2023年2月のネット句会

今月の投句(春の戦第1ステージ)

 

1フリースに包まれ眠る春の風邪

2春めくや老若集うカフェテラス

3春の風邪慢性病も身の内に

4夜の時間やたらと伸びる春の風邪

5レトルトの匂いの粥と春の風邪

6オリオンに向ひ帰宅や春めきて

7餌ねだる猫の鳴き声春めけり

8日当たりの斜めの庭も春めけり

9春の風邪誰も出ぬまま電話鳴る

10春めくやひとりの席に椅子を寄せ

11軽やかに発車のチャイム春めけり

12光さす千体仏や春めけり

13鍵盤に弾む指先春めけり

14春めくやひかり膨らむ堰の水

15妻からのメールにハート春めける

16硝子越し春めくキッチンポット沸く

17上着脱ぎ油断がアダの春の風邪

18目覚めても布団出られず春の風邪

19しののめの鴉の親子春はじめ

20まだぬけずマスクでクシャミ春の風邪

21春めいて草刈られゆく空の堀

22春めきて隣家の灯り眩しけり

23春めきて農婦畑立ち鳥の啼く

24春風邪や花瓶に残る水窓辺

25春風邪や窓から見る山遠し

26春めくや浜辺に人の影あまた

27春めきて薩摩切子を二つ買う 

28春めくや旅のプランを練り直す

29コロナ禍と見紛うほどに春の風邪

30酒二合飲んで寝に入る春の風邪

31嬰のくしゃみ春の風邪飛び散りばめり

32障子戸の春めく光部屋に満つ

33サクサクと雪かく音のうまれけり

34春めきて鼻歌漏るる海女の小屋

35春めきてシェフの帽子も背を伸ばし

36春の風邪汽笛掠れしA列車

37春めきてろくろの土の良く喋る

38春めきてそろそろ嘘の懺悔時

39調弦の軽く揃いて春めきぬ

40ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ

41遠山の丸く見える日春めきぬ

42大っぴらに言えぬ辛さや春の風邪

43一人寝の夜のいつまでも春の風邪

44春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽

45小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ

46社会的距離を忘れて春の風邪

47君のならくれてもいいよ春の風邪

48くちづけのあとでもらひぬ春の風邪

 

 

 

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3月の兼題【陽炎】&【鳥帰る】(2月末日〆切)

 

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【春の戦2・3・4月】

 

★3月の兼題(2月末日〆切。)

 

【陽炎】

あたたかく晴れた日に、地上から水蒸気が蒸発して、ゆらゆらと炎のように立ち昇る現象をいう。

傍題に、糸遊、かぎろひ、陽炎へる。

 

【春の風邪】

秋に日本に渡来し越冬した渡り鳥は、春になると北方の繁殖地に帰っていく。

傍題に、鳥雲に、鳥雲に入る。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

  かげろふの中へ押し行く乳母車

                轡田 進

 

  鳥帰るいづこの空もさびしからむに 

                 安住 敦

 

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令和5年2月号1月の結果(冬の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

信仰無し何は無くとも初詣

風花のたちまち消ゆる手のひらに

初詣高台よりの海蒼し

風花や母の手書きの文一つ

初詣晴れ着姿のまばらなる

 

 

五点句

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     神長誉夫

 

四点句

風花や母の手書きの文一つ        原田啓子

外人の肩一つ出て初詣          原田啓子

地にとどくまで風花の調べかな      原田啓子

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

 

三点句

海見ゆる土俵に子らの初相撲       水野幸子

猫の髭風花捕え反り返る         神長誉夫

風花を追ふ子掴む子口開く子       辻 雅宏

着ぶくれて見る月食の終るまで      龍野ひろし

着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     龍野ひろし

義士の日や映画の後のしるこかな     青山好男

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   辻 雅宏

 

