2024年4月のネット句会

今月の投句(春の戦第3ステージ)

1死を招く蜂の一刺し油断すな

2密を吸ふはたらき蜂の尻まろし

3夜の更けて蜂の巣除く業者かな

4蜂の毒おのがいばりで中和せむ

5巣の出入り頻りなりけり蜂四月

6蜜蜂も三労四休寒戻る

7蜜蜂や足先は黄と橙の花粉かな

8梅の香はあるようで無き季節病

9北向きの塀沿いに遅く梅の花

10三春には梅もひっそり役を待つ

11孫の手で蜂を追い出す夫の居て

12産月の娘に蜜蜂の二三匹

13バス停に吾独り待つ余寒かな

14麻酔より覚めて窓辺に山笑う

15蜜蜂や子のさす指に止まりおり

16蜂来たり潜るしょっぱき露天風呂

17剣抜かず老ゆる蜜蜂我も又

18咲き競ふ雛の口々山笑ふ

19蜂の巣や煮えくり返る腑の如く

20浮かぶ蜂じりり近づくハイヌーン

21ポットよりコーヒーを汲む梅見かな

22夫ときし梅園の空仰ぎゆく

23梅林や夫と分けあふ梅ソフト

24花の雨廻るレストラン閉店と

25満開の桜の下の運動会

26戸袋に吸い込まれゆく蜂の群

27蜜蜂の仕事疲れて戻る箱

28日一日色を重ねて山笑う

29石仏の肩まで埋めて山笑う

30茶処に湯気立ち込めて梅日和

31来世もと言う君染める桜かな

32陽だまりや菜の花震え蜂飛べる

33春の海会えること無き人想う

34黄砂舞う街を見下ろす生駒かな

35知らぬ街尋ねる家に梅白し

36蜜蜂や琥珀のひかりまき散らす

37山笑ふスタンプだけのLINEかな

38蜂蜜や春光集め黄金色

39キャンディを包むセロハン山笑ふ

40山笑ふ六千尺の露天風呂

41梅一輪花瓶の中の故郷かな  

42足踏みし窯出し待てば山笑ふ

43リハビリの一歩一歩や山笑う    

44山笑う孫の乳歯見つけたり     

45道真を偲びて開く梅の花      

46咲き満ちて此の香此の色梅の花   

47補聴器に風渡る音春立ちぬ     

48ゆづりあい田浦の里の梅日和    

49外つ国にゐて待ちどほし梅便り   

50白梅の庭冴え渡り三回忌      

51ポップコーン弾けるごとく梅開き  

52猟船の賑わうあたり初茜      

53今年また開花早まる梅便り     

54離れ家に点る白梅星の影      

55蒼天や冬の桜木時を待つ      

56梅の香と一気に上へエレベーター  

57梅林に人影絶えて夜の風      

58四阿に座れば四方の山笑う     

59娘の握るおにぎり二つ山笑う    

60梅園に笑う老若あんこ餅      

61蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る    

62麓行く巡回バスや山笑ふ      

63安曇野の堰の飛沫や山笑ふ     

64縁側で刈られし白髪山笑ふ     

65運命や働き蜂と女王蜂       

66通勤のひとあしお先春コート    

67門入れば白梅の香に迎えられ    

68捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    

69梅の花もの無き畑に色点じ     

70ホットティー今日か明日かと梅の花 

71東雲に星消え忘れ山笑ふ      

72LINEにて梅の咲き様尋ねけり  

73それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    

74支笏湖の水のきらめき山笑ふ    

75莟からいつしか香る梅の里     

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

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夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)

【新樹】【五月雨】【紙魚(しみ)】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

【夏の戦5・6・7月】

★5月におすすめの兼題(4月末日〆切。)

 

【新樹】

若葉におおわれる初夏の木立をいう。みずみずしい新樹に包まれる山や野には生命力がみなぎる。

傍題に、緑樹、新樹光、新樹蔭。

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   大風にはげしくにほふ新樹かな 日野草城

 

   五月雨や大河を前に家二軒   与謝蕪村

   

   鴎外も茂吉も紙魚に食はれけり  藤田湘子 

 

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 令和6年4月号3月の結果(春の戦第二ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

華やかな口紅選び初鏡

城門の門松の先とがりけり

風止んで三浦三崎の四温晴

どことなく面差し母に初鏡

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

~~<辻 雅宏選5句>~~

通勤のひとあしお先春コート

安曇野の堰の飛沫や山笑ふ

縁側で刈られし白髪山笑ふ

リハビリの一歩一歩や山笑う

運命や働き蜂と女王蜂

 

 

点盛りの結果

 

五点句

梅一輪花瓶の中の故郷かな     青山好男

 

四点句

足踏みし窯出し待てば山笑ふ    神長誉夫

 

