2022年8月ネット句会

今月の投句(秋の戦第1ステージ) 

1朝顔に日本の花か問うてみる

2蜩の音の届きたる夢の中

3朝顔や生まれる前の夢の色

4蜩や我の故郷はここにあり

5日の蔭り蜩止みてしんとなる

6どの人の手にも朝顔入谷駅

7紺したがへ白朝顔の凛と咲き

8夕去ればひぐらし鳴けり宮の森 

9蜩やバス来るまでのBGM

10ひぐらしやその日暮らしがまた終はり

11蜩や早き夕餉の山の宿

12蜩や遊び疲れし子の帰る

13蜩や共鳴したる森の神

14朝顔や町家二階の物干場

15朝顔や団十郎の中野もありて

16朝顔にレトロ喫茶のある小道

17朝顔がしぼむ惜しげもなく午後に

18じゃんけんで負け朝顔の水当番

19かなかなを聴きに行きたし海越えて

20蜩にふっと目をやる暦かな

21朝顔を覗いてる風の囁き

22朝空が藍より青く花朝顔

23朝風が起きろ起きろと牽牛花

24かなかなの追えば夕陽は山の雲

25蜩に見守られてる夕支度

26蜩やハッカの香る湯を借りて

27漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

28朝顔の濡れた産毛や夜は溶け

29蜩や手拭い解く豆剣士

30蜩やそろり海へと変わる風

31朝顔や藍一滴を拡げたり

32朝顔の見送り受けて郵便車

33起きて見る朝顔の蔓おびただし

34蜩や千年なきてなきたらず

35朝顔の紺の著けきたたみ皺

36ひとしきりカナカナのカでとぎれけり

37秋光や蝶は草刈る手をよけて

38秋高し嬰の手足のよく動く

39夕風に宍道湖の鰡とびにけり

40朝顔や儚きいのち惜しむかに

41朝顔に見送りされて無人駅

42夜明けなる古書をめくれば法師蝉

43蜩や鎮守の杜に鳴き暮るる

44蜩の声もつめ込むスマホかな

45蜩や姥捨て山の話聞き    

46朝顔や鎖骨にひとつある黒子  

47越境も楽し隣の牽牛花

48かなかなや指笛巧みに吹く少女

49かなかなや第三埠頭に巨き船

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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9月の兼題【風の盆】&【】(8月31日〆切

 

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【秋の戦8・9・10月】

 

★9月の兼題(8月31日〆切。)

 

【風の盆】

富山県八尾町で九月一日から三日まで行われる盆の行事。

 

【露】

空気中の水蒸気が夜の間に冷えて水となり、草や木についたりする。夜間の冷え込みの強い秋に多い。

傍題に、白露、露の玉、朝露、夜露、露けし、露の世。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

 

  踊りの手ひらひら進み風の盆

              福田蓼汀

   金剛の露ひとつぶや石の上

                 川端茅舎

  

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 8月号7月の結果(夏の戦最終ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

ビール腹気にする夫と金魚かな

落つるたび生まれ新たな滝となる

寝顔秘す大小四つの夏帽子

民宿は蚊帳の匂ひ波の音

能登に泊つランプの宿の明易し

 

<点盛りの結果>(夏の戦最終ステージ)

 

五点句

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

女王も悪魔もありて薔薇の園         井上悦男

寝顔秘す大小四つの夏帽子          神長誉夫

 

四点句

掬はれて金魚三匹電車乗る          辻 雅宏

追ひついて二つとなりし夏帽子        井上悦男

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

 

三点句

蘭鋳の泳ぐ最上階の夜            井上悦男

神官の袴あをあを滝開き           辻 雅宏

一礼の鳥居の先は夏祭            能天気

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

夏帽の改札抜ける海の駅           辻 雅宏

夏帽子つばの先向く水平線          山本佐和子

 

二点句

どの名でも呼ぶと泡出す金魚かな       原田啓子

白扇のわづかに開き走り滝          水野幸子

遠足の子らの小さき背に瀑布         原田啓子

落つるたび生まれ新たな滝となる      山本佐和子

鎮座する猿に箕面の滝しぶき         原田啓子

草を抜く手にひらきけり夏の蝶        水野幸子

発車ベルホーム彩る夏帽子          阿部文彦

観光のパスが吐き出す夏帽子         阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

能登に泊つランプの宿の明易し        辻 雅宏

捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         上野貴子

夏帽子いつか写真のあの町へ         上野貴子

 

一点句

舞う様に咲く様に歌う様に金魚        上野貴子

片陰にままごと遊びワンデイケー       能天気

荒滝に抗う岩のまろさかな          神長 誉夫

滝壺の青さ無音の大宇宙           上野貴子

ビール腹気にする夫と金魚かな        小川 泉

民宿は蚊帳の匂ひ波の音           能天気

大滝のてつぺんの空ゆがむかな        小川 泉

野湯浴みや何故に励むか滝の音        神長 誉夫

三日だけ誰か金魚を預かって         井上悦男

長椅子に飛沫楽しむ滝見茶屋         辻 雅宏

水換へに応へて金魚ひと泳ぎ         辻 雅宏

ガラス器の中が金魚の小宇宙         阿部文彦

寝つかれぬ旅の枕や明易し          辻 雅宏

短夜じゃ濡れた唇乾かない          神長 誉夫

街の色連れ帰りたりパナマ帽         青山好男

明けやすし住職の打つ寺の鐘         水野幸子

立ち止まる人話す人夏帽子          原田啓子

母の忌は母の好みし新茶汲む         伊藤はな

お握りの形いびつに豆の飯          伊藤はな

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        井上悦男

竿さしてパナマ帽行く運河かな        原田啓子

若返る色を纏ひし更衣            伊藤はな

夏帽に飛行機雲の白さかな          原田啓子

短夜や机上に積みしままの古書        阿部文彦

短夜や沖ゆく船の灯の遅速          井上悦男

短夜や北へ北へと貨車がゆく         阿部文彦

突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          阿部文彦

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

 

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~LINE公式俳句大会7月結果発表~

 

<大賞>

6  さこたゆう  宿題はあさがおの観察と絵日記

 

2点句>

10 さこたゆう  ひぐらしと母が呼んでる「ごはんだよ」

33 橋詰 博   一斉に笑ふ向日葵村起こし

39 大倉 宏美  虫食いの青葉に思う命あり

54 鈴木 恵美子 朝顔や上へ上へと巻きたがる

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・五点

女王も悪魔もありて薔薇の園・・・五点

 夏の戦は薔薇の句が逃げ切りました。女王も悪魔もアニメのような薔薇園に手書きの名札の句が勝ち残りました。長い猛暑が続きますが早くも暦の上では秋の戦ですね。

(夏:5月~7月) 