二点句

巾着に仕舞ふ吉札初詣          龍野ひろし

おくるみの嬰(やや)に風花ふうわりと  辻 雅宏

信仰無し何は無くとも初詣        山本佐和子

二拍めに揃ふ柏手初詣          井上悦男

珈琲の戸の外に風花ゆたり        山本佐和子

風花や奥の院への二百段         龍野ひろし

義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 田中伸明

着膨れて歯のない嬰の破顔かな      水野幸子

義士の日や雪に昏れゆく南部坂      辻 雅宏

義士の日や雨も冷たき泉岳寺       青山好男

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 

一点句

風花のたちまち消ゆる手のひらに     龍野ひろし

初詣高台よりの海蒼し          水野幸子

初詣晴れ着姿のまばらなる        辻 雅宏

初詣神籤見せ合ふ若夫婦         辻 雅宏

朝市の並ぶ川沿ひ風花す         辻 雅宏

初詣令和五年を握りしめ         井上悦男

風花や道一列の紅き頬          青山好男

着ぶくれて犬と星空見上げをり     龍野ひろし

パン屑の溜まる胸元着ぶくれて     原田啓子

義士の日や膝の痛みのいや増して    水野幸子

初時雨産寧坂を濡るるほど       辻 雅宏

着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  辻 雅宏

季語帳を繕うテープ小六月       水野幸子

「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   神長誉夫

着ぶくれてタイムサービス早足に    田中伸明

色コーデする暇もなく着膨れて     原田啓子

義士の日を令和の人が行きすぎる    上野貴子

義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     神長誉夫

着ぶくれて南の島の果実剥く      神長誉夫

着ぶくれて旅行バックを引く婦人    上野貴子

義士会や名優達の時を愛で       神長誉夫

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

 

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日・・・五点句

 

今回の冬の戦では、敵討ちの句が勝ち残りました。「そろり」という表現が仇討ちのすさまじさや切なさを表現されていて上手い句ですね。あっという間にもう春です。次回はいよいよ春の戦となります。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

信仰無し何は無くとも初詣

 

日本人ですね、とにかく元日には家族そろって地元の氏神様へと毎年出かけます。家内安全。家族の健康。世界の平和、小遣いの小銭をもって、何という欲張りなお願いだろうと毎年笑っています。

 

 

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★3月の兼題(2月末日〆切)

 

【陽炎】と【鳥帰る】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきましたが今回は芭蕉の詠んだ梅の句を見てみましょう。

 

梅が香に昔の一字あはれなり・・・芭蕉

 

「奥の細道」は弥生三月二十七日に出発しているので桜の美しい季節ですが、梅の句はまだ無いのです。そこで、芭蕉51才の句を例句に上げてみました。46才で奥の細道の旅に出かけた後の句です。門人梅丸の息子の一周忌に向けた句で「昔」の一文字が浮かび哀しいという句ですね。この句には「梅が香に昔を問へば春の月答へぬ影ぞ袖にうつれる」という藤原家隆の歌が根底にあると言われています。「昔」を訪ねても月は答えてくれないという切ない歌の「昔」のひと文字に掛けているのでしょう。「初昔」の季語を思い出しますが、お目出度い梅春だけに切なさが込められた名句です。

 

梅一輪一輪ほどの暖かさ・・・嵐雪

 

この句は芭蕉の弟子の服部嵐雪の名句ですね。梅と言えばこの句が有名です。リフレインの畳語が一輪を強調させています。切れ字を使わずにたった一輪だけだというのにという感嘆の意味も伝わります。現代でも古びた感じが全くしない名句として語り継がれています。切れ字「けり」をあまり使わない蕉門の弟子らしい雅な名句ですね。次回はいよいよ芭蕉「奥の細道」へと出発の頃となります。

(令和五年二月 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

冬の戦の決着がつきました。討ち入りの日が5点句になりました。4点句が5句並び、しかも3句が一度に登場でした。伯仲する句が目白押しで楽しみな句会になってきました。令和5年の春の戦の始まりです。選句と投句をよろしくお願いします。

