2022年10月ネット句会

今月の投句(秋の戦最終ステージ)

 

1二人旅えっちら案山子の迷い道

2秋晴れや懐かしきものランドセル

3秋晴れや寂しさを未だ知らぬ児や

4秋晴れを行く道だれか呼ばれおり

5秋晴れや此の人生はマラソンだ

6捨かかし草でぬぐへる鎌二本

7捨案山子日本手拭ひ首に巻き

8村人の数より多き案山子かな

9秋晴や駆けだしさうにならぶ靴

10秋晴れて何処へも行かぬ靴を干す

11秋晴やドロップ缶のからからと

12鼻の穴広ぐる河馬や秋の晴

13秋晴や大きく見ゆる今朝の富士

14秋晴や犬のリードを長くして

15モンローの案山子雀を引寄せて

16朝の町小さく見えて秋晴れる

17天高くどこまでも続くハイウエー

18一葉忌見上げる空の月は欠け

19秋晴の午後に雀の群れの飛ぶ

20秋日和歴女声高し大手門

21秋晴れやカンバスの先天守閣

22山の田の案山子のの眼に映る秋

23坂道や捨つる案山子の重さかな

24棚田飛ぶドローン見上げて案山子立つ

25秋晴やバスに園児の弾む声

26秋日和帽子忘れて帰りけり

27秋晴の四方の空にも雲置かず

28直立で猟師姿の案山子かな

29休耕地案山子が納屋で欠伸せり

30秋晴や軽鴨親子無事川へ

31深山の一日木の実の落ちる音

32紫苑ゆる風の吹くまま竜飛崎

33雁の声を残して暮れなずむ

34種になるをしってか揺るる黄コスモス

35鷺穿つ湖面に溢るる秋日和

捨て案山子焼けば血色の焔立ち

36秋晴れや生きてりゃ濁りも傷もある

37穂の波を案山子の影がまた越えて

38秋晴れや戦う白衣高く干し

39秋晴やスマホのレンズに納まらず

40「太陽の塔」もひときわ秋晴れて

41秋晴や再出発はこんな日に

42かたぶいてへのへの揺れる案山子かな

43向かい合い声を掛け合う案山子かな

44秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅

45菊日和千代田区千代田一番地

46村興す案山子集ふやコンクール

47父祖の畑護る案山子の夫婦かな

48おまえもかお役御免に捨案山子

49どの人の手にも朝顔入谷駅          

50一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        

51朝顔や町家二階の物干場           

52秋高し嬰の手足のよく動く          

53山小屋を発つ朝露に靴濡らし         

54蜩や遊び疲れし子の帰る           

55ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     

56朝露や山の空気の透きとほる         

57弓震ふ夜の深さや風の盆           

58山峡のひとりの宿り窓の露          

59俳聖の歩きし道や露置ける          

60手を返す指うつくしき風の盆         

61牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        

62露けしや敷かれしままの廃線路        

63漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      

64朝顔や生まれる前の夢の色          

65越境も楽し隣の牽牛花            

66蜩やハッカの香る湯を借りて         

67蜩や手拭い解く豆剣士            

68朝顔や藍一滴を拡げたり           

69蜩や早き夕餉の山の宿            

70蜩の音の届きたる夢の中           

71露の世に生まれ消えゆくこの身かな      

72窓開ける入社試験の朝の露          

73踏み台の石は動かず草の露          

74月一の院内散歩草の露            

75かなたより来たり寄り添う露の玉       

76昨日より深き瀬音や風の盆          

77リング抜く指しなやかに風の盆        

78風の盆左右で違ふイヤリング         

79風の盆霊にしたがひ列をなす         

80蜩やそろり海へと変わる風          

81蜩や千年なきてなきたらず          

82朝顔や儚きいのち惜しむかに         

83夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        

84朝顔にレトロ喫茶のある小道         

85蜩の声もつめ込むスマホかな         

86朝顔に見送りされて無人駅          

87紺したがへ白朝顔の凛と咲き         

88朝風が起きろ起きろと牽牛花         

89朝顔の紺の著けきたたみ皺          

90蜩や姥捨て山の話聞き            

91蜩やバス来るまでのBGM          

92朝顔の見送り受けて郵便車          

93じゃんけんで負け朝顔の水当番        

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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11月の兼題【初時雨】&【一葉忌】(10月31日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【冬の戦11・12・1月】

