2023年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦最終ステージ)

 

1信仰無し何は無くとも初詣

2初詣昼日に五円にぎりしめ

3珈琲の戸の外に風花ゆたり

4風花来おもひでひとつ消すやうに

5風花よ乙女青年恋を抜け

6風花や街角低く鴉二羽

7三枚目賀状の文字は大きめに

8風花や百円木馬で風に乗る

9二拍めに揃ふ柏手初詣

10初詣令和五年を握りしめ

11風花のたちまち消ゆる手のひらに

12小吉の御籤ほどよき初詣

13巾着に仕舞ふ吉札初詣

14風花や奥の院への二百段

15真つさらの鈴緒振りたる初詣

16花見小路風花まとい歩くひと

17仰ぐ空風花一つ二つかな

18風花や文投函す遠き友

19風花や道一列の紅き頬

20初詣冷たき水も有難し

21初詣高台よりの海蒼し

22里帰り孫ひまご抱き初詣

23一夜にて縫いし晴れ着を嬰に着す

24高台の神仏に手を初詣

25海見ゆる土俵に子らの初相撲

26野天湯や湯気と風花すれ違う

27猫の髭風花捕え反り返る

28枝高く我が初籤は風に泣く

29風花の煌めきの中郷を捨て

30風花や帰って来いよと郷の声

31外人の肩一つ出て初詣

32巫女たちの札所の灯り初詣 

33風花や母の手書きの文一つ

34庭師去りあとに風花二三片

35地にとどくまで風花の調べかな

36初詣晴れ着姿のまばらなる

37初詣神籤見せ合ふ若夫婦

38朝市の並ぶ川沿ひ風花す

39風花を追ふ子掴む子口開く子

40おくるみの嬰(やや)に風花ふうわりと

41群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     

42初時雨能登行商の頬を打つ        

43着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     

44義士の日や映画の後のしるこかな     

45着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   

46そして皆大人になりぬ一葉忌       

47着膨れて歯のない嬰の破顔かな      

48義士の日や雪に昏れゆく南部坂      

49着ぶくれて見る月食の終るまで     

50義士の日や雨も冷たき泉岳寺       

51陸前は父母のふる里一葉忌        

52読書せる窓辺の外は初時雨        

53てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   

54階段の軋む茶房や初時雨         

55改札に人影の増え初時雨         

56初時雨駅の置き傘借りにけり       

57初時雨産寧坂を濡るるほど        

58お遍路の杖音急ぐ初時雨         

59初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        

60家族皆一つ傘にて初時雨         

61着ぶくれて犬と星空見上げをり     

62義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 

63パン屑の溜まる胸元着ぶくれて    

64義士の日や膝の痛みのいや増して    

65初時雨産寧坂を濡るるほど       

66着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  

67季語帳を繕うテープ小六月       

68「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   

69義士の日を令和の人が行きすぎる    

70義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     

71着ぶくれて南の島の果実剥く      

72着ぶくれて旅行バックを引く婦人    

73義士会や名優達の時を愛で       

74女性史の初めの一歩一葉忌        

75短くも長くも一生一葉忌         

76初時雨天地返しの田が笑い        

77濁水に作り花散る一葉忌         

78読みかけのたけくらべ手に一葉忌     

79野良猫の小走りになる初時雨       

80花街の町家格子や初時雨         

81初時雨灯りのつかぬ老舗宿       

82対岸の陽射し伸びるや初時雨       

83嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      

84着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      

85初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        

86五千円一人飲む酒一葉忌         

87路地裏の声甲高かき一葉忌        

88日本語の美しきかな一葉忌        

89灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       

90初時雨先客の居る木暮かな        

 

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会発表はこちらから

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2月の兼題【春めく】&【春の風邪】(1月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【春の戦2・3・4月】

 

★2月の兼題(1月末日〆切。)

 

【春めく】

寒さがゆるみ、万象春らしく感じることをいう。

 

【春の風邪】

春めいているのに油断からか、思わぬ風邪をひくことがある。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

  卓飾る花のいろいろ春めきぬ

                稲畑汀子

 

  しんがりは妻が勤めぬ春の風邪 

                 石塚友二

 

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令和5年1月号12月の結果(冬の戦第二ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル

義士の日や膝の痛みのいや増して

季語帳を繕うテープ小六月

初時雨能登行商の頬を打つ

そして皆大人になりぬ一葉忌

 

四点句

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     神長誉夫

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

 

三点句

着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     龍野ひろし

義士の日や映画の後のしるこかな     青山好男

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   辻 雅宏

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

 

二点句

着膨れて歯のない嬰の破顔かな      水野幸子

義士の日や雪に昏れゆく南部坂      辻 雅宏

着ぶくれて見る月食の終るまで      龍野ひろし

義士の日や雨も冷たき泉岳寺       青山好男

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 

一点句

着ぶくれて犬と星空見上げをり     龍野ひろし

義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 田中伸明

パン屑の溜まる胸元着ぶくれて     原田啓子

義士の日や膝の痛みのいや増して    水野幸子

初時雨産寧坂を濡るるほど       辻 雅宏

着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  辻 雅宏

季語帳を繕うテープ小六月       水野幸子

「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   神長誉夫

着ぶくれてタイムサービス早足に    田中伸明

色コーデする暇もなく着膨れて     原田啓子

義士の日を令和の人が行きすぎる    上野貴子

義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     神長誉夫

着ぶくれて南の島の果実剥く      神長誉夫

着ぶくれて旅行バックを引く婦人    上野貴子

義士会や名優達の時を愛で       神長誉夫

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日・・・四点句

初時雨能登行商の頬を打つ・・・四点句

 

能登の句に討ち入りの句が追い付いて来ました。次回の最終ステージでは果たしてどうなるでしょうか。まだコロナ禍ですが今年こそは終焉収束を祈ります。今年も宜しくお願い致します。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日

 

四十七士が忍び足で袴などをはためかせ討ち入る様子が烏の描写と重なり、見事な比喩だと思いました。志士たちの押し殺した息遣いも聞こえてきそうです。

 

 

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★2月の兼題(1月末日〆切)

 

【春めく】と【春の風邪】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉の詠んだ新年の句を見てみましょう。

 

春立つや新年ふるき米五升・・・芭蕉

 

「新年」で探したところ芭蕉38才の頃のこの句しかありませんでした。江戸時代は立春がお正月だったことが良く解ります。そこで、「餅」の句を探してみました。

「餅雪をしら糸となす柳哉」

「餅を夢に折結ふしだの草枕」

「餅花やかざしにさせる娌(よめ)が君」

「誰が聟(むこ)ぞ歯朶に餅おふうしの年」「煩(わずら)へば餅をも喰はず桃の花」

「鶯や餅に糞する縁のさき」

などの句があり、「餅」は冬の季語ですが、現代では春の季語とされている言葉との季重りが目立ち、まさに立春が一年の始まりだった時代の相違を感じます。この他に「初日の出」の句も芭蕉には見当たりません。

 

むめがゝにのつと日の出る山路かな・・芭蕉

 

この句があるのですが、日の出とあり「むめがゝ」が春の季語です。初日の出の習慣は、日本古来のものと言われますが、明治以降盛んになったとされていて芭蕉の句でも「初日の出」とは呼んでいません。面白いですね。

 

(令和五年一月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

明けましておめでとうございます。

本年もネット句会のお引き立てをよろしくお願い申し上げます。

冬の戦第2ステージは4点句が2つ並びました。最終ステージの選句が楽しみです。そして、投句は春の第1ステージ向けての募集になります。多くのご参加をお待ちしています。この句会では投句と選句はセットですから、セットで参加をお願いします。

(令和五年一月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会11月結果発表~

 

<大賞>

 

10 さこたゆう 着ぶくれて素のままの自分を探す  

             

2点句>

 

2  出口 科野    ゆるやかな時が流れて秋の空

18 奥平雅子     時雨るるや泣いてどうにかなるものか

23 tanaka623     旅心期待と不安で着ぶくれる

38 鈴木 恵美子  渡月橋空の青さと燃える秋

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

2022年12月ネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

 

1着ぶくれて見る月食の終るまで

2着ぶくれて犬と星空見上げをり

3絶やさぬ窯火陶工は着ぶくれて

4着ぶくれし夜釣りの背中並びけり

5着ぶくれて時間のかかる脱衣場

6着ぶくれて旅行バックを引く婦人

7着ぶくれて電車乗る人降りる人

8着ぶくれを吐き出すバスのターミナル

9着ぶくれてお腹から乗るマタニティー

10義士の日や雪に昏れゆく南部坂

11四十七の香煙空に義士の会

12着ぶくれてタイムサービス早足に

13義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君

14着ぶくれも十年前は着やせ組

15義士の日に誕生祝い赤穂パン

16手足まで着ぶくれ浸かり汗光る

17パン屑の溜まる胸元着ぶくれて

18着ぶくれてチェックインする日本人

19色コーデする暇もなく着膨れて 

20義士の日や四十七士が動いた日

21義士の日に義士の日のことグーグルす

22落葉風なまぬるくコロナ禍の町

23義士の日を令和の人が行きすぎる

24着ぶくれて家路を急ぐ一番星

25着ぶくれて待つ顔険し交差点

26義士の日や映画の後のしるこかな

27義士の日や雨も冷たき泉岳寺

28棒振りてスタアになりし義士の日よ

29風の音石の声冬銀閣寺

30着膨れて歯のない嬰の破顔かな

31義士の日や膝の痛みのいや増して

32嬰を呼ぶ父親の声冬ぬくし

33季語帳を繕うテープ小六月

34小春日や父の顔なり離乳食

35義士会や名優達の時を愛で

36着ぶくれて南の島の果実剥く

37群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日

38「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯

39義士の日や夜を駆けゆく風数ふ

40初時雨能登行商の頬を打つ

41お遍路の杖音急ぐ初時雨         

42初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        

43そして皆大人になりぬ一葉忌       

44家族皆一つ傘にて初時雨         

45女性史の初めの一歩一葉忌        

46短くも長くも一生一葉忌         

47陸前は父母のふる里一葉忌        

48初時雨天地返しの田が笑い        

49読書せる窓辺の外は初時雨        

50濁水に作り花散る一葉忌         

51読みかけのたけくらべ手に一葉忌     

52てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   

53野良猫の小走りになる初時雨       

54初時雨産寧坂を濡るるほど        

55花街の町家格子や初時雨         

56階段の軋む茶房や初時雨         

57初時雨灯りのつかぬ老舗宿        

58改札に人影の増え初時雨         

59対岸の陽射し伸びるや初時雨       

60嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      

61着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      

62初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        

63五千円一人飲む酒一葉忌         

64路地裏の声甲高かき一葉忌        

65日本語の美しきかな一葉忌        

66灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       

67初時雨駅の置き傘借りにけり       

68初時雨先客の居る木暮かな        

 