多くのご参加をお待ちしています。

(令和五年二月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会12月結果発表~

 

<大賞>

 16 橋詰 博 夜行列車風花連れて故郷へ

 

2点句>

 

20 奥平 雅子  グラタンの焦げる香のたつ初時雨

27 濱野 洋子 晩酌は二合に決めて掘り炬燵

30 鈴木 恵美子 枝枝に小手毬に似た寒雀

 

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2023年3月のネット句会

今月の投句(春の戦第2ステージ)

 

1街はドラマエンドロールの陽炎す

2線香ゆらと真昼の墓場かぎろひす

3鳥帰る夕日の湖はきらめきて

4冒険といふは誰にも鳥帰る

5帰る雁月光の間を通りけり

6陽炎ふや水面に燭の灯影かな

7鳥雲に水面の影の途切れずに

8引き上ぐる浜の小船や鳥雲に

9つぎつぎと水面くずして鳥帰る

10陽炎に彷徨う少年探偵団  

11鳥帰るいま戦争のなき国へ

12抜き去りしランナーはいま陽炎へ

13鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス

14鳥帰る人なきコインランドリー

15鳥帰る住み慣れし街下に見て

16遮断機の向う陽炎に乳母車

17海までの一本道野馬の立つ

18踏切の音近く陽炎の町迫る

19鳥帰るシベリアまでの空遠く

20別れぎわいつものように鳥帰る

21旧き家の女雛の髪のほつれかな

22女児なき家に春告げて雛飾り

23陽炎にかすみて遠き生駒かな

24陽炎や若き水兵港街

25陽炎や道行く顔のやはらかさ

26陽炎いて貨物列車の浮いてくる

27陽炎の中より吾子が現わるる

28返信の便りの如く鳥帰る

29鳥帰る鳥には鳥の掟あり

30一列に並びて北へ鳥帰る

31春の嬰3歩あゆんでドヤ顔に

32母の手に頭なでられ嬰うらら

33嬰泣いて胸いたくなる春うらら

34けらけらと嬰の笑いや春めける

35泣き声も泣き顔もよし春の嬰 

36碧天を戦火の郷へ鳥帰る

37マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて

38岬端に踏み締む土や鳥帰る

39捨つ郷や母の影さえかぎろひて

40雲は裂け光に濡れて鳥帰る

41鳥帰る空紅色に染まるとき

42鳥帰りトルコ地震の悲報来る

43かげろふや百面相の孫の顔

44教職を辞して日々これ陽炎ヘリ

45陽炎や軽トラに立つ古箪笥

46陽炎を抜けてちんちん電車来る

47かげろへる原爆ドーム昼の黙

48鈍色の空を二手に鳥帰る

49伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る

50投げ竿の放物線や鳥雲に

51春めきて薩摩切子を二つ買う       

52春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      

53調弦の軽く揃いて春めきぬ        

54餌ねだる猫の鳴き声春めけり       

55軽やかに発車のチャイム春めけり     

56障子戸の春めく光部屋に満つ       

57春めきてろくろの土の良く喋る      

58日当たりの斜めの庭も春めけり      

59ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     

60遠山の丸く見える日春めきぬ       

61フリースに包まれ眠る春の風邪      

62春風邪や窓から見る山遠し        

63君のならくれてもいいよ春の風邪     

64妻からのメールにハート春めける     

65オリオンに向ひ帰宅や春めきて      

66光さす千体仏や春めけり         

67一人寝の夜のいつまでも春の風邪     

68レトルトの匂いの粥と春の風邪      

69春めくやひかり膨らむ堰の水       

70春の風邪汽笛掠れしA列車        

71春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        

72小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       

73鍵盤に弾む指先春めけり         

74春めいて草刈られゆく空の堀       

75春めくや老若集うカフェテラス      

76春めくや旅のプランを練り直す      

 

 

