2023年5月ネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

 

1夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋

2配達を終へし自転車夕薄暑

3若きの日下宿薄暑の四畳半

4葉桜に透ける光を仰ぎけり

5サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ

6葉桜の蔭に川瀬の水光る

7魚跳ね水脈引く池に薄暑来る

8バス通り学校帰り薄暑光

9これからが人生本番薄暑光

10葉桜に山移ろえど動かざる

11葉桜を愛でる群れびと城の下

12グランドの若人の息荒し薄暑

13老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな

14葉桜を描くキャンバス青き空

15葉桜やバス駐車場のエンジン音

16集合の駅前に待つ薄暑かな

17作句する語彙の貧しき薄暑かな

18葉桜の中をゆるりと車椅子

19葉桜や人の影なし河津町

20葉桜の中に奏でる瀬音かな

21この川に友と掬いし目高かな 

22娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり

23緑陰を園児らの手を引かれ過ぐ

24葉桜や嬰は保育園なれた頃

25箱車の園児らのゆく薄暑かな

26葉桜の駅に磯の香キハが連れ

27葉桜や詰襟開く初年生

28七色のソーダの泡や浜薄暑

29葉桜の堤煌めく魚鱗追ふ

30葉桜やケルンに注ぐジン香る

31バイオリンの弓締め直す昼薄暑

32薄暑光字余りの句を持て余し

33葉桜の外人もてなす観光地

34葉桜や時代が一つ変わる如

35葉桜の梢へ伸びる緑かな

36二階より豆腐屋止むる夕薄暑

37地下街を出でて地上の街薄暑

38葉桜の隙間を埋むる空の青

39邂逅のマドンナ老いぬ花は葉に

40人影も絶えて堤の花は葉に 

  

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6月の兼題【風薫る】&【木下闇】(5月末日〆切)

 

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【夏の戦5・6・7月】

 

★6月の兼題(5月末日〆切。)

 

【風薫る】

緑の草木を渡ってきて匂うようなすがすがしい夏の風をいう。

傍題に、薫風。

 

【木下闇】

夏木立が茂って、樹の下のほの暗い様子をいう。

傍題に、下闇、青葉闇。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   海からの風山からの風薫る

                鷹羽狩行

 

   名刹といふもおほかた木下闇

                檜 紀代

 

 

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 令和5年5月号4月の結果(春の戦最終ステージ)

 

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 砂浅し波に逆らう桜貝

鈍行の揺れにまかせる目借時

乙姫の置き忘れかも桜貝

さくら貝これは羽化した恋の羽

世の此岸生きて蛙の目借り時

  

六点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

 

五点句

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

かげろへる原爆ドーム昼の黙       辻 雅宏

 

三点句

桜貝月の砂漠に流れ着き         上野貴子

曳く波の足跡消すや桜貝         龍野ひろし

鳥帰る空紅色に染まるとき        原田啓子

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

 

二点句

桜貝寄せては返す浪静か         青山好男

鈍行の揺れにまかせる目借時       辻 雅宏

乙姫の置き忘れかも桜貝         辻 雅宏

忘れ潮ひとつ残りし桜貝         阿部文彦

海の歌歌ひて帰るさくら貝        龍野ひろし

忍び寄る汚染知らずや桜貝        原田啓子

曳く波の光残せしさくら貝        龍野ひろし

桜貝出でし亡父のピース缶        神長誉夫

鳥帰るシベリアまでの空遠く       上野貴子

陽炎や軽トラに立つ古箪笥        原田啓子

冒険といふは誰にも鳥帰る        山本佐和子

投げ竿の放物線や鳥雲に         辻 雅宏

マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   神長誉夫

碧天を戦火の郷へ鳥帰る         神長誉夫

鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       龍野ひろし

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

 

一点句

抽斗に遠き日の恋さくら貝       辻 雅宏

砂浅し波に逆らう桜貝         青山好男

さくら貝これは羽化した恋の羽     原田啓子

世の此岸生きて蛙の目借り時      山本佐和子

朝の浜花貝未だ夢の色         神長誉夫

流さるるままに生き抜く桜貝      阿部文彦

砂を透き潮騒を聴く桜貝        水野幸子

上り待つ田中の駅の目借時       神長誉夫

横笛に指動かざる目借時        阿部文彦

住職の法話かすかに目借時       阿部文彦

陽炎の中より吾子が現わるる       阿部文彦

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

鳥帰る人なきコインランドリー      龍野ひろし

捨つ郷や母の影さえかぎろひて      神長誉夫

つぎつぎと水面くずして鳥帰る      井上悦男

一列に並びて北へ鳥帰る         阿部文彦

鈍色の空を二手に鳥帰る         辻 雅宏

伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        辻 雅宏

引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       井上悦男

陽炎に彷徨う少年探偵団         井上悦男

陽炎いて貨物列車の浮いてくる      阿部文彦

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    神長誉夫

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

  

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・六点句

 

春の戦の勝ち抜き句となります。春らしく女性の句がかなり追ってきておりました。次回はもう夏となります!

