今月の投句(秋の戦第3ステージ)
1身に入むや初手の碁石の響く部屋
2身に入むや灯りのつかぬ老舗宿
3身に入むや平家滅びし壇ノ浦
4サックスの身に入む音やジャズクラブ
5池の面に紅葉且つ散る古都の寺
6「身に入む」「紅葉且つ散る」
7雲間より落ちる風光しむ身なる
8地球誕生謎めく伝説身に沁みて
9桜紅葉枯れゆく前に紅をさし
10錦染め且つ散る山の紅葉谷
11受け取りて便り身に入む追って書き
12身に入むや玻璃戸を叩く風の音
13恩師らの法話身に入む夕間暮
14バス降りて紅葉且つ散る里の山
15そよ風に紅葉且つ散る点描画
16紅葉かつ散る蓮池の華やげり
17リハビリの膝の曲がりや身に沁みる
18踏切の音に負けじと落とし水
19夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿
20病窓や仏舎利塔へ秋夕焼け
21郷抱く星の静寂の身に入みて
22麗しき死は無く紅葉且つ散りて
23友去りぬ長き汽笛の身に入みて
24碧岩に紅葉且つ散る小歩危峡
25寄る辺なき星の蒼さの身に入みて
26紅葉かつ散るやほろほろ鳩の声
27紅葉かつ散りて水面の舟となり
28流れゆく月日の身に入む便りかな
29北国の暮るる速さや身に入みて
30雨音の身に入む今朝の目覚めかな
31フルートの音色身に入む演奏会
32警官の説諭身に入む違反かな
33特攻の遺書に身に入む知覧かな
34登頂の紅葉かつ散る山路かな
35紅葉且つ散る石畳馬籠宿
36葉を金箔に変えて一閃稲光
37踏みしめる細き山道墓参り
38父の歳越えて悔悟の墓参り
39草の花名も無き花に名を付けん
40草の花笑み柔らかき野の仏
41トテ馬車の蹄の音や草の花
42二百十日時の階段飛び越えて
43草の花微笑み合ひし道祖神
44空白し二百十日の畑仕事
45故郷をのぞむ峠や草の花
46草の花ままごと遊び孫が笑む
47植木鉢我が物顔や草の花
48迷い来て道なき野辺の草の花
49廃線を行けば迎える草の花
50石垣の隙間を埋めて草の花
51何もなく二百十日の夕餉かな
52貝ひとつ二百十日の忘れ潮
53通り雨路地を叩いて厄日過ぐ
54二百十日渦中に眠るみどり児よ
55刈るまいとするも刈りたり草の花
56松島や秋空をブルーインパルス
57複眼のバッタ墓石を飛び越えて
58草の花郷を離るる汽車に散り
59漁場遥か二百十日の波を越え
60去る朝にくしゅんと背なの草の花
61厄日明け薄く泥引く沈下橋
62二百十日待ち侘ぶ客の来ぬ日かな
63通り雨二百十日の庭先に
64一匹の猫の鼻先草の花
65普段着で歩く楽しさ草の花
66草の花故郷のあの畦道に
67保母さんに吾子が差し出す草の花
68手術待ち二百十日も無事過ぎて
6910年目待ちに待ちたる酢橘のみ
70少し楽心の声の残暑かな
71フェリー航く二百十日の波しずか29
72おだやかな二百十日の句会かな
73牧に咲くその名知りたき草の花
74乳牛の食むをはばかる草の花
75可愛さに摘むをためらふ草の花
76富士眺め水たつぷりと墓洗ふ
77稲妻や天の重心傾けて
78稲妻や竿を納むる太公望
79モカの香や海に稲妻五本立つ
80新宿の空を広げし稲光
81稲妻や川の氾濫大写し
82香煙の低く哀しき雨墓参
83名瀑をさらに濡らして稲光
84稲妻の眼裏に残る軌跡かな
85ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿
86天空の闇を稲妻ほしいまま
87ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ
88庭の花父母に手向ける墓参かな
89また今度いつものセリフ墓参り
90稲妻にルガーノの街一変す
91墓参り掃除の下手な子でごめん
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
★LINE公式俳句大会発表はこちらから
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11月の兼題【冬日和】&【枯葉】(10月末日〆切)
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【冬の戦11・12・1月】
★11月の兼題(10末日〆切。)
【冬日和】
冬の晴れわたった穏やかな日和をいう。
傍題に、冬晴、冬晴るる。
【枯葉】
霜が降り始めると木の葉、草の葉も枯れ始める。
傍題に、枯葉鳴る、枯葉飛ぶ、枯葉舞ふ。
※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。
<先句に学ぶ>
冬晴のとある駅より印度人
飯田龍太
一陣の風一陣の枯葉舞ふ
大橋 晄
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令和5年10月号9月の結果(秋の戦第2ステージ)
~~<主宰上野貴子選5句>~~
草の花名も無き花に名を付けん
貝ひとつ二百十日の忘れ潮
普段着で歩く楽しさ草の花
富士眺め水たつぷりと墓洗ふ
また今度いつものセリフ墓参り
七点句
富士眺め水たつぷりと墓洗ふ 龍野ひろし
五点句
稲妻や竿を納むる太公望 辻 雅宏
四点句
草の花笑み柔らかき野の仏 龍野ひろし
稲妻や天の重心傾けて 龍野ひろし
三点句
普段着で歩く楽しさ草の花 原田啓子
通り雨路地を叩いて厄日過ぐ 阿部文彦
モカの香や海に稲妻五本立つ 神長 誉夫
ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿 辻 雅宏
二点句
草の花微笑み合ひし道祖神 龍野ひろし
貝ひとつ二百十日の忘れ潮 阿部文彦
新宿の空を広げし稲光 龍野ひろし
また今度いつものセリフ墓参り 青山好男
