2022年11月ネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

 

1沈黙に拾ふ言葉や初時雨

2初時雨能登行商の頬を打つ

3花街の町家格子や初時雨

4階段の軋む茶房や初時雨

5初時雨灯りのつかぬ老舗宿

6そして皆大人になりぬ一葉忌

7ワクチンに少し熱帯び初時雨

8読書せる窓辺の外は初時雨

9しぐるるや芭蕉は旅をしてゐたり

10俳人の信仰帰依や初時雨

11女性史の初めの一歩一葉忌

12朝売りのコンビニ駆け込む初時雨

13改札に人影の増え初時雨

14初時雨夕べの土の匂い呼ぶ

15短くも長くも一生一葉忌

16初時雨お堀端行く相合傘

17灯が一つ暮れなずむ街一葉忌

18五千円一人飲む酒一葉忌

19初時雨子犬があそぶ泥の中

20亡き人を尋ぬ山道初時雨

21初時雨駅の置き傘借りにけり

22野良猫の小走りになる初時雨

23対岸の陽射し伸びるや初時雨

24陸前は父母のふる里一葉忌

25小雨降るシャッター街や一葉忌

26嬰のハイハイ横へ横へと初時雨

27路地裏の声甲高かき一葉忌

28冬暖か娘はマネキュアを塗りくるる

29小春日や吾とインコはダイエット

30初雪や歓びあふるる分娩室

31初時雨煉瓦校舎に灯が一つ

32訃を告げし受話器の向こう初時雨

33濁水に作り花散る一葉忌

34初時雨天地返しの田が笑い

35吉凶のくじに等しく初時雨

36お遍路の杖音急ぐ初時雨

37初時雨先客の居る木暮かな 

38家族皆一つ傘にて初時雨

39日本語の美しきかな一葉忌

40読みかけのたけくらべ手に一葉忌

41初時雨産寧坂を濡るるほど

42暮れかかる三茶界隈初しぐれ

43てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ

44千円札残しておかむ一葉忌

45着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌

  

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 12月の兼題【着ぶくれ】&【義士の日】(11月末日〆切)

【着ぶくれ】

寒いので何枚も重ねて着たため身体がふくれてみえること。

【義士の日】

十二月十四日 赤穂浪士が討ち入りした快挙をたたえ偲ぶ会がこの日に催されてきた。傍題に義士会 義士討ち入りの日。
義士祭は春の季語として別の季題になります。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ> 

  着膨れて海豹(アザラシ)の貎してゐたる 

                  長谷川 櫂

   義士の日やスーパーに買ふ赤穂塩

                          添野光子

 

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 11月号10月の結果(秋の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 捨案山子日本手拭ひ首に巻き

雁の声を残して暮れなずむ

穂の波を案山子の影がまた越えて

秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅

菊日和千代田区千代田一番地

 

 <点盛りの結果>(秋の戦最終ステージ)

 

 六点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

五点句 

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        原田啓子

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

 

四点句

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

 