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

桜貝出でし亡父のピース缶

 

亡くなったお父様の小さな秘密を発見したような句。

「ピース缶」がピッタリ決まっています。

 

 

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★6月の兼題(5月末日〆切)

 

【風薫る】と【木下闇】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は雲巌寺での句を見てみましょう。

啄木も庵はやぶらず夏木立・・・芭蕉

 

「奥の細道」雲巌寺のこの句は夏木立が季語です。啄木は季語ではなく秋から冬の間に啄木につつかれることも無く庵がまだ存在していることを詠んでいるのです。

雲巌寺の裏山の緑が美しい岩山にもたれかかるように庵があり、名僧の伝説を思わせるようだと芭蕉は書いています。今は亡き仏頂和尚を訪ねての一句です。

この句には「切れ字」はありませんが、切れ字を十八とすると「ず」がそうなります。今では「や」「かな」「けり」以外の切れ字にはほとんどふれませんから、この句には切れ字は無いとしても良いでしょう。ただ、芭蕉の江戸時代前期の時代には、切れ字十八と言われていましたので、句そのものとしてはやはり「ず」を切れ字とみなした方がよいと考えました。秋の勉強会の基本資料でも「ず」を切れ字としています。「や」のように芭蕉が好んで使っていた切れ字ではないようですね。「ず」は打消しの助動詞なので変化しますが終止形として「あらず」と中七で意味を切っています。そこで切れ字と考えました。芭蕉の時代のことで解りづらいのですが、やはり「ず」は切れ字と成るでしょう。

(令和五年四月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

春の戦は六点句が制しました。チューリップや薔薇が咲き誇ってとても心地よい初夏です。コロナも2類から5類となり、人々の動きも前向きになりつつあります。

いざ 夏の戦の選句と投句です。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年五月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会3月結果発表~

 

<大賞>

 

38 大倉 宏美 あと一行読もう蛙の目借時

 

2点句>

 

1  橋詰 博 駆け抜けた十五の恋の桜貝

2  南出 千賀子 天狗来い春も来い来い高尾山

10 奥平 雅子 春落ち葉昼のランプの洋食屋

18 奥平 雅子 銀座三越ライオン像脱マスク

 

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2024年11月のネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

1行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

2ドア開く電車に落葉滑り込む

3手の平に子の乗せくるる落葉かな

4振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ

5女学院に続く坂道落葉舞ふ

6側溝の流れ堰き止む杉落葉

7幼子と落葉踏みゆく称名寺

8庭の木も身を守るかに落葉する

9四方からの落葉舞いくる集会所

10また今日も空を離れて落葉くる

11虫喰いの穴みな持ちて落葉つむ

12数え日のぴたぴた走るインコかな

13いつも来る藤棚に来て初雀

14とりどりの落葉踏みゆく豊かさよ

15柔らかきところにふるる落葉かな

16縁側の母の背まろし落葉焚

17観る人も掻く人もいて落葉時

18落葉して心細げな大樹かな

19落葉時帚一本あれば良し

20落葉して遠山に見る家一軒

21懐かない猫の餌付けや初雀

22舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る

23三日経ち落葉を纏い猫もどる

24数え日や手を擦り合わせ屋台蕎麦

25数え日や月のない夜に月見蕎麦

26落葉掃くあとからきりもなき落葉

27キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな 

28ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな

29艶めきて色をまだらに柿落葉

30ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

 

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冬の戦の兼題(11月から1月を通して毎月詠んでください。)
【落葉】【数え日】【初雀】

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【冬の戦11・12・1月】
★12月におすすめの兼題(11月末日〆切。)
【数え日】
今年も指で数えられるほどの残り少ない日をいう。

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

    むさしのの空真青なる落葉かな 水原秋櫻子

    数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ 富安風生

    お手玉のごとくに遊ぶ初雀 下村梅子 

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令和6年11月号10月の結果(秋の戦最終ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~

遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る 

悠揚と国境の河旅鳥超ゆ

この場所を群れが知ってる渡り鳥

高原を一羽遅れて鳥渡る

草に寝て空の青さや鰯雲

 

点盛りの結果

 

五点句

こけそうでこけぬ幼子赤のまま          龍野ひろし

 

四点句

渡り鳥くの字がついに点となる          阿部文彦

あと一歩届かぬ白球いわし雲           瀧口 孝志

汽車降りて別の空あり鰯雲            阿部文彦

木曽川で分かつ県境うろこ雲           辻 雅宏

賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る           辻 雅宏

 

