俳句記念日〆切【7月19日】

ネット句会をご覧の皆様へ俳句記念日の俳句のご応募の締め切りのご案内です。

2023年度8・19俳句記念日大会での俳句応募の締め切りは【7月19日】です!!!

俳句記念日は、は=8、いく=19、の語呂合わせから8月19日に制定致しましたが、集計などの都合により俳句応募の締め切りを1ヶ月前の7月19日に制定しております。

お間違えになりませんようご注意下さい。

7月19日まで、どしどし沢山ご応募下さい。

2023年度8・19俳句記念日への俳句のご応募はこちら

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/6fbMaRTVW7w7FtHu/

 

2023年6月22日

2023年6月ネット句会

今月の投句(夏の戦第2ステージ)

 

1子供らの謎なぞ遊び木下闇

2迷ひ込むサターン出さうな木下闇

3退院日外に出づれば風薫る

4貝塚の層は幾重や風薫る

5迷ひ猫根城さがすや木下闇

6あの角を曲がれば木下闇の謎

7ひとつ登れば晴れて風薫る

8駅までの木漏れ陽の道風薫る

9風薫る木立の中をどこ行くの

10あてもなく風に誘われ夏木立

11窓開き見下ろす街や風薫る

12けん玉で遊ぶ子たちや風薫る

13薫風に称名の寺輝けり

14せせらぎの音生き生きと木下闇

15奥まりて熊野の古道木下闇

16みどり児の笑窪くっきり木下闇

17風に折れし牡丹三本供花とす

18アンパンマンのよな笑顔風薫る

19愛鳥週間インコと共に暮れゆきぬ

20嬰泣きし涙なぞりて夏の風

21伊勢湾へ木曽揖斐長良風薫る

22故里を遠望の丘風薫る

23ピンそばに寄せるショットや風薫る

24熊野古道霊気ただよふ木下闇

25下闇を抜けて広ごる平野かな

26木下闇猛る十五が息を吐く

27パドル上げ五十路は薫風なすがまま

28香気ある手紙を埋めし木下闇

29軋み行くトロッコ列車や風薫る

30猫の駆るバス停ありし木下闇

31サッカーの球フワと浮き風薫る

32薫風や舳先に猫の座りおり

33暗いほど外明るくて木下闇

34自転車の誰か人待つ木下闇

35木下闇家族何やら話し込み

36葉桜の蔭に川瀬の水光る        

37葉桜の中に奏でる瀬音かな       

38夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋       

39バイオリンの弓締め直す昼薄暑     

40葉桜の中をゆるりと車椅子       

41葉桜に透ける光を仰ぎけり       

42葉桜や詰襟開く初年生         

43サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ   

44葉桜の隙間を埋むる空の青       

45人影も絶えて堤の花は葉に       

46作句する語彙の貧しき薄暑かな     

47葉桜を描くキャンバス青き空      

48娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり    

49葉桜の梢へ伸びる緑かな        

50地下街を出でて地上の街薄暑      

51葉桜やケルンに注ぐジン香る      

52二階より豆腐屋止むる夕薄暑      

53配達を終へし自転車夕薄暑       

54老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな       

55葉桜や嬰は保育園なれた頃       

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 LINE公式俳句大会発表はこちらから

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7月の兼題【夕立】&【髪洗う】(6月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【夏の戦5・6・7月】

★7月の兼題(6月末日〆切。)

【夕立】

短時間に雷をともなった雨が激しく降り、特に夏に多く、午後に多い。

傍題に、白雨、驟雨、夕立晴、夕立雲。

 【髪洗う】

汗とほこりに汚れやすい夏は毎日のように髪を洗うことが多くなる。

傍題に、洗ひ髪。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   先ぶれの一粒が来て大夕立

                高橋悦男

 

   髪洗ひ今日の愁ひは今日捨てん

                山田弘子

  

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令和5年6月号5月の結果(夏の戦第1ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋

葉桜を描くキャンバス青き空

娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり

葉桜の梢へ伸びる緑かな

地下街を出でて地上の街薄暑

 

三点句

葉桜の蔭に川瀬の水光る        上野貴子

葉桜の中に奏でる瀬音かな       阿部文彦

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋       龍野ひろし

バイオリンの弓締め直す昼薄暑     原田啓子

葉桜の中をゆるりと車椅子       阿部文彦

 

二点句

葉桜に透ける光を仰ぎけり       龍野ひろし

葉桜や詰襟開く初年生         神長誉夫

サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ   龍野ひろし

葉桜の隙間を埋むる空の青       辻 雅宏

人影も絶えて堤の花は葉に       辻 雅宏

 

一点句

作句する語彙の貧しき薄暑かな     阿部文彦

葉桜を描くキャンバス青き空      青山好男

娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり    水野幸子

葉桜の梢へ伸びる緑かな        原田啓子

地下街を出でて地上の街薄暑      辻 雅宏

葉桜やケルンに注ぐジン香る      神長誉夫

二階より豆腐屋止むる夕薄暑      辻 雅宏

配達を終へし自転車夕薄暑       龍野ひろし

老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな       青山好男

葉桜や嬰は保育園なれた頃       水野幸子

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

葉桜の蔭に川瀬の水光る・・・3点

葉桜の中に奏でる瀬音かな・・・3

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋・・・3

バイオリンの弓締め直す昼薄暑・・・3点

葉桜の中をゆるりと車椅子・・・3点

 

 今回は初夏の戦とあって点がばらけました。最高点が5句も同点です。これははじめての現象です!次回が楽しみですね。

(夏:5月~7月)