三点句

村人の数より多き案山子かな         井上悦男

かたぶいてへのへの揺れる案山子かな     原田啓子

穂の波を案山子の影がまた越えて       神長誉夫

手を返す指うつくしき風の盆         辻 雅宏

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

山小屋を発つ朝露に靴濡らし         龍野博史

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

秋晴や駆けだしさうにならぶ靴        井上悦男

おまえもかお役御免に捨案山子        辻 雅宏

秋晴や犬のリードを長くして         龍野ひろし

モンローの案山子雀を引寄せて        龍野ひろし

風の盆霊にしたがひ列をなす         山本佐和子

朝露や山の空気の透きとほる         龍野博史

弓震ふ夜の深さや風の盆           神長誉夫

山峡のひとりの宿り窓の露          青山好男

俳聖の歩きし道や露置ける          青山好男

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        井上悦男

露けしや敷かれしままの廃線路        辻 雅宏

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

秋日和歴女声高し大手門           青山好男

秋晴や軽鴨親子無事川へ           水野幸子

捨て案山子焼けば血色の焔立ち        神長誉夫

坂道や捨つる案山子の重さかな        青山好男

捨案山子日本手拭ひ首に巻き         井上悦男

雁の声を残して暮れなずむ          水野幸子

捨かかし草でぬぐへる鎌二本         井上悦男

秋晴やドロップ缶のからからと        龍野ひろし

秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅           辻 雅宏

菊日和千代田区千代田一番地         辻 雅宏

休耕地案山子が納屋で欠伸せり        阿部文彦

向かい合い声を掛け合う案山子かな      原田啓子

秋晴れや戦う白衣高く干し          神長誉夫

鼻の穴広ぐる河馬や秋の晴          龍野ひろし

秋晴やバスに園児の弾む声          阿部文彦

露の世に生まれ消えゆくこの身かな      辻 雅宏

窓開ける入社試験の朝の露          青山好男

踏み台の石は動かず草の露          上野貴子

月一の院内散歩草の露            山本佐和子

かなたより来たり寄り添う露の玉       青山好男

昨日より深き瀬音や風の盆          井上悦男

リング抜く指しなやかに風の盆        神長誉夫

風の盆左右で違ふイヤリング         井上悦男

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅・・・六点

 

とうとう勝ち抜かれてしまいましたね。3度目の秋は

すこしずつ以前の活気が戻り始めていることの現れですね。

次回はもう冬の戦の始まりです。

(冬:11月~1月)

