2022年12月ネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

 

1着ぶくれて見る月食の終るまで

2着ぶくれて犬と星空見上げをり

3絶やさぬ窯火陶工は着ぶくれて

4着ぶくれし夜釣りの背中並びけり

5着ぶくれて時間のかかる脱衣場

6着ぶくれて旅行バックを引く婦人

7着ぶくれて電車乗る人降りる人

8着ぶくれを吐き出すバスのターミナル

9着ぶくれてお腹から乗るマタニティー

10義士の日や雪に昏れゆく南部坂

11四十七の香煙空に義士の会

12着ぶくれてタイムサービス早足に

13義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君

14着ぶくれも十年前は着やせ組

15義士の日に誕生祝い赤穂パン

16手足まで着ぶくれ浸かり汗光る

17パン屑の溜まる胸元着ぶくれて

18着ぶくれてチェックインする日本人

19色コーデする暇もなく着膨れて 

20義士の日や四十七士が動いた日

21義士の日に義士の日のことグーグルす

22落葉風なまぬるくコロナ禍の町

23義士の日を令和の人が行きすぎる

24着ぶくれて家路を急ぐ一番星

25着ぶくれて待つ顔険し交差点

26義士の日や映画の後のしるこかな

27義士の日や雨も冷たき泉岳寺

28棒振りてスタアになりし義士の日よ

29風の音石の声冬銀閣寺

30着膨れて歯のない嬰の破顔かな

31義士の日や膝の痛みのいや増して

32嬰を呼ぶ父親の声冬ぬくし

33季語帳を繕うテープ小六月

34小春日や父の顔なり離乳食

35義士会や名優達の時を愛で

36着ぶくれて南の島の果実剥く

37群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日

38「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯

39義士の日や夜を駆けゆく風数ふ

40初時雨能登行商の頬を打つ

41お遍路の杖音急ぐ初時雨         

42初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        

43そして皆大人になりぬ一葉忌       

44家族皆一つ傘にて初時雨         

45女性史の初めの一歩一葉忌        

46短くも長くも一生一葉忌         

47陸前は父母のふる里一葉忌        

48初時雨天地返しの田が笑い        

49読書せる窓辺の外は初時雨        

50濁水に作り花散る一葉忌         

51読みかけのたけくらべ手に一葉忌     

52てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   

53野良猫の小走りになる初時雨       

54初時雨産寧坂を濡るるほど        

55花街の町家格子や初時雨         

56階段の軋む茶房や初時雨         

57初時雨灯りのつかぬ老舗宿        

58改札に人影の増え初時雨         

59対岸の陽射し伸びるや初時雨       

60嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      

61着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      

62初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        

63五千円一人飲む酒一葉忌         

64路地裏の声甲高かき一葉忌        

65日本語の美しきかな一葉忌        

66灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       

67初時雨駅の置き傘借りにけり       

68初時雨先客の居る木暮かな        

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会発表はこちらから

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

1月の兼題【初詣】&【風花】(12月末日〆切)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【冬の戦11・12・1月】

 ★1月の兼題(12月末日〆切。)

 【初詣】

新年になって氏神様やその年の恵方に当たっているほうが句の神社仏閣に参拝すること。傍題に初社、初神籤。

 【風花】

晴天なのに風に乗ってちらちら舞ってくる雪片。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   新句帳一句を得たり初詣

              野村喜舟

   風花の地に着くまでを遊びけり

                         村松路生

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 12月号11の結果(冬の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

読書せる窓辺の外は初時雨

時雨煉瓦校舎に灯が一つ

濁水に作り花散る一葉忌

読みかけのたけくらべ手に一葉忌

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ

 

<点盛りの結果>(冬の戦第1ステージ)

三点句

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

二点句

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 一点句

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

  

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

初時雨能登行商の頬を打つ・・・三点

時雨の情緒が能登の昔からの風習を上手く俳句にまとめられていて古風であり土地柄が上手く表現されていて見事ですね。今年もいよいよ冬の戦です。

(冬:11月~1月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 日本語の美しきかな一葉忌

樋口一葉の書を手にした作者は、あらためて一葉の著述に日本語の美しさを認識したというもの。私も俳句を詠んでいて心動かされる日本語に出会えることしばしである。

 

 

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 ★1月の兼題(12月末日〆切)

 

【初詣】と【風花】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉全句に視点を当てみました。

 

芭蕉の有名な名句に「行春を近江の人とおしみけり」という句があります。この句には過去の詠嘆を表す切れ字と言われる「けり」が下五の最後に使われています。ところが、この句には他にも同じような句があり、同じ場所で詠まれたであろうとされています。定本岩波文庫の芭蕉俳句集ではこの句には三句同じような句があり推敲されているように思われます。三句挙げてみましょう。

 

行春を近江の人とおしみける・猿蓑

行春を近江の人とおしみけり・蝶すがた

行春や近江の人とおしみける・真蹟懐紙

 

このように「けり」の有る句と無い句、そして「や」の有る句があります。これは並べて見ると芭蕉が切れ字の有る無しをかなり悩んで詠んだ句なのではないかと思われます。ところが詠まれた年が違うようなのです。過去の詠嘆を表す切れ字「けり」が使われた年が元禄四年とあるので、これは後から推敲されたのかも知れません。けれども有名な文献資料としては「猿蓑」となりますから、定本では「ける」となり、元禄三年に収録されています。そこで、この名句には切れ字が有るのか無いのか、どちらを取るのかという疑問が残ります。そして、切れ字「や」の句、この句は「や」で意味が切れますから、春を惜しむという上五と、近江の人と惜しんでいたことは必ずしも一致しない場合もあると解釈出来ます。どうも三句並べるとそうでは無いようですから、この句は「ける」で元禄三年に収録されているようです。以降は1117日勉強会資料をご覧ください。https://onl.sc/ecACLnU

 

(令和四年十二月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

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【ネット句会後記】

 

冬の戦の第一ステージは一点句が多く言わば混戦模様でした。混戦から抜け出す句は果たしてどの句でしょうか。選評が少なく編集上困っています。選句されましたら選評にご協力願います。今年も終わりが近づいてきました。この句会に参加下さいました皆様に厚く御礼申し上げます。来年もお引き立てのほどお願い申し上げます。

よいお年をお迎えください。

(令和四年十二月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会10月結果発表~

 

<大賞>

 

12 tanaka623 一葉忌をんなはつよくなりぬるや

 

2点句>

 

18 さこたゆう 「十三夜」短き生涯一葉忌

27 橋詰 博 郷愁の荷解く部屋にリンゴの香

36 大倉 宏美 時雨打つ葉音で見入るカレンダー

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2023年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦最終ステージ)

 

1信仰無し何は無くとも初詣

2初詣昼日に五円にぎりしめ

3珈琲の戸の外に風花ゆたり

4風花来おもひでひとつ消すやうに

5風花よ乙女青年恋を抜け

6風花や街角低く鴉二羽

7三枚目賀状の文字は大きめに

8風花や百円木馬で風に乗る

9二拍めに揃ふ柏手初詣

10初詣令和五年を握りしめ

11風花のたちまち消ゆる手のひらに

12小吉の御籤ほどよき初詣

13巾着に仕舞ふ吉札初詣

14風花や奥の院への二百段

15真つさらの鈴緒振りたる初詣

16花見小路風花まとい歩くひと

17仰ぐ空風花一つ二つかな

18風花や文投函す遠き友

19風花や道一列の紅き頬

20初詣冷たき水も有難し

21初詣高台よりの海蒼し

22里帰り孫ひまご抱き初詣

23一夜にて縫いし晴れ着を嬰に着す

24高台の神仏に手を初詣

25海見ゆる土俵に子らの初相撲

26野天湯や湯気と風花すれ違う

27猫の髭風花捕え反り返る

28枝高く我が初籤は風に泣く

29風花の煌めきの中郷を捨て

30風花や帰って来いよと郷の声

31外人の肩一つ出て初詣

32巫女たちの札所の灯り初詣 

33風花や母の手書きの文一つ

34庭師去りあとに風花二三片

35地にとどくまで風花の調べかな

36初詣晴れ着姿のまばらなる

37初詣神籤見せ合ふ若夫婦

38朝市の並ぶ川沿ひ風花す

39風花を追ふ子掴む子口開く子

40おくるみの嬰(やや)に風花ふうわりと

41群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     

42初時雨能登行商の頬を打つ        

43着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     

44義士の日や映画の後のしるこかな     

45着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   

46そして皆大人になりぬ一葉忌       

47着膨れて歯のない嬰の破顔かな      

48義士の日や雪に昏れゆく南部坂      

49着ぶくれて見る月食の終るまで     

50義士の日や雨も冷たき泉岳寺       

51陸前は父母のふる里一葉忌        

52読書せる窓辺の外は初時雨        

53てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   

54階段の軋む茶房や初時雨         

55改札に人影の増え初時雨         

56初時雨駅の置き傘借りにけり       

57初時雨産寧坂を濡るるほど        

58お遍路の杖音急ぐ初時雨         

59初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        

60家族皆一つ傘にて初時雨         

61着ぶくれて犬と星空見上げをり     

62義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 

63パン屑の溜まる胸元着ぶくれて    

64義士の日や膝の痛みのいや増して    

65初時雨産寧坂を濡るるほど       

66着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  

67季語帳を繕うテープ小六月       

68「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   

69義士の日を令和の人が行きすぎる    

70義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     

71着ぶくれて南の島の果実剥く      

72着ぶくれて旅行バックを引く婦人    

73義士会や名優達の時を愛で       

74女性史の初めの一歩一葉忌        

75短くも長くも一生一葉忌         

76初時雨天地返しの田が笑い        

77濁水に作り花散る一葉忌         

78読みかけのたけくらべ手に一葉忌     

79野良猫の小走りになる初時雨       

80花街の町家格子や初時雨         

81初時雨灯りのつかぬ老舗宿       

82対岸の陽射し伸びるや初時雨       

83嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      

84着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      

85初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        

86五千円一人飲む酒一葉忌         

87路地裏の声甲高かき一葉忌        

88日本語の美しきかな一葉忌        

89灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       

90初時雨先客の居る木暮かな        

 

 

 

 

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2月の兼題【春めく】&【春の風邪】(1月末日〆切)