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1月の兼題【初詣】&【風花】(12月末日〆切)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【冬の戦11・12・1月】

 ★1月の兼題(12月末日〆切。)

 【初詣】

新年になって氏神様やその年の恵方に当たっているほうが句の神社仏閣に参拝すること。傍題に初社、初神籤。

 【風花】

晴天なのに風に乗ってちらちら舞ってくる雪片。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   新句帳一句を得たり初詣

              野村喜舟

   風花の地に着くまでを遊びけり

                         村松路生

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 12月号11の結果(冬の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

読書せる窓辺の外は初時雨

時雨煉瓦校舎に灯が一つ

濁水に作り花散る一葉忌

読みかけのたけくらべ手に一葉忌

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ

 

<点盛りの結果>(冬の戦第1ステージ)

三点句

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

二点句

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 一点句

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

  

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

初時雨能登行商の頬を打つ・・・三点

時雨の情緒が能登の昔からの風習を上手く俳句にまとめられていて古風であり土地柄が上手く表現されていて見事ですね。今年もいよいよ冬の戦です。

(冬:11月~1月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 日本語の美しきかな一葉忌

樋口一葉の書を手にした作者は、あらためて一葉の著述に日本語の美しさを認識したというもの。私も俳句を詠んでいて心動かされる日本語に出会えることしばしである。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 ★1月の兼題(12月末日〆切)

 

【初詣】と【風花】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉全句に視点を当てみました。

 

芭蕉の有名な名句に「行春を近江の人とおしみけり」という句があります。この句には過去の詠嘆を表す切れ字と言われる「けり」が下五の最後に使われています。ところが、この句には他にも同じような句があり、同じ場所で詠まれたであろうとされています。定本岩波文庫の芭蕉俳句集ではこの句には三句同じような句があり推敲されているように思われます。三句挙げてみましょう。

 

行春を近江の人とおしみける・猿蓑

行春を近江の人とおしみけり・蝶すがた

行春や近江の人とおしみける・真蹟懐紙

 

このように「けり」の有る句と無い句、そして「や」の有る句があります。これは並べて見ると芭蕉が切れ字の有る無しをかなり悩んで詠んだ句なのではないかと思われます。ところが詠まれた年が違うようなのです。過去の詠嘆を表す切れ字「けり」が使われた年が元禄四年とあるので、これは後から推敲されたのかも知れません。けれども有名な文献資料としては「猿蓑」となりますから、定本では「ける」となり、元禄三年に収録されています。そこで、この名句には切れ字が有るのか無いのか、どちらを取るのかという疑問が残ります。そして、切れ字「や」の句、この句は「や」で意味が切れますから、春を惜しむという上五と、近江の人と惜しんでいたことは必ずしも一致しない場合もあると解釈出来ます。どうも三句並べるとそうでは無いようですから、この句は「ける」で元禄三年に収録されているようです。以降は1117日勉強会資料をご覧ください。https://onl.sc/ecACLnU

 

(令和四年十二月 上野貴子)

 

 

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【ネット句会後記】

 

冬の戦の第一ステージは一点句が多く言わば混戦模様でした。混戦から抜け出す句は果たしてどの句でしょうか。選評が少なく編集上困っています。選句されましたら選評にご協力願います。今年も終わりが近づいてきました。この句会に参加下さいました皆様に厚く御礼申し上げます。来年もお引き立てのほどお願い申し上げます。

よいお年をお迎えください。

(令和四年十二月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会10月結果発表~

 

<大賞>

 

12 tanaka623 一葉忌をんなはつよくなりぬるや

 

2点句>

 

18 さこたゆう 「十三夜」短き生涯一葉忌

27 橋詰 博 郷愁の荷解く部屋にリンゴの香

36 大倉 宏美 時雨打つ葉音で見入るカレンダー

 

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2022年11月ネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

 

1沈黙に拾ふ言葉や初時雨

2初時雨能登行商の頬を打つ

3花街の町家格子や初時雨

4階段の軋む茶房や初時雨

5初時雨灯りのつかぬ老舗宿

6そして皆大人になりぬ一葉忌

7ワクチンに少し熱帯び初時雨

8読書せる窓辺の外は初時雨

9しぐるるや芭蕉は旅をしてゐたり

10俳人の信仰帰依や初時雨

11女性史の初めの一歩一葉忌

12朝売りのコンビニ駆け込む初時雨

13改札に人影の増え初時雨

14初時雨夕べの土の匂い呼ぶ

15短くも長くも一生一葉忌

16初時雨お堀端行く相合傘

17灯が一つ暮れなずむ街一葉忌

18五千円一人飲む酒一葉忌

19初時雨子犬があそぶ泥の中

20亡き人を尋ぬ山道初時雨

21初時雨駅の置き傘借りにけり

22野良猫の小走りになる初時雨

23対岸の陽射し伸びるや初時雨

24陸前は父母のふる里一葉忌

25小雨降るシャッター街や一葉忌

26嬰のハイハイ横へ横へと初時雨

27路地裏の声甲高かき一葉忌

28冬暖か娘はマネキュアを塗りくるる

29小春日や吾とインコはダイエット

30初雪や歓びあふるる分娩室

31初時雨煉瓦校舎に灯が一つ

32訃を告げし受話器の向こう初時雨

33濁水に作り花散る一葉忌

34初時雨天地返しの田が笑い

35吉凶のくじに等しく初時雨

36お遍路の杖音急ぐ初時雨

37初時雨先客の居る木暮かな 

38家族皆一つ傘にて初時雨

39日本語の美しきかな一葉忌

40読みかけのたけくらべ手に一葉忌

41初時雨産寧坂を濡るるほど

42暮れかかる三茶界隈初しぐれ

43てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ

44千円札残しておかむ一葉忌

45着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌

  

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 12月の兼題【着ぶくれ】&【義士の日】(11月末日〆切)

【着ぶくれ】

寒いので何枚も重ねて着たため身体がふくれてみえること。

【義士の日】

十二月十四日 赤穂浪士が討ち入りした快挙をたたえ偲ぶ会がこの日に催されてきた。傍題に義士会 義士討ち入りの日。
義士祭は春の季語として別の季題になります。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ> 

  着膨れて海豹(アザラシ)の貎してゐたる 

                  長谷川 櫂

   義士の日やスーパーに買ふ赤穂塩

                          添野光子

 

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 11月号10月の結果(秋の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 捨案山子日本手拭ひ首に巻き

雁の声を残して暮れなずむ

穂の波を案山子の影がまた越えて

秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅

菊日和千代田区千代田一番地

 

 <点盛りの結果>(秋の戦最終ステージ)

 

 六点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

五点句 

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        原田啓子

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

 

四点句

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

 

三点句

村人の数より多き案山子かな         井上悦男

かたぶいてへのへの揺れる案山子かな     原田啓子

穂の波を案山子の影がまた越えて       神長誉夫

手を返す指うつくしき風の盆         辻 雅宏

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

山小屋を発つ朝露に靴濡らし         龍野博史

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

秋晴や駆けだしさうにならぶ靴        井上悦男

おまえもかお役御免に捨案山子        辻 雅宏

秋晴や犬のリードを長くして         龍野ひろし

モンローの案山子雀を引寄せて        龍野ひろし

風の盆霊にしたがひ列をなす         山本佐和子

朝露や山の空気の透きとほる         龍野博史

弓震ふ夜の深さや風の盆           神長誉夫

山峡のひとりの宿り窓の露          青山好男

俳聖の歩きし道や露置ける          青山好男

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        井上悦男

露けしや敷かれしままの廃線路        辻 雅宏

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

秋日和歴女声高し大手門           青山好男

秋晴や軽鴨親子無事川へ           水野幸子

捨て案山子焼けば血色の焔立ち        神長誉夫

坂道や捨つる案山子の重さかな        青山好男

捨案山子日本手拭ひ首に巻き         井上悦男

雁の声を残して暮れなずむ          水野幸子

捨かかし草でぬぐへる鎌二本         井上悦男

秋晴やドロップ缶のからからと        龍野ひろし

秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅           辻 雅宏

菊日和千代田区千代田一番地         辻 雅宏

休耕地案山子が納屋で欠伸せり        阿部文彦

向かい合い声を掛け合う案山子かな      原田啓子

秋晴れや戦う白衣高く干し          神長誉夫

鼻の穴広ぐる河馬や秋の晴          龍野ひろし

秋晴やバスに園児の弾む声          阿部文彦

露の世に生まれ消えゆくこの身かな      辻 雅宏

窓開ける入社試験の朝の露          青山好男

踏み台の石は動かず草の露          上野貴子

月一の院内散歩草の露            山本佐和子

かなたより来たり寄り添う露の玉       青山好男

昨日より深き瀬音や風の盆          井上悦男

リング抜く指しなやかに風の盆        神長誉夫

風の盆左右で違ふイヤリング         井上悦男

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅・・・六点

 

