今月の投句(春の戦第2ステージ)
1街はドラマエンドロールの陽炎す
2線香ゆらと真昼の墓場かぎろひす
3鳥帰る夕日の湖はきらめきて
4冒険といふは誰にも鳥帰る
5帰る雁月光の間を通りけり
6陽炎ふや水面に燭の灯影かな
7鳥雲に水面の影の途切れずに
8引き上ぐる浜の小船や鳥雲に
9つぎつぎと水面くずして鳥帰る
10陽炎に彷徨う少年探偵団
11鳥帰るいま戦争のなき国へ
12抜き去りしランナーはいま陽炎へ
13鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス
14鳥帰る人なきコインランドリー
15鳥帰る住み慣れし街下に見て
16遮断機の向う陽炎に乳母車
17海までの一本道野馬の立つ
18踏切の音近く陽炎の町迫る
19鳥帰るシベリアまでの空遠く
20別れぎわいつものように鳥帰る
21旧き家の女雛の髪のほつれかな
22女児なき家に春告げて雛飾り
23陽炎にかすみて遠き生駒かな
24陽炎や若き水兵港街
25陽炎や道行く顔のやはらかさ
26陽炎いて貨物列車の浮いてくる
27陽炎の中より吾子が現わるる
28返信の便りの如く鳥帰る
29鳥帰る鳥には鳥の掟あり
30一列に並びて北へ鳥帰る
31春の嬰3歩あゆんでドヤ顔に
32母の手に頭なでられ嬰うらら
33嬰泣いて胸いたくなる春うらら
34けらけらと嬰の笑いや春めける
35泣き声も泣き顔もよし春の嬰
36碧天を戦火の郷へ鳥帰る
37マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて
38岬端に踏み締む土や鳥帰る
39捨つ郷や母の影さえかぎろひて
40雲は裂け光に濡れて鳥帰る
41鳥帰る空紅色に染まるとき
42鳥帰りトルコ地震の悲報来る
43かげろふや百面相の孫の顔
44教職を辞して日々これ陽炎ヘリ
45陽炎や軽トラに立つ古箪笥
46陽炎を抜けてちんちん電車来る
47かげろへる原爆ドーム昼の黙
48鈍色の空を二手に鳥帰る
49伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る
50投げ竿の放物線や鳥雲に
51春めきて薩摩切子を二つ買う
52春めきて鼻歌漏るる海女の小屋
53調弦の軽く揃いて春めきぬ
54餌ねだる猫の鳴き声春めけり
55軽やかに発車のチャイム春めけり
56障子戸の春めく光部屋に満つ
57春めきてろくろの土の良く喋る
58日当たりの斜めの庭も春めけり
59ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ
60遠山の丸く見える日春めきぬ
61フリースに包まれ眠る春の風邪
62春風邪や窓から見る山遠し
63君のならくれてもいいよ春の風邪
64妻からのメールにハート春めける
65オリオンに向ひ帰宅や春めきて
66光さす千体仏や春めけり
67一人寝の夜のいつまでも春の風邪
68レトルトの匂いの粥と春の風邪
69春めくやひかり膨らむ堰の水
70春の風邪汽笛掠れしA列車
71春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽
72小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ
73鍵盤に弾む指先春めけり
74春めいて草刈られゆく空の堀
75春めくや老若集うカフェテラス
76春めくや旅のプランを練り直す
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
★LINE公式俳句大会発表はこちらから
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4月の兼題【蛙の目借時】&【桜貝】(3月末日〆切)
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
【春の戦2・3・4月】
★4月の兼題(3月末日〆切。)
【蛙の目借時】
春深く蛙のしきりに鳴く頃は眠気に襲われる。これは蛙に目を借りられるからだという。
傍題に、目借時。
【桜貝】
浅海の砂泥に産する小形の二枚貝。色と形が桜の花びらに似ているのでこの名がある。
傍題に、花貝、紅貝。
※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。
<先句に学ぶ>
黒板にチョークの音や目借時
福川悠子
ひく波の跡美しや桜貝
安住 敦
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令和5年3月号2月の結果(春の戦第1ステージ)
~~<主宰上野貴子選5句>~~
フリースに包まれ眠る春の風邪
オリオンに向ひ帰宅や春めきて
日当たりの斜めの庭も春めけり
軽やかに発車のチャイム春めけり
調弦の軽く揃いて春めきぬ
三点句
春めきて薩摩切子を二つ買う 阿部文彦
春めきて鼻歌漏るる海女の小屋 神長誉夫
調弦の軽く揃いて春めきぬ 原田啓子
二点句
餌ねだる猫の鳴き声春めけり 井上悦男
軽やかに発車のチャイム春めけり 龍野ひろし
障子戸の春めく光部屋に満つ 水野幸子
春めきてろくろの土の良く喋る 神長誉夫
日当たりの斜めの庭も春めけり 井上悦男
ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ 原田啓子