★11月の兼題(10月31日〆切。)

 【初時雨】

その年の冬、初めて降る時雨のこと。いよいよ冬が来た感じが漂う。

 【一葉忌】

樋口一葉の忌日。明治十九年、十一月二十三日没。二十五歳であった。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

  

  旅先のビニール傘や初時雨

               堀之内和子

 

  縫ひ上げて歯で切る糸や一葉忌

                          岩城のり子

  

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 10月号9月の結果(秋の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 手を返す指うつくしき風の盆

山小屋を発つ朝露に靴濡らし

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

朝顔や生まれる前の夢の色

 

<点盛りの結果>(秋の戦第2ステージ)

 

六点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

四点句

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        原田啓子

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

 

三点句

山小屋を発つ朝露に靴濡らし         龍野博史

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

朝露や山の空気の透きとほる         龍野博史

弓震ふ夜の深さや風の盆           神長誉夫

山峡のひとりの宿り窓の露          青山好男

俳聖の歩きし道や露置ける          青山好男

手を返す指うつくしき風の盆         辻 雅宏

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        井上悦男

露けしや敷かれしままの廃線路        辻 雅宏

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

露の世に生まれ消えゆくこの身かな      辻 雅宏

窓開ける入社試験の朝の露          青山好男

踏み台の石は動かず草の露          上野貴子

月一の院内散歩草の露            山本佐和子

かなたより来たり寄り添う露の玉       青山好男

昨日より深き瀬音や風の盆          井上悦男

リング抜く指しなやかに風の盆        神長誉夫

風の盆左右で違ふイヤリング         井上悦男

風の盆霊にしたがひ列をなす         山本佐和子

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

LINE公式俳句大会8月結果発表~

 <大賞>

 29 南出 千賀子 おわら祭燃え尽きるほど風踊る

 

2点句>

 6   濱野 洋子 露葎ひよつこり現れ北きつね

11 さこたゆう 初露を硯に受けて身を正す

16 出口 科野  公園の水面眩しい夏の午後

25 鈴木 恵美子 老若男女踊る踊りの風の盆

30 南出 千賀子 連打する下駄もわらじも風の盆

33 橋詰 博   秋立てば隣家のショパンピアニッシモ

 

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

             どの人の手にも朝顔入谷駅・・・六点

 朝顔市の風景の句が勝ち抜きました。今年はコロナ禍3度目の秋ですが、少しでもコロナ禍が和らぎ世の中が活気付いてほしいという願いを感じます。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆 

風の盆の町流しの様子を一歩ずつと動画になって読み手の心に沁みます。

  

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 ★11月の兼題(10月末日〆切)

 

【初時雨】と【一葉忌】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ秋の名句を見てみましょう。

 

石山の石より白し秋の風・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が那()()寺の石を詠んだ句ですが、この石山とは、紫式部が源氏物語を執筆されたと伝えられる近江の石山寺のことです。その石山寺の石の白さよりもこの那谷寺の石の白さは秋の風を一層清澄な気分にさせるものだと詠んでいます。切れ字は使われて無い句ですね。

 

山中や菊はたおらぬ湯の匂・・・芭蕉

 

この句は山中の温泉での句。「菊」が秋の季語となります。湯の匂いが不老長寿の効能がある菊の花の匂いのようで、有名な菊慈童のように菊を手折る必要はないほどだと詠んでいます。