 

~~~今月の選評~~~ 

掬はれて金魚三匹電車乗る

 祭りの夜店で掬った金魚でしょうね、ビニールの袋を持って

うれしそうなお子様の姿も見えてとても楽しく

ほほえましい家族の姿もみえます。

 

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★9月の兼題(8月末日〆切)

 風の盆】と【

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  

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 【今月のワンポイントレッスン】

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ8月の頃の名句を見てみましょう。

 

荒海や佐渡によこたふ天河・・・芭蕉

 

この句は天河の句で秋の句です。八月は旧暦では秋となり、現代の暦でも八月になるとすぐに立秋が過ぎやはり暦の上では秋となります。初秋の空には星が美しいとされていて天の川もよく見えます。この句は新潟から佐渡を眺めて詠んだものですね。「や」が使われています。日本海の海の厳しさを強調されているのです。海と空の対比が広大な宇宙観を感じさせて自然の美しさが際立ちます。

 

秋涼し手毎にむけや瓜茄子・・・芭蕉

 

この句は「秋涼し」から始まりますから勿論秋の句ですね。「涼し」だけでは夏の季語ですが「秋」を付けて「瓜」や「茄子」の野菜を詠んでいます。季語としては季感のズレが生じてあまり整ってはいない句です。夏の句の様にも感じますが、そこを「秋」として、初秋を詠んでいるのです。夏野菜が熟して剝きやすいのかも知れませんね。

この句は資料では金沢での句ですので、茄子の品種が水ナスで、瑞々しいので剥きやすいのかも知れません。

「や」が中七にあり、切れ字の使い方では難しいと言われています。「や」は上五中七下五のどこにでも使える便利な切れ字です。芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようで、ここでは珍しく中七に使っています。どこか無理に整えた感がありますが金沢での宴の作と読みとれますね。

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

https://nbsacademy.jimdofree.com/

  

【ネット句会後記】

 夏の戦は薔薇の二句が五点句で並び終わりました。秋の戦が始まっています。第2ステージの兼題は、風の盆と露とさせていただきました。哀調漂う風の盆とどこか儚さを感じる露を詠んでください。残暑が続きそうです。夏バテしないで秋を迎えましょう。

(令和四年八月 辻 雅宏)

 

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2022年度8・19俳句記念日大会各賞発表!

【2022年度8・19俳句記念日大会各賞発表!】

8月19日の俳句記念日イベント会場にて2022年度の8・19俳句記念日大賞が決定いたしました。

<各賞発表>

特別審査員水越浩幸大賞

 エントリーNo 802 お名前 阿部文彦  様

         俳句「一つ散りひとつ膨らむ夏椿」

特別審査員阿多星花大賞

エントリーNo 274 お名前 内牧京子  様

俳句「啓蟄やもういいかいと鳩時計」

特別審査員飯村明良大賞

エントリーNo 1  お名前 岡田友美佳  様

        俳句「五七五指を折りつつ生ビール」

特別審査員折田安紀大賞

エントリーNo 307 お名前 井上悦男  様

         俳句「紅つばき模したるみやび京和菓子」

特別審査員今野龍二大賞

エントリーNo 438  お名前 石田 香  様

         俳句「どんな子が好きと聞かれて春キャベツ」

俳句記念日大会大賞

エントリーNo 402  お名前 見目千絵  様

        俳句「青蛙逆さまのこと言う大人」

~いよいよ今回の最高峰の賞にまいります。~

8・19俳句記念日大賞

エントリーNo 1075  お名前 宮 沢子  様

         俳句「梅一輪こんな日だったプロポーズ」

<おしゃべりHAIKUの会新人賞>

今回初めての参加でありながら何句もべスト10入りされ新たな息吹を吹き込んで下さいました。

エントリーNo  566  「乱れ舞う寿命短し姫蛍」      お名前 鈴木恵美子

       855 「夏の夜ジャズのビートにはしご酒」

<俳句記念日功労賞>

エントリーNo 464「旧友と酌み交わす夜の明け早し」 お名前 南出千賀子

以上が2022年度の俳句記念日各賞受賞作品&作者の発表でした。これからも俳句記念日をきっかけに俳句に楽しく親しんで下さい。来年度のご応募もすでに開始されています。どしどしご応募下さい。

 

2022年9月ネット句会

今月の投句(秋の戦第2ステージ)

 

1風まつり縦横無尽の空尽きる

2三年を三日三晩で風の盆

3傘外す乙女の袖を風の盆

4露の世に朝は来るのかウクライナ

5踏み台の石は動かず草の露

6胡弓弾く手もひらひらと風の盆

7子ら帰りがらんと庭の露けしや

8一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆

9夕露の降りて哀しき犬の声

10笠も手も向き同じうに風の盆

11東京の彼とおちあふ風の盆

12手を返す指うつくしき風の盆

13恋ひとつ失ひ終はる風の盆

14露けしや敷かれしままの廃線路

15露の世に生まれ消えゆくこの身かな

16露纏う蜘蛛の巣朝陽絡めとり

17リング抜く指しなやかに風の盆

18再見と車窓の露に太く書き

19弓震ふ夜の深さや風の盆

20花の露集め君描く絵の具溶く

21朝練の道の木立に露光る

22山峡のひとりの宿り窓の露

23窓開ける入社試験の朝の露

24俳聖の歩きし道や露置ける

25かなたより来たり寄り添う露の玉

26山小屋を発つ朝露に靴濡らし

27指妖し女踊りや風の盆

28編笠に顔を隠して風の盆

29もの悲し胡弓の調べ風の盆

30朝露や山の空気の透きとほる

31昨日より深き瀬音や風の盆

32風の盆左右で違ふイヤリング

33風の盆佳境の闇に胡弓の音

34牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝

35宵越しのぞめきに酔へる風の盆

36月一の院内散歩草の露

37風の盆吾も昭和の生き証人

38病院の内庭夜露ふつくりと

39庭に日の出朝露となる露ひとつ

40風の盆霊にしたがひ列をなす

41どの人の手にも朝顔入谷駅          

42蜩や遊び疲れし子の帰る   

43朝顔や町家二階の物干場          

44ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     

45蜩やハッカの香る湯を借りて      

46秋高し嬰の手足のよく動く          

47蜩や手拭い解く豆剣士        

48朝顔や藍一滴を拡げたり    

49蜩や早き夕餉の山の宿      

50蜩の音の届きたる夢の中       

51蜩やそろり海へと変わる風     

52蜩や千年なきてなきたらず

53朝顔や儚きいのち惜しむかに

54夕去ればひぐらし鳴けり宮の森

55朝顔にレトロ喫茶のある小道

56漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

57朝顔や生まれる前の夢の色

58蜩の声もつめ込むスマホかな

59朝顔に見送りされて無人駅

60紺したがへ白朝顔の凛と咲き

61朝風が起きろ起きろと牽牛花

62朝顔の紺の著けきたたみ皺

63蜩や姥捨て山の話聞き

64蜩やバス来るまでのBGM

65朝顔の見送り受けて郵便車

66越境も楽し隣の牽牛花

67じゃんけんで負け朝顔の水当番

 

 

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10月の兼題【秋晴】&【案山子】(9月30日〆切)

 

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【秋の戦8・9・10月】

 

★10月の兼題(9月30日〆切。)

 

【秋晴】

遠山まで見晴らすことができるほど、秋空の澄んで晴れ渡ることをいう。

傍題に秋日和。

 

【案山子】

竹藁などで人形をつくり、田畑の畔等に立てて鳥獣を脅すもの

傍題に捨案山子。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

  

  畳屋の肘が働く秋日和

             草間時彦

   案山子にも大志あるらん角帽子

                       三遊亭金遊

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

9月号8月の結果(秋の戦)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森

朝顔にレトロ喫茶のある小道

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

秋高し嬰の手足のよく動く

 

 

<点盛りの結果>(秋の戦第1ステージ)

 

四点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

三点句

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

  

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<大賞>

 

6  さこたゆう  宿題はあさがおの観察と絵日記

 

2点句>

 

10 さこたゆう  ひぐらしと母が呼んでる「ごはんだよ」

33 橋詰 博   一斉に笑ふ向日葵村起こし

39 大倉 宏美  虫食いの青葉に思う命あり

54 鈴木 恵美子 朝顔や上へ上へと巻きたがる

 

 

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 ~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅・・・四点

 

朝顔市の風景ですね。朝早く買いに出かけたことを思い出します。

法被姿の女性もいて賑やかでした。まだまだ残暑が続きますが

早くも秋の戦の始まりです。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

秋高し嬰の手足のよく動く

 

秋の空という広々した空間から目を転じ、幼子の手足へと

視線の動きがある一句です。対比によって嬰児の持つ

可能性の大きさまで感じられます。

 

 

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★10月の兼題(9月末日〆切)

 

【秋晴】と【案山子】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ8月の頃の名句を見てみましょう。

 

荒海や佐渡によこたふ天河・・・芭蕉

 

この句は天河の句で秋の句です。八月は旧暦では秋となり、現代の暦でも八月になるとすぐに立秋が過ぎやはり暦の上では秋となります。初秋の空には星が美しいとされていて天の川もよく見えます。この句は新潟から佐渡を眺めて詠んだものですね。「や」が使われています。日本海の海の厳しさを強調されているのです。海と空の対比が広大な宇宙観を感じさせて自然の美しさが際立ちます。

 

秋涼し手毎にむけや瓜茄子・・・芭蕉

 

この句は「秋涼し」から始まりますから勿論秋の句ですね。「涼し」だけでは夏の季語ですが「秋」を付けて「瓜」や「茄子」の野菜を詠んでいます。季語としては季感のズレが生じてあまり整ってはいない句です。夏の句の様にも感じますが、そこを「秋」として、初秋を詠んでいるのです。夏野菜が熟して剝きやすいのかも知れませんね。