 

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【春の戦2・3・4月】

 

★2月の兼題(1月末日〆切。)

 

【春めく】

寒さがゆるみ、万象春らしく感じることをいう。

 

【春の風邪】

春めいているのに油断からか、思わぬ風邪をひくことがある。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

  卓飾る花のいろいろ春めきぬ

                稲畑汀子

 

  しんがりは妻が勤めぬ春の風邪 

                 石塚友二

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年1月号12月の結果(冬の戦第二ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル

義士の日や膝の痛みのいや増して

季語帳を繕うテープ小六月

初時雨能登行商の頬を打つ

そして皆大人になりぬ一葉忌

 

四点句

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     神長誉夫

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

 

三点句

着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     龍野ひろし

義士の日や映画の後のしるこかな     青山好男

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   辻 雅宏

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

 

二点句

着膨れて歯のない嬰の破顔かな      水野幸子

義士の日や雪に昏れゆく南部坂      辻 雅宏

着ぶくれて見る月食の終るまで      龍野ひろし

義士の日や雨も冷たき泉岳寺       青山好男

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 

一点句

着ぶくれて犬と星空見上げをり     龍野ひろし

義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 田中伸明

パン屑の溜まる胸元着ぶくれて     原田啓子

義士の日や膝の痛みのいや増して    水野幸子

初時雨産寧坂を濡るるほど       辻 雅宏

着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  辻 雅宏

季語帳を繕うテープ小六月       水野幸子

「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   神長誉夫

着ぶくれてタイムサービス早足に    田中伸明

色コーデする暇もなく着膨れて     原田啓子

義士の日を令和の人が行きすぎる    上野貴子

義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     神長誉夫

着ぶくれて南の島の果実剥く      神長誉夫

着ぶくれて旅行バックを引く婦人    上野貴子

義士会や名優達の時を愛で       神長誉夫

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

 

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日・・・四点句

初時雨能登行商の頬を打つ・・・四点句

 

能登の句に討ち入りの句が追い付いて来ました。次回の最終ステージでは果たしてどうなるでしょうか。まだコロナ禍ですが今年こそは終焉収束を祈ります。今年も宜しくお願い致します。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日

 

四十七士が忍び足で袴などをはためかせ討ち入る様子が烏の描写と重なり、見事な比喩だと思いました。志士たちの押し殺した息遣いも聞こえてきそうです。

 

 

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★2月の兼題(1月末日〆切)

 

【春めく】と【春の風邪】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉の詠んだ新年の句を見てみましょう。

 

春立つや新年ふるき米五升・・・芭蕉

 

「新年」で探したところ芭蕉38才の頃のこの句しかありませんでした。江戸時代は立春がお正月だったことが良く解ります。そこで、「餅」の句を探してみました。

「餅雪をしら糸となす柳哉」

「餅を夢に折結ふしだの草枕」

「餅花やかざしにさせる娌(よめ)が君」

「誰が聟(むこ)ぞ歯朶に餅おふうしの年」「煩(わずら)へば餅をも喰はず桃の花」

「鶯や餅に糞する縁のさき」

などの句があり、「餅」は冬の季語ですが、現代では春の季語とされている言葉との季重りが目立ち、まさに立春が一年の始まりだった時代の相違を感じます。この他に「初日の出」の句も芭蕉には見当たりません。

 

むめがゝにのつと日の出る山路かな・・芭蕉

 

この句があるのですが、日の出とあり「むめがゝ」が春の季語です。初日の出の習慣は、日本古来のものと言われますが、明治以降盛んになったとされていて芭蕉の句でも「初日の出」とは呼んでいません。面白いですね。

 

(令和五年一月 上野貴子)

 

 

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【ネット句会後記】

 

明けましておめでとうございます。

本年もネット句会のお引き立てをよろしくお願い申し上げます。

冬の戦第2ステージは4点句が2つ並びました。最終ステージの選句が楽しみです。そして、投句は春の第1ステージ向けての募集になります。多くのご参加をお待ちしています。この句会では投句と選句はセットですから、セットで参加をお願いします。

(令和五年一月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会11月結果発表~

 

<大賞>

 

10 さこたゆう 着ぶくれて素のままの自分を探す  

             

2点句>

 

2  出口 科野    ゆるやかな時が流れて秋の空

18 奥平雅子     時雨るるや泣いてどうにかなるものか

23 tanaka623     旅心期待と不安で着ぶくれる

38 鈴木 恵美子  渡月橋空の青さと燃える秋

 

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2023年2月のネット句会

今月の投句(春の戦第1ステージ)

 

1フリースに包まれ眠る春の風邪

2春めくや老若集うカフェテラス

3春の風邪慢性病も身の内に

4夜の時間やたらと伸びる春の風邪

5レトルトの匂いの粥と春の風邪

6オリオンに向ひ帰宅や春めきて

7餌ねだる猫の鳴き声春めけり

8日当たりの斜めの庭も春めけり

9春の風邪誰も出ぬまま電話鳴る

10春めくやひとりの席に椅子を寄せ

11軽やかに発車のチャイム春めけり

12光さす千体仏や春めけり

13鍵盤に弾む指先春めけり

14春めくやひかり膨らむ堰の水

15妻からのメールにハート春めける

16硝子越し春めくキッチンポット沸く

17上着脱ぎ油断がアダの春の風邪

18目覚めても布団出られず春の風邪

19しののめの鴉の親子春はじめ

20まだぬけずマスクでクシャミ春の風邪

21春めいて草刈られゆく空の堀

22春めきて隣家の灯り眩しけり

23春めきて農婦畑立ち鳥の啼く

24春風邪や花瓶に残る水窓辺

25春風邪や窓から見る山遠し

26春めくや浜辺に人の影あまた

27春めきて薩摩切子を二つ買う 

28春めくや旅のプランを練り直す

29コロナ禍と見紛うほどに春の風邪

30酒二合飲んで寝に入る春の風邪

31嬰のくしゃみ春の風邪飛び散りばめり

32障子戸の春めく光部屋に満つ

33サクサクと雪かく音のうまれけり

34春めきて鼻歌漏るる海女の小屋

35春めきてシェフの帽子も背を伸ばし

36春の風邪汽笛掠れしA列車

37春めきてろくろの土の良く喋る

38春めきてそろそろ嘘の懺悔時

39調弦の軽く揃いて春めきぬ

40ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ

41遠山の丸く見える日春めきぬ

42大っぴらに言えぬ辛さや春の風邪

43一人寝の夜のいつまでも春の風邪

44春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽

45小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ

46社会的距離を忘れて春の風邪

47君のならくれてもいいよ春の風邪

48くちづけのあとでもらひぬ春の風邪

 

 

 

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3月の兼題【陽炎】&【鳥帰る】(2月末日〆切)

 

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【春の戦2・3・4月】

 

★3月の兼題(2月末日〆切。)

 

【陽炎】

あたたかく晴れた日に、地上から水蒸気が蒸発して、ゆらゆらと炎のように立ち昇る現象をいう。

傍題に、糸遊、かぎろひ、陽炎へる。

 

【春の風邪】

秋に日本に渡来し越冬した渡り鳥は、春になると北方の繁殖地に帰っていく。

傍題に、鳥雲に、鳥雲に入る。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

  かげろふの中へ押し行く乳母車

                轡田 進

 

  鳥帰るいづこの空もさびしからむに 

                 安住 敦

 

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令和5年2月号1月の結果(冬の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

信仰無し何は無くとも初詣

風花のたちまち消ゆる手のひらに

初詣高台よりの海蒼し

風花や母の手書きの文一つ

初詣晴れ着姿のまばらなる

 

 

五点句

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     神長誉夫

 

四点句

風花や母の手書きの文一つ        原田啓子

外人の肩一つ出て初詣          原田啓子

地にとどくまで風花の調べかな      原田啓子

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

 

三点句

海見ゆる土俵に子らの初相撲       水野幸子

猫の髭風花捕え反り返る         神長誉夫

風花を追ふ子掴む子口開く子       辻 雅宏

着ぶくれて見る月食の終るまで      龍野ひろし

着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     龍野ひろし

義士の日や映画の後のしるこかな     青山好男

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   辻 雅宏

 

二点句

巾着に仕舞ふ吉札初詣          龍野ひろし

おくるみの嬰(やや)に風花ふうわりと  辻 雅宏

信仰無し何は無くとも初詣        山本佐和子

二拍めに揃ふ柏手初詣          井上悦男

珈琲の戸の外に風花ゆたり        山本佐和子

風花や奥の院への二百段         龍野ひろし

義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 田中伸明

着膨れて歯のない嬰の破顔かな      水野幸子

義士の日や雪に昏れゆく南部坂      辻 雅宏

義士の日や雨も冷たき泉岳寺       青山好男

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 

一点句

風花のたちまち消ゆる手のひらに     龍野ひろし

初詣高台よりの海蒼し          水野幸子

初詣晴れ着姿のまばらなる        辻 雅宏

初詣神籤見せ合ふ若夫婦         辻 雅宏

朝市の並ぶ川沿ひ風花す         辻 雅宏

初詣令和五年を握りしめ         井上悦男

風花や道一列の紅き頬          青山好男

着ぶくれて犬と星空見上げをり     龍野ひろし

パン屑の溜まる胸元着ぶくれて     原田啓子

義士の日や膝の痛みのいや増して    水野幸子

初時雨産寧坂を濡るるほど       辻 雅宏

着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  辻 雅宏

季語帳を繕うテープ小六月       水野幸子

「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   神長誉夫

着ぶくれてタイムサービス早足に    田中伸明

色コーデする暇もなく着膨れて     原田啓子

義士の日を令和の人が行きすぎる    上野貴子

義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     神長誉夫

着ぶくれて南の島の果実剥く      神長誉夫

着ぶくれて旅行バックを引く婦人    上野貴子

義士会や名優達の時を愛で       神長誉夫

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

 

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日・・・五点句

 

今回の冬の戦では、敵討ちの句が勝ち残りました。「そろり」という表現が仇討ちのすさまじさや切なさを表現されていて上手い句ですね。あっという間にもう春です。次回はいよいよ春の戦となります。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

信仰無し何は無くとも初詣

 

