風数ふ
40初時雨能登行商の頬を打つ
41お遍路の杖音急ぐ初時雨
42初時雨煉瓦校舎に灯が一つ
43そして皆大人になりぬ一葉忌
44家族皆一つ傘にて初時雨
45女性史の初めの一歩一葉忌
46短くも長くも一生一葉忌
47陸前は父母のふる里一葉忌
48初時雨天地返しの田が笑い
49読書せる窓辺の外は初時雨
50濁水に作り花散る一葉忌
51読みかけのたけくらべ手に一葉忌
52てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ
53野良猫の小走りになる初時雨
54初時雨産寧坂を濡るるほど
55花街の町家格子や初時雨
56階段の軋む茶房や初時雨
57初時雨灯りのつかぬ老舗宿
58改札に人影の増え初時雨
59対岸の陽射し伸びるや初時雨
60嬰のハイハイ横へ横へと初時雨
61着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌
62初時雨夕べの土の匂い呼ぶ
63五千円一人飲む酒一葉忌
64路地裏の声甲高かき一葉忌
65日本語の美しきかな一葉忌
66灯が一つ暮れなずむ街一葉忌
67初時雨駅の置き傘借りにけり
68初時雨先客の居る木暮かな
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
★LINE公式俳句大会発表はこちらから
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1月の兼題【初詣】&【風花】(12月末日〆切)
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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【冬の戦11・12・1月】
★1月の兼題(12月末日〆切。)
【初詣】
新年になって氏神様やその年の恵方に当たっているほうが句の神社仏閣に参拝すること。傍題に初社、初神籤。
【風花】
晴天なのに風に乗ってちらちら舞ってくる雪片。
※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。
<先句に学ぶ>
新句帳一句を得たり初詣
野村喜舟
風花の地に着くまでを遊びけり
村松路生
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12月号11の結果(冬の戦)
~~<主宰上野貴子選5句>~~
読書せる窓辺の外は初時雨
時雨煉瓦校舎に灯が一つ
濁水に作り花散る一葉忌
読みかけのたけくらべ手に一葉忌
てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ
<点盛りの結果>(冬の戦第1ステージ)
三点句
初時雨能登行商の頬を打つ 龍野ひろし
二点句
お遍路の杖音急ぐ初時雨 原田啓子
初時雨煉瓦校舎に灯が一つ 神長誉夫
そして皆大人になりぬ一葉忌 山本佐和子
家族皆一つ傘にて初時雨 原田啓子
一点句
女性史の初めの一歩一葉忌 上野貴子
短くも長くも一生一葉忌 上野貴子
陸前は父母のふる里一葉忌 阿部文彦
初時雨天地返しの田が笑い 神長誉夫
読書せる窓辺の外は初時雨 山本佐和子
濁水に作り花散る一葉忌 神長誉夫
読みかけのたけくらべ手に一葉忌 原田啓子
てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ 辻 雅宏
野良猫の小走りになる初時雨 阿部文彦
初時雨産寧坂を濡るるほど 辻 雅宏
花街の町家格子や初時雨 龍野ひろし
階段の軋む茶房や初時雨 龍野ひろし
初時雨灯りのつかぬ老舗宿 龍野ひろし
改札に人影の増え初時雨 上野貴子
対岸の陽射し伸びるや初時雨 阿部文彦
嬰のハイハイ横へ横へと初時雨 水野幸子
着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌 辻 雅宏
初時雨夕べの土の匂い呼ぶ 上野貴子
五千円一人飲む酒一葉忌 青山好男
路地裏の声甲高かき一葉忌 水野幸子
日本語の美しきかな一葉忌 原田啓子
灯が一つ暮れなずむ街一葉忌 青山好男
初時雨駅の置き傘借りにけり 阿部文彦
初時雨先客の居る木暮かな 原田啓子
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ
※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。
~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~
初時雨能登行商の頬を打つ・・・三点
時雨の情緒が能登の昔からの風習を上手く俳句にまとめられていて古風であり土地柄が上手く表現されていて見事ですね。今年もいよいよ冬の戦です。
(冬:11月~1月)
~~~今月の選評~~~
日本語の美しきかな一葉忌
樋口一葉の書を手にした作者は、あらためて一葉の著述に日本語の美しさを認識したというもの。私も俳句を詠んでいて心動かされる日本語に出会えることしばしである。
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
★1月の兼題(12月末日〆切)
【初詣】と【風花】
他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。
※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。
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【今月のワンポイントレッスン】
「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉全句に視点を当てみました。
芭蕉の有名な名句に「行春を近江の人とおしみけり」という句があります。この句には過去の詠嘆を表す切れ字と言われる「けり」が下五の最後に使われています。ところが、この句には他にも同じような句があり、同じ場所で詠まれたであろうとされています。定本岩波文庫の芭蕉俳句集ではこの句には三句同じような句があり推敲されているように思われます。三句挙げてみましょう。
行春を近江の人とおしみける・猿蓑
行春を近江の人とおしみけり・蝶すがた
行春や近江の人とおしみける・真蹟懐紙
このように「けり」の有る句と無い句、そして「や」の有る句があります。これは並べて見ると芭蕉が切れ字の有る無しをかなり悩んで詠んだ句なのではないかと思われます。ところが詠まれた年が違うようなのです。過去の詠嘆を表す切れ字「けり」が使われた年が元禄四年とあるので、これは後から推敲されたのかも知れません。けれども有名な文献資料としては「猿蓑」となりますから、定本では「ける」となり、元禄三年に収録されています。そこで、この名句には切れ字が有るのか無いのか、どちらを取るのかという疑問が残ります。そして、切れ字「や」の句、この句は「や」で意味が切れますから、春を惜しむという上五と、近江の人と惜しんでいたことは必ずしも一致しない場合もあると解釈出来ます。どうも三句並べるとそうでは無いようですから、この句は「ける」で元禄三年に収録されているようです。以降は11月17日勉強会資料をご覧ください。https://onl.sc/ecACLnU
(令和四年十二月 上野貴子)
「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com/
【ネット句会後記】
冬の戦の第一ステージは一点句が多く言わば混戦模様でした。混戦から抜け出す句は果たしてどの句でしょうか。選評が少なく編集上困っています。選句されましたら選評にご協力願います。今年も終わりが近づいてきました。この句会に参加下さいました皆様に厚く御礼申し上げます。来年もお引き立てのほどお願い申し上げます。
よいお年をお迎えください。
(令和四年十二月 辻 雅宏)
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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~LINE公式俳句大会10月結果発表~
<大賞>
12 tanaka623 一葉忌をんなはつよくなりぬるや
<2点句>
18 さこたゆう 「十三夜」短き生涯一葉忌
27 橋詰 博 郷愁の荷解く部屋にリンゴの香
36 大倉 宏美 時雨打つ葉音で見入るカレンダー
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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。