この句は資料では金沢での句ですので、茄子の品種が水ナスで、瑞々しいので剥きやすいのかも知れません。

「や」が中七にあり、切れ字の使い方では難しいと言われています。「や」は上五中七下五のどこにでも使える便利な切れ字です。芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようで、ここでは珍しく中七に使っています。どこか無理に整えた感がありますが金沢での宴の作と読みとれますね。

(令和四年九月 上野貴子)

  

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

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【ネット句会後記】

 秋の戦第一ステージが終了しましたが。そして、九月は秋の第二ステージの選句と第3ステージの投句です。兼題は秋晴と案山子を用意させて戴きました。親しみやすく詠みやすいと思いますので多数のご参加をお待ちしています。
投句されましたら是非、選句もお願いします。

(令和四年九月 辻 雅宏)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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2022年10月ネット句会

今月の投句(秋の戦最終ステージ)

 

1二人旅えっちら案山子の迷い道

2秋晴れや懐かしきものランドセル

3秋晴れや寂しさを未だ知らぬ児や

4秋晴れを行く道だれか呼ばれおり

5秋晴れや此の人生はマラソンだ

6捨かかし草でぬぐへる鎌二本

7捨案山子日本手拭ひ首に巻き

8村人の数より多き案山子かな

9秋晴や駆けだしさうにならぶ靴

10秋晴れて何処へも行かぬ靴を干す

11秋晴やドロップ缶のからからと

12鼻の穴広ぐる河馬や秋の晴

13秋晴や大きく見ゆる今朝の富士

14秋晴や犬のリードを長くして

15モンローの案山子雀を引寄せて

16朝の町小さく見えて秋晴れる

17天高くどこまでも続くハイウエー

18一葉忌見上げる空の月は欠け

19秋晴の午後に雀の群れの飛ぶ

20秋日和歴女声高し大手門

21秋晴れやカンバスの先天守閣

22山の田の案山子のの眼に映る秋

23坂道や捨つる案山子の重さかな

24棚田飛ぶドローン見上げて案山子立つ

25秋晴やバスに園児の弾む声

26秋日和帽子忘れて帰りけり

27秋晴の四方の空にも雲置かず

28直立で猟師姿の案山子かな

29休耕地案山子が納屋で欠伸せり

30秋晴や軽鴨親子無事川へ

31深山の一日木の実の落ちる音

32紫苑ゆる風の吹くまま竜飛崎

33雁の声を残して暮れなずむ

34種になるをしってか揺るる黄コスモス

35鷺穿つ湖面に溢るる秋日和

捨て案山子焼けば血色の焔立ち

36秋晴れや生きてりゃ濁りも傷もある

37穂の波を案山子の影がまた越えて

38秋晴れや戦う白衣高く干し

39秋晴やスマホのレンズに納まらず

40「太陽の塔」もひときわ秋晴れて

41秋晴や再出発はこんな日に

42かたぶいてへのへの揺れる案山子かな

43向かい合い声を掛け合う案山子かな

44秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅

45菊日和千代田区千代田一番地

46村興す案山子集ふやコンクール

47父祖の畑護る案山子の夫婦かな

48おまえもかお役御免に捨案山子

49どの人の手にも朝顔入谷駅          

50一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        

51朝顔や町家二階の物干場           

52秋高し嬰の手足のよく動く          

53山小屋を発つ朝露に靴濡らし         

54蜩や遊び疲れし子の帰る           

55ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     

56朝露や山の空気の透きとほる         

57弓震ふ夜の深さや風の盆           

58山峡のひとりの宿り窓の露          

59俳聖の歩きし道や露置ける          

60手を返す指うつくしき風の盆         

61牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        

62露けしや敷かれしままの廃線路        

63漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      

64朝顔や生まれる前の夢の色          

65越境も楽し隣の牽牛花            

66蜩やハッカの香る湯を借りて         

67蜩や手拭い解く豆剣士            

68朝顔や藍一滴を拡げたり           

69蜩や早き夕餉の山の宿            

70蜩の音の届きたる夢の中           

71露の世に生まれ消えゆくこの身かな      

72窓開ける入社試験の朝の露          

73踏み台の石は動かず草の露          

74月一の院内散歩草の露            

75かなたより来たり寄り添う露の玉       

76昨日より深き瀬音や風の盆          

77リング抜く指しなやかに風の盆        

78風の盆左右で違ふイヤリング         

79風の盆霊にしたがひ列をなす         

80蜩やそろり海へと変わる風          

81蜩や千年なきてなきたらず          

82朝顔や儚きいのち惜しむかに         

83夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        

84朝顔にレトロ喫茶のある小道         

85蜩の声もつめ込むスマホかな         

86朝顔に見送りされて無人駅          

87紺したがへ白朝顔の凛と咲き         

88朝風が起きろ起きろと牽牛花         

89朝顔の紺の著けきたたみ皺          

90蜩や姥捨て山の話聞き            

91蜩やバス来るまでのBGM          

92朝顔の見送り受けて郵便車          

93じゃんけんで負け朝顔の水当番        

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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11月の兼題【初時雨】&【一葉忌】(10月31日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【冬の戦11・12・1月】

★11月の兼題(10月31日〆切。)

 【初時雨】

その年の冬、初めて降る時雨のこと。いよいよ冬が来た感じが漂う。

 【一葉忌】

樋口一葉の忌日。明治十九年、十一月二十三日没。二十五歳であった。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

  

  旅先のビニール傘や初時雨

               堀之内和子

 

  縫ひ上げて歯で切る糸や一葉忌

                          岩城のり子

  

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 10月号9月の結果(秋の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 手を返す指うつくしき風の盆

山小屋を発つ朝露に靴濡らし

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

朝顔や生まれる前の夢の色

 

<点盛りの結果>(秋の戦第2ステージ)

 

六点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

四点句

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        原田啓子

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

 

三点句

山小屋を発つ朝露に靴濡らし         龍野博史

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

朝露や山の空気の透きとほる         龍野博史

弓震ふ夜の深さや風の盆           神長誉夫

山峡のひとりの宿り窓の露          青山好男

俳聖の歩きし道や露置ける          青山好男

手を返す指うつくしき風の盆         辻 雅宏

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        井上悦男

露けしや敷かれしままの廃線路        辻 雅宏

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

露の世に生まれ消えゆくこの身かな      辻 雅宏

窓開ける入社試験の朝の露          青山好男

踏み台の石は動かず草の露          上野貴子

月一の院内散歩草の露            山本佐和子

かなたより来たり寄り添う露の玉       青山好男

昨日より深き瀬音や風の盆          井上悦男

リング抜く指しなやかに風の盆        神長誉夫

風の盆左右で違ふイヤリング         井上悦男

風の盆霊にしたがひ列をなす         山本佐和子

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

LINE公式俳句大会8月結果発表~

 <大賞>

 29 南出 千賀子 おわら祭燃え尽きるほど風踊る

 

2点句>

 6   濱野 洋子 露葎ひよつこり現れ北きつね

11 さこたゆう 初露を硯に受けて身を正す

16 出口 科野  公園の水面眩しい夏の午後

25 鈴木 恵美子 老若男女踊る踊りの風の盆

30 南出 千賀子 連打する下駄もわらじも風の盆

33 橋詰 博   秋立てば隣家のショパンピアニッシモ

 

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

             どの人の手にも朝顔入谷駅・・・六点

 朝顔市の風景の句が勝ち抜きました。今年はコロナ禍3度目の秋ですが、少しでもコロナ禍が和らぎ世の中が活気付いてほしいという願いを感じます。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆 

風の盆の町流しの様子を一歩ずつと動画になって読み手の心に沁みます。

  

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 ★11月の兼題(10月末日〆切)

 

【初時雨】と【一葉忌】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ秋の名句を見てみましょう。

 

石山の石より白し秋の風・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が那()()寺の石を詠んだ句ですが、この石山とは、紫式部が源氏物語を執筆されたと伝えられる近江の石山寺のことです。その石山寺の石の白さよりもこの那谷寺の石の白さは秋の風を一層清澄な気分にさせるものだと詠んでいます。切れ字は使われて無い句ですね。

 