切れ字「や」を上五に使い、山中の湯の素晴らしさを強調しています。感嘆の切れ字「や」は上五に置かれることの多い柔らかでありながらリズムのよいインパクトを表現しています。菊を詠んでいますから重陽の節供にまつわる言い伝えである菊慈童の菊の酒の伝説を踏まえての俳句ですね。菊慈童とは中国の穆王(ぼくおう)時代に王の枕を蹴った罪で流人とされるが菊の露を飲み700年も童の姿で生きながらえたと伝わる話です。江戸時代の芭蕉には温泉はそれくらいに疲れを癒してくれるものだったのですね。

(令和四年十月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

秋の戦も第二ステージが終了し、最終ステージの選句となります。投句されたみなさんには是非、特選句のコメントをお願いします。そして、投句は冬の第一ステージです。

兼題は初時雨と一葉忌を用意させて戴きました。多くの方からの投句をお待ちしています。

(令和四年十月 辻 雅宏)

  

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2024年3月のネット句会

今月の投句(春の戦第2ステージ)

1紅白の靄るがごとき梅の園

2放牧の牛の反芻山笑ふ

3安曇野の堰の飛沫や山笑ふ

4光琳の見し紅梅を旅に吾も

5ズームする梅一輪の嬉しさを

6山笑い賑わい戻る日曜日

7メジロ来て何やら突く春の山

8私鉄駅下りれば梅の山笑う

9紅白の山は目出度く笑うほど

10石段を上る四方から山笑う

11白梅の庭冴え渡り三回忌

12梅の香や人影無き寺経響く

13梅園に笑う老若あんこ餅

14和歌の札道も進まず梅の園

15雲の下懐旧集う山笑う

16四阿に座れば四方の山笑う

17尋れば母住む里の山笑う

18山笑う家まばらなり道祖神

19屋根裏へ吸い込まれゆく雀蜂

20蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る

21さへずりの枝々に色こぼれけり

22桃の花を猫柳と・ガーベラに

23シマエナガ春の雫へホバリング

24流氷をこじ開け逃れシャチの群れ

25古雛娘が繕ろふて飾りけり

26縁側で刈られし白髪山笑ふ

27おさげ髪揺れて梅咲く径海へ

28蜂翔けて出でし大河のゆるりゆら

29やなものは嫌だと言えて梅の花

30老樹にも確かな脈音山笑ふ

31ニ窓に分かれてのどか山笑う

32乳母車風受け傾ぐ潮干潟

33娘の握るおにぎり二つ山笑う

34入院の延期の知らせ寒もどる

35リハビリの一歩一歩や山笑う

36運命や働き蜂と女王蜂

37通勤のひとあしお先春コート

38二十年余命を決めて山笑う

39春一番タクシー会話弾んでる

40耳成が笑へば畝傍香具笑ふ

41麓行く巡回バスや山笑ふ

42眠りから覚めて山山笑ひけり

43初孫に浮き立つこころ山笑ふ

44湖とふ五つの鏡富士笑ふ

45足踏みし窯出し待てば山笑ふ    

46梅一輪花瓶の中の故郷かな     

47外つ国にゐて待ちどほし梅便り   

48今年また開花早まる梅便り     

49離れ家に点る白梅星の影      

50道真を偲びて開く梅の花      

51咲き満ちて此の香此の色梅の花   

52蒼天や冬の桜木時を待つ      

53梅の香と一気に上へエレベーター  

54補聴器に風渡る音春立ちぬ     

55梅林に人影絶えて夜の風      

56ゆづりあい田浦の里の梅日和    

57門入れば白梅の香に迎えられ    

58捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    

59梅の花もの無き畑に色点じ     

60ポップコーン弾けるごとく梅開き  

61ホットティー今日か明日かと梅の花 

62東雲に星消え忘れ山笑ふ      

63山笑う孫の乳歯見つけたり     

64猟船の賑わうあたり初茜      

65LINEにて梅の咲き様尋ねけり  

66それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    

67支笏湖の水のきらめき山笑ふ    

68莟からいつしか香る梅の里     

 