三点句

下町に匂ふコロッケ鰯雲             龍野ひろし

読みかけの頁のしるし鰯雲            上野貴子

山いくつ越えて来たるや渡り鳥          辻 雅宏

 

二点句

海に浮く朱の回廊や鳥渡る           龍野ひろし

照紅葉つなぐ手細き老夫婦           青山好男

鰯雲涼風もさてつかの間か           船津 元

廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          神長 誉夫

すれ違う市電の軋み鰯雲            龍野ひろし

投網打つ漁師の影よ鰯雲            龍野ひろし

鰯雲語ることなく終戦忌            船津 元

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            阿部文彦

用足して鯖雲掬ふ手水鉢            辻 雅宏

鰯雲釣り人並ぶ防波堤             辻 雅宏

 

一点句

指先で空に追ひたる渡り鳥           龍野ひろし

銛の如ジェット貫く鰯雲            神長 誉夫

紅葉を映し堀水動かざる            青山好男

遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る          原田啓子

悠揚と国境の河旅鳥超ゆ            神長 誉夫

排他的水域なんの鳥渡る            辻 雅宏

この場所を群れが知ってる渡り鳥        上野貴子

高原を一羽遅れて鳥渡る            阿部文彦

草に寝て空の青さや鰯雲            阿部文彦

断食や明けて眩しき赤のまま          船津 元

幼き日の涙の透けて赤まんま          山本佐和子

赤まんま三つ編み解きし君遠く         神長誉夫

碧天の日本海越え鳥渡る            辻 雅宏

球場の開閉屋根や獺祭忌            水野幸子

泣きべその子の鼻先へ赤まんま         原田啓子

園児らの駆けゆく先の鰯雲           阿部文彦

鳥渡る同窓会の知らせあり           原田啓子

高層のビル群覆ふ鰯雲             辻 雅宏

鰯雲忙しく走る訪問看護            船津 元

夕陽色巨大な鰯雲のろく            上野貴子

ジャンパーに一秒の空鳥渡る          神長 誉夫

故郷の山を真下に鳥渡る            水野幸子

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  水野幸子

屋敷跡更地にひらく赤まんま          阿部文彦

このままが一番幸せ赤のまま          原田啓子

行く先は風にまかせて赤のまま         龍野ひろし

嫁ぎしと風の便りや赤まんま          神長 誉夫

畦道を郵便バイク赤のまま           龍野ひろし

鰯雲空に漂う点描画              阿部文彦

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

こけそうでこけぬ幼子赤のまま・・・五点

この句が逃げ切りました。丘の上の草原が目に浮かびます。
親子で遊んでいるのでしょう。子供は危なっかしくよく転びますね。
思わず笑ってしまうような微笑ましい句です。
(秋:8月~10月)

