2024年9月のネット句会

今月の投句(秋の戦第2ステージ)

1赤のまま試験準備もあと三月

2断食や明けて眩しき赤のまま

3鰯雲語ることなく終戦忌

4鰯雲忙しく走る訪問看護

5鰯雲涼風もさてつかの間か

6投網打つ漁師の影よ鰯雲

7下町に匂ふコロッケ鰯雲

8石積の幾年耐へし鰯雲

9すれ違う市電の軋み鰯雲

10畦道を郵便バイク鰯雲

11渡鳥なる来世に備え足鍛え

12神様と愛し合いたし赤のまま

13幼き日の涙の透けて赤まんま

14秋立ちぬ今週の碁の黒と白

15鰯雲楸邨一味の成り損ない

16読みかけの頁のしるし鰯雲

17夕陽色巨大な鰯雲のろく

18いつまでも一緒だからね鰯雲

19巡り来る地球の先を渡り鳥

20困惑を鎮めて明日へ鰯雲

21汽車降りて別の空あり鰯雲

22鰯雲阿蘇の山々ひと包み

23鰯雲浮いて舟出す漁師かな

24山里の空を食み出す鰯雲

25園児らの駆けゆく先の鰯雲

26球場の開閉屋根や獺祭忌

27ぱんぱんに枝豆実り湯を沸かす

28故郷の山を真下に鳥渡る

29嬰のりし飛機どの辺り星祭

30雨音の隙間をひびくキリギリス

31瀬戸を染む夕陽に旅鳥の影二つ

32赤まんま三つ編み解きし君遠く

33ジャンパーに一秒の空鳥渡る

34涸れ井戸に三粒零れて赤まんま

35敗れたり仰げば旅鳥悠揚と

36泣きべその子の鼻先へ赤まんま

37残された吾は風の中渡り鳥

38三人の親となる娘に鰯雲

39鳥渡る同窓会の知らせあり

40臨月の娘に幸あれと鳥渡る

41赤錆の線路そのまま赤のまま

42窯場へとつづく杣道赤まんま

43高層のビル群覆ふ鰯雲

44投げ釣りの釣果さつぱり鱗雲

45碧天の日本海越え鳥渡る

46渡り鳥くの字がついに点となる

47こけそうでこけぬ幼子赤のまま         

48阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            

49あと一歩届かぬ白球いわし雲          

50鰯雲釣り人並ぶ防波堤             

51山いくつ越えて来たるや渡り鳥         

52木曽川で分かつ県境うろこ雲          

53賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る          

54「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  

55屋敷跡更地にひらく赤まんま          

56このままが一番幸せ赤のまま          

57行く先は風にまかせて赤のまま         

58廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          

59嫁ぎしと風の便りや赤まんま          

60畦道を郵便バイク赤のまま           

61鰯雲空に漂う点描画          

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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秋の戦の兼題(8月から10月を通して毎月詠んでください。)

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【秋の戦8・9・10月】

★10月におすすめの兼題(9月末日〆切。)

【渡り鳥】

秋になって、シベリア方面から渡って来る鳥をいう。

傍題に、鳥渡る、鴨渡る

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   長雨のふるだけ降るや赤のまゝ 中村汀女

 

   鰯雲人に告ぐべきことならず   加藤楸邨

   

   人はみな旅せむ心鳥渡る   石田波郷 

 

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令和6年9月号8月の結果(秋の戦第1ステージ)

 ~~<辻 雅宏選5句>~~

こけそうでこけぬ幼子赤のまま

あと一歩届かぬ白球いわし雲

畦道を郵便バイク赤のまま

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲

鰯雲空に漂う点描画

 

 ~~<上野貴子選5句>~~

鰯雲釣り人並ぶ防波堤

こけそうでこけぬ幼子赤のまま

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲

渡り鳥くの字がついに点となる

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま

 

点盛りの結果

 

三点句

渡り鳥くの字がついに点となる         阿部文彦

 

二点句

こけそうでこけぬ幼子赤のまま         龍野ひろし

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            阿部文彦

あと一歩届かぬ白球いわし雲          瀧口 孝志

鰯雲釣り人並ぶ防波堤             辻 雅宏

山いくつ越えて来たるや渡り鳥         辻 雅宏

木曽川で分かつ県境うろこ雲          辻 雅宏

賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る          辻 雅宏

 