とうとう勝ち抜かれてしまいましたね。3度目の秋は

すこしずつ以前の活気が戻り始めていることの現れですね。

次回はもう冬の戦の始まりです。

(冬:11月~1月)

  

~~~今月の選評~~~

 

村人の数より多き案山子かな

 

過疎の村が増えているが、そんな様子を表した句である。

単に村人の数が減っていると言うより案山子を持ち出すことで

大幅な減少をよく語っている。

 

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

 

【着ぶくれ】と【義士の日】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉の詠んだ月の俳句を見てみましょう。

 

月清し遊行のもてる砂の上・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が敦賀で十五夜の前日に詠んだ句です。代表的な切れ字は無い句です。清しは形容詞のク活用の終止形です。形用詞の場合は切れ字18と言われる場合には切れ字とされますが、代表的な3つの切れ字では無いですね。もう1句「奥の細道」の中の句を見てみましょう。

 

 名月や北国日和定なき・・・芭蕉

 

この句は切れ字「や」が効果的な句です。始めの例句の翌日の句で、折角の十五夜様が雨で見れず北国の天候の定まらないことを詠んでいます。芭蕉は「や」を好んで使いますので、ここでも「や」で名月を強く印象的に詠んでいますね。面白いことに、この句の前書きや解説などで調べると、「名月や」と詠んでいるにも関わらず、この日には月が見られなかったのです。見れない月を、「雨月」や「無月」と詠まずに定めなきと下五に書いて、北の空の不安定さを詠んでいるのですね。このような読み方は芭蕉の他には、なかなかできません。まったく見事な表現方法です。

(令和四年十月 上野貴子)

  

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

https://nbsacademy.jimdofree.com/

  

【ネット句会後記】

 

秋の戦が終了しました。初秋から晩秋まで多くの投句をありがとうございました。

そして、冬の戦の第二ステージです。十二月ならではの兼題を用意させて戴きました。多くの方からの投句をお待ちしています。

(令和四年十一月 辻 雅宏)

  

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LINE公式俳句大会9月結果発表~

 

<大賞>

 5  さこたゆう じいちゃんのお下がり着てる案山子あり

 

2点句>

 1  さこたゆう    秋晴にチェロの音色が溶けていく

11 橋詰 博     秋晴の気分転換ひとり旅

16 南出千賀子  一張羅案山子おめかし、刈る日まで

  

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2022年10月ネット句会

今月の投句(秋の戦最終ステージ)

 

1二人旅えっちら案山子の迷い道

2秋晴れや懐かしきものランドセル

3秋晴れや寂しさを未だ知らぬ児や

4秋晴れを行く道だれか呼ばれおり

5秋晴れや此の人生はマラソンだ

6捨かかし草でぬぐへる鎌二本

7捨案山子日本手拭ひ首に巻き

8村人の数より多き案山子かな

9秋晴や駆けだしさうにならぶ靴

10秋晴れて何処へも行かぬ靴を干す

11秋晴やドロップ缶のからからと

12鼻の穴広ぐる河馬や秋の晴

13秋晴や大きく見ゆる今朝の富士

14秋晴や犬のリードを長くして

15モンローの案山子雀を引寄せて

16朝の町小さく見えて秋晴れる

17天高くどこまでも続くハイウエー

18一葉忌見上げる空の月は欠け

19秋晴の午後に雀の群れの飛ぶ

20秋日和歴女声高し大手門

21秋晴れやカンバスの先天守閣

22山の田の案山子のの眼に映る秋

23坂道や捨つる案山子の重さかな

24棚田飛ぶドローン見上げて案山子立つ

25秋晴やバスに園児の弾む声

26秋日和帽子忘れて帰りけり

27秋晴の四方の空にも雲置かず

28直立で猟師姿の案山子かな

29休耕地案山子が納屋で欠伸せり

30秋晴や軽鴨親子無事川へ

31深山の一日木の実の落ちる音

32紫苑ゆる風の吹くまま竜飛崎

33雁の声を残して暮れなずむ

34種になるをしってか揺るる黄コスモス

35鷺穿つ湖面に溢るる秋日和

捨て案山子焼けば血色の焔立ち

36秋晴れや生きてりゃ濁りも傷もある

37穂の波を案山子の影がまた越えて

38秋晴れや戦う白衣高く干し

39秋晴やスマホのレンズに納まらず

40「太陽の塔」もひときわ秋晴れて

41秋晴や再出発はこんな日に

42かたぶいてへのへの揺れる案山子かな

43向かい合い声を掛け合う案山子かな

44秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅

45菊日和千代田区千代田一番地

46村興す案山子集ふやコンクール

47父祖の畑護る案山子の夫婦かな

48おまえもかお役御免に捨案山子

49どの人の手にも朝顔入谷駅          

50一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        

51朝顔や町家二階の物干場           

52秋高し嬰の手足のよく動く          

53山小屋を発つ朝露に靴濡らし         

54蜩や遊び疲れし子の帰る           

55ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     

56朝露や山の空気の透きとほる         

57弓震ふ夜の深さや風の盆           

58山峡のひとりの宿り窓の露          

59俳聖の歩きし道や露置ける          

60手を返す指うつくしき風の盆         

61牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        

62露けしや敷かれしままの廃線路        

63漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      

64朝顔や生まれる前の夢の色          

65越境も楽し隣の牽牛花            

66蜩やハッカの香る湯を借りて         

67蜩や手拭い解く豆剣士            

68朝顔や藍一滴を拡げたり           

69蜩や早き夕餉の山の宿            

70蜩の音の届きたる夢の中           

71露の世に生まれ消えゆくこの身かな      

72窓開ける入社試験の朝の露          

73踏み台の石は動かず草の露          

74月一の院内散歩草の露            

75かなたより来たり寄り添う露の玉       

76昨日より深き瀬音や風の盆          

77リング抜く指しなやかに風の盆        

78風の盆左右で違ふイヤリング         

79風の盆霊にしたがひ列をなす         

80蜩やそろり海へと変わる風          

81蜩や千年なきてなきたらず          

82朝顔や儚きいのち惜しむかに         

83夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        

84朝顔にレトロ喫茶のある小道         

85蜩の声もつめ込むスマホかな         

86朝顔に見送りされて無人駅          

87紺したがへ白朝顔の凛と咲き         

88朝風が起きろ起きろと牽牛花         

89朝顔の紺の著けきたたみ皺          

90蜩や姥捨て山の話聞き            

91蜩やバス来るまでのBGM          

92朝顔の見送り受けて郵便車          

93じゃんけんで負け朝顔の水当番        

 

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11月の兼題【初時雨】&【一葉忌】(10月31日〆切)

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 【冬の戦11・12・1月】

★11月の兼題(10月31日〆切。)

 【初時雨】

その年の冬、初めて降る時雨のこと。いよいよ冬が来た感じが漂う。

 【一葉忌】

樋口一葉の忌日。明治十九年、十一月二十三日没。二十五歳であった。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

  

  旅先のビニール傘や初時雨

               堀之内和子

 

  縫ひ上げて歯で切る糸や一葉忌

                          岩城のり子

  

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 10月号9月の結果(秋の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 手を返す指うつくしき風の盆

山小屋を発つ朝露に靴濡らし

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

朝顔や生まれる前の夢の色

 

<点盛りの結果>(秋の戦第2ステージ)

 

六点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

四点句

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        原田啓子

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

 

三点句

山小屋を発つ朝露に靴濡らし         龍野博史

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

朝露や山の空気の透きとほる         龍野博史

弓震ふ夜の深さや風の盆           神長誉夫

山峡のひとりの宿り窓の露          青山好男

俳聖の歩きし道や露置ける          青山好男

手を返す指うつくしき風の盆         辻 雅宏

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        井上悦男

露けしや敷かれしままの廃線路        辻 雅宏

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

露の世に生まれ消えゆくこの身かな      辻 雅宏

窓開ける入社試験の朝の露          青山好男

踏み台の石は動かず草の露          上野貴子

月一の院内散歩草の露            山本佐和子

かなたより来たり寄り添う露の玉       青山好男

昨日より深き瀬音や風の盆          井上悦男

リング抜く指しなやかに風の盆        神長誉夫

風の盆左右で違ふイヤリング         井上悦男

風の盆霊にしたがひ列をなす         山本佐和子

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

 

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 <大賞>

 29 南出 千賀子 おわら祭燃え尽きるほど風踊る

 

2点句>

 6   濱野 洋子 露葎ひよつこり現れ北きつね

11 さこたゆう 初露を硯に受けて身を正す

16 出口 科野  公園の水面眩しい夏の午後

25 鈴木 恵美子 老若男女踊る踊りの風の盆

30 南出 千賀子 連打する下駄もわらじも風の盆

33 橋詰 博   秋立てば隣家のショパンピアニッシモ

 

 

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表

https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

             どの人の手にも朝顔入谷駅・・・六点

 朝顔市の風景の句が勝ち抜きました。今年はコロナ禍3度目の秋ですが、少しでもコロナ禍が和らぎ世の中が活気付いてほしいという願いを感じます。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆 

風の盆の町流しの様子を一歩ずつと動画になって読み手の心に沁みます。

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 ★11月の兼題(10月末日〆切)

 

【初時雨】と【一葉忌】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

 

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ秋の名句を見てみましょう。

 

石山の石より白し秋の風・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が那()()寺の石を詠んだ句ですが、この石山とは、紫式部が源氏物語を執筆されたと伝えられる近江の石山寺のことです。その石山寺の石の白さよりもこの那谷寺の石の白さは秋の風を一層清澄な気分にさせるものだと詠んでいます。切れ字は使われて無い句ですね。

 

山中や菊はたおらぬ湯の匂・・・芭蕉

 

この句は山中の温泉での句。「菊」が秋の季語となります。湯の匂いが不老長寿の効能がある菊の花の匂いのようで、有名な菊慈童のように菊を手折る必要はないほどだと詠んでいます。

切れ字「や」を上五に使い、山中の湯の素晴らしさを強調しています。感嘆の切れ字「や」は上五に置かれることの多い柔らかでありながらリズムのよいインパクトを表現しています。菊を詠んでいますから重陽の節供にまつわる言い伝えである菊慈童の菊の酒の伝説を踏まえての俳句ですね。菊慈童とは中国の穆王(ぼくおう)時代に王の枕を蹴った罪で流人とされるが菊の露を飲み700年も童の姿で生きながらえたと伝わる話です。江戸時代の芭蕉には温泉はそれくらいに疲れを癒してくれるものだったのですね。

(令和四年十月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

  

【ネット句会後記】

 

秋の戦も第二ステージが終了し、最終ステージの選句となります。投句されたみなさんには是非、特選句のコメントをお願いします。そして、投句は冬の第一ステージです。

兼題は初時雨と一葉忌を用意させて戴きました。多くの方からの投句をお待ちしています。

(令和四年十月 辻 雅宏)

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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2022年9月ネット句会

今月の投句(秋の戦第2ステージ)

 

1風まつり縦横無尽の空尽きる

2三年を三日三晩で風の盆

3傘外す乙女の袖を風の盆

4露の世に朝は来るのかウクライナ

5踏み台の石は動かず草の露

6胡弓弾く手もひらひらと風の盆

7子ら帰りがらんと庭の露けしや

8一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆

9夕露の降りて哀しき犬の声

10笠も手も向き同じうに風の盆

11東京の彼とおちあふ風の盆

12手を返す指うつくしき風の盆

13恋ひとつ失ひ終はる風の盆

14露けしや敷かれしままの廃線路

15露の世に生まれ消えゆくこの身かな

16露纏う蜘蛛の巣朝陽絡めとり

17リング抜く指しなやかに風の盆

18再見と車窓の露に太く書き

19弓震ふ夜の深さや風の盆

20花の露集め君描く絵の具溶く

21朝練の道の木立に露光る

22山峡のひとりの宿り窓の露

23窓開ける入社試験の朝の露

24俳聖の歩きし道や露置ける

25かなたより来たり寄り添う露の玉

26山小屋を発つ朝露に靴濡らし

27指妖し女踊りや風の盆

28編笠に顔を隠して風の盆

29もの悲し胡弓の調べ風の盆

30朝露や山の空気の透きとほる

31昨日より深き瀬音や風の盆

32風の盆左右で違ふイヤリング

33風の盆佳境の闇に胡弓の音

34牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝

35宵越しのぞめきに酔へる風の盆

36月一の院内散歩草の露

37風の盆吾も昭和の生き証人

38病院の内庭夜露ふつくりと

39庭に日の出朝露となる露ひとつ

40風の盆霊にしたがひ列をなす

41どの人の手にも朝顔入谷駅          

42蜩や遊び疲れし子の帰る   

43朝顔や町家二階の物干場          

44ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     

45蜩やハッカの香る湯を借りて      

46秋高し嬰の手足のよく動く          

47蜩や手拭い解く豆剣士        

48朝顔や藍一滴を拡げたり    

49蜩や早き夕餉の山の宿      

50蜩の音の届きたる夢の中       

51蜩やそろり海へと変わる風     

52蜩や千年なきてなきたらず

53朝顔や儚きいのち惜しむかに

54夕去ればひぐらし鳴けり宮の森

55朝顔にレトロ喫茶のある小道

56漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

57朝顔や生まれる前の夢の色

58蜩の声もつめ込むスマホかな

59朝顔に見送りされて無人駅

60紺したがへ白朝顔の凛と咲き

61朝風が起きろ起きろと牽牛花

62朝顔の紺の著けきたたみ皺

63蜩や姥捨て山の話聞き

64蜩やバス来るまでのBGM

65朝顔の見送り受けて郵便車

66越境も楽し隣の牽牛花

67じゃんけんで負け朝顔の水当番

 

 

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10月の兼題【秋晴】&【案山子】(9月30日〆切)

 

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【秋の戦8・9・10月】

 

★10月の兼題(9月30日〆切。)

 

【秋晴】

遠山まで見晴らすことができるほど、秋空の澄んで晴れ渡ることをいう。

傍題に秋日和。

 

【案山子】

竹藁などで人形をつくり、田畑の畔等に立てて鳥獣を脅すもの

傍題に捨案山子。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

  

  畳屋の肘が働く秋日和

             草間時彦

   案山子にも大志あるらん角帽子

                       三遊亭金遊

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9月号8月の結果(秋の戦)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森

朝顔にレトロ喫茶のある小道

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

秋高し嬰の手足のよく動く

 

 

<点盛りの結果>(秋の戦第1ステージ)

 

四点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

三点句

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

  

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LINE公式俳句大会7月結果発表~

 

<大賞>

 

6  さこたゆう  宿題はあさがおの観察と絵日記

 

2点句>

 

10 さこたゆう  ひぐらしと母が呼んでる「ごはんだよ」

33 橋詰 博   一斉に笑ふ向日葵村起こし

39 大倉 宏美  虫食いの青葉に思う命あり

54 鈴木 恵美子 朝顔や上へ上へと巻きたがる

 

 

LINE公式俳句大会発表HPはこちらから

https://sites.google.com/view/haikutaikai-ueno3/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

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 ~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅・・・四点

 

朝顔市の風景ですね。朝早く買いに出かけたことを思い出します。

法被姿の女性もいて賑やかでした。まだまだ残暑が続きますが

早くも秋の戦の始まりです。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

秋高し嬰の手足のよく動く

 

秋の空という広々した空間から目を転じ、幼子の手足へと

視線の動きがある一句です。対比によって嬰児の持つ

可能性の大きさまで感じられます。

 

 

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★10月の兼題(9月末日〆切)

 

【秋晴】と【案山子】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ8月の頃の名句を見てみましょう。

 

荒海や佐渡によこたふ天河・・・芭蕉

 

この句は天河の句で秋の句です。八月は旧暦では秋となり、現代の暦でも八月になるとすぐに立秋が過ぎやはり暦の上では秋となります。初秋の空には星が美しいとされていて天の川もよく見えます。この句は新潟から佐渡を眺めて詠んだものですね。「や」が使われています。日本海の海の厳しさを強調されているのです。海と空の対比が広大な宇宙観を感じさせて自然の美しさが際立ちます。

 

秋涼し手毎にむけや瓜茄子・・・芭蕉

 

この句は「秋涼し」から始まりますから勿論秋の句ですね。「涼し」だけでは夏の季語ですが「秋」を付けて「瓜」や「茄子」の野菜を詠んでいます。季語としては季感のズレが生じてあまり整ってはいない句です。夏の句の様にも感じますが、そこを「秋」として、初秋を詠んでいるのです。夏野菜が熟して剝きやすいのかも知れませんね。

この句は資料では金沢での句ですので、茄子の品種が水ナスで、瑞々しいので剥きやすいのかも知れません。

「や」が中七にあり、切れ字の使い方では難しいと言われています。「や」は上五中七下五のどこにでも使える便利な切れ字です。芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようで、ここでは珍しく中七に使っています。どこか無理に整えた感がありますが金沢での宴の作と読みとれますね。

(令和四年九月 上野貴子)

  

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

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【ネット句会後記】

 秋の戦第一ステージが終了しましたが。そして、九月は秋の第二ステージの選句と第3ステージの投句です。兼題は秋晴と案山子を用意させて戴きました。親しみやすく詠みやすいと思いますので多数のご参加をお待ちしています。
投句されましたら是非、選句もお願いします。

(令和四年九月 辻 雅宏)

 

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2022年度8・19俳句記念日大会各賞発表!

【2022年度8・19俳句記念日大会各賞発表!】

8月19日の俳句記念日イベント会場にて2022年度の8・19俳句記念日大賞が決定いたしました。

<各賞発表>

特別審査員水越浩幸大賞

 エントリーNo 802 お名前 阿部文彦  様

         俳句「一つ散りひとつ膨らむ夏椿」

特別審査員阿多星花大賞

エントリーNo 274 お名前 内牧京子  様

俳句「啓蟄やもういいかいと鳩時計」

特別審査員飯村明良大賞

エントリーNo 1  お名前 岡田友美佳  様

        俳句「五七五指を折りつつ生ビール」

特別審査員折田安紀大賞

エントリーNo 307 お名前 井上悦男  様

         俳句「紅つばき模したるみやび京和菓子」

特別審査員今野龍二大賞

エントリーNo 438  お名前 石田 香  様

         俳句「どんな子が好きと聞かれて春キャベツ」

俳句記念日大会大賞

エントリーNo 402  お名前 見目千絵  様

        俳句「青蛙逆さまのこと言う大人」

~いよいよ今回の最高峰の賞にまいります。~

8・19俳句記念日大賞

エントリーNo 1075  お名前 宮 沢子  様

         俳句「梅一輪こんな日だったプロポーズ」

<おしゃべりHAIKUの会新人賞>

今回初めての参加でありながら何句もべスト10入りされ新たな息吹を吹き込んで下さいました。

エントリーNo  566  「乱れ舞う寿命短し姫蛍」      お名前 鈴木恵美子

       855 「夏の夜ジャズのビートにはしご酒」

<俳句記念日功労賞>

エントリーNo 464「旧友と酌み交わす夜の明け早し」 お名前 南出千賀子

以上が2022年度の俳句記念日各賞受賞作品&作者の発表でした。これからも俳句記念日をきっかけに俳句に楽しく親しんで下さい。来年度のご応募もすでに開始されています。どしどしご応募下さい。

 

2022年8月ネット句会

今月の投句(秋の戦第1ステージ) 

1朝顔に日本の花か問うてみる

2蜩の音の届きたる夢の中

3朝顔や生まれる前の夢の色

4蜩や我の故郷はここにあり

5日の蔭り蜩止みてしんとなる

6どの人の手にも朝顔入谷駅

7紺したがへ白朝顔の凛と咲き

8夕去ればひぐらし鳴けり宮の森 

9蜩やバス来るまでのBGM

10ひぐらしやその日暮らしがまた終はり

11蜩や早き夕餉の山の宿

12蜩や遊び疲れし子の帰る

13蜩や共鳴したる森の神

14朝顔や町家二階の物干場

15朝顔や団十郎の中野もありて

16朝顔にレトロ喫茶のある小道

17朝顔がしぼむ惜しげもなく午後に

18じゃんけんで負け朝顔の水当番

19かなかなを聴きに行きたし海越えて

20蜩にふっと目をやる暦かな

21朝顔を覗いてる風の囁き

22朝空が藍より青く花朝顔

23朝風が起きろ起きろと牽牛花

24かなかなの追えば夕陽は山の雲

25蜩に見守られてる夕支度

26蜩やハッカの香る湯を借りて

27漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

28朝顔の濡れた産毛や夜は溶け

29蜩や手拭い解く豆剣士

30蜩やそろり海へと変わる風

31朝顔や藍一滴を拡げたり

32朝顔の見送り受けて郵便車

33起きて見る朝顔の蔓おびただし

34蜩や千年なきてなきたらず

35朝顔の紺の著けきたたみ皺

36ひとしきりカナカナのカでとぎれけり

37秋光や蝶は草刈る手をよけて

38秋高し嬰の手足のよく動く

39夕風に宍道湖の鰡とびにけり

40朝顔や儚きいのち惜しむかに

41朝顔に見送りされて無人駅

42夜明けなる古書をめくれば法師蝉

43蜩や鎮守の杜に鳴き暮るる

44蜩の声もつめ込むスマホかな

45蜩や姥捨て山の話聞き    

46朝顔や鎖骨にひとつある黒子  

47越境も楽し隣の牽牛花

48かなかなや指笛巧みに吹く少女

49かなかなや第三埠頭に巨き船

  

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9月の兼題【風の盆】&【】(8月31日〆切

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【秋の戦8・9・10月】

 

★9月の兼題(8月31日〆切。)

 

【風の盆】

富山県八尾町で九月一日から三日まで行われる盆の行事。

 

【露】

空気中の水蒸気が夜の間に冷えて水となり、草や木についたりする。夜間の冷え込みの強い秋に多い。

傍題に、白露、露の玉、朝露、夜露、露けし、露の世。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

 

  踊りの手ひらひら進み風の盆

              福田蓼汀

   金剛の露ひとつぶや石の上

                 川端茅舎

  

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 8月号7月の結果(夏の戦最終ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

ビール腹気にする夫と金魚かな

落つるたび生まれ新たな滝となる

寝顔秘す大小四つの夏帽子

民宿は蚊帳の匂ひ波の音

能登に泊つランプの宿の明易し

 

<点盛りの結果>(夏の戦最終ステージ)

 

五点句

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

女王も悪魔もありて薔薇の園         井上悦男

寝顔秘す大小四つの夏帽子          神長誉夫

 

四点句

掬はれて金魚三匹電車乗る          辻 雅宏

追ひついて二つとなりし夏帽子        井上悦男

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

 

三点句

蘭鋳の泳ぐ最上階の夜            井上悦男

神官の袴あをあを滝開き           辻 雅宏

一礼の鳥居の先は夏祭            能天気

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

夏帽の改札抜ける海の駅           辻 雅宏

夏帽子つばの先向く水平線          山本佐和子

 

二点句

どの名でも呼ぶと泡出す金魚かな       原田啓子

白扇のわづかに開き走り滝          水野幸子

遠足の子らの小さき背に瀑布         原田啓子

落つるたび生まれ新たな滝となる      山本佐和子

鎮座する猿に箕面の滝しぶき         原田啓子

草を抜く手にひらきけり夏の蝶        水野幸子

発車ベルホーム彩る夏帽子          阿部文彦

観光のパスが吐き出す夏帽子         阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

能登に泊つランプの宿の明易し        辻 雅宏

捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         上野貴子

夏帽子いつか写真のあの町へ         上野貴子

 

一点句

舞う様に咲く様に歌う様に金魚        上野貴子

片陰にままごと遊びワンデイケー       能天気

荒滝に抗う岩のまろさかな          神長 誉夫

滝壺の青さ無音の大宇宙           上野貴子

ビール腹気にする夫と金魚かな        小川 泉

民宿は蚊帳の匂ひ波の音           能天気

大滝のてつぺんの空ゆがむかな        小川 泉

野湯浴みや何故に励むか滝の音        神長 誉夫

三日だけ誰か金魚を預かって         井上悦男

長椅子に飛沫楽しむ滝見茶屋         辻 雅宏

水換へに応へて金魚ひと泳ぎ         辻 雅宏

ガラス器の中が金魚の小宇宙         阿部文彦

寝つかれぬ旅の枕や明易し          辻 雅宏

短夜じゃ濡れた唇乾かない          神長 誉夫

街の色連れ帰りたりパナマ帽         青山好男

明けやすし住職の打つ寺の鐘         水野幸子

立ち止まる人話す人夏帽子          原田啓子

母の忌は母の好みし新茶汲む         伊藤はな

お握りの形いびつに豆の飯          伊藤はな

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        井上悦男

竿さしてパナマ帽行く運河かな        原田啓子

若返る色を纏ひし更衣            伊藤はな

夏帽に飛行機雲の白さかな          原田啓子

短夜や机上に積みしままの古書        阿部文彦

短夜や沖ゆく船の灯の遅速          井上悦男

短夜や北へ北へと貨車がゆく         阿部文彦

突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          阿部文彦

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

 

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~LINE公式俳句大会7月結果発表~

 

<大賞>

6  さこたゆう  宿題はあさがおの観察と絵日記

 

2点句>

10 さこたゆう  ひぐらしと母が呼んでる「ごはんだよ」

33 橋詰 博   一斉に笑ふ向日葵村起こし

39 大倉 宏美  虫食いの青葉に思う命あり

54 鈴木 恵美子 朝顔や上へ上へと巻きたがる

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・五点

女王も悪魔もありて薔薇の園・・・五点

 夏の戦は薔薇の句が逃げ切りました。女王も悪魔もアニメのような薔薇園に手書きの名札の句が勝ち残りました。長い猛暑が続きますが早くも暦の上では秋の戦ですね。

(夏:5月~7月) 

 