 

~~~今月の選評~~~

汽車降りて別の空あり鰯雲

「汽車」という言葉に、都会から遠く離れた静かな田舎を
思い浮かべます。降りたとたん「別の空あり」という
嬉しい発見があり、そこに鰯雲!というイメージが
鮮明で旅愁がそそられる句。

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

【落葉】【数え日】【初雀】

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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の歴史」今回は、正岡子規のあとに高浜虚子と対立するように河東碧梧桐が革新的な俳句で名を成してゆきます。

赤い椿白い椿と落ちにけり・・・碧梧桐

この句は碧梧桐の代表句ですが、春を呼んでいますが季重なりで字余りです。6,7、5で上五が一文字字余りです。そこが、この句を引き立てていて効果的だと言えます。
愛媛県松山市に松山藩士の五男として生まれた碧梧桐。父は正岡子規の漢学の師。高浜虚子とは中学時に同級であり、後に子規の門下生となるまで、行動をともにした仲の良い友人であったと言います。
子規没後、虚子は「ホトトギス」の経営を、碧梧桐は新聞「日本」の俳句欄を担当。やがて新傾向運動を展開し、季題趣味と定型を打ち破った自由なリズムによる俳句を推進してゆきます。そして、自由で新しい作風を追い求め自由律俳句を生み出してゆきます。現在でもその流れは、前衛的な作風や現代俳句の中に、根強く息ずいています。
(会報令和六年10月号より 上野貴子)

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【ネット句会後記】
秋の戦は、五点句が脱け出し決着がつきました。四点句も五句揃い、接戦でした。
冬の戦が始まっています。三つの兼題のどれを詠んで頂いてもかまいません。
新規の参加者も大歓迎です。投句をたくさんお待ちしています。
でよかった句には感想も記載してくださるようお願いします。
(令和六年十一月 辻 雅宏)

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~LINE公式俳句大会10月結果発表~

<大賞>

37 田辺公子   どんぐりを拾う子らの目キラキラと

<2点句>

12 荒木かをり   星月夜誕生月の海の宿

25 奥平雅子   釣り人の長靴干して秋の浜

26 奥平雅子   透き通るグラスに注ぐ新ワイン

28 大西文子   吾子と焼く今日のお三時アップルパイ

30 大西文子   親に手を振り出遅れる運動会

36 田辺公子   友と行く甘味処の栗づくし

 

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2022年3月ネット句会

今月の投句(春の戦第2ステージ)

1水温む長靴を干す真昼時
2夕椿角のコンビニ野菜市
3珈琲を片手に宵の朧月
4振り向くな突っ走れ早春の吾
5泣きたくて泣けぬ夜道の白椿
6飛び石を濡らす茶庭の水温む
7躙り口覗く椿の赤さかな
8戸口より笑ひこぼるる雛の家
9雛飾る母娘三代昼下がり
10箱出でて頬の冷たき女雛かな
11蓮池の鯉の揺らぎや水温む
12一輪の椿を添えて床飾る
13さびしくて鈴転がして鳴く子猫
14インコ走るしぐさおかしき春の音
15立春の大雪山の光かな
16落椿拾い集めて手水鉢
17水温む池の水面空戻る
18よく見れば玄関脇に雪間草
19花粉症まってましたと飛ぶ構え
20春動く小さな小山盛り上がる
21水温む宇治橋架かる五十鈴川
22顔洗ふ無骨なる手に水温む
23背き合ふ赤い椿と白椿
24椿落つ猫驚きて尾を立てり
25廃屋と知るや知らずや椿咲く
26椿落つ上り電車の始発駅
27紅つばき模したるみやび京和菓子
28赤子はやはじめの一歩水温む
29椿落つ小川の水に日の反射
30水温む鍵の振れゐるランドセル
31せせらぎの音も軽やか水温む
32五日ほどジョギング休み水温む
33華やかな時もあったと散る椿
34人の来ぬ池畔に開く白椿
35廃屋を護りて咲くや藪椿
36一日を大事に大事に椿咲く
37撮影を待ち居る如く椿咲く
38落椿拾えばしとり艶めいて
39気掛かりは人それぞれに椿落つ
40身の内の大半占めて水温む
41投げキスで立去る舞台落椿
42誘われて鼻寄せてみる白椿
43落椿これっきりよと言うごとく
44過去の人想いだしおり水温む
45三味線の指しなやかに水温む
46余寒なほ眉間に皺の阿修羅像
47枕木を数えてわたる雪解風
4
8雪解けて吾子の靴下現るる
4
9轟々と光広ぐる雪解川
50連覇への襷を晒す雪解川
51余寒なほ体育館の保護者会
52友禅を透かし雪どけ水ながる
53駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ
54雪解水ふわり越え来る転校生
55霊山の嶺より落つる雪解水
56仏間までピンクの香りヒヤシンス
57地震に覚め支度の時の余寒かな
58雪解川往くに存分なる日差し
59雪解川所々に鄙びた草浸る
60野仏の欠けし目鼻や余寒なほ
61雪解河わたる客車に人は無く
62寸借の厠に残る寒さかな
63冷えきったサンドイッチの余寒かな
64余寒とて美しき言葉やビル狭間
65屋根よりの雪解のしずく早鐘に
66余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり
67触れ合う手ともに冷たき余寒かな
68ふる里の無人の駅の余寒かな
69雪解けの声に赤鬼面忘れ
70せせらぎの調べ軽やか雪解水

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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 4月の兼題【遅日】&【花冷】(3月31日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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 【春の戦2・3・4月】

 ★4月の兼題(3月31日〆切。)

 【遅日】

昼の長くなった日のことで日永とおなじであるが日の暮れるのが遅くなったことに重点を置いている。傍題に、暮遅し、夕長し。

 【花冷】

桜の咲くころ、急に冷え込むことがある。その冷え冷えとした感じを花冷えという。傍題に、花の冷え、花冷ゆる。

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 <先句に学ぶ>

   暮遅し門燈をつけポストを見 

                                          星野立子

   うどん屋を探して歩く花の冷

                    稲畑汀子

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 3月号2月の結果(春の戦第一ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

雪解川所々に鄙びた草浸る

枕木を数えてわたる雪解風

友禅を透かし雪どけ水ながる

轟々と光広ぐる雪解川

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像

 

<点盛りの結果>

 

六点句 

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像      龍野ひろし

  

五点句 

枕木を数えてわたる雪解風        原田啓子

 

三点句 

雪解けて吾子の靴下現るる        阿部文彦

轟々と光広ぐる雪解川          龍野ひろし

連覇への襷を晒す雪解川         神永誉夫

余寒なほ体育館の保護者会        辻 雅宏

 

二点句 

友禅を透かし雪どけ水ながる       青山好男

駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ        水野幸子

雪解水ふわり越え来る転校生       神永誉夫

霊山の嶺より落つる雪解水        辻 雅宏

 

一点句 

仏間までピンクの香りヒヤシンス     水野幸子

地震に覚め支度の時の余寒かな      阿部文彦

雪解川往くに存分なる日差し       山本佐和子

雪解川所々に鄙びた草浸る        山本佐和子

野仏の欠けし目鼻や余寒なほ       龍野ひろし

雪解河わたる客車に人は無く      青山好男

寸借の厠に残る寒さかな         辻 雅宏

冷えきったサンドイッチの余寒かな    山本佐和子

余寒とて美しき言葉やビル狭間      井上悦男

屋根よりの雪解のしずく早鐘に     水野幸子

余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり   井上悦男

触れ合う手ともに冷たき余寒かな     青山好男

ふる里の無人の駅の余寒かな       阿部文彦

雪解けの声に赤鬼面忘れ         上野貴子

せせらぎの調べ軽やか雪解水       井上悦男

 

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LINE公式俳句大会2月結果発表~

 大賞   富岡眞奈  梅の朱灰色のビルの谷間に

 2点句

 平塚庸代   雪解の野ボール追う犬ぶち模様

 南出千賀子  花の文込めたる詫びを胸に抱き

 Sayuri    昼休み青空眺めリフレッシュ

1点句 

  山本佐和子  雪解川所々に鄙びた草浸る

 龍野ひろし   淡色のローランサンは春の色

 南出千賀子   冴え返る今朝も暖取る卵焼き

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

      余寒なほ眉間に皺の阿修羅像・・・六点     

 2022年の春がやってきました。暦の上での春はまだまだ寒さが厳しいことが最高得点句を見ても良く解りますね。この後もコロナ禍がまだまだ続きますが桜の季節まであと少しです。

(春:2月~4月) 