  

~~~今月の選評~~~

 

村人の数より多き案山子かな

 

過疎の村が増えているが、そんな様子を表した句である。

単に村人の数が減っていると言うより案山子を持ち出すことで

大幅な減少をよく語っている。

 

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

 

【着ぶくれ】と【義士の日】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉の詠んだ月の俳句を見てみましょう。

 

月清し遊行のもてる砂の上・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が敦賀で十五夜の前日に詠んだ句です。代表的な切れ字は無い句です。清しは形容詞のク活用の終止形です。形用詞の場合は切れ字18と言われる場合には切れ字とされますが、代表的な3つの切れ字では無いですね。もう1句「奥の細道」の中の句を見てみましょう。

 

 名月や北国日和定なき・・・芭蕉

 

この句は切れ字「や」が効果的な句です。始めの例句の翌日の句で、折角の十五夜様が雨で見れず北国の天候の定まらないことを詠んでいます。芭蕉は「や」を好んで使いますので、ここでも「や」で名月を強く印象的に詠んでいますね。面白いことに、この句の前書きや解説などで調べると、「名月や」と詠んでいるにも関わらず、この日には月が見られなかったのです。見れない月を、「雨月」や「無月」と詠まずに定めなきと下五に書いて、北の空の不安定さを詠んでいるのですね。このような読み方は芭蕉の他には、なかなかできません。まったく見事な表現方法です。

(令和四年十月 上野貴子)

  

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

秋の戦が終了しました。初秋から晩秋まで多くの投句をありがとうございました。

そして、冬の戦の第二ステージです。十二月ならではの兼題を用意させて戴きました。多くの方からの投句をお待ちしています。

(令和四年十一月 辻 雅宏)

  

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LINE公式俳句大会9月結果発表~

 

<大賞>

 5  さこたゆう じいちゃんのお下がり着てる案山子あり

 

2点句>

 1  さこたゆう    秋晴にチェロの音色が溶けていく

11 橋詰 博     秋晴の気分転換ひとり旅

16 南出千賀子  一張羅案山子おめかし、刈る日まで

  

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2022年12月ネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

 

1着ぶくれて見る月食の終るまで

2着ぶくれて犬と星空見上げをり

3絶やさぬ窯火陶工は着ぶくれて

4着ぶくれし夜釣りの背中並びけり

5着ぶくれて時間のかかる脱衣場

6着ぶくれて旅行バックを引く婦人

7着ぶくれて電車乗る人降りる人

8着ぶくれを吐き出すバスのターミナル

9着ぶくれてお腹から乗るマタニティー

10義士の日や雪に昏れゆく南部坂

11四十七の香煙空に義士の会

12着ぶくれてタイムサービス早足に

13義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君

14着ぶくれも十年前は着やせ組

15義士の日に誕生祝い赤穂パン

16手足まで着ぶくれ浸かり汗光る

17パン屑の溜まる胸元着ぶくれて

18着ぶくれてチェックインする日本人

19色コーデする暇もなく着膨れて 

20義士の日や四十七士が動いた日

21義士の日に義士の日のことグーグルす

22落葉風なまぬるくコロナ禍の町

23義士の日を令和の人が行きすぎる

24着ぶくれて家路を急ぐ一番星

25着ぶくれて待つ顔険し交差点

26義士の日や映画の後のしるこかな

27義士の日や雨も冷たき泉岳寺

28棒振りてスタアになりし義士の日よ

29風の音石の声冬銀閣寺

30着膨れて歯のない嬰の破顔かな

31義士の日や膝の痛みのいや増して

32嬰を呼ぶ父親の声冬ぬくし

33季語帳を繕うテープ小六月

34小春日や父の顔なり離乳食

35義士会や名優達の時を愛で

36着ぶくれて南の島の果実剥く

37群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日

38「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯

39義士の日や夜を駆けゆく風数ふ

40初時雨能登行商の頬を打つ

41お遍路の杖音急ぐ初時雨         

42初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        

43そして皆大人になりぬ一葉忌       

44家族皆一つ傘にて初時雨         

45女性史の初めの一歩一葉忌        

46短くも長くも一生一葉忌         

47陸前は父母のふる里一葉忌        

48初時雨天地返しの田が笑い        

49読書せる窓辺の外は初時雨        

50濁水に作り花散る一葉忌         

51読みかけのたけくらべ手に一葉忌     

52てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   

53野良猫の小走りになる初時雨       

54初時雨産寧坂を濡るるほど        

55花街の町家格子や初時雨         

56階段の軋む茶房や初時雨         

57初時雨灯りのつかぬ老舗宿        

58改札に人影の増え初時雨         

59対岸の陽射し伸びるや初時雨       

60嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      

61着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      

62初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        

63五千円一人飲む酒一葉忌         

64路地裏の声甲高かき一葉忌        

65日本語の美しきかな一葉忌        

66灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       

67初時雨駅の置き傘借りにけり       

68初時雨先客の居る木暮かな        

 

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1月の兼題【初詣】&【風花】(12月末日〆切)

