今月の投句(冬の戦第1ステージ)
1行違ふ舞妓は傘に落葉のせ
2ドア開く電車に落葉滑り込む
3手の平に子の乗せくるる落葉かな
4振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ
5女学院に続く坂道落葉舞ふ
6側溝の流れ堰き止む杉落葉
7幼子と落葉踏みゆく称名寺
8庭の木も身を守るかに落葉する
9四方からの落葉舞いくる集会所
10また今日も空を離れて落葉くる
11虫喰いの穴みな持ちて落葉つむ
12数え日のぴたぴた走るインコかな
13いつも来る藤棚に来て初雀
14とりどりの落葉踏みゆく豊かさよ
15柔らかきところにふるる落葉かな
16縁側の母の背まろし落葉焚
17観る人も掻く人もいて落葉時
18落葉して心細げな大樹かな
19落葉時帚一本あれば良し
20落葉して遠山に見る家一軒
21懐かない猫の餌付けや初雀
22舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る
23三日経ち落葉を纏い猫もどる
24数え日や手を擦り合わせ屋台蕎麦
25数え日や月のない夜に月見蕎麦
26落葉掃くあとからきりもなき落葉
27キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな
28ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな
29艶めきて色をまだらに柿落葉
30ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
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冬の戦の兼題(11月から1月を通して毎月詠んでください。)
【落葉】【数え日】【初雀】
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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【冬の戦11・12・1月】
★12月におすすめの兼題(11月末日〆切。)
【数え日】
今年も指で数えられるほどの残り少ない日をいう。
※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。
<先句に学ぶ>
むさしのの空真青なる落葉かな 水原秋櫻子
数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ 富安風生
お手玉のごとくに遊ぶ初雀 下村梅子
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令和6年11月号10月の結果(秋の戦最終ステージ)
~~<辻 雅宏選5句>~~
遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る
悠揚と国境の河旅鳥超ゆ
この場所を群れが知ってる渡り鳥
高原を一羽遅れて鳥渡る
草に寝て空の青さや鰯雲
点盛りの結果
五点句
こけそうでこけぬ幼子赤のまま 龍野ひろし
四点句
渡り鳥くの字がついに点となる 阿部文彦
あと一歩届かぬ白球いわし雲 瀧口 孝志
汽車降りて別の空あり鰯雲 阿部文彦
木曽川で分かつ県境うろこ雲 辻 雅宏
賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る 辻 雅宏
三点句
下町に匂ふコロッケ鰯雲 龍野ひろし
読みかけの頁のしるし鰯雲 上野貴子
山いくつ越えて来たるや渡り鳥 辻 雅宏
二点句
海に浮く朱の回廊や鳥渡る 龍野ひろし
照紅葉つなぐ手細き老夫婦 青山好男
鰯雲涼風もさてつかの間か 船津 元
廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま 神長 誉夫
すれ違う市電の軋み鰯雲 龍野ひろし
投網打つ漁師の影よ鰯雲 龍野ひろし
鰯雲語ることなく終戦忌 船津 元
阿武隈の嶺の彼方に鰯雲 阿部文彦
用足して鯖雲掬ふ手水鉢 辻 雅宏
鰯雲釣り人並ぶ防波堤 辻 雅宏
一点句
指先で空に追ひたる渡り鳥 龍野ひろし
銛の如ジェット貫く鰯雲 神長 誉夫
紅葉を映し堀水動かざる 青山好男
遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る 原田啓子
悠揚と国境の河旅鳥超ゆ 神長 誉夫
排他的水域なんの鳥渡る 辻 雅宏
この場所を群れが知ってる渡り鳥 上野貴子
高原を一羽遅れて鳥渡る 阿部文彦
草に寝て空の青さや鰯雲 阿部文彦
断食や明けて眩しき赤のまま 船津 元
幼き日の涙の透けて赤まんま 山本佐和子
赤まんま三つ編み解きし君遠く 神長誉夫
碧天の日本海越え鳥渡る 辻 雅宏
球場の開閉屋根や獺祭忌 水野幸子
