2022年5月ネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

1女王も悪魔もありて薔薇の園

2薔薇の香や入園券を買う列に

3器にもこだわりありし衣更

4衣更子のたのもしきふくらはぎ

5もの言える国こそ良けれ薔薇の花

6物憂げな薔薇に振り出す雨の粒

7衣更真っ新な心地で町へ

8いつかまた蔓薔薇の家友の家

9咲く家の主は知らず薔薇の道

10西洋のガーデン真似て薔薇一鉢

11衣更ふ妻の手細きそっと見る

12薔薇かほる若きランナー深き息

13白薔薇や佳きひと眠るカセドラル

14薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな

15母の日や「写真の人」となりし母

16庭師には嘘はつかない薔薇の花

17薔薇の門くぐり主役の仕草せり

18ポケットの財布移して衣更

19船の旅終えて独りの衣更

20家中の窓開け放し衣更

21母の日の大輪の花束空におく

22ベビー服薄手にしたる衣更

23あめんぼにスケーターワルツながれけり

24オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり

25ジカリヨンの鐘に零るる薔薇の露

26薔薇散れりひとひらごとの影もまた

27薔薇の傷触れし唇濡れた赤

28氷刃をあてがふ薔薇の凛として

29薔薇の雨去りゆく影の透きとほる

30ジャガイモの花の中より斜里そびゆ

31旧友に会えたような日更衣 

32更衣へて一段飛ばしの歩道橋

33長き名の薔薇に手書きの名札つけ

34薔薇散るや一寸法師の舟となり

35薔薇の香に途切れ途切れの読書かな

36更衣あれこれ訊かれ三面鏡

37更衣白一団の今朝の駅

38マネキンの肌もあらはに更衣

39薔薇よ薔薇王家の名前つけられて

40薔薇の門くぐり祝ふや婚の客

41蘇る母の味付け木の芽和え

42狭き空ビルの谷間も余花残花

43狂ほしき風の形の雪柳

44ふがいなき傷を負ひたる恋の猫

45燕来る高速道の高架下

  

 

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 月の兼題【短夜】【夏帽子】(5月31日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【夏の戦5・6・7月】

 ★6月の兼題(5月31日〆切。)

【短夜】

その短さ、はかなさを惜しむ気持ちを重ねて夏の夜を呼んだのが短夜という季語です。
傍題に、明易し。

【夏帽子】

夏にかぶる帽子の総称。
傍題に、麦藁帽、パナマ帽、カンカン帽など。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

    短夜のあけゆく水の匂ひかな 

              久保田万太郎

      銀座には銀座のセンス夏帽子

                  松本青風

 

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5月号4月の結果(春の戦第3ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

遅き日のたてぶえ響く通学路

在庫なし遅日の書店めぐる旅

花冷えを描く老爺のベレー帽

ひもすがら上野公園花の冷え

雛飾る母娘三代昼下がり

 

<点盛りの結果>

 

九点句

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像   龍野ひろし

  

六点句

赤子はやはじめの一歩水温む   井上悦男

 

五点句

枕木を数えてわたる雪解風    原田啓子

 

四点句

戸口より笑ひこぼるる雛の家   青山好男

 

三点句

花冷ゆるコーンポタージュの舌ざわり   小南彩乃

椿落つ上り電車の始発駅     井上悦男

雪解けて吾子の靴下現るる    阿部文彦

轟々と光広ぐる雪解川      龍野ひろし

連覇への襷を晒す雪解川     神永誉夫

余寒なほ体育館の保護者会    辻 雅宏

 

二点句

花冷えを描く老爺のベレー帽   青山好男

鎌倉へ母を連れだす遅日かな   阿部文彦

遅き日のたてぶえ響く通学路   山本佐和子

花冷えや夜へと急ぐ貨車の群れ  神永誉夫

盆栽の鋏の音や遅日なる     阿部文彦

枝と枝重なる影や夕長し     青山好男

顔洗ふ無骨なる手に水温む    辻 雅宏

雛飾る母娘三代昼下がり     青山好男

水温む鍵の振れゐるランドセル  井上悦男

さびしくて鈴転がして鳴く子猫  水野幸子

落椿拾い集めて手水鉢      野里 安のり

紅つばき模したるみやび京和菓子 井上悦男

廃屋を護りて咲くや藪椿     阿部文彦

箱出でて頬の冷たき女雛かな   青山好男

椿落つ猫驚きて尾を立てり    辻 雅宏

ふる里の無人の駅の余寒かな   阿部文彦

余寒とて美しき言葉やビル狭間  井上悦男

雪解河わたる客車に人は無く   青山好男

友禅を透かし雪どけ水ながる   青山好男

駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ    水野幸子

雪解水ふわり越え来る転校生   神永誉夫

霊山の嶺より落つる雪解水    辻 雅宏

 