 

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4月の兼題【蛙の目借時】&【桜貝】(3月末日〆切)

 

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【春の戦2・3・4月】

 ★4月の兼題(3月末日〆切。)

 【蛙の目借時】

春深く蛙のしきりに鳴く頃は眠気に襲われる。これは蛙に目を借りられるからだという。

傍題に、目借時。

 【桜貝】

浅海の砂泥に産する小形の二枚貝。色と形が桜の花びらに似ているのでこの名がある。

傍題に、花貝、紅貝。

  

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

   黒板にチョークの音や目借時

                                       福川悠子

   ひく波の跡美しや桜貝

                        安住 敦

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年3月号2月の結果(春の戦第1ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

フリースに包まれ眠る春の風邪

オリオンに向ひ帰宅や春めきて

日当たりの斜めの庭も春めけり

軽やかに発車のチャイム春めけり

調弦の軽く揃いて春めきぬ

 

 

三点句

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

 

二点句

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

 

一点句

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

春めきて薩摩切子を二つ買う・・・三点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・三点句

調弦の軽く揃いて春めきぬ・・・三点句

 

春の戦が始まりました。コロナ禍での風邪は怖いもおですが俳句には春らしい句材が人気のようです。

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

春めきてろくろの土の良く喋る

 

土と向き合い一心に陶芸に励む作者。春の気配を感じ、思わず捏ね

ている土との対話が弾む昼下がり。

 

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★4月の兼題(3月末日〆切)

 

【蛙の目借時】と【桜貝】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は序文の中の最初の句を見てみましょう。

 草の戸も住替る代ぞひなの家・・・芭蕉

 「奥の細道」弥生三月二十七日に出発して150日、2400Kmにおよぶ旅の紀行文の始まりです。この句の切れ字は「ぞ」。自分が引き払った家には次の住人が娘や孫と住むであろう。そのことに感慨を込めています。人生の刹那です。

芭蕉は、この序文で「人生は旅である」と述べて紀行文のすべてを言い尽くしています。

原文の中で「古人」というのは、おそらく李白、杜甫、宗祇、そして西行でしょう。芭蕉46歳の春から秋にかけての最大の北の旅への想いが綴られた有名な序文の一句です。三月は雛の節供があり、そして桜が咲く季節です。

 行春や鳥啼魚の目は泪・・・芭蕉

 旅立の抄の句です。上野や谷中では桜が咲いているけれど、今度いつ見られるであろうかという不安が込められた句で、切れ字は「や」です。過ぎてしまう春が惜しまれる感嘆が見事に表現されています。この「や」が芭蕉の切れ字の多くを代表していますね。たった十七文字に凝縮された俳句の素晴らしさと難しさを感じます。

(令和五年三月 上野貴子)

 

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 【ネット句会後記】

 令和5年の春の戦が始まりました。第1ステージは「春めきぬ」を詠んでいただきましたが、三月というのに春のきざしがまだ感じられません。花が咲き、うららからな四月が一気に来そうです。投句と選句をセットにして参加下さい。

(令和五年三月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会1月結果発表~

<大賞>

16 橋詰 博 夜行列車風花連れて故郷へ

2点句>

20 奥平 雅子  グラタンの焦げる香のたつ初時雨

27 濱野 洋子 晩酌は二合に決めて掘り炬燵

30 鈴木 恵美子 枝枝に小手毬に似た寒雀

 

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2023年4月ネット句会

今月の投句(春の戦最終ステージ)