 

  ~~~今月の選評~~~

 葉桜の蔭に川瀬の水光る

この季節には植物の生命力が強く感じられる。川の流れや水面の光を一層眩しく感じるようになる。

 

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★6月の兼題(5月末日〆切)

 【夕立】と【髪洗う】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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 【今月のワンポイントレッスン】

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は最上川での句を見てみましょう。

五月雨をあつめて早し最上川・・・芭蕉

「奥の細道」の中でも有名な名句です。最上川は山形を川上として日本海の酒田の海へ流れています。芭蕉は五月の長雨の頃に訪れ詠んだ句です。大小の支流からの流れを集めて満々とした濁流は数々の難所を経て勢いよく下り、その早さは夏の暑さを忘れさせてくれる程の清涼感を残してくれているという句の意味がひしひしと伝わります。この句は「集めて早し」ではなく「集めて涼し」と芭蕉は始めに詠んだのですが、後から実際に最上川下りを体験して「涼し」を「早し」と推敲して「奥の細道」に掲載したと言われています。本文からも大石田で雨の止むまで待っている間に一巻残したとあり、川を下る前の一巻での発句を川下りの後の実体験から勢いのある「早し」と推敲したという説は、有名この句の逸話として解説されています。

 切れ字としては特に無いのですが、「早し」の「し」が形容詞ク活用の終止形の「し」なので、切れ字十八では切れ字となります。芭蕉の時代では切れ字ありとなる句でしょう。

 現代では「や」「かな」「けり」には当てはまらないので、切れ字の有無にかかわらず動きのある名句と言えるでしょう。

(令和五年六月号より 上野貴子)

  

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

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 【ネット句会後記】

 夏の戦第一ステージは3点句が5句と並びました。どの句が第二ステージで抜け出るか、はてまた、2点句から追い越す句が現れるか楽しみな展開です。梅雨入りしました。

紫陽花が雨に似合います。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年六月 辻 雅宏)

 

 

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 LINE公式俳句大会4月結果発表~

 <大賞>

 1   濱野 洋子 語り部の話に夢中夕薄暑

 2点句>

15 さこた ゆう 薄暑光7000歩越し旨き水

24 山田 純   桜散る画を撮りたくて風を待つ

30 鈴木 恵美子 ほろ苦さ独活をつまみにすすむ酒

34 南出 千賀子 薄暑光温水の中影一瞬

38 大倉 宏美  あと一行読もう蛙の目借時

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2023年5月ネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

 

1夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋

2配達を終へし自転車夕薄暑

3若きの日下宿薄暑の四畳半

4葉桜に透ける光を仰ぎけり

5サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ

6葉桜の蔭に川瀬の水光る

7魚跳ね水脈引く池に薄暑来る

8バス通り学校帰り薄暑光

9これからが人生本番薄暑光

10葉桜に山移ろえど動かざる

11葉桜を愛でる群れびと城の下

12グランドの若人の息荒し薄暑

13老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな

14葉桜を描くキャンバス青き空

15葉桜やバス駐車場のエンジン音

16集合の駅前に待つ薄暑かな

17作句する語彙の貧しき薄暑かな

18葉桜の中をゆるりと車椅子

19葉桜や人の影なし河津町

20葉桜の中に奏でる瀬音かな

21この川に友と掬いし目高かな 

22娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり

23緑陰を園児らの手を引かれ過ぐ

24葉桜や嬰は保育園なれた頃

25箱車の園児らのゆく薄暑かな

26葉桜の駅に磯の香キハが連れ

27葉桜や詰襟開く初年生

28七色のソーダの泡や浜薄暑

29葉桜の堤煌めく魚鱗追ふ

30葉桜やケルンに注ぐジン香る

31バイオリンの弓締め直す昼薄暑

32薄暑光字余りの句を持て余し

33葉桜の外人もてなす観光地

34葉桜や時代が一つ変わる如

35葉桜の梢へ伸びる緑かな

36二階より豆腐屋止むる夕薄暑

37地下街を出でて地上の街薄暑

38葉桜の隙間を埋むる空の青

39邂逅のマドンナ老いぬ花は葉に

40人影も絶えて堤の花は葉に 

  

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6月の兼題【風薫る】&【木下闇】(5月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【夏の戦5・6・7月】

 

★6月の兼題(5月末日〆切。)

 

【風薫る】

緑の草木を渡ってきて匂うようなすがすがしい夏の風をいう。

傍題に、薫風。

 

【木下闇】

夏木立が茂って、樹の下のほの暗い様子をいう。

傍題に、下闇、青葉闇。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   海からの風山からの風薫る

                鷹羽狩行

 

   名刹といふもおほかた木下闇

                檜 紀代

 

 

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 令和5年5月号4月の結果(春の戦最終ステージ)

 

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 砂浅し波に逆らう桜貝

鈍行の揺れにまかせる目借時

乙姫の置き忘れかも桜貝

さくら貝これは羽化した恋の羽

世の此岸生きて蛙の目借り時

  

六点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

 

五点句

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

かげろへる原爆ドーム昼の黙       辻 雅宏

 

三点句

桜貝月の砂漠に流れ着き         上野貴子

曳く波の足跡消すや桜貝         龍野ひろし

鳥帰る空紅色に染まるとき        原田啓子

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

 

二点句

桜貝寄せては返す浪静か         青山好男

鈍行の揺れにまかせる目借時       辻 雅宏

乙姫の置き忘れかも桜貝         辻 雅宏

忘れ潮ひとつ残りし桜貝         阿部文彦

海の歌歌ひて帰るさくら貝        龍野ひろし

忍び寄る汚染知らずや桜貝        原田啓子

曳く波の光残せしさくら貝        龍野ひろし

桜貝出でし亡父のピース缶        神長誉夫

鳥帰るシベリアまでの空遠く       上野貴子

陽炎や軽トラに立つ古箪笥        原田啓子

冒険といふは誰にも鳥帰る        山本佐和子

投げ竿の放物線や鳥雲に         辻 雅宏

マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   神長誉夫

碧天を戦火の郷へ鳥帰る         神長誉夫

鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       龍野ひろし

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

 

一点句

抽斗に遠き日の恋さくら貝       辻 雅宏

砂浅し波に逆らう桜貝         青山好男

さくら貝これは羽化した恋の羽     原田啓子

世の此岸生きて蛙の目借り時      山本佐和子

朝の浜花貝未だ夢の色         神長誉夫

流さるるままに生き抜く桜貝      阿部文彦

砂を透き潮騒を聴く桜貝        水野幸子

上り待つ田中の駅の目借時       神長誉夫

横笛に指動かざる目借時        阿部文彦

住職の法話かすかに目借時       阿部文彦

陽炎の中より吾子が現わるる       阿部文彦

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

鳥帰る人なきコインランドリー      龍野ひろし

捨つ郷や母の影さえかぎろひて      神長誉夫

つぎつぎと水面くずして鳥帰る      井上悦男

一列に並びて北へ鳥帰る         阿部文彦

鈍色の空を二手に鳥帰る         辻 雅宏

伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        辻 雅宏

引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       井上悦男

陽炎に彷徨う少年探偵団         井上悦男

陽炎いて貨物列車の浮いてくる      阿部文彦

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    神長誉夫

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

  

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・六点句

 

春の戦の勝ち抜き句となります。春らしく女性の句がかなり追ってきておりました。次回はもう夏となります!

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

桜貝出でし亡父のピース缶

 

亡くなったお父様の小さな秘密を発見したような句。

「ピース缶」がピッタリ決まっています。

 

 

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★6月の兼題(5月末日〆切)

 

【風薫る】と【木下闇】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は雲巌寺での句を見てみましょう。

啄木も庵はやぶらず夏木立・・・芭蕉

 

「奥の細道」雲巌寺のこの句は夏木立が季語です。啄木は季語ではなく秋から冬の間に啄木につつかれることも無く庵がまだ存在していることを詠んでいるのです。

雲巌寺の裏山の緑が美しい岩山にもたれかかるように庵があり、名僧の伝説を思わせるようだと芭蕉は書いています。今は亡き仏頂和尚を訪ねての一句です。

この句には「切れ字」はありませんが、切れ字を十八とすると「ず」がそうなります。今では「や」「かな」「けり」以外の切れ字にはほとんどふれませんから、この句には切れ字は無いとしても良いでしょう。ただ、芭蕉の江戸時代前期の時代には、切れ字十八と言われていましたので、句そのものとしてはやはり「ず」を切れ字とみなした方がよいと考えました。秋の勉強会の基本資料でも「ず」を切れ字としています。「や」のように芭蕉が好んで使っていた切れ字ではないようですね。「ず」は打消しの助動詞なので変化しますが終止形として「あらず」と中七で意味を切っています。そこで切れ字と考えました。芭蕉の時代のことで解りづらいのですが、やはり「ず」は切れ字と成るでしょう。

(令和五年四月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

春の戦は六点句が制しました。チューリップや薔薇が咲き誇ってとても心地よい初夏です。コロナも2類から5類となり、人々の動きも前向きになりつつあります。

いざ 夏の戦の選句と投句です。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年五月 辻 雅宏)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会3月結果発表~

 

<大賞>

 

38 大倉 宏美 あと一行読もう蛙の目借時

 

2点句>

 

1  橋詰 博 駆け抜けた十五の恋の桜貝

2  南出 千賀子 天狗来い春も来い来い高尾山

10 奥平 雅子 春落ち葉昼のランプの洋食屋

18 奥平 雅子 銀座三越ライオン像脱マスク

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2023年4月ネット句会

今月の投句(春の戦最終ステージ)

 1桜貝月の砂漠に流れ着き

2小石かと蟹が蹴とばす桜貝

3帰る家まだある桜貝の詩

4蛙まだ見かけぬうちに目借時

5悔しさに砂浜白く桜貝

6砂浅し波に逆らう桜貝

7桜貝置き所無く海広し

8桜貝繰り返し聴く波の音

9桜貝寄せては返す浪静か

10城映す狛犬まなこねこやなぎ

11鈍行の揺れにまかせる目借時

12二駅を乗り越し気づく目借時

13濡れ縁の猫も舟こぐ目借時

14抽斗に遠き日の恋さくら貝

15乙姫の置き忘れかも桜貝

16砂を透き潮騒を聴く桜貝

17止まり木のインコ静かな目借時

18いつの間にこんなところに一人静

19小さき日のあの思い出に蓬摘む

20木漏れ日や鳥のきている猫柳

21星の降る渚に帰す桜貝

22上り待つ田中の駅の目借時

23桜貝出でし亡父のピース缶

24濡髪にカルキの臭ふ目借時

25朝の浜花貝未だ夢の色

26忍び寄る汚染知らずや桜貝

27さくら貝これは羽化した恋の羽

28このような心でいたい桜貝

29綿々と恋語る友目借時

30目借時ご不在通知が玄関に

31曳く波の光残せしさくら貝

32海の歌歌ひて帰るさくら貝

33寝ころべば海の匂ひや桜貝

34さざ波の絶えることなし桜貝

35曳く波の足跡消すや桜貝

36疵の互いに抱きしめ合ひぬ桜貝

37世の此岸生きて蛙の目借り時

38砂浜の文字の句点よ桜貝

39雨音に目閉づ蛙の目借時

40黒人の娘のふと拾ふ桜貝