一点句

花冷えや児を抱く手が銃掴む   神永誉夫

柵越しに馬と目の合う遅日かな  原田啓子

在庫なし遅日の書店めぐる旅   小南彩乃

ひもすがら上野公園花の冷え   辻 雅宏

花冷や行き着く先の海の青    井上悦男

キャンドルに影濃き祈り花の冷え 神永誉夫

チョッキ着た犬も小走り花の冷え 辻 雅宏

この星の戦い憂ふ花の冷     井上悦男

花冷えや紅茶にミルクの乱れ雲  神永誉夫

蔵町に鐘の音ひびく遅日かな   阿部文彦

暮遅し猫の窓辺に長く居り    小南彩乃

耳朶にピアスの悔いや花の冷え  神永誉夫

白米の炊けてキッチン暮れ兼ねる 上野貴子

花冷えの町を救急車が走る    上野貴子

ベランダに紫煙くゆらす花の冷え 阿部文彦

一日を大事に大事に椿咲く    原田啓子

泣きたくて泣けぬ夜道の白椿   上野貴子

蓮池の鯉の揺らぎや水温む    水野幸子

五日ほどジョギング休み水温む  阿部文彦

友禅を透かし雪どけ水ながる   青山好男

よく見れば玄関脇に雪間草    野里 安のり

椿落つ小川の水に日の反射    井上悦男

三味線の指しなやかに水温む   原田啓子

立春の大雪山の光かな      水野幸子

仏間までピンクの香りヒヤシンス 水野幸子

地震に覚め支度の時の余寒かな  阿部文彦

雪解川往くに存分なる日差し   山本佐和子

雪解川所々に鄙びた草浸る    山本佐和子

野仏の欠けし目鼻や余寒なほ   龍野ひろし

寸借の厠に残る寒さかな     辻 雅宏

冷えきったサンドイッチの余寒かな 山本佐和子

屋根よりの雪解のしずく早鐘に  水野幸子

余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり 井上悦男

触れ合う手ともに冷たき余寒かな 青山好男

雪解けの声に赤鬼面忘れ     上野貴子

せせらぎの調べ軽やか雪解水   井上悦男

 

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~LINE公式俳句大会4月結果発表~

 大賞 さこたゆう   白薔薇が好き壺にたっぷり活ける

 2点句 

さこたゆう   髪束ねパステルカラーに衣更

濱野 洋子   ブラウスに いつぱいの風更衣

 1点句 

さこたゆう  野茨の角曲がる家へようこそ

      ドライのバラライブの記念に残す

橋詰博    衣更決めて口笛高らかに   

       マネキンの衣更え終えポーカーフェイス

富岡 眞奈      一面の 綿毛蹴り蹴り 散歩する

デビ愛染   花のしべ 雨粒たたえ 咲き誇る

大倉 宏美  衣更早歩きして清々し

南出千賀子  衣更えその手進まぬ母思う

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

      余寒なほ眉間に皺の阿修羅像・・・九点     

 とうとう逃げ切られてしまいました。今年は厳しい春ですね。寒暖の差が激しい季節には厳しい顔の阿修羅像の句が高得点を取りました。この後の夏は今年もきっと猛暑ですね。
(春:2月~4月)

