今月の投句(夏の戦第2ステージ)
1子供らの謎なぞ遊び木下闇
2迷ひ込むサターン出さうな木下闇
3退院日外に出づれば風薫る
4貝塚の層は幾重や風薫る
5迷ひ猫根城さがすや木下闇
6あの角を曲がれば木下闇の謎
7ひとつ登れば晴れて風薫る
8駅までの木漏れ陽の道風薫る
9風薫る木立の中をどこ行くの
10あてもなく風に誘われ夏木立
11窓開き見下ろす街や風薫る
12けん玉で遊ぶ子たちや風薫る
13薫風に称名の寺輝けり
14せせらぎの音生き生きと木下闇
15奥まりて熊野の古道木下闇
16みどり児の笑窪くっきり木下闇
17風に折れし牡丹三本供花とす
18アンパンマンのよな笑顔風薫る
19愛鳥週間インコと共に暮れゆきぬ
20嬰泣きし涙なぞりて夏の風
21伊勢湾へ木曽揖斐長良風薫る
22故里を遠望の丘風薫る
23ピンそばに寄せるショットや風薫る
24熊野古道霊気ただよふ木下闇
25下闇を抜けて広ごる平野かな
26木下闇猛る十五が息を吐く
27パドル上げ五十路は薫風なすがまま
28香気ある手紙を埋めし木下闇
29軋み行くトロッコ列車や風薫る
30猫の駆るバス停ありし木下闇
31サッカーの球フワと浮き風薫る
32薫風や舳先に猫の座りおり
33暗いほど外明るくて木下闇
34自転車の誰か人待つ木下闇
35木下闇家族何やら話し込み
36葉桜の蔭に川瀬の水光る
37葉桜の中に奏でる瀬音かな
38夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋
39バイオリンの弓締め直す昼薄暑
40葉桜の中をゆるりと車椅子
41葉桜に透ける光を仰ぎけり
42葉桜や詰襟開く初年生
43サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ
44葉桜の隙間を埋むる空の青
45人影も絶えて堤の花は葉に
46作句する語彙の貧しき薄暑かな
47葉桜を描くキャンバス青き空
48娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり
49葉桜の梢へ伸びる緑かな
50地下街を出でて地上の街薄暑
51葉桜やケルンに注ぐジン香る
52二階より豆腐屋止むる夕薄暑
53配達を終へし自転車夕薄暑
54老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな
55葉桜や嬰は保育園なれた頃
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7月の兼題【夕立】&【髪洗う】(6月末日〆切)
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【夏の戦5・6・7月】
★7月の兼題(6月末日〆切。)
【夕立】
短時間に雷をともなった雨が激しく降り、特に夏に多く、午後に多い。
傍題に、白雨、驟雨、夕立晴、夕立雲。
【髪洗う】
汗とほこりに汚れやすい夏は毎日のように髪を洗うことが多くなる。
傍題に、洗ひ髪。
※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。
<先句に学ぶ>
先ぶれの一粒が来て大夕立
高橋悦男
髪洗ひ今日の愁ひは今日捨てん
山田弘子
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令和5年6月号5月の結果(夏の戦第1ステージ)
~~<主宰上野貴子選5句>~~
夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋
葉桜を描くキャンバス青き空
娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり
葉桜の梢へ伸びる緑かな
地下街を出でて地上の街薄暑
三点句
葉桜の蔭に川瀬の水光る 上野貴子
葉桜の中に奏でる瀬音かな 阿部文彦
夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋 龍野ひろし
バイオリンの弓締め直す昼薄暑 原田啓子
葉桜の中をゆるりと車椅子 阿部文彦
二点句
葉桜に透ける光を仰ぎけり 龍野ひろし
葉桜や詰襟開く初年生 神長誉夫
サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ 龍野ひろし
葉桜の隙間を埋むる空の青 辻 雅宏
人影も絶えて堤の花は葉に 辻 雅宏
一点句
作句する語彙の貧しき薄暑かな 阿部文彦
葉桜を描くキャンバス青き空 青山好男
娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり 水野幸子
葉桜の梢へ伸びる緑かな 原田啓子
地下街を出でて地上の街薄暑 辻 雅宏
葉桜やケルンに注ぐジン香る 神長誉夫
二階より豆腐屋止むる夕薄暑 辻 雅宏
配達を終へし自転車夕薄暑 龍野ひろし
老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな 青山好男
葉桜や嬰は保育園なれた頃 水野幸子
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ
※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。
~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~
葉桜の蔭に川瀬の水光る・・・3点
葉桜の中に奏でる瀬音かな・・・3点
夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋・・・3点
バイオリンの弓締め直す昼薄暑・・・3点
葉桜の中をゆるりと車椅子・・・3点
今回は初夏の戦とあって点がばらけました。最高点が5句も同点です。これははじめての現象です!次回が楽しみですね。
(夏:5月~7月)
~~~今月の選評~~~
葉桜の蔭に川瀬の水光る
この季節には植物の生命力が強く感じられる。川の流れや水面の光を一層眩しく感じるようになる。
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★6月の兼題(5月末日〆切)
【夕立】と【髪洗う】
他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。
※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。
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【今月のワンポイントレッスン】
「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は最上川での句を見てみましょう。
五月雨をあつめて早し最上川・・・芭蕉
「奥の細道」の中でも有名な名句です。最上川は山形を川上として日本海の酒田の海へ流れています。芭蕉は五月の長雨の頃に訪れ詠んだ句です。大小の支流からの流れを集めて満々とした濁流は数々の難所を経て勢いよく下り、その早さは夏の暑さを忘れさせてくれる程の清涼感を残してくれているという句の意味がひしひしと伝わります。この句は「集めて早し」ではなく「集めて涼し」と芭蕉は始めに詠んだのですが、後から実際に最上川下りを体験して「涼し」を「早し」と推敲して「奥の細道」に掲載したと言われています。本文からも大石田で雨の止むまで待っている間に一巻残したとあり、川を下る前の一巻での発句を川下りの後の実体験から勢いのある「早し」と推敲したという説は、有名この句の逸話として解説されています。
切れ字としては特に無いのですが、「早し」の「し」が形容詞ク活用の終止形の「し」なので、切れ字十八では切れ字となります。芭蕉の時代では切れ字ありとなる句でしょう。
現代では「や」「かな」「けり」には当てはまらないので、切れ字の有無にかかわらず動きのある名句と言えるでしょう。
(令和五年六月号より 上野貴子)
「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com/
【ネット句会後記】
夏の戦第一ステージは3点句が5句と並びました。どの句が第二ステージで抜け出るか、はてまた、2点句から追い越す句が現れるか楽しみな展開です。梅雨入りしました。
紫陽花が雨に似合います。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。
(令和五年六月 辻 雅宏)
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~LINE公式俳句大会4月結果発表~
<大賞>
1 濱野 洋子 語り部の話に夢中夕薄暑
<2点句>
15 さこた ゆう 薄暑光7000歩越し旨き水
24 山田 純 桜散る画を撮りたくて風を待つ
30 鈴木 恵美子 ほろ苦さ独活をつまみにすすむ酒
34 南出 千賀子 薄暑光温水の中影一瞬
38 大倉 宏美 あと一行読もう蛙の目借時
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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。