日本人ですね、とにかく元日には家族そろって地元の氏神様へと毎年出かけます。家内安全。家族の健康。世界の平和、小遣いの小銭をもって、何という欲張りなお願いだろうと毎年笑っています。

 

 

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★3月の兼題(2月末日〆切)

 

【陽炎】と【鳥帰る】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきましたが今回は芭蕉の詠んだ梅の句を見てみましょう。

 

梅が香に昔の一字あはれなり・・・芭蕉

 

「奥の細道」は弥生三月二十七日に出発しているので桜の美しい季節ですが、梅の句はまだ無いのです。そこで、芭蕉51才の句を例句に上げてみました。46才で奥の細道の旅に出かけた後の句です。門人梅丸の息子の一周忌に向けた句で「昔」の一文字が浮かび哀しいという句ですね。この句には「梅が香に昔を問へば春の月答へぬ影ぞ袖にうつれる」という藤原家隆の歌が根底にあると言われています。「昔」を訪ねても月は答えてくれないという切ない歌の「昔」のひと文字に掛けているのでしょう。「初昔」の季語を思い出しますが、お目出度い梅春だけに切なさが込められた名句です。

 

梅一輪一輪ほどの暖かさ・・・嵐雪

 

この句は芭蕉の弟子の服部嵐雪の名句ですね。梅と言えばこの句が有名です。リフレインの畳語が一輪を強調させています。切れ字を使わずにたった一輪だけだというのにという感嘆の意味も伝わります。現代でも古びた感じが全くしない名句として語り継がれています。切れ字「けり」をあまり使わない蕉門の弟子らしい雅な名句ですね。次回はいよいよ芭蕉「奥の細道」へと出発の頃となります。

(令和五年二月 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

冬の戦の決着がつきました。討ち入りの日が5点句になりました。4点句が5句並び、しかも3句が一度に登場でした。伯仲する句が目白押しで楽しみな句会になってきました。令和5年の春の戦の始まりです。選句と投句をよろしくお願いします。

多くのご参加をお待ちしています。

(令和五年二月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会12月結果発表~

 

<大賞>

 16 橋詰 博 夜行列車風花連れて故郷へ

 

2点句>

 

20 奥平 雅子  グラタンの焦げる香のたつ初時雨

27 濱野 洋子 晩酌は二合に決めて掘り炬燵

30 鈴木 恵美子 枝枝に小手毬に似た寒雀

 

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2023年11月ネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

1子に頼むタイヤ交換冬日和

2突堤に釣り人並ぶ冬日和

3公園に子らの声する冬日和

4細枝にしがみついてる枯葉かな

5かさこそと乾く音して枯葉道

6冬晴るる妻にデートの申し込み

7白内障術後回復冬日和

8単音の孫のピアノや冬日向

9枯葉散るいいのだけれどそこに居て

10若き日の街夫と訪う冬日和

11白熊のような雲湧く冬日和

12一枚の枯葉の落ちてコトと鳴り

13枯葉舞う生の終焉輝けり

14靴裏の枯葉にそっと声をかけ

15冬晴れや吊るす魚の長き影

16ジャズ祭に赤黄のスウィング枯葉舞う

17冬晴れを大きく吸いてガラス吹く

18瀬に堕ちて尚海目指す枯葉かな

19張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く

20屋根開く球場綿虫の乱舞

21とりどりの枯葉漕ぎゆき懐かしき

22「おはよう」と玄関前の枯葉舞ふ

23滝糸を長く配して冬紅葉

24転車台くるりと廻り冬麗

25船溜まり客が降りくる冬日和

26玻璃越しに光射し込む冬日和

27バスを待つ人の会話や冬日和

28箒目を追いかけるごと降る枯葉

29ひらひらと枯葉舞い来る車椅子

30城門を出でて枯葉に時を読む

31枯葉積む廃線の跡日昇らむ

32妻去りぬ枯葉踏む音仰ぐ空

33冬日和バードウォッチ城の森

34冬日和人声絶えて空青し

35枯葉一片舞い込んで駐輪所

36下り線席が空いてる冬日和

37枯落葉踏めば乾いた音がする

38月白く乾い昼の冬日和

39陽に染まる山は灼けつく枯葉色

40犬の名を呼べば枯葉の音連れて

41鼻広げ河馬浮き上がる冬日和

42冬日和床屋の鋏軽やかに

43冬日和子猫に譲る一等地

44冬日和富士捉えたるファインダー

 

 

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12月の兼題【行く年】&【息白し】(11月末日〆切)

 

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【冬の戦11・12・1月】

 

★12月の兼題(11末日〆切。)

 

【行く年】

年の暮もかなりつまってきてからの流れるような慌ただしさをいう。

傍題に、年逝く、年流る、年送るの晴れわたった穏やかな日和をいう。

傍題に、冬晴、冬晴るる。

 

【息白し】

空気が冷たく、気温が低くなると、吐く息が白く見える。

傍題に、白息。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   ゆく年のゆくさきのあるごとくゆく

                  鷹羽狩行

 

   白息を掌にかけて今日はじまりぬ

                石田波郷 

 

 

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令和5年11月号10月の結果(秋の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

そよ風に紅葉且つ散る点描画

夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿

葉を金箔に変えて一閃稲光

貝ひとつ二百十日の忘れ潮

可愛さに摘むをためらふ草の花

 

 

七点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

草の花笑み柔らかき野の仏      龍野ひろし

 

 

六点句

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

四点句

夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿    水野幸子

通り雨路地を叩いて厄日過ぐ     阿部文彦

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

 

三点句

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

草の花名も無き花に名を付けん    龍野ひろし

草の花微笑み合ひし道祖神      龍野ひろし

普段着で歩く楽しさ草の花      原田啓子

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

 

二点句 

身に入むや玻璃戸を叩く風の音    阿部文彦

紅葉且つ散る石畳馬籠宿       辻 雅宏

葉を金箔に変えて一閃稲光      青山好男

厄日明け薄く泥引く沈下橋      神長 誉夫

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

保母さんに吾子が差し出す草の花   小林 ひろ

石垣の隙間を埋めて草の花      阿部文彦

通り雨二百十日の庭先に       原田啓子

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

受け取りて便り身に入む追って書き  阿部文彦

碧岩に紅葉且つ散る小歩危峡     神長 誉夫

そよ風に紅葉且つ散る点描画     阿部文彦

紅葉かつ散るやほろほろ鳩の声    原田啓子

可愛さに摘むをためらふ草の花    辻 雅宏

友去りぬ長き汽笛の身に入みて    神長 誉夫

流れゆく月日の身に入む便りかな   原田啓子

サックスの身に入む音やジャズクラブ 龍野ひろし

池の面に紅葉且つ散る古都の寺    龍野ひろし

廃線を行けば迎える草の花      阿部文彦

空白し二百十日の畑仕事       青山好男

故郷をのぞむ峠や草の花       青山好男

何もなく二百十日の夕餉かな     阿部文彦

漁場遥か二百十日の波を越え     神長 誉夫

踏みしめる細き山道墓参り      青山好男

父の歳越えて悔悟の墓参り      辻 雅宏

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

一匹の猫の鼻先草の花       原田啓子

おだやかな二百十日の句会かな   辻 雅宏

フェリー航く二百十日の波しずか  辻 雅宏

トテ馬車の蹄の音や草の花     龍野ひろし

 

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ・・・7点

草の花笑み柔らかき野の仏・・・7

 

秋の最終戦では勝残り句が同点句となりました。7点の高得点です。何と今年は11月でもまだ夏日でなかなか選句も難しいです。

この後はもう冬なんですね。どうなるのでしょうか。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

サックスの身に入む音やジャズクラブ

 

ジャズクラブに身を置き、サックスに酔いしれる秋の夜長のひとときを切り取られています。

 

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

 

【行く年】&【息白し】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は天龍寺・永平寺の抄の句を見てみましょう。

 

物書て扇引さく余波哉・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が蕉門の金沢の北枝との別れを詠んだ句です。不用の扇に物を書いて破り捨てようとするが、さすがに名残惜しくて出来かねることだ。あなたとの別れも同じことです。という解釈の句です。この句には切れ字「哉」が使われていますね。

芭蕉は「かな」は「奥の細道」の中では八句に使われています。最後のこれでこの句は終わりですという切れに使われている場合が多い切れ字ですから、この句の使い方も効果的です。文語文法の文章では、やはり切れ字の使い方と同じように、ここで文章が終わりますという意味に使い、終助詞と言われ、詠嘆の意味を表すとされています。ですから切れ字そのものですね。

芭蕉は「余波」と書いて「なごり」と読ませています。これは、波が去った後も残っている波。その影響。などと言う言葉の意味を鑑みて、名残という字ではなく「余波」を使っています。名残惜しくて寂しいという気持ちだけではなく、不用な扇のように捨て去ることは出来ないという弟子を思う気持ちを感じます。けれども旅をつづけなければならないという芭蕉の下五の切れ字「哉」で旅立ちの決断を感じます。

 

(令和五年十一月号より 上野貴子)

 

 

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【ネット句会後記】

 

秋の戦は、かつてない同じ作者の7点句が2つ並んで終わりました。

高得点句が多く並んだたことも特色でした。11月からは冬の戦がスタートです。

兼題「冬日和」「枯葉」に多くの投句をいただきました。12月の兼題もよろしくお願いします。投句と選句をセットにして参加いただき、選評もお忘れなくお寄せください。

(令和五年十一月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会9月結果発表~

 

<大賞>

 

19 さこたゆう 道端の無花果熟し陽の匂ひ

 

2点句>

 

30 鈴木 恵美子 身に入むや湖上にふれる風の音

50 大西 文子 梨かじる口に溢るる水のおと

37 大西 文子 隣家まで伸びた朝顔すまし顔

 

 

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2023年12月のネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

 