  

~~~今月の選評~~~

 花冷えや児を抱く手が銃掴む

 何句かウクライナ情勢を詠んでいる句がありましたが、この句は
まさに国境で家族との別れ、妻子はポーランドへ夫は戦場へと、
臨場感があり詠み手の心の様が手に取るようにわかります。
ウクライナに平和が早く訪れますように、
家族の再会をいのっています。

 

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月の兼題(5月末日〆切)

 【短夜】【夏帽子】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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【今月のワンポイントレッスン】 

2022年「おしゃべりHAIKUの会」会報5月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は私が手術入院という緊急事態となってしまったことに因んで、曽良が病のために先に帰ることになる別れの無念さを詠んだ句を見てみましょう。

 行き行きてたふれ伏とも萩の原・・・曽良

 この先、師と別れての一人旅の途中でたとえ行倒れてしまおうともそこが萩咲く野でありたいという思いの句です。昔の人は厳しい旅を続けることへの覚悟が現代では考えられないほどのものだったのですね。

 今日よりや書付消さん笠の露・・・芭蕉

 芭蕉が曽良の句に「予も又」と書いた句です。今日からは、もう笠に書いた「同行二人」という文字も露で消してしまおう。という一人旅への覚悟が書かれています。病の為とは言えやはり別れは辛いものですね。ましてや旅先では、不安が多いものです。

始めの句には「切れ字」はありません。575のリズムは整っていますから違和感の無い俳句ですね。

芭蕉の句は上五に「や」があります。これは上五の「けふよりや」と文語調では表記されることで「きょう」という現代読みと同じ五文字となります。「ちょう」が「てふ」と文語調では表記されることと同じですね。ですからこの句も整った句となります。

「や」という切れ字は芭蕉が多く使う切れ字です。ここでは、今日の今からという切ない別れの瞬間を惜しんでいることがよく解ります。

芭蕉の時代には自然な作句法だったのでしょう。「や」の柔らかな音調が効いています。

(令和4年5月上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

春の戦は9点句の独走で終わりました。5月となり初夏に入りました。すごしやすい気持ちのいい季節です。夏の第1ステージには兼題「更衣、薔薇」に40句が寄せられました。特選には選評も添えて下さるようお願いします。そして、6月の兼題にも奮って投句下さるようお待ちしています。

(令和四年五月 辻 雅宏)

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2022年6月ネット句会

今月の投句(夏の戦第2ステージ)

1寝つかれぬ旅の枕や明易し

2没頭の徹夜麻雀明早し

3能登に泊つランプの宿の明易し

4夏帽の改札抜ける海の駅

5九十の伯母輝くや夏帽子

6短夜のヒールの音や石畳 

7天窓の短夜蒼き空のまま

8竿さしてパナマ帽行く運河かな 

9夏帽に飛行機雲の白さかな 

10立ち止まる人話す人夏帽子 

11短夜にスネアが跳ねて弦が追ふ

12しなやかに人混み抜けて夏帽子

13短夜を舐るネオンの熱き舌

14寝顔秘す大小四つの夏帽子

15短夜じゃ濡れた唇乾かない

16青空に曽孫の花柄夏帽子

17明けやすし住職の打つ寺の鐘

18美しきフランス料理蝸牛

19草を抜く手にひらきけり夏の蝶

20発車ベルホーム彩る夏帽子

21突堤に釣り糸垂らす麦藁帽

22観光のパスが吐き出す夏帽子

23短夜や北へ北へと貨車がゆく

24短夜や机上に積みしままの古書

25畦道に葬列白きパナマ帽

26街の色連れ帰りたりパナマ帽

27古机亡父のにおう麦藁帽

28遠き日や紐ちぎれたる麦藁帽

29短夜や浪にただよう孤舟かな

30夏帽子いつか写真のあの町へ

31捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽

32夏帽子やっとお外で子等の声

33短夜のラジオの歌の懐かしく

34短夜のジグソーパズル終わらずに

35母の忌は母の好みし新茶汲む

36お握りの形いびつに豆の飯

37鳴く猫の声をかき消す夏嵐

38武蔵野は薔薇満つ百花風の路

39若返る色を纏ひし更衣

40追ひついて二つとなりし夏帽子

41短夜や老爺ひとりで目刺し焼く

42夏帽子ブルースは熟年の曲

43日の当たる坂に紫紺の夏帽子

44短夜や沖ゆく船の灯の遅速

45短夜のドライヤー急くこともなく

46短夜の深きに沈むレトロチカ

47夏帽子つばの先向く水平線

48親切に過ぎる叔母の屋薔薇の角

49住処より遠き公園薔薇に雨

50女王も悪魔もありて薔薇の園         

51長き名の薔薇に手書きの名札つけ       

52もの言える国こそ良けれ薔薇の花       

53母の日や「写真の人」となりし母       

54母の日の大輪の花束空におく         

55薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      

56更衣へて一段飛ばしの歩道橋         

57家中の窓開け放し衣更            

58咲く家の主は知らず薔薇の道         

59マネキンの肌もあらはに更衣         

60薔薇散れりひとひらごとの影もまた      

61オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     

62薔薇散るや一寸法師の舟となり        

63衣更子のたのもしきふくらはぎ        

64薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        

65薔薇の門くぐり主役の仕草せり        

66いつかまた蔓薔薇の家友の家         

67ポケットの財布移して衣更          

68更衣あれこれ訊かれ三面鏡          

69薔薇の香や入園券を買う列に         

70白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       

  

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月の兼題【滝】【金魚】(6月30日〆切)

 

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【夏の戦5・6・7月】

 

★7月の兼題(6月30日〆切。)

 【滝】

雄大な滝も小さな滝も、眺めてそれぞれに清涼感があるものです。
傍題に、瀑布、滝壺、夫婦滝、滝見茶屋など。

 【金魚】

養殖されて鑑賞用で、紅、白、黒など色、形とも種類が多い。
傍題に、和金、琉金、出目金など。金魚売、金魚鉢は別の兼題になります。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   滝落ちて群青世界とどろけり
              水原秋櫻子 

  金魚浮き時を吸ひては泡を吐く
              西東三鬼

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 6月号5月の結果(夏の戦第1ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 女王も悪魔もありて薔薇の園

もの言える国こそ良けれ薔薇の花

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり

長き名の薔薇に手書きの名札つけ

薔薇散るや一寸法師の舟となり

  

<点盛りの結果>

 

四点句

女王も悪魔もありて薔薇の園        井上悦男

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

 

三点句

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

 

二点句

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

 

一点句

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

  

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大賞 南出 千賀子 旧友と酌み交わす(くみかわす)夜の明け早し

 

2点句

  橋詰 博    村工場訪ねて香る一番茶

  鈴木 恵美子  雨ふふむ命の芽生え葉桜に

                    豆ご飯小指で試す塩加減  

 

1点句

   さこたゆう   太陽をはねのけ白い夏帽子

                  ページ繰る夏の夜(よ)短し時計鳴る

                  幼子の麦わら帽子赤リボン

    濱野 洋子         灯台の風に手を添へ夏帽子

   南出 千賀子     衿足しにUV帽子のつば翳り

    橋詰 博            破天荒竿から逃げた鯉のぼり

    大倉 宏美     夏帽子水玉模様にてんと虫

                      夏帽子虫取りの子の網模様

    じゅんこ     やわき髪ふわりミルクと汗香る  

 鈴木 恵美子    人知れず古刹静まり若葉風

   Keiko     明易し句集のあたりへ手を伸ばし

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

女王も悪魔もありて薔薇の園・・・四点

長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・四点

 

今月から夏の戦が始まります。まずは薔薇の句が2句同点ですね。これからどんな句が迫って来るか楽しみです。

(夏:5月~7月) 

 