一点句

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  水野幸子

屋敷跡更地にひらく赤まんま          阿部文彦

このままが一番幸せ赤のまま          原田啓子

行く先は風にまかせて赤のまま         龍野ひろし

廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          神長 誉夫

嫁ぎしと風の便りや赤まんま          神長 誉夫

畦道を郵便バイク赤のまま           龍野ひろし

鰯雲空に漂う点描画              阿部文彦

 

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

渡り鳥くの字がついに点となる・・・3点

 

渡り鳥の群れを詠んだ句が最高点となりました。この後の勝ち抜きでどこまで勝ち残るかが楽しみですね。くと・の図形の面白さと段々見ええなく遠い点という表現と
ダブルところが面白いです。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~ 

こけそうでこけぬ幼子赤のまま 

歩き始めた幼子を目を細めてみている作者。赤のままも
またやさしく見守っている。

 

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★10月の兼題(9月末日〆切)

 

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の歴史」今回はいよいよ正岡子規です。子規と言えば子規庵が有名ですが、生れは四国の松山です。東大中退後に日本新聞に入社、俳諧を研究。写生俳句、写生文を首唱して、俳句革新運動を起こしたと言われています。

 

柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺・・・子規

 

この句は子規の俳句の中で一番有名な句です。法隆寺の近くの茶屋での句と言われます「柿を食べていると、折よく法隆寺の鐘の音がちょうど聞こえてきたことだ。」という句意ですね。柿は奈良の名物なので、ここで子規は美味しい柿を食べたのでしょう。

面白い話に、この法隆寺は果たして本当に法隆寺なのかという疑問がわく説があるらしいです。「くだもの」という随筆の中に、この句によく似た場面があるのですが、それが東大寺だというのです。これはあまり聞かない珍しい説なので、別の日の出来事なのではないかと私は考えるのですが、俳句なので、随筆をもとに考えて詠んだのではないかという説があるのだそうです。面白いですね。

俳句としては「柿」が季語で秋の句、そして、この句には切れ字「や」「かな」「けり」は使われていません。下五の「法隆寺」で体現止めになります。流石に明治の偉人だけあってモダンな写生句の代表句と成っていますね。

 

(会報令和六年8月号より 上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

八月は迷走した台風10号が歓迎されざる主役でした。台風は季語にもなっています。古くは野分とも。

秋の戦第一ステージは、競り合いながらのスタートになりました。このあとの展開が楽しみです。投句されたら選句も必ずお願いします。特によかった句には感想も記載してください。

(令和六年九月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 

<大賞>

 

42        大西文子    飛び石を飛んでトンボを追いかける

 

2点句>

 

3          橋詰博            逆さ富士夏雲連れて河口湖

12        鈴木恵美子    竹の筒押して押し出す水羊羹

28        奥平 雅子      糠床の茄子の色付き夜の膳

37        さこたゆう    道端の犬の鼻先赤のまま

47        田辺 公子      パリ五輪引き分けなしの明と暗

 

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2024年10月のネット句会

今月の投句(秋の戦最終ステージ)

