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季節ごとの勝ち抜き戦になっていますのでどの句が勝ち残るか楽しみです。

テレビレッスン「エンジョイ俳句ライフ」毎月第二水曜日に点盛りの結果が公表。
毎月のネット句会の勝ち残り句上位の俳句を丁寧に解説。
ミニ講座では俳句入門レッスン。
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この句会では、インターネットを使い投句や選句、そして、選評まで簡単に出来ます。自由にご参加下さい。(ペンネームや匿名も受け付けます。)


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ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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ネット句会

2024年9月のネット句会

今月の投句(秋の戦第2ステージ)

1赤のまま試験準備もあと三月

2断食や明けて眩しき赤のまま

3鰯雲語ることなく終戦忌

4鰯雲忙しく走る訪問看護

5鰯雲涼風もさてつかの間か

6投網打つ漁師の影よ鰯雲

7下町に匂ふコロッケ鰯雲

8石積の幾年耐へし鰯雲

9すれ違う市電の軋み鰯雲

10畦道を郵便バイク鰯雲

11渡鳥なる来世に備え足鍛え

12神様と愛し合いたし赤のまま

13幼き日の涙の透けて赤まんま

14秋立ちぬ今週の碁の黒と白

15鰯雲楸邨一味の成り損ない

16読みかけの頁のしるし鰯雲

17夕陽色巨大な鰯雲のろく

18いつまでも一緒だからね鰯雲

19巡り来る地球の先を渡り鳥

20困惑を鎮めて明日へ鰯雲

21汽車降りて別の空あり鰯雲

22鰯雲阿蘇の山々ひと包み

23鰯雲浮いて舟出す漁師かな

24山里の空を食み出す鰯雲

25園児らの駆けゆく先の鰯雲

26球場の開閉屋根や獺祭忌

27ぱんぱんに枝豆実り湯を沸かす

28故郷の山を真下に鳥渡る

29嬰のりし飛機どの辺り星祭

30雨音の隙間をひびくキリギリス

31瀬戸を染む夕陽に旅鳥の影二つ

32赤まんま三つ編み解きし君遠く

33ジャンパーに一秒の空鳥渡る

34涸れ井戸に三粒零れて赤まんま

35敗れたり仰げば旅鳥悠揚と

36泣きべその子の鼻先へ赤まんま

37残された吾は風の中渡り鳥

38三人の親となる娘に鰯雲

39鳥渡る同窓会の知らせあり

40臨月の娘に幸あれと鳥渡る

41赤錆の線路そのまま赤のまま

42窯場へとつづく杣道赤まんま

43高層のビル群覆ふ鰯雲

44投げ釣りの釣果さつぱり鱗雲

45碧天の日本海越え鳥渡る

46渡り鳥くの字がついに点となる

47こけそうでこけぬ幼子赤のまま         

48阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            

49あと一歩届かぬ白球いわし雲          

50鰯雲釣り人並ぶ防波堤             

51山いくつ越えて来たるや渡り鳥         

52木曽川で分かつ県境うろこ雲          

53賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る          

54「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  

55屋敷跡更地にひらく赤まんま          

56このままが一番幸せ赤のまま          

57行く先は風にまかせて赤のまま         

58廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          

59嫁ぎしと風の便りや赤まんま          

60畦道を郵便バイク赤のまま           

61鰯雲空に漂う点描画          

 

 

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秋の戦の兼題(8月から10月を通して毎月詠んでください。)

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

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【秋の戦8・9・10月】

★10月におすすめの兼題(9月末日〆切。)

【渡り鳥】

秋になって、シベリア方面から渡って来る鳥をいう。

傍題に、鳥渡る、鴨渡る

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   長雨のふるだけ降るや赤のまゝ 中村汀女

 

   鰯雲人に告ぐべきことならず   加藤楸邨

   

   人はみな旅せむ心鳥渡る   石田波郷 

 

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令和6年9月号8月の結果(秋の戦第1ステージ)

 ~~<辻 雅宏選5句>~~

こけそうでこけぬ幼子赤のまま

あと一歩届かぬ白球いわし雲

畦道を郵便バイク赤のまま

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲

鰯雲空に漂う点描画

 

 ~~<上野貴子選5句>~~

鰯雲釣り人並ぶ防波堤

こけそうでこけぬ幼子赤のまま

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲

渡り鳥くの字がついに点となる

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま

 

点盛りの結果

 

三点句

渡り鳥くの字がついに点となる         阿部文彦

 

二点句

こけそうでこけぬ幼子赤のまま         龍野ひろし

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            阿部文彦

あと一歩届かぬ白球いわし雲          瀧口 孝志

鰯雲釣り人並ぶ防波堤             辻 雅宏

山いくつ越えて来たるや渡り鳥         辻 雅宏

木曽川で分かつ県境うろこ雲          辻 雅宏

賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る          辻 雅宏

 

一点句

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  水野幸子

屋敷跡更地にひらく赤まんま          阿部文彦

このままが一番幸せ赤のまま          原田啓子

行く先は風にまかせて赤のまま         龍野ひろし

廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          神長 誉夫

嫁ぎしと風の便りや赤まんま          神長 誉夫

畦道を郵便バイク赤のまま           龍野ひろし

鰯雲空に漂う点描画              阿部文彦

 

  

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

渡り鳥くの字がついに点となる・・・3点

 

渡り鳥の群れを詠んだ句が最高点となりました。この後の勝ち抜きでどこまで勝ち残るかが楽しみですね。くと・の図形の面白さと段々見ええなく遠い点という表現と
ダブルところが面白いです。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~ 

こけそうでこけぬ幼子赤のまま 

歩き始めた幼子を目を細めてみている作者。赤のままも
またやさしく見守っている。

 

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★10月の兼題(9月末日〆切)

 

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の歴史」今回はいよいよ正岡子規です。子規と言えば子規庵が有名ですが、生れは四国の松山です。東大中退後に日本新聞に入社、俳諧を研究。写生俳句、写生文を首唱して、俳句革新運動を起こしたと言われています。

 

柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺・・・子規

 

この句は子規の俳句の中で一番有名な句です。法隆寺の近くの茶屋での句と言われます「柿を食べていると、折よく法隆寺の鐘の音がちょうど聞こえてきたことだ。」という句意ですね。柿は奈良の名物なので、ここで子規は美味しい柿を食べたのでしょう。

面白い話に、この法隆寺は果たして本当に法隆寺なのかという疑問がわく説があるらしいです。「くだもの」という随筆の中に、この句によく似た場面があるのですが、それが東大寺だというのです。これはあまり聞かない珍しい説なので、別の日の出来事なのではないかと私は考えるのですが、俳句なので、随筆をもとに考えて詠んだのではないかという説があるのだそうです。面白いですね。

俳句としては「柿」が季語で秋の句、そして、この句には切れ字「や」「かな」「けり」は使われていません。下五の「法隆寺」で体現止めになります。流石に明治の偉人だけあってモダンな写生句の代表句と成っていますね。

 

(会報令和六年8月号より 上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

八月は迷走した台風10号が歓迎されざる主役でした。台風は季語にもなっています。古くは野分とも。

秋の戦第一ステージは、競り合いながらのスタートになりました。このあとの展開が楽しみです。投句されたら選句も必ずお願いします。特によかった句には感想も記載してください。

(令和六年九月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 

<大賞>

 

42        大西文子    飛び石を飛んでトンボを追いかける

 

2点句>

 

3          橋詰博            逆さ富士夏雲連れて河口湖

12        鈴木恵美子    竹の筒押して押し出す水羊羹

28        奥平 雅子      糠床の茄子の色付き夜の膳

37        さこたゆう    道端の犬の鼻先赤のまま

47        田辺 公子      パリ五輪引き分けなしの明と暗

 

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2024年8月のネット句会

今月の投句(秋の戦第1ステージ)

1渡り鳥飛び去りあとに宇宙船

2名画座や地上に出れば渡り鳥

3腕まくら猫と眺るいわし雲

4あと一歩届かぬ白球いわし雲

5皆去りし生家更地に赤のまま

6鰯雲釣り人並ぶ防波堤

7山いくつ越えて来たるや渡り鳥

8木曽川で分かつ県境うろこ雲

9賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る

10行く先は風にまかせて赤のまま

11畦道を郵便バイク赤のまま

12赤のままダリの魔法にかけられて

13こけそうでこけぬ幼子赤のまま

14赤のまま下校子の声高らかに

15阿武隈の嶺の彼方に鰯雲

16鰯雲空に漂う点描画

17渡り鳥くの字がついに点となる

18詫び住まいいつも眺める渡り鳥

19屋敷跡更地にひらく赤まんま

20「待って、待って」とボール追う子や赤のまま

21インコは鈴蹴り渡り鳥の来たり

22行く末は運に任せて鰯雲

23草の花迷い子猫の声きこゆ

24秋涼しきわやかに流るる水の音

25廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま

26コッヘルの湯気の追い駆く鰯雲

27葉の雫一つ啜れり渡り鳥

28嫁ぎしと風の便りや赤まんま

29鰯雲夕陽に燃えし胸の鰭

30下校の子通る庭先赤のまま

31ビッグベンをなほ高みへと鰯雲

32赤まんまトランポリンの子を見上げ

33病気の子明日は良くなれ鰯雲

34このままが一番幸せ赤のまま

 

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秋の戦の兼題(8月から10月を通して毎月詠んでください。)

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

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【秋の戦8・9・10月】

★9月におすすめの兼題(8月末日〆切。)

【鰯雲】

巻積雲のことで、この雲が現れると、鰯の大漁があるという。

傍題に、鱗雲、鯖雲

 

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   長雨のふるだけ降るや赤のまゝ 中村汀女

    鰯雲人に告ぐべきことならず   加藤楸邨

   人はみな旅せむ心鳥渡る   石田波郷 

 

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令和6年8月号7月の結果(夏の戦第3ステージ)

 ~~<辻 雅宏選5句>~~

菊挿して入院の準備終はりけり

五月雨や行商人の能登訛り

本棚は読まぬ書籍の紙魚の宿

バーツの籠いっぱいのバナナかな

五月雨や茶房の時はゆるやかに

 

点盛りの結果

 

五点句

村と村つなぐ吊り橋新樹光     辻 雅宏

 

四点句

熊野古道翳りの中の新樹かな    辻 雅宏

 

三点句

古文書を開けば紙魚の食みこぼし  阿部文彦

五月雨や速度増したる舟下り    龍野ひろし

新樹風抜くる谷中の築地塀     龍野ひろし

赴任地の駅前通りさみだるる    辻 雅宏

五月雨やオランダ坂の石畳     辻 雅宏

峡谷のトロッコ列車新樹風     辻 雅宏

目鼻さえ区別なき地蔵新樹光    青山好男

5バーツの籠いっぱいのバナナかな 植木 彩由

 