稲妻の眼裏に残る軌跡かな 龍野ひろし
天空の闇を稲妻ほしいまま 辻 雅宏
一点句
空白し二百十日の畑仕事 青山好男
故郷をのぞむ峠や草の花 青山好男
何もなく二百十日の夕餉かな 阿部文彦
漁場遥か二百十日の波を越え 神長 誉夫
葉を金箔に変えて一閃稲光 青山好男
踏みしめる細き山道墓参り 青山好男
父の歳越えて悔悟の墓参り 辻 雅宏
草の花名も無き花に名を付けん 龍野ひろし
また今度いつものセリフ墓参り 青山好男
稲妻や川の氾濫大写し 水野幸子
香煙の低く哀しき雨墓参 原田啓子
名瀑をさらに濡らして稲光 青山好男
稲妻の眼裏に残る軌跡かな 龍野ひろし
ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ 水野幸子
庭の花父母に手向ける墓参かな 原田啓子
稲妻にルガーノの街一変す 原田啓子
墓参り掃除の下手な子でごめん 神長 誉夫
一匹の猫の鼻先草の花 原田啓子
おだやかな二百十日の句会かな 辻 雅宏
厄日明け薄く泥引く沈下橋 神長 誉夫
フェリー航く二百十日の波しずか 辻 雅宏
墓参り掃除の下手な子でごめん 神長 誉夫
トテ馬車の蹄の音や草の花 龍野ひろし
保母さんに吾子が差し出す草の花 小林 ひろ
四点句
稲妻や竿を納むる太公望 辻 雅宏
三点句
富士眺め水たつぷりと墓洗ふ 龍野ひろし
稲妻や天の重心傾けて 龍野ひろし
二点句
モカの香や海に稲妻五本立つ 神長 誉夫
新宿の空を広げし稲光 龍野ひろし
また今度いつものセリフ墓参り 青山好男
ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿 辻 雅宏
天空の闇を稲妻ほしいまま 辻 雅宏
一点句
稲妻や川の氾濫大写し 水野幸子
香煙の低く哀しき雨墓参 原田啓子
名瀑をさらに濡らして稲光 青山好男
稲妻の眼裏に残る軌跡かな 龍野ひろし
ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ 水野幸子
庭の花父母に手向ける墓参かな 原田啓子
稲妻にルガーノの街一変す 原田啓子
墓参り掃除の下手な子でごめん 神長 誉夫
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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。
~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~
富士眺め水たつぷりと墓洗ふ・・・7点
秋の戦は断トツでこの句が勝ち残っています。長い猛暑でご先祖様もさぞ暑かろうと思う気持ちが共感を呼んでいますね。やっと秋らしくなりましたが何となく油断禁物です。
この後の最終戦が楽しみです。
(秋:8月~10月)
~~~今月の選評~~~
富士眺め水たつぷりと墓洗ふ
富士山を眺めるお墓のシチュエーションが良い。水をかける行為が、
その2つを見事につないでいる。
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★11月の兼題(10月末日〆切)
【冬日和】&【枯葉】
他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。
※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。
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【今月のワンポイントレッスン】
「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は山中の抄の句を見てみましょう。
今日よりや書付消さん笠の露・・・芭蕉
この句は芭蕉と同行して来た曽良が別れて、これから芭蕉が一人で旅を続けて行くに当たりその寂しさを詠んでいます。曽良は、内臓を病んでしまいここからは先に知人の元へ向かうことになりその別れを惜しんでいるのです。曽良は、一人で行倒れたとしてもそこは萩の花の咲く野原であって欲しい「行々てたふれ伏とも萩の原」という句を残し旅立ます。
芭蕉の句は、芭蕉が好んでいる切れ字「や」を使い、今日これからの旅の不安に詠嘆強調の効果を生み出しています。
「露」という季語がありながら、句の意味の中心を上五にするための見事な効果ですね。
芭蕉の時代ならではの古風な言葉の調べが美しい句です。
また、これまで同行して来た門弟の曽良との旅の別れを詠んでいるところから有名な句となっています。
「や」の多くは上五に使われていますが、やはり自然に時代をうつしている文語調の句ですね。
(令和五年10月号より 上野貴子)
「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com/
【ネット句会後記】
秋の戦第2ステージで7点句が登場し、リードしています。勝ち抜き戦がこの句会の特色です。追い抜く句、新たに高得点の句が出るか最終ステージの結果が楽しみです。
投句と選句をセットにして参加下さるようお願いします。また、選評もお忘れなくお寄せください。
(令和五年十月 辻 雅宏)
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~LINE公式俳句大会8月結果発表~
<大賞>
37 大西 文子 隣家まで伸びた朝顔すまし顔
<2点句>
13 鈴木 恵美子 日が落ちて髪を結いあげ盆踊り
20 奥平雅子 幼子が手をのばしとる葡萄棚
29 橋詰 博 秋草の刈り込む匂い袖に染み
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