~~~今月の選評~~~ 

母の日や「写真の人」となりし母 

写真の人となった母は昨年のことであろう。そう思えばこの句は

しみじみと響いてきます。 

 

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★7月の兼題(6月末日〆切)

 【滝】【金魚】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

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【今月のワンポイントレッスン】 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が呼んだ初夏の名句を見てみましょう。 

あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉 

日光での名句ですね。「青葉若葉」と季語を重ねてひとつの季語として、緑が光輝き美しいことを詠み、新しくなった東照宮を讃頌しています。この句には切れ字は見当たりません。斬新な季語がこの句を印象的にしています。 

木啄も庵はやぶらず夏木立・・・芭蕉 

この夏の句にも切れ字がありません。「夏木立」の仏頂和尚の隠居後を訪て詠んだ句ですが、雨風をしのいだ庵の後が夏木立の中にひっそりとある姿は人の世の刹那を感じさせます。切れ字はこの句にもありません。「や」を好んで使う芭蕉の句の中では、意外に切れ字が無い句が多いのですが、夏の句には、ことさら強調するよりも、季語の印象が強い句が多いようです。

芭蕉の時代から、切れ字の良し悪しはあまり強く解かれていません。

切れ字をよしとするのであれば、どの言葉を用いても切れ字であり、俳句の語調が心地よく整えば、その句の意味が伝わり易いとされています。

やはり、17文字の短い中に、江戸時代の芭蕉の想いが凝縮されているからこそ、現代でも読んで感動し共感するのですね。こうしてみても、現代の私達は現代の言葉の句を詠みたいものです。

(令和四年六月 上野 貴子)

 

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【ネット句会後記】

 夏の戦第一ステージの兼題「薔薇」にいい句が集まったように思いました。6月に入って、ようやく夏らしくなってきました。街ゆく人にも半袖が目立ちます。7月の兼題は滝と金魚を用意いたしました。どちらも清涼感がある兼題です。

たくさんのご応募をお待ちしています。特選の一句には選評も添えて下さるようお願いします。

(令和四年六月 辻 雅宏)

 

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2022年7月ネット句会

今月の投句(夏の戦最終ステージ)