 ~~~今月の選評~~~

 雪解けて吾子の靴下現るる

雪解けしての発見の句である。探していた靴下がこんなところにあったのかという驚きをうまく詠まれている。 

 

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★4月の兼題(3月末日〆切)

 【遅日】と【花冷】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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 【今月のワンポイントレッスン】

 【おしゃべりHAIKU勉強会より】2022年2月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、今回は2月号なので芭蕉全句から梅の俳句を見てみましょう。

 梅が香にのつと日の出る山路かな・・・芭蕉

 の句は芭蕉51才の句と言われています。どこか俳諧味のある楽しい句ですね。「のつと」という擬音語がユーモラスな印象を与えてくれます。切れ字は「かな」止めで解りやすい使い方です。「梅が香」と「日の出」が現代では季重りですが、芭蕉の時代では新年の句となるでしょう。

  梅が香に昔の一字あはれなり・・・芭蕉

 この句は同じく芭蕉51才の時の句とされています。笈日記に残されている句ですが、この句には切れ字は無いようですね。「昔」というところに故人を偲ぶ想いが詠まれています。梅丸という門人の息子の死を慰める手紙にあると言われます。

 どちらも同じ51歳の時の句のようです。「梅が香」に日の出を見たり、故人を偲んだり、その想いは様々ですが、両者とも、所謂、俳句の決まり事にはとらわれていないように読み取れます。

 季語が2つの前者の句に、後者の句には切れ字はありません。やはりこうしてみると、俳句の基本は17文字の日本語のリズムのようです。

 日本語の美しさを575の短い3フレーズに凝縮することが肝心要となっています。

 (2022年令和四年三月 上野貴子)

 「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
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【ネット句会後記】

 春の戦第一ステージではなから高得点句が出ました。追い駆ける句が楽しみです。春は名のみの寒さですが、春はそこまで来ています。変異コロナに翻弄される生活環境ですが、隙間をついてやりたいことをしたいものです。

(令和四年三月 辻 雅宏)

 

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2023年6月ネット句会

今月の投句(夏の戦第2ステージ)

 