二点句

爆弾のやうなおむすび新樹光    植木 彩由

五月雨や龍と目が合ふ天井画    龍野ひろし

銀輪をつらね少年新樹風      龍野ひろし

道産子の葦毛三つ編み緑さす    水野幸子

紙魚走る国語辞典の裏表紙     阿部文彦

いにしえの手帳に走る紙魚の跡   阿部文彦

五月雨にひねもす烟り法隆寺    辻 雅宏

ヒロインの涙を齧り紙魚きらり   神長誉夫

雨上がり新樹まぶしき建長寺    阿部文彦

夫眠り書斎に紙魚の走る音     原田啓子

 

一点句

古書店の手にとる辞書や紙魚の痕  辻 雅宏

過去帳を干して気づくや紙魚の穴  辻 雅宏

板垣の百円紙魚に喰はれをり    辻 雅宏

父の古書開けばどれも紙魚の跡   阿部文彦

かろうじてすずめ隠れている新樹  植木 彩由

五月雨や人なきコインランドリー  龍野ひろし

用済みの母子手帳食むきららかな  辻 雅宏

菊挿して入院の準備終はりけり   水野幸子

無人駅見送る友や五月雨るる    阿部文彦

五月雨や行商人の能登訛り     龍野ひろし

本棚は読まぬ書籍の紙魚の宿    阿部文彦

湧き水に命与えて新樹光      神長誉夫

五月雨を眺る猫の背や哀し     瀧口 孝志

五月雨や豆ふっくりと芽をかかぐ  水野幸子

幼子の背をすっぽりと新樹蔭    原田啓子

新樹晴れ川崎宿の芭蕉の碑     植木 彩由

五月雨や茶房の時はゆるやかに   龍野ひろし

定まらぬ嬰の眼や新樹光      原田啓子

徒歩き新樹にもらふ生気かな    辻 雅宏

五月雨やしんがりを行くランドセル 阿部文彦

五月雨に句点打つよな赤き傘    神長誉夫

木洩れ日に緑いやます新樹かな   辻 雅宏

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 

村と村つなぐ吊り橋新樹光・・・5点

 

夏の戦を吊り橋の句が最後まで勝ち抜きました。輝く緑が目に浮かぶような絶景の句です。長い猛暑ですが、

野山の美しい自然に癒されますね!

(夏:5月~7月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

五月雨や人なきコインランドリー

 

五月雨の頃の生ぬるい湿気のある空気が俳句から感じられます。

「人なき」がすべてを語っているようです。洗濯機や乾燥機が回る音まで聞こえてきそう。

 

 

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★9月の兼題(8月末日〆切)

 

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

俳句の歴史」今回は芭蕉のあと江戸後期に活躍した小林一茶です。

一茶は信濃柏原の人。(1763年~1827年)15歳で江戸へ出ます。

 

痩せ蛙負けるな一茶是にあり・・・一茶

 

この句は、小さくて弱そうなやせ蛙よ。負けないでおくれ。私がここで応援しているぞ。

といった意味の句ですね。俗語・方言を使いこなし、子どもや小動物などへの愛情にみちあふれた句を多く残しています。代表作「おらが春」は愛児さとの生と死をテーマとしたと言われ、晩年は郷里で逆境のうちに65歳で生涯を終えたとされます。

 

 雀の子そこのけそこのけお馬が通る・一茶

 

一茶の優しさが滲み出たリズミカルで楽しい句です。江戸時代の情緒あふれる風景が浮かびます。江戸時代後期を活躍した一茶の後には、怒涛のような文明開化の明治時代へと俳句も流されて行きます。

(会報令和六年7月号より 上野貴子)

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【ネット句会後記】

残暑お見舞い申し上げます。

夏の戦最終ステージは、5点句が逃げ切りました。秋の戦がスタートしましたが、兼題に楽しみな句が寄せられています。選句された句に鑑賞のコメントを寄せて下さるよう

お願いします。(令和六年八月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会7月結果発表~

 

<大賞>

 

9          奥平雅子      青々とゴザを敷き詰め海の家

 

2点句>

 

16        鈴木恵美子    写楽の絵裏にポツポツ紙魚のあと

22        荒木 かをり  ばら寿司は子規の好物祭笛

33        さこたゆう    図書室の紙の匂ひや秋近し

 

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2024年7月のネット句会

今月の投句(夏の戦第3ステージ)

 

1ベランダに妻丹精の新樹かな

2銀輪の動きに揺れる新樹光

3ジャカルタの常なる新樹朝日降る

4瓦礫舞う戦火の街の新樹かな

5右の風強まる世事に新樹建て

6解表したる掛軸に紙魚走る

7紙魚の住む伝承されし山水画

8五月雨や行商人の能登訛り

9五月雨や人なきコインランドリー

10五月雨や町家格子の花街かな

11古書店の手にとる辞書や紙魚の痕

12過去帳を干して気づくや紙魚の穴

13紙魚走る六法全書昭和版

14板垣の百円紙魚に喰はれをり

15用済みの母子手帳食むきららかな

16買い替のメガネよく見え新樹光 

17トンネルの先に届けり新樹光

18本棚は読まぬ書籍の紙魚の宿

19父の古書開けばどれも紙魚の跡

20無人駅見送る友や五月雨るる

21開拓の村新緑をたどりゆく

22草刈れば草飛び香りひろがれる

23菊挿して入院の準備終はりけり

24父の日や笑ふ遺影に缶ビール

25豆飯の湯気香る中母ゐます

26五月雨に我待つヒュッテの灯が滲み

27五月雨を押し開け救援船が発つ

28弦音鳴る矢道に溢る新樹光

29五月雨や泥に流さる竹の碧

30五月雨やもうすぐ友は友の妻

31紙魚とても触らぬ神の漢和辞書

32新樹蔭の移る方へと車停め

33新樹風独り歩きの友となり

34五月雨のやまずぬかるむ家路かな

35新樹風アッピア街道静まりて

36鳩もまた平和を傘に五月雨るる

37平和とふ傘が重たい五月雨るる

38かろうじてすずめ隠れている新樹

39市役所の夜間窓口額の花

40この街の謎解きごっこサングラス

41五月雨を眺る猫の背や哀し

42風薫る母子うとうと肌着揺れ

43在りし日の面影探す新緑寺

44村と村つなぐ吊り橋新樹光     

45古文書を開けば紙魚の食みこぼし  

46紙魚走る国語辞典の裏表紙     

47いにしえの手帳に走る紙魚の跡   

48五月雨や速度増したる舟下り    

49五月雨やオランダ坂の石畳     

50赴任地の駅前通りさみだるる    

51目鼻さえ区別なき地蔵新樹光    

525バーツの籠いっぱいのバナナかな 

53五月雨にひねもす烟り法隆寺    

54ヒロインの涙を齧り紙魚きらり   

55雨上がり新樹まぶしき建長寺    

56夫眠り書斎に紙魚の走る音     

57新樹風抜くる谷中の築地塀     

58峡谷のトロッコ列車新樹風     

59熊野古道翳りの中の新樹かな    

60湧き水に命与えて新樹光      

61五月雨を眺る猫の背や哀し     

62五月雨や龍と目が合ふ天井画    

63五月雨や豆ふっくりと芽をかかぐ  

64幼子の背をすっぽりと新樹蔭    

65新樹晴れ川崎宿の芭蕉の碑     

66五月雨や茶房の時はゆるやかに   

67定まらぬ嬰の眼や新樹光      

68徒歩き新樹にもらふ生気かな    

69五月雨やしんがりを行くランドセル 

70五月雨に句点打つよな赤き傘    

71木洩れ日に緑いやます新樹かな   

72道産子の葦毛三つ編み緑さす    

73爆弾のやうなおむすび新樹光    

74銀輪をつらね少年新樹風      

 

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秋の戦の兼題(8月から10月を通して毎月詠んでください。)

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

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【秋の戦8・9・10月】

★8月におすすめの兼題(7月末日〆切。)

【赤のまま】

一年草犬蓼の花、粒状の紅色の花を赤飯になぞらえてこの名がある。夏から秋にかけて、赤い小花を枝先に群がらせて咲く。

傍題に、赤まんま、赤のまま、犬蓼の花。

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   長雨のふるだけ降るや赤のまゝ 中村汀女

 

   鰯雲人に告ぐべきことならず   加藤楸邨

   

   人はみな旅せむ心鳥渡る   石田波郷 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和6年7月号6月の結果(夏の戦第2ステージ)

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

爆弾のやうなおむすび新樹光

5バーツの籠いっぱいのバナナかな

新樹風抜くる谷中の築地塀

銀輪をつらね少年新樹風

雨上がり新樹まぶしき建長寺

 

 

点盛りの結果

 

五点句

村と村つなぐ吊り橋新樹光     辻 雅宏

 

三点句

古文書を開けば紙魚の食みこぼし  阿部文彦

 

二点句

紙魚走る国語辞典の裏表紙     阿部文彦

いにしえの手帳に走る紙魚の跡   阿部文彦

五月雨や速度増したる舟下り    龍野ひろし

五月雨やオランダ坂の石畳     辻 雅宏

赴任地の駅前通りさみだるる    辻 雅宏

目鼻さえ区別なき地蔵新樹光    青山好男

5バーツの籠いっぱいのバナナかな 植木 彩由

五月雨にひねもす烟り法隆寺    辻 雅宏

ヒロインの涙を齧り紙魚きらり   神長誉夫

雨上がり新樹まぶしき建長寺    阿部文彦

夫眠り書斎に紙魚の走る音     原田啓子

新樹風抜くる谷中の築地塀     龍野ひろし

峡谷のトロッコ列車新樹風     辻 雅宏

熊野古道翳りの中の新樹かな    辻 雅宏

 

一点句

湧き水に命与えて新樹光      神長誉夫

五月雨を眺る猫の背や哀し     瀧口 孝志

五月雨や龍と目が合ふ天井画    龍野ひろし

五月雨や豆ふっくりと芽をかかぐ  水野幸子

幼子の背をすっぽりと新樹蔭    原田啓子

新樹晴れ川崎宿の芭蕉の碑     植木 彩由

五月雨や茶房の時はゆるやかに   龍野ひろし

定まらぬ嬰の眼や新樹光      原田啓子

徒歩き新樹にもらふ生気かな    辻 雅宏

五月雨やしんがりを行くランドセル 阿部文彦

五月雨に句点打つよな赤き傘    神長誉夫

木洩れ日に緑いやます新樹かな   辻 雅宏

道産子の葦毛三つ編み緑さす    水野幸子

爆弾のやうなおむすび新樹光    植木 彩由

銀輪をつらね少年新樹風      龍野ひろし

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 

村と村つなぐ吊り橋新樹光・・・5点

 

夏の戦を吊り橋の句が勝ち抜きましたね。やはり絶景の句は強いです。今年も長い猛暑ですが次回は夏最終回です!

(夏:5月~7月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

バーツの籠いっぱいのバナナかな

 

日本円で20円余りで籠いっぱいに買え、旅先のタイでの得した気分がみてとれる。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★8月の兼題(7月末日〆切)

 

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

★オンライン句会
毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

今月はお休み

今回から新しいテーマでこのコーナーの考察を続けて行きたいと思います。

これまで「や」「かな」「けり」の切れ字について芭蕉の「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回からは、そうした手法的な考察ではなく、全体の歴史を見てゆこうと思います。芭蕉が俳諧の発句として、俳句を一句に独立させて、江戸前期に全国に広めました。

 

古池や蛙飛び込む水の音・・・芭蕉

 

この句が、芭蕉の俳句の大元と成る開眼の一句だと言われています。句意は「蛙が飛び込む水の音が響きわたっています。何と静かな古い池であろう。」季語は「蛙」春となります。

貞享3年1686年芭蕉43才の句です。蛙を句材に平凡な事柄に風情を見出すことにより、和歌や連歌、またそれまでの俳諧の型にはまった情趣から一線を画したものであるとされ、この句が芭蕉開眼の名句と云われています。この後46才で「奥の細道」の旅にでて、多くの名句を生み出しています。

 

閑さや岩にしみ入る蝉の声・・・芭蕉

 

この句も「蝉」という平凡な事柄を詠んでいますが「閑さ」という情趣が禅の精神である侘び寂びにも通じる深い感慨をもたらしています。

芭蕉はこうして江戸前期にこれまでの俳諧の世界を発句という一句独立した文学として高めていったのです。そして、1694年元禄7年51歳で江戸を発ち伊賀上野へ向かう途中に大阪で倒れ病状悪化の為に死去しています。蕉風と呼ばれる芸術性の極めて高い句風を確立し、後世では俳聖として世界的にも知られる、日本史上最高の俳諧師の一人と現在でも云われています。

(会報令和六年四月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

夏の戦第二ステージは、5点句が出ましたが最終ステージの展開が楽しみです。今月から秋の兼題になりますが、どれで詠んでいただいても結構です。再三お願いしていますが、選句された句に鑑賞のコメントを寄せて下さる方が若干名ですので、ご協力をお願いします。
(令和六年七月 辻 雅宏)

 

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会6月結果発表~

 

<大賞>

 

42        大西文子 星空と新樹の下で待ち合わせ

 

2点句>

 

6  奥平雅子         世田谷線窓の近くに釣り忍

20 山本佐和子       真緑の服して新樹潜りけり

25 鈴木拝      花嫁や 祝う門出の 新樹光

33 荒木かをり       新樹の香ぬり絵にはまる母米寿

39 大西文子            坂道を駆けておいでと新樹光

45 さこたゆう       若き者新樹の下でボール蹴る

27 山本 佐和子 五月雨の打つ由緒ある木造屋

39 大西 文子 テラス席吾子と取り合うかき氷

31 大西 文子 手を合わすお地蔵様の顔に蜂

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

自由なオンライン句会はこちら
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2024年6月のネット句会

今月の投句(夏の戦第2ステージ)

 

1五月雨を眺る猫の背や哀し

2風薫る母子うとうと肌着揺れ

3在りし日の面影探す新緑寺

4あかあおみどりの下駄一列や夏館

5隣卓は三回転目五月雨るる

6蒸気立つ工事現場や五月雨

7新樹晴れ川崎宿の芭蕉の碑

8天に星地に酢漿のありにけり

9五月雨にひねもす烟り法隆寺

10五月雨に濡るるてるてるばうずかな

11五月雨のいつやむとなく墨田川

12五月雨やオランダ坂の石畳

13赴任地の駅前通りさみだるる

14五月雨や龍と目が合ふ天井画

15五月雨やいまだ客無き古本屋

16五月雨や茶房の時はゆるやかに

17五月雨や散歩の犬に合羽着せ

18五月雨や速度増したる舟下り

19古文書を開けば紙魚の食みこぼし

20紙魚走る国語辞典の裏表紙

21いにしえの手帳に走る紙魚の跡

22宿の窓開けて目にしむ新樹光

23免許証返上すれば五月雨るる

24五月雨や豆ふっくりと芽をかかぐ

25新緑の道産子のひづめ響かせて

26ダリヤ植え退院の日を思いをり

27五月雨やきゅうりの苗を植え直す

28道産子の十勝野を引く麦の秋

29湧き水に命与えて新樹光

30五月雨や歩道流るる傘の花

31新樹光産院の灯の消えし朝

32五月雨を拒む渇きしビルの森

33墓標なる新樹の光宙に満つ

34雨粒の柔らかきこと皐月雨

35幼子の背をすっぽりと新樹蔭

36店先に傘並ぶ日や五月雨るる

37韓ドラを観る夜や紙魚の走る夜

38五月雨にステッキ傘の紳士かな

39村と村つなぐ吊り橋新樹光    

40雨上がり新樹まぶしき建長寺    

41夫眠り書斎に紙魚の走る音     

42新樹風抜くる谷中の築地塀     

43峡谷のトロッコ列車新樹風     

44熊野古道翳りの中の新樹かな    

45定まらぬ嬰の眼や新樹光      

46徒歩き新樹にもらふ生気かな    

47目鼻さえ区別なき地蔵新樹光    

48ヒロインの涙を齧り紙魚きらり   

49五月雨やしんがりを行くランドセル 

50五月雨に句点打つよな赤き傘    

51木洩れ日に緑いやます新樹かな   

52道産子の葦毛三つ編み緑さす    

53爆弾のやうなおむすび新樹光    

545バーツの籠いっぱいのバナナかな 

55銀輪をつらね少年新樹風      

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)

【新樹】【五月雨】【紙魚(しみ)】

 

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【夏の戦5・6・7月】

★7月におすすめの兼題(6月末日〆切。)

【新樹】

若葉におおわれる初夏の木立をいう。みずみずしい新樹に包まれる山や野には生命力がみなぎる。

傍題に、緑樹、新樹光、新樹蔭。

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   大風にはげしくにほふ新樹かな 日野草城

 

   五月雨や大河を前に家二軒   与謝蕪村

   

   鴎外も茂吉も紙魚に食はれけり  藤田湘子 

 

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令和6年6月号5月の結果(夏の戦第1ステージ)

 ~~<辻 雅宏選5句>~~

麻酔より覚めて窓辺に山笑う

蜜蜂の仕事疲れて戻る箱

春の海会えること無き人想う

道真を偲びて開く梅の花   

通勤のひとあしお先春コート

  

点盛りの結果

 

三点句

村と村つなぐ吊り橋新樹光    辻 雅宏

 

二点句

雨上がり新樹まぶしき建長寺    阿部文彦

夫眠り書斎に紙魚の走る音     原田啓子

新樹風抜くる谷中の築地塀     龍野ひろし

峡谷のトロッコ列車新樹風     辻 雅宏

熊野古道翳りの中の新樹かな    辻 雅宏

 

一点句

定まらぬ嬰の眼や新樹光      原田啓子

徒歩き新樹にもらふ生気かな    辻 雅宏

目鼻さえ区別なき地蔵新樹光    青山好男

ヒロインの涙を齧り紙魚きらり   神長誉夫

五月雨やしんがりを行くランドセル 阿部文彦

五月雨に句点打つよな赤き傘    神長誉夫

木洩れ日に緑いやます新樹かな   辻 雅宏

道産子の葦毛三つ編み緑さす    水野幸子

爆弾のやうなおむすび新樹光    植木 彩由

5バーツの籠いっぱいのバナナかな 植木 彩由

銀輪をつらね少年新樹風      龍野ひろし

  

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 

村と村つなぐ吊り橋新樹光・・・3点

 

村と村の境の川にかかる吊り橋が美しい句ですね。自然と闘いながら人のつながりを大切にしてきた地元の人の心が伝わる素敵な句です。今年も長い夏の始まりですね!

(夏:5月~7月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

村と村つなぐ吊り橋新樹光

 

旅俳句でしょうか。初夏のみずみずしい樹々に囲まれた峡谷に架けられた吊り橋。時に厳しい自然環境の中で生活を支える吊り橋の最も美しい季節。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★6月の兼題(5月末日〆切)

 

【新樹】【五月雨】【紙魚】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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【今月のワンポイントレッスン】

今月はお休み

今回から新しいテーマでこのコーナーの考察を続けて行きたいと思います。

これまで「や」「かな」「けり」の切れ字について芭蕉の「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回からは、そうした手法的な考察ではなく、全体の歴史を見てゆこうと思います。芭蕉が俳諧の発句として、俳句を一句に独立させて、江戸前期に全国に広めました。

 

古池や蛙飛び込む水の音・・・芭蕉

 

この句が、芭蕉の俳句の大元と成る開眼の一句だと言われています。句意は「蛙が飛び込む水の音が響きわたっています。何と静かな古い池であろう。」季語は「蛙」春となります。

貞享3年1686年芭蕉43才の句です。蛙を句材に平凡な事柄に風情を見出すことにより、和歌や連歌、またそれまでの俳諧の型にはまった情趣から一線を画したものであるとされ、この句が芭蕉開眼の名句と云われています。この後46才で「奥の細道」の旅にでて、多くの名句を生み出しています。

 

閑さや岩にしみ入る蝉の声・・・芭蕉

 

この句も「蝉」という平凡な事柄を詠んでいますが「閑さ」という情趣が禅の精神である侘び寂びにも通じる深い感慨をもたらしています。

芭蕉はこうして江戸前期にこれまでの俳諧の世界を発句という一句独立した文学として高めていったのです。そして、1694年元禄7年51歳で江戸を発ち伊賀上野へ向かう途中に大阪で倒れ病状悪化の為に死去しています。蕉風と呼ばれる芸術性の極めて高い句風を確立し、後世では俳聖として世界的にも知られる、日本史上最高の俳諧師の一人と現在でも云われています。

(会報令和六年四月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

  

【ネット句会後記】

夏の戦第一ステージは、独走した句はなく接戦の様相でした。第2ステージでの展開が楽しみです。投句された句に是非、コメントをお願いします。投句者にも励みになります。ご協力をお願いします。(令和六年六月 辻 雅宏)

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会5月結果発表~

 

<大賞>

 

3   米重 初枝 薫風も民謡も乗せ最上川

 

2点句>

 

27 山本 佐和子 五月雨の打つ由緒ある木造屋

39 大西 文子 テラス席吾子と取り合うかき氷

31 大西 文子 手を合わすお地蔵様の顔に蜂

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

自由なオンライン句会はこちら
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2024年5月のネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

 

1新樹光駅へ小走り女学生

2丘の上この道が好き新樹光

3ベンチにはいつもの老人新樹光

4新緑へ曲がればバスは水族館

5通院は今年で二度目新樹光

6爆弾のやうなおむすび新樹光

7老木のわきの豊けき新樹かな

8白シャツや胸の黒子は父ゆづり

9てのひらの黒子が育つ麦の秋

105バーツの籠いっぱいのバナナかな

11新樹風抜くる谷中の築地塀

12銀輪をつらね少年新樹風

13キャンデイを捩るセロハン新樹光

14新樹風背中に跳ねるランドセル

15新樹風杜の都へ新幹線

16目鼻さえ区別なき地蔵新樹光

17新樹光母の生まれし旧家なり

18ネコとイヌ新樹の上下でにらみ合い

19雨上がり新樹まぶしき建長寺

20神の住む四方の山々新樹光

21天を衝きメタセコイヤの新樹かな

22五月雨やしんがりを行くランドセル

23車椅子押す坂道に五月雨るる

24道産子の葦毛三つ編み緑さす

25五月雨や飛鳥寺に蘇を味わいぬ

26文箱あけ紙魚はいづこに目をこらす

27五月雨を爆して落ちる水の音

28新樹雨濡れて身の内洗いけり

29五月雨に句点打つよな赤き傘

30新樹光宙へと続く峠道

31五月雨の葉脈這ひて蹲り

32ヒロインの涙を齧り紙魚きらり

33燃え上がる新樹の影で息を継ぐ

34定まらぬ嬰の眼や新樹光

35英国の野も五月雨に湖となり

36生涯の終わりまで吹け新樹風

37五月雨て乳の香の立つ襁褓かな

38夫眠り書斎に紙魚の走る音

39木洩れ日に緑いやます新樹かな

40徒歩き新樹にもらふ生気かな

41峡谷のトロッコ列車新樹風

42熊野古道翳りの中の新樹かな

43村と村つなぐ吊り橋新樹光

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)

【新樹】【五月雨】【紙魚(しみ)】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【夏の戦5・6・7月】

★6月におすすめの兼題(5月末日〆切。)

【五月雨】

梅雨期に降り続く雨のこと。梅雨は時候を表し、五月雨は雨を表す。

傍題に、さつき雨、さみだるる、五月雨雲。

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   大風にはげしくにほふ新樹かな 日野草城

 

   五月雨や大河を前に家二軒   与謝蕪村

   

   鴎外も茂吉も紙魚に食はれけり  藤田湘子 

 

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令和6年5月号4月の結果(春の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

梅の香はあるようで無き季節病  

剣抜かず老ゆる蜜蜂我も又 

梅林や夫と分けあふ梅ソフト 

戸袋に吸い込まれゆく蜂の群 

蜜蜂の仕事疲れて戻る箱 

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

麻酔より覚めて窓辺に山笑う

蜜蜂の仕事疲れて戻る箱

春の海会えること無き人想う

道真を偲びて開く梅の花   

通勤のひとあしお先春コート

 

 

点盛りの結果

 

七点句

梅一輪花瓶の中の故郷かな     青山好男

 

五点句

足踏みし窯出し待てば山笑ふ    神長誉夫

ゆづりあい田浦の里の梅日和    阿部文彦

 

四点句

リハビリの一歩一歩や山笑う    原田啓子

道真を偲びて開く梅の花      青山好男

 

三点句

山笑ふ六千尺の露天風呂      龍野ひろし

今年また開花早まる梅便り     上野貴子

通勤のひとあしお先春コート    小林ひろ

山笑う孫の乳歯見つけたり     小林ひろ

咲き満ちて此の香此の色梅の花   辻 雅宏

補聴器に風渡る音春立ちぬ     原田啓子

外つ国にゐて待ちどほし梅便り   原田啓子

 

二点句

捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    神長誉夫

支笏湖の水のきらめき山笑ふ    水野幸子

蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る    阿部文彦

梅林や夫と分けあふ梅ソフト    水野幸子

麻酔より覚めて窓辺に山笑う    原田啓子

麓行く巡回バスや山笑ふ      辻 雅宏

白梅の庭冴え渡り三回忌      青山好男

ポップコーン弾けるごとく梅開き  原田啓子

猟船の賑わうあたり初茜      青山好男

離れ家に点る白梅星の影      上野貴子

蒼天や冬の桜木時を待つ      青山好男

梅の香と一気に上へエレベーター  原田啓子

梅林に人影絶えて夜の風      青山好男

 

一点句

蜜蜂も三労四休寒戻る       船津

梅の香はあるようで無き季節病   船津

産月の娘に蜜蜂の二三匹      原田啓子

剣抜かず老ゆる蜜蜂我も又     神長誉夫

戸袋に吸い込まれゆく蜂の群    阿部文彦

バス停に吾独り待つ余寒かな    原田啓子

咲き競ふ雛の口々山笑ふ      神長誉夫

蜂蜜や春光集め黄金色       龍野ひろし

蜜蜂や琥珀のひかりまき散らす   龍野ひろし

茶処に湯気立ち込めて梅日和    阿部文彦

知らぬ街尋ねる家に梅白し     青山好男

石仏の肩まで埋めて山笑う     阿部文彦

蜜蜂の仕事疲れて戻る箱      阿部文彦

春の海会えること無き人想う    青山好男

四阿に座れば四方の山笑う     阿部文彦

娘の握るおにぎり二つ山笑う    原田啓子

梅園に笑う老若あんこ餅      青山好男

安曇野の堰の飛沫や山笑ふ     龍野ひろし

縁側で刈られし白髪山笑ふ     神長誉夫

運命や働き蜂と女王蜂       小林ひろ

門入れば白梅の香に迎えられ    上野貴子

梅の花もの無き畑に色点じ     青山好男

ホットティー今日か明日かと梅の花 小林ひろ

東雲に星消え忘れ山笑ふ      神長誉夫

LINEにて梅の咲き様尋ねけり  辻 雅宏

それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    阿部文彦

莟からいつしか香る梅の里     上野貴子

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

梅一輪花瓶の中の故郷かな・・・7点

 

梅の花の句が春の戦を勝ち抜きました。花瓶に挿した一輪の美しさが心に響く素晴らしい句ですね。次回はもう夏の勝です!今年もいよいよ猛暑の始まりです!楽しみです。

(夏:5月~7月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

山笑ふ六千尺の露天風呂

 

大自然の中の大きな露天風呂、春のまだ冷たい風と温泉に温まっていく身体。

心が解放されてゆく。

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 ★6月の兼題(5月末日〆切)

 

【新樹】【五月雨】【紙魚】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

★オンライン句会
毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。

https://onlinehaiku.jimdofree.com/

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

今回から新しいテーマでこのコーナーの考察を続けて行きたいと思います。

これまで「や」「かな」「けり」の切れ字について芭蕉の「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回からは、そうした手法的な考察ではなく、全体の歴史を見てゆこうと思います。芭蕉が俳諧の発句として、俳句を一句に独立させて、江戸前期に全国に広めました。

 

古池や蛙飛び込む水の音・・・芭蕉

 

この句が、芭蕉の俳句の大元と成る開眼の一句だと言われています。句意は「蛙が飛び込む水の音が響きわたっています。何と静かな古い池であろう。」季語は「蛙」春となります。

貞享3年1686年芭蕉43才の句です。蛙を句材に平凡な事柄に風情を見出すことにより、和歌や連歌、またそれまでの俳諧の型にはまった情趣から一線を画したものであるとされ、この句が芭蕉開眼の名句と云われています。この後46才で「奥の細道」の旅にでて、多くの名句を生み出しています。

 

閑さや岩にしみ入る蝉の声・・・芭蕉

 

この句も「蝉」という平凡な事柄を詠んでいますが「閑さ」という情趣が禅の精神である侘び寂びにも通じる深い感慨をもたらしています。

芭蕉はこうして江戸前期にこれまでの俳諧の世界を発句という一句独立した文学として高めていったのです。そして、1694年元禄7年51歳で江戸を発ち伊賀上野へ向かう途中に大阪で倒れ病状悪化の為に死去しています。蕉風と呼ばれる芸術性の極めて高い句風を確立し、後世では俳聖として世界的にも知られる、日本史上最高の俳諧師の一人と現在でも云われています。

(会報令和六年四月号より 上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

春の戦最終ステージは、七点句、五点句、四点句と高点句が並んで終わりました。夏の戦がスタートしています。第一ステージの選句と第二ステージの投句をよろしくお願いします。句会は選句して完結します。必ず、選句に参加して感想も添えて下さるようお願いします。
(令和六年五月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会4月結果発表~

 

<大賞>

 

31 大西 文子 手を合わすお地蔵様の顔に蜂

 

2点句>

 

2  米重 初枝 暮れるまで地蔵の視野に雀の子

6  田辺 公子 ミツバチは集団力で危機脱し

15 奥平 雅子 フレンチのフォークとナイフ花衣

28 さこたゆう ホバリング仕事精出す蜂余多

34 大西 文子 房総の潮風うける花見酒

35 大西 文子 草萌ゆる復興祈るコンサート

38 南出 千賀子 刺されまいハッカ油片手のガーデンニング

41 大倉 宏美 蜂の巣も我が家も母は飛び回り

 

 

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2024年4月のネット句会

今月の投句(春の戦第3ステージ)

1死を招く蜂の一刺し油断すな

2密を吸ふはたらき蜂の尻まろし

3夜の更けて蜂の巣除く業者かな

4蜂の毒おのがいばりで中和せむ

5巣の出入り頻りなりけり蜂四月

6蜜蜂も三労四休寒戻る

7蜜蜂や足先は黄と橙の花粉かな

8梅の香はあるようで無き季節病

9北向きの塀沿いに遅く梅の花

10三春には梅もひっそり役を待つ

11孫の手で蜂を追い出す夫の居て

12産月の娘に蜜蜂の二三匹

13バス停に吾独り待つ余寒かな

14麻酔より覚めて窓辺に山笑う

15蜜蜂や子のさす指に止まりおり

16蜂来たり潜るしょっぱき露天風呂

17剣抜かず老ゆる蜜蜂我も又

18咲き競ふ雛の口々山笑ふ

19蜂の巣や煮えくり返る腑の如く

20浮かぶ蜂じりり近づくハイヌーン

21ポットよりコーヒーを汲む梅見かな

22夫ときし梅園の空仰ぎゆく

23梅林や夫と分けあふ梅ソフト

24花の雨廻るレストラン閉店と

25満開の桜の下の運動会

26戸袋に吸い込まれゆく蜂の群

27蜜蜂の仕事疲れて戻る箱

28日一日色を重ねて山笑う

29石仏の肩まで埋めて山笑う

30茶処に湯気立ち込めて梅日和

31来世もと言う君染める桜かな

32陽だまりや菜の花震え蜂飛べる

33春の海会えること無き人想う

34黄砂舞う街を見下ろす生駒かな

35知らぬ街尋ねる家に梅白し

36蜜蜂や琥珀のひかりまき散らす

37山笑ふスタンプだけのLINEかな

38蜂蜜や春光集め黄金色

39キャンディを包むセロハン山笑ふ

40山笑ふ六千尺の露天風呂

41梅一輪花瓶の中の故郷かな  

42足踏みし窯出し待てば山笑ふ

43リハビリの一歩一歩や山笑う    

44山笑う孫の乳歯見つけたり     

45道真を偲びて開く梅の花      

46咲き満ちて此の香此の色梅の花   

47補聴器に風渡る音春立ちぬ     

48ゆづりあい田浦の里の梅日和    

49外つ国にゐて待ちどほし梅便り   

50白梅の庭冴え渡り三回忌      

51ポップコーン弾けるごとく梅開き  

52猟船の賑わうあたり初茜      

53今年また開花早まる梅便り     

54離れ家に点る白梅星の影      

55蒼天や冬の桜木時を待つ      

56梅の香と一気に上へエレベーター  

57梅林に人影絶えて夜の風      

58四阿に座れば四方の山笑う     

59娘の握るおにぎり二つ山笑う    

60梅園に笑う老若あんこ餅      

61蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る    

62麓行く巡回バスや山笑ふ      

63安曇野の堰の飛沫や山笑ふ     

64縁側で刈られし白髪山笑ふ     

65運命や働き蜂と女王蜂       

66通勤のひとあしお先春コート    

67門入れば白梅の香に迎えられ    

68捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    

69梅の花もの無き畑に色点じ     

70ホットティー今日か明日かと梅の花 

71東雲に星消え忘れ山笑ふ      

72LINEにて梅の咲き様尋ねけり  

73それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    

74支笏湖の水のきらめき山笑ふ    

75莟からいつしか香る梅の里     

 

 

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)

【新樹】【五月雨】【紙魚(しみ)】

 

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【夏の戦5・6・7月】

★5月におすすめの兼題(4月末日〆切。)

 

【新樹】

若葉におおわれる初夏の木立をいう。みずみずしい新樹に包まれる山や野には生命力がみなぎる。

傍題に、緑樹、新樹光、新樹蔭。

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   大風にはげしくにほふ新樹かな 日野草城

 

   五月雨や大河を前に家二軒   与謝蕪村

   

   鴎外も茂吉も紙魚に食はれけり  藤田湘子 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 令和6年4月号3月の結果(春の戦第二ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

華やかな口紅選び初鏡

城門の門松の先とがりけり

風止んで三浦三崎の四温晴

どことなく面差し母に初鏡

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

~~<辻 雅宏選5句>~~

通勤のひとあしお先春コート

安曇野の堰の飛沫や山笑ふ

縁側で刈られし白髪山笑ふ

リハビリの一歩一歩や山笑う

運命や働き蜂と女王蜂

 

 

点盛りの結果

 

五点句

梅一輪花瓶の中の故郷かな     青山好男

 

四点句

足踏みし窯出し待てば山笑ふ    神長誉夫

 

三点句

リハビリの一歩一歩や山笑う    原田啓子

山笑う孫の乳歯見つけたり     小林ひろ

道真を偲びて開く梅の花      青山好男

咲き満ちて此の香此の色梅の花   辻 雅宏

補聴器に風渡る音春立ちぬ     原田啓子

ゆづりあい田浦の里の梅日和    阿部文彦

外つ国にゐて待ちどほし梅便り   原田啓子

 

二点句

白梅の庭冴え渡り三回忌      青山好男

ポップコーン弾けるごとく梅開き  原田啓子

猟船の賑わうあたり初茜      青山好男

今年また開花早まる梅便り     上野貴子

離れ家に点る白梅星の影      上野貴子

蒼天や冬の桜木時を待つ      青山好男

梅の香と一気に上へエレベーター  原田啓子

梅林に人影絶えて夜の風      青山好男

 

一点句

四阿に座れば四方の山笑う     阿部文彦

娘の握るおにぎり二つ山笑う    原田啓子

梅園に笑う老若あんこ餅      青山好男

蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る    阿部文彦

麓行く巡回バスや山笑ふ      辻 雅宏

安曇野の堰の飛沫や山笑ふ     龍野ひろし

縁側で刈られし白髪山笑ふ     神長誉夫

運命や働き蜂と女王蜂       小林ひろ

通勤のひとあしお先春コート    小林ひろ

門入れば白梅の香に迎えられ    上野貴子

捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    神長誉夫

梅の花もの無き畑に色点じ     青山好男

ホットティー今日か明日かと梅の花 小林ひろ

東雲に星消え忘れ山笑ふ      神長誉夫

LINEにて梅の咲き様尋ねけり  辻 雅宏

それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    阿部文彦

支笏湖の水のきらめき山笑ふ    水野幸子

莟からいつしか香る梅の里     上野貴子

 

 

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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

             ~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

梅一輪花瓶の中の故郷かな・・・5点

 

梅の花は枝に直接咲くので特に美しいです。そんな枝を一輪だけ花瓶に挿し、故郷の梅林を想い描いているのでしょうか。美しく素晴らしい句ですね。春の墨絵のような素敵な句が次回は勝ち残るか?楽しみです。

(春:2月~4月)

  

~~~今月の選評~~~

 

梅一輪花瓶の中の故郷かな

 

花瓶に一輪という限られたセッティングに、「故郷かな」で空間的・時間的な広がりがもたらされ、梅にまつわる様々な思いが込められているいい句だと思います。

 

 

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★5月の兼題(4月末日〆切)

 

【新樹】【五月雨】【紙魚】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠自由題を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は最後のまとめです。

 

草の戸も住替る代ぞひなの家

蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ

 

始めの「序章」と最後の「大垣」の抄のどちらにも切れ字十八の「ぞ」が使われています。この「ぞ」は終助詞で強調させる感嘆の意味として使われていると考えます。ですから切れ字が無いとは言い難いのですが、代表的な3つの切れ字は使われていません。

 

あらたうと青葉若葉の日の光

 

この句は「日光」の抄の句です。切れ字が使われていない代表的な句です。季語に関しても「青葉若葉」と二つの季語を組み合わせて造語にして一つの言葉としていますので、季重なりとも言い切れません。日光の緑の美しさを強調しながら、江戸の徳川の威光を表現していると解釈され、「あらたうと」は「あら尊し」の意味で、「日光」の旧称「二荒(ふたあら)」に掛かり、昔の名から空海大使が「日光」と改めたことを句のなかに詠み込んでいます。印象深い名句です。

このように現代で切れ字と云われる「や」「かな」「けり」を使わない句にも名句は多く、芭蕉の時代に遡って考えてみても、切れ字の有る無しではなく、意味が切れているのかどうかという解釈の問題ですね。言葉の響きやリズムでは文語調になるため、現在の自分らしい句を詠むためにはことさら必要は無くなってきているようです。

 

(令和六年三月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

春の戦第二ステージは、五点句が出ましたが、三点句までは追いつ追われつのシーソーゲームの様相です。最終ステージが楽しみです。今月からは夏の戦の始まりです。兼題のどれで詠んでいただいても結構です。
投句されても選句されない方がおられます。是非、選句にも参加下さい。

(令和六年四月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会3月結果発表~

 

<大賞>

 

34 田辺 公子 復興も平和も託し流し雛

 

2点句>

 

6   奥平 雅子 幼子の手のひらに降る春の雪

12 橋詰 博 山笑う見知らぬ町の途中下車

18 田辺 公子 眠りから覚め車窓より山笑う

23 小川 修司 黄昏の菜の花明かり水明かり

35 南出 千賀子 おむすびが笑顔をつくる山笑う

38 大西 文子 女子旅はゆるり寄り道山笑う

41 大西 文子 姉と行く銀座通りで桜餅

2   橋詰 博 梅日和友を誘いて隣町

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

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2024年3月のネット句会

今月の投句(春の戦第2ステージ)

1紅白の靄るがごとき梅の園

2放牧の牛の反芻山笑ふ

3安曇野の堰の飛沫や山笑ふ

4光琳の見し紅梅を旅に吾も

5ズームする梅一輪の嬉しさを

6山笑い賑わい戻る日曜日

7メジロ来て何やら突く春の山

8私鉄駅下りれば梅の山笑う

9紅白の山は目出度く笑うほど

10石段を上る四方から山笑う

11白梅の庭冴え渡り三回忌

12梅の香や人影無き寺経響く

13梅園に笑う老若あんこ餅

14和歌の札道も進まず梅の園

15雲の下懐旧集う山笑う

16四阿に座れば四方の山笑う

17尋れば母住む里の山笑う

18山笑う家まばらなり道祖神

19屋根裏へ吸い込まれゆく雀蜂

20蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る

21さへずりの枝々に色こぼれけり

22桃の花を猫柳と・ガーベラに

23シマエナガ春の雫へホバリング

24流氷をこじ開け逃れシャチの群れ

25古雛娘が繕ろふて飾りけり

26縁側で刈られし白髪山笑ふ

27おさげ髪揺れて梅咲く径海へ

28蜂翔けて出でし大河のゆるりゆら

29やなものは嫌だと言えて梅の花

30老樹にも確かな脈音山笑ふ

31ニ窓に分かれてのどか山笑う

32乳母車風受け傾ぐ潮干潟

33娘の握るおにぎり二つ山笑う

34入院の延期の知らせ寒もどる

35リハビリの一歩一歩や山笑う

36運命や働き蜂と女王蜂

37通勤のひとあしお先春コート

38二十年余命を決めて山笑う

39春一番タクシー会話弾んでる

40耳成が笑へば畝傍香具笑ふ

41麓行く巡回バスや山笑ふ

42眠りから覚めて山山笑ひけり

43初孫に浮き立つこころ山笑ふ

44湖とふ五つの鏡富士笑ふ

45足踏みし窯出し待てば山笑ふ    

46梅一輪花瓶の中の故郷かな     

47外つ国にゐて待ちどほし梅便り   

48今年また開花早まる梅便り     

49離れ家に点る白梅星の影      

50道真を偲びて開く梅の花      

51咲き満ちて此の香此の色梅の花   

52蒼天や冬の桜木時を待つ      

53梅の香と一気に上へエレベーター  

54補聴器に風渡る音春立ちぬ     

55梅林に人影絶えて夜の風      

56ゆづりあい田浦の里の梅日和    

57門入れば白梅の香に迎えられ    

58捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    

59梅の花もの無き畑に色点じ     

60ポップコーン弾けるごとく梅開き  

61ホットティー今日か明日かと梅の花 

62東雲に星消え忘れ山笑ふ      

63山笑う孫の乳歯見つけたり     

64猟船の賑わうあたり初茜      

65LINEにて梅の咲き様尋ねけり  

66それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    

67支笏湖の水のきらめき山笑ふ    

68莟からいつしか香る梅の里     

 

 

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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

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【春の戦2・3・4月】

★4月におすすめの兼題(3月末日〆切。)

 

【蜂】

蜂の種類は多く、尻に毒のある針をもつ

傍題に、足長蜂、熊蜂、蜜蜂、女王蜂、雀蜂、蜂の子、蜂の巣など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

紅白に空を分かちて梅ひらく  高橋悦男

 

モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ   日下野仁美

     

なきがらの蜂に黄の縞黒の縞   橋本多佳子

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和6年3月号2月の結果(春の戦第一ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

華やかな口紅選び初鏡

城門の門松の先とがりけり

風止んで三浦三崎の四温晴

どことなく面差し母に初鏡

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

 ~~<辻 雅宏選5句>~~

道真を偲びて開く梅の花

莟からいつしか香る梅の里

今年また開花早まる梅便り

蒼天や冬の桜木時を待つ

外つ国にゐて待ちどほし梅便り

  

点盛りの結果

 

四点句

足踏みし窯出し待てば山笑ふ    神長誉夫

 

三点句

梅一輪花瓶の中の故郷かな     青山好男

外つ国にゐて待ちどほし梅便り   原田啓子

 

二点句

今年また開花早まる梅便り     上野貴子

離れ家に点る白梅星の影      上野貴子

道真を偲びて開く梅の花      青山好男

咲き満ちて此の香此の色梅の花   辻 雅宏

蒼天や冬の桜木時を待つ      青山好男

梅の香と一気に上へエレベーター  原田啓子

補聴器に風渡る音春立ちぬ     原田啓子

梅林に人影絶えて夜の風      青山好男

ゆづりあい田浦の里の梅日和    阿部文彦

 

一点句

門入れば白梅の香に迎えられ    上野貴子

捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    神長誉夫

梅の花もの無き畑に色点じ     青山好男

ポップコーン弾けるごとく梅開き  原田啓子

ホットティー今日か明日かと梅の花 小林ひろ

東雲に星消え忘れ山笑ふ      神長誉夫

山笑う孫の乳歯見つけたり     小林ひろ

猟船の賑わうあたり初茜      青山好男

LINEにて梅の咲き様尋ねけり  辻 雅宏

それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    阿部文彦

支笏湖の水のきらめき山笑ふ    水野幸子

莟からいつしか香る梅の里     上野貴子

 

 

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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

足踏みし窯出し待てば山笑ふ・・・4点

 

足踏みをして待ちきれない様子がユーモラスですね。春のうららかさと上手くマッチしていると思います。そろそろ春の花の季節なので次回からの句が楽しみです。

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

道真を偲びて開く梅の花

 

道真と梅の花は即くとも言われ、また、類句も多いが、それにしてもこの詠みはさらりとよどみない。

 

 

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★4月の兼題(3月末日〆切)

 

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は最後のまとめです。

 

草の戸も住替る代ぞひなの家

蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ

 

始めの「序章」と最後の「大垣」の抄のどちらにも切れ字十八の「ぞ」が使われています。この「ぞ」は終助詞で強調させる感嘆の意味として使われていると考えます。ですから切れ字が無いとは言い難いのですが、代表的な3つの切れ字は使われていません。

 

あらたうと青葉若葉の日の光

 

この句は「日光」の抄の句です。切れ字が使われていない代表的な句です。季語に関しても「青葉若葉」と二つの季語を組み合わせて造語にして一つの言葉としていますので、季重なりとも言い切れません。日光の緑の美しさを強調しながら、江戸の徳川の威光を表現していると解釈され、「あらたうと」は「あら尊し」の意味で、「日光」の旧称「二荒(ふたあら)」に掛かり、昔の名から空海大使が「日光」と改めたことを句のなかに詠み込んでいます。印象深い名句です。

このように現代で切れ字と云われる「や」「かな」「けり」を使わない句にも名句は多く、芭蕉の時代に遡って考えてみても、切れ字の有る無しではなく、意味が切れているのかどうかという解釈の問題ですね。言葉の響きやリズムでは文語調になるため、現在の自分らしい句を詠むためにはことさら必要は無くなってきているようです。

(令和六年三月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

 

春の戦第一ステージは、四点句を筆頭に好句が並びました。そして、第2ステージでの選句と第3ステージの投句になります。自信の五句をお待ちしています。投句と選句をセットでお願いします。選評をされる方が少なく、是非、目に止まった句から一句 選評をお寄せください。

(令和六年三月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会2月結果発表~

 

<大賞>

45 大倉 宏美 赤と白絵の具絞りて梅の花

 

2点句>

2   橋詰 博 梅日和友を誘いて隣町

11 奥平 雅子 啓蟄のしまい忘れの俳句の本

28 鈴木 恵美子 爪木崎岬に香る黄水仙

30 芒花 白梅の畑静かに時とどめ

32 芒花 枝垂れ梅つぼみ啄むジョウビタキ

37 米重 初枝 大将も後期高齢ちゃんちゃんこ

41 大西 文子 凍空の星の瞬き能登念(おも)

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

※1月が抜けましたことお詫びいたします。LINE公式俳句大会でご確認ください。
 

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2024年2月のネット句会

今月の投句(春の戦第1ステージ)

 1莟からいつしか香る梅の里

2今年また開花早まる梅便り

3離れ家に点る白梅星の影

4苗木から育てた梅の二十余年

5門入れば白梅の香に迎えられ

6梅一輪花瓶の中の故郷かな

7梅の花さまざまなれど命かな

8梅林に人影絶えて夜の風

9石垣に寄り添う梅の健気かな

10梅の花もの無き畑に色点じ

11ゆづりあい田浦の里の梅日和

12道真を偲びて開く梅の花

13それぞれの蕾萌えそむ梅月夜

14猟船の賑わうあたり初茜

15蒼天や冬の桜木時を待つ

16支笏湖の水のきらめき山笑ふ

17日の射してぽっんと赤き梅愛し

18咲き初めし梅に誘われ遠くまで

19東雲に星消え忘れ山笑ふ

20足踏みし窯出し待てば山笑ふ

21微睡みの空にぱちりと梅目覚む

22転ぶ地に温もりありて山笑ふ

23捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ

24ポップコーン弾けるごとく梅開き

25外つ国にゐて待ちどほし梅便り

26梅の香と一気に上へエレベーター

27運河沿いボートの数より猫の恋

28補聴器に風渡る音春立ちぬ 

29還暦に親知らず抜きて春を待つ

30ホットティー今日か明日かと梅の花

31山笑う孫の乳歯見つけたり

32らめっこ先に一手のスズメ蜂

33紅白のドローンからの梅林

34その匂ひあまねく満つる梅の園

35咲き満ちて此の香此の色梅の花

36紅梅の横に白梅花競ふ

37妙齢のわし鼻嗅ぐや梅の花

38LINEにて梅の咲き様尋ねけり

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【春の戦2・3・4月】

★3月におすすめの兼題(2月末日〆切。)

 

【山笑ふ】

春の山の明るい感じをいう。

傍題に、笑ふ山

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

紅白に空を分かちて梅ひらく 高橋悦男

 

モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ 日下野仁美

     

なきがらの蜂に黄の縞黒の縞  橋本多佳子

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和6年2月号1月の結果(冬の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

華やかな口紅選び初鏡

城門の門松の先とがりけり

風止んで三浦三崎の四温晴

どことなく面差し母に初鏡

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

この部屋の奥まで映し初鏡

風止んで三浦三崎の四温晴

軒下に猫のまどろむ四温かな

この獣どこに放つや初鏡

四温晴れ優駿最後のバーを跳ぶ

 

点盛りの結果

 

七点句

犬の名を呼べば枯葉の音連れて     龍野 ひろし

 

四点句

行く年や十字に括る新聞紙       龍野 ひろし

行く年や奥歯の二本抜けたまま     原田啓子

箒目を追いかけるごと降る枯葉     阿部 文彦

 

三点句

軒下に猫のまどろむ四温かな      阿部 文彦

子に頼むタイヤ交換冬日和       辻 雅宏

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      龍野 ひろし

突堤に釣り人並ぶ冬日和        辻 雅宏

転車台くるりと廻り冬麗        水野 幸子

白神のぶなの鼓動や四温晴       龍野ひろし

息白し山門出づる僧の列        龍野 ひろし

 

二点句 

華やかな口紅選び初鏡         龍野ひろし

城門の門松の先とがりけり       青山好男

風止んで三浦三崎の四温晴       阿部 文彦

この部屋の奥まで映し初鏡       阿部 文彦

おでかけのメイクの猫の息白し     辻 雅宏

冬日和床屋の鋏軽やかに        龍野 ひろし

下り線席が空いてる冬日和       上野貴子

単音の孫のピアノや冬日向       小林 ひろ

玻璃越しに光射し込む冬日和      阿部 文彦

バスを待つ人の会話や冬日和      阿部 文彦

冬日和子猫に譲る一等地        龍野 ひろし

来客を待たせて座る初鏡        原田啓子

 

一点句

どことなく面差し母に初鏡       辻 雅宏

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑       原田啓子

石像も戸惑う三寒四温かな       原田啓子

白息に包まる君のさようなら      神長 誉夫

銀輪を連ね少年四温かな        龍野ひろし

初鏡着物の袖で拭いたり        青山好男

黒板にいたづら書や四温晴       龍野ひろし

この獣どこに放つや初鏡        神長 誉夫

四温晴れ優駿最後のバーを跳ぶ     神長 誉夫

身の丈を刻む柱や年送る        原田啓子

後悔を胸中に秘め年歩む        上野貴子

改札を行き交ふ人の息白し       辻 雅宏

駈け抜けて鼻息白し競走馬       辻 雅宏

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑       原田啓子

行く年を帰省バスにて詠む一句    青山好男

雨、雪にかわり音なく年行けり    青山好男

行く年の駅に途切れぬ電子音     龍野 ひろし

断捨離の捨と離を残し年逝けり    辻 雅宏

行く年のビル窓拭きの命綱      龍野ひろし

止まらない時は宇宙へ年果てる    上野貴子

行く年の大さん橋に巨船の灯     龍野 ひろし

船溜まり客が降りくる冬日和      阿部 文彦

枯葉一片舞い込んで駐輪所       上野貴子

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  神長 誉夫

城門を出でて枯葉に時を読む      青山 好男

細枝にしがみついてる枯葉かな     辻 雅宏

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    神長 誉夫

滝糸を長く配して冬紅葉        水野 幸子

枯葉積む廃線の跡日昇らむ       青山 好男

若き日の街夫と訪う冬日和       原田 啓子

冬日和富士捉えたるファインダー    龍野 ひろし

改めて老いを知らされ初鏡       辻 雅宏

特養の母にほどこす初化粧       田中むつみ

 

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

犬の名を呼べば枯葉の音連れて・・・7点

 

やはり冬の戦では断トツで勝ち抜きましたね。動きがあり、かわいい犬の姿が人気を呼んだようです。もう春です。次回からの春らしい句が楽しみです。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

この部屋の奥まで映し初鏡

 

鏡に映る顔ではなく、その奥に映っている部屋の様子を捕らえた点が面白いと思いました。平面の鏡に奥行きができて、明るい部屋の様子にお正月らしさを感じました。

 

 

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★3月の兼題(2月末日〆切)

 

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回はいよいよ大垣の抄で「奥の細道」最後の抄です。

 

蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ・・・芭蕉

 

この句は、連句の終わりの挙句のような紀行文の最後を締めくくる結びの句にあたります。旅は終わり、また新たな旅が始まるという人生哲学が読み取れます。

別れを惜しんだ旅立ちの抄の「行く春」から、再会を喜び無事を喜び合った後にやって来る、新たな出発の別れを、「行秋」として見事に始まりの句と対比させています。切れ字としては、代表的なものは使っていません。 

最後の「ぞ」が昔では切れ字十八のひとつと成りましたが、現代ではあまり使われません。終助詞のようです。

句の意味は、別離の悲しみを離れがたい蛤の殻の蓋と身に例えて表現されています。また、これからの旅が伊勢参りの目的で二見ヶ浦の方へ旅立つことを物語っています。

こうして芭蕉の「奥の細道」は終わりとなります。芭蕉が序文で書かれているように、人は旅に生きる雲や水のように留まるところを知らないものだという人生哲学が、命あるものの宿命を思わせ今でも心に響きますね。

(令和六年一月号より 上野貴子)

 

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

冬の戦は七点句が独走のままゴールしました。

春の戦は、梅、山笑ふ、蜂のどれを詠んでいただいても構いません。

兼題一つを五句、とりまぜて五句でも構いません。

投句と選句をセットでお願いします。また、選評も是非、記載下さい。

(令和六年二月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会12月結果発表~

 

<大賞>

8   鈴木 恵美子 濡れ縁にまどろむ仔猫四温晴

 

2点句>

20 さこたゆう 三寒四温何を着る朝の思案

23 芒花   三寒の日に日に湯船沁みわたる

25 芒花   初鏡気配程度の紅を引く

35 南出 千賀子 三寒に足袋重ね履き四温待つ

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

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2024年2月7日 | カテゴリー :

2024年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦第3ステージ)

 

1銀輪を連ね少年四温かな

2黒板にいたづら書や四温晴

3白神のぶなの鼓動や四温晴

4華やかな口紅選び初鏡

5初鏡娘めかして紅をひく

6初鏡眼鏡をはずし髪束ね

7首元の衿をどうする三寒四温

8口紅を薄ら引いて初鏡

9夕暮れてまさかのニュース四温晴れ

10ソックスの厚さフカフカ三寒四温

11一病越え老い深し初鏡

12畳目も鮮やかなりし初鏡

13初鏡着物の袖で拭いたり

14城門の門松の先とがりけり

15堀の水櫓静謐初日の出

16八十年生きた跡あり初鏡

17またひとつ年取りにけり初鏡

18この部屋の奥まで映し初鏡

19風止んで三浦三崎の四温晴

20軒下に猫のまどろむ四温かな

21初化粧合わせ鏡に千の笑み

22三寒に朝ヨガ挫け四温待つ

23この獣どこに放つや初鏡

24四温晴れ優駿最後のバーを跳ぶ

25初化粧鏡の迷路彷徨いて

26男にも初鏡てふ今朝の夫

27来客を待たせて座る初鏡

28曲がり角立ち話する四温かな

29石像も戸惑う三寒四温かな

30なんのかのと出かけずじまいの四温かな

31注連縄と日の丸の家希有となり

32上唇に紅引く舞妓初鏡

33三寒の今日の用足し四温待つ

34十七音つながる友ら初句会

35初夢や朝の陽あびてひらひらと

36あらためて老いを知らされ初鏡

37どことなく面差し母に初鏡

38特養の母にほどこす初化粧

39三寒に疼き四温に和む膝

40鋤肩に畑へ向かふ四温晴

41身の丈を刻む柱や年送る       

42後悔を胸中に秘め年歩む       

43改札を行き交ふ人の息白し     

44駈け抜けて鼻息白し競走馬      

45訪ひて行く年想ふ蕪村の碑      

46行く年を帰省バスにて詠む一句    

47雨、雪にかわり音なく年行けり    

48おでかけのメイクの猫の息白し   

49行く年の駅に途切れぬ電子音     

50断捨離の捨と離を残し年逝けり    

51行く年のビル窓拭きの命綱      

52止まらない時は宇宙へ年果てる    

53行く年の大さん橋に巨船の灯     

54船溜まり客が降りくる冬日和     

55行く年や奥歯の二本抜けたまま

56舌先にキャラメル丸め息白し

57白息や白さを競う父子かな

58行く年の想いは果てしなく遠く

59魂を再び覚ます年極み

60行く年や竹馬の友を天に召し

61行く年や十字に括る新聞紙

62息白し山門出づる僧の列

63行く年を肴に並ぶ赤ら顔

64行く年を炬燵で妻と見送れり

65行く年の淋しき街を孫と行く

66行く年や残り少なき我が齢

67大股に試歩の?幅や息白し

68鹿の骸掘り上げ熊の目の悲し

69ぽかぽかな陽気勤労感謝の日

70羽拡げ白息吐きて愛叫ぶ

71Goal見え湧く白息を振り払ふ

72年流れ邪念渦巻く盆の窪

73白息に包まる君のさようなら

74夜空へと発つトナカイの息白し

75犬の名を呼べば枯葉の音連れて 

76箒目を追いかけるごと降る枯葉 

77突堤に釣り人並ぶ冬日和        

78転車台くるりと廻り冬麗        

79玻璃越しに光射し込む冬日和      

80子に頼むタイヤ交換冬日和       

81バスを待つ人の会話や冬日和      

82冬日和子猫に譲る一等地        

83鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      

84枯葉一片舞い込んで駐輪所       

85張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  

86城門を出でて枯葉に時を読む      

87細枝にしがみついてる枯葉かな     

88下り線席が空いてる冬日和       

89冬日和床屋の鋏軽やかに        

90冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    

91単音の孫のピアノや冬日向       

92滝糸を長く配して冬紅葉        

93枯葉積む廃線の跡日昇らむ       

94若き日の街夫と訪う冬日和       

95冬日和富士捉えたるファインダー   

 

 

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

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【春の戦2・3・4月】

★2月におすすめの兼題(1末日〆切。)

 

【梅】

春真っ先に咲く、香り、色、姿など古来より日本人に愛され親しまれている。

傍題に、野梅、白梅、紅梅、枝垂梅、飛梅、梅林、梅園など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   紅白に空を分かちて梅ひらく 高橋悦男

 

   モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ 日下野仁美

     

   なきがらの蜂に黄の縞黒の縞  橋本多佳子

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和6年1月号12月の結果(冬の戦第2ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

おでかけのメイクの猫の息白し

行く年を帰省バスにて詠む一句

雨、雪にかわり音なく年行けり

箒目を追いかけるごと降る枯葉 

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

息白し山門出づる僧の列

行く年や奥歯の二本抜けたまま

止まらない時は宇宙へ年果てる

行く年や十字に括る新聞紙

行く年の大さん橋に巨船の灯

 

点盛りの結果

 

七点句

犬の名を呼べば枯葉の音連れて     龍野 ひろし

 

四点句

行く年や奥歯の二本抜けたまま     原田啓子

箒目を追いかけるごと降る枯葉     阿部 文彦

 

三点句

突堤に釣り人並ぶ冬日和        辻 雅宏

転車台くるりと廻り冬麗        水野 幸子

 

二点句 

行く年や十字に括る新聞紙       龍野 ひろし

息白し山門出づる僧の列        龍野 ひろし

おでかけのメイクの猫の息白し     辻 雅宏

冬日和床屋の鋏軽やかに        龍野 ひろし

玻璃越しに光射し込む冬日和      阿部 文彦

子に頼むタイヤ交換冬日和       辻 雅宏

バスを待つ人の会話や冬日和      阿部 文彦

冬日和子猫に譲る一等地        龍野 ひろし

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      龍野 ひろし

 

一点句

身の丈を刻む柱や年送る       原田啓子

後悔を胸中に秘め年歩む       上野貴子

改札を行き交ふ人の息白し      辻 雅宏

駈け抜けて鼻息白し競走馬      辻 雅宏

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑      原田啓子

行く年を帰省バスにて詠む一句    青山好男

雨、雪にかわり音なく年行けり    青山好男

行く年の駅に途切れぬ電子音     龍野 ひろし

断捨離の捨と離を残し年逝けり    辻 雅宏

行く年のビル窓拭きの命綱      龍野ひろし

止まらない時は宇宙へ年果てる    上野貴子

行く年の大さん橋に巨船の灯     龍野 ひろし

船溜まり客が降りくる冬日和      阿部 文彦

枯葉一片舞い込んで駐輪所       上野貴子

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  神長 誉夫

城門を出でて枯葉に時を読む      青山 好男

細枝にしがみついてる枯葉かな     辻 雅宏

下り線席が空いてる冬日和       上野貴子

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    神長 誉夫

単音の孫のピアノや冬日向       小林 ひろ

滝糸を長く配して冬紅葉        水野 幸子

枯葉積む廃線の跡日昇らむ       青山 好男

若き日の街夫と訪う冬日和       原田 啓子

冬日和富士捉えたるファインダー    龍野 ひろし

 

 

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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

犬の名を呼べば枯葉の音連れて・・・7点

 

冬の戦ではこの句が断トツで勝ち取りました。今年はまさかの1日の能登半島大震災で幕開けでしたが、皆様はお元気ですか。お正月らしさを味わうどころか安否の確認からの年始めですが

どうにか今年の運気が上がりますように

竜神様にお祈りいたしましょう。

(冬:11月~1月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 

行く年のビル窓拭きの命綱

 

一年忙しかったオフィスビルでしょうか、そこにピーンと張った

命綱に支えられた窓ふきの清掃員のてきぱきとした様子が

目に浮かびました。年末らしい光景ですね。

 

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 【春の戦2・3・4月】

2月におすすめの兼題(1末日〆切。)

 【梅】

春真っ先に咲く、香り、色、姿など古来より日本人に愛され親しまれている。

傍題に、野梅、白梅、紅梅、枝垂梅、飛梅、梅林、梅園など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

【山笑ふ】【蜂】

他に、当季雑詠でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は種の浜の抄の句を見てみましょう。

 

波の間や小貝にまじる萩の塵・・・芭蕉

 

この句は、敦賀市色浜の句です。美しい浜の様子がよく解ります。同じ抄に源氏物語の須磨よりも美しい浜だと詠んだ芭蕉の句が書かれていますが、その浜に寄せ来る波に萩の花の花弁が塵のように浮かんでは消えてまた浮かんでは消えと波の泡のようだという句ですね。

ここで芭蕉が「奥の細道」の旅に出たのは、西行法師が歌に詠んだ歌枕を訪ねたいという目的があったのですが、この源氏物語の須磨の浜よりも美しい色浜で、「汐染むるますほの小貝拾ふとて色の浜とはいふにやあるらん」という和歌に詠んでいます。その「小貝」を芭蕉は、まさに、俳句に詠んだのです。

切れ字としては、上五の「や」が使われています。

これは、芭蕉が一番好み効果的だと云われている切れ字の使い方です。

3フレースのどこにも美しい言葉があり「波間」「小貝」「萩」と芭蕉がどこに視点を絞りたいかが切れ字の場所で解ります。こうした俳句では、切れ字が無くては焦点が解りづらいので「や」は効果的ですね。

古風な意味を持つ句なだけに、切れ字の有る無しを論ずるのは避けておきましょう。

(令和六年一月号より 上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

 

明けましておめでとうございます。冬の戦は三馬身リードして七点句が独走の様相です。今年から月ごとの兼題でなく、四季ごとの兼題で毎月詠んでいただくことにしました。2月からは春の戦に入ります。春の兼題3つを3か月間通して、毎月、投句ください。選評にもご協力ください。

それでは、ことしもネット句会への参加をよろしくお願い申し上げます。

(令和六年一月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会11月結果発表~

 

<大賞>

 さこたゆう やり遂げた自分に拍手年流る

 

2点句>

 

17 大西 文子 行年に戦禍の終わりただ祈る

18 大西 文子 行年は一年一年加速する

30 鈴木 恵美子 街並みはひと月早いクリスマス

33 大倉 宏美 早朝の横断歩道息白し

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2023年12月のネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

 

1行く年や奥歯の二本抜けたまま

2訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

3身の丈を刻む柱や年送る

4舌先にキャラメル丸め息白し

5白息や白さを競う父子かな

6行く年の想いは果てしなく遠く

7後悔を胸中に秘め年歩む

8息白く明日はどこから風が吹く

9止まらない時は宇宙へ年果てる

10魂を再び覚ます年極み

11行く年や竹馬の友を天に召し

12断捨離の捨と離を残し年逝けり

13改札を行き交ふ人の息白し

14おでかけのメイクの猫の息白し

15駈け抜けて鼻息白し競走馬

16行く年のビル窓拭きの命綱

17行く年や十字に括る新聞紙

18行く年の駅に途切れぬ電子音

19行く年の大さん橋に巨船の灯

20息白し山門出づる僧の列

21行く年を肴に並ぶ赤ら顔

22行く年を帰省バスにて詠む一句

23雨、雪にかわり音なく年行けり

24行く年を炬燵で妻と見送れり

25行く年の淋しき街を孫と行く

26行く年や残り少なき我が齢

27大股に試歩の?幅や息白し

28鹿の骸掘り上げ熊の目の悲し

29ぽかぽかな陽気勤労感謝の日

30羽拡げ白息吐きて愛叫ぶ

31Goal見え湧く白息を振り払ふ

32年流れ邪念渦巻く盆の窪

33白息に包まる君のさようなら

34夜空へと発つトナカイの息白し

35犬の名を呼べば枯葉の音連れて 

36箒目を追いかけるごと降る枯葉 

37突堤に釣り人並ぶ冬日和        

38転車台くるりと廻り冬麗        

39玻璃越しに光射し込む冬日和      

40子に頼むタイヤ交換冬日和       

41バスを待つ人の会話や冬日和      

42冬日和子猫に譲る一等地        

43鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      

44船溜まり客が降りくる冬日和      

45枯葉一片舞い込んで駐輪所       

46張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  

47城門を出でて枯葉に時を読む      

48細枝にしがみついてる枯葉かな     

49下り線席が空いてる冬日和       

50冬日和床屋の鋏軽やかに        

51冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    

52単音の孫のピアノや冬日向       

53滝糸を長く配して冬紅葉        

54枯葉積む廃線の跡日昇らむ       

55若き日の街夫と訪う冬日和       

56冬日和富士捉えたるファインダー  

57靴裏の枯葉にそっと声をかけ 

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

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1月の兼題【初鏡】&【三寒四温】(12月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【冬の戦11・12・1月】

 

★1月の兼題(12末日〆切。)

 

【初鏡】

新年になって初めて鏡台に向かって化粧すること。

傍題に、初化粧。

 

【三寒四温】

冬に三日寒い日が続いたあと、四日暖かい日があるという寒暖の変化に周期があるということ。

傍題に、三寒、四温、四温日和、四温晴。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

    初鏡娘のあとに妻坐る

              日野草城

    三寒の寒のつづきて四温なし

               桂信子

 

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令和5年12月号11月の結果(冬の戦第1ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

冬晴れや吊るす魚の長き影

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く

靴裏の枯葉にそっと声をかけ

冬日和床屋の鋏軽やかに

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く

~~<辻 雅宏選5句>~~

犬の名を呼べば枯葉の音連れて

若き日の街夫と訪う冬日和

玻璃越しに光射し込む冬日和

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和

冬日和富士捉えたるファインダー

  

11月の点盛りの結果

 

四点句

犬の名を呼べば枯葉の音連れて     龍野 ひろし

 

三点句

箒目を追いかけるごと降る枯葉     阿部 文彦

 

二点句 

突堤に釣り人並ぶ冬日和        辻 雅宏

転車台くるりと廻り冬麗        水野 幸子

玻璃越しに光射し込む冬日和      阿部 文彦

子に頼むタイヤ交換冬日和       辻 雅宏

バスを待つ人の会話や冬日和      阿部 文彦

冬日和子猫に譲る一等地        龍野 ひろし

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      龍野 ひろし

 

一点句

船溜まり客が降りくる冬日和      阿部 文彦

枯葉一片舞い込んで駐輪所       上野貴子

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  神長 誉夫

城門を出でて枯葉に時を読む      青山 好男

細枝にしがみついてる枯葉かな     辻 雅宏

下り線席が空いてる冬日和       上野貴子

冬日和床屋の鋏軽やかに        龍野 ひろし

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    神長 誉夫

単音の孫のピアノや冬日向       小林 ひろ

滝糸を長く配して冬紅葉        水野 幸子

枯葉積む廃線の跡日昇らむ       青山 好男

若き日の街夫と訪う冬日和       原田 啓子

冬日和富士捉えたるファインダー    龍野 ひろし

靴裏の枯葉にそっと声をかけ      原田啓子

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 犬の名を呼べば枯葉の音連れて・・・4点

冬の戦が始まりました。今年はコロナ禍が明けて久しぶりの年末年始ですが、

どうなることやら楽しみです。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

箒目を追いかけるごと降る枯葉

確かにそうですね。私の庭でも今、藤や紅葉の落ち葉が絶え間なく落ちていて、

箒目を「追いかけるごと」というところに共感しました。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★1月の兼題(12月末日〆切)

 

【初鏡】&【三寒四温】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は敦賀の抄の句を見てみましょう。

 

名月や北国日和定なき・・・芭蕉

 

この句は、日本海の美しさと天候の不安定なことを詠んでいますね。中七の部分は「ほっこくびより」と読みます。北陸のお天気のことです。

昨夜の月は美しかったけれども、十五夜の今日には雨が降ってしまった。北陸の空模様は変わり易く解りづらいものだ。芭蕉はこのように俳句にしています。  

芭蕉が好きな「や」が上五にあり、「名月」という季語に付けています。一番多く効果的と云われる切れ字の使い方です。名月を詠みながら雨月を思わせるところが芭蕉ならではですね。

敦賀は歌枕の地として知られていて、月見の景勝地とされていました。この句からは、この日は雨月のようですが「奥の細道」のこの抄は、多くの歌枕や名所が連ねられています。

気比神社にまつわる謂れや仲秋の名月を楽しみに芭蕉はこの地を訪れたのではないでしょうか。その期待に反して、残念ながら雨月となってしまい、この句を詠んでいます。

芭蕉は、この後は船で種の浜へ向かいます。江戸を出発してからこの頃は、もう四ヶ月半がたっています。陸奥の旅「奥の細道」も、そろそろ終わりに近づいて来ているようです。

(令和五年十二月号より 上野貴子)

 

 「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

 

冬の戦がスタートしました。いきなり四点句が出ました。残り2カ月の展開が楽しみです。今年も勝ち抜き戦の句会に投句と選句をありがとうございました。

来年春の戦からは少し装いをかえて皆様の投句をお待ちします。

参加戴きました皆様 どうぞよいお年をお迎えください。

(令和五年十二月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会10月結果発表~

 

<大賞>

 

1   橋詰 博 謎解きの枯葉挟んだこの頁

 

2点句>

 

18 鈴木 恵美子 新走りそよ吹く風の蔵の街

27 米重 初枝 喧嘩して仲直りして冬隣

34 大西 文子 鬼ごっこ逃げる児たちを追う枯葉

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

自由なオンライン句会はこちら
https://onlinekukai.jimdofree.com

 

 

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