山中や菊はたおらぬ湯の匂・・・芭蕉

 

この句は山中の温泉での句。「菊」が秋の季語となります。湯の匂いが不老長寿の効能がある菊の花の匂いのようで、有名な菊慈童のように菊を手折る必要はないほどだと詠んでいます。

切れ字「や」を上五に使い、山中の湯の素晴らしさを強調しています。感嘆の切れ字「や」は上五に置かれることの多い柔らかでありながらリズムのよいインパクトを表現しています。菊を詠んでいますから重陽の節供にまつわる言い伝えである菊慈童の菊の酒の伝説を踏まえての俳句ですね。菊慈童とは中国の穆王(ぼくおう)時代に王の枕を蹴った罪で流人とされるが菊の露を飲み700年も童の姿で生きながらえたと伝わる話です。江戸時代の芭蕉には温泉はそれくらいに疲れを癒してくれるものだったのですね。

(令和四年十月 上野貴子)

 

 

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【ネット句会後記】

 

秋の戦も第二ステージが終了し、最終ステージの選句となります。投句されたみなさんには是非、特選句のコメントをお願いします。そして、投句は冬の第一ステージです。

兼題は初時雨と一葉忌を用意させて戴きました。多くの方からの投句をお待ちしています。

(令和四年十月 辻 雅宏)

  

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2023年8月ネット句会

今月の投句(秋の戦第1ステージ)

1新宿の空を広げし稲光

2富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

3稲妻の眼裏に残る軌跡かな

4稲妻やひかりの走る山湖かな

5稲妻や天の重心傾けて

6名瀑をさらに濡らして稲光

7葉を金箔に変えて一閃稲光

8また今度いつものセリフ墓参り

9踏みしめる細き山道墓参り

10外堀に亀平泳ぎ夏は来ぬ

11ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ

12稲妻や川の氾濫大写し

13稲妻やツァラトストラの語りそむ

14本尊の空位を晒す稲光

15墓参り掃除の下手な子でごめん

16稲妻や叱る事なき子と竦み

17モカの香や海に稲妻五本立つ

18稲妻を眺む吾の背に夫の声

19稲妻や空にも夜光虫住むという

20稲妻にルガーノの街一変す

21庭の花父母に手向ける墓参かな

22香煙の低く哀しき雨墓参

23ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿

24天空の闇を稲妻ほしいまま

25稲妻や竿を納むる太公望

26若き日の蹉跌を詫びる墓参かな

27父の歳越えて悔悟の墓参り

 

  

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9月の兼題【二百十日】&【草の花】(8月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【秋の戦8・9・10月】

 

★9月の兼題(8月末日〆切。)

 

【二百十日】

立春から二百十日目で、九月一、二日に当たる。

傍題に、厄日。

 

【草の花】

秋の名のある草、名もない草の花のことである。

傍題に、百草の花、千草の花。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   手紙には書かねど二百十日かな

                 黒田杏子

 

   本名は頓とわからず草の花

               夏目漱石

 

 

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令和5年8月号7月の結果(夏の戦第3ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

夕立の甍を叩く寺の町

髪洗う水音清し夜の星

ががんぼや「あなたはいいね」「ほっとする」

ほうたるを蚊帳に放して闇分かつ

白雨去りいぶし瓦の底光り

  

六点句

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋       龍野ひろし

 

五点句

葉桜の中をゆるりと車椅子       阿部文彦

バイオリンの弓締め直す昼薄暑     原田啓子

 

四点句

葉桜の蔭に川瀬の水光る        上野貴子

サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ   龍野ひろし

 

三点句

葉桜に透ける光を仰ぎけり       龍野ひろし

葉桜の中に奏でる瀬音かな       阿部文彦

白雨去りいぶし瓦の底光り       神長誉夫

葉桜の隙間を埋むる空の青       辻 雅宏

二階より豆腐屋止むる夕薄暑      辻 雅宏

 

二点句 

髪洗う湯殿を包む夜の闇        青山好男様

無骨なる指もて妻の髪洗ふ       辻 雅宏

夕立の甍を叩く寺の町         龍野ひろし

洗い髪夜風に吹かれ回り道       水野幸子

大夕立街の火照りを覚ましけり     龍野ひろし

テンポあげトタン叩くや大夕立     龍野ひろし

熊野古道霊気ただよふ木下闇      辻 雅宏

薫風や舳先に猫の座りおり       原田啓子

貝塚の層は幾重や風薫る        龍野ひろし

軋み行くトロッコ列車や風薫る     神長誉夫

故里を遠望の丘風薫る         辻 雅宏

配達を終へし自転車夕薄暑       龍野ひろし

葉桜や詰襟開く初年生         神長誉夫

人影も絶えて堤の花は葉に       辻 雅宏

 

一点句

雨上がり白雨の影を風が追う      上野貴子

髪洗う水音清し夜の星         青山好男

ががんぼや「あなたはいいね」「ほっとする」水野幸子

ほうたるを蚊帳に放して闇分かつ    水野幸子

夕立の歩道に泡の立ちにけり      阿部文彦

旅人の風に梳かるる洗い髪       阿部文彦

夕立ち止みストーンヘンジの巨石かな  原田啓子

天窓にさす光なお髪洗う        原田啓子

夕立や音立て入る部屋暗し       青山好男

薄明やメデューサ髪を洗ふ影      神長誉夫

束ね髪解きて少女は髪洗ふ       龍野ひろし

テンポあげトタン叩くや大夕立     龍野ひろし

講演を明日に控えて髪洗う       阿部文彦

あてもなく風に誘われ夏木立      上野貴子

せせらぎの音生き生きと木下闇     阿部文彦

伊勢湾へ木曽揖斐長良風薫る      辻 雅宏

子供らの謎なぞ遊び木下闇       龍野ひろし

風に折れし牡丹三本供花とす      水野幸子

サッカーの球フワと浮き風薫る     原田啓子

嬰泣きし涙なぞりて夏の風       水野幸子

みどり児の笑窪くっきり木下闇     水野幸子

暗いほど外明るくて木下闇       原田啓子

けん玉で遊ぶ子たちや風薫る      阿部文彦

猫の駆るバス停ありし木下闇      原田啓子

作句する語彙の貧しき薄暑かな     阿部文彦

葉桜を描くキャンバス青き空      青山好男

娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり    水野幸子

葉桜の梢へ伸びる緑かな        原田啓子

地下街を出でて地上の街薄暑      辻 雅宏

葉桜やケルンに注ぐジン香る      神長誉夫

老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな       青山好男

葉桜や嬰は保育園なれた頃       水野幸子

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋・・・6点

 

夏の最終戦です。とうとう6点句が勝ち抜きました。

夏は句材が多い季節ですが、最近は暑すぎる猛暑のためか

意外に苦戦でした。古風な下町情緒の句が最高点を取りましたね。

次回はもう秋の戦となります。残暑が厳しい季節ですが

どんな句が集まるかお楽しみに。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

夕立ち止みストーンヘンジの巨石かな

 

夕立の後のみずみずしい広大な荒野が目に浮かぶとともに、長い歴史の積み重ねを経た巨石群を目前にして、人間の卑小や生命の一瞬性を想い、自然に対して敬虔な気持ちにさせられる。

 

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★9月の兼題(8月末日〆切)

 

【二百十日】&【草の花】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

只今準備中

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は最上川を日本海へ下り酒田の湊での句を見てみましょう。

 

暑き日を海に入れたり最上川・・・芭蕉

 

「奥の細道」の中で日本海へ下り河口での句となります。悠々と流れる最上川が暑い一日を海へ流し込んでしまい河口付近は涼しくなったという意味の句です。

この句の前後には、芭蕉が得意とする切れ字「や」が多く使われていますが、この句には特に代表的な切れ字は見当たりません。文語調では「たり」がありますが、形容動詞の終止形となりここで句の切れを感じます。下五に名詞止を持って来て上手くまとめています。この後に芭蕉は象潟へ向かいます。芭蕉にとっては象潟はこの「奥の細道」の旅の中で大きな目的地のひとつでした。象潟の抄では、「松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし」という名文を残しています。太平洋と日本海のイメージの違いをまさに見事に言い表わしています。広くおおらかな太平洋と厳しく陰鬱な日本海の同じ海でありながらまったく別の顔を持つ美しさですね。天候が定まらないと今も昔も人の心はどこか陰鬱な恨み節を思わせるものなのですね。コロナ禍の不安定さと天候不順が合いまった現代に通じるものを感じます。

(令和五年七月号より 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

夏の戦が六点句をトップに終わりました。俳句の八月は秋だそうですが、この猛暑からは実感できませんね。秋の戦第一ステージの始まりです。

投句と選句をセットにして参加下さい。選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年八月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会6月結果発表~

 

<大賞>

 

25 米重 初枝 あの雲の下は夕立君の駅

 

2点句>

 

17 濱野 洋子 抽斗の古びた名簿麦の秋

18 さこたゆう 夕立が洗い流した一ページ

30 鈴木 恵美子 田植え終え水に映るは空のあお

46 大倉 宏美 気がつけば読みふける間に夕立や

 

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2023年9月ネット句会

今月の投句(秋の戦第2ステージ)

 

1草の花名も無き花に名を付けん

2草の花笑み柔らかき野の仏

3トテ馬車の蹄の音や草の花

4二百十日時の階段飛び越えて

5草の花微笑み合ひし道祖神

6空白し二百十日の畑仕事

7故郷をのぞむ峠や草の花

8草の花ままごと遊び孫が笑む

9植木鉢我が物顔や草の花

10迷い来て道なき野辺の草の花

11廃線を行けば迎える草の花 

12石垣の隙間を埋めて草の花

13何もなく二百十日の夕餉かな

14貝ひとつ二百十日の忘れ潮

15通り雨路地を叩いて厄日過ぐ

16二百十日渦中に眠るみどり児よ

17刈るまいとするも刈りたり草の花

18松島や秋空をブルーインパルス