~~~今月の選評~~~ 

掬はれて金魚三匹電車乗る

 祭りの夜店で掬った金魚でしょうね、ビニールの袋を持って

うれしそうなお子様の姿も見えてとても楽しく

ほほえましい家族の姿もみえます。

 

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★9月の兼題(8月末日〆切)

 風の盆】と【

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  

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 【今月のワンポイントレッスン】

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ8月の頃の名句を見てみましょう。

 

荒海や佐渡によこたふ天河・・・芭蕉

 

この句は天河の句で秋の句です。八月は旧暦では秋となり、現代の暦でも八月になるとすぐに立秋が過ぎやはり暦の上では秋となります。初秋の空には星が美しいとされていて天の川もよく見えます。この句は新潟から佐渡を眺めて詠んだものですね。「や」が使われています。日本海の海の厳しさを強調されているのです。海と空の対比が広大な宇宙観を感じさせて自然の美しさが際立ちます。

 

秋涼し手毎にむけや瓜茄子・・・芭蕉

 

この句は「秋涼し」から始まりますから勿論秋の句ですね。「涼し」だけでは夏の季語ですが「秋」を付けて「瓜」や「茄子」の野菜を詠んでいます。季語としては季感のズレが生じてあまり整ってはいない句です。夏の句の様にも感じますが、そこを「秋」として、初秋を詠んでいるのです。夏野菜が熟して剝きやすいのかも知れませんね。