 

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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

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【春の戦2・3・4月】

★4月におすすめの兼題(3月末日〆切。)

 

【蜂】

蜂の種類は多く、尻に毒のある針をもつ

傍題に、足長蜂、熊蜂、蜜蜂、女王蜂、雀蜂、蜂の子、蜂の巣など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

紅白に空を分かちて梅ひらく  高橋悦男

 

モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ   日下野仁美

     

なきがらの蜂に黄の縞黒の縞   橋本多佳子

 

 

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令和6年3月号2月の結果(春の戦第一ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

華やかな口紅選び初鏡

城門の門松の先とがりけり

風止んで三浦三崎の四温晴

どことなく面差し母に初鏡

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

 ~~<辻 雅宏選5句>~~

道真を偲びて開く梅の花

莟からいつしか香る梅の里

今年また開花早まる梅便り

蒼天や冬の桜木時を待つ

外つ国にゐて待ちどほし梅便り

  

点盛りの結果

 

四点句

足踏みし窯出し待てば山笑ふ    神長誉夫

 

三点句

梅一輪花瓶の中の故郷かな     青山好男

外つ国にゐて待ちどほし梅便り   原田啓子

 

二点句

今年また開花早まる梅便り     上野貴子

離れ家に点る白梅星の影      上野貴子

道真を偲びて開く梅の花      青山好男

咲き満ちて此の香此の色梅の花   辻 雅宏

蒼天や冬の桜木時を待つ      青山好男

梅の香と一気に上へエレベーター  原田啓子

補聴器に風渡る音春立ちぬ     原田啓子

梅林に人影絶えて夜の風      青山好男

ゆづりあい田浦の里の梅日和    阿部文彦

 

一点句

門入れば白梅の香に迎えられ    上野貴子

捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    神長誉夫

梅の花もの無き畑に色点じ     青山好男

ポップコーン弾けるごとく梅開き  原田啓子

ホットティー今日か明日かと梅の花 小林ひろ

東雲に星消え忘れ山笑ふ      神長誉夫

山笑う孫の乳歯見つけたり     小林ひろ

猟船の賑わうあたり初茜      青山好男

LINEにて梅の咲き様尋ねけり  辻 雅宏

それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    阿部文彦

支笏湖の水のきらめき山笑ふ    水野幸子

莟からいつしか香る梅の里     上野貴子

 

 

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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

足踏みし窯出し待てば山笑ふ・・・4点

 

足踏みをして待ちきれない様子がユーモラスですね。春のうららかさと上手くマッチしていると思います。そろそろ春の花の季節なので次回からの句が楽しみです。

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

道真を偲びて開く梅の花

 

道真と梅の花は即くとも言われ、また、類句も多いが、それにしてもこの詠みはさらりとよどみない。

 

 

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★4月の兼題(3月末日〆切)

 

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は最後のまとめです。

 

草の戸も住替る代ぞひなの家

蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ

 

始めの「序章」と最後の「大垣」の抄のどちらにも切れ字十八の「ぞ」が使われています。この「ぞ」は終助詞で強調させる感嘆の意味として使われていると考えます。ですから切れ字が無いとは言い難いのですが、代表的な3つの切れ字は使われていません。

 

あらたうと青葉若葉の日の光

 

この句は「日光」の抄の句です。切れ字が使われていない代表的な句です。季語に関しても「青葉若葉」と二つの季語を組み合わせて造語にして一つの言葉としていますので、季重なりとも言い切れません。日光の緑の美しさを強調しながら、江戸の徳川の威光を表現していると解釈され、「あらたうと」は「あら尊し」の意味で、「日光」の旧称「二荒(ふたあら)」に掛かり、昔の名から空海大使が「日光」と改めたことを句のなかに詠み込んでいます。印象深い名句です。