1嫁となり仰ぐオシンコシン滝

2大滝のてつぺんの空ゆがむかな

3五合目のひらけ滝の音きよら

4ビール腹気にする夫と金魚かな

5満腹がわかつておらぬ金魚たち

6滝ひとつ過去の孤独を覚えたり

7こころざし特に無けれど滝仰ぐ

8作り滝ここで一回休みとす

9落つるたび生まれ新たな滝となる

10滝浴びる脇に来たりていま一人

11掬ひ来し三年目なる金魚かな

12枯滝やぽろぽろ零れ行く記憶  

13断崖を吹き上ぐ風や滝枯るる 

14蘭鋳の泳ぐ最上階の夜

15三日だけ誰か金魚を預かって

16ひらひらと金魚の尾鰭鉢の花

17舞う様に咲く様に歌う様に金魚

18滝落ちて言葉をなくし空仰ぐ

19せせらぎの森の精霊滝の音

20滝壺の青さ無音の大宇宙

21泳いでも泳いでも金魚水の檻

22金魚の眼水に溶けゆき鉢の中

23店先の空金魚鉢五円玉

24武家屋敷「金魚」声高に過ぎにけり

25滝壺に飲まる小舟やナイヤガラ

26白水となりて落ちくる瀑布かな

27滝壺へ難題捨てて帰りけり

28ガラス器の中が金魚の小宇宙

29母と子が金魚掬いに袖ぬらし

30遠泳に望み捨てぬや土佐金魚

31白扇のわづかに開き走り滝

32三匹の尾鰭ふれあふ金魚かな

33みどり児の初座りして夕立やむ

34薔薇を切ってオレンジの香に満たされぬ

35野湯浴みや何故に励むか滝の音

36欠伸して強がるポイの金魚かな

37地の底に降り来る滝よ我に入れ

38眼を見張る鉢の金魚や大謀議

39荒滝に抗う岩のまろさかな

40鎮座する猿に箕面の滝しぶき

41遠足の子らの小さき背に瀑布

42浮かぶ藻に遊んでくれろと金魚かな

43どの名でも呼ぶと泡出す金魚かな

44子らと見る遠山の滝那智の滝

45長椅子に飛沫楽しむ滝見茶屋

46神官の袴あをあを滝開き

47見つめれば眼剥き見返す出目金魚

48水換へに応へて金魚ひと泳ぎ

49掬はれて金魚三匹電車乗る

50民宿は蚊帳の匂ひ波の音

51エアキャビン五分の旅路夕焼空

52片陰にままごと遊びワンデイケー

53谷川の涼を連れ添い流れけり

54一礼の鳥居の先は夏祭

55長き名の薔薇に手書きの名札つけ       

56女王も悪魔もありて薔薇の園         

57寝顔秘す大小四つの夏帽子          

58追ひついて二つとなりし夏帽子        

59もの言える国こそ良けれ薔薇の花       

60薔薇散れりひとひらごとの影もまた      

61母の日や「写真の人」となりし母       

62更衣へて一段飛ばしの歩道橋         

63草を抜く手にひらきけり夏の蝶        

64夏帽の改札抜ける海の駅           

65夏帽子つばの先向く水平線          

66発車ベルホーム彩る夏帽子          

67観光のパスが吐き出す夏帽子         

68いつかまた蔓薔薇の家友の家         

69母の日の大輪の花束空におく         

70薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      

71家中の窓開け放し衣更            

72咲く家の主は知らず薔薇の道         

73マネキンの肌もあらはに更衣         

74寝つかれぬ旅の枕や明易し          

75短夜じゃ濡れた唇乾かない          

76街の色連れ帰りたりパナマ帽         

77明けやすし住職の打つ寺の鐘         

78能登に泊つランプの宿の明易し        

79立ち止まる人話す人夏帽子          

80母の忌は母の好みし新茶汲む         

81お握りの形いびつに豆の飯          

82短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        

83竿さしてパナマ帽行く運河かな        

84若返る色を纏ひし更衣            

85夏帽に飛行機雲の白さかな          

86短夜や机上に積みしままの古書        

87捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         

88短夜や沖ゆく船の灯の遅速          

89夏帽子いつか写真のあの町へ         

90短夜や北へ北へと貨車がゆく         

91突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          

92オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     

93薔薇散るや一寸法師の舟となり        

94衣更子のたのもしきふくらはぎ        

95薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        

96薔薇の門くぐり主役の仕草せり        

97ポケットの財布移して衣更          

98更衣あれこれ訊かれ三面鏡          

99薔薇の香や入園券を買う列に         

100白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       

  

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8月の兼題【朝顔】&【】(7月31日〆切

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【秋の戦8・9・10月】

 ★8月の兼題(7月31日〆切。)

 【朝顔】

朝顔は、夏の花と思いきや秋の訪れを告げる花。夜明けに開いて昼にはしぼみます。昔の人はこの花に秋の訪れを感じてきたようです。奈良時代に薬として遣唐使により日本にもたらされたそうです。

傍題に牽牛花。

 【蜩】

夕方や暁方に鳴く蝉。カナカナと哀調ある声が特徴です。

傍題に日暮し、かなかな、寒蝉。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   朝顔へ寝起の貌を近づける

                皆川盤水

   ひぐらしのこゑのつまづく午後三時

                    飯田蛇笏

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  7月号6月の結果(夏の戦第2ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