この句は資料では金沢での句ですので、茄子の品種が水ナスで、瑞々しいので剥きやすいのかも知れません。

「や」が中七にあり、切れ字の使い方では難しいと言われています。「や」は上五中七下五のどこにでも使える便利な切れ字です。芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようで、ここでは珍しく中七に使っています。どこか無理に整えた感がありますが金沢での宴の作と読みとれますね。

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

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【ネット句会後記】

 夏の戦は薔薇の二句が五点句で並び終わりました。秋の戦が始まっています。第2ステージの兼題は、風の盆と露とさせていただきました。哀調漂う風の盆とどこか儚さを感じる露を詠んでください。残暑が続きそうです。夏バテしないで秋を迎えましょう。

(令和四年八月 辻 雅宏)

 

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2022年7月ネット句会

今月の投句(夏の戦最終ステージ)

1嫁となり仰ぐオシンコシン滝

2大滝のてつぺんの空ゆがむかな

3五合目のひらけ滝の音きよら

4ビール腹気にする夫と金魚かな

5満腹がわかつておらぬ金魚たち

6滝ひとつ過去の孤独を覚えたり

7こころざし特に無けれど滝仰ぐ

8作り滝ここで一回休みとす

9落つるたび生まれ新たな滝となる

10滝浴びる脇に来たりていま一人

11掬ひ来し三年目なる金魚かな

12枯滝やぽろぽろ零れ行く記憶  

13断崖を吹き上ぐ風や滝枯るる 

14蘭鋳の泳ぐ最上階の夜

15三日だけ誰か金魚を預かって

16ひらひらと金魚の尾鰭鉢の花

17舞う様に咲く様に歌う様に金魚

18滝落ちて言葉をなくし空仰ぐ

19せせらぎの森の精霊滝の音

20滝壺の青さ無音の大宇宙

21泳いでも泳いでも金魚水の檻

22金魚の眼水に溶けゆき鉢の中

23店先の空金魚鉢五円玉

24武家屋敷「金魚」声高に過ぎにけり

25滝壺に飲まる小舟やナイヤガラ

26白水となりて落ちくる瀑布かな

27滝壺へ難題捨てて帰りけり

28ガラス器の中が金魚の小宇宙

29母と子が金魚掬いに袖ぬらし

30遠泳に望み捨てぬや土佐金魚

31白扇のわづかに開き走り滝

32三匹の尾鰭ふれあふ金魚かな

33みどり児の初座りして夕立やむ

34薔薇を切ってオレンジの香に満たされぬ

35野湯浴みや何故に励むか滝の音

36欠伸して強がるポイの金魚かな

37地の底に降り来る滝よ我に入れ

38眼を見張る鉢の金魚や大謀議

39荒滝に抗う岩のまろさかな

40鎮座する猿に箕面の滝しぶき

41遠足の子らの小さき背に瀑布

42浮かぶ藻に遊んでくれろと金魚かな

43どの名でも呼ぶと泡出す金魚かな

44子らと見る遠山の滝那智の滝

45長椅子に飛沫楽しむ滝見茶屋

46神官の袴あをあを滝開き

47見つめれば眼剥き見返す出目金魚

48水換へに応へて金魚ひと泳ぎ

49掬はれて金魚三匹電車乗る

50民宿は蚊帳の匂ひ波の音

51エアキャビン五分の旅路夕焼空

52片陰にままごと遊びワンデイケー

53谷川の涼を連れ添い流れけり

54一礼の鳥居の先は夏祭

55長き名の薔薇に手書きの名札つけ       

56女王も悪魔もありて薔薇の園         

57寝顔秘す大小四つの夏帽子          

58追ひついて二つとなりし夏帽子        

59もの言える国こそ良けれ薔薇の花       

60薔薇散れりひとひらごとの影もまた      

61母の日や「写真の人」となりし母       

62更衣へて一段飛ばしの歩道橋         

63草を抜く手にひらきけり夏の蝶        

64夏帽の改札抜ける海の駅           

65夏帽子つばの先向く水平線          

66発車ベルホーム彩る夏帽子          

67観光のパスが吐き出す夏帽子         

68いつかまた蔓薔薇の家友の家         

69母の日の大輪の花束空におく         

70薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      

71家中の窓開け放し衣更            

72咲く家の主は知らず薔薇の道         

73マネキンの肌もあらはに更衣         

74寝つかれぬ旅の枕や明易し          

75短夜じゃ濡れた唇乾かない          

76街の色連れ帰りたりパナマ帽         

77明けやすし住職の打つ寺の鐘         

78能登に泊つランプの宿の明易し        

79立ち止まる人話す人夏帽子          

80母の忌は母の好みし新茶汲む         

81お握りの形いびつに豆の飯          

82短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        

83竿さしてパナマ帽行く運河かな        

84若返る色を纏ひし更衣            

85夏帽に飛行機雲の白さかな          

86短夜や机上に積みしままの古書        

87捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         

88短夜や沖ゆく船の灯の遅速          

89夏帽子いつか写真のあの町へ         

90短夜や北へ北へと貨車がゆく         

91突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          

92オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     

93薔薇散るや一寸法師の舟となり        

94衣更子のたのもしきふくらはぎ        

95薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        

96薔薇の門くぐり主役の仕草せり        

97ポケットの財布移して衣更          

98更衣あれこれ訊かれ三面鏡          

99薔薇の香や入園券を買う列に         

100白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       

  

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8月の兼題【朝顔】&【】(7月31日〆切

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 【秋の戦8・9・10月】

 ★8月の兼題(7月31日〆切。)

 【朝顔】

朝顔は、夏の花と思いきや秋の訪れを告げる花。夜明けに開いて昼にはしぼみます。昔の人はこの花に秋の訪れを感じてきたようです。奈良時代に薬として遣唐使により日本にもたらされたそうです。

傍題に牽牛花。

 【蜩】

夕方や暁方に鳴く蝉。カナカナと哀調ある声が特徴です。

傍題に日暮し、かなかな、寒蝉。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   朝顔へ寝起の貌を近づける

                皆川盤水

   ひぐらしのこゑのつまづく午後三時

                    飯田蛇笏

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  7月号6月の結果(夏の戦第2ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

夏帽の改札抜ける海の駅

母の忌は母の好みし新茶汲む

お握りの形いびつに豆の飯

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く

夏帽子つばの先向く水平線

  

<点盛りの結果>(夏の戦第2ステージ)

五点句

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

四点句

女王も悪魔もありて薔薇の園         井上悦男

三点句

寝顔秘す大小四つの夏帽子          神長誉夫

追ひついて二つとなりし夏帽子        井上悦男

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

二点句

草を抜く手にひらきけり夏の蝶        水野幸子

夏帽の改札抜ける海の駅           辻 雅宏

夏帽子つばの先向く水平線          山本佐和子

発車ベルホーム彩る夏帽子          阿部文彦

観光のパスが吐き出す夏帽子         阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

一点句

寝つかれぬ旅の枕や明易し          辻 雅宏

短夜じゃ濡れた唇乾かない          神長 誉夫

街の色連れ帰りたりパナマ帽         青山好男

明けやすし住職の打つ寺の鐘         水野幸子

能登に泊つランプの宿の明易し        辻 雅宏

立ち止まる人話す人夏帽子          原田啓子

母の忌は母の好みし新茶汲む         伊藤はな

お握りの形いびつに豆の飯          伊藤はな

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        井上悦男

竿さしてパナマ帽行く運河かな        原田啓子

若返る色を纏ひし更衣            伊藤はな

夏帽に飛行機雲の白さかな          原田啓子

短夜や机上に積みしままの古書        阿部文彦

捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         上野貴子

短夜や沖ゆく船の灯の遅速          井上悦男

夏帽子いつか写真のあの町へ         上野貴子

短夜や北へ北へと貨車がゆく         阿部文彦

突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          阿部文彦

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

  

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 <大賞>

 11 山田 純 我もまた小さき鉢の紅金魚

 <2点句>

 1  南出 千賀子 森を抜け水しぶきキラ滝の音

7  橋詰 博   滝しぶき小猿打たれて大はしゃぎ

13 山田 純   滝に出てマイナスイオン全身に

14 山田 純   永劫に尽きる事なく滝の水

16 訓子     音階を繰るごと動く金魚玉

18 道林 正樹  あじさいが待ってましたと雨に笑う

34 大倉 宏美  山の滝しぶきの向こうはパステル画


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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・五点

 夏の戦では薔薇の句ですが女王の悪魔もアニメのような薔薇園の句を手書きの名札の句が勝ち抜きました。温かみのある文字が浮かぶ優しい句です。この後はものすごい猛暑が続きますが夏の最終戦はどうなるのか楽しみです。

(夏:5月~7月)