41忘れ潮ひとつ残りし桜貝

42波打ちに波に揺らるる桜貝

43流さるるままに生き抜く桜貝

44横笛に指動かざる目借時

45住職の法話かすかに目借時

46春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      

47春めきて薩摩切子を二つ買う       

48鳥帰る空紅色に染まるとき        

49かげろへる原爆ドーム昼の黙       

50軽やかに発車のチャイム春めけり     

51ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     

52遠山の丸く見える日春めきぬ       

53フリースに包まれ眠る春の風邪      

54調弦の軽く揃いて春めきぬ        

55小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       

56鳥帰るシベリアまでの空遠く       

57陽炎や軽トラに立つ古箪笥        

58冒険といふは誰にも鳥帰る        

59投げ竿の放物線や鳥雲に         

60マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   

61碧天を戦火の郷へ鳥帰る         

62鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       

63餌ねだる猫の鳴き声春めけり       

64障子戸の春めく光部屋に満つ       

65春めきてろくろの土の良く喋る      

66日当たりの斜めの庭も春めけり      

67春風邪や窓から見る山遠し        

68春めくやひかり膨らむ堰の水       

69鍵盤に弾む指先春めけり         

70陽炎の中より吾子が現わるる       

71鍵盤に弾む指先春めけり         

72鳥帰る人なきコインランドリー      

73捨つ郷や母の影さえかぎろひて      

74つぎつぎと水面くずして鳥帰る      

75一列に並びて北へ鳥帰る         

76鈍色の空を二手に鳥帰る         

77伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        

78引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       

79陽炎に彷徨う少年探偵団         

80陽炎いて貨物列車の浮いてくる      

81軽やかに発車のチャイム春めけり     

82春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    

83君のならくれてもいいよ春の風邪     

84妻からのメールにハート春めける     

85オリオンに向ひ帰宅や春めきて      

86光さす千体仏や春めけり         

87一人寝の夜のいつまでも春の風邪     

88レトルトの匂いの粥と春の風邪      

89春の風邪汽笛掠れしA列車        

90春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        

91春めいて草刈られゆく空の堀       

92春めくや老若集うカフェテラス      

93春めくや旅のプランを練り直す      

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 5月の兼題【薄暑】&【葉桜】(4月末日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【夏の戦5・6・7月】

 ★5月の兼題(4月末日〆切。)

 【薄暑】

初夏にやや暑さを覚えて少し汗ばむのを感じる気候をいう。

傍題に、薄暑光。

 【葉桜】

桜が散り終え、みずみずしい若葉の緑が濃く重なりを深めてその美しさを見せます。

傍題に、花は葉に。

 

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

 

   飼犬の穴掘つてゐる庭薄暑

                倉内法子

 

   葉桜の中の無数の空さわぐ

                篠原 梵

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年4月号3月の結果(春の戦第3ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

冒険といふは誰にも鳥帰る

陽炎の中より吾子が現わるる

鳥帰る空紅色に染まるとき

春めきて薩摩切子を二つ買う

鍵盤に弾む指先春めけり

  

五点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

 

三点句

鳥帰る空紅色に染まるとき        原田啓子

かげろへる原爆ドーム昼の黙       辻 雅宏

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

 

二点句

鳥帰るシベリアまでの空遠く       上野貴子

陽炎や軽トラに立つ古箪笥        原田啓子

冒険といふは誰にも鳥帰る        山本佐和子

投げ竿の放物線や鳥雲に         辻 雅宏

マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   神長誉夫

碧天を戦火の郷へ鳥帰る         神長誉夫

鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       龍野ひろし

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

 

一点句

陽炎の中より吾子が現わるる       阿部文彦

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

鳥帰る人なきコインランドリー      龍野ひろし

捨つ郷や母の影さえかぎろひて      神長誉夫

つぎつぎと水面くずして鳥帰る      井上悦男

一列に並びて北へ鳥帰る         阿部文彦

鈍色の空を二手に鳥帰る         辻 雅宏

伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        辻 雅宏

引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       井上悦男

陽炎に彷徨う少年探偵団         井上悦男

陽炎いて貨物列車の浮いてくる      阿部文彦

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    神長誉夫

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 春めきて薩摩切子を二つ買う・・・五点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・五点句

 

春の戦の最後となります。勝抜いたのはこの2句でした。春らしい句が勝ち残りましたね。やっとコロナ禍の規制がない春がやって来て明るい句が多いと感じます。

(春:2月~4月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂き

マシンの音とともに陽炎を破り出たレーシングカーの

生中継を見る詠みである。

 

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 ★5月の兼題(4月末日〆切)

 

【薄暑】と【葉桜】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は日光の抄の四月の頃の句を見てみましょう。

 

あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉

 

「奥の細道」の中で特に有名なこの句は季語の使い方も斬新ですし、切れ字もありません。句意は「何と崇高であろうか。日光では東照宮の大改修も進み青葉や若葉が美しく太陽の光りにそのみどりを輝かせていることだ。」と詠んでいます。四月朔日の句と書かれていますから、陽暦の519日頃で新緑が美しい初夏の句です。今の時代では「青葉」「若葉」の二つの季重りですね。これは季感が同じなので「青葉若葉」と一つの言葉とみなすことが出来ますが造語となります。切れ字は無く、日の光が「日光」という名にふさわしく美しく眩しいほどに神々しいということを表現しています。よくある上五の説明にとどまらずに斬新で印象深い句に仕上げている名句ですね。

「あらとうと」この上五は「あら尊し」のことで「あら」が感嘆を表し「とうと」が「とうとし」の語幹となります。

芭蕉は、弥生三月二十七日に出発して四月朔日に日光山に参拝しています。日数計算は暦の違いから難しいところですが、日光街道を旅して辿り着いた日光は改装されていて、その美しさに感銘を受けたに違いありません。

(令和五年四月 上野貴子)

 

 「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

春の戦第2ステージは2句が5点句で競っています。最終ステージの結果が楽しみです。華やかな桜花から瑞々しい若葉の季節へと移り、清々しい五月を迎えます。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年四月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会2月結果発表~

 <大賞>

 10 さこたゆう 陽炎の先ブランコをこぐ二人

 2点句>

22 南出 千賀子 淡雪の足跡に聞く芽吹き声

29 tanaka625 寝過ごして見知らぬ駅に野馬燃ゆる

  

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2023年3月のネット句会

今月の投句(春の戦第2ステージ)

 

1街はドラマエンドロールの陽炎す

2線香ゆらと真昼の墓場かぎろひす

3鳥帰る夕日の湖はきらめきて

4冒険といふは誰にも鳥帰る

5帰る雁月光の間を通りけり

6陽炎ふや水面に燭の灯影かな

7鳥雲に水面の影の途切れずに

8引き上ぐる浜の小船や鳥雲に

9つぎつぎと水面くずして鳥帰る

10陽炎に彷徨う少年探偵団  

11鳥帰るいま戦争のなき国へ

12抜き去りしランナーはいま陽炎へ

13鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス

14鳥帰る人なきコインランドリー

15鳥帰る住み慣れし街下に見て

16遮断機の向う陽炎に乳母車

17海までの一本道野馬の立つ

18踏切の音近く陽炎の町迫る

19鳥帰るシベリアまでの空遠く

20別れぎわいつものように鳥帰る

21旧き家の女雛の髪のほつれかな

22女児なき家に春告げて雛飾り

23陽炎にかすみて遠き生駒かな

24陽炎や若き水兵港街

25陽炎や道行く顔のやはらかさ

26陽炎いて貨物列車の浮いてくる

27陽炎の中より吾子が現わるる

28返信の便りの如く鳥帰る

29鳥帰る鳥には鳥の掟あり

30一列に並びて北へ鳥帰る

31春の嬰3歩あゆんでドヤ顔に

32母の手に頭なでられ嬰うらら

33嬰泣いて胸いたくなる春うらら

34けらけらと嬰の笑いや春めける

35泣き声も泣き顔もよし春の嬰 

36碧天を戦火の郷へ鳥帰る

37マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて

38岬端に踏み締む土や鳥帰る

39捨つ郷や母の影さえかぎろひて

40雲は裂け光に濡れて鳥帰る

41鳥帰る空紅色に染まるとき

42鳥帰りトルコ地震の悲報来る

43かげろふや百面相の孫の顔

44教職を辞して日々これ陽炎ヘリ

45陽炎や軽トラに立つ古箪笥

46陽炎を抜けてちんちん電車来る

47かげろへる原爆ドーム昼の黙

48鈍色の空を二手に鳥帰る

49伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る

50投げ竿の放物線や鳥雲に

51春めきて薩摩切子を二つ買う       

52春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      

53調弦の軽く揃いて春めきぬ        

54餌ねだる猫の鳴き声春めけり       

55軽やかに発車のチャイム春めけり     

56障子戸の春めく光部屋に満つ       

57春めきてろくろの土の良く喋る      

58日当たりの斜めの庭も春めけり      

59ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     

60遠山の丸く見える日春めきぬ       

61フリースに包まれ眠る春の風邪      

62春風邪や窓から見る山遠し        

63君のならくれてもいいよ春の風邪     

64妻からのメールにハート春めける     

65オリオンに向ひ帰宅や春めきて      

66光さす千体仏や春めけり         

67一人寝の夜のいつまでも春の風邪     

68レトルトの匂いの粥と春の風邪      

69春めくやひかり膨らむ堰の水       

70春の風邪汽笛掠れしA列車        

71春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        

72小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       

73鍵盤に弾む指先春めけり         

74春めいて草刈られゆく空の堀       

75春めくや老若集うカフェテラス      

76春めくや旅のプランを練り直す      

 

 

 

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4月の兼題【蛙の目借時】&【桜貝】(3月末日〆切)

 

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【春の戦2・3・4月】

 ★4月の兼題(3月末日〆切。)

 【蛙の目借時】

春深く蛙のしきりに鳴く頃は眠気に襲われる。これは蛙に目を借りられるからだという。

