今月の投句(夏の戦第3ステージ)
1束ね髪解きて少女は髪洗ふ
2テンポあげトタン叩くや大夕立
3夕立の甍を叩く寺の町
4長靴のポケモン躍る夕立かな
5大夕立街の火照りを覚ましけり
6夕立の後から紫雲奔る
7雨上がり白雨の影を風が追う
8洗い髪まとめて風の頬撫でる
9髪洗い小さな木蔭に癒される
10大粒の夕立の降る今ここに
11夕立や音立て入る部屋暗し
12夕立や異人宿借る大手門
13夕立をせがむ蛙の声高し
14髪洗う水音清し夜の星
15髪洗う湯殿を包む夜の闇
16夕立の歩道に泡の立ちにけり
17夕立や吾子の自転車叩き去る
18夕立によく動きけり池の鯉
19旅人の風に梳かるる洗い髪
20講演を明日に控えて髪洗う
21風一陣風鈴さわぐ夜店かな
22ががんぼや「あなたはいいね」「ほっとする」
23桐の花咲かせてゐたる斜陽館
24ほうたるを蚊帳に放して闇分かつ
25洗い髪夜風に吹かれ回り道
26白雨去りいぶし瓦の底光り
27一列の黒豆戦士髪洗ふ
28夕立や右目の白き達磨居て
29薄明やメデューサ髪を洗ふ影
30藍甕に湧き立つあぶく白雨来る
31傘持たぬ人皆走る夕立かな
32夕立果てあらはれでたる虹の橋
33コンビニへ駆け込む子ども大夕立
34無骨なる指もて妻の髪洗ふ
35初デートあしたにひかへ髪洗ふ
36葉桜の蔭に川瀬の水光る
37バイオリンの弓締め直す昼薄暑
38夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋
39サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ
40葉桜に透ける光を仰ぎけり
41葉桜の中に奏でる瀬音かな
42葉桜の中をゆるりと車椅子
43薫風や舳先に猫の座りおり
44貝塚の層は幾重や風薫る
45軋み行くトロッコ列車や風薫る
46二階より豆腐屋止むる夕薄暑
47配達を終へし自転車夕薄暑
48葉桜や詰襟開く初年生
49葉桜の隙間を埋むる空の青
50人影も絶えて堤の花は葉に
51あてもなく風に誘われ夏木立
52せせらぎの音生き生きと木下闇
53伊勢湾へ木曽揖斐長良風薫る
54熊野古道霊気ただよふ木下闇
55子供らの謎なぞ遊び木下闇
56風に折れし牡丹三本供花とす
57サッカーの球フワと浮き風薫る
58嬰泣きし涙なぞりて夏の風
59故里を遠望の丘風薫る
60みどり児の笑窪くっきり木下闇
61暗いほど外明るくて木下闇
62けん玉で遊ぶ子たちや風薫る
63作句する語彙の貧しき薄暑かな
64葉桜を描くキャンバス青き空
65娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり
66葉桜の梢へ伸びる緑かな
67地下街を出でて地上の街薄暑
68葉桜やケルンに注ぐジン香る
69老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな
70葉桜や嬰は保育園なれた頃
71夕立ち止みストーンヘンジの巨石かな
72地の匂い甦る時夕立ちあと
73雨粒のぼつと落ち来て夕立かな
74天窓にさす光なお髪洗う
75髪洗う湯のなつかしき夕べかな
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8月の兼題【稲妻】&【墓参】(7月末日〆切)
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【秋の戦8・9・10月】
★8月の兼題(7月末日〆切。)
【稲妻】
空中で電気が放電して発する光をいう。
傍題に、稲光、稲の殿。
【墓参】
お盆に先祖の墓へ詣でることをいう。
傍題に、掃苔、墓洗ふ。
※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。
<先句に学ぶ>
いなびかり北よりすれば北を見る
橋本多佳子
きやうだいの縁うすかりし墓参かな
久保田万太郎
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令和5年7月号6月の結果(夏の戦第2ステージ)
~~<主宰上野貴子選5句>~~
子供らの謎なぞ遊び木下闇
風に折れし牡丹三本供花とす
サッカーの球フワと浮き風薫る
サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ
二階より豆腐屋止むる夕薄暑
五点句
夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋 龍野ひろし
四点句
葉桜の蔭に川瀬の水光る 上野貴子
バイオリンの弓締め直す昼薄暑 原田啓子
葉桜の中をゆるりと車椅子 阿部文彦
三点句
サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ 龍野ひろし
葉桜に透ける光を仰ぎけり 龍野ひろし
葉桜の中に奏でる瀬音かな 阿部文彦
二点句
薫風や舳先に猫の座りおり 原田啓子
貝塚の層は幾重や風薫る 龍野ひろし
軋み行くトロッコ列車や風薫る 神長誉夫
故里を遠望の丘風薫る 辻 雅宏
二階より豆腐屋止むる夕薄暑 辻 雅宏
配達を終へし自転車夕薄暑 龍野ひろし
葉桜や詰襟開く初年生 神長誉夫
葉桜の隙間を埋むる空の青 辻 雅宏
人影も絶えて堤の花は葉に 辻 雅宏
一点句