 

~~~今月の選評~~~

 夏帽の改札抜ける海の駅

駅の改札口を抜けた先に広がる青い海を思い起こさせる。「夏帽」という言葉が効果的で、涼しげな風を感じさせてくれる。

  

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★8月の兼題(7月末日〆切)

 朝顔】と【

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ夏の名句を見てみましょう。

 

夏草や兵どもが夢の跡・・・芭蕉

 

この句は平泉の抄の句です。藤原三代の栄華の儚さを詠んでいます。芭蕉の好きな切れ字「や」がしみじみとした感慨を生み出し歴史の重さを感じますね。勿論、名句ですから、この「や」は効果的です。「夢の跡」という栄枯盛衰の刹那を上手くまとめています。

同じ平泉の抄に

 

五月雨の降のこしてや光堂・・・芭蕉

 

この句が収録されており、夏の長雨の頃の厳しい旅が伺えます。長い月日は千年の時を越えて芭蕉に語り掛けているようです。この句にもやはり「や」が使われています。現代まで保存され残されている光堂ですが、芭蕉の時代では、雨風をしのいで残されていることが心を打つ何よりの刹那だったと読み取れます。

こうして名句を鑑賞していると、歴史の移り変わりが嘘のように、現代の私たちの心に響いてくる句ばかりです。切れ字のあるなしを芭蕉本人のことさら強く言い伝えてはいないようですが、奥の細道を見ても、芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようです。野点の席で烏帽子姿の平安の貴族たちが短冊に和歌を詠んでいる光景が切れ字「や」から浮かんできます。きっと芭蕉も同じように和歌や連歌から俳句を独立した文芸として高めることを常に理想として考えていたからなのかも知れませんね。

 

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【ネット句会後記】

 

夏の戦第二ステージが終了しましたが、薔薇を詠んだ二句が高位置をキープしています。最終ステージの展開が楽しみです。そして、投句は秋の第一ステージです。

投句されましたら是非、選句もお願いします。今年は梅雨明けが早く、猛暑が続いています。また、台風もこれからです。しっかり対策をしたいものです。

(令和四年七月 辻 雅宏)

 

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2022年6月ネット句会

今月の投句(夏の戦第2ステージ)

1寝つかれぬ旅の枕や明易し

2没頭の徹夜麻雀明早し

3能登に泊つランプの宿の明易し

4夏帽の改札抜ける海の駅

5九十の伯母輝くや夏帽子

6短夜のヒールの音や石畳 

7天窓の短夜蒼き空のまま

8竿さしてパナマ帽行く運河かな 

9夏帽に飛行機雲の白さかな 

10立ち止まる人話す人夏帽子 

11短夜にスネアが跳ねて弦が追ふ

12しなやかに人混み抜けて夏帽子

13短夜を舐るネオンの熱き舌

14寝顔秘す大小四つの夏帽子

15短夜じゃ濡れた唇乾かない

16青空に曽孫の花柄夏帽子

17明けやすし住職の打つ寺の鐘

18美しきフランス料理蝸牛

19草を抜く手にひらきけり夏の蝶

20発車ベルホーム彩る夏帽子

21突堤に釣り糸垂らす麦藁帽

22観光のパスが吐き出す夏帽子

23短夜や北へ北へと貨車がゆく

24短夜や机上に積みしままの古書

25畦道に葬列白きパナマ帽

26街の色連れ帰りたりパナマ帽

27古机亡父のにおう麦藁帽

28遠き日や紐ちぎれたる麦藁帽

29短夜や浪にただよう孤舟かな

30夏帽子いつか写真のあの町へ

31捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽

32夏帽子やっとお外で子等の声

33短夜のラジオの歌の懐かしく

34短夜のジグソーパズル終わらずに

35母の忌は母の好みし新茶汲む

36お握りの形いびつに豆の飯

37鳴く猫の声をかき消す夏嵐

38武蔵野は薔薇満つ百花風の路

39若返る色を纏ひし更衣

40追ひついて二つとなりし夏帽子

41短夜や老爺ひとりで目刺し焼く

42夏帽子ブルースは熟年の曲

43日の当たる坂に紫紺の夏帽子

44短夜や沖ゆく船の灯の遅速

45短夜のドライヤー急くこともなく

46短夜の深きに沈むレトロチカ

47夏帽子つばの先向く水平線

48親切に過ぎる叔母の屋薔薇の角

49住処より遠き公園薔薇に雨

50女王も悪魔もありて薔薇の園         

51長き名の薔薇に手書きの名札つけ       

52もの言える国こそ良けれ薔薇の花       

53母の日や「写真の人」となりし母       

54母の日の大輪の花束空におく         

55薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      

56更衣へて一段飛ばしの歩道橋         

57家中の窓開け放し衣更            

58咲く家の主は知らず薔薇の道         

59マネキンの肌もあらはに更衣         

60薔薇散れりひとひらごとの影もまた      

61オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     

62薔薇散るや一寸法師の舟となり        

63衣更子のたのもしきふくらはぎ        

64薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        

65薔薇の門くぐり主役の仕草せり        

66いつかまた蔓薔薇の家友の家         

67ポケットの財布移して衣更          

68更衣あれこれ訊かれ三面鏡          

69薔薇の香や入園券を買う列に         

70白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       

  

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月の兼題【滝】【金魚】(6月30日〆切)

 

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【夏の戦5・6・7月】

 

★7月の兼題(6月30日〆切。)

 【滝】

雄大な滝も小さな滝も、眺めてそれぞれに清涼感があるものです。
傍題に、瀑布、滝壺、夫婦滝、滝見茶屋など。

 【金魚】

養殖されて鑑賞用で、紅、白、黒など色、形とも種類が多い。
傍題に、和金、琉金、出目金など。金魚売、金魚鉢は別の兼題になります。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   滝落ちて群青世界とどろけり
              水原秋櫻子 

  金魚浮き時を吸ひては泡を吐く
              西東三鬼

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 6月号5月の結果(夏の戦第1ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 女王も悪魔もありて薔薇の園

もの言える国こそ良けれ薔薇の花

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり

長き名の薔薇に手書きの名札つけ

薔薇散るや一寸法師の舟となり

  

<点盛りの結果>

 

四点句

女王も悪魔もありて薔薇の園        井上悦男

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

 

三点句

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

 

二点句

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

 

一点句

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けておりますが、季節ごとの勝ち抜き戦のため季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~LINE公式俳句大会5月結果発表~

 

大賞 南出 千賀子 旧友と酌み交わす(くみかわす)夜の明け早し

 

2点句

  橋詰 博    村工場訪ねて香る一番茶

  鈴木 恵美子  雨ふふむ命の芽生え葉桜に

                    豆ご飯小指で試す塩加減  

 

1点句

   さこたゆう   太陽をはねのけ白い夏帽子

                  ページ繰る夏の夜(よ)短し時計鳴る

                  幼子の麦わら帽子赤リボン

    濱野 洋子         灯台の風に手を添へ夏帽子

   南出 千賀子     衿足しにUV帽子のつば翳り

    橋詰 博            破天荒竿から逃げた鯉のぼり

    大倉 宏美     夏帽子水玉模様にてんと虫

                      夏帽子虫取りの子の網模様

    じゅんこ     やわき髪ふわりミルクと汗香る  

 鈴木 恵美子    人知れず古刹静まり若葉風

   Keiko     明易し句集のあたりへ手を伸ばし

 

 

★LINE公式俳句大会発表HPはこちらから

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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

女王も悪魔もありて薔薇の園・・・四点

長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・四点

 

今月から夏の戦が始まります。まずは薔薇の句が2句同点ですね。これからどんな句が迫って来るか楽しみです。

(夏:5月~7月) 

 

~~~今月の選評~~~ 

母の日や「写真の人」となりし母 

写真の人となった母は昨年のことであろう。そう思えばこの句は

しみじみと響いてきます。 

 

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★7月の兼題(6月末日〆切)

 【滝】【金魚】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が呼んだ初夏の名句を見てみましょう。 

あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉 

日光での名句ですね。「青葉若葉」と季語を重ねてひとつの季語として、緑が光輝き美しいことを詠み、新しくなった東照宮を讃頌しています。この句には切れ字は見当たりません。斬新な季語がこの句を印象的にしています。 

木啄も庵はやぶらず夏木立・・・芭蕉 

この夏の句にも切れ字がありません。「夏木立」の仏頂和尚の隠居後を訪て詠んだ句ですが、雨風をしのいだ庵の後が夏木立の中にひっそりとある姿は人の世の刹那を感じさせます。切れ字はこの句にもありません。「や」を好んで使う芭蕉の句の中では、意外に切れ字が無い句が多いのですが、夏の句には、ことさら強調するよりも、季語の印象が強い句が多いようです。

芭蕉の時代から、切れ字の良し悪しはあまり強く解かれていません。

切れ字をよしとするのであれば、どの言葉を用いても切れ字であり、俳句の語調が心地よく整えば、その句の意味が伝わり易いとされています。

やはり、17文字の短い中に、江戸時代の芭蕉の想いが凝縮されているからこそ、現代でも読んで感動し共感するのですね。こうしてみても、現代の私達は現代の言葉の句を詠みたいものです。

(令和四年六月 上野 貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より
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【ネット句会後記】

 夏の戦第一ステージの兼題「薔薇」にいい句が集まったように思いました。6月に入って、ようやく夏らしくなってきました。街ゆく人にも半袖が目立ちます。7月の兼題は滝と金魚を用意いたしました。どちらも清涼感がある兼題です。

たくさんのご応募をお待ちしています。特選の一句には選評も添えて下さるようお願いします。

(令和四年六月 辻 雅宏)

 

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2022年5月ネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