傍題に、目借時。

 【桜貝】

浅海の砂泥に産する小形の二枚貝。色と形が桜の花びらに似ているのでこの名がある。

傍題に、花貝、紅貝。

  

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

   黒板にチョークの音や目借時

                                       福川悠子

   ひく波の跡美しや桜貝

                        安住 敦

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年3月号2月の結果(春の戦第1ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

フリースに包まれ眠る春の風邪

オリオンに向ひ帰宅や春めきて

日当たりの斜めの庭も春めけり

軽やかに発車のチャイム春めけり

調弦の軽く揃いて春めきぬ

 

 

三点句

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

 

二点句

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

 

一点句

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

春めきて薩摩切子を二つ買う・・・三点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・三点句

調弦の軽く揃いて春めきぬ・・・三点句

 

春の戦が始まりました。コロナ禍での風邪は怖いもおですが俳句には春らしい句材が人気のようです。

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

春めきてろくろの土の良く喋る

 

土と向き合い一心に陶芸に励む作者。春の気配を感じ、思わず捏ね

ている土との対話が弾む昼下がり。

 

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★4月の兼題(3月末日〆切)

 

【蛙の目借時】と【桜貝】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は序文の中の最初の句を見てみましょう。

 草の戸も住替る代ぞひなの家・・・芭蕉

 「奥の細道」弥生三月二十七日に出発して150日、2400Kmにおよぶ旅の紀行文の始まりです。この句の切れ字は「ぞ」。自分が引き払った家には次の住人が娘や孫と住むであろう。そのことに感慨を込めています。人生の刹那です。

芭蕉は、この序文で「人生は旅である」と述べて紀行文のすべてを言い尽くしています。

原文の中で「古人」というのは、おそらく李白、杜甫、宗祇、そして西行でしょう。芭蕉46歳の春から秋にかけての最大の北の旅への想いが綴られた有名な序文の一句です。三月は雛の節供があり、そして桜が咲く季節です。

 行春や鳥啼魚の目は泪・・・芭蕉

 旅立の抄の句です。上野や谷中では桜が咲いているけれど、今度いつ見られるであろうかという不安が込められた句で、切れ字は「や」です。過ぎてしまう春が惜しまれる感嘆が見事に表現されています。この「や」が芭蕉の切れ字の多くを代表していますね。たった十七文字に凝縮された俳句の素晴らしさと難しさを感じます。

(令和五年三月 上野貴子)

 

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 【ネット句会後記】

 令和5年の春の戦が始まりました。第1ステージは「春めきぬ」を詠んでいただきましたが、三月というのに春のきざしがまだ感じられません。花が咲き、うららからな四月が一気に来そうです。投句と選句をセットにして参加下さい。

(令和五年三月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会1月結果発表~

<大賞>

16 橋詰 博 夜行列車風花連れて故郷へ

2点句>

20 奥平 雅子  グラタンの焦げる香のたつ初時雨

27 濱野 洋子 晩酌は二合に決めて掘り炬燵

30 鈴木 恵美子 枝枝に小手毬に似た寒雀

 

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2023年2月のネット句会

今月の投句(春の戦第1ステージ)

 

1フリースに包まれ眠る春の風邪

2春めくや老若集うカフェテラス

3春の風邪慢性病も身の内に

4夜の時間やたらと伸びる春の風邪

5レトルトの匂いの粥と春の風邪

6オリオンに向ひ帰宅や春めきて

7餌ねだる猫の鳴き声春めけり

8日当たりの斜めの庭も春めけり

9春の風邪誰も出ぬまま電話鳴る

10春めくやひとりの席に椅子を寄せ

11軽やかに発車のチャイム春めけり

12光さす千体仏や春めけり

13鍵盤に弾む指先春めけり

14春めくやひかり膨らむ堰の水

15妻からのメールにハート春めける

16硝子越し春めくキッチンポット沸く

17上着脱ぎ油断がアダの春の風邪

18目覚めても布団出られず春の風邪

19しののめの鴉の親子春はじめ

20まだぬけずマスクでクシャミ春の風邪

21春めいて草刈られゆく空の堀

22春めきて隣家の灯り眩しけり

23春めきて農婦畑立ち鳥の啼く

24春風邪や花瓶に残る水窓辺

25春風邪や窓から見る山遠し

26春めくや浜辺に人の影あまた

27春めきて薩摩切子を二つ買う 

28春めくや旅のプランを練り直す

29コロナ禍と見紛うほどに春の風邪

30酒二合飲んで寝に入る春の風邪

31嬰のくしゃみ春の風邪飛び散りばめり

32障子戸の春めく光部屋に満つ

33サクサクと雪かく音のうまれけり

34春めきて鼻歌漏るる海女の小屋

35春めきてシェフの帽子も背を伸ばし

36春の風邪汽笛掠れしA列車

37春めきてろくろの土の良く喋る

38春めきてそろそろ嘘の懺悔時

39調弦の軽く揃いて春めきぬ

40ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ

41遠山の丸く見える日春めきぬ

42大っぴらに言えぬ辛さや春の風邪

43一人寝の夜のいつまでも春の風邪

44春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽

45小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ

46社会的距離を忘れて春の風邪

47君のならくれてもいいよ春の風邪

48くちづけのあとでもらひぬ春の風邪

 

 

 

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3月の兼題【陽炎】&【鳥帰る】(2月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【春の戦2・3・4月】

 

★3月の兼題(2月末日〆切。)

 

【陽炎】

あたたかく晴れた日に、地上から水蒸気が蒸発して、ゆらゆらと炎のように立ち昇る現象をいう。

傍題に、糸遊、かぎろひ、陽炎へる。

 

【春の風邪】

秋に日本に渡来し越冬した渡り鳥は、春になると北方の繁殖地に帰っていく。

傍題に、鳥雲に、鳥雲に入る。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

  かげろふの中へ押し行く乳母車

                轡田 進

 

  鳥帰るいづこの空もさびしからむに 

                 安住 敦

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年2月号1月の結果(冬の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

信仰無し何は無くとも初詣

風花のたちまち消ゆる手のひらに

初詣高台よりの海蒼し

風花や母の手書きの文一つ

初詣晴れ着姿のまばらなる

 

 

五点句

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     神長誉夫

 

四点句

風花や母の手書きの文一つ        原田啓子

外人の肩一つ出て初詣          原田啓子

地にとどくまで風花の調べかな      原田啓子

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

 

三点句

海見ゆる土俵に子らの初相撲       水野幸子

猫の髭風花捕え反り返る         神長誉夫

風花を追ふ子掴む子口開く子       辻 雅宏

着ぶくれて見る月食の終るまで      龍野ひろし

着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     龍野ひろし

義士の日や映画の後のしるこかな     青山好男

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   辻 雅宏

 

二点句

巾着に仕舞ふ吉札初詣          龍野ひろし

おくるみの嬰(やや)に風花ふうわりと  辻 雅宏

信仰無し何は無くとも初詣        山本佐和子

二拍めに揃ふ柏手初詣          井上悦男

珈琲の戸の外に風花ゆたり        山本佐和子

風花や奥の院への二百段         龍野ひろし

義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 田中伸明

着膨れて歯のない嬰の破顔かな      水野幸子

義士の日や雪に昏れゆく南部坂      辻 雅宏

義士の日や雨も冷たき泉岳寺       青山好男

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 

一点句

風花のたちまち消ゆる手のひらに     龍野ひろし

初詣高台よりの海蒼し          水野幸子

初詣晴れ着姿のまばらなる        辻 雅宏

初詣神籤見せ合ふ若夫婦         辻 雅宏

朝市の並ぶ川沿ひ風花す         辻 雅宏

初詣令和五年を握りしめ         井上悦男

風花や道一列の紅き頬          青山好男

着ぶくれて犬と星空見上げをり     龍野ひろし

パン屑の溜まる胸元着ぶくれて     原田啓子

義士の日や膝の痛みのいや増して    水野幸子

初時雨産寧坂を濡るるほど       辻 雅宏

着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  辻 雅宏

季語帳を繕うテープ小六月       水野幸子

「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   神長誉夫

着ぶくれてタイムサービス早足に    田中伸明

色コーデする暇もなく着膨れて     原田啓子

義士の日を令和の人が行きすぎる    上野貴子

義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     神長誉夫

着ぶくれて南の島の果実剥く      神長誉夫

着ぶくれて旅行バックを引く婦人    上野貴子

義士会や名優達の時を愛で       神長誉夫

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日・・・五点句

 

今回の冬の戦では、敵討ちの句が勝ち残りました。「そろり」という表現が仇討ちのすさまじさや切なさを表現されていて上手い句ですね。あっという間にもう春です。次回はいよいよ春の戦となります。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

信仰無し何は無くとも初詣

 

日本人ですね、とにかく元日には家族そろって地元の氏神様へと毎年出かけます。家内安全。家族の健康。世界の平和、小遣いの小銭をもって、何という欲張りなお願いだろうと毎年笑っています。

 

 

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★3月の兼題(2月末日〆切)

 

【陽炎】と【鳥帰る】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきましたが今回は芭蕉の詠んだ梅の句を見てみましょう。

 

梅が香に昔の一字あはれなり・・・芭蕉

 

「奥の細道」は弥生三月二十七日に出発しているので桜の美しい季節ですが、梅の句はまだ無いのです。そこで、芭蕉51才の句を例句に上げてみました。46才で奥の細道の旅に出かけた後の句です。門人梅丸の息子の一周忌に向けた句で「昔」の一文字が浮かび哀しいという句ですね。この句には「梅が香に昔を問へば春の月答へぬ影ぞ袖にうつれる」という藤原家隆の歌が根底にあると言われています。「昔」を訪ねても月は答えてくれないという切ない歌の「昔」のひと文字に掛けているのでしょう。「初昔」の季語を思い出しますが、お目出度い梅春だけに切なさが込められた名句です。

 

梅一輪一輪ほどの暖かさ・・・嵐雪

 

この句は芭蕉の弟子の服部嵐雪の名句ですね。梅と言えばこの句が有名です。リフレインの畳語が一輪を強調させています。切れ字を使わずにたった一輪だけだというのにという感嘆の意味も伝わります。現代でも古びた感じが全くしない名句として語り継がれています。切れ字「けり」をあまり使わない蕉門の弟子らしい雅な名句ですね。次回はいよいよ芭蕉「奥の細道」へと出発の頃となります。

(令和五年二月 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

冬の戦の決着がつきました。討ち入りの日が5点句になりました。4点句が5句並び、しかも3句が一度に登場でした。伯仲する句が目白押しで楽しみな句会になってきました。令和5年の春の戦の始まりです。選句と投句をよろしくお願いします。

多くのご参加をお待ちしています。

(令和五年二月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会12月結果発表~

 

<大賞>

 16 橋詰 博 夜行列車風花連れて故郷へ

 

2点句>

 

20 奥平 雅子  グラタンの焦げる香のたつ初時雨

27 濱野 洋子 晩酌は二合に決めて掘り炬燵

30 鈴木 恵美子 枝枝に小手毬に似た寒雀

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2023年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦最終ステージ)

 