1子供らの謎なぞ遊び木下闇

2迷ひ込むサターン出さうな木下闇

3退院日外に出づれば風薫る

4貝塚の層は幾重や風薫る

5迷ひ猫根城さがすや木下闇

6あの角を曲がれば木下闇の謎

7ひとつ登れば晴れて風薫る

8駅までの木漏れ陽の道風薫る

9風薫る木立の中をどこ行くの

10あてもなく風に誘われ夏木立

11窓開き見下ろす街や風薫る

12けん玉で遊ぶ子たちや風薫る

13薫風に称名の寺輝けり

14せせらぎの音生き生きと木下闇

15奥まりて熊野の古道木下闇

16みどり児の笑窪くっきり木下闇

17風に折れし牡丹三本供花とす

18アンパンマンのよな笑顔風薫る

19愛鳥週間インコと共に暮れゆきぬ

20嬰泣きし涙なぞりて夏の風

21伊勢湾へ木曽揖斐長良風薫る

22故里を遠望の丘風薫る

23ピンそばに寄せるショットや風薫る

24熊野古道霊気ただよふ木下闇

25下闇を抜けて広ごる平野かな

26木下闇猛る十五が息を吐く

27パドル上げ五十路は薫風なすがまま

28香気ある手紙を埋めし木下闇

29軋み行くトロッコ列車や風薫る

30猫の駆るバス停ありし木下闇

31サッカーの球フワと浮き風薫る

32薫風や舳先に猫の座りおり

33暗いほど外明るくて木下闇

34自転車の誰か人待つ木下闇

35木下闇家族何やら話し込み

36葉桜の蔭に川瀬の水光る        

37葉桜の中に奏でる瀬音かな       

38夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋       

39バイオリンの弓締め直す昼薄暑     

40葉桜の中をゆるりと車椅子       

41葉桜に透ける光を仰ぎけり       

42葉桜や詰襟開く初年生         

43サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ   

44葉桜の隙間を埋むる空の青       

45人影も絶えて堤の花は葉に       

46作句する語彙の貧しき薄暑かな     

47葉桜を描くキャンバス青き空      

48娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり    

49葉桜の梢へ伸びる緑かな        

50地下街を出でて地上の街薄暑      

51葉桜やケルンに注ぐジン香る      

52二階より豆腐屋止むる夕薄暑      

53配達を終へし自転車夕薄暑       

54老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな       

55葉桜や嬰は保育園なれた頃       

  

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7月の兼題【夕立】&【髪洗う】(6月末日〆切)

 

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【夏の戦5・6・7月】

★7月の兼題(6月末日〆切。)

【夕立】

短時間に雷をともなった雨が激しく降り、特に夏に多く、午後に多い。

傍題に、白雨、驟雨、夕立晴、夕立雲。

 【髪洗う】

汗とほこりに汚れやすい夏は毎日のように髪を洗うことが多くなる。

傍題に、洗ひ髪。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   先ぶれの一粒が来て大夕立

                高橋悦男

 

   髪洗ひ今日の愁ひは今日捨てん

                山田弘子

  

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令和5年6月号5月の結果(夏の戦第1ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋

葉桜を描くキャンバス青き空

娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり

葉桜の梢へ伸びる緑かな

地下街を出でて地上の街薄暑

 

三点句

葉桜の蔭に川瀬の水光る        上野貴子

葉桜の中に奏でる瀬音かな       阿部文彦

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋       龍野ひろし

バイオリンの弓締め直す昼薄暑     原田啓子

葉桜の中をゆるりと車椅子       阿部文彦

 

二点句

葉桜に透ける光を仰ぎけり       龍野ひろし

葉桜や詰襟開く初年生         神長誉夫

サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ   龍野ひろし

葉桜の隙間を埋むる空の青       辻 雅宏

人影も絶えて堤の花は葉に       辻 雅宏

 

一点句

作句する語彙の貧しき薄暑かな     阿部文彦

葉桜を描くキャンバス青き空      青山好男

娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり    水野幸子

葉桜の梢へ伸びる緑かな        原田啓子

地下街を出でて地上の街薄暑      辻 雅宏

葉桜やケルンに注ぐジン香る      神長誉夫

二階より豆腐屋止むる夕薄暑      辻 雅宏

配達を終へし自転車夕薄暑       龍野ひろし

老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな       青山好男

葉桜や嬰は保育園なれた頃       水野幸子

 

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 ~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

葉桜の蔭に川瀬の水光る・・・3点

葉桜の中に奏でる瀬音かな・・・3

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋・・・3

バイオリンの弓締め直す昼薄暑・・・3点

葉桜の中をゆるりと車椅子・・・3点

 

 今回は初夏の戦とあって点がばらけました。最高点が5句も同点です。これははじめての現象です!次回が楽しみですね。

(夏:5月~7月)