このように現代で切れ字と云われる「や」「かな」「けり」を使わない句にも名句は多く、芭蕉の時代に遡って考えてみても、切れ字の有る無しではなく、意味が切れているのかどうかという解釈の問題ですね。言葉の響きやリズムでは文語調になるため、現在の自分らしい句を詠むためにはことさら必要は無くなってきているようです。

(令和六年三月号より 上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

 

春の戦第一ステージは、四点句を筆頭に好句が並びました。そして、第2ステージでの選句と第3ステージの投句になります。自信の五句をお待ちしています。投句と選句をセットでお願いします。選評をされる方が少なく、是非、目に止まった句から一句 選評をお寄せください。

(令和六年三月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会2月結果発表~

 

<大賞>

45 大倉 宏美 赤と白絵の具絞りて梅の花

 

2点句>

2   橋詰 博 梅日和友を誘いて隣町

11 奥平 雅子 啓蟄のしまい忘れの俳句の本

28 鈴木 恵美子 爪木崎岬に香る黄水仙

30 芒花 白梅の畑静かに時とどめ

32 芒花 枝垂れ梅つぼみ啄むジョウビタキ

37 米重 初枝 大将も後期高齢ちゃんちゃんこ

41 大西 文子 凍空の星の瞬き能登念(おも)

 

 

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2022年11月ネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

 

1沈黙に拾ふ言葉や初時雨

2初時雨能登行商の頬を打つ

3花街の町家格子や初時雨

4階段の軋む茶房や初時雨

5初時雨灯りのつかぬ老舗宿

6そして皆大人になりぬ一葉忌

7ワクチンに少し熱帯び初時雨

8読書せる窓辺の外は初時雨

9しぐるるや芭蕉は旅をしてゐたり

10俳人の信仰帰依や初時雨

11女性史の初めの一歩一葉忌

12朝売りのコンビニ駆け込む初時雨

13改札に人影の増え初時雨

14初時雨夕べの土の匂い呼ぶ

15短くも長くも一生一葉忌

16初時雨お堀端行く相合傘

17灯が一つ暮れなずむ街一葉忌

18五千円一人飲む酒一葉忌

19初時雨子犬があそぶ泥の中

20亡き人を尋ぬ山道初時雨

21初時雨駅の置き傘借りにけり

22野良猫の小走りになる初時雨

23対岸の陽射し伸びるや初時雨

24陸前は父母のふる里一葉忌

25小雨降るシャッター街や一葉忌

26嬰のハイハイ横へ横へと初時雨

27路地裏の声甲高かき一葉忌

28冬暖か娘はマネキュアを塗りくるる

29小春日や吾とインコはダイエット

30初雪や歓びあふるる分娩室

31初時雨煉瓦校舎に灯が一つ

32訃を告げし受話器の向こう初時雨

33濁水に作り花散る一葉忌

34初時雨天地返しの田が笑い

35吉凶のくじに等しく初時雨

36お遍路の杖音急ぐ初時雨

37初時雨先客の居る木暮かな 

38家族皆一つ傘にて初時雨

39日本語の美しきかな一葉忌

40読みかけのたけくらべ手に一葉忌

41初時雨産寧坂を濡るるほど

42暮れかかる三茶界隈初しぐれ

43てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ

44千円札残しておかむ一葉忌

45着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌

  

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 12月の兼題【着ぶくれ】&【義士の日】(11月末日〆切)

【着ぶくれ】

寒いので何枚も重ねて着たため身体がふくれてみえること。

【義士の日】

十二月十四日 赤穂浪士が討ち入りした快挙をたたえ偲ぶ会がこの日に催されてきた。傍題に義士会 義士討ち入りの日。
義士祭は春の季語として別の季題になります。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ> 

  着膨れて海豹(アザラシ)の貎してゐたる 

                  長谷川 櫂

   義士の日やスーパーに買ふ赤穂塩

                          添野光子

 

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 11月号10月の結果(秋の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 捨案山子日本手拭ひ首に巻き