1信仰無し何は無くとも初詣

2初詣昼日に五円にぎりしめ

3珈琲の戸の外に風花ゆたり

4風花来おもひでひとつ消すやうに

5風花よ乙女青年恋を抜け

6風花や街角低く鴉二羽

7三枚目賀状の文字は大きめに

8風花や百円木馬で風に乗る

9二拍めに揃ふ柏手初詣

10初詣令和五年を握りしめ

11風花のたちまち消ゆる手のひらに

12小吉の御籤ほどよき初詣

13巾着に仕舞ふ吉札初詣

14風花や奥の院への二百段

15真つさらの鈴緒振りたる初詣

16花見小路風花まとい歩くひと

17仰ぐ空風花一つ二つかな

18風花や文投函す遠き友

19風花や道一列の紅き頬

20初詣冷たき水も有難し

21初詣高台よりの海蒼し

22里帰り孫ひまご抱き初詣

23一夜にて縫いし晴れ着を嬰に着す

24高台の神仏に手を初詣

25海見ゆる土俵に子らの初相撲

26野天湯や湯気と風花すれ違う

27猫の髭風花捕え反り返る

28枝高く我が初籤は風に泣く

29風花の煌めきの中郷を捨て

30風花や帰って来いよと郷の声

31外人の肩一つ出て初詣

32巫女たちの札所の灯り初詣 

33風花や母の手書きの文一つ

34庭師去りあとに風花二三片

35地にとどくまで風花の調べかな

36初詣晴れ着姿のまばらなる

37初詣神籤見せ合ふ若夫婦

38朝市の並ぶ川沿ひ風花す

39風花を追ふ子掴む子口開く子

40おくるみの嬰(やや)に風花ふうわりと

41群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     

42初時雨能登行商の頬を打つ        

43着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     

44義士の日や映画の後のしるこかな     

45着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   

46そして皆大人になりぬ一葉忌       

47着膨れて歯のない嬰の破顔かな      

48義士の日や雪に昏れゆく南部坂      

49着ぶくれて見る月食の終るまで     

50義士の日や雨も冷たき泉岳寺       

51陸前は父母のふる里一葉忌        

52読書せる窓辺の外は初時雨        

53てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   

54階段の軋む茶房や初時雨         

55改札に人影の増え初時雨         

56初時雨駅の置き傘借りにけり       

57初時雨産寧坂を濡るるほど        

58お遍路の杖音急ぐ初時雨         

59初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        

60家族皆一つ傘にて初時雨         

61着ぶくれて犬と星空見上げをり     

62義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 

63パン屑の溜まる胸元着ぶくれて    

64義士の日や膝の痛みのいや増して    

65初時雨産寧坂を濡るるほど       

66着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  

67季語帳を繕うテープ小六月       

68「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   

69義士の日を令和の人が行きすぎる    

70義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     

71着ぶくれて南の島の果実剥く      

72着ぶくれて旅行バックを引く婦人    

73義士会や名優達の時を愛で       

74女性史の初めの一歩一葉忌        

75短くも長くも一生一葉忌         

76初時雨天地返しの田が笑い        

77濁水に作り花散る一葉忌         

78読みかけのたけくらべ手に一葉忌     

79野良猫の小走りになる初時雨       

80花街の町家格子や初時雨         

81初時雨灯りのつかぬ老舗宿       

82対岸の陽射し伸びるや初時雨       

83嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      

84着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      

85初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        

86五千円一人飲む酒一葉忌         

87路地裏の声甲高かき一葉忌        

88日本語の美しきかな一葉忌        

89灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       

90初時雨先客の居る木暮かな        

 

 

 

 

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

2月の兼題【春めく】&【春の風邪】(1月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【春の戦2・3・4月】

 

★2月の兼題(1月末日〆切。)

 

【春めく】

寒さがゆるみ、万象春らしく感じることをいう。

 

【春の風邪】

春めいているのに油断からか、思わぬ風邪をひくことがある。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

  卓飾る花のいろいろ春めきぬ

                稲畑汀子

 

  しんがりは妻が勤めぬ春の風邪 

                 石塚友二

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年1月号12月の結果(冬の戦第二ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル

義士の日や膝の痛みのいや増して

季語帳を繕うテープ小六月

初時雨能登行商の頬を打つ

そして皆大人になりぬ一葉忌

 

四点句

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     神長誉夫

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

 

三点句

着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     龍野ひろし

義士の日や映画の後のしるこかな     青山好男

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   辻 雅宏

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

 

二点句

着膨れて歯のない嬰の破顔かな      水野幸子

義士の日や雪に昏れゆく南部坂      辻 雅宏

着ぶくれて見る月食の終るまで      龍野ひろし

義士の日や雨も冷たき泉岳寺       青山好男

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 

一点句

着ぶくれて犬と星空見上げをり     龍野ひろし

義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 田中伸明

パン屑の溜まる胸元着ぶくれて     原田啓子

義士の日や膝の痛みのいや増して    水野幸子

初時雨産寧坂を濡るるほど       辻 雅宏

着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  辻 雅宏

季語帳を繕うテープ小六月       水野幸子

「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   神長誉夫

着ぶくれてタイムサービス早足に    田中伸明

色コーデする暇もなく着膨れて     原田啓子

義士の日を令和の人が行きすぎる    上野貴子

義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     神長誉夫

着ぶくれて南の島の果実剥く      神長誉夫

着ぶくれて旅行バックを引く婦人    上野貴子

義士会や名優達の時を愛で       神長誉夫

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

 

 

 

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 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日・・・四点句

初時雨能登行商の頬を打つ・・・四点句

 

能登の句に討ち入りの句が追い付いて来ました。次回の最終ステージでは果たしてどうなるでしょうか。まだコロナ禍ですが今年こそは終焉収束を祈ります。今年も宜しくお願い致します。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日

 

四十七士が忍び足で袴などをはためかせ討ち入る様子が烏の描写と重なり、見事な比喩だと思いました。志士たちの押し殺した息遣いも聞こえてきそうです。

 

 

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★2月の兼題(1月末日〆切)

 

【春めく】と【春の風邪】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉の詠んだ新年の句を見てみましょう。

 

春立つや新年ふるき米五升・・・芭蕉

 

「新年」で探したところ芭蕉38才の頃のこの句しかありませんでした。江戸時代は立春がお正月だったことが良く解ります。そこで、「餅」の句を探してみました。

「餅雪をしら糸となす柳哉」

「餅を夢に折結ふしだの草枕」

「餅花やかざしにさせる娌(よめ)が君」

「誰が聟(むこ)ぞ歯朶に餅おふうしの年」「煩(わずら)へば餅をも喰はず桃の花」

「鶯や餅に糞する縁のさき」

などの句があり、「餅」は冬の季語ですが、現代では春の季語とされている言葉との季重りが目立ち、まさに立春が一年の始まりだった時代の相違を感じます。この他に「初日の出」の句も芭蕉には見当たりません。

 

むめがゝにのつと日の出る山路かな・・芭蕉

 

この句があるのですが、日の出とあり「むめがゝ」が春の季語です。初日の出の習慣は、日本古来のものと言われますが、明治以降盛んになったとされていて芭蕉の句でも「初日の出」とは呼んでいません。面白いですね。

 

(令和五年一月 上野貴子)

 

 

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【ネット句会後記】

 

明けましておめでとうございます。

本年もネット句会のお引き立てをよろしくお願い申し上げます。

冬の戦第2ステージは4点句が2つ並びました。最終ステージの選句が楽しみです。そして、投句は春の第1ステージ向けての募集になります。多くのご参加をお待ちしています。この句会では投句と選句はセットですから、セットで参加をお願いします。

(令和五年一月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会11月結果発表~

 

<大賞>

 

10 さこたゆう 着ぶくれて素のままの自分を探す  

             

2点句>

 

2  出口 科野    ゆるやかな時が流れて秋の空

18 奥平雅子     時雨るるや泣いてどうにかなるものか

23 tanaka623     旅心期待と不安で着ぶくれる

38 鈴木 恵美子  渡月橋空の青さと燃える秋

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

2022年12月ネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

 

1着ぶくれて見る月食の終るまで

2着ぶくれて犬と星空見上げをり

3絶やさぬ窯火陶工は着ぶくれて

4着ぶくれし夜釣りの背中並びけり

5着ぶくれて時間のかかる脱衣場

6着ぶくれて旅行バックを引く婦人

7着ぶくれて電車乗る人降りる人

8着ぶくれを吐き出すバスのターミナル

9着ぶくれてお腹から乗るマタニティー

10義士の日や雪に昏れゆく南部坂

11四十七の香煙空に義士の会

12着ぶくれてタイムサービス早足に

13義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君

14着ぶくれも十年前は着やせ組

15義士の日に誕生祝い赤穂パン

16手足まで着ぶくれ浸かり汗光る

17パン屑の溜まる胸元着ぶくれて

18着ぶくれてチェックインする日本人

19色コーデする暇もなく着膨れて 

20義士の日や四十七士が動いた日

21義士の日に義士の日のことグーグルす

22落葉風なまぬるくコロナ禍の町

23義士の日を令和の人が行きすぎる

24着ぶくれて家路を急ぐ一番星

25着ぶくれて待つ顔険し交差点

26義士の日や映画の後のしるこかな

27義士の日や雨も冷たき泉岳寺

28棒振りてスタアになりし義士の日よ

29風の音石の声冬銀閣寺

30着膨れて歯のない嬰の破顔かな

31義士の日や膝の痛みのいや増して

32嬰を呼ぶ父親の声冬ぬくし

33季語帳を繕うテープ小六月

34小春日や父の顔なり離乳食

35義士会や名優達の時を愛で

36着ぶくれて南の島の果実剥く

37群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日

38「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯

39義士の日や夜を駆けゆく風数ふ

40初時雨能登行商の頬を打つ

41お遍路の杖音急ぐ初時雨         

42初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        

43そして皆大人になりぬ一葉忌       

