今月の投句(冬の戦最終ステージ)
1信仰無し何は無くとも初詣
2初詣昼日に五円にぎりしめ
3珈琲の戸の外に風花ゆたり
4風花来おもひでひとつ消すやうに
5風花よ乙女青年恋を抜け
6風花や街角低く鴉二羽
7三枚目賀状の文字は大きめに
8風花や百円木馬で風に乗る
9二拍めに揃ふ柏手初詣
10初詣令和五年を握りしめ
11風花のたちまち消ゆる手のひらに
12小吉の御籤ほどよき初詣
13巾着に仕舞ふ吉札初詣
14風花や奥の院への二百段
15真つさらの鈴緒振りたる初詣
16花見小路風花まとい歩くひと
17仰ぐ空風花一つ二つかな
18風花や文投函す遠き友
19風花や道一列の紅き頬
20初詣冷たき水も有難し
21初詣高台よりの海蒼し
22里帰り孫ひまご抱き初詣
23一夜にて縫いし晴れ着を嬰に着す
24高台の神仏に手を初詣
25海見ゆる土俵に子らの初相撲
26野天湯や湯気と風花すれ違う
27猫の髭風花捕え反り返る
28枝高く我が初籤は風に泣く
29風花の煌めきの中郷を捨て
30風花や帰って来いよと郷の声
31外人の肩一つ出て初詣
32巫女たちの札所の灯り初詣
33風花や母の手書きの文一つ
34庭師去りあとに風花二三片
35地にとどくまで風花の調べかな
36初詣晴れ着姿のまばらなる
37初詣神籤見せ合ふ若夫婦
38朝市の並ぶ川沿ひ風花す
39風花を追ふ子掴む子口開く子
40おくるみの嬰(やや)に風花ふうわりと
41群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日
42初時雨能登行商の頬を打つ
43着ぶくれし夜釣りの背中並びけり
44義士の日や映画の後のしるこかな
45着ぶくれを吐き出すバスのターミナル
46そして皆大人になりぬ一葉忌
47着膨れて歯のない嬰の破顔かな
48義士の日や雪に昏れゆく南部坂
49着ぶくれて見る月食の終るまで
50義士の日や雨も冷たき泉岳寺
51陸前は父母のふる里一葉忌
52読書せる窓辺の外は初時雨
53てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ
54階段の軋む茶房や初時雨
55改札に人影の増え初時雨
56初時雨駅の置き傘借りにけり
57初時雨産寧坂を濡るるほど
58お遍路の杖音急ぐ初時雨
59初時雨煉瓦校舎に灯が一つ
60家族皆一つ傘にて初時雨
61着ぶくれて犬と星空見上げをり
62義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君
63パン屑の溜まる胸元着ぶくれて
64義士の日や膝の痛みのいや増して
65初時雨産寧坂を濡るるほど
66着ぶくれてお腹から乗るマタニティー
67季語帳を繕うテープ小六月
68「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯
69義士の日を令和の人が行きすぎる
70義士の日や夜を駆けゆく風数ふ
71着ぶくれて南の島の果実剥く
72着ぶくれて旅行バックを引く婦人
73義士会や名優達の時を愛で
74女性史の初めの一歩一葉忌
75短くも長くも一生一葉忌
76初時雨天地返しの田が笑い
77濁水に作り花散る一葉忌
78読みかけのたけくらべ手に一葉忌
79野良猫の小走りになる初時雨
80花街の町家格子や初時雨
81初時雨灯りのつかぬ老舗宿
82対岸の陽射し伸びるや初時雨
83嬰のハイハイ横へ横へと初時雨
84着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌
85初時雨夕べの土の匂い呼ぶ
86五千円一人飲む酒一葉忌
87路地裏の声甲高かき一葉忌
88日本語の美しきかな一葉忌
89灯が一つ暮れなずむ街一葉忌
90初時雨先客の居る木暮かな
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
★LINE公式俳句大会発表はこちらから
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2月の兼題【春めく】&【春の風邪】(1月末日〆切)
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【春の戦2・3・4月】
★2月の兼題(1月末日〆切。)
【春めく】
寒さがゆるみ、万象春らしく感じることをいう。
【春の風邪】
春めいているのに油断からか、思わぬ風邪をひくことがある。
※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。
<先句に学ぶ>
卓飾る花のいろいろ春めきぬ
稲畑汀子
しんがりは妻が勤めぬ春の風邪
石塚友二
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令和5年1月号12月の結果(冬の戦第二ステージ)
~~<主宰上野貴子選5句>~~
着ぶくれを吐き出すバスのターミナル
義士の日や膝の痛みのいや増して
季語帳を繕うテープ小六月
初時雨能登行商の頬を打つ
そして皆大人になりぬ一葉忌
四点句
群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日 神長誉夫
初時雨能登行商の頬を打つ 龍野ひろし
三点句
着ぶくれし夜釣りの背中並びけり 龍野ひろし
義士の日や映画の後のしるこかな 青山好男
着ぶくれを吐き出すバスのターミナル 辻 雅宏
そして皆大人になりぬ一葉忌 山本佐和子
二点句
着膨れて歯のない嬰の破顔かな 水野幸子
義士の日や雪に昏れゆく南部坂 辻 雅宏
着ぶくれて見る月食の終るまで 龍野ひろし
義士の日や雨も冷たき泉岳寺 青山好男
陸前は父母のふる里一葉忌 阿部文彦
読書せる窓辺の外は初時雨 山本佐和子
てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ 辻 雅宏
階段の軋む茶房や初時雨 龍野ひろし
改札に人影の増え初時雨 上野貴子
初時雨駅の置き傘借りにけり 阿部文彦
初時雨産寧坂を濡るるほど 辻 雅宏
お遍路の杖音急ぐ初時雨 原田啓子
初時雨煉瓦校舎に灯が一つ 神長誉夫
家族皆一つ傘にて初時雨 原田啓子