1女王も悪魔もありて薔薇の園

2薔薇の香や入園券を買う列に

3器にもこだわりありし衣更

4衣更子のたのもしきふくらはぎ

5もの言える国こそ良けれ薔薇の花

6物憂げな薔薇に振り出す雨の粒

7衣更真っ新な心地で町へ

8いつかまた蔓薔薇の家友の家

9咲く家の主は知らず薔薇の道

10西洋のガーデン真似て薔薇一鉢

11衣更ふ妻の手細きそっと見る

12薔薇かほる若きランナー深き息

13白薔薇や佳きひと眠るカセドラル

14薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな

15母の日や「写真の人」となりし母

16庭師には嘘はつかない薔薇の花

17薔薇の門くぐり主役の仕草せり

18ポケットの財布移して衣更

19船の旅終えて独りの衣更

20家中の窓開け放し衣更

21母の日の大輪の花束空におく

22ベビー服薄手にしたる衣更

23あめんぼにスケーターワルツながれけり

24オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり

25ジカリヨンの鐘に零るる薔薇の露

26薔薇散れりひとひらごとの影もまた

27薔薇の傷触れし唇濡れた赤

28氷刃をあてがふ薔薇の凛として

29薔薇の雨去りゆく影の透きとほる

30ジャガイモの花の中より斜里そびゆ

31旧友に会えたような日更衣 

32更衣へて一段飛ばしの歩道橋

33長き名の薔薇に手書きの名札つけ

34薔薇散るや一寸法師の舟となり

35薔薇の香に途切れ途切れの読書かな

36更衣あれこれ訊かれ三面鏡

37更衣白一団の今朝の駅

38マネキンの肌もあらはに更衣

39薔薇よ薔薇王家の名前つけられて

40薔薇の門くぐり祝ふや婚の客

41蘇る母の味付け木の芽和え

42狭き空ビルの谷間も余花残花

43狂ほしき風の形の雪柳

44ふがいなき傷を負ひたる恋の猫

45燕来る高速道の高架下

  

 

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 月の兼題【短夜】【夏帽子】(5月31日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【夏の戦5・6・7月】

 ★6月の兼題(5月31日〆切。)

【短夜】

その短さ、はかなさを惜しむ気持ちを重ねて夏の夜を呼んだのが短夜という季語です。
傍題に、明易し。

【夏帽子】

夏にかぶる帽子の総称。
傍題に、麦藁帽、パナマ帽、カンカン帽など。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

    短夜のあけゆく水の匂ひかな 

              久保田万太郎

      銀座には銀座のセンス夏帽子

                  松本青風

 

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5月号4月の結果(春の戦第3ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

遅き日のたてぶえ響く通学路

在庫なし遅日の書店めぐる旅

花冷えを描く老爺のベレー帽

ひもすがら上野公園花の冷え

雛飾る母娘三代昼下がり

 

<点盛りの結果>

 

九点句

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像   龍野ひろし

  

六点句

赤子はやはじめの一歩水温む   井上悦男

 

五点句

枕木を数えてわたる雪解風    原田啓子

 

四点句

戸口より笑ひこぼるる雛の家   青山好男

 

三点句

花冷ゆるコーンポタージュの舌ざわり   小南彩乃

椿落つ上り電車の始発駅     井上悦男

雪解けて吾子の靴下現るる    阿部文彦

轟々と光広ぐる雪解川      龍野ひろし

連覇への襷を晒す雪解川     神永誉夫

余寒なほ体育館の保護者会    辻 雅宏

 

二点句

花冷えを描く老爺のベレー帽   青山好男

鎌倉へ母を連れだす遅日かな   阿部文彦

遅き日のたてぶえ響く通学路   山本佐和子

花冷えや夜へと急ぐ貨車の群れ  神永誉夫

盆栽の鋏の音や遅日なる     阿部文彦

枝と枝重なる影や夕長し     青山好男

顔洗ふ無骨なる手に水温む    辻 雅宏

雛飾る母娘三代昼下がり     青山好男

水温む鍵の振れゐるランドセル  井上悦男

さびしくて鈴転がして鳴く子猫  水野幸子

落椿拾い集めて手水鉢      野里 安のり

紅つばき模したるみやび京和菓子 井上悦男

廃屋を護りて咲くや藪椿     阿部文彦

箱出でて頬の冷たき女雛かな   青山好男

椿落つ猫驚きて尾を立てり    辻 雅宏

ふる里の無人の駅の余寒かな   阿部文彦

余寒とて美しき言葉やビル狭間  井上悦男

雪解河わたる客車に人は無く   青山好男

友禅を透かし雪どけ水ながる   青山好男

駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ    水野幸子

雪解水ふわり越え来る転校生   神永誉夫

霊山の嶺より落つる雪解水    辻 雅宏

 

一点句

花冷えや児を抱く手が銃掴む   神永誉夫

柵越しに馬と目の合う遅日かな  原田啓子

在庫なし遅日の書店めぐる旅   小南彩乃

ひもすがら上野公園花の冷え   辻 雅宏

花冷や行き着く先の海の青    井上悦男

キャンドルに影濃き祈り花の冷え 神永誉夫

チョッキ着た犬も小走り花の冷え 辻 雅宏

この星の戦い憂ふ花の冷     井上悦男

花冷えや紅茶にミルクの乱れ雲  神永誉夫

蔵町に鐘の音ひびく遅日かな   阿部文彦

暮遅し猫の窓辺に長く居り    小南彩乃

耳朶にピアスの悔いや花の冷え  神永誉夫

白米の炊けてキッチン暮れ兼ねる 上野貴子

花冷えの町を救急車が走る    上野貴子

ベランダに紫煙くゆらす花の冷え 阿部文彦

一日を大事に大事に椿咲く    原田啓子

泣きたくて泣けぬ夜道の白椿   上野貴子

蓮池の鯉の揺らぎや水温む    水野幸子

五日ほどジョギング休み水温む  阿部文彦

友禅を透かし雪どけ水ながる   青山好男

よく見れば玄関脇に雪間草    野里 安のり

椿落つ小川の水に日の反射    井上悦男

三味線の指しなやかに水温む   原田啓子

立春の大雪山の光かな      水野幸子

仏間までピンクの香りヒヤシンス 水野幸子

地震に覚め支度の時の余寒かな  阿部文彦

雪解川往くに存分なる日差し   山本佐和子

雪解川所々に鄙びた草浸る    山本佐和子

野仏の欠けし目鼻や余寒なほ   龍野ひろし

寸借の厠に残る寒さかな     辻 雅宏

冷えきったサンドイッチの余寒かな 山本佐和子

屋根よりの雪解のしずく早鐘に  水野幸子

余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり 井上悦男

触れ合う手ともに冷たき余寒かな 青山好男

雪解けの声に赤鬼面忘れ     上野貴子

せせらぎの調べ軽やか雪解水   井上悦男

 

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~LINE公式俳句大会4月結果発表~

 大賞 さこたゆう   白薔薇が好き壺にたっぷり活ける

 2点句 

さこたゆう   髪束ねパステルカラーに衣更

濱野 洋子   ブラウスに いつぱいの風更衣

 1点句 

さこたゆう  野茨の角曲がる家へようこそ

      ドライのバラライブの記念に残す

橋詰博    衣更決めて口笛高らかに   

       マネキンの衣更え終えポーカーフェイス

富岡 眞奈      一面の 綿毛蹴り蹴り 散歩する

デビ愛染   花のしべ 雨粒たたえ 咲き誇る

大倉 宏美  衣更早歩きして清々し

南出千賀子  衣更えその手進まぬ母思う

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

      余寒なほ眉間に皺の阿修羅像・・・九点     

 とうとう逃げ切られてしまいました。今年は厳しい春ですね。寒暖の差が激しい季節には厳しい顔の阿修羅像の句が高得点を取りました。この後の夏は今年もきっと猛暑ですね。
(春:2月~4月)

  

~~~今月の選評~~~

 花冷えや児を抱く手が銃掴む

 何句かウクライナ情勢を詠んでいる句がありましたが、この句は
まさに国境で家族との別れ、妻子はポーランドへ夫は戦場へと、
臨場感があり詠み手の心の様が手に取るようにわかります。
ウクライナに平和が早く訪れますように、
家族の再会をいのっています。

 

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月の兼題(5月末日〆切)

 【短夜】【夏帽子】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

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【今月のワンポイントレッスン】 

2022年「おしゃべりHAIKUの会」会報5月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は私が手術入院という緊急事態となってしまったことに因んで、曽良が病のために先に帰ることになる別れの無念さを詠んだ句を見てみましょう。

 行き行きてたふれ伏とも萩の原・・・曽良

 この先、師と別れての一人旅の途中でたとえ行倒れてしまおうともそこが萩咲く野でありたいという思いの句です。昔の人は厳しい旅を続けることへの覚悟が現代では考えられないほどのものだったのですね。

 今日よりや書付消さん笠の露・・・芭蕉

 芭蕉が曽良の句に「予も又」と書いた句です。今日からは、もう笠に書いた「同行二人」という文字も露で消してしまおう。という一人旅への覚悟が書かれています。病の為とは言えやはり別れは辛いものですね。ましてや旅先では、不安が多いものです。

始めの句には「切れ字」はありません。575のリズムは整っていますから違和感の無い俳句ですね。

芭蕉の句は上五に「や」があります。これは上五の「けふよりや」と文語調では表記されることで「きょう」という現代読みと同じ五文字となります。「ちょう」が「てふ」と文語調では表記されることと同じですね。ですからこの句も整った句となります。

「や」という切れ字は芭蕉が多く使う切れ字です。ここでは、今日の今からという切ない別れの瞬間を惜しんでいることがよく解ります。

芭蕉の時代には自然な作句法だったのでしょう。「や」の柔らかな音調が効いています。

(令和4年5月上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より
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【ネット句会後記】

春の戦は9点句の独走で終わりました。5月となり初夏に入りました。すごしやすい気持ちのいい季節です。夏の第1ステージには兼題「更衣、薔薇」に40句が寄せられました。特選には選評も添えて下さるようお願いします。そして、6月の兼題にも奮って投句下さるようお待ちしています。

(令和四年五月 辻 雅宏)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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