今月の投句(冬の戦第3ステージ)
1銀輪を連ね少年四温かな
2黒板にいたづら書や四温晴
3白神のぶなの鼓動や四温晴
4華やかな口紅選び初鏡
5初鏡娘めかして紅をひく
6初鏡眼鏡をはずし髪束ね
7首元の衿をどうする三寒四温
8口紅を薄ら引いて初鏡
9夕暮れてまさかのニュース四温晴れ
10ソックスの厚さフカフカ三寒四温
11一病越え老い深し初鏡
12畳目も鮮やかなりし初鏡
13初鏡着物の袖で拭いたり
14城門の門松の先とがりけり
15堀の水櫓静謐初日の出
16八十年生きた跡あり初鏡
17またひとつ年取りにけり初鏡
18この部屋の奥まで映し初鏡
19風止んで三浦三崎の四温晴
20軒下に猫のまどろむ四温かな
21初化粧合わせ鏡に千の笑み
22三寒に朝ヨガ挫け四温待つ
23この獣どこに放つや初鏡
24四温晴れ優駿最後のバーを跳ぶ
25初化粧鏡の迷路彷徨いて
26男にも初鏡てふ今朝の夫
27来客を待たせて座る初鏡
28曲がり角立ち話する四温かな
29石像も戸惑う三寒四温かな
30なんのかのと出かけずじまいの四温かな
31注連縄と日の丸の家希有となり
32上唇に紅引く舞妓初鏡
33三寒の今日の用足し四温待つ
34十七音つながる友ら初句会
35初夢や朝の陽あびてひらひらと
36あらためて老いを知らされ初鏡
37どことなく面差し母に初鏡
38特養の母にほどこす初化粧
39三寒に疼き四温に和む膝
40鋤肩に畑へ向かふ四温晴
41身の丈を刻む柱や年送る
42後悔を胸中に秘め年歩む
43改札を行き交ふ人の息白し
44駈け抜けて鼻息白し競走馬
45訪ひて行く年想ふ蕪村の碑
46行く年を帰省バスにて詠む一句
47雨、雪にかわり音なく年行けり
48おでかけのメイクの猫の息白し
49行く年の駅に途切れぬ電子音
50断捨離の捨と離を残し年逝けり
51行く年のビル窓拭きの命綱
52止まらない時は宇宙へ年果てる
53行く年の大さん橋に巨船の灯
54船溜まり客が降りくる冬日和
55行く年や奥歯の二本抜けたまま
56舌先にキャラメル丸め息白し
57白息や白さを競う父子かな
58行く年の想いは果てしなく遠く
59魂を再び覚ます年極み
60行く年や竹馬の友を天に召し
61行く年や十字に括る新聞紙
62息白し山門出づる僧の列
63行く年を肴に並ぶ赤ら顔
64行く年を炬燵で妻と見送れり
65行く年の淋しき街を孫と行く
66行く年や残り少なき我が齢
67大股に試歩の?幅や息白し
68鹿の骸掘り上げ熊の目の悲し
69ぽかぽかな陽気勤労感謝の日
70羽拡げ白息吐きて愛叫ぶ
71Goal見え湧く白息を振り払ふ
72年流れ邪念渦巻く盆の窪
73白息に包まる君のさようなら
74夜空へと発つトナカイの息白し
75犬の名を呼べば枯葉の音連れて
76箒目を追いかけるごと降る枯葉
77突堤に釣り人並ぶ冬日和
78転車台くるりと廻り冬麗
79玻璃越しに光射し込む冬日和
80子に頼むタイヤ交換冬日和
81バスを待つ人の会話や冬日和
82冬日和子猫に譲る一等地
83鼻広げ河馬浮き上がる冬日和
84枯葉一片舞い込んで駐輪所
85張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く
86城門を出でて枯葉に時を読む
87細枝にしがみついてる枯葉かな
88下り線席が空いてる冬日和
89冬日和床屋の鋏軽やかに
90冬晴れを大きく吸いてガラス吹く
91単音の孫のピアノや冬日向
92滝糸を長く配して冬紅葉
93枯葉積む廃線の跡日昇らむ
94若き日の街夫と訪う冬日和
95冬日和富士捉えたるファインダー
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)
【梅】【山笑ふ】【蜂】
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
【春の戦2・3・4月】
★2月におすすめの兼題(1末日〆切。)
【梅】
春真っ先に咲く、香り、色、姿など古来より日本人に愛され親しまれている。
傍題に、野梅、白梅、紅梅、枝垂梅、飛梅、梅林、梅園など
※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。
<先句に学ぶ>
紅白に空を分かちて梅ひらく 高橋悦男
モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ 日下野仁美
なきがらの蜂に黄の縞黒の縞 橋本多佳子
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令和6年1月号12月の結果(冬の戦第2ステージ)
~~<主宰上野貴子選5句>~~
訪ひて行く年想ふ蕪村の碑
おでかけのメイクの猫の息白し
行く年を帰省バスにて詠む一句
雨、雪にかわり音なく年行けり
箒目を追いかけるごと降る枯葉
~~<辻 雅宏選5句>~~
息白し山門出づる僧の列
行く年や奥歯の二本抜けたまま
止まらない時は宇宙へ年果てる
行く年や十字に括る新聞紙
行く年の大さん橋に巨船の灯
点盛りの結果
七点句
犬の名を呼べば枯葉の音連れて 龍野 ひろし
四点句
行く年や奥歯の二本抜けたまま 原田啓子
箒目を追いかけるごと降る枯葉 阿部 文彦
三点句
突堤に釣り人並ぶ冬日和 辻 雅宏
転車台くるりと廻り冬麗 水野 幸子
二点句
行く年や十字に括る新聞紙 龍野 ひろし
息白し山門出づる僧の列 龍野 ひろし
おでかけのメイクの猫の息白し 辻 雅宏
冬日和床屋の鋏軽やかに 龍野 ひろし
玻璃越しに光射し込む冬日和 阿部 文彦
子に頼むタイヤ交換冬日和 辻 雅宏
バスを待つ人の会話や冬日和 阿部 文彦
冬日和子猫に譲る一等地 龍野 ひろし
鼻広げ河馬浮き上がる冬日和 龍野 ひろし
一点句
身の丈を刻む柱や年送る 原田啓子
後悔を胸中に秘め年歩む 上野貴子
改札を行き交ふ人の息白し 辻 雅宏