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【冬の戦11・12・1月】

 ★1月の兼題(12月末日〆切。)

 【初詣】

新年になって氏神様やその年の恵方に当たっているほうが句の神社仏閣に参拝すること。傍題に初社、初神籤。

 【風花】

晴天なのに風に乗ってちらちら舞ってくる雪片。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   新句帳一句を得たり初詣

              野村喜舟

   風花の地に着くまでを遊びけり

                         村松路生

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 12月号11の結果(冬の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

読書せる窓辺の外は初時雨

時雨煉瓦校舎に灯が一つ

濁水に作り花散る一葉忌

読みかけのたけくらべ手に一葉忌

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ

 

<点盛りの結果>(冬の戦第1ステージ)

三点句

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

二点句

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 一点句

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

  

 

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 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

初時雨能登行商の頬を打つ・・・三点

時雨の情緒が能登の昔からの風習を上手く俳句にまとめられていて古風であり土地柄が上手く表現されていて見事ですね。今年もいよいよ冬の戦です。

(冬:11月~1月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 日本語の美しきかな一葉忌

樋口一葉の書を手にした作者は、あらためて一葉の著述に日本語の美しさを認識したというもの。私も俳句を詠んでいて心動かされる日本語に出会えることしばしである。

 

 

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 ★1月の兼題(12月末日〆切)

 

【初詣】と【風花】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉全句に視点を当てみました。

 

芭蕉の有名な名句に「行春を近江の人とおしみけり」という句があります。この句には過去の詠嘆を表す切れ字と言われる「けり」が下五の最後に使われています。ところが、この句には他にも同じような句があり、同じ場所で詠まれたであろうとされています。定本岩波文庫の芭蕉俳句集ではこの句には三句同じような句があり推敲されているように思われます。三句挙げてみましょう。

 

行春を近江の人とおしみける・猿蓑

行春を近江の人とおしみけり・蝶すがた

行春や近江の人とおしみける・真蹟懐紙

 

このように「けり」の有る句と無い句、そして「や」の有る句があります。これは並べて見ると芭蕉が切れ字の有る無しをかなり悩んで詠んだ句なのではないかと思われます。ところが詠まれた年が違うようなのです。過去の詠嘆を表す切れ字「けり」が使われた年が元禄四年とあるので、これは後から推敲されたのかも知れません。けれども有名な文献資料としては「猿蓑」となりますから、定本では「ける」となり、元禄三年に収録されています。そこで、この名句には切れ字が有るのか無いのか、どちらを取るのかという疑問が残ります。そして、切れ字「や」の句、この句は「や」で意味が切れますから、春を惜しむという上五と、近江の人と惜しんでいたことは必ずしも一致しない場合もあると解釈出来ます。どうも三句並べるとそうでは無いようですから、この句は「ける」で元禄三年に収録されているようです。以降は1117日勉強会資料をご覧ください。https://onl.sc/ecACLnU

 

(令和四年十二月 上野貴子)

 

 

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【ネット句会後記】

 

冬の戦の第一ステージは一点句が多く言わば混戦模様でした。混戦から抜け出す句は果たしてどの句でしょうか。選評が少なく編集上困っています。選句されましたら選評にご協力願います。今年も終わりが近づいてきました。この句会に参加下さいました皆様に厚く御礼申し上げます。来年もお引き立てのほどお願い申し上げます。

よいお年をお迎えください。

(令和四年十二月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会10月結果発表~

 

<大賞>

 

12 tanaka623 一葉忌をんなはつよくなりぬるや

 

2点句>

 

18 さこたゆう 「十三夜」短き生涯一葉忌

27 橋詰 博 郷愁の荷解く部屋にリンゴの香

36 大倉 宏美 時雨打つ葉音で見入るカレンダー

 

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2023年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦最終ステージ)

 

1信仰無し何は無くとも初詣

2初詣昼日に五円にぎりしめ

3珈琲の戸の外に風花ゆたり

4風花来おもひでひとつ消すやうに

5風花よ乙女青年恋を抜け

6風花や街角低く鴉二羽

7三枚目賀状の文字は大きめに

8風花や百円木馬で風に乗る

9二拍めに揃ふ柏手初詣

10初詣令和五年を握りしめ

11風花のたちまち消ゆる手のひらに

12小吉の御籤ほどよき初詣

13巾着に仕舞ふ吉札初詣

14風花や奥の院への二百段

15真つさらの鈴緒振りたる初詣

16花見小路風花まとい歩くひと

17仰ぐ空風花一つ二つかな

18風花や文投函す遠き友

19風花や道一列の紅き頬

20初詣冷たき水も有難し

21初詣高台よりの海蒼し

22里帰り孫ひまご抱き初詣

23一夜にて縫いし晴れ着を嬰に着す

24高台の神仏に手を初詣

25海見ゆる土俵に子らの初相撲

26野天湯や湯気と風花すれ違う

27猫の髭風花捕え反り返る

28枝高く我が初籤は風に泣く

29風花の煌めきの中郷を捨て

30風花や帰って来いよと郷の声

31外人の肩一つ出て初詣

32巫女たちの札所の灯り初詣 

33風花や母の手書きの文一つ

34庭師去りあとに風花二三片

35地にとどくまで風花の調べかな

36初詣晴れ着姿のまばらなる

37初詣神籤見せ合ふ若夫婦

38朝市の並ぶ川沿ひ風花す

39風花を追ふ子掴む子口開く子

40おくるみの嬰(やや)に風花ふうわりと