 

  ~~~今月の選評~~~

 葉桜の蔭に川瀬の水光る

この季節には植物の生命力が強く感じられる。川の流れや水面の光を一層眩しく感じるようになる。

 

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★6月の兼題(5月末日〆切)

 【夕立】と【髪洗う】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は最上川での句を見てみましょう。

五月雨をあつめて早し最上川・・・芭蕉

「奥の細道」の中でも有名な名句です。最上川は山形を川上として日本海の酒田の海へ流れています。芭蕉は五月の長雨の頃に訪れ詠んだ句です。大小の支流からの流れを集めて満々とした濁流は数々の難所を経て勢いよく下り、その早さは夏の暑さを忘れさせてくれる程の清涼感を残してくれているという句の意味がひしひしと伝わります。この句は「集めて早し」ではなく「集めて涼し」と芭蕉は始めに詠んだのですが、後から実際に最上川下りを体験して「涼し」を「早し」と推敲して「奥の細道」に掲載したと言われています。本文からも大石田で雨の止むまで待っている間に一巻残したとあり、川を下る前の一巻での発句を川下りの後の実体験から勢いのある「早し」と推敲したという説は、有名この句の逸話として解説されています。

 切れ字としては特に無いのですが、「早し」の「し」が形容詞ク活用の終止形の「し」なので、切れ字十八では切れ字となります。芭蕉の時代では切れ字ありとなる句でしょう。

 現代では「や」「かな」「けり」には当てはまらないので、切れ字の有無にかかわらず動きのある名句と言えるでしょう。

(令和五年六月号より 上野貴子)

  

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 【ネット句会後記】

 夏の戦第一ステージは3点句が5句と並びました。どの句が第二ステージで抜け出るか、はてまた、2点句から追い越す句が現れるか楽しみな展開です。梅雨入りしました。

紫陽花が雨に似合います。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年六月 辻 雅宏)

 

 

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 LINE公式俳句大会4月結果発表~

 <大賞>

 1   濱野 洋子 語り部の話に夢中夕薄暑

 2点句>

15 さこた ゆう 薄暑光7000歩越し旨き水

24 山田 純   桜散る画を撮りたくて風を待つ

30 鈴木 恵美子 ほろ苦さ独活をつまみにすすむ酒

34 南出 千賀子 薄暑光温水の中影一瞬

38 大倉 宏美  あと一行読もう蛙の目借時

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2024年12月のネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

1石焼き芋通り過ぎてく嗚呼数え日

2数え日に過ぎゆく時の神祈る

3数え日にこの年は二度と帰らぬ

4過ぎて行くもう数え日になるなんて

5数え日の未だに嘘か幻か

6好きですと言い出せぬまま数へ日に

7数へ日やいいお年をと口々に

8日めくりをめくりめくりて数へ日に

9数へ日や慌て隣へ回覧版

10数へ日の床屋の鋏フル稼働

11数へ日の大桟橋に巨船の灯

12数へ日や駅に途絶えぬ電子音

13数へ日の飯場に煽るコップ酒

14数へ日や熊出没の立て看板

15数へ日やビルの窓拭く命綱

16数え日や主婦が出てくる小間物屋

17数え日のひと日を上野美術館

18卓上の日めくり数え日となりぬ

19数え日やなすべきことの数多あり

20いろいろの落葉踏みしめ旅終える

21ふりそそぐ言葉となりて落葉かな

22啄めば影も啄み初雀

23重なりて屍となりぬ朴落葉

24身籠りし娘に似るしぐさ初雀

25時雨けり湖底にゆれる雑魚の影

26数え日や疎遠の友を思い出し

27落葉して家路明るく続きおり

28久々に姉と踏む音落葉かな

29数え日を子は大声で数えおり

30数え日の故郷の空の蒼さかな

31落葉舞い夕餉の献立決まりけり

32降り止まぬ落葉に厭いた駐車場

33落葉も黄が多いかな海の街

34隣家の子落葉の山越す三輪車

35凛とした義母の背中や落葉掃き

36ママさんよ熱燗よりも口づけを

37中三の口語文法名の木枯る

38初伊勢やなつてくれろ連れ合いに

39行違ふ舞妓は傘に落葉のせ          

40数え日や月のない夜に月見蕎麦        

41観る人も掻く人もいて落葉時         

42三日経ち落葉を纏い猫もどる        

43振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ        

44ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

45側溝の流れ堰き止む杉落葉          

46庭の木も身を守るかに落葉する        

47縁側の母の背まろし落葉焚          

48落葉掃くあとからきりもなき落葉       

49落葉時帚一本あれば良し           

50数え日のぴたぴた走るインコかな       

51懐かない猫の餌付けや初雀          

52ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな       

53艶めきて色をまだらに柿落葉         

54舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る         

55落葉して心細げな大樹かな           

 

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冬の戦の兼題(11月から1月を通して毎月詠んでください。)
【落葉】【数え日】【初雀】

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【冬の戦11・12・1月】
★1月におすすめの兼題(12月末日〆切。)
【初雀】
元日の雀です。傍題はありません。

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

    むさしのの空真青なる落葉かな 水原秋櫻子

            数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ 富安風生

    お手玉のごとくに遊ぶ初雀 下村梅子 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

令和6年12月号11月の結果(冬の戦第1ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ

観る人も掻く人もいて落葉時

落葉して心細げな大樹かな

数え日や月のない夜に月見蕎麦

 

~~<上野貴子選5句>~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

側溝の流れ堰き止む杉落葉

庭の木も身を守るかに落葉する

縁側の母の背まろし落葉焚

落葉掃くあとからきりもなき落葉

 

点盛りの結果

四点句

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ          龍野ひろし

三点句

数え日や月のない夜に月見蕎麦        瀧口孝志

観る人も掻く人もいて落葉時         原田啓子

二点句

三日経ち落葉を纏い猫もどる        瀧口孝志

振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ        龍野ひろし

ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

一点句

側溝の流れ堰き止む杉落葉          阿部文彦

庭の木も身を守るかに落葉する        阿部文彦

縁側の母の背まろし落葉焚          原田啓子

落葉掃くあとからきりもなき落葉       辻 雅宏

落葉時帚一本あれば良し           原田啓子

キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな      辻 雅宏

数え日のぴたぴた走るインコかな       水野幸子

懐かない猫の餌付けや初雀          瀧口孝志

ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな       辻 雅宏

艶めきて色をまだらに柿落葉         辻 雅宏

舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る         瀧口孝志

落葉して心細げな大樹かな          原田啓子 

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~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ・・・四点

冬の戦の始まりです。風流な句が勝ちとっています。このあとどんな句が迫って来るか楽しみです。短い秋でしたがもう年末ですね。
(冬:11月~1月)