駈け抜けて鼻息白し競走馬 辻 雅宏
訪ひて行く年想ふ蕪村の碑 原田啓子
行く年を帰省バスにて詠む一句 青山好男
雨、雪にかわり音なく年行けり 青山好男
行く年の駅に途切れぬ電子音 龍野 ひろし
断捨離の捨と離を残し年逝けり 辻 雅宏
行く年のビル窓拭きの命綱 龍野ひろし
止まらない時は宇宙へ年果てる 上野貴子
行く年の大さん橋に巨船の灯 龍野 ひろし
船溜まり客が降りくる冬日和 阿部 文彦
枯葉一片舞い込んで駐輪所 上野貴子
張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く 神長 誉夫
城門を出でて枯葉に時を読む 青山 好男
細枝にしがみついてる枯葉かな 辻 雅宏
下り線席が空いてる冬日和 上野貴子
冬晴れを大きく吸いてガラス吹く 神長 誉夫
単音の孫のピアノや冬日向 小林 ひろ
滝糸を長く配して冬紅葉 水野 幸子
枯葉積む廃線の跡日昇らむ 青山 好男
若き日の街夫と訪う冬日和 原田 啓子
冬日和富士捉えたるファインダー 龍野 ひろし
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ
※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。
~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~
犬の名を呼べば枯葉の音連れて・・・7点
冬の戦ではこの句が断トツで勝ち取りました。今年はまさかの1日の能登半島大震災で幕開けでしたが、皆様はお元気ですか。お正月らしさを味わうどころか安否の確認からの年始めですが
どうにか今年の運気が上がりますように
竜神様にお祈りいたしましょう。
(冬:11月~1月)
~~~今月の選評~~~
行く年のビル窓拭きの命綱
一年忙しかったオフィスビルでしょうか、そこにピーンと張った
命綱に支えられた窓ふきの清掃員のてきぱきとした様子が
目に浮かびました。年末らしい光景ですね。
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★【春の戦2・3・4月】
2月におすすめの兼題(1末日〆切。)
【梅】
春真っ先に咲く、香り、色、姿など古来より日本人に愛され親しまれている。
傍題に、野梅、白梅、紅梅、枝垂梅、飛梅、梅林、梅園など
※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。
【山笑ふ】【蜂】
他に、当季雑詠でも投句可能とし、5句投句5句選句です。
※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。
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【今月のワンポイントレッスン】
「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は種の浜の抄の句を見てみましょう。
波の間や小貝にまじる萩の塵・・・芭蕉
この句は、敦賀市色浜の句です。美しい浜の様子がよく解ります。同じ抄に源氏物語の須磨よりも美しい浜だと詠んだ芭蕉の句が書かれていますが、その浜に寄せ来る波に萩の花の花弁が塵のように浮かんでは消えてまた浮かんでは消えと波の泡のようだという句ですね。
ここで芭蕉が「奥の細道」の旅に出たのは、西行法師が歌に詠んだ歌枕を訪ねたいという目的があったのですが、この源氏物語の須磨の浜よりも美しい色浜で、「汐染むるますほの小貝拾ふとて色の浜とはいふにやあるらん」という和歌に詠んでいます。その「小貝」を芭蕉は、まさに、俳句に詠んだのです。
切れ字としては、上五の「や」が使われています。
これは、芭蕉が一番好み効果的だと云われている切れ字の使い方です。
3フレースのどこにも美しい言葉があり「波間」「小貝」「萩」と芭蕉がどこに視点を絞りたいかが切れ字の場所で解ります。こうした俳句では、切れ字が無くては焦点が解りづらいので「や」は効果的ですね。
古風な意味を持つ句なだけに、切れ字の有る無しを論ずるのは避けておきましょう。
(令和六年一月号より 上野貴子)
「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com/
【ネット句会後記】
明けましておめでとうございます。冬の戦は三馬身リードして七点句が独走の様相です。今年から月ごとの兼題でなく、四季ごとの兼題で毎月詠んでいただくことにしました。2月からは春の戦に入ります。春の兼題3つを3か月間通して、毎月、投句ください。選評にもご協力ください。
それでは、ことしもネット句会への参加をよろしくお願い申し上げます。
(令和六年一月 辻 雅宏)
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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~LINE公式俳句大会11月結果発表~
<大賞>
9 さこたゆう やり遂げた自分に拍手年流る
<2点句>
17 大西 文子 行年に戦禍の終わりただ祈る
18 大西 文子 行年は一年一年加速する
30 鈴木 恵美子 街並みはひと月早いクリスマス
33 大倉 宏美 早朝の横断歩道息白し
この他の結果はLINEよりご覧ください。
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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。
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