今月の投句(春の戦最終ステージ)
1花の宵起きれば腹で波の音
2いま少しこの世に未練や花いかだ
3古木なる桜の一樹廓跡
4振袖の運ぶ野点や初桜
5校門の桜迎へるランドセル
6千年を紡ぎ踏ん張る老桜
7墨田川下りつ愛づる桜かな
8英国に桜満開サンドイッチ
9この辺に友の家あり大桜
10幼子の手のぬくもりや夕桜
11おちこちの桜の話題夕餉かな
12リージェントパークに桜日本晴れ
13背に負うは鬼女かも知れぬ花の山
14大荒れの海の気象や鰊群来
15雛飾る還暦の子の手を借りて
16東風吹くやリハビリ終えて家路へと
17天ぷらに菜の花咲かせワイン酌む
18履物を脱いだままなり花疲れ
19校庭で訓辞長びく朝桜
20晩学の辞書の重たき夕桜
21陽と風と水の匂いに朝桜
22老桜や忘れたように幹に咲く
23桜の樹異邦の言葉らんまんと
24夜桜のトンネル抜けて夢の国
25みずうみに映る桜と彦根城
26山桜光あふれる湖西かな
27光満つ桜の海を愛車駆る
28咲き満ちて櫓を隠す桜かな
29ひらひらと光となりて桜散る
30ため息をつきて散りたる桜かな
31生きてきて人それぞれの桜かな
32五稜郭星のかたちに桜咲く
33花筏鳥の水浴び岸に除け
34鳥の影探して目黒川花見
35剪定のあとを隠して桜咲く
36目黒川下り海まで花街道
37花の道整えられて花盛り
38盆梅や京の干菓子のかたち良き
39燕きて被災地の空広がれり
40長崎は坂また坂よ燕飛ぶ
41黒幹に月日重ねし盆の梅
42城壁に影を映して散る桜
43盆梅の鉢の支える樹齢かな
44盆梅のそれぞれにある矜持かな
45メビウスの帯のごとくに燕飛ぶ
46大仏の胸をかすめて初燕
47味噌蔵の黒塀小路に梅の花
48褒められて空咳二つ盆の梅
49夫とゐて日がな眺むや家桜
50朝市や盆梅並ぶ陣屋前
51盆梅や京の町家の仄灯り
52広き堂足音低し盆の梅
53小次郎に秘剣授けし岩燕
54遠山の白く輝き流氷来
55燕来て隈取凛々しき役者顔
56覗かれる場所に動かす鉢の梅
57竣工の橋のお披露目燕来る
58つばくろやシャツター街を一直線し
59風を切り光きらりと飛燕かな
60折り鶴が隣飾りし盆の梅
61盆梅の鉢丸きあり四角あり
62一輪の盆梅飾れば仏間なす
63叔父叔母の日々の話題に燕かな
64登校の子を見送るや盆の梅
65盆梅や袴の少女弓を手に
66知事賞にかがやく祖父の鉢の梅
67燕くる雌はリフォーム雄見張り
68盆栽の梅には梅の気骨あり
69盆梅や父の逝きしは今ごろよ
70盆梅の幹に年季の瘤りゆりゆう
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)
【卯の花腐し】【子どもの日】【黴】
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
【春の戦5・6・7月】
★5月におすすめの兼題(4月末日〆切。)
【卯の花腐し】
卯の花の咲く頃に降り続く雨で、春雨と梅雨との中間の雨。
※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。
<先句に学ぶ>
谷川に卯の花腐しほとばしる 高浜虚子
背で浮いて貝割るラッコ子供の日 藤本正弘
黴の世や言葉もつとも黴びやすく 片山由美子
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
令和7年4月号3月の結果(春の戦第2ステージ)
~~<辻 雅宏選5句>~~
長崎は坂また坂よ燕飛ぶ
風を切り光きらりと飛燕かな
城壁に影を映して散る桜
メビウスの帯のごとくに燕飛ぶ
燕きて被災地の空広がれり
~~<上野貴子選5句>~~
味噌蔵の黒塀小路に梅の花
長崎は坂また坂よ燕飛ぶ
燕きて被災地の空広がれり
大仏の胸をかすめて初燕
褒められて空咳二つ盆の梅
点盛りの結果
五点句
盆梅や京の干菓子のかたち良き 龍野ひろし
四点句
燕きて被災地の空広がれり 阿部文彦
三点句
長崎は坂また坂よ燕飛ぶ 龍野ひろし
黒幹に月日重ねし盆の梅 青山好男
城壁に影を映して散る桜 青山好男
盆梅の鉢の支える樹齢かな 原田啓子
盆梅のそれぞれにある矜持かな 辻 雅宏
二点句
メビウスの帯のごとくに燕飛ぶ 阿部文彦
大仏の胸をかすめて初燕 阿部文彦
味噌蔵の黒塀小路に梅の花 青山好男
褒められて空咳二つ盆の梅 滝口孝志
夫とゐて日がな眺むや家桜 原田啓子
朝市や盆梅並ぶ陣屋前 辻 雅宏
盆梅や京の町家の仄灯り 龍野ひろし
広き堂足音低し盆の梅 青山好男
一点句
小次郎に秘剣授けし岩燕 辻 雅宏
遠山の白く輝き流氷来 水野幸子
燕来て隈取凛々しき役者顔 原田啓子
覗かれる場所に動かす鉢の梅 滝口孝志
竣工の橋のお披露目燕来る 辻 雅宏
つばくろやシャツター街を一直線し 阿部文彦
飛ぶ鳥のクヮウクヮウと冴え返る 水野幸子
風を切り光きらりと飛燕かな 龍野ひろし
折り鶴が隣飾りし盆の梅 青山好男
盆梅の鉢丸きあり四角あり 原田啓子
一輪の盆梅飾れば仏間なす 上野貴子