 1桜貝月の砂漠に流れ着き

2小石かと蟹が蹴とばす桜貝

3帰る家まだある桜貝の詩

4蛙まだ見かけぬうちに目借時

5悔しさに砂浜白く桜貝

6砂浅し波に逆らう桜貝

7桜貝置き所無く海広し

8桜貝繰り返し聴く波の音

9桜貝寄せては返す浪静か

10城映す狛犬まなこねこやなぎ

11鈍行の揺れにまかせる目借時

12二駅を乗り越し気づく目借時

13濡れ縁の猫も舟こぐ目借時

14抽斗に遠き日の恋さくら貝

15乙姫の置き忘れかも桜貝

16砂を透き潮騒を聴く桜貝

17止まり木のインコ静かな目借時

18いつの間にこんなところに一人静

19小さき日のあの思い出に蓬摘む

20木漏れ日や鳥のきている猫柳

21星の降る渚に帰す桜貝

22上り待つ田中の駅の目借時

23桜貝出でし亡父のピース缶

24濡髪にカルキの臭ふ目借時

25朝の浜花貝未だ夢の色

26忍び寄る汚染知らずや桜貝

27さくら貝これは羽化した恋の羽

28このような心でいたい桜貝

29綿々と恋語る友目借時

30目借時ご不在通知が玄関に

31曳く波の光残せしさくら貝

32海の歌歌ひて帰るさくら貝

33寝ころべば海の匂ひや桜貝

34さざ波の絶えることなし桜貝

35曳く波の足跡消すや桜貝

36疵の互いに抱きしめ合ひぬ桜貝

37世の此岸生きて蛙の目借り時

38砂浜の文字の句点よ桜貝

39雨音に目閉づ蛙の目借時

40黒人の娘のふと拾ふ桜貝

41忘れ潮ひとつ残りし桜貝

42波打ちに波に揺らるる桜貝

43流さるるままに生き抜く桜貝

44横笛に指動かざる目借時

45住職の法話かすかに目借時

46春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      

47春めきて薩摩切子を二つ買う       

48鳥帰る空紅色に染まるとき        

49かげろへる原爆ドーム昼の黙       

50軽やかに発車のチャイム春めけり     

51ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     

52遠山の丸く見える日春めきぬ       

53フリースに包まれ眠る春の風邪      

54調弦の軽く揃いて春めきぬ        

55小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       

56鳥帰るシベリアまでの空遠く       

57陽炎や軽トラに立つ古箪笥        

58冒険といふは誰にも鳥帰る        

59投げ竿の放物線や鳥雲に         

60マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   

61碧天を戦火の郷へ鳥帰る         

62鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       

63餌ねだる猫の鳴き声春めけり       

64障子戸の春めく光部屋に満つ       

65春めきてろくろの土の良く喋る      

66日当たりの斜めの庭も春めけり      

67春風邪や窓から見る山遠し        

68春めくやひかり膨らむ堰の水       

69鍵盤に弾む指先春めけり         

70陽炎の中より吾子が現わるる       

71鍵盤に弾む指先春めけり         

72鳥帰る人なきコインランドリー      

73捨つ郷や母の影さえかぎろひて      

74つぎつぎと水面くずして鳥帰る      

75一列に並びて北へ鳥帰る         

76鈍色の空を二手に鳥帰る         

77伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        

78引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       

79陽炎に彷徨う少年探偵団         

80陽炎いて貨物列車の浮いてくる      

81軽やかに発車のチャイム春めけり     

82春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    

83君のならくれてもいいよ春の風邪     

84妻からのメールにハート春めける     

85オリオンに向ひ帰宅や春めきて      

86光さす千体仏や春めけり         

87一人寝の夜のいつまでも春の風邪     

88レトルトの匂いの粥と春の風邪      

89春の風邪汽笛掠れしA列車        

90春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        

91春めいて草刈られゆく空の堀       

92春めくや老若集うカフェテラス      

93春めくや旅のプランを練り直す      

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

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 5月の兼題【薄暑】&【葉桜】(4月末日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 【夏の戦5・6・7月】

 ★5月の兼題(4月末日〆切。)

 【薄暑】

初夏にやや暑さを覚えて少し汗ばむのを感じる気候をいう。

傍題に、薄暑光。

 【葉桜】

桜が散り終え、みずみずしい若葉の緑が濃く重なりを深めてその美しさを見せます。

傍題に、花は葉に。

 

