2023年11月ネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

1子に頼むタイヤ交換冬日和

2突堤に釣り人並ぶ冬日和

3公園に子らの声する冬日和

4細枝にしがみついてる枯葉かな

5かさこそと乾く音して枯葉道

6冬晴るる妻にデートの申し込み

7白内障術後回復冬日和

8単音の孫のピアノや冬日向

9枯葉散るいいのだけれどそこに居て

10若き日の街夫と訪う冬日和

11白熊のような雲湧く冬日和

12一枚の枯葉の落ちてコトと鳴り

13枯葉舞う生の終焉輝けり

14靴裏の枯葉にそっと声をかけ

15冬晴れや吊るす魚の長き影

16ジャズ祭に赤黄のスウィング枯葉舞う

17冬晴れを大きく吸いてガラス吹く

18瀬に堕ちて尚海目指す枯葉かな

19張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く

20屋根開く球場綿虫の乱舞

21とりどりの枯葉漕ぎゆき懐かしき

22「おはよう」と玄関前の枯葉舞ふ

23滝糸を長く配して冬紅葉

24転車台くるりと廻り冬麗

25船溜まり客が降りくる冬日和

26玻璃越しに光射し込む冬日和

27バスを待つ人の会話や冬日和

28箒目を追いかけるごと降る枯葉

29ひらひらと枯葉舞い来る車椅子

30城門を出でて枯葉に時を読む

31枯葉積む廃線の跡日昇らむ

32妻去りぬ枯葉踏む音仰ぐ空

33冬日和バードウォッチ城の森

34冬日和人声絶えて空青し

35枯葉一片舞い込んで駐輪所

36下り線席が空いてる冬日和

37枯落葉踏めば乾いた音がする

38月白く乾い昼の冬日和

39陽に染まる山は灼けつく枯葉色

40犬の名を呼べば枯葉の音連れて

41鼻広げ河馬浮き上がる冬日和

42冬日和床屋の鋏軽やかに

43冬日和子猫に譲る一等地

44冬日和富士捉えたるファインダー

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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12月の兼題【行く年】&【息白し】(11月末日〆切)

 

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【冬の戦11・12・1月】

 

★12月の兼題(11末日〆切。)

 

【行く年】

年の暮もかなりつまってきてからの流れるような慌ただしさをいう。

傍題に、年逝く、年流る、年送るの晴れわたった穏やかな日和をいう。

傍題に、冬晴、冬晴るる。

 

【息白し】

空気が冷たく、気温が低くなると、吐く息が白く見える。

傍題に、白息。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   ゆく年のゆくさきのあるごとくゆく

                  鷹羽狩行

 

   白息を掌にかけて今日はじまりぬ

                石田波郷 

 

 

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令和5年11月号10月の結果(秋の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

そよ風に紅葉且つ散る点描画

夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿

葉を金箔に変えて一閃稲光

貝ひとつ二百十日の忘れ潮

可愛さに摘むをためらふ草の花

 

 

七点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

草の花笑み柔らかき野の仏      龍野ひろし

 

 

六点句

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

四点句

夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿    水野幸子

通り雨路地を叩いて厄日過ぐ     阿部文彦

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

 

三点句

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

草の花名も無き花に名を付けん    龍野ひろし

草の花微笑み合ひし道祖神      龍野ひろし

普段着で歩く楽しさ草の花      原田啓子

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

 

二点句 

身に入むや玻璃戸を叩く風の音    阿部文彦

紅葉且つ散る石畳馬籠宿       辻 雅宏

葉を金箔に変えて一閃稲光      青山好男

厄日明け薄く泥引く沈下橋      神長 誉夫

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

保母さんに吾子が差し出す草の花   小林 ひろ

石垣の隙間を埋めて草の花      阿部文彦

通り雨二百十日の庭先に       原田啓子

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

受け取りて便り身に入む追って書き  阿部文彦

碧岩に紅葉且つ散る小歩危峡     神長 誉夫

そよ風に紅葉且つ散る点描画     阿部文彦

紅葉かつ散るやほろほろ鳩の声    原田啓子

可愛さに摘むをためらふ草の花    辻 雅宏

友去りぬ長き汽笛の身に入みて    神長 誉夫

流れゆく月日の身に入む便りかな   原田啓子

サックスの身に入む音やジャズクラブ 龍野ひろし

池の面に紅葉且つ散る古都の寺    龍野ひろし

廃線を行けば迎える草の花      阿部文彦

空白し二百十日の畑仕事       青山好男

故郷をのぞむ峠や草の花       青山好男

何もなく二百十日の夕餉かな     阿部文彦

漁場遥か二百十日の波を越え     神長 誉夫

踏みしめる細き山道墓参り      青山好男

父の歳越えて悔悟の墓参り      辻 雅宏

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

一匹の猫の鼻先草の花       原田啓子

おだやかな二百十日の句会かな   辻 雅宏

フェリー航く二百十日の波しずか  辻 雅宏

トテ馬車の蹄の音や草の花     龍野ひろし

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ・・・7点

草の花笑み柔らかき野の仏・・・7

 

秋の最終戦では勝残り句が同点句となりました。7点の高得点です。何と今年は11月でもまだ夏日でなかなか選句も難しいです。

この後はもう冬なんですね。どうなるのでしょうか。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

サックスの身に入む音やジャズクラブ

 

ジャズクラブに身を置き、サックスに酔いしれる秋の夜長のひとときを切り取られています。

 

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

 

【行く年】&【息白し】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は天龍寺・永平寺の抄の句を見てみましょう。

 

物書て扇引さく余波哉・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が蕉門の金沢の北枝との別れを詠んだ句です。不用の扇に物を書いて破り捨てようとするが、さすがに名残惜しくて出来かねることだ。あなたとの別れも同じことです。という解釈の句です。この句には切れ字「哉」が使われていますね。

芭蕉は「かな」は「奥の細道」の中では八句に使われています。最後のこれでこの句は終わりですという切れに使われている場合が多い切れ字ですから、この句の使い方も効果的です。文語文法の文章では、やはり切れ字の使い方と同じように、ここで文章が終わりますという意味に使い、終助詞と言われ、詠嘆の意味を表すとされています。ですから切れ字そのものですね。

芭蕉は「余波」と書いて「なごり」と読ませています。これは、波が去った後も残っている波。その影響。などと言う言葉の意味を鑑みて、名残という字ではなく「余波」を使っています。名残惜しくて寂しいという気持ちだけではなく、不用な扇のように捨て去ることは出来ないという弟子を思う気持ちを感じます。けれども旅をつづけなければならないという芭蕉の下五の切れ字「哉」で旅立ちの決断を感じます。

 

(令和五年十一月号より 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

 

秋の戦は、かつてない同じ作者の7点句が2つ並んで終わりました。

高得点句が多く並んだたことも特色でした。11月からは冬の戦がスタートです。

兼題「冬日和」「枯葉」に多くの投句をいただきました。12月の兼題もよろしくお願いします。投句と選句をセットにして参加いただき、選評もお忘れなくお寄せください。

(令和五年十一月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会9月結果発表~

 

<大賞>

 

19 さこたゆう 道端の無花果熟し陽の匂ひ

 

2点句>

 

30 鈴木 恵美子 身に入むや湖上にふれる風の音

50 大西 文子 梨かじる口に溢るる水のおと

37 大西 文子 隣家まで伸びた朝顔すまし顔

 

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。