泣きべその子の鼻先へ赤まんま 原田啓子
園児らの駆けゆく先の鰯雲 阿部文彦
鳥渡る同窓会の知らせあり 原田啓子
高層のビル群覆ふ鰯雲 辻 雅宏
鰯雲忙しく走る訪問看護 船津 元
夕陽色巨大な鰯雲のろく 上野貴子
ジャンパーに一秒の空鳥渡る 神長 誉夫
故郷の山を真下に鳥渡る 水野幸子
「待って、待って」とボール追う子や赤のまま 水野幸子
屋敷跡更地にひらく赤まんま 阿部文彦
このままが一番幸せ赤のまま 原田啓子
行く先は風にまかせて赤のまま 龍野ひろし
嫁ぎしと風の便りや赤まんま 神長 誉夫
畦道を郵便バイク赤のまま 龍野ひろし
鰯雲空に漂う点描画 阿部文彦
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ
※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。
~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~
こけそうでこけぬ幼子赤のまま・・・五点
この句が逃げ切りました。丘の上の草原が目に浮かびます。
親子で遊んでいるのでしょう。子供は危なっかしくよく転びますね。
思わず笑ってしまうような微笑ましい句です。
(秋:8月~10月)
~~~今月の選評~~~
汽車降りて別の空あり鰯雲
「汽車」という言葉に、都会から遠く離れた静かな田舎を
思い浮かべます。降りたとたん「別の空あり」という
嬉しい発見があり、そこに鰯雲!というイメージが
鮮明で旅愁がそそられる句。
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★12月の兼題(11月末日〆切)
【落葉】【数え日】【初雀】
※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。
★オンライン句会
毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
https://onlinehaiku.jimdofree.com/
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【今月のワンポイントレッスン】
「俳句の歴史」今回は、正岡子規のあとに高浜虚子と対立するように河東碧梧桐が革新的な俳句で名を成してゆきます。
赤い椿白い椿と落ちにけり・・・碧梧桐
この句は碧梧桐の代表句ですが、春を呼んでいますが季重なりで字余りです。6,7、5で上五が一文字字余りです。そこが、この句を引き立てていて効果的だと言えます。
愛媛県松山市に松山藩士の五男として生まれた碧梧桐。父は正岡子規の漢学の師。高浜虚子とは中学時に同級であり、後に子規の門下生となるまで、行動をともにした仲の良い友人であったと言います。
子規没後、虚子は「ホトトギス」の経営を、碧梧桐は新聞「日本」の俳句欄を担当。やがて新傾向運動を展開し、季題趣味と定型を打ち破った自由なリズムによる俳句を推進してゆきます。そして、自由で新しい作風を追い求め自由律俳句を生み出してゆきます。現在でもその流れは、前衛的な作風や現代俳句の中に、根強く息ずいています。
(会報令和六年10月号より 上野貴子)
「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com/
【ネット句会後記】
秋の戦は、五点句が脱け出し決着がつきました。四点句も五句揃い、接戦でした。
冬の戦が始まっています。三つの兼題のどれを詠んで頂いてもかまいません。
新規の参加者も大歓迎です。投句をたくさんお待ちしています。
でよかった句には感想も記載してくださるようお願いします。
(令和六年十一月 辻 雅宏)
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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~LINE公式俳句大会10月結果発表~
<大賞>
37 田辺公子 どんぐりを拾う子らの目キラキラと
<2点句>
12 荒木かをり 星月夜誕生月の海の宿
25 奥平雅子 釣り人の長靴干して秋の浜
26 奥平雅子 透き通るグラスに注ぐ新ワイン
28 大西文子 吾子と焼く今日のお三時アップルパイ
30 大西文子 親に手を振り出遅れる運動会
36 田辺公子 友と行く甘味処の栗づくし
この他の結果はLINEよりご覧ください。
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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果の一部と連動してまいります。
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