1土より這い出し蚯蚓や干されをり

2米不足減反政策九月尽

3瑞穂の国永久に平和や終戦日

4火葬場の1週間待ち穴惑い

5電柱に硬き影ある猛残暑

6排他的水域なんの鳥渡る

7我が国へ侵略国の鳥渡る

8四散する廃れ卒塔婆赤まんま

9鰯雲港舞鶴倉庫群

10用足して鯖雲掬ふ手水鉢

11北国にやわらかき日もありいわし雲

12今年また夫と見る空渡り鳥

13鰯雲「どこでもドア」の向こう側

14雲間より薄日も差して渡り鳥

15遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る 

16新札はアラビヤ数字地虫鳴く

17廃鉱の街に旅鳥の艶緑

18鰯雲越ゆる大地の赤鯨

19悠揚と国境の河旅鳥超ゆ

20銛の如ジェット貫く鰯雲

21逆さ枝打ちて旅鳥の餞に

22思ひ出を残して去りし渡り鳥

23指先で空に追ひたる渡り鳥

24列島を俯瞰して飛ぶ渡り鳥

25風を追ひ風に追はるる渡り鳥

26海に浮く朱の回廊や鳥渡る

27この坂を何度も登る鰯雲

28渡り鳥自由に空を飛んで来る

29群れをなす地球の不思議鳥渡る

30この場所を群れが知ってる渡り鳥

31鳥渡りきっとまた来る空の色

32盆栽の手止め一服いわし雲

33どこからかトランペットが鰯雲

34紅葉を映し堀水動かざる

35照紅葉仰ぎ見るひと京言葉

36照紅葉つなぐ手細き老夫婦

37本開くごとく飛びゆく渡り鳥

38高原を一羽遅れて鳥渡る

39湖を埋め尽くしたり鴨来る

40草に寝て空の青さや鰯雲

41湾内に八百八島うろこ雲

42邯鄲の間遠くなりぬ夢の中

43水澄むやあめんぼのスケーターワルツ

44支笏湖の寄せては返す秋の水

45秋空に足投げ出して雲にのる

46渡り鳥くの字がついに点となる          

47こけそうでこけぬ幼子赤のまま          

48あと一歩届かぬ白球いわし雲          

49木曽川で分かつ県境うろこ雲          

50賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る          

51下町に匂ふコロッケ鰯雲            

52すれ違う市電の軋み鰯雲           

53汽車降りて別の空あり鰯雲           

54読みかけの頁のしるし鰯雲           

55投網打つ漁師の影よ鰯雲            

56鰯雲語ることなく終戦忌            

57阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            

58鰯雲釣り人並ぶ防波堤             

59山いくつ越えて来たるや渡り鳥         

60断食や明けて眩しき赤のまま          

61幼き日の涙の透けて赤まんま           

62赤まんま三つ編み解きし君遠く          

63碧天の日本海越え鳥渡る             

64球場の開閉屋根や獺祭忌             

65泣きべその子の鼻先へ赤まんま          

66園児らの駆けゆく先の鰯雲            

67鳥渡る同窓会の知らせあり            

68高層のビル群覆ふ鰯雲              

69鰯雲忙しく走る訪問看護             

70鰯雲涼風もさてつかの間か            

71夕陽色巨大な鰯雲のろく            

72ジャンパーに一秒の空鳥渡る  

73故郷の山を真下に鳥渡る             

74「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  

75屋敷跡更地にひらく赤まんま          

76このままが一番幸せ赤のまま          

77行く先は風にまかせて赤のまま         

78廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          

79嫁ぎしと風の便りや赤まんま         

80畦道を郵便バイク赤のまま           

81鰯雲空に漂う点描画              

 

 

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冬の戦の兼題(11月から1月を通して毎月詠んでください。)

【落葉】【数え日】【初雀】

 

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【冬の戦11・12・1月】

★11月におすすめの兼題(10月末日〆切。)

【落葉】

               晩秋から冬にかけて葉をことごとく落としてしまいます。
               傍題に、落葉焚、落葉掻 

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

    むさしのの空真青なる落葉かな 水原秋櫻子

 

            数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ 富安風生

 

    お手玉のごとくに遊ぶ初雀 下村梅子 

 

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令和6年10月号9月の結果(秋の戦第2ステージ)

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

下町に匂ふコロッケ鰯雲

投網打つ漁師の影よ鰯雲

すれ違う市電の軋み鰯雲

故郷の山を真下に鳥渡る

こけそうでこけぬ幼子赤のまま 

 

~~<上野貴子選5句>~~

下町に匂ふコロッケ鰯雲

すれ違う市電の軋み鰯雲

球場の開閉屋根や獺祭忌

泣きべその子の鼻先へ赤まんま

渡り鳥くの字がついに点となる

 

点盛りの結果

 

四点句

渡り鳥くの字がついに点となる      阿部文彦

こけそうでこけぬ幼子赤のまま      龍野ひろし

 

三点句

あと一歩届かぬ白球いわし雲       瀧口 孝志

木曽川で分かつ県境うろこ雲       辻 雅宏

賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る       辻 雅宏

 

二点句

下町に匂ふコロッケ鰯雲         龍野ひろし

すれ違う市電の軋み鰯雲         龍野ひろし

汽車降りて別の空あり鰯雲        阿部文彦

読みかけの頁のしるし鰯雲        上野貴子

投網打つ漁師の影よ鰯雲         龍野ひろし

鰯雲語ることなく終戦忌         船津 元

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲         阿部文彦

鰯雲釣り人並ぶ防波堤          辻 雅宏

山いくつ越えて来たるや渡り鳥      辻 雅宏

 