夏帽の改札抜ける海の駅

母の忌は母の好みし新茶汲む

お握りの形いびつに豆の飯

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く

夏帽子つばの先向く水平線

  

<点盛りの結果>(夏の戦第2ステージ)

五点句

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

四点句

女王も悪魔もありて薔薇の園         井上悦男

三点句

寝顔秘す大小四つの夏帽子          神長誉夫

追ひついて二つとなりし夏帽子        井上悦男

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

二点句

草を抜く手にひらきけり夏の蝶        水野幸子

夏帽の改札抜ける海の駅           辻 雅宏

夏帽子つばの先向く水平線          山本佐和子

発車ベルホーム彩る夏帽子          阿部文彦

観光のパスが吐き出す夏帽子         阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

一点句

寝つかれぬ旅の枕や明易し          辻 雅宏

短夜じゃ濡れた唇乾かない          神長 誉夫

街の色連れ帰りたりパナマ帽         青山好男

明けやすし住職の打つ寺の鐘         水野幸子

能登に泊つランプの宿の明易し        辻 雅宏

立ち止まる人話す人夏帽子          原田啓子

母の忌は母の好みし新茶汲む         伊藤はな

お握りの形いびつに豆の飯          伊藤はな

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        井上悦男

竿さしてパナマ帽行く運河かな        原田啓子

若返る色を纏ひし更衣            伊藤はな

夏帽に飛行機雲の白さかな          原田啓子

短夜や机上に積みしままの古書        阿部文彦

捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         上野貴子

短夜や沖ゆく船の灯の遅速          井上悦男

夏帽子いつか写真のあの町へ         上野貴子

短夜や北へ北へと貨車がゆく         阿部文彦

突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          阿部文彦

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 ★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~LINE公式俳句大会6月結果発表~

 <大賞>

 11 山田 純 我もまた小さき鉢の紅金魚

 <2点句>

 1  南出 千賀子 森を抜け水しぶきキラ滝の音

7  橋詰 博   滝しぶき小猿打たれて大はしゃぎ

13 山田 純   滝に出てマイナスイオン全身に

14 山田 純   永劫に尽きる事なく滝の水

16 訓子     音階を繰るごと動く金魚玉

18 道林 正樹  あじさいが待ってましたと雨に笑う

34 大倉 宏美  山の滝しぶきの向こうはパステル画


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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・五点

 夏の戦では薔薇の句ですが女王の悪魔もアニメのような薔薇園の句を手書きの名札の句が勝ち抜きました。温かみのある文字が浮かぶ優しい句です。この後はものすごい猛暑が続きますが夏の最終戦はどうなるのか楽しみです。

(夏:5月~7月)