44家族皆一つ傘にて初時雨         

45女性史の初めの一歩一葉忌        

46短くも長くも一生一葉忌         

47陸前は父母のふる里一葉忌        

48初時雨天地返しの田が笑い        

49読書せる窓辺の外は初時雨        

50濁水に作り花散る一葉忌         

51読みかけのたけくらべ手に一葉忌     

52てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   

53野良猫の小走りになる初時雨       

54初時雨産寧坂を濡るるほど        

55花街の町家格子や初時雨         

56階段の軋む茶房や初時雨         

57初時雨灯りのつかぬ老舗宿        

58改札に人影の増え初時雨         

59対岸の陽射し伸びるや初時雨       

60嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      

61着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      

62初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        

63五千円一人飲む酒一葉忌         

64路地裏の声甲高かき一葉忌        

65日本語の美しきかな一葉忌        

66灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       

67初時雨駅の置き傘借りにけり       

68初時雨先客の居る木暮かな        

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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1月の兼題【初詣】&【風花】(12月末日〆切)

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【冬の戦11・12・1月】

 ★1月の兼題(12月末日〆切。)

 【初詣】

新年になって氏神様やその年の恵方に当たっているほうが句の神社仏閣に参拝すること。傍題に初社、初神籤。

 【風花】

晴天なのに風に乗ってちらちら舞ってくる雪片。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   新句帳一句を得たり初詣

              野村喜舟

   風花の地に着くまでを遊びけり

                         村松路生

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 12月号11の結果(冬の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

読書せる窓辺の外は初時雨

時雨煉瓦校舎に灯が一つ

濁水に作り花散る一葉忌

読みかけのたけくらべ手に一葉忌

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ

 

<点盛りの結果>(冬の戦第1ステージ)

三点句

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

二点句

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 一点句

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

  

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

初時雨能登行商の頬を打つ・・・三点

時雨の情緒が能登の昔からの風習を上手く俳句にまとめられていて古風であり土地柄が上手く表現されていて見事ですね。今年もいよいよ冬の戦です。

(冬:11月~1月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 日本語の美しきかな一葉忌

樋口一葉の書を手にした作者は、あらためて一葉の著述に日本語の美しさを認識したというもの。私も俳句を詠んでいて心動かされる日本語に出会えることしばしである。

 

 

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 ★1月の兼題(12月末日〆切)

 

【初詣】と【風花】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉全句に視点を当てみました。

 

芭蕉の有名な名句に「行春を近江の人とおしみけり」という句があります。この句には過去の詠嘆を表す切れ字と言われる「けり」が下五の最後に使われています。ところが、この句には他にも同じような句があり、同じ場所で詠まれたであろうとされています。定本岩波文庫の芭蕉俳句集ではこの句には三句同じような句があり推敲されているように思われます。三句挙げてみましょう。

 

行春を近江の人とおしみける・猿蓑

行春を近江の人とおしみけり・蝶すがた

行春や近江の人とおしみける・真蹟懐紙

 

このように「けり」の有る句と無い句、そして「や」の有る句があります。これは並べて見ると芭蕉が切れ字の有る無しをかなり悩んで詠んだ句なのではないかと思われます。ところが詠まれた年が違うようなのです。過去の詠嘆を表す切れ字「けり」が使われた年が元禄四年とあるので、これは後から推敲されたのかも知れません。けれども有名な文献資料としては「猿蓑」となりますから、定本では「ける」となり、元禄三年に収録されています。そこで、この名句には切れ字が有るのか無いのか、どちらを取るのかという疑問が残ります。そして、切れ字「や」の句、この句は「や」で意味が切れますから、春を惜しむという上五と、近江の人と惜しんでいたことは必ずしも一致しない場合もあると解釈出来ます。どうも三句並べるとそうでは無いようですから、この句は「ける」で元禄三年に収録されているようです。以降は1117日勉強会資料をご覧ください。https://onl.sc/ecACLnU

 

(令和四年十二月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

冬の戦の第一ステージは一点句が多く言わば混戦模様でした。混戦から抜け出す句は果たしてどの句でしょうか。選評が少なく編集上困っています。選句されましたら選評にご協力願います。今年も終わりが近づいてきました。この句会に参加下さいました皆様に厚く御礼申し上げます。来年もお引き立てのほどお願い申し上げます。

よいお年をお迎えください。

(令和四年十二月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会10月結果発表~

 

<大賞>

 

12 tanaka623 一葉忌をんなはつよくなりぬるや

 

2点句>

 

18 さこたゆう 「十三夜」短き生涯一葉忌

27 橋詰 博 郷愁の荷解く部屋にリンゴの香

36 大倉 宏美 時雨打つ葉音で見入るカレンダー

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2022年11月ネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

 

1沈黙に拾ふ言葉や初時雨

2初時雨能登行商の頬を打つ

3花街の町家格子や初時雨

4階段の軋む茶房や初時雨

5初時雨灯りのつかぬ老舗宿

6そして皆大人になりぬ一葉忌

7ワクチンに少し熱帯び初時雨

8読書せる窓辺の外は初時雨

9しぐるるや芭蕉は旅をしてゐたり

10俳人の信仰帰依や初時雨

11女性史の初めの一歩一葉忌

12朝売りのコンビニ駆け込む初時雨

13改札に人影の増え初時雨

14初時雨夕べの土の匂い呼ぶ

15短くも長くも一生一葉忌

16初時雨お堀端行く相合傘

17灯が一つ暮れなずむ街一葉忌

18五千円一人飲む酒一葉忌

19初時雨子犬があそぶ泥の中

20亡き人を尋ぬ山道初時雨

21初時雨駅の置き傘借りにけり

22野良猫の小走りになる初時雨

23対岸の陽射し伸びるや初時雨

24陸前は父母のふる里一葉忌

25小雨降るシャッター街や一葉忌

26嬰のハイハイ横へ横へと初時雨

27路地裏の声甲高かき一葉忌

28冬暖か娘はマネキュアを塗りくるる

29小春日や吾とインコはダイエット

30初雪や歓びあふるる分娩室

31初時雨煉瓦校舎に灯が一つ

32訃を告げし受話器の向こう初時雨

33濁水に作り花散る一葉忌

34初時雨天地返しの田が笑い

35吉凶のくじに等しく初時雨

36お遍路の杖音急ぐ初時雨

37初時雨先客の居る木暮かな 

38家族皆一つ傘にて初時雨

39日本語の美しきかな一葉忌

40読みかけのたけくらべ手に一葉忌

41初時雨産寧坂を濡るるほど

42暮れかかる三茶界隈初しぐれ

43てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ

44千円札残しておかむ一葉忌

45着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌

  

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 12月の兼題【着ぶくれ】&【義士の日】(11月末日〆切)

【着ぶくれ】

寒いので何枚も重ねて着たため身体がふくれてみえること。

【義士の日】

十二月十四日 赤穂浪士が討ち入りした快挙をたたえ偲ぶ会がこの日に催されてきた。傍題に義士会 義士討ち入りの日。
義士祭は春の季語として別の季題になります。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ> 

  着膨れて海豹(アザラシ)の貎してゐたる 

                  長谷川 櫂

   義士の日やスーパーに買ふ赤穂塩

                          添野光子

 

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 11月号10月の結果(秋の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 捨案山子日本手拭ひ首に巻き

雁の声を残して暮れなずむ

穂の波を案山子の影がまた越えて

秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅

菊日和千代田区千代田一番地

 

 <点盛りの結果>(秋の戦最終ステージ)

 

 六点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

五点句 

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        原田啓子

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

 

四点句

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

 

三点句

村人の数より多き案山子かな         井上悦男

かたぶいてへのへの揺れる案山子かな     原田啓子

穂の波を案山子の影がまた越えて       神長誉夫

手を返す指うつくしき風の盆         辻 雅宏

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

山小屋を発つ朝露に靴濡らし         龍野博史

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

秋晴や駆けだしさうにならぶ靴        井上悦男

おまえもかお役御免に捨案山子        辻 雅宏

秋晴や犬のリードを長くして         龍野ひろし

モンローの案山子雀を引寄せて        龍野ひろし

風の盆霊にしたがひ列をなす         山本佐和子

朝露や山の空気の透きとほる         龍野博史

弓震ふ夜の深さや風の盆           神長誉夫

山峡のひとりの宿り窓の露          青山好男

俳聖の歩きし道や露置ける          青山好男

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        井上悦男

露けしや敷かれしままの廃線路        辻 雅宏

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

秋日和歴女声高し大手門           青山好男

秋晴や軽鴨親子無事川へ           水野幸子

捨て案山子焼けば血色の焔立ち        神長誉夫

坂道や捨つる案山子の重さかな        青山好男

捨案山子日本手拭ひ首に巻き         井上悦男

雁の声を残して暮れなずむ          水野幸子

捨かかし草でぬぐへる鎌二本         井上悦男

秋晴やドロップ缶のからからと        龍野ひろし

秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅           辻 雅宏

菊日和千代田区千代田一番地         辻 雅宏

休耕地案山子が納屋で欠伸せり        阿部文彦

向かい合い声を掛け合う案山子かな      原田啓子

秋晴れや戦う白衣高く干し          神長誉夫

鼻の穴広ぐる河馬や秋の晴          龍野ひろし

秋晴やバスに園児の弾む声          阿部文彦

露の世に生まれ消えゆくこの身かな      辻 雅宏

窓開ける入社試験の朝の露          青山好男

踏み台の石は動かず草の露          上野貴子

月一の院内散歩草の露            山本佐和子

かなたより来たり寄り添う露の玉       青山好男

昨日より深き瀬音や風の盆          井上悦男

リング抜く指しなやかに風の盆        神長誉夫

風の盆左右で違ふイヤリング         井上悦男

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅・・・六点

 

とうとう勝ち抜かれてしまいましたね。3度目の秋は

すこしずつ以前の活気が戻り始めていることの現れですね。

次回はもう冬の戦の始まりです。

(冬:11月~1月)

  