19複眼のバッタ墓石を飛び越えて

20草の花郷を離るる汽車に散り

21漁場遥か二百十日の波を越え

22去る朝にくしゅんと背なの草の花

23厄日明け薄く泥引く沈下橋

24二百十日待ち侘ぶ客の来ぬ日かな

25通り雨二百十日の庭先に 

26一匹の猫の鼻先草の花

27普段着で歩く楽しさ草の花

28草の花故郷のあの畦道に

29保母さんに吾子が差し出す草の花

30手術待ち二百十日も無事過ぎて

3110年目待ちに待ちたる酢橘のみ

32少し楽心の声の残暑かな

33フェリー航く二百十日の波しずか29

34おだやかな二百十日の句会かな

35牧に咲くその名知りたき草の花

36乳牛の食むをはばかる草の花

37可愛さに摘むをためらふ草の花

38富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     

39稲妻や天の重心傾けて        

40稲妻や竿を納むる太公望       

41モカの香や海に稲妻五本立つ     

42新宿の空を広げし稲光        

43稲妻や川の氾濫大写し        

44香煙の低く哀しき雨墓参       

45名瀑をさらに濡らして稲光      

46稲妻の眼裏に残る軌跡かな     

47ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    

48天空の闇を稲妻ほしいまま      

49ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     

50庭の花父母に手向ける墓参かな    

51また今度いつものセリフ墓参り    

52稲妻にルガーノの街一変す      

53墓参り掃除の下手な子でごめん    

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

10月の兼題【身に入む】&【紅葉且つ散る】(9月末日〆切)

 

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【秋の戦8・9・10月】

 

★10月の兼題(9末日〆切。)

 

【身に入む】

秋も闌ける頃から寒さが身にしむのを覚えます。

 

【紅葉且つ散る】

紅葉しながら同時に散るのをいう。紅葉散るは冬の季語になります。。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

 

   梵鐘の一打身に入む古都の宵

                 稲畑廣太郎

 

   山紅葉且つ散る雨も加はりて

                稲畑汀子

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 令和5年9月号8月の結果(秋の戦第1ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿   

葉を金箔に変えて一閃稲光

踏みしめる細き山道墓参り

外堀に亀平泳ぎ夏は来ぬ

父の歳越えて悔悟の墓参り

  

四点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

三点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

二点句 

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

稲妻や竿を納むる太公望・・・4点

 

秋の戦が始まりました。始めは順当な句が勝ちとっていますね。

突然の稲妻に慌てている釣り場の動きが見事に目に動きます。

秋はまだまだ猛暑が厳しいようですが

この後が楽しみです。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

稲妻や竿を納むる太公望

 

「太公望」が、単なる「釣り人」以上の意味を醸し出している句だと思いました。恐ろしい稲妻ですが、滑稽さも加味されているように感じます。

 

 

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★10月の兼題(9月末日〆切)

 

【身に入む】&【紅葉且つ散る】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は越後路の七夕の頃の句を見てみましょう。

 

文月や六日も常の夜には似ず・・・芭蕉

 

「文月や」と始まりますから、これは七月の六日の句です。七日では無いのにいつになく七夕の夜を思わせる艶っぽい夜だという意味ですが、蒸し暑いのかも知れませんね。陰暦7月は秋に当たりますので、ちょうど八月頃の蒸し暑さを悶々とした逢瀬になぞらえているようです。切れ字「や」はそうした意味を詠嘆で強調していますね。

 

荒海や佐渡によこたふ天河・・・芭蕉

 

同じ抄に収録されている有名な名句です。天河が七夕祭の頃を思わせます。上五の「や」が、いかにも日本海の波音の高い北国の厳しい荒海の様子を表現しています。

芭蕉の好きな切れ字「や」がこの抄では見事な効果を発揮しています。切れ字と言えば多く「や」を使うのが芭蕉の特徴です。加賀の国、現在の金沢市の日本海らしい美しさが垣間見える素敵な名句です。芭蕉の全俳句の中でも、この天河の句はやはり有名ですね。

(令和五年八月号より 上野貴子)

  

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【ネット句会後記】

 秋の戦がスタートしました。最終的にどの句が抜け出すのか、それとも追い抜く句が現れるのか楽しみな展開です。十月の兼題の「紅葉且つ散る」は俳句特有の季語です。

どんな句が詠まれるか楽しみです。

投句と選句をセットにして参加下さい。選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年九月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会7月結果発表~

 

<大賞>

 19 南出 千賀子 三姉妹喋りっぱなしの墓参り

 

2点句>

10 米重 初枝 朝顔に友の名をつけ日記帳

24 鈴木 恵美子 八ヶ岳稜線跨ぐ登山の日

26 橋詰 博 盆帰り駅名変わりて半世紀

 

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2023年10月ネット句会

今月の投句(秋の戦第3ステージ)

 

1身に入むや初手の碁石の響く部屋

2身に入むや灯りのつかぬ老舗宿

3身に入むや平家滅びし壇ノ浦

4サックスの身に入む音やジャズクラブ

5池の面に紅葉且つ散る古都の寺

6「身に入む」「紅葉且つ散る」

7雲間より落ちる風光しむ身なる

8地球誕生謎めく伝説身に沁みて

9桜紅葉枯れゆく前に紅をさし

10錦染め且つ散る山の紅葉谷

11受け取りて便り身に入む追って書き

12身に入むや玻璃戸を叩く風の音 

13恩師らの法話身に入む夕間暮

14バス降りて紅葉且つ散る里の山

15そよ風に紅葉且つ散る点描画

16紅葉かつ散る蓮池の華やげり

17リハビリの膝の曲がりや身に沁みる

18踏切の音に負けじと落とし水

19夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿

20病窓や仏舎利塔へ秋夕焼け

21郷抱く星の静寂の身に入みて

22麗しき死は無く紅葉且つ散りて

23友去りぬ長き汽笛の身に入みて

24碧岩に紅葉且つ散る小歩危峡

25寄る辺なき星の蒼さの身に入みて

26紅葉かつ散るやほろほろ鳩の声

27紅葉かつ散りて水面の舟となり

28流れゆく月日の身に入む便りかな

29北国の暮るる速さや身に入みて

30雨音の身に入む今朝の目覚めかな

31フルートの音色身に入む演奏会

32警官の説諭身に入む違反かな  

33特攻の遺書に身に入む知覧かな

34登頂の紅葉かつ散る山路かな

35紅葉且つ散る石畳馬籠宿

36葉を金箔に変えて一閃稲光

37踏みしめる細き山道墓参り

38父の歳越えて悔悟の墓参り

39草の花名も無き花に名を付けん

40草の花笑み柔らかき野の仏

41トテ馬車の蹄の音や草の花

42二百十日時の階段飛び越えて

43草の花微笑み合ひし道祖神

44空白し二百十日の畑仕事

45故郷をのぞむ峠や草の花

46草の花ままごと遊び孫が笑む

47植木鉢我が物顔や草の花

48迷い来て道なき野辺の草の花

49廃線を行けば迎える草の花 

50石垣の隙間を埋めて草の花

51何もなく二百十日の夕餉かな

52貝ひとつ二百十日の忘れ潮

53通り雨路地を叩いて厄日過ぐ

54二百十日渦中に眠るみどり児よ

55刈るまいとするも刈りたり草の花

56松島や秋空をブルーインパルス

57複眼のバッタ墓石を飛び越えて

58草の花郷を離るる汽車に散り

59漁場遥か二百十日の波を越え

60去る朝にくしゅんと背なの草の花

61厄日明け薄く泥引く沈下橋

62二百十日待ち侘ぶ客の来ぬ日かな

63通り雨二百十日の庭先に 

64一匹の猫の鼻先草の花

65普段着で歩く楽しさ草の花

66草の花故郷のあの畦道に

67保母さんに吾子が差し出す草の花

68手術待ち二百十日も無事過ぎて

6910年目待ちに待ちたる酢橘のみ

70少し楽心の声の残暑かな

71フェリー航く二百十日の波しずか29

72おだやかな二百十日の句会かな

73牧に咲くその名知りたき草の花

74乳牛の食むをはばかる草の花

75可愛さに摘むをためらふ草の花

76富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     

77稲妻や天の重心傾けて        

78稲妻や竿を納むる太公望       

79モカの香や海に稲妻五本立つ     

80新宿の空を広げし稲光        

81稲妻や川の氾濫大写し        

82香煙の低く哀しき雨墓参       

83名瀑をさらに濡らして稲光      

84稲妻の眼裏に残る軌跡かな     

85ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    

86天空の闇を稲妻ほしいまま      

87ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     

88庭の花父母に手向ける墓参かな    

89また今度いつものセリフ墓参り    

90稲妻にルガーノの街一変す      

91墓参り掃除の下手な子でごめん    

  

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11月の兼題【冬日和】&【枯葉】(10月末日〆切

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【冬の戦11・12・1月】 

★11月の兼題(10末日〆切。

 【冬日和】

冬の晴れわたった穏やかな日和をいう。

傍題に、冬晴、冬晴るる。

 【枯葉】

霜が降り始めると木の葉、草の葉も枯れ始める。

傍題に、枯葉鳴る、枯葉飛ぶ、枯葉舞ふ。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 <先句に学ぶ>

 

   冬晴のとある駅より印度人

               飯田龍太

 

   一陣の風一陣の枯葉舞ふ

              大橋 晄 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 令和5年10月号9月の結果(秋の戦第2ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

草の花名も無き花に名を付けん

貝ひとつ二百十日の忘れ潮

普段着で歩く楽しさ草の花

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