三点句

リハビリの一歩一歩や山笑う    原田啓子

山笑う孫の乳歯見つけたり     小林ひろ

道真を偲びて開く梅の花      青山好男

咲き満ちて此の香此の色梅の花   辻 雅宏

補聴器に風渡る音春立ちぬ     原田啓子

ゆづりあい田浦の里の梅日和    阿部文彦

外つ国にゐて待ちどほし梅便り   原田啓子

 

二点句

白梅の庭冴え渡り三回忌      青山好男

ポップコーン弾けるごとく梅開き  原田啓子

猟船の賑わうあたり初茜      青山好男

今年また開花早まる梅便り     上野貴子

離れ家に点る白梅星の影      上野貴子

蒼天や冬の桜木時を待つ      青山好男

梅の香と一気に上へエレベーター  原田啓子

梅林に人影絶えて夜の風      青山好男

 

一点句

四阿に座れば四方の山笑う     阿部文彦

娘の握るおにぎり二つ山笑う    原田啓子

梅園に笑う老若あんこ餅      青山好男

蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る    阿部文彦

麓行く巡回バスや山笑ふ      辻 雅宏

安曇野の堰の飛沫や山笑ふ     龍野ひろし

縁側で刈られし白髪山笑ふ     神長誉夫

運命や働き蜂と女王蜂       小林ひろ

通勤のひとあしお先春コート    小林ひろ

門入れば白梅の香に迎えられ    上野貴子

捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    神長誉夫

梅の花もの無き畑に色点じ     青山好男

ホットティー今日か明日かと梅の花 小林ひろ

東雲に星消え忘れ山笑ふ      神長誉夫

LINEにて梅の咲き様尋ねけり  辻 雅宏

それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    阿部文彦

支笏湖の水のきらめき山笑ふ    水野幸子

莟からいつしか香る梅の里     上野貴子

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

             ~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

梅一輪花瓶の中の故郷かな・・・5点

 

梅の花は枝に直接咲くので特に美しいです。そんな枝を一輪だけ花瓶に挿し、故郷の梅林を想い描いているのでしょうか。美しく素晴らしい句ですね。春の墨絵のような素敵な句が次回は勝ち残るか?楽しみです。

(春:2月~4月)

  

~~~今月の選評~~~

 

梅一輪花瓶の中の故郷かな

 

花瓶に一輪という限られたセッティングに、「故郷かな」で空間的・時間的な広がりがもたらされ、梅にまつわる様々な思いが込められているいい句だと思います。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★5月の兼題(4月末日〆切)

 

【新樹】【五月雨】【紙魚】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠自由題を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は最後のまとめです。

 

草の戸も住替る代ぞひなの家

蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ

 

始めの「序章」と最後の「大垣」の抄のどちらにも切れ字十八の「ぞ」が使われています。この「ぞ」は終助詞で強調させる感嘆の意味として使われていると考えます。ですから切れ字が無いとは言い難いのですが、代表的な3つの切れ字は使われていません。

 

あらたうと青葉若葉の日の光

 

この句は「日光」の抄の句です。切れ字が使われていない代表的な句です。季語に関しても「青葉若葉」と二つの季語を組み合わせて造語にして一つの言葉としていますので、季重なりとも言い切れません。日光の緑の美しさを強調しながら、江戸の徳川の威光を表現していると解釈され、「あらたうと」は「あら尊し」の意味で、「日光」の旧称「二荒(ふたあら)」に掛かり、昔の名から空海大使が「日光」と改めたことを句のなかに詠み込んでいます。印象深い名句です。

このように現代で切れ字と云われる「や」「かな」「けり」を使わない句にも名句は多く、芭蕉の時代に遡って考えてみても、切れ字の有る無しではなく、意味が切れているのかどうかという解釈の問題ですね。言葉の響きやリズムでは文語調になるため、現在の自分らしい句を詠むためにはことさら必要は無くなってきているようです。

 

(令和六年三月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

 

春の戦第二ステージは、五点句が出ましたが、三点句までは追いつ追われつのシーソーゲームの様相です。最終ステージが楽しみです。今月からは夏の戦の始まりです。兼題のどれで詠んでいただいても結構です。
投句されても選句されない方がおられます。是非、選句にも参加下さい。

(令和六年四月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 

LINE公式俳句大会3月結果発表~

 

<大賞>

 

34 田辺 公子 復興も平和も託し流し雛

 

2点句>

 

6   奥平 雅子 幼子の手のひらに降る春の雪

12 橋詰 博 山笑う見知らぬ町の途中下車

18 田辺 公子 眠りから覚め車窓より山笑う

23 小川 修司 黄昏の菜の花明かり水明かり

35 南出 千賀子 おむすびが笑顔をつくる山笑う

38 大西 文子 女子旅はゆるり寄り道山笑う

41 大西 文子 姉と行く銀座通りで桜餅

2   橋詰 博 梅日和友を誘いて隣町

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

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