1行く年や奥歯の二本抜けたまま

2訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

3身の丈を刻む柱や年送る

4舌先にキャラメル丸め息白し

5白息や白さを競う父子かな

6行く年の想いは果てしなく遠く

7後悔を胸中に秘め年歩む

8息白く明日はどこから風が吹く

9止まらない時は宇宙へ年果てる

10魂を再び覚ます年極み

11行く年や竹馬の友を天に召し

12断捨離の捨と離を残し年逝けり

13改札を行き交ふ人の息白し

14おでかけのメイクの猫の息白し

15駈け抜けて鼻息白し競走馬

16行く年のビル窓拭きの命綱

17行く年や十字に括る新聞紙

18行く年の駅に途切れぬ電子音

19行く年の大さん橋に巨船の灯

20息白し山門出づる僧の列

21行く年を肴に並ぶ赤ら顔

22行く年を帰省バスにて詠む一句

23雨、雪にかわり音なく年行けり

24行く年を炬燵で妻と見送れり

25行く年の淋しき街を孫と行く

26行く年や残り少なき我が齢

27大股に試歩の?幅や息白し

28鹿の骸掘り上げ熊の目の悲し

29ぽかぽかな陽気勤労感謝の日

30羽拡げ白息吐きて愛叫ぶ

31Goal見え湧く白息を振り払ふ

32年流れ邪念渦巻く盆の窪

33白息に包まる君のさようなら

34夜空へと発つトナカイの息白し

35犬の名を呼べば枯葉の音連れて 

36箒目を追いかけるごと降る枯葉 

37突堤に釣り人並ぶ冬日和        

38転車台くるりと廻り冬麗        

39玻璃越しに光射し込む冬日和      

40子に頼むタイヤ交換冬日和       

41バスを待つ人の会話や冬日和      

42冬日和子猫に譲る一等地        

43鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      

44船溜まり客が降りくる冬日和      

45枯葉一片舞い込んで駐輪所       

46張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  

47城門を出でて枯葉に時を読む      

48細枝にしがみついてる枯葉かな     

49下り線席が空いてる冬日和       

50冬日和床屋の鋏軽やかに        

51冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    

52単音の孫のピアノや冬日向       

53滝糸を長く配して冬紅葉        

54枯葉積む廃線の跡日昇らむ       

55若き日の街夫と訪う冬日和       

56冬日和富士捉えたるファインダー  

57靴裏の枯葉にそっと声をかけ 

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

1月の兼題【初鏡】&【三寒四温】(12月末日〆切)

 

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【冬の戦11・12・1月】

 

★1月の兼題(12末日〆切。)

 

【初鏡】

新年になって初めて鏡台に向かって化粧すること。

傍題に、初化粧。

 

【三寒四温】

冬に三日寒い日が続いたあと、四日暖かい日があるという寒暖の変化に周期があるということ。

傍題に、三寒、四温、四温日和、四温晴。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

    初鏡娘のあとに妻坐る

              日野草城

    三寒の寒のつづきて四温なし

               桂信子

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年12月号11月の結果(冬の戦第1ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

冬晴れや吊るす魚の長き影

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く

靴裏の枯葉にそっと声をかけ

冬日和床屋の鋏軽やかに

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く

~~<辻 雅宏選5句>~~

犬の名を呼べば枯葉の音連れて

若き日の街夫と訪う冬日和

玻璃越しに光射し込む冬日和

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和

冬日和富士捉えたるファインダー

  

11月の点盛りの結果

 

四点句

犬の名を呼べば枯葉の音連れて     龍野 ひろし

 

三点句

箒目を追いかけるごと降る枯葉     阿部 文彦

 

二点句 

突堤に釣り人並ぶ冬日和        辻 雅宏

転車台くるりと廻り冬麗        水野 幸子

玻璃越しに光射し込む冬日和      阿部 文彦

子に頼むタイヤ交換冬日和       辻 雅宏

バスを待つ人の会話や冬日和      阿部 文彦

冬日和子猫に譲る一等地        龍野 ひろし

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      龍野 ひろし

 

一点句

船溜まり客が降りくる冬日和      阿部 文彦

枯葉一片舞い込んで駐輪所       上野貴子

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  神長 誉夫

城門を出でて枯葉に時を読む      青山 好男

細枝にしがみついてる枯葉かな     辻 雅宏

下り線席が空いてる冬日和       上野貴子

冬日和床屋の鋏軽やかに        龍野 ひろし

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    神長 誉夫

単音の孫のピアノや冬日向       小林 ひろ

滝糸を長く配して冬紅葉        水野 幸子

枯葉積む廃線の跡日昇らむ       青山 好男

若き日の街夫と訪う冬日和       原田 啓子

冬日和富士捉えたるファインダー    龍野 ひろし

靴裏の枯葉にそっと声をかけ      原田啓子

  

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 犬の名を呼べば枯葉の音連れて・・・4点

冬の戦が始まりました。今年はコロナ禍が明けて久しぶりの年末年始ですが、

どうなることやら楽しみです。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

箒目を追いかけるごと降る枯葉

確かにそうですね。私の庭でも今、藤や紅葉の落ち葉が絶え間なく落ちていて、

箒目を「追いかけるごと」というところに共感しました。

 

 

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★1月の兼題(12月末日〆切)

 

【初鏡】&【三寒四温】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は敦賀の抄の句を見てみましょう。

 

名月や北国日和定なき・・・芭蕉

 

この句は、日本海の美しさと天候の不安定なことを詠んでいますね。中七の部分は「ほっこくびより」と読みます。北陸のお天気のことです。

昨夜の月は美しかったけれども、十五夜の今日には雨が降ってしまった。北陸の空模様は変わり易く解りづらいものだ。芭蕉はこのように俳句にしています。  

芭蕉が好きな「や」が上五にあり、「名月」という季語に付けています。一番多く効果的と云われる切れ字の使い方です。名月を詠みながら雨月を思わせるところが芭蕉ならではですね。

敦賀は歌枕の地として知られていて、月見の景勝地とされていました。この句からは、この日は雨月のようですが「奥の細道」のこの抄は、多くの歌枕や名所が連ねられています。

気比神社にまつわる謂れや仲秋の名月を楽しみに芭蕉はこの地を訪れたのではないでしょうか。その期待に反して、残念ながら雨月となってしまい、この句を詠んでいます。

芭蕉は、この後は船で種の浜へ向かいます。江戸を出発してからこの頃は、もう四ヶ月半がたっています。陸奥の旅「奥の細道」も、そろそろ終わりに近づいて来ているようです。

(令和五年十二月号より 上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

 

冬の戦がスタートしました。いきなり四点句が出ました。残り2カ月の展開が楽しみです。今年も勝ち抜き戦の句会に投句と選句をありがとうございました。

来年春の戦からは少し装いをかえて皆様の投句をお待ちします。

参加戴きました皆様 どうぞよいお年をお迎えください。

(令和五年十二月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会10月結果発表~

 

<大賞>

 

1   橋詰 博 謎解きの枯葉挟んだこの頁

 

2点句>

 

18 鈴木 恵美子 新走りそよ吹く風の蔵の街

27 米重 初枝 喧嘩して仲直りして冬隣

34 大西 文子 鬼ごっこ逃げる児たちを追う枯葉

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2024年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦第3ステージ)

 

1銀輪を連ね少年四温かな

2黒板にいたづら書や四温晴

3白神のぶなの鼓動や四温晴

4華やかな口紅選び初鏡

5初鏡娘めかして紅をひく

6初鏡眼鏡をはずし髪束ね

7首元の衿をどうする三寒四温

8口紅を薄ら引いて初鏡

9夕暮れてまさかのニュース四温晴れ

10ソックスの厚さフカフカ三寒四温

11一病越え老い深し初鏡

12畳目も鮮やかなりし初鏡

13初鏡着物の袖で拭いたり

14城門の門松の先とがりけり

15堀の水櫓静謐初日の出

16八十年生きた跡あり初鏡

17またひとつ年取りにけり初鏡

18この部屋の奥まで映し初鏡

19風止んで三浦三崎の四温晴

20軒下に猫のまどろむ四温かな

21初化粧合わせ鏡に千の笑み

22三寒に朝ヨガ挫け四温待つ

23この獣どこに放つや初鏡

24四温晴れ優駿最後のバーを跳ぶ

25初化粧鏡の迷路彷徨いて

26男にも初鏡てふ今朝の夫

27来客を待たせて座る初鏡

28曲がり角立ち話する四温かな

29石像も戸惑う三寒四温かな

30なんのかのと出かけずじまいの四温かな

31注連縄と日の丸の家希有となり

32上唇に紅引く舞妓初鏡

33三寒の今日の用足し四温待つ

34十七音つながる友ら初句会

35初夢や朝の陽あびてひらひらと

36あらためて老いを知らされ初鏡

37どことなく面差し母に初鏡

38特養の母にほどこす初化粧

39三寒に疼き四温に和む膝

40鋤肩に畑へ向かふ四温晴

41身の丈を刻む柱や年送る       

42後悔を胸中に秘め年歩む       

43改札を行き交ふ人の息白し     

44駈け抜けて鼻息白し競走馬      

45訪ひて行く年想ふ蕪村の碑      

46行く年を帰省バスにて詠む一句    

47雨、雪にかわり音なく年行けり    

48おでかけのメイクの猫の息白し   

49行く年の駅に途切れぬ電子音     

50断捨離の捨と離を残し年逝けり    

51行く年のビル窓拭きの命綱      

52止まらない時は宇宙へ年果てる    

53行く年の大さん橋に巨船の灯     

54船溜まり客が降りくる冬日和     

55行く年や奥歯の二本抜けたまま

56舌先にキャラメル丸め息白し

57白息や白さを競う父子かな

58行く年の想いは果てしなく遠く

59魂を再び覚ます年極み

60行く年や竹馬の友を天に召し

61行く年や十字に括る新聞紙

62息白し山門出づる僧の列

63行く年を肴に並ぶ赤ら顔

64行く年を炬燵で妻と見送れり

65行く年の淋しき街を孫と行く

66行く年や残り少なき我が齢

67大股に試歩の?幅や息白し

68鹿の骸掘り上げ熊の目の悲し

69ぽかぽかな陽気勤労感謝の日

70羽拡げ白息吐きて愛叫ぶ

71Goal見え湧く白息を振り払ふ

72年流れ邪念渦巻く盆の窪

73白息に包まる君のさようなら

74夜空へと発つトナカイの息白し

75犬の名を呼べば枯葉の音連れて 

76箒目を追いかけるごと降る枯葉 

77突堤に釣り人並ぶ冬日和        

78転車台くるりと廻り冬麗        

79玻璃越しに光射し込む冬日和      

80子に頼むタイヤ交換冬日和       

81バスを待つ人の会話や冬日和      

82冬日和子猫に譲る一等地        

83鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      

84枯葉一片舞い込んで駐輪所       

85張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  

86城門を出でて枯葉に時を読む      

87細枝にしがみついてる枯葉かな     

88下り線席が空いてる冬日和       

89冬日和床屋の鋏軽やかに        

90冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    

91単音の孫のピアノや冬日向       

92滝糸を長く配して冬紅葉        

93枯葉積む廃線の跡日昇らむ       

94若き日の街夫と訪う冬日和       

95冬日和富士捉えたるファインダー   

 