また今度いつものセリフ墓参り

 

七点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

 

五点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

四点句

草の花笑み柔らかき野の仏      龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

三点句

普段着で歩く楽しさ草の花      原田啓子

通り雨路地を叩いて厄日過ぐ     阿部文彦

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

 

二点句 

草の花微笑み合ひし道祖神      龍野ひろし

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

空白し二百十日の畑仕事       青山好男

故郷をのぞむ峠や草の花       青山好男

何もなく二百十日の夕餉かな     阿部文彦

漁場遥か二百十日の波を越え     神長 誉夫

葉を金箔に変えて一閃稲光      青山好男

踏みしめる細き山道墓参り      青山好男

父の歳越えて悔悟の墓参り      辻 雅宏

草の花名も無き花に名を付けん    龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

一匹の猫の鼻先草の花       原田啓子

おだやかな二百十日の句会かな   辻 雅宏

厄日明け薄く泥引く沈下橋     神長 誉夫

フェリー航く二百十日の波しずか  辻 雅宏

墓参り掃除の下手な子でごめん   神長 誉夫

トテ馬車の蹄の音や草の花     龍野ひろし

保母さんに吾子が差し出す草の花  小林 ひろ

 

四点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

三点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

二点句 

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ・・・7点

 

秋の戦は断トツでこの句が勝ち残っています。長い猛暑でご先祖様もさぞ暑かろうと思う気持ちが共感を呼んでいますね。やっと秋らしくなりましたが何となく油断禁物です。

この後の最終戦が楽しみです。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

 

富士山を眺めるお墓のシチュエーションが良い。水をかける行為が、

その2つを見事につないでいる。

 

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★11月の兼題(10月末日〆切

 

【冬日和】&【枯葉】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は山中の抄の句を見てみましょう。

 

今日よりや書付消さん笠の露・・・芭蕉

 

この句は芭蕉と同行して来た曽良が別れて、これから芭蕉が一人で旅を続けて行くに当たりその寂しさを詠んでいます。曽良は、内臓を病んでしまいここからは先に知人の元へ向かうことになりその別れを惜しんでいるのです。曽良は、一人で行倒れたとしてもそこは萩の花の咲く野原であって欲しい「行々てたふれ伏とも萩の原」という句を残し旅立ます。

芭蕉の句は、芭蕉が好んでいる切れ字「や」を使い、今日これからの旅の不安に詠嘆強調の効果を生み出しています。

「露」という季語がありながら、句の意味の中心を上五にするための見事な効果ですね。

芭蕉の時代ならではの古風な言葉の調べが美しい句です。

また、これまで同行して来た門弟の曽良との旅の別れを詠んでいるところから有名な句となっています。

「や」の多くは上五に使われていますが、やはり自然に時代をうつしている文語調の句ですね。

(令和五年10月号より 上野貴子)

  

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【ネット句会後記】

 

秋の戦第2ステージで7点句が登場し、リードしています。勝ち抜き戦がこの句会の特色です。追い抜く句、新たに高得点の句が出るか最終ステージの結果が楽しみです。

投句と選句をセットにして参加下さるようお願いします。また、選評もお忘れなくお寄せください。

(令和五年十月 辻 雅宏)

  

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 

<大賞>

 

37 大西 文子 隣家まで伸びた朝顔すまし顔

 

2点句>

 

13 鈴木 恵美子 日が落ちて髪を結いあげ盆踊り

20 奥平雅子  幼子が手をのばしとる葡萄棚

29 橋詰 博   秋草の刈り込む匂い袖に染み

 

 

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2024年8月のネット句会

今月の投句(秋の戦第1ステージ)

1渡り鳥飛び去りあとに宇宙船

2名画座や地上に出れば渡り鳥

3腕まくら猫と眺るいわし雲

4あと一歩届かぬ白球いわし雲

5皆去りし生家更地に赤のまま

6鰯雲釣り人並ぶ防波堤

7山いくつ越えて来たるや渡り鳥

8木曽川で分かつ県境うろこ雲

9賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る

10行く先は風にまかせて赤のまま

11畦道を郵便バイク赤のまま

12赤のままダリの魔法にかけられて

13こけそうでこけぬ幼子赤のまま

14赤のまま下校子の声高らかに

15阿武隈の嶺の彼方に鰯雲

16鰯雲空に漂う点描画

17渡り鳥くの字がついに点となる

18詫び住まいいつも眺める渡り鳥

19屋敷跡更地にひらく赤まんま

20「待って、待って」とボール追う子や赤のまま

21インコは鈴蹴り渡り鳥の来たり

22行く末は運に任せて鰯雲

23草の花迷い子猫の声きこゆ

24秋涼しきわやかに流るる水の音

25廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま

26コッヘルの湯気の追い駆く鰯雲

27葉の雫一つ啜れり渡り鳥

28嫁ぎしと風の便りや赤まんま

29鰯雲夕陽に燃えし胸の鰭

30下校の子通る庭先赤のまま

31ビッグベンをなほ高みへと鰯雲

32赤まんまトランポリンの子を見上げ

33病気の子明日は良くなれ鰯雲

34このままが一番幸せ赤のまま

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

秋の戦の兼題(8月から10月を通して毎月詠んでください。)

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

【秋の戦8・9・10月】

★9月におすすめの兼題(8月末日〆切。)

【鰯雲】

巻積雲のことで、この雲が現れると、鰯の大漁があるという。

傍題に、鱗雲、鯖雲

 

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   長雨のふるだけ降るや赤のまゝ 中村汀女

    鰯雲人に告ぐべきことならず   加藤楸邨

   人はみな旅せむ心鳥渡る   石田波郷 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和6年8月号7月の結果(夏の戦第3ステージ)

 ~~<辻 雅宏選5句>~~

菊挿して入院の準備終はりけり

五月雨や行商人の能登訛り

本棚は読まぬ書籍の紙魚の宿

バーツの籠いっぱいのバナナかな

五月雨や茶房の時はゆるやかに

 

点盛りの結果

 

五点句

村と村つなぐ吊り橋新樹光     辻 雅宏

 

四点句

熊野古道翳りの中の新樹かな    辻 雅宏

 

三点句

古文書を開けば紙魚の食みこぼし  阿部文彦

五月雨や速度増したる舟下り    龍野ひろし

新樹風抜くる谷中の築地塀     龍野ひろし

赴任地の駅前通りさみだるる    辻 雅宏

五月雨やオランダ坂の石畳     辻 雅宏

峡谷のトロッコ列車新樹風     辻 雅宏

目鼻さえ区別なき地蔵新樹光    青山好男

5バーツの籠いっぱいのバナナかな 植木 彩由

 

二点句

爆弾のやうなおむすび新樹光    植木 彩由

五月雨や龍と目が合ふ天井画    龍野ひろし

銀輪をつらね少年新樹風      龍野ひろし

道産子の葦毛三つ編み緑さす    水野幸子

紙魚走る国語辞典の裏表紙     阿部文彦

いにしえの手帳に走る紙魚の跡   阿部文彦

五月雨にひねもす烟り法隆寺    辻 雅宏

ヒロインの涙を齧り紙魚きらり   神長誉夫

雨上がり新樹まぶしき建長寺    阿部文彦

夫眠り書斎に紙魚の走る音     原田啓子

 

一点句

古書店の手にとる辞書や紙魚の痕  辻 雅宏

過去帳を干して気づくや紙魚の穴  辻 雅宏

板垣の百円紙魚に喰はれをり    辻 雅宏

父の古書開けばどれも紙魚の跡   阿部文彦

かろうじてすずめ隠れている新樹  植木 彩由

五月雨や人なきコインランドリー  龍野ひろし

用済みの母子手帳食むきららかな  辻 雅宏

菊挿して入院の準備終はりけり   水野幸子

無人駅見送る友や五月雨るる    阿部文彦

五月雨や行商人の能登訛り     龍野ひろし

本棚は読まぬ書籍の紙魚の宿    阿部文彦

湧き水に命与えて新樹光      神長誉夫

五月雨を眺る猫の背や哀し     瀧口 孝志

五月雨や豆ふっくりと芽をかかぐ  水野幸子

幼子の背をすっぽりと新樹蔭    原田啓子

新樹晴れ川崎宿の芭蕉の碑     植木 彩由

五月雨や茶房の時はゆるやかに   龍野ひろし

定まらぬ嬰の眼や新樹光      原田啓子

徒歩き新樹にもらふ生気かな    辻 雅宏

五月雨やしんがりを行くランドセル 阿部文彦

五月雨に句点打つよな赤き傘    神長誉夫

木洩れ日に緑いやます新樹かな   辻 雅宏

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 

村と村つなぐ吊り橋新樹光・・・5点

 

夏の戦を吊り橋の句が最後まで勝ち抜きました。輝く緑が目に浮かぶような絶景の句です。長い猛暑ですが、

野山の美しい自然に癒されますね!

(夏:5月~7月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

五月雨や人なきコインランドリー

 

五月雨の頃の生ぬるい湿気のある空気が俳句から感じられます。

「人なき」がすべてを語っているようです。洗濯機や乾燥機が回る音まで聞こえてきそう。

 

 

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★9月の兼題(8月末日〆切)

 

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

俳句の歴史」今回は芭蕉のあと江戸後期に活躍した小林一茶です。

一茶は信濃柏原の人。(1763年~1827年)15歳で江戸へ出ます。

 

痩せ蛙負けるな一茶是にあり・・・一茶

 

この句は、小さくて弱そうなやせ蛙よ。負けないでおくれ。私がここで応援しているぞ。

といった意味の句ですね。俗語・方言を使いこなし、子どもや小動物などへの愛情にみちあふれた句を多く残しています。代表作「おらが春」は愛児さとの生と死をテーマとしたと言われ、晩年は郷里で逆境のうちに65歳で生涯を終えたとされます。

 

 雀の子そこのけそこのけお馬が通る・一茶

 

一茶の優しさが滲み出たリズミカルで楽しい句です。江戸時代の情緒あふれる風景が浮かびます。江戸時代後期を活躍した一茶の後には、怒涛のような文明開化の明治時代へと俳句も流されて行きます。

(会報令和六年7月号より 上野貴子)