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

 

   飼犬の穴掘つてゐる庭薄暑

                倉内法子

 

   葉桜の中の無数の空さわぐ

                篠原 梵

 

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令和5年4月号3月の結果(春の戦第3ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

冒険といふは誰にも鳥帰る

陽炎の中より吾子が現わるる

鳥帰る空紅色に染まるとき

春めきて薩摩切子を二つ買う

鍵盤に弾む指先春めけり

  

五点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

 

三点句

鳥帰る空紅色に染まるとき        原田啓子

かげろへる原爆ドーム昼の黙       辻 雅宏

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

 

二点句

鳥帰るシベリアまでの空遠く       上野貴子

陽炎や軽トラに立つ古箪笥        原田啓子

冒険といふは誰にも鳥帰る        山本佐和子

投げ竿の放物線や鳥雲に         辻 雅宏

マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   神長誉夫

碧天を戦火の郷へ鳥帰る         神長誉夫

鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       龍野ひろし

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

 

一点句

陽炎の中より吾子が現わるる       阿部文彦

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

鳥帰る人なきコインランドリー      龍野ひろし

捨つ郷や母の影さえかぎろひて      神長誉夫

つぎつぎと水面くずして鳥帰る      井上悦男

一列に並びて北へ鳥帰る         阿部文彦

鈍色の空を二手に鳥帰る         辻 雅宏

伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        辻 雅宏

引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       井上悦男

陽炎に彷徨う少年探偵団         井上悦男

陽炎いて貨物列車の浮いてくる      阿部文彦

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    神長誉夫

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 春めきて薩摩切子を二つ買う・・・五点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・五点句

 

春の戦の最後となります。勝抜いたのはこの2句でした。春らしい句が勝ち残りましたね。やっとコロナ禍の規制がない春がやって来て明るい句が多いと感じます。

(春:2月~4月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂き

マシンの音とともに陽炎を破り出たレーシングカーの

生中継を見る詠みである。

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 ★5月の兼題(4月末日〆切)

 

【薄暑】と【葉桜】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は日光の抄の四月の頃の句を見てみましょう。

 

あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉

 

「奥の細道」の中で特に有名なこの句は季語の使い方も斬新ですし、切れ字もありません。句意は「何と崇高であろうか。日光では東照宮の大改修も進み青葉や若葉が美しく太陽の光りにそのみどりを輝かせていることだ。」と詠んでいます。四月朔日の句と書かれていますから、陽暦の519日頃で新緑が美しい初夏の句です。今の時代では「青葉」「若葉」の二つの季重りですね。これは季感が同じなので「青葉若葉」と一つの言葉とみなすことが出来ますが造語となります。切れ字は無く、日の光が「日光」という名にふさわしく美しく眩しいほどに神々しいということを表現しています。よくある上五の説明にとどまらずに斬新で印象深い句に仕上げている名句ですね。

「あらとうと」この上五は「あら尊し」のことで「あら」が感嘆を表し「とうと」が「とうとし」の語幹となります。

芭蕉は、弥生三月二十七日に出発して四月朔日に日光山に参拝しています。日数計算は暦の違いから難しいところですが、日光街道を旅して辿り着いた日光は改装されていて、その美しさに感銘を受けたに違いありません。

(令和五年四月 上野貴子)

 

 「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

  

【ネット句会後記】

 

春の戦第2ステージは2句が5点句で競っています。最終ステージの結果が楽しみです。華やかな桜花から瑞々しい若葉の季節へと移り、清々しい五月を迎えます。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年四月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会2月結果発表~

 <大賞>

 10 さこたゆう 陽炎の先ブランコをこぐ二人

 2点句>

22 南出 千賀子 淡雪の足跡に聞く芽吹き声

29 tanaka625 寝過ごして見知らぬ駅に野馬燃ゆる

  

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。