 

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

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【春の戦2・3・4月】

★2月におすすめの兼題(1末日〆切。)

 

【梅】

春真っ先に咲く、香り、色、姿など古来より日本人に愛され親しまれている。

傍題に、野梅、白梅、紅梅、枝垂梅、飛梅、梅林、梅園など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   紅白に空を分かちて梅ひらく 高橋悦男

 

   モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ 日下野仁美

     

   なきがらの蜂に黄の縞黒の縞  橋本多佳子

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和6年1月号12月の結果(冬の戦第2ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

おでかけのメイクの猫の息白し

行く年を帰省バスにて詠む一句

雨、雪にかわり音なく年行けり

箒目を追いかけるごと降る枯葉 

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

息白し山門出づる僧の列

行く年や奥歯の二本抜けたまま

止まらない時は宇宙へ年果てる

行く年や十字に括る新聞紙

行く年の大さん橋に巨船の灯

 

点盛りの結果

 

七点句

犬の名を呼べば枯葉の音連れて     龍野 ひろし

 

四点句

行く年や奥歯の二本抜けたまま     原田啓子

箒目を追いかけるごと降る枯葉     阿部 文彦

 

三点句

突堤に釣り人並ぶ冬日和        辻 雅宏

転車台くるりと廻り冬麗        水野 幸子

 

二点句 

行く年や十字に括る新聞紙       龍野 ひろし

息白し山門出づる僧の列        龍野 ひろし

おでかけのメイクの猫の息白し     辻 雅宏

冬日和床屋の鋏軽やかに        龍野 ひろし

玻璃越しに光射し込む冬日和      阿部 文彦

子に頼むタイヤ交換冬日和       辻 雅宏

バスを待つ人の会話や冬日和      阿部 文彦

冬日和子猫に譲る一等地        龍野 ひろし

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      龍野 ひろし

 

一点句

身の丈を刻む柱や年送る       原田啓子

後悔を胸中に秘め年歩む       上野貴子

改札を行き交ふ人の息白し      辻 雅宏

駈け抜けて鼻息白し競走馬      辻 雅宏

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑      原田啓子

行く年を帰省バスにて詠む一句    青山好男

雨、雪にかわり音なく年行けり    青山好男

行く年の駅に途切れぬ電子音     龍野 ひろし

断捨離の捨と離を残し年逝けり    辻 雅宏

行く年のビル窓拭きの命綱      龍野ひろし

止まらない時は宇宙へ年果てる    上野貴子

行く年の大さん橋に巨船の灯     龍野 ひろし

船溜まり客が降りくる冬日和      阿部 文彦

枯葉一片舞い込んで駐輪所       上野貴子

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  神長 誉夫

城門を出でて枯葉に時を読む      青山 好男

細枝にしがみついてる枯葉かな     辻 雅宏

下り線席が空いてる冬日和       上野貴子

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    神長 誉夫

単音の孫のピアノや冬日向       小林 ひろ

滝糸を長く配して冬紅葉        水野 幸子

枯葉積む廃線の跡日昇らむ       青山 好男

若き日の街夫と訪う冬日和       原田 啓子

冬日和富士捉えたるファインダー    龍野 ひろし

 

 

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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

犬の名を呼べば枯葉の音連れて・・・7点

 

冬の戦ではこの句が断トツで勝ち取りました。今年はまさかの1日の能登半島大震災で幕開けでしたが、皆様はお元気ですか。お正月らしさを味わうどころか安否の確認からの年始めですが

どうにか今年の運気が上がりますように

竜神様にお祈りいたしましょう。

(冬:11月~1月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 

行く年のビル窓拭きの命綱

 

一年忙しかったオフィスビルでしょうか、そこにピーンと張った

命綱に支えられた窓ふきの清掃員のてきぱきとした様子が

目に浮かびました。年末らしい光景ですね。

 

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 【春の戦2・3・4月】

2月におすすめの兼題(1末日〆切。)

 【梅】

春真っ先に咲く、香り、色、姿など古来より日本人に愛され親しまれている。

傍題に、野梅、白梅、紅梅、枝垂梅、飛梅、梅林、梅園など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

【山笑ふ】【蜂】

他に、当季雑詠でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は種の浜の抄の句を見てみましょう。

 

波の間や小貝にまじる萩の塵・・・芭蕉

 

この句は、敦賀市色浜の句です。美しい浜の様子がよく解ります。同じ抄に源氏物語の須磨よりも美しい浜だと詠んだ芭蕉の句が書かれていますが、その浜に寄せ来る波に萩の花の花弁が塵のように浮かんでは消えてまた浮かんでは消えと波の泡のようだという句ですね。

ここで芭蕉が「奥の細道」の旅に出たのは、西行法師が歌に詠んだ歌枕を訪ねたいという目的があったのですが、この源氏物語の須磨の浜よりも美しい色浜で、「汐染むるますほの小貝拾ふとて色の浜とはいふにやあるらん」という和歌に詠んでいます。その「小貝」を芭蕉は、まさに、俳句に詠んだのです。

切れ字としては、上五の「や」が使われています。

これは、芭蕉が一番好み効果的だと云われている切れ字の使い方です。

3フレースのどこにも美しい言葉があり「波間」「小貝」「萩」と芭蕉がどこに視点を絞りたいかが切れ字の場所で解ります。こうした俳句では、切れ字が無くては焦点が解りづらいので「や」は効果的ですね。

古風な意味を持つ句なだけに、切れ字の有る無しを論ずるのは避けておきましょう。

(令和六年一月号より 上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

 

明けましておめでとうございます。冬の戦は三馬身リードして七点句が独走の様相です。今年から月ごとの兼題でなく、四季ごとの兼題で毎月詠んでいただくことにしました。2月からは春の戦に入ります。春の兼題3つを3か月間通して、毎月、投句ください。選評にもご協力ください。

それでは、ことしもネット句会への参加をよろしくお願い申し上げます。

(令和六年一月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会11月結果発表~

 

<大賞>

 さこたゆう やり遂げた自分に拍手年流る

 

2点句>

 

17 大西 文子 行年に戦禍の終わりただ祈る

18 大西 文子 行年は一年一年加速する

30 鈴木 恵美子 街並みはひと月早いクリスマス

33 大倉 宏美 早朝の横断歩道息白し

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2024年11月のネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

1行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

2ドア開く電車に落葉滑り込む

3手の平に子の乗せくるる落葉かな

4振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ

5女学院に続く坂道落葉舞ふ

6側溝の流れ堰き止む杉落葉

7幼子と落葉踏みゆく称名寺

8庭の木も身を守るかに落葉する

9四方からの落葉舞いくる集会所

10また今日も空を離れて落葉くる

11虫喰いの穴みな持ちて落葉つむ

12数え日のぴたぴた走るインコかな

13いつも来る藤棚に来て初雀

14とりどりの落葉踏みゆく豊かさよ

15柔らかきところにふるる落葉かな

16縁側の母の背まろし落葉焚

17観る人も掻く人もいて落葉時

18落葉して心細げな大樹かな

19落葉時帚一本あれば良し

20落葉して遠山に見る家一軒

21懐かない猫の餌付けや初雀

22舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る

23三日経ち落葉を纏い猫もどる

24数え日や手を擦り合わせ屋台蕎麦

25数え日や月のない夜に月見蕎麦

26落葉掃くあとからきりもなき落葉

27キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな 

28ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな

29艶めきて色をまだらに柿落葉

30ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

 

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

冬の戦の兼題(11月から1月を通して毎月詠んでください。)
【落葉】【数え日】【初雀】

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【冬の戦11・12・1月】
★12月におすすめの兼題(11月末日〆切。)
【数え日】
今年も指で数えられるほどの残り少ない日をいう。

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

    むさしのの空真青なる落葉かな 水原秋櫻子

    数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ 富安風生

    お手玉のごとくに遊ぶ初雀 下村梅子 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

令和6年11月号10月の結果(秋の戦最終ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~

遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る 

悠揚と国境の河旅鳥超ゆ

この場所を群れが知ってる渡り鳥

高原を一羽遅れて鳥渡る

草に寝て空の青さや鰯雲

 

点盛りの結果

 

五点句

こけそうでこけぬ幼子赤のまま          龍野ひろし

 

四点句

渡り鳥くの字がついに点となる          阿部文彦

あと一歩届かぬ白球いわし雲           瀧口 孝志

汽車降りて別の空あり鰯雲            阿部文彦

木曽川で分かつ県境うろこ雲           辻 雅宏

賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る           辻 雅宏

 

三点句

下町に匂ふコロッケ鰯雲             龍野ひろし

読みかけの頁のしるし鰯雲            上野貴子

山いくつ越えて来たるや渡り鳥          辻 雅宏

 

二点句

海に浮く朱の回廊や鳥渡る           龍野ひろし

照紅葉つなぐ手細き老夫婦           青山好男

鰯雲涼風もさてつかの間か           船津 元

廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          神長 誉夫

すれ違う市電の軋み鰯雲            龍野ひろし

投網打つ漁師の影よ鰯雲            龍野ひろし

鰯雲語ることなく終戦忌            船津 元

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            阿部文彦

用足して鯖雲掬ふ手水鉢            辻 雅宏

鰯雲釣り人並ぶ防波堤             辻 雅宏

 