あてもなく風に誘われ夏木立 上野貴子
せせらぎの音生き生きと木下闇 阿部文彦
伊勢湾へ木曽揖斐長良風薫る 辻 雅宏
熊野古道霊気ただよふ木下闇 辻 雅宏
子供らの謎なぞ遊び木下闇 龍野ひろし
風に折れし牡丹三本供花とす 水野幸子
サッカーの球フワと浮き風薫る 原田啓子
嬰泣きし涙なぞりて夏の風 水野幸子
みどり児の笑窪くっきり木下闇 水野幸子
暗いほど外明るくて木下闇 原田啓子
けん玉で遊ぶ子たちや風薫る 阿部文彦
猫の駆るバス停ありし木下闇 原田啓子
作句する語彙の貧しき薄暑かな 阿部文彦
葉桜を描くキャンバス青き空 青山好男
娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり 水野幸子
葉桜の梢へ伸びる緑かな 原田啓子
地下街を出でて地上の街薄暑 辻 雅宏
葉桜やケルンに注ぐジン香る 神長誉夫
老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな 青山好男
葉桜や嬰は保育園なれた頃 水野幸子
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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。
~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~
夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋・・・5点
夏の戦は苦戦です。何と同点並びから5点句が勝ち残りました。夏は句材が多い季節だけあって緑の豊かさに美味しい食ネタや楽器を詠まれたりと面白い戦いです。
次回までどの句が勝ち残るかまた楽しみですね。
(夏:5月~7月)
~~~今月の選評~~~
暗いほど外明るくて木下闇
薄暗いトンネルとも感じる木下闇は、この句のとおり、通り抜けたときの明るさは安堵感をもたらします。
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★8月の兼題(7月末日〆切)
【稲妻】&【墓参】
他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。
※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。
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【今月のワンポイントレッスン】
「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は最上川を日本海へ下り酒田の湊での句を見てみましょう。
暑き日を海に入れたり最上川・・・芭蕉
「奥の細道」の中で日本海へ下り河口での句となります。悠々と流れる最上川が暑い一日を海へ流し込んでしまい河口付近は涼しくなったという意味の句です。
この句の前後には、芭蕉が得意とする切れ字「や」が多く使われていますが、この句には特に代表的な切れ字は見当たりません。文語調では「たり」がありますが、形容動詞の終止形となりここで句の切れを感じます。下五に名詞止を持って来て上手くまとめています。この後に芭蕉は象潟へ向かいます。芭蕉にとっては象潟はこの「奥の細道」の旅の中で大きな目的地のひとつでした。象潟の抄では、「松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし」という名文を残しています。太平洋と日本海のイメージの違いをまさに見事に言い表わしています。広くおおらかな太平洋と厳しく陰鬱な日本海の同じ海でありながらまったく別の顔を持つ美しさですね。天候が定まらないと今も昔も人の心はどこか陰鬱な恨み節を思わせるものなのですね。コロナ禍の不安定さと天候不順が合いまった現代に通じるものを感じます。
(令和五年七月号より 上野貴子)
「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com/
【ネット句会後記】
夏の戦第一ステージで5句ありました3点句が第二ステージで4点句へ3句が抜け出ました。果たして、どの句が制するのか興味津々です。
八月からは俳句では秋になります。お盆を迎え、家族の顔も揃う楽しい月です。
秋の第一ステージの始まりでもあります。投句と選句をセットにして参加下さい。
選評もお忘れなくお願いします。
(令和五年七月 辻 雅宏)
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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~LINE公式俳句大会5月結果発表~
<大賞>
43 南出 千賀子 里帰り懐かしの文庫青葉闇
<2点句>
4 米重 初枝 青空へ風とスキップ吹き流し
7 濱野 洋子 戸隠の風に押されて夏祓
16 さこたゆう 探検のここが入り口木下闇
27 tanaka624 お日様と隠れん坊する木下闇
31 鈴木 恵美子 木下闇道なき先の滝の音
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