叔父叔母の日々の話題に燕かな 原田啓子
登校の子を見送るや盆の梅 原田啓子
盆梅や袴の少女弓を手に 龍野ひろし
知事賞にかがやく祖父の鉢の梅 辻 雅宏
燕くる雌はリフォーム雄見張り 水野幸子
盆栽の梅には梅の気骨あり 上野貴子
盆梅や父の逝きしは今ごろよ 水野幸子
盆梅の幹に年季の瘤りゆりゆう 辻 雅宏
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ
※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。
~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~
盆梅や京の干菓子のかたち良き・・・・・五点句
お菓子の句が勝ち抜きました。上品な京の盆梅が見事に咲いている姿がお茶室か素敵な和室を思わせて素敵です。次回は春爛漫の頃となりますね。楽しみです。
(春:2月~4月)
~~~今月の選評~~~
夫とゐて日がな眺むや家桜
長年連れ添った夫婦の「あるある」。毎年眺めている桜を間に挟んで、無言の会話が繰り広げられている。桜とともに年老いていく、
これからの時間も感じさせてくれる。
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
★5月の兼題(3月末日〆切)
【卯の花腐し】【子どもの日】【黴】
※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。
また、オンライン句会では毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
https://onlinehaiku.jimdofree.com/
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【今月のワンポイントレッスン】
ここでは「俳句の展開」として「なんちゃって俳句」として、何句か上げて考えてみましょう。
コンクリートジャングル日陰に避難・・・貴子
「日陰」が夏の季語の句です。全体に17文字上五と中七が句またがりの句となります。
季語もあり、文字数も17文字ですが、なんちゃって俳句としました。避難したのは作者本人であるところから写生句ではありません。「コンクリートジャングル」という単語は一つの呼び名ですが、実在する都会の比喩的表現で、アマゾンのような風景の事では無いので従来の写生句が基本の俳句とは一味違う次世代俳句ですね。
これ以上も以下も無くかき氷食べる・・・貴子
これも「かき氷」が季語の夏の句です。氷が解けて形のない水になる前にカリカリ食べるのが暑い夏には最高ですね。冷たすぎて頭にツンと来たりしながら食べるのがまたたまらない不思議な食べ物です。氷と言う物体の科学的な分析からの句では無く、氷以上に冷たい物は無いし、それ以上に水が固まる物もそうないなぁと食べながら感じたのです。何だか面白いユーモアのある句ですね。
今回のように作者の想いが主体でまとめている句は、少しこれまでとは違うなんちゃって俳句になると考えています。
(会報令和七年四月号より 上野貴子)
「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com/
【ネット句会後記】
春の戦第二ステージは3点句以上が七句となり激戦の様相になりました。最終ステージの結果や如何に。遅まきながらやっと春らしい日を過ごせそうです。句会は夏の戦のスタートです。
得心の句をお待ちしています。投句される皆様 感想を添えて下さるようお願いします。
(令和七年四月 辻 雅宏)
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
~LINE公式俳句大会3月結果発表~
<大賞>
21 さこたゆう 東風吹いて幸せ届く予感する
<2点句>
2 蒲池由美子 雛壇の前でおすまし吾子の顔
6 橋詰 博 夢運ぶ引っ越し業車に流る東風
8 鈴木 恵美子 強東風やもつれ乱れしロングヘアー
14 南出 千賀子 ひるがえすカーテンの裾ひらり東風
18 田辺 公子 蔵前の空にミモザと桜映え
26 蒲池由美子 菜の花を積んで子供とピクニック
32 大西 文子 お出掛けは春の彩り取り入れて
35 荒木 かをり 姉妹美し(いし)四色に盛る雛あられ
36 田中むつみ 強東風につぽみの固さ気にかかり
この他の結果はLINEよりご覧ください。
★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪
https://lin.ee/UY7VIpw
※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果の一部と連動してまいります。
自由なオンライン句会はこちら
https://onlinekukai.jimdofree.com