一点句

指先で空に追ひたる渡り鳥           龍野ひろし

銛の如ジェット貫く鰯雲            神長 誉夫

紅葉を映し堀水動かざる            青山好男

遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る          原田啓子

悠揚と国境の河旅鳥超ゆ            神長 誉夫

排他的水域なんの鳥渡る            辻 雅宏

この場所を群れが知ってる渡り鳥        上野貴子

高原を一羽遅れて鳥渡る            阿部文彦

草に寝て空の青さや鰯雲            阿部文彦

断食や明けて眩しき赤のまま          船津 元

幼き日の涙の透けて赤まんま          山本佐和子

赤まんま三つ編み解きし君遠く         神長誉夫

碧天の日本海越え鳥渡る            辻 雅宏

球場の開閉屋根や獺祭忌            水野幸子

泣きべその子の鼻先へ赤まんま         原田啓子

園児らの駆けゆく先の鰯雲           阿部文彦

鳥渡る同窓会の知らせあり           原田啓子

高層のビル群覆ふ鰯雲             辻 雅宏

鰯雲忙しく走る訪問看護            船津 元

夕陽色巨大な鰯雲のろく            上野貴子

ジャンパーに一秒の空鳥渡る          神長 誉夫

故郷の山を真下に鳥渡る            水野幸子

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  水野幸子

屋敷跡更地にひらく赤まんま          阿部文彦

このままが一番幸せ赤のまま          原田啓子

行く先は風にまかせて赤のまま         龍野ひろし

嫁ぎしと風の便りや赤まんま          神長 誉夫

畦道を郵便バイク赤のまま           龍野ひろし

鰯雲空に漂う点描画              阿部文彦

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

こけそうでこけぬ幼子赤のまま・・・五点

この句が逃げ切りました。丘の上の草原が目に浮かびます。
親子で遊んでいるのでしょう。子供は危なっかしくよく転びますね。
思わず笑ってしまうような微笑ましい句です。
(秋:8月~10月)

 

~~~今月の選評~~~

汽車降りて別の空あり鰯雲

「汽車」という言葉に、都会から遠く離れた静かな田舎を
思い浮かべます。降りたとたん「別の空あり」という
嬉しい発見があり、そこに鰯雲!というイメージが
鮮明で旅愁がそそられる句。

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

【落葉】【数え日】【初雀】

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

★オンライン句会
毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の歴史」今回は、正岡子規のあとに高浜虚子と対立するように河東碧梧桐が革新的な俳句で名を成してゆきます。

赤い椿白い椿と落ちにけり・・・碧梧桐

この句は碧梧桐の代表句ですが、春を呼んでいますが季重なりで字余りです。6,7、5で上五が一文字字余りです。そこが、この句を引き立てていて効果的だと言えます。
愛媛県松山市に松山藩士の五男として生まれた碧梧桐。父は正岡子規の漢学の師。高浜虚子とは中学時に同級であり、後に子規の門下生となるまで、行動をともにした仲の良い友人であったと言います。
子規没後、虚子は「ホトトギス」の経営を、碧梧桐は新聞「日本」の俳句欄を担当。やがて新傾向運動を展開し、季題趣味と定型を打ち破った自由なリズムによる俳句を推進してゆきます。そして、自由で新しい作風を追い求め自由律俳句を生み出してゆきます。現在でもその流れは、前衛的な作風や現代俳句の中に、根強く息ずいています。
(会報令和六年10月号より 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら 
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【ネット句会後記】
秋の戦は、五点句が脱け出し決着がつきました。四点句も五句揃い、接戦でした。
冬の戦が始まっています。三つの兼題のどれを詠んで頂いてもかまいません。
新規の参加者も大歓迎です。投句をたくさんお待ちしています。
でよかった句には感想も記載してくださるようお願いします。
(令和六年十一月 辻 雅宏)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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~LINE公式俳句大会10月結果発表~

<大賞>

37 田辺公子   どんぐりを拾う子らの目キラキラと

<2点句>

12 荒木かをり   星月夜誕生月の海の宿

25 奥平雅子   釣り人の長靴干して秋の浜

26 奥平雅子   透き通るグラスに注ぐ新ワイン

28 大西文子   吾子と焼く今日のお三時アップルパイ

30 大西文子   親に手を振り出遅れる運動会

36 田辺公子   友と行く甘味処の栗づくし

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果の一部と連動してまいります。

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2024年12月のネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

1石焼き芋通り過ぎてく嗚呼数え日

2数え日に過ぎゆく時の神祈る

3数え日にこの年は二度と帰らぬ

4過ぎて行くもう数え日になるなんて

5数え日の未だに嘘か幻か

6好きですと言い出せぬまま数へ日に

7数へ日やいいお年をと口々に

8日めくりをめくりめくりて数へ日に

9数へ日や慌て隣へ回覧版

10数へ日の床屋の鋏フル稼働

11数へ日の大桟橋に巨船の灯

12数へ日や駅に途絶えぬ電子音

13数へ日の飯場に煽るコップ酒

14数へ日や熊出没の立て看板

15数へ日やビルの窓拭く命綱

16数え日や主婦が出てくる小間物屋

17数え日のひと日を上野美術館

18卓上の日めくり数え日となりぬ

19数え日やなすべきことの数多あり

20いろいろの落葉踏みしめ旅終える

21ふりそそぐ言葉となりて落葉かな

22啄めば影も啄み初雀

23重なりて屍となりぬ朴落葉

24身籠りし娘に似るしぐさ初雀

25時雨けり湖底にゆれる雑魚の影

26数え日や疎遠の友を思い出し

27落葉して家路明るく続きおり

28久々に姉と踏む音落葉かな

29数え日を子は大声で数えおり

30数え日の故郷の空の蒼さかな

31落葉舞い夕餉の献立決まりけり

32降り止まぬ落葉に厭いた駐車場

33落葉も黄が多いかな海の街

34隣家の子落葉の山越す三輪車

35凛とした義母の背中や落葉掃き

36ママさんよ熱燗よりも口づけを

37中三の口語文法名の木枯る

38初伊勢やなつてくれろ連れ合いに

39行違ふ舞妓は傘に落葉のせ          

40数え日や月のない夜に月見蕎麦        

41観る人も掻く人もいて落葉時         

42三日経ち落葉を纏い猫もどる        

43振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ        

44ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

45側溝の流れ堰き止む杉落葉          

46庭の木も身を守るかに落葉する        

47縁側の母の背まろし落葉焚          

48落葉掃くあとからきりもなき落葉       

49落葉時帚一本あれば良し           

50数え日のぴたぴた走るインコかな       

51懐かない猫の餌付けや初雀          

52ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな       

53艶めきて色をまだらに柿落葉         

54舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る         

55落葉して心細げな大樹かな           

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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冬の戦の兼題(11月から1月を通して毎月詠んでください。)
【落葉】【数え日】【初雀】

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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【冬の戦11・12・1月】
★1月におすすめの兼題(12月末日〆切。)
【初雀】
元日の雀です。傍題はありません。

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

    むさしのの空真青なる落葉かな 水原秋櫻子

            数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ 富安風生

    お手玉のごとくに遊ぶ初雀 下村梅子 

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令和6年12月号11月の結果(冬の戦第1ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ

観る人も掻く人もいて落葉時

落葉して心細げな大樹かな

数え日や月のない夜に月見蕎麦

 

~~<上野貴子選5句>~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

側溝の流れ堰き止む杉落葉

庭の木も身を守るかに落葉する

縁側の母の背まろし落葉焚

落葉掃くあとからきりもなき落葉

 

点盛りの結果

四点句

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ          龍野ひろし

三点句

数え日や月のない夜に月見蕎麦        瀧口孝志

観る人も掻く人もいて落葉時         原田啓子

二点句

三日経ち落葉を纏い猫もどる        瀧口孝志

振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ        龍野ひろし

ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

一点句

側溝の流れ堰き止む杉落葉          阿部文彦

庭の木も身を守るかに落葉する        阿部文彦

縁側の母の背まろし落葉焚          原田啓子

落葉掃くあとからきりもなき落葉       辻 雅宏

落葉時帚一本あれば良し           原田啓子

キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな      辻 雅宏

数え日のぴたぴた走るインコかな       水野幸子

懐かない猫の餌付けや初雀          瀧口孝志

ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな       辻 雅宏

艶めきて色をまだらに柿落葉         辻 雅宏

舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る         瀧口孝志

落葉して心細げな大樹かな          原田啓子 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ・・・四点

冬の戦の始まりです。風流な句が勝ちとっています。このあとどんな句が迫って来るか楽しみです。短い秋でしたがもう年末ですね。
(冬:11月~1月)

~~~今月の選評~~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

風流な一齣ですね。
(今月は最高得点句は選評句でした。)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★1月の兼題(12月末日〆切)

【落葉】【数え日】【初雀】

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

★オンライン句会<歳末キャンペーン12月8日~15日まで!>
https://youtu.be/ByLnD7xdjXo

毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の展開」今回は、俳句を現代の私たちが使用している言葉を中心に作句しながら、自然な日本語で俳句を作ろうという試みからの「なんちゃって俳句」に視点を当ててみたいと思います。

地球まで星の光りのタイムラグ・・・貴子

この句はオンライン句会で人気があった句です。575の17文字にまとまっていますが季語が無い句なんです。
「星の光」というフレーズが俳句風な情緒を感じる言葉なのだと考えます。月が美しいと言えば秋の句ですが、夏から秋への季節の移り変わりの無い現代では「月」と言わずに宇宙的な感覚でとらえて夜空の美しさを詠いました。読み手にもそんな時代の特徴や自然現象の異常な昨今の社会情勢がきっとこの句への共感を呼んだのだと思います。
無季句はすでに大成された分野でもあり、この句は無季句ですね。と俳句の批評として捉えても間違いでは無いです。無理に季語を探したり、星を月に変えてみたりしても、この句の「タイムラグ」が効いてこないのではないでしょうか。
季語が無いのに川柳ではないという俳句の面白さが読みとれる句です。俳句のすべてのブロックを取っ払って自由な発想で作句してみようという「なんちゃって俳句」の試みでは、この句は無季句としてまとまった句かなぁと思います。

(会報令和六年十二月号より 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
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【ネット句会後記】
冬の戦第一ステージで、いきなり四点句が一句そして三点句が二句と続きました。
二点句も三句あって、第二ステージの展開が楽しみです。
投句される皆様にお願いです。特によかった句には感想を添えて下さるようお願いします。十二月は納め句座です。有終の美を飾る句をお待ちしています。

(令和六年十二月 辻 雅宏)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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~LINE公式俳句大会11月結果発表~