 

~~~今月の選評~~~

 夏帽の改札抜ける海の駅

駅の改札口を抜けた先に広がる青い海を思い起こさせる。「夏帽」という言葉が効果的で、涼しげな風を感じさせてくれる。

  

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★8月の兼題(7月末日〆切)

 朝顔】と【

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ夏の名句を見てみましょう。

 

夏草や兵どもが夢の跡・・・芭蕉

 

この句は平泉の抄の句です。藤原三代の栄華の儚さを詠んでいます。芭蕉の好きな切れ字「や」がしみじみとした感慨を生み出し歴史の重さを感じますね。勿論、名句ですから、この「や」は効果的です。「夢の跡」という栄枯盛衰の刹那を上手くまとめています。

同じ平泉の抄に

 

五月雨の降のこしてや光堂・・・芭蕉

 

この句が収録されており、夏の長雨の頃の厳しい旅が伺えます。長い月日は千年の時を越えて芭蕉に語り掛けているようです。この句にもやはり「や」が使われています。現代まで保存され残されている光堂ですが、芭蕉の時代では、雨風をしのいで残されていることが心を打つ何よりの刹那だったと読み取れます。

こうして名句を鑑賞していると、歴史の移り変わりが嘘のように、現代の私たちの心に響いてくる句ばかりです。切れ字のあるなしを芭蕉本人のことさら強く言い伝えてはいないようですが、奥の細道を見ても、芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようです。野点の席で烏帽子姿の平安の貴族たちが短冊に和歌を詠んでいる光景が切れ字「や」から浮かんできます。きっと芭蕉も同じように和歌や連歌から俳句を独立した文芸として高めることを常に理想として考えていたからなのかも知れませんね。

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

 

夏の戦第二ステージが終了しましたが、薔薇を詠んだ二句が高位置をキープしています。最終ステージの展開が楽しみです。そして、投句は秋の第一ステージです。

投句されましたら是非、選句もお願いします。今年は梅雨明けが早く、猛暑が続いています。また、台風もこれからです。しっかり対策をしたいものです。

(令和四年七月 辻 雅宏)

 

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2022年度8・19俳句記念日大会各賞発表!

【2022年度8・19俳句記念日大会各賞発表!】

8月19日の俳句記念日イベント会場にて2022年度の8・19俳句記念日大賞が決定いたしました。

<各賞発表>

特別審査員水越浩幸大賞

 エントリーNo 802 お名前 阿部文彦  様

         俳句「一つ散りひとつ膨らむ夏椿」

特別審査員阿多星花大賞

エントリーNo 274 お名前 内牧京子  様

俳句「啓蟄やもういいかいと鳩時計」

特別審査員飯村明良大賞

エントリーNo 1  お名前 岡田友美佳  様

        俳句「五七五指を折りつつ生ビール」

特別審査員折田安紀大賞

エントリーNo 307 お名前 井上悦男  様

         俳句「紅つばき模したるみやび京和菓子」

特別審査員今野龍二大賞

エントリーNo 438  お名前 石田 香  様

         俳句「どんな子が好きと聞かれて春キャベツ」

俳句記念日大会大賞

エントリーNo 402  お名前 見目千絵  様

        俳句「青蛙逆さまのこと言う大人」

~いよいよ今回の最高峰の賞にまいります。~

8・19俳句記念日大賞

エントリーNo 1075  お名前 宮 沢子  様

         俳句「梅一輪こんな日だったプロポーズ」

<おしゃべりHAIKUの会新人賞>

今回初めての参加でありながら何句もべスト10入りされ新たな息吹を吹き込んで下さいました。

エントリーNo  566  「乱れ舞う寿命短し姫蛍」      お名前 鈴木恵美子

       855 「夏の夜ジャズのビートにはしご酒」

<俳句記念日功労賞>

エントリーNo 464「旧友と酌み交わす夜の明け早し」 お名前 南出千賀子

以上が2022年度の俳句記念日各賞受賞作品&作者の発表でした。これからも俳句記念日をきっかけに俳句に楽しく親しんで下さい。来年度のご応募もすでに開始されています。どしどしご応募下さい。

 

2023年5月ネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

 

1夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋

2配達を終へし自転車夕薄暑

3若きの日下宿薄暑の四畳半

4葉桜に透ける光を仰ぎけり

5サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ

6葉桜の蔭に川瀬の水光る

7魚跳ね水脈引く池に薄暑来る

8バス通り学校帰り薄暑光

9これからが人生本番薄暑光

10葉桜に山移ろえど動かざる

11葉桜を愛でる群れびと城の下

12グランドの若人の息荒し薄暑

13老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな

14葉桜を描くキャンバス青き空

15葉桜やバス駐車場のエンジン音

16集合の駅前に待つ薄暑かな

17作句する語彙の貧しき薄暑かな

18葉桜の中をゆるりと車椅子

19葉桜や人の影なし河津町

20葉桜の中に奏でる瀬音かな

21この川に友と掬いし目高かな 

22娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり

23緑陰を園児らの手を引かれ過ぐ

24葉桜や嬰は保育園なれた頃

25箱車の園児らのゆく薄暑かな

26葉桜の駅に磯の香キハが連れ

27葉桜や詰襟開く初年生

28七色のソーダの泡や浜薄暑

29葉桜の堤煌めく魚鱗追ふ

30葉桜やケルンに注ぐジン香る

31バイオリンの弓締め直す昼薄暑

32薄暑光字余りの句を持て余し

33葉桜の外人もてなす観光地

34葉桜や時代が一つ変わる如

35葉桜の梢へ伸びる緑かな

36二階より豆腐屋止むる夕薄暑

37地下街を出でて地上の街薄暑

38葉桜の隙間を埋むる空の青

39邂逅のマドンナ老いぬ花は葉に

40人影も絶えて堤の花は葉に 

  

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6月の兼題【風薫る】&【木下闇】(5月末日〆切)

 

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【夏の戦5・6・7月】

 

★6月の兼題(5月末日〆切。)

 

【風薫る】

緑の草木を渡ってきて匂うようなすがすがしい夏の風をいう。

傍題に、薫風。

 

【木下闇】

夏木立が茂って、樹の下のほの暗い様子をいう。

傍題に、下闇、青葉闇。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   海からの風山からの風薫る