~~~今月の選評~~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

風流な一齣ですね。
(今月は最高得点句は選評句でした。)

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★1月の兼題(12月末日〆切)

【落葉】【数え日】【初雀】

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

★オンライン句会<歳末キャンペーン12月8日~15日まで!>
https://youtu.be/ByLnD7xdjXo

毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
https://onlinehaiku.jimdofree.com/ 

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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の展開」今回は、俳句を現代の私たちが使用している言葉を中心に作句しながら、自然な日本語で俳句を作ろうという試みからの「なんちゃって俳句」に視点を当ててみたいと思います。

地球まで星の光りのタイムラグ・・・貴子

この句はオンライン句会で人気があった句です。575の17文字にまとまっていますが季語が無い句なんです。
「星の光」というフレーズが俳句風な情緒を感じる言葉なのだと考えます。月が美しいと言えば秋の句ですが、夏から秋への季節の移り変わりの無い現代では「月」と言わずに宇宙的な感覚でとらえて夜空の美しさを詠いました。読み手にもそんな時代の特徴や自然現象の異常な昨今の社会情勢がきっとこの句への共感を呼んだのだと思います。
無季句はすでに大成された分野でもあり、この句は無季句ですね。と俳句の批評として捉えても間違いでは無いです。無理に季語を探したり、星を月に変えてみたりしても、この句の「タイムラグ」が効いてこないのではないでしょうか。
季語が無いのに川柳ではないという俳句の面白さが読みとれる句です。俳句のすべてのブロックを取っ払って自由な発想で作句してみようという「なんちゃって俳句」の試みでは、この句は無季句としてまとまった句かなぁと思います。

(会報令和六年十二月号より 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら 
https://nbsacademy.jimdofree.com/ 

【ネット句会後記】
冬の戦第一ステージで、いきなり四点句が一句そして三点句が二句と続きました。
二点句も三句あって、第二ステージの展開が楽しみです。
投句される皆様にお願いです。特によかった句には感想を添えて下さるようお願いします。十二月は納め句座です。有終の美を飾る句をお待ちしています。

(令和六年十二月 辻 雅宏)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/ 

 

~LINE公式俳句大会11月結果発表~

<大賞>

52 山本 佐和子  スニーカー落ち葉を砕く家路にて

<2点句>
4 蒲池由美子 十字路でスマホ持つ人鉢合わせ

6 奥平雅子 大鍋を洗い磨きて冬支度

9 奥平雅子 大業の押して決まるや宮相撲

19 米重初枝 泪落つ落葉その理由知りて落つ

22 橋詰博 吉野川落葉集めて川下り

29 さこたゆう 道端の馬頭観音落ち葉舞ふ

35 鈴木恵美子 山の里落ち葉の足湯カサカサと

36 鈴木恵美子 山門を潜り抜けるや落ち葉道

38 鈴木恵美子 秋空に友とのんびり寺巡り

46 田辺 公子 初時雨ココアとひざ掛け手に読書

49 田辺 公子 創作の意欲むくむく落ち葉や実

51 山本 佐和子 落葉降る本の表紙のことばたち

54 南出千賀子 木にもたれ降る葉はどこへ落葉床

58 荒木 かをり ふり積もれ落葉こどものおもちゃ箱

66 大西 文子 千歳飴貰って笑顔の記念写真

この他の結果はLINEよりご覧ください。

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果の一部と連動してまいります。

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