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【ネット句会後記】

残暑お見舞い申し上げます。

夏の戦最終ステージは、5点句が逃げ切りました。秋の戦がスタートしましたが、兼題に楽しみな句が寄せられています。選句された句に鑑賞のコメントを寄せて下さるよう

お願いします。(令和六年八月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会7月結果発表~

 

<大賞>

 

9          奥平雅子      青々とゴザを敷き詰め海の家

 

2点句>

 

16        鈴木恵美子    写楽の絵裏にポツポツ紙魚のあと

22        荒木 かをり  ばら寿司は子規の好物祭笛

33        さこたゆう    図書室の紙の匂ひや秋近し

 

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2024年9月のネット句会

今月の投句(秋の戦第2ステージ)

1赤のまま試験準備もあと三月

2断食や明けて眩しき赤のまま

3鰯雲語ることなく終戦忌

4鰯雲忙しく走る訪問看護

5鰯雲涼風もさてつかの間か

6投網打つ漁師の影よ鰯雲

7下町に匂ふコロッケ鰯雲

8石積の幾年耐へし鰯雲

9すれ違う市電の軋み鰯雲

10畦道を郵便バイク鰯雲

11渡鳥なる来世に備え足鍛え

12神様と愛し合いたし赤のまま

13幼き日の涙の透けて赤まんま

14秋立ちぬ今週の碁の黒と白

15鰯雲楸邨一味の成り損ない

16読みかけの頁のしるし鰯雲

17夕陽色巨大な鰯雲のろく

18いつまでも一緒だからね鰯雲

19巡り来る地球の先を渡り鳥

20困惑を鎮めて明日へ鰯雲

21汽車降りて別の空あり鰯雲

22鰯雲阿蘇の山々ひと包み

23鰯雲浮いて舟出す漁師かな

24山里の空を食み出す鰯雲

25園児らの駆けゆく先の鰯雲

26球場の開閉屋根や獺祭忌

27ぱんぱんに枝豆実り湯を沸かす

28故郷の山を真下に鳥渡る

29嬰のりし飛機どの辺り星祭

30雨音の隙間をひびくキリギリス

31瀬戸を染む夕陽に旅鳥の影二つ

32赤まんま三つ編み解きし君遠く

33ジャンパーに一秒の空鳥渡る

34涸れ井戸に三粒零れて赤まんま

35敗れたり仰げば旅鳥悠揚と

36泣きべその子の鼻先へ赤まんま

37残された吾は風の中渡り鳥

38三人の親となる娘に鰯雲

39鳥渡る同窓会の知らせあり

40臨月の娘に幸あれと鳥渡る

41赤錆の線路そのまま赤のまま

42窯場へとつづく杣道赤まんま

43高層のビル群覆ふ鰯雲

44投げ釣りの釣果さつぱり鱗雲

45碧天の日本海越え鳥渡る

46渡り鳥くの字がついに点となる

47こけそうでこけぬ幼子赤のまま         

48阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            

49あと一歩届かぬ白球いわし雲          

50鰯雲釣り人並ぶ防波堤             

51山いくつ越えて来たるや渡り鳥         

52木曽川で分かつ県境うろこ雲          

53賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る          

54「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  

55屋敷跡更地にひらく赤まんま          

56このままが一番幸せ赤のまま          

57行く先は風にまかせて赤のまま         

58廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          

59嫁ぎしと風の便りや赤まんま          

60畦道を郵便バイク赤のまま           

61鰯雲空に漂う点描画          

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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秋の戦の兼題(8月から10月を通して毎月詠んでください。)

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【秋の戦8・9・10月】

★10月におすすめの兼題(9月末日〆切。)

【渡り鳥】

秋になって、シベリア方面から渡って来る鳥をいう。

傍題に、鳥渡る、鴨渡る

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   長雨のふるだけ降るや赤のまゝ 中村汀女

 

   鰯雲人に告ぐべきことならず   加藤楸邨

   

   人はみな旅せむ心鳥渡る   石田波郷 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和6年9月号8月の結果(秋の戦第1ステージ)

 ~~<辻 雅宏選5句>~~

こけそうでこけぬ幼子赤のまま

あと一歩届かぬ白球いわし雲

畦道を郵便バイク赤のまま

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲

鰯雲空に漂う点描画

 

 ~~<上野貴子選5句>~~

鰯雲釣り人並ぶ防波堤

こけそうでこけぬ幼子赤のまま

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲

渡り鳥くの字がついに点となる

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま

 

点盛りの結果

 

三点句

渡り鳥くの字がついに点となる         阿部文彦

 

二点句

こけそうでこけぬ幼子赤のまま         龍野ひろし

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            阿部文彦

あと一歩届かぬ白球いわし雲          瀧口 孝志

鰯雲釣り人並ぶ防波堤             辻 雅宏

山いくつ越えて来たるや渡り鳥         辻 雅宏

木曽川で分かつ県境うろこ雲          辻 雅宏

賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る          辻 雅宏

 

一点句

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  水野幸子

屋敷跡更地にひらく赤まんま          阿部文彦

このままが一番幸せ赤のまま          原田啓子

行く先は風にまかせて赤のまま         龍野ひろし

廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          神長 誉夫

嫁ぎしと風の便りや赤まんま          神長 誉夫

畦道を郵便バイク赤のまま           龍野ひろし

鰯雲空に漂う点描画              阿部文彦

 

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

渡り鳥くの字がついに点となる・・・3点

 

渡り鳥の群れを詠んだ句が最高点となりました。この後の勝ち抜きでどこまで勝ち残るかが楽しみですね。くと・の図形の面白さと段々見ええなく遠い点という表現と
ダブルところが面白いです。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~ 

こけそうでこけぬ幼子赤のまま 

歩き始めた幼子を目を細めてみている作者。赤のままも
またやさしく見守っている。

 

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★10月の兼題(9月末日〆切)

 

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

★オンライン句会
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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の歴史」今回はいよいよ正岡子規です。子規と言えば子規庵が有名ですが、生れは四国の松山です。東大中退後に日本新聞に入社、俳諧を研究。写生俳句、写生文を首唱して、俳句革新運動を起こしたと言われています。

 

柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺・・・子規

 

この句は子規の俳句の中で一番有名な句です。法隆寺の近くの茶屋での句と言われます「柿を食べていると、折よく法隆寺の鐘の音がちょうど聞こえてきたことだ。」という句意ですね。柿は奈良の名物なので、ここで子規は美味しい柿を食べたのでしょう。

面白い話に、この法隆寺は果たして本当に法隆寺なのかという疑問がわく説があるらしいです。「くだもの」という随筆の中に、この句によく似た場面があるのですが、それが東大寺だというのです。これはあまり聞かない珍しい説なので、別の日の出来事なのではないかと私は考えるのですが、俳句なので、随筆をもとに考えて詠んだのではないかという説があるのだそうです。面白いですね。

俳句としては「柿」が季語で秋の句、そして、この句には切れ字「や」「かな」「けり」は使われていません。下五の「法隆寺」で体現止めになります。流石に明治の偉人だけあってモダンな写生句の代表句と成っていますね。

 

(会報令和六年8月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

八月は迷走した台風10号が歓迎されざる主役でした。台風は季語にもなっています。古くは野分とも。

秋の戦第一ステージは、競り合いながらのスタートになりました。このあとの展開が楽しみです。投句されたら選句も必ずお願いします。特によかった句には感想も記載してください。

(令和六年九月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 

<大賞>

 

42        大西文子    飛び石を飛んでトンボを追いかける

 

2点句>

 

3          橋詰博            逆さ富士夏雲連れて河口湖

12        鈴木恵美子    竹の筒押して押し出す水羊羹

28        奥平 雅子      糠床の茄子の色付き夜の膳

37        さこたゆう    道端の犬の鼻先赤のまま

47        田辺 公子      パリ五輪引き分けなしの明と暗

 

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2024年10月のネット句会

今月の投句(秋の戦最終ステージ)

1土より這い出し蚯蚓や干されをり

2米不足減反政策九月尽

3瑞穂の国永久に平和や終戦日

4火葬場の1週間待ち穴惑い

5電柱に硬き影ある猛残暑

6排他的水域なんの鳥渡る

7我が国へ侵略国の鳥渡る

8四散する廃れ卒塔婆赤まんま

9鰯雲港舞鶴倉庫群

10用足して鯖雲掬ふ手水鉢

11北国にやわらかき日もありいわし雲

12今年また夫と見る空渡り鳥

13鰯雲「どこでもドア」の向こう側

14雲間より薄日も差して渡り鳥

15遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る 

16新札はアラビヤ数字地虫鳴く

17廃鉱の街に旅鳥の艶緑

18鰯雲越ゆる大地の赤鯨

19悠揚と国境の河旅鳥超ゆ

20銛の如ジェット貫く鰯雲

21逆さ枝打ちて旅鳥の餞に

22思ひ出を残して去りし渡り鳥

23指先で空に追ひたる渡り鳥

24列島を俯瞰して飛ぶ渡り鳥

25風を追ひ風に追はるる渡り鳥

26海に浮く朱の回廊や鳥渡る