<大賞>

52 山本 佐和子  スニーカー落ち葉を砕く家路にて

<2点句>
4 蒲池由美子 十字路でスマホ持つ人鉢合わせ

6 奥平雅子 大鍋を洗い磨きて冬支度

9 奥平雅子 大業の押して決まるや宮相撲

19 米重初枝 泪落つ落葉その理由知りて落つ

22 橋詰博 吉野川落葉集めて川下り

29 さこたゆう 道端の馬頭観音落ち葉舞ふ

35 鈴木恵美子 山の里落ち葉の足湯カサカサと

36 鈴木恵美子 山門を潜り抜けるや落ち葉道

38 鈴木恵美子 秋空に友とのんびり寺巡り

46 田辺 公子 初時雨ココアとひざ掛け手に読書

49 田辺 公子 創作の意欲むくむく落ち葉や実

51 山本 佐和子 落葉降る本の表紙のことばたち

54 南出千賀子 木にもたれ降る葉はどこへ落葉床

58 荒木 かをり ふり積もれ落葉こどものおもちゃ箱

66 大西 文子 千歳飴貰って笑顔の記念写真

この他の結果はLINEよりご覧ください。

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2025年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦第3ステージ)

1初暦昭和百年といふ睨み

2鳥打ちを斜めにギャバン老の春

3只ごとはとらぬゑ「がんこ」初句会

4花八手ぽんとあやつの誕生花

5年用意終えコップ酒老主筆

6翅閉じツウと歩きし初雀

7初雀待ち人来ずこつち見る

8異国でもめでたくおもふ初雀

9初雀なにを啄む早くから

10鳴き声のどこか寿ぐ初雀

11氏神の庭に遊ぶや初雀

12窓越しに猫ながめをり初雀

13チュンチュンと吾を起こすや初雀

14無人駅の枕木つつく初雀

15数え日や赤丸のつく誕生日

16初雀四方に首を傾げおり

17数え日や子の発熱の知らせ来て

18幼子の赤き指差す初雀

19電線に胸をそろえて初雀

20五羽で来て三羽飛び立つ初雀

21日溜まりのパン屑に群る初雀

22来し方の柳誌の嵩や年惜しむ

23また今日も喪中の報せ年の暮

24落ち葉敷く道をスキップ白き人

25ランナー待つゴールテープに落ち葉降る

26落葉を追い抜き速し御座の船

27新年を待つ神庭に鳩一羽

28落ち葉からぬっと顔だけポメラニアン

29いつになく晴れた空から初雀

30初雀思い悩んでいられない

31空っぽの心に初雀鳴く

32去年今年なにが起きるか解らない

33戻らない笑顔を胸にいざ新年

34群がりてひかり啄む初雀

35四方からひかり集めて初雀

36鳴き声に命の鼓動初雀

37仮名文字の墨の匂ひや初雀

38鉄塔は村の目印初雀

39行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

40観る人も掻く人もいて落葉時

41縁側の母の背まろし落葉焚

42振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ

43数え日や月のない夜に月見蕎麦

44数え日のひと日を上野美術館

45落葉掃くあとからきりもなき落葉

46ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな

47三日経ち落葉を纏い猫もどる

48ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

49数へ日の床屋の鋏フル稼働

50落葉して家路明るく続きおり

51日めくりをめくりめくりて数へ日に

52数へ日の大桟橋に巨船の灯

53時雨けり湖底にゆれる雑魚の影

54ふりそそぐ言葉となりて落葉かな

55久々に姉と踏む音落葉かな

56好きですと言い出せぬまま数へ日に

57数え日や主婦が出てくる小間物屋

58落葉も黄が多いかな海の街

59数へ日やビルの窓拭く命綱

60卓上の日めくり数え日となりぬ

61啄めば影も啄み初雀

62重なりて屍となりぬ朴落葉

63身籠りし娘に似るしぐさ初雀

64側溝の流れ堰き止む杉落葉

65庭の木も身を守るかに落葉する

66落葉時帚一本あれば良し

67キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな

68数え日のぴたぴた走るインコかな

69懐かない猫の餌付けや初雀

70艶めきて色をまだらに柿落葉

71舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る

72落葉して心細げな大樹かな

 

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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)
【盆梅】【燕】【桜】

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【春の戦2・3・4月】
★2月におすすめの兼題(1月末日〆切。)
【盆梅】
盆栽仕立てにした梅です。
傍題に、「鉢の梅」「盆の梅」

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

鉢の梅浮世の義理に開きけり   正岡子規

燕つばめ泥が好きなるつばめかな 細見綾子

さまざまの事思ひ出すさくらかな 松尾芭蕉

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

令和6年1月号12月の結果(冬の戦第2ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~

数へ日やビルの窓拭く命綱

数え日のひと日を上野美術館

卓上の日めくり数え日となりぬ

啄めば影も啄み初雀

重なりて屍となりぬ朴落葉

 

~~<上野貴子選5句>~~

石焼き芋通り過ぎてく嗚呼数え日

好きですと言い出せぬまま数へ日に

日めくりをめくりめくりて数へ日に

数え日や主婦が出てくる小間物屋

数え日や疎遠の友を思い出し

 

点盛りの結果

 

五点句

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ          龍野ひろし

観る人も掻く人もいて落葉時         原田啓子

 

三点句

縁側の母の背まろし落葉焚          原田啓子

振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ         龍野ひろし

数え日や月のない夜に月見蕎麦        瀧口 孝志

 

二点句

数え日のひと日を上野美術館        阿部文彦

落葉掃くあとからきりもなき落葉      辻 雅宏

ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな      辻 雅宏

三日経ち落葉を纏い猫もどる        瀧口 孝志

ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む      辻 雅宏

 