~~~今月の選評~~~

 

村人の数より多き案山子かな

 

過疎の村が増えているが、そんな様子を表した句である。

単に村人の数が減っていると言うより案山子を持ち出すことで

大幅な減少をよく語っている。

 

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

 

【着ぶくれ】と【義士の日】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉の詠んだ月の俳句を見てみましょう。

 

月清し遊行のもてる砂の上・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が敦賀で十五夜の前日に詠んだ句です。代表的な切れ字は無い句です。清しは形容詞のク活用の終止形です。形用詞の場合は切れ字18と言われる場合には切れ字とされますが、代表的な3つの切れ字では無いですね。もう1句「奥の細道」の中の句を見てみましょう。

 

 名月や北国日和定なき・・・芭蕉

 

この句は切れ字「や」が効果的な句です。始めの例句の翌日の句で、折角の十五夜様が雨で見れず北国の天候の定まらないことを詠んでいます。芭蕉は「や」を好んで使いますので、ここでも「や」で名月を強く印象的に詠んでいますね。面白いことに、この句の前書きや解説などで調べると、「名月や」と詠んでいるにも関わらず、この日には月が見られなかったのです。見れない月を、「雨月」や「無月」と詠まずに定めなきと下五に書いて、北の空の不安定さを詠んでいるのですね。このような読み方は芭蕉の他には、なかなかできません。まったく見事な表現方法です。

(令和四年十月 上野貴子)

  

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【ネット句会後記】

 

秋の戦が終了しました。初秋から晩秋まで多くの投句をありがとうございました。

そして、冬の戦の第二ステージです。十二月ならではの兼題を用意させて戴きました。多くの方からの投句をお待ちしています。

(令和四年十一月 辻 雅宏)

  

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LINE公式俳句大会9月結果発表~

 

<大賞>

 5  さこたゆう じいちゃんのお下がり着てる案山子あり

 

2点句>

 1  さこたゆう    秋晴にチェロの音色が溶けていく

11 橋詰 博     秋晴の気分転換ひとり旅

16 南出千賀子  一張羅案山子おめかし、刈る日まで

  

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2022年10月ネット句会

今月の投句(秋の戦最終ステージ)

 