27この坂を何度も登る鰯雲

28渡り鳥自由に空を飛んで来る

29群れをなす地球の不思議鳥渡る

30この場所を群れが知ってる渡り鳥

31鳥渡りきっとまた来る空の色

32盆栽の手止め一服いわし雲

33どこからかトランペットが鰯雲

34紅葉を映し堀水動かざる

35照紅葉仰ぎ見るひと京言葉

36照紅葉つなぐ手細き老夫婦

37本開くごとく飛びゆく渡り鳥

38高原を一羽遅れて鳥渡る

39湖を埋め尽くしたり鴨来る

40草に寝て空の青さや鰯雲

41湾内に八百八島うろこ雲

42邯鄲の間遠くなりぬ夢の中

43水澄むやあめんぼのスケーターワルツ

44支笏湖の寄せては返す秋の水

45秋空に足投げ出して雲にのる

46渡り鳥くの字がついに点となる          

47こけそうでこけぬ幼子赤のまま          

48あと一歩届かぬ白球いわし雲          

49木曽川で分かつ県境うろこ雲          

50賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る          

51下町に匂ふコロッケ鰯雲            

52すれ違う市電の軋み鰯雲           

53汽車降りて別の空あり鰯雲           

54読みかけの頁のしるし鰯雲           

55投網打つ漁師の影よ鰯雲            

56鰯雲語ることなく終戦忌            

57阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            

58鰯雲釣り人並ぶ防波堤             

59山いくつ越えて来たるや渡り鳥         

60断食や明けて眩しき赤のまま          

61幼き日の涙の透けて赤まんま           

62赤まんま三つ編み解きし君遠く          

63碧天の日本海越え鳥渡る             

64球場の開閉屋根や獺祭忌             

65泣きべその子の鼻先へ赤まんま          

66園児らの駆けゆく先の鰯雲            

67鳥渡る同窓会の知らせあり            

68高層のビル群覆ふ鰯雲              

69鰯雲忙しく走る訪問看護             

70鰯雲涼風もさてつかの間か            

71夕陽色巨大な鰯雲のろく            

72ジャンパーに一秒の空鳥渡る  

73故郷の山を真下に鳥渡る             

74「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  

75屋敷跡更地にひらく赤まんま          

76このままが一番幸せ赤のまま          

77行く先は風にまかせて赤のまま         

78廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          

79嫁ぎしと風の便りや赤まんま         

80畦道を郵便バイク赤のまま           

81鰯雲空に漂う点描画              

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

冬の戦の兼題(11月から1月を通して毎月詠んでください。)

【落葉】【数え日】【初雀】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【冬の戦11・12・1月】

★11月におすすめの兼題(10月末日〆切。)

【落葉】

               晩秋から冬にかけて葉をことごとく落としてしまいます。
               傍題に、落葉焚、落葉掻 

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

    むさしのの空真青なる落葉かな 水原秋櫻子

 

            数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ 富安風生

 

    お手玉のごとくに遊ぶ初雀 下村梅子 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和6年10月号9月の結果(秋の戦第2ステージ)

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

下町に匂ふコロッケ鰯雲

投網打つ漁師の影よ鰯雲

すれ違う市電の軋み鰯雲

故郷の山を真下に鳥渡る

こけそうでこけぬ幼子赤のまま 

 

~~<上野貴子選5句>~~

下町に匂ふコロッケ鰯雲

すれ違う市電の軋み鰯雲

球場の開閉屋根や獺祭忌

泣きべその子の鼻先へ赤まんま

渡り鳥くの字がついに点となる

 

点盛りの結果

 

四点句

渡り鳥くの字がついに点となる      阿部文彦

こけそうでこけぬ幼子赤のまま      龍野ひろし

 

三点句

あと一歩届かぬ白球いわし雲       瀧口 孝志

木曽川で分かつ県境うろこ雲       辻 雅宏

賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る       辻 雅宏

 

二点句

下町に匂ふコロッケ鰯雲         龍野ひろし

すれ違う市電の軋み鰯雲         龍野ひろし

汽車降りて別の空あり鰯雲        阿部文彦

読みかけの頁のしるし鰯雲        上野貴子

投網打つ漁師の影よ鰯雲         龍野ひろし

鰯雲語ることなく終戦忌         船津 元

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲         阿部文彦

鰯雲釣り人並ぶ防波堤          辻 雅宏

山いくつ越えて来たるや渡り鳥      辻 雅宏

 

一点句

断食や明けて眩しき赤のまま       船津 元

幼き日の涙の透けて赤まんま       山本佐和子

赤まんま三つ編み解きし君遠く      神長誉夫

碧天の日本海越え鳥渡る         辻 雅宏

球場の開閉屋根や獺祭忌         水野幸子

泣きべその子の鼻先へ赤まんま      原田啓子

園児らの駆けゆく先の鰯雲        阿部文彦

鳥渡る同窓会の知らせあり        原田啓子

高層のビル群覆ふ鰯雲          辻 雅宏

鰯雲忙しく走る訪問看護         船津 元

鰯雲涼風もさてつかの間か        船津 元

夕陽色巨大な鰯雲のろく         上野貴子

ジャンパーに一秒の空鳥渡る       神長 誉夫

故郷の山を真下に鳥渡る         水野幸子

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま 水野幸子

屋敷跡更地にひらく赤まんま       阿部文彦

このままが一番幸せ赤のまま       原田啓子

行く先は風にまかせて赤のまま      龍野ひろし

廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま       神長 誉夫

嫁ぎしと風の便りや赤まんま       神長 誉夫

畦道を郵便バイク赤のまま        龍野ひろし

鰯雲空に漂う点描画           阿部文彦

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ 

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~ 

渡り鳥くの字がついに点となる・・・四点

こけそうでこけぬ幼子赤のまま・・・四点
 

今回は空と地とちょうど両方の秋の句が経ち残りました。この後はどちらがどうなるか楽しみです。秋らしくなって来て面白いですね。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 あと一歩届かぬ白球いわし雲

歩スポーツの秋。プロ野球も草野球もシーズン真っ盛り。
大きな飛球の先に大空が拡がっている。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★11月の兼題(10月末日〆切)

 

【落葉】【数え日】【初雀】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

★オンライン句会
毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「俳句の歴史」今回は、正岡子規のあとにその流れとして「ホトトギス」を広く大衆に広めたと言われている高浜虚子です。虚子は客観写生を提唱した俳句を詠んでいます。

 

流れ行く大根の葉の早やさかな・・・虚子

 

この句は虚子の代表句です。愛媛の松山生れ。河東碧梧桐と共に子規庵を訪ねての俳句問答は子規の随筆「病床六尺」に書かれておりとても面白いです。革新的な碧梧桐の俳句に対立して、虚子は「花鳥諷詠」「客観写生」の理念を揚げてゆきます。やがてホトトギス全盛の時代を迎え、婦人に俳句の場を多く与えようとホトトギスに台所俳句と言われる女性俳人を多く育てる場を設けます。この功績が大きく讃えられ、多くの女性俳人を生み出しました。自らの娘である星野立子がその中から育った女性俳人として最も有名です。

女性俳人では同時期に活躍した中村汀女・橋本多佳子・三橋鷹女とともに四Tと称され人気を博したと言われています。

そして、その後は、飯田蛇笏、水原秋桜子、山口誓子、中村草田男、川端茅舎、松本たかしなど、そうそうたるメンバーを輩出しています。虚子と碧梧桐が子規のあとの俳句界を背負っていったと言えるでしょう。やがてその中から現代俳句につながる面々が活躍してゆきます。

 

(会報令和六年9月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

https://nbsacademy.jimdofree.com/ 

 

 

【ネット句会後記】

猛暑から残暑どころか続暑となりましたが、遅まきながら秋めいてきました。秋の戦第二ステージは、二句が四点句で競っています。これを三句の三点句が追う展開になっています。最終ステージが楽しみです。選句でよかった句には感想も記載してくださるようお願いします。

(令和六年十月 辻 雅宏)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 <大賞>

 LINE大賞 

30        荒木 かをり   芋煮会濃口しょうゆにも慣れて

 

2点句>

 

1          田中むつみ    嵐去り京の五山に鰯雲

8          鈴木恵美子    朝の競り銀色光る初秋刀魚

9          山本佐和子    晴れるってこのことなんだ鰯雲

10        山本佐和子    退院し眺め切れぬほどいわし雲

13        さこたゆう    鰯雲空の高さは測れない

17        米重 初枝      夕空を見つめる二人鰯雲

18        米重 初枝      子規の忌や老母へ届ける糸瓜水

31        大西文子        鰯雲群れの外れの下は何処

42        大西文子    飛び石を飛んでトンボを追いかける

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

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https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果の一部と連動してまいります。

 

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