                鷹羽狩行

 

   名刹といふもおほかた木下闇

                檜 紀代

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 令和5年5月号4月の結果(春の戦最終ステージ)

 

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 砂浅し波に逆らう桜貝

鈍行の揺れにまかせる目借時

乙姫の置き忘れかも桜貝

さくら貝これは羽化した恋の羽

世の此岸生きて蛙の目借り時

  

六点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

 

五点句

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

かげろへる原爆ドーム昼の黙       辻 雅宏

 

三点句

桜貝月の砂漠に流れ着き         上野貴子

曳く波の足跡消すや桜貝         龍野ひろし

鳥帰る空紅色に染まるとき        原田啓子

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

 

二点句

桜貝寄せては返す浪静か         青山好男

鈍行の揺れにまかせる目借時       辻 雅宏

乙姫の置き忘れかも桜貝         辻 雅宏

忘れ潮ひとつ残りし桜貝         阿部文彦

海の歌歌ひて帰るさくら貝        龍野ひろし

忍び寄る汚染知らずや桜貝        原田啓子

曳く波の光残せしさくら貝        龍野ひろし

桜貝出でし亡父のピース缶        神長誉夫

鳥帰るシベリアまでの空遠く       上野貴子

陽炎や軽トラに立つ古箪笥        原田啓子

冒険といふは誰にも鳥帰る        山本佐和子

投げ竿の放物線や鳥雲に         辻 雅宏

マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   神長誉夫

碧天を戦火の郷へ鳥帰る         神長誉夫

鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       龍野ひろし

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

 

一点句

抽斗に遠き日の恋さくら貝       辻 雅宏

砂浅し波に逆らう桜貝         青山好男

さくら貝これは羽化した恋の羽     原田啓子

世の此岸生きて蛙の目借り時      山本佐和子

朝の浜花貝未だ夢の色         神長誉夫

流さるるままに生き抜く桜貝      阿部文彦

砂を透き潮騒を聴く桜貝        水野幸子

上り待つ田中の駅の目借時       神長誉夫

横笛に指動かざる目借時        阿部文彦

住職の法話かすかに目借時       阿部文彦

陽炎の中より吾子が現わるる       阿部文彦

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

鳥帰る人なきコインランドリー      龍野ひろし

捨つ郷や母の影さえかぎろひて      神長誉夫

つぎつぎと水面くずして鳥帰る      井上悦男

一列に並びて北へ鳥帰る         阿部文彦

鈍色の空を二手に鳥帰る         辻 雅宏

伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        辻 雅宏

引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       井上悦男

陽炎に彷徨う少年探偵団         井上悦男

陽炎いて貨物列車の浮いてくる      阿部文彦

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    神長誉夫

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・六点句

 

春の戦の勝ち抜き句となります。春らしく女性の句がかなり追ってきておりました。次回はもう夏となります!

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

桜貝出でし亡父のピース缶

 

亡くなったお父様の小さな秘密を発見したような句。

「ピース缶」がピッタリ決まっています。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★6月の兼題(5月末日〆切)

 

【風薫る】と【木下闇】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は雲巌寺での句を見てみましょう。

啄木も庵はやぶらず夏木立・・・芭蕉

 

「奥の細道」雲巌寺のこの句は夏木立が季語です。啄木は季語ではなく秋から冬の間に啄木につつかれることも無く庵がまだ存在していることを詠んでいるのです。

雲巌寺の裏山の緑が美しい岩山にもたれかかるように庵があり、名僧の伝説を思わせるようだと芭蕉は書いています。今は亡き仏頂和尚を訪ねての一句です。

この句には「切れ字」はありませんが、切れ字を十八とすると「ず」がそうなります。今では「や」「かな」「けり」以外の切れ字にはほとんどふれませんから、この句には切れ字は無いとしても良いでしょう。ただ、芭蕉の江戸時代前期の時代には、切れ字十八と言われていましたので、句そのものとしてはやはり「ず」を切れ字とみなした方がよいと考えました。秋の勉強会の基本資料でも「ず」を切れ字としています。「や」のように芭蕉が好んで使っていた切れ字ではないようですね。「ず」は打消しの助動詞なので変化しますが終止形として「あらず」と中七で意味を切っています。そこで切れ字と考えました。芭蕉の時代のことで解りづらいのですが、やはり「ず」は切れ字と成るでしょう。

(令和五年四月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

 

春の戦は六点句が制しました。チューリップや薔薇が咲き誇ってとても心地よい初夏です。コロナも2類から5類となり、人々の動きも前向きになりつつあります。

いざ 夏の戦の選句と投句です。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年五月 辻 雅宏)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会3月結果発表~

 

<大賞>

 

38 大倉 宏美 あと一行読もう蛙の目借時

 

2点句>

 

1  橋詰 博 駆け抜けた十五の恋の桜貝

2  南出 千賀子 天狗来い春も来い来い高尾山

10 奥平 雅子 春落ち葉昼のランプの洋食屋

18 奥平 雅子 銀座三越ライオン像脱マスク

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。