41群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     

42初時雨能登行商の頬を打つ        

43着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     

44義士の日や映画の後のしるこかな     

45着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   

46そして皆大人になりぬ一葉忌       

47着膨れて歯のない嬰の破顔かな      

48義士の日や雪に昏れゆく南部坂      

49着ぶくれて見る月食の終るまで     

50義士の日や雨も冷たき泉岳寺       

51陸前は父母のふる里一葉忌        

52読書せる窓辺の外は初時雨        

53てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   

54階段の軋む茶房や初時雨         

55改札に人影の増え初時雨         

56初時雨駅の置き傘借りにけり       

57初時雨産寧坂を濡るるほど        

58お遍路の杖音急ぐ初時雨         

59初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        

60家族皆一つ傘にて初時雨         

61着ぶくれて犬と星空見上げをり     

62義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 

63パン屑の溜まる胸元着ぶくれて    

64義士の日や膝の痛みのいや増して    

65初時雨産寧坂を濡るるほど       

66着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  

67季語帳を繕うテープ小六月       

68「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   

69義士の日を令和の人が行きすぎる    

70義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     

71着ぶくれて南の島の果実剥く      

72着ぶくれて旅行バックを引く婦人    

73義士会や名優達の時を愛で       

74女性史の初めの一歩一葉忌        

75短くも長くも一生一葉忌         

76初時雨天地返しの田が笑い        

77濁水に作り花散る一葉忌         

78読みかけのたけくらべ手に一葉忌     

79野良猫の小走りになる初時雨       

80花街の町家格子や初時雨         

81初時雨灯りのつかぬ老舗宿       

82対岸の陽射し伸びるや初時雨       

83嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      

84着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      

85初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        

86五千円一人飲む酒一葉忌         

87路地裏の声甲高かき一葉忌        

88日本語の美しきかな一葉忌        

89灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       

90初時雨先客の居る木暮かな        

 

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

2月の兼題【春めく】&【春の風邪】(1月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【春の戦2・3・4月】

 

★2月の兼題(1月末日〆切。)

 

【春めく】

寒さがゆるみ、万象春らしく感じることをいう。

 

【春の風邪】

春めいているのに油断からか、思わぬ風邪をひくことがある。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

  卓飾る花のいろいろ春めきぬ

                稲畑汀子

 

  しんがりは妻が勤めぬ春の風邪 

                 石塚友二

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年1月号12月の結果(冬の戦第二ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル

義士の日や膝の痛みのいや増して

季語帳を繕うテープ小六月

初時雨能登行商の頬を打つ

そして皆大人になりぬ一葉忌

 

四点句

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     神長誉夫

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

 

三点句

着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     龍野ひろし

義士の日や映画の後のしるこかな     青山好男

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   辻 雅宏

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

 

二点句

着膨れて歯のない嬰の破顔かな      水野幸子

義士の日や雪に昏れゆく南部坂      辻 雅宏

着ぶくれて見る月食の終るまで      龍野ひろし

義士の日や雨も冷たき泉岳寺       青山好男

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 

一点句

着ぶくれて犬と星空見上げをり     龍野ひろし

義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 田中伸明

パン屑の溜まる胸元着ぶくれて     原田啓子

義士の日や膝の痛みのいや増して    水野幸子

初時雨産寧坂を濡るるほど       辻 雅宏

着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  辻 雅宏

季語帳を繕うテープ小六月       水野幸子

「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   神長誉夫

着ぶくれてタイムサービス早足に    田中伸明