一点句
着ぶくれて犬と星空見上げをり 龍野ひろし
義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 田中伸明
パン屑の溜まる胸元着ぶくれて 原田啓子
義士の日や膝の痛みのいや増して 水野幸子
初時雨産寧坂を濡るるほど 辻 雅宏
着ぶくれてお腹から乗るマタニティー 辻 雅宏
季語帳を繕うテープ小六月 水野幸子
「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯 神長誉夫
着ぶくれてタイムサービス早足に 田中伸明
色コーデする暇もなく着膨れて 原田啓子
義士の日を令和の人が行きすぎる 上野貴子
義士の日や夜を駆けゆく風数ふ 神長誉夫
着ぶくれて南の島の果実剥く 神長誉夫
着ぶくれて旅行バックを引く婦人 上野貴子
義士会や名優達の時を愛で 神長誉夫
女性史の初めの一歩一葉忌 上野貴子
短くも長くも一生一葉忌 上野貴子
初時雨天地返しの田が笑い 神長誉夫
濁水に作り花散る一葉忌 神長誉夫
読みかけのたけくらべ手に一葉忌 原田啓子
野良猫の小走りになる初時雨 阿部文彦
花街の町家格子や初時雨 龍野ひろし
初時雨灯りのつかぬ老舗宿 龍野ひろし
対岸の陽射し伸びるや初時雨 阿部文彦
嬰のハイハイ横へ横へと初時雨 水野幸子
着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌 辻 雅宏
初時雨夕べの土の匂い呼ぶ 上野貴子
五千円一人飲む酒一葉忌 青山好男
路地裏の声甲高かき一葉忌 水野幸子
日本語の美しきかな一葉忌 原田啓子
灯が一つ暮れなずむ街一葉忌 青山好男
初時雨先客の居る木暮かな 原田啓子
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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ
※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。
~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~
群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日・・・四点句
初時雨能登行商の頬を打つ・・・四点句
能登の句に討ち入りの句が追い付いて来ました。次回の最終ステージでは果たしてどうなるでしょうか。まだコロナ禍ですが今年こそは終焉収束を祈ります。今年も宜しくお願い致します。
(冬:11月~1月)
~~~今月の選評~~~
群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日
四十七士が忍び足で袴などをはためかせ討ち入る様子が烏の描写と重なり、見事な比喩だと思いました。志士たちの押し殺した息遣いも聞こえてきそうです。
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★2月の兼題(1月末日〆切)
【春めく】と【春の風邪】
他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。
※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。
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【今月のワンポイントレッスン】
「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉の詠んだ新年の句を見てみましょう。
春立つや新年ふるき米五升・・・芭蕉
「新年」で探したところ芭蕉38才の頃のこの句しかありませんでした。江戸時代は立春がお正月だったことが良く解ります。そこで、「餅」の句を探してみました。
「餅雪をしら糸となす柳哉」
「餅を夢に折結ふしだの草枕」
「餅花やかざしにさせる娌(よめ)が君」
「誰が聟(むこ)ぞ歯朶に餅おふうしの年」「煩(わずら)へば餅をも喰はず桃の花」
「鶯や餅に糞する縁のさき」
などの句があり、「餅」は冬の季語ですが、現代では春の季語とされている言葉との季重りが目立ち、まさに立春が一年の始まりだった時代の相違を感じます。この他に「初日の出」の句も芭蕉には見当たりません。
むめがゝにのつと日の出る山路かな・・芭蕉
この句があるのですが、日の出とあり「むめがゝ」が春の季語です。初日の出の習慣は、日本古来のものと言われますが、明治以降盛んになったとされていて芭蕉の句でも「初日の出」とは呼んでいません。面白いですね。
(令和五年一月 上野貴子)
「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com/
【ネット句会後記】
明けましておめでとうございます。
本年もネット句会のお引き立てをよろしくお願い申し上げます。
冬の戦第2ステージは4点句が2つ並びました。最終ステージの選句が楽しみです。そして、投句は春の第1ステージ向けての募集になります。多くのご参加をお待ちしています。この句会では投句と選句はセットですから、セットで参加をお願いします。
(令和五年一月 辻 雅宏)
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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~LINE公式俳句大会11月結果発表~
<大賞>
10 さこたゆう 着ぶくれて素のままの自分を探す
<2点句>
2 出口 科野 ゆるやかな時が流れて秋の空
18 奥平雅子 時雨るるや泣いてどうにかなるものか
23 tanaka623 旅心期待と不安で着ぶくれる
38 鈴木 恵美子 渡月橋空の青さと燃える秋
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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。