1二人旅えっちら案山子の迷い道

2秋晴れや懐かしきものランドセル

3秋晴れや寂しさを未だ知らぬ児や

4秋晴れを行く道だれか呼ばれおり

5秋晴れや此の人生はマラソンだ

6捨かかし草でぬぐへる鎌二本

7捨案山子日本手拭ひ首に巻き

8村人の数より多き案山子かな

9秋晴や駆けだしさうにならぶ靴

10秋晴れて何処へも行かぬ靴を干す

11秋晴やドロップ缶のからからと

12鼻の穴広ぐる河馬や秋の晴

13秋晴や大きく見ゆる今朝の富士

14秋晴や犬のリードを長くして

15モンローの案山子雀を引寄せて

16朝の町小さく見えて秋晴れる

17天高くどこまでも続くハイウエー

18一葉忌見上げる空の月は欠け

19秋晴の午後に雀の群れの飛ぶ

20秋日和歴女声高し大手門

21秋晴れやカンバスの先天守閣

22山の田の案山子のの眼に映る秋

23坂道や捨つる案山子の重さかな

24棚田飛ぶドローン見上げて案山子立つ

25秋晴やバスに園児の弾む声

26秋日和帽子忘れて帰りけり

27秋晴の四方の空にも雲置かず

28直立で猟師姿の案山子かな

29休耕地案山子が納屋で欠伸せり

30秋晴や軽鴨親子無事川へ

31深山の一日木の実の落ちる音

32紫苑ゆる風の吹くまま竜飛崎

33雁の声を残して暮れなずむ

34種になるをしってか揺るる黄コスモス

35鷺穿つ湖面に溢るる秋日和

捨て案山子焼けば血色の焔立ち

36秋晴れや生きてりゃ濁りも傷もある

37穂の波を案山子の影がまた越えて

38秋晴れや戦う白衣高く干し

39秋晴やスマホのレンズに納まらず

40「太陽の塔」もひときわ秋晴れて

41秋晴や再出発はこんな日に

42かたぶいてへのへの揺れる案山子かな

43向かい合い声を掛け合う案山子かな

44秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅

45菊日和千代田区千代田一番地

46村興す案山子集ふやコンクール

47父祖の畑護る案山子の夫婦かな

48おまえもかお役御免に捨案山子

49どの人の手にも朝顔入谷駅          

50一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        

51朝顔や町家二階の物干場           

52秋高し嬰の手足のよく動く          

53山小屋を発つ朝露に靴濡らし         

54蜩や遊び疲れし子の帰る           

55ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     

56朝露や山の空気の透きとほる         

57弓震ふ夜の深さや風の盆           

58山峡のひとりの宿り窓の露          

59俳聖の歩きし道や露置ける          

60手を返す指うつくしき風の盆         

61牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        

62露けしや敷かれしままの廃線路        

63漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      

64朝顔や生まれる前の夢の色          

65越境も楽し隣の牽牛花            

66蜩やハッカの香る湯を借りて         

67蜩や手拭い解く豆剣士            

68朝顔や藍一滴を拡げたり           

69蜩や早き夕餉の山の宿            

70蜩の音の届きたる夢の中           

71露の世に生まれ消えゆくこの身かな      

72窓開ける入社試験の朝の露          

73踏み台の石は動かず草の露          

74月一の院内散歩草の露            

75かなたより来たり寄り添う露の玉       

76昨日より深き瀬音や風の盆          

77リング抜く指しなやかに風の盆        

78風の盆左右で違ふイヤリング         

79風の盆霊にしたがひ列をなす         

80蜩やそろり海へと変わる風          

81蜩や千年なきてなきたらず          

82朝顔や儚きいのち惜しむかに         

83夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        

84朝顔にレトロ喫茶のある小道         

85蜩の声もつめ込むスマホかな         

86朝顔に見送りされて無人駅          

87紺したがへ白朝顔の凛と咲き         

88朝風が起きろ起きろと牽牛花         

89朝顔の紺の著けきたたみ皺          

90蜩や姥捨て山の話聞き            

91蜩やバス来るまでのBGM          

92朝顔の見送り受けて郵便車          

93じゃんけんで負け朝顔の水当番        

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

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11月の兼題【初時雨】&【一葉忌】(10月31日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 【冬の戦11・12・1月】

★11月の兼題(10月31日〆切。)

 【初時雨】

その年の冬、初めて降る時雨のこと。いよいよ冬が来た感じが漂う。

 【一葉忌】

樋口一葉の忌日。明治十九年、十一月二十三日没。二十五歳であった。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

  

  旅先のビニール傘や初時雨

               堀之内和子

 

  縫ひ上げて歯で切る糸や一葉忌

                          岩城のり子

  

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 10月号9月の結果(秋の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 手を返す指うつくしき風の盆

山小屋を発つ朝露に靴濡らし

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

朝顔や生まれる前の夢の色

 

<点盛りの結果>(秋の戦第2ステージ)

 

六点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

四点句

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        原田啓子

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

 

三点句

山小屋を発つ朝露に靴濡らし         龍野博史

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

朝露や山の空気の透きとほる         龍野博史

弓震ふ夜の深さや風の盆           神長誉夫

山峡のひとりの宿り窓の露          青山好男

俳聖の歩きし道や露置ける          青山好男

手を返す指うつくしき風の盆         辻 雅宏

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        井上悦男

露けしや敷かれしままの廃線路        辻 雅宏

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

露の世に生まれ消えゆくこの身かな      辻 雅宏

窓開ける入社試験の朝の露          青山好男

踏み台の石は動かず草の露          上野貴子

月一の院内散歩草の露            山本佐和子

かなたより来たり寄り添う露の玉       青山好男

昨日より深き瀬音や風の盆          井上悦男

リング抜く指しなやかに風の盆        神長誉夫

風の盆左右で違ふイヤリング         井上悦男

風の盆霊にしたがひ列をなす         山本佐和子

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

LINE公式俳句大会8月結果発表~

 <大賞>

 29 南出 千賀子 おわら祭燃え尽きるほど風踊る

 

2点句>

 6   濱野 洋子 露葎ひよつこり現れ北きつね

11 さこたゆう 初露を硯に受けて身を正す

16 出口 科野  公園の水面眩しい夏の午後

25 鈴木 恵美子 老若男女踊る踊りの風の盆

30 南出 千賀子 連打する下駄もわらじも風の盆

33 橋詰 博   秋立てば隣家のショパンピアニッシモ

 

 

LINE公式俳句大会発表HPはこちらから

https://sites.google.com/view/haikutaikai-ueno3/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

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★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

             どの人の手にも朝顔入谷駅・・・六点

 朝顔市の風景の句が勝ち抜きました。今年はコロナ禍3度目の秋ですが、少しでもコロナ禍が和らぎ世の中が活気付いてほしいという願いを感じます。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆 

風の盆の町流しの様子を一歩ずつと動画になって読み手の心に沁みます。

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 ★11月の兼題(10月末日〆切)

 

【初時雨】と【一葉忌】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ秋の名句を見てみましょう。

 

石山の石より白し秋の風・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が那()()寺の石を詠んだ句ですが、この石山とは、紫式部が源氏物語を執筆されたと伝えられる近江の石山寺のことです。その石山寺の石の白さよりもこの那谷寺の石の白さは秋の風を一層清澄な気分にさせるものだと詠んでいます。切れ字は使われて無い句ですね。

 

山中や菊はたおらぬ湯の匂・・・芭蕉

 

この句は山中の温泉での句。「菊」が秋の季語となります。湯の匂いが不老長寿の効能がある菊の花の匂いのようで、有名な菊慈童のように菊を手折る必要はないほどだと詠んでいます。

切れ字「や」を上五に使い、山中の湯の素晴らしさを強調しています。感嘆の切れ字「や」は上五に置かれることの多い柔らかでありながらリズムのよいインパクトを表現しています。菊を詠んでいますから重陽の節供にまつわる言い伝えである菊慈童の菊の酒の伝説を踏まえての俳句ですね。菊慈童とは中国の穆王(ぼくおう)時代に王の枕を蹴った罪で流人とされるが菊の露を飲み700年も童の姿で生きながらえたと伝わる話です。江戸時代の芭蕉には温泉はそれくらいに疲れを癒してくれるものだったのですね。

(令和四年十月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

  

【ネット句会後記】

 

秋の戦も第二ステージが終了し、最終ステージの選句となります。投句されたみなさんには是非、特選句のコメントをお願いします。そして、投句は冬の第一ステージです。

兼題は初時雨と一葉忌を用意させて戴きました。多くの方からの投句をお待ちしています。

(令和四年十月 辻 雅宏)

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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