色コーデする暇もなく着膨れて     原田啓子

義士の日を令和の人が行きすぎる    上野貴子

義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     神長誉夫

着ぶくれて南の島の果実剥く      神長誉夫

着ぶくれて旅行バックを引く婦人    上野貴子

義士会や名優達の時を愛で       神長誉夫

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日・・・四点句

初時雨能登行商の頬を打つ・・・四点句

 

能登の句に討ち入りの句が追い付いて来ました。次回の最終ステージでは果たしてどうなるでしょうか。まだコロナ禍ですが今年こそは終焉収束を祈ります。今年も宜しくお願い致します。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日

 

四十七士が忍び足で袴などをはためかせ討ち入る様子が烏の描写と重なり、見事な比喩だと思いました。志士たちの押し殺した息遣いも聞こえてきそうです。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★2月の兼題(1月末日〆切)

 

【春めく】と【春の風邪】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉の詠んだ新年の句を見てみましょう。

 

春立つや新年ふるき米五升・・・芭蕉

 

「新年」で探したところ芭蕉38才の頃のこの句しかありませんでした。江戸時代は立春がお正月だったことが良く解ります。そこで、「餅」の句を探してみました。

「餅雪をしら糸となす柳哉」

「餅を夢に折結ふしだの草枕」

「餅花やかざしにさせる娌(よめ)が君」

「誰が聟(むこ)ぞ歯朶に餅おふうしの年」「煩(わずら)へば餅をも喰はず桃の花」

「鶯や餅に糞する縁のさき」

などの句があり、「餅」は冬の季語ですが、現代では春の季語とされている言葉との季重りが目立ち、まさに立春が一年の始まりだった時代の相違を感じます。この他に「初日の出」の句も芭蕉には見当たりません。

 

むめがゝにのつと日の出る山路かな・・芭蕉

 

この句があるのですが、日の出とあり「むめがゝ」が春の季語です。初日の出の習慣は、日本古来のものと言われますが、明治以降盛んになったとされていて芭蕉の句でも「初日の出」とは呼んでいません。面白いですね。

 

(令和五年一月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

明けましておめでとうございます。

本年もネット句会のお引き立てをよろしくお願い申し上げます。

冬の戦第2ステージは4点句が2つ並びました。最終ステージの選句が楽しみです。そして、投句は春の第1ステージ向けての募集になります。多くのご参加をお待ちしています。この句会では投句と選句はセットですから、セットで参加をお願いします。

(令和五年一月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会11月結果発表~

 

<大賞>

 

10 さこたゆう 着ぶくれて素のままの自分を探す  

             

2点句>

 

2  出口 科野    ゆるやかな時が流れて秋の空

18 奥平雅子     時雨るるや泣いてどうにかなるものか

23 tanaka623     旅心期待と不安で着ぶくれる

38 鈴木 恵美子  渡月橋空の青さと燃える秋

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

2023年2月のネット句会

今月の投句(春の戦第1ステージ)

 

1フリースに包まれ眠る春の風邪

2春めくや老若集うカフェテラス

3春の風邪慢性病も身の内に

4夜の時間やたらと伸びる春の風邪

5レトルトの匂いの粥と春の風邪

6オリオンに向ひ帰宅や春めきて

7餌ねだる猫の鳴き声春めけり

8日当たりの斜めの庭も春めけり

9春の風邪誰も出ぬまま電話鳴る

10春めくやひとりの席に椅子を寄せ

11軽やかに発車のチャイム春めけり

12光さす千体仏や春めけり

13鍵盤に弾む指先春めけり

14春めくやひかり膨らむ堰の水

15妻からのメールにハート春めける

16硝子越し春めくキッチンポット沸く

17上着脱ぎ油断がアダの春の風邪

18目覚めても布団出られず春の風邪

19しののめの鴉の親子春はじめ

20まだぬけずマスクでクシャミ春の風邪

21春めいて草刈られゆく空の堀

22春めきて隣家の灯り眩しけり

23春めきて農婦畑立ち鳥の啼く

24春風邪や花瓶に残る水窓辺

25春風邪や窓から見る山遠し

26春めくや浜辺に人の影あまた

27春めきて薩摩切子を二つ買う 

28春めくや旅のプランを練り直す

29コロナ禍と見紛うほどに春の風邪

30酒二合飲んで寝に入る春の風邪

31嬰のくしゃみ春の風邪飛び散りばめり

32障子戸の春めく光部屋に満つ

33サクサクと雪かく音のうまれけり

34春めきて鼻歌漏るる海女の小屋

35春めきてシェフの帽子も背を伸ばし

36春の風邪汽笛掠れしA列車

37春めきてろくろの土の良く喋る

38春めきてそろそろ嘘の懺悔時

39調弦の軽く揃いて春めきぬ

40ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ

41遠山の丸く見える日春めきぬ

42大っぴらに言えぬ辛さや春の風邪

43一人寝の夜のいつまでも春の風邪

44春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽

45小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ

46社会的距離を忘れて春の風邪

47君のならくれてもいいよ春の風邪

48くちづけのあとでもらひぬ春の風邪

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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3月の兼題【陽炎】&【鳥帰る】(2月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【春の戦2・3・4月】

 

★3月の兼題(2月末日〆切。)

 

【陽炎】

あたたかく晴れた日に、地上から水蒸気が蒸発して、ゆらゆらと炎のように立ち昇る現象をいう。

傍題に、糸遊、かぎろひ、陽炎へる。

 

【春の風邪】

秋に日本に渡来し越冬した渡り鳥は、春になると北方の繁殖地に帰っていく。

傍題に、鳥雲に、鳥雲に入る。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

  かげろふの中へ押し行く乳母車

                轡田 進

 

  鳥帰るいづこの空もさびしからむに 

                 安住 敦