雁の声を残して暮れなずむ

穂の波を案山子の影がまた越えて

秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅

菊日和千代田区千代田一番地

 

 <点盛りの結果>(秋の戦最終ステージ)

 

 六点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

五点句 

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        原田啓子

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

 

四点句

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

 

三点句

村人の数より多き案山子かな         井上悦男

かたぶいてへのへの揺れる案山子かな     原田啓子

穂の波を案山子の影がまた越えて       神長誉夫

手を返す指うつくしき風の盆         辻 雅宏

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

山小屋を発つ朝露に靴濡らし         龍野博史

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

秋晴や駆けだしさうにならぶ靴        井上悦男

おまえもかお役御免に捨案山子        辻 雅宏

秋晴や犬のリードを長くして         龍野ひろし

モンローの案山子雀を引寄せて        龍野ひろし

風の盆霊にしたがひ列をなす         山本佐和子

朝露や山の空気の透きとほる         龍野博史

弓震ふ夜の深さや風の盆           神長誉夫

山峡のひとりの宿り窓の露          青山好男

俳聖の歩きし道や露置ける          青山好男

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        井上悦男

露けしや敷かれしままの廃線路        辻 雅宏

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

秋日和歴女声高し大手門           青山好男

秋晴や軽鴨親子無事川へ           水野幸子

捨て案山子焼けば血色の焔立ち        神長誉夫

坂道や捨つる案山子の重さかな        青山好男

捨案山子日本手拭ひ首に巻き         井上悦男

雁の声を残して暮れなずむ          水野幸子

捨かかし草でぬぐへる鎌二本         井上悦男

秋晴やドロップ缶のからからと        龍野ひろし

秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅           辻 雅宏

菊日和千代田区千代田一番地         辻 雅宏

休耕地案山子が納屋で欠伸せり        阿部文彦

向かい合い声を掛け合う案山子かな      原田啓子

秋晴れや戦う白衣高く干し          神長誉夫

鼻の穴広ぐる河馬や秋の晴          龍野ひろし

秋晴やバスに園児の弾む声          阿部文彦

露の世に生まれ消えゆくこの身かな      辻 雅宏

窓開ける入社試験の朝の露          青山好男

踏み台の石は動かず草の露          上野貴子

月一の院内散歩草の露            山本佐和子

かなたより来たり寄り添う露の玉       青山好男

昨日より深き瀬音や風の盆          井上悦男

リング抜く指しなやかに風の盆        神長誉夫

風の盆左右で違ふイヤリング         井上悦男

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅・・・六点

 

とうとう勝ち抜かれてしまいましたね。3度目の秋は

すこしずつ以前の活気が戻り始めていることの現れですね。

次回はもう冬の戦の始まりです。

(冬:11月~1月)

  

~~~今月の選評~~~

 

村人の数より多き案山子かな

 

過疎の村が増えているが、そんな様子を表した句である。

単に村人の数が減っていると言うより案山子を持ち出すことで

大幅な減少をよく語っている。

 

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

 

【着ぶくれ】と【義士の日】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉の詠んだ月の俳句を見てみましょう。

 

月清し遊行のもてる砂の上・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が敦賀で十五夜の前日に詠んだ句です。代表的な切れ字は無い句です。清しは形容詞のク活用の終止形です。形用詞の場合は切れ字18と言われる場合には切れ字とされますが、代表的な3つの切れ字では無いですね。もう1句「奥の細道」の中の句を見てみましょう。

 

 名月や北国日和定なき・・・芭蕉

 

この句は切れ字「や」が効果的な句です。始めの例句の翌日の句で、折角の十五夜様が雨で見れず北国の天候の定まらないことを詠んでいます。芭蕉は「や」を好んで使いますので、ここでも「や」で名月を強く印象的に詠んでいますね。面白いことに、この句の前書きや解説などで調べると、「名月や」と詠んでいるにも関わらず、この日には月が見られなかったのです。見れない月を、「雨月」や「無月」と