一点句

断食や明けて眩しき赤のまま       船津 元

幼き日の涙の透けて赤まんま       山本佐和子

赤まんま三つ編み解きし君遠く      神長誉夫

碧天の日本海越え鳥渡る         辻 雅宏

球場の開閉屋根や獺祭忌         水野幸子

泣きべその子の鼻先へ赤まんま      原田啓子

園児らの駆けゆく先の鰯雲        阿部文彦

鳥渡る同窓会の知らせあり        原田啓子

高層のビル群覆ふ鰯雲          辻 雅宏

鰯雲忙しく走る訪問看護         船津 元

鰯雲涼風もさてつかの間か        船津 元

夕陽色巨大な鰯雲のろく         上野貴子

ジャンパーに一秒の空鳥渡る       神長 誉夫

故郷の山を真下に鳥渡る         水野幸子

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま 水野幸子

屋敷跡更地にひらく赤まんま       阿部文彦

このままが一番幸せ赤のまま       原田啓子

行く先は風にまかせて赤のまま      龍野ひろし

廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま       神長 誉夫

嫁ぎしと風の便りや赤まんま       神長 誉夫

畦道を郵便バイク赤のまま        龍野ひろし

鰯雲空に漂う点描画           阿部文彦

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~ 

渡り鳥くの字がついに点となる・・・四点

こけそうでこけぬ幼子赤のまま・・・四点
 

今回は空と地とちょうど両方の秋の句が経ち残りました。この後はどちらがどうなるか楽しみです。秋らしくなって来て面白いですね。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 あと一歩届かぬ白球いわし雲

歩スポーツの秋。プロ野球も草野球もシーズン真っ盛り。
大きな飛球の先に大空が拡がっている。

 

 

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★11月の兼題(10月末日〆切)

 

【落葉】【数え日】【初雀】

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「俳句の歴史」今回は、正岡子規のあとにその流れとして「ホトトギス」を広く大衆に広めたと言われている高浜虚子です。虚子は客観写生を提唱した俳句を詠んでいます。

 

流れ行く大根の葉の早やさかな・・・虚子

 

この句は虚子の代表句です。愛媛の松山生れ。河東碧梧桐と共に子規庵を訪ねての俳句問答は子規の随筆「病床六尺」に書かれておりとても面白いです。革新的な碧梧桐の俳句に対立して、虚子は「花鳥諷詠」「客観写生」の理念を揚げてゆきます。やがてホトトギス全盛の時代を迎え、婦人に俳句の場を多く与えようとホトトギスに台所俳句と言われる女性俳人を多く育てる場を設けます。この功績が大きく讃えられ、多くの女性俳人を生み出しました。自らの娘である星野立子がその中から育った女性俳人として最も有名です。

女性俳人では同時期に活躍した中村汀女・橋本多佳子・三橋鷹女とともに四Tと称され人気を博したと言われています。

そして、その後は、飯田蛇笏、水原秋桜子、山口誓子、中村草田男、川端茅舎、松本たかしなど、そうそうたるメンバーを輩出しています。虚子と碧梧桐が子規のあとの俳句界を背負っていったと言えるでしょう。やがてその中から現代俳句につながる面々が活躍してゆきます。

 

(会報令和六年9月号より 上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

猛暑から残暑どころか続暑となりましたが、遅まきながら秋めいてきました。秋の戦第二ステージは、二句が四点句で競っています。これを三句の三点句が追う展開になっています。最終ステージが楽しみです。選句でよかった句には感想も記載してくださるようお願いします。

(令和六年十月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 <大賞>

 LINE大賞 

30        荒木 かをり   芋煮会濃口しょうゆにも慣れて

 

2点句>

 

1          田中むつみ    嵐去り京の五山に鰯雲

8          鈴木恵美子    朝の競り銀色光る初秋刀魚

9          山本佐和子    晴れるってこのことなんだ鰯雲

10        山本佐和子    退院し眺め切れぬほどいわし雲

13        さこたゆう    鰯雲空の高さは測れない

17        米重 初枝      夕空を見つめる二人鰯雲

18        米重 初枝      子規の忌や老母へ届ける糸瓜水

31        大西文子        鰯雲群れの外れの下は何処

42        大西文子    飛び石を飛んでトンボを追いかける

 

 

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