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年2月号1月の結果(冬の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

信仰無し何は無くとも初詣

風花のたちまち消ゆる手のひらに

初詣高台よりの海蒼し

風花や母の手書きの文一つ

初詣晴れ着姿のまばらなる

 

 

五点句

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     神長誉夫

 

四点句

風花や母の手書きの文一つ        原田啓子

外人の肩一つ出て初詣          原田啓子

地にとどくまで風花の調べかな      原田啓子

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

 

三点句

海見ゆる土俵に子らの初相撲       水野幸子

猫の髭風花捕え反り返る         神長誉夫

風花を追ふ子掴む子口開く子       辻 雅宏

着ぶくれて見る月食の終るまで      龍野ひろし

着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     龍野ひろし

義士の日や映画の後のしるこかな     青山好男

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   辻 雅宏

 

二点句

巾着に仕舞ふ吉札初詣          龍野ひろし

おくるみの嬰(やや)に風花ふうわりと  辻 雅宏

信仰無し何は無くとも初詣        山本佐和子

二拍めに揃ふ柏手初詣          井上悦男

珈琲の戸の外に風花ゆたり        山本佐和子

風花や奥の院への二百段         龍野ひろし

義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 田中伸明

着膨れて歯のない嬰の破顔かな      水野幸子

義士の日や雪に昏れゆく南部坂      辻 雅宏

義士の日や雨も冷たき泉岳寺       青山好男

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 

一点句

風花のたちまち消ゆる手のひらに     龍野ひろし

初詣高台よりの海蒼し          水野幸子

初詣晴れ着姿のまばらなる        辻 雅宏

初詣神籤見せ合ふ若夫婦         辻 雅宏

朝市の並ぶ川沿ひ風花す         辻 雅宏

初詣令和五年を握りしめ         井上悦男

風花や道一列の紅き頬          青山好男

着ぶくれて犬と星空見上げをり     龍野ひろし

パン屑の溜まる胸元着ぶくれて     原田啓子

義士の日や膝の痛みのいや増して    水野幸子

初時雨産寧坂を濡るるほど       辻 雅宏

着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  辻 雅宏

季語帳を繕うテープ小六月       水野幸子

「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   神長誉夫

着ぶくれてタイムサービス早足に    田中伸明

色コーデする暇もなく着膨れて     原田啓子

義士の日を令和の人が行きすぎる    上野貴子

義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     神長誉夫

着ぶくれて南の島の果実剥く      神長誉夫

着ぶくれて旅行バックを引く婦人    上野貴子

義士会や名優達の時を愛で       神長誉夫

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日・・・五点句

 

今回の冬の戦では、敵討ちの句が勝ち残りました。「そろり」という表現が仇討ちのすさまじさや切なさを表現されていて上手い句ですね。あっという間にもう春です。次回はいよいよ春の戦となります。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

信仰無し何は無くとも初詣

 

日本人ですね、とにかく元日には家族そろって地元の氏神様へと毎年出かけます。家内安全。家族の健康。世界の平和、小遣いの小銭をもって、何という欲張りなお願いだろうと毎年笑っています。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★3月の兼題(2月末日〆切)

 

【陽炎】と【鳥帰る】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきましたが今回は芭蕉の詠んだ梅の句を見てみましょう。

 

梅が香に昔の一字あはれなり・・・芭蕉

 

「奥の細道」は弥生三月二十七日に出発しているので桜の美しい季節ですが、梅の句はまだ無いのです。そこで、芭蕉51才の句を例句に上げてみました。46才で奥の細道の旅に出かけた後の句です。門人梅丸の息子の一周忌に向けた句で「昔」の一文字が浮かび哀しいという句ですね。この句には「梅が香に昔を問へば春の月答へぬ影ぞ袖にうつれる」という藤原家隆の歌が根底にあると言われています。「昔」を訪ねても月は答えてくれないという切ない歌の「昔」のひと文字に掛けているのでしょう。「初昔」の季語を思い出しますが、お目出度い梅春だけに切なさが込められた名句です。

 

梅一輪一輪ほどの暖かさ・・・嵐雪

 

この句は芭蕉の弟子の服部嵐雪の名句ですね。梅と言えばこの句が有名です。リフレインの畳語が一輪を強調させています。切れ字を使わずにたった一輪だけだというのにという感嘆の意味も伝わります。現代でも古びた感じが全くしない名句として語り継がれています。切れ字「けり」をあまり使わない蕉門の弟子らしい雅な名句ですね。次回はいよいよ芭蕉「奥の細道」へと出発の頃となります。

(令和五年二月 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

冬の戦の決着がつきました。討ち入りの日が5点句になりました。4点句が5句並び、しかも3句が一度に登場でした。伯仲する句が目白押しで楽しみな句会になってきました。令和5年の春の戦の始まりです。選句と投句をよろしくお願いします。

多くのご参加をお待ちしています。

(令和五年二月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会12月結果発表~

 

<大賞>

 16 橋詰 博 夜行列車風花連れて故郷へ

 

2点句>

 

20 奥平 雅子  グラタンの焦げる香のたつ初時雨

27 濱野 洋子 晩酌は二合に決めて掘り炬燵

30 鈴木 恵美子 枝枝に小手毬に似た寒雀

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。