一点句

数へ日の床屋の鋏フル稼働          辻 雅宏

落葉して家路明るく続きおり         原田啓子

日めくりをめくりめくりて数へ日に      辻 雅宏

数へ日の大桟橋に巨船の灯          龍野ひろし

時雨けり湖底にゆれる雑魚の影        水野幸子

ふりそそぐ言葉となりて落葉かな       水野幸子

久々に姉と踏む音落葉かな          原田啓子

好きですと言い出せぬまま数へ日に      辻 雅宏

数え日や主婦が出てくる小間物屋       阿部文彦

落葉も黄が多いかな海の街          船津 元

数へ日やビルの窓拭く命綱          龍野ひろし

卓上の日めくり数え日となりぬ        阿部文彦

啄めば影も啄み初雀             水野幸子

重なりて屍となりぬ朴落葉          水野幸子

身籠りし娘に似るしぐさ初雀         水野幸子

側溝の流れ堰き止む杉落葉          阿部文彦

庭の木も身を守るかに落葉する        阿部文彦

落葉時帚一本あれば良し           原田啓子

キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな      辻 雅宏

数え日のぴたぴた走るインコかな       水野幸子

懐かない猫の餌付けや初雀          瀧口 孝志

艶めきて色をまだらに柿落葉         辻 雅宏

舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る         瀧口 孝志

落葉して心細げな大樹かな          原田啓子

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ・・・五点
観る人も掻く人もいて落葉時・・・五点

年の瀬の戦いの所為でしょうか、競ってます!
何と五点句が二句です。落葉は風情がありまた人の心を動かす情緒もあっていい句が多いですね。最終戦が楽しみです。
(冬:11月~1月)

~~~今月の選評~~~

数へ日やビルの窓拭く命綱

年末によく目にする光景が数へ日
という季語が効いて詩になった。

 

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★2月の兼題(1月末日〆切)

【盆梅】【燕】【桜】

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また、オンライン句会では毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の展開」今回は、「なんちゃって俳句」の第二弾として、何句か上げて考えてみましょう。

風が吹かなきゃ扇子で起こす力・・・貴子

「扇子」が夏の季語ですが風のない夏に風を起こす。人間の動く力を詠んだものです。
力には「権力」「洞察力」「威力」「重力」など、人の動く運動の力意外にさまざまな力がありますが、扇子を動かす運動力と風を起こさせる見えない力を掛けて作者の想いを含めて書いた「力」の句です。
季語として「扇子」がありますが、季語がこの句のお題と言うよりも「力」に作者の言いたいことが込められているのでテーマが「力」と言ったまとめ方の句でしょうか。そこで「なんちゃって俳句」として詠んでいます。
勿論、リズムとしても破調ですが全体として17文字にまとまっています。
心理心情、想いを込めた俳句は、なんちゃって俳句でも境目のないまとまった句と言えるでしょう。

流れ星どこかで思い出がしゃべる・・・貴子

「流れ星」が秋の季語となる句です。この句は自然なしゃべり言葉なので、季語はありますがなんちゃって俳句です。思い出は作者の思い出なので、心情句でいいと思います。懐かしい写真の一齣が星の世界の時空を越えて何か言ったようなそんな気がして、錯覚だろうか、いや聞こえた気がする。そんな気持ちを詠んだのでやっぱり「なんちゃって俳句」ですね。
(会報令和七年一月号より 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
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【ネット句会後記】
明けましておめでとうございます
本年もこのネット句会を盛り上げてくださいますようお願い申し上げます。冬の戦第二ステージでは、五点句が二句となりました。四点句が無く、最終ステージでどちらかが六点句となるのか、同点タイで決着か楽しみな展開です。
今月からは春の戦になります。三つの兼題を自由に詠んでください。
投句される皆様 感想を添えて下さるようお願いします。
(令和七年一月 辻 雅宏)

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~LINE公式俳句大会12月結果発表~

<大賞>

41 大西 文子 家族皆帰りが早い今日おでん

<2点句>

4 蒲池由美子 年末の掃除家族で大騒ぎ

7 蒲池由美子 夕飯のメニュー自慢の茶碗蒸し

21 さこたゆう 日記買ふ一日一句四年目に

26 蒲池由美子 葉牡丹が迎える門出皆元気

39 荒木 かをり 数え日にがやがやとおば三人来

この他の結果はLINEよりご覧ください。

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果の一部と連動してまいります。

自由なオンライン句会はこちら
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11月のネット句会

今月の投句(11月12日更新・冬秋の戦)

1波白く海鳥高く小六月
2母の手を放して拝む七五三
3小春凪海鳥の群れ河口まで
4女の子鈴を鳴らして七五三
5可愛さに娘に話しかけ七五三
6ベランダで小春にそよぐ七分丈
7くしゃみして小春の空をうらみけり
8紅ひいて唇紡ぐ七五三
9千歳飴引きずり歩く着物の子
10父笑う紅引き笑う娘見て
11お互ひに孫連れ出会ふ七五三
12爺婆をしたがへ歩む千歳飴
13縁側で爪切る母の小春かな
14途中下車してまで歩く小春空
15釣り人の等間隔に湖小春
16凩に向かって走るランドセル
17凩や埃巻き上げ屋敷跡
18境内に人の影なし神の留守
19賽銭の音響き合う神の留守
20日溜まりの木戸に寄り添う返り花
21小春日のインコの声の甲高し
22玉砂利を踏みしめる音七五三
23植え替えし多肉植物初時雨
24絨毯にインコの糞や暮早し
25頬かすめ飛び交ふインコ冬に入る
26のったりとエアバルーン浮く小春かな
27学生の声に華やぐ街小春
28おくるみに小春の光編み込んで
29家じゅうがただ嬉しくて七五三
30何の日か問う子もにぎる千歳あめ
31千歳飴だいじに抱え段上がり
32七五三の石段ばかり見ておりぬ
33付いて来ぬ祖父母のぶんまで七五三祝
34小春日の明き林に影さがす
35小春日のピアノ鳴り来る上り坂
36眠る子の帯を解きし七五三
37七五三カメラの前のすまし顔
38鈴の音を零して歩く七五三
39小春日や一家総出の床磨き
40ジャケットの似合うふ青年恋小春
41七五三玉砂利踏む音遠き日々
42七五三鳥居の長き影踏みて
43小春日や猫眠る屋根雲の下
44蝶二頭もつれもつれて小春かな
45江の島や小春に浮かぶ富士の影
46爺婆は鳥居の前や七五三
47産土の神のお祓ひ七五三
48秋時雨鷹は小屋にて眠りをり
49小春日は?みしだかれて牛の夢
50小春日に爪立て空睨め軍鶏独り
51小春日を分け合う人の写真立て
52飴色に干魚艶めく浜小春
53小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く

 

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12月の兼題【冬ざれ】&【クリスマス】(11月31日〆切)

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【冬の戦11・12・1月】

★12月の兼題(11月31日〆切。)

【冬ざれ】

冬の万象の蕭条たるさまをいう時候の季語です。
傍題に、冬され、冬ざるる。

【クリスマス 】

12月25日キリストの誕生を祝う日。
傍題に、降誕祭、聖夜、聖歌、聖樹(クリスマスツリー)、聖菓、クリスマスイブ、サンタクロースなど。

 

<先句に学ぶ>

  冬ざれてうるさき程に鴉鳴く
                                       山下孝子

  靴下がくの字に吊られクリスマス
                                        阿波野青畝

 

 


10月の結果(秋の戦第三ステージ)

七点句

干網に綻びありて浜残暑        神長 誉夫

真つ新の赤き前垂れ地蔵盆       辻 雅宏

 

五点句

雁高く空一層の深みかな        原田 啓子

古書店にばら積みの本残暑なほ     龍野 ひろし

 

四点句

跡継ぎのなくて最後の今年米    龍野 ひろし

残暑なほ旋盤の吐く螺旋屑      龍野 ひろし

アザラシの鼻また開く残暑かな     神長 誉夫

 

三点句

実南天何か良いこと有りさうな    広田洋一

その名にも産地の心今年米      原田 啓子

退職の帰路南天の実はこぼるほど   小南彩乃

雁行や富士の稜線たもちつつ      原田 啓子

病院を出でて残暑へ飛び込まん     芒花

絵手紙に季節をとめる葡萄の実    芒花

悪童もけふは大人し地蔵盆      辻 雅宏

下町の地下道匂ふ残暑かな       龍野 ひろし

遺された母の小さき残暑かな      原田 啓子

 

二点句

秋天に高層ビルの窓光る        広田洋一

豚汁に茸あふるる夕餉かな       水野幸子

二階へと匂ふ新米炊きあがり      井上悦男

花南天掃き寄せられてまたこぼれ    原田 啓子

雲奔りパンデミックの秋暑し      上野 貴子

シャンソンの車窓に広き葡萄園     青山好男

セコイアの天辺をゆく雁の列      阿部文彦

折れてなお確かなるもの雁の棹     原田 啓子

雁渡る見上げる人の地の遠く      芒花

山里へ一声ひびく雁の棹        阿部文彦

葡萄狩り透くる光に手を伸ばし     龍野 ひろし

親と子の影の動くや葡萄棚       龍野 ひろし

語り部の身じろぎもせず原爆忌     濱野 洋子

パチンコ店の音うねりくる残暑かな   小南彩乃

町内の子が減るばかり地蔵盆      阿部文彦

橋渡る貨車に脈打つ河残暑       神長 誉夫

セコイアも棒立ちになる残暑かな    阿部文彦

ビルの間に地蔵詣のニ三人       原田 啓子

里に向く小さき祠地蔵盆        阿部文彦

越してきた子と分ける菓子地蔵盆    小南彩乃

手を合わせ戦火を思う地蔵盆      小南彩乃

             

一点句

コンビニでコピーをとりて良夜かな   濱野 洋子

残暑光父の棺を焼かんとす       原田 啓子

生き馬の目を抜く銀座秋暑し      辻 雅宏

南天の実ゲノムまるごと縁紡ぐ     芒花

古戦場の塚に供へる今年米       小南彩乃

初陣を控えた夜半(よわ)に白南天    小南彩乃

一片の雲なき空に月上る        広田洋一

おかわりの茶碗差し出す今年米     龍野 ひろし

実南天代々続く旧家なり        濱野 洋子

世話をする主亡くとも実南天      小南彩乃

裏庭にいつしか夕陽実南天       上野貴子

実南天なれば目出度し喉に良し     上野貴子

新米を受くる手のひら深きしわ     青山好男

今年米ふるさとの水匂ふかに      水野幸子

掌を零る新米育てし日々の如      神長 誉夫

ゴマ塩を遠慮して振る今年米      原田啓子

実南天築百年の民家裏         井上悦男

新米の炊けてタイマー鳴るキッチン   上野貴子

新米や山下清の握り飯         濱野 洋子

葡萄光る棺の友の顔静か        小南彩乃

ひとくさりありて葡萄を渡される    龍野 ひろし

連れ立ちて明けゆく空を雁渡る     芒花

聳え立つビルの上空雁渡る       広田洋一

葡萄着く小粒を詫びる筆を添へ     龍野 ひろし

一房にひしめき合へりデラウェア    辻 雅宏

雁渡る近くて遠き田舎道        宇田川せいち

薄墨の山のざわめき秋の虹       阿部文彦

赤富士や葡萄棚にも朝の来て      水野幸子

雁が音や潮待ち浦に夢白帆       神長 誉夫

山幾つ越えて来たるや雁の棹      辻 雅宏

雁渡る点から線に日本海        辻 雅宏

黒葡萄蛇笏龍太の里に満つ       辻 雅宏

新涼の肩にのり来るインコかな     水野幸子

センターフライ見上げた先に雁渡る   小南彩乃

葡萄粒透かせば宙の子蹲り       神長 誉夫

重そうな二人の時間黒葡萄       宇田川せいち

大空に黒糸刺繍雁の群れ        青山好男

海静か夕陽に溶け行く雁の影      神長 誉夫

赤信号の続く帰路や秋暑し       宮沢 俊幸

寝息背に灯明辿る地蔵盆        神長 誉夫

里に向く小さき祠地蔵盆        阿部文彦

包丁の切れ味落ちて秋となる      宮沢 俊幸

厠とふ孤独の部屋の残暑かな      辻 雅宏

迷惑メールと根比べの残暑かな     海老名 智子

うろこめく棚田の畔や残暑光      水野 幸子

町内の人をつなぐや地蔵盆       原田 啓子

 

 

 

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         ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

干網に綻びありて浜残暑        神長 誉夫

真つ新の赤き前垂れ地蔵盆       辻 雅宏

 

干網の浜の句が逃げ切りましたが地蔵盆が同点までせって来て面白い戦いでした。コロナ禍の秋はやはり物寂しい俳句に点が集まったようです。次回はコロナ禍二度目の冬の戦です。

(秋:8月~10月)

 

~~~今月の選評~~~

実南天何か良いこと有りさうな

南天の明るい色に良い予感を感じる一句です。寒くなりゆく時期だからこその
良いこと探しをする作者の姿が浮かんできます。

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【今月のワンポイントレッスン】

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年10月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字について「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、10月号では、食欲の秋にちなんで芭蕉全句の中から「食」の句を見てみましょう。

鎌倉を生て出けむ初鰹・・・芭蕉

芭蕉49才の句。江戸時代には鎌倉沖で取れた鰹を生きたまま江戸まで運んでいたようです。鎌倉から江戸の将軍様へ鰹が献上されたことを聞くと、江戸の庶民はこぞって鰹を食べようとしたので高値で売れた訳ですね。鰹は夏の魚ですが、秋の魚と言えば「秋刀魚」です。

秋深き隣は何をする人ぞ・・・芭蕉

この句は芭蕉51歳の句ですが、私はこの句を「焼く人ぞ」と勘違いをしていました。どこか秋刀魚の句のイメージないですか。ところがこの句は、食の句ではないのです。芭蕉は大阪の知人宅で病気のために臥せっていてその秋に詠んだとされています。人恋しさが感じられます。

松茸や知らぬ木の葉がへばりつく・・・芭蕉

この句は芭蕉48歳の句。「松茸」を詠んでいます。松茸採りに行かれた句でしょう。松に生えるから松茸ですが、雑木林で思いもよらず見つけたのでしょうか。俳諧味のある食の句ですね。この「や」は現代ではあまり使われない「ぞ」よりも切れ字としての効果は解りますが、中七下五のユーモラスな印象が切れ字の効果よりも楽しそうで効いていますね。
(2021年令和三年十一月 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
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【ネット句会後記】

二年続けてコロナで始まりコロナで暮れようとしています。ネット句会に参加されている皆さんも少なからずコロナを句に詠まれたことでしょう。来年こそ終息までは無理としても寛解を迎えたいものです。それでは、納め句座への投句お待ちしています。よいお年をお迎えください。
(令和三年十一月 辻 雅宏)

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