遠山の丸く見える日春めきぬ 原田啓子
フリースに包まれ眠る春の風邪 山本佐和子
一点句
春風邪や窓から見る山遠し 青山好男
君のならくれてもいいよ春の風邪 辻 雅宏
妻からのメールにハート春めける 龍野ひろし
オリオンに向ひ帰宅や春めきて 井上悦男
光さす千体仏や春めけり 龍野ひろし
一人寝の夜のいつまでも春の風邪 原田啓子
レトルトの匂いの粥と春の風邪 山本佐和子
春めくやひかり膨らむ堰の水 龍野ひろし
春の風邪汽笛掠れしA列車 神長誉夫
春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽 辻 雅宏
小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ 辻 雅宏
鍵盤に弾む指先春めけり 龍野ひろし
春めいて草刈られゆく空の堀 青山好男
春めくや老若集うカフェテラス 山本佐和子
春めくや旅のプランを練り直す 阿部文彦
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ
※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。
~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~
春めきて薩摩切子を二つ買う・・・三点句
春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・三点句
調弦の軽く揃いて春めきぬ・・・三点句
春の戦が始まりました。コロナ禍での風邪は怖いもおですが俳句には春らしい句材が人気のようです。
(春:2月~4月)
~~~今月の選評~~~
春めきてろくろの土の良く喋る
土と向き合い一心に陶芸に励む作者。春の気配を感じ、思わず捏ね
ている土との対話が弾む昼下がり。
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
★4月の兼題(3月末日〆切)
【蛙の目借時】と【桜貝】
他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。
※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。
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【今月のワンポイントレッスン】
「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は序文の中の最初の句を見てみましょう。
草の戸も住替る代ぞひなの家・・・芭蕉
「奥の細道」弥生三月二十七日に出発して150日、2400Kmにおよぶ旅の紀行文の始まりです。この句の切れ字は「ぞ」。自分が引き払った家には次の住人が娘や孫と住むであろう。そのことに感慨を込めています。人生の刹那です。
芭蕉は、この序文で「人生は旅である」と述べて紀行文のすべてを言い尽くしています。
原文の中で「古人」というのは、おそらく李白、杜甫、宗祇、そして西行でしょう。芭蕉46歳の春から秋にかけての最大の北の旅への想いが綴られた有名な序文の一句です。三月は雛の節供があり、そして桜が咲く季節です。
行春や鳥啼魚の目は泪・・・芭蕉
旅立の抄の句です。上野や谷中では桜が咲いているけれど、今度いつ見られるであろうかという不安が込められた句で、切れ字は「や」です。過ぎてしまう春が惜しまれる感嘆が見事に表現されています。この「や」が芭蕉の切れ字の多くを代表していますね。たった十七文字に凝縮された俳句の素晴らしさと難しさを感じます。
(令和五年三月 上野貴子)
「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com/
「俳句TV」ミニ講座下記より
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https://nbsacademy.jimdofree.com/
【ネット句会後記】
令和5年の春の戦が始まりました。第1ステージは「春めきぬ」を詠んでいただきましたが、三月というのに春のきざしがまだ感じられません。花が咲き、うららからな四月が一気に来そうです。投句と選句をセットにして参加下さい。
(令和五年三月 辻 雅宏)
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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~LINE公式俳句大会1月結果発表~
<大賞>
16 橋詰 博 夜行列車風花連れて故郷へ
<2点句>
20 奥平 雅子 グラタンの焦げる香のたつ初時雨
27 濱野 洋子 晩酌は二合に決めて掘り炬燵
30 鈴木 恵美子 枝枝に小手毬に似た寒雀
★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪
https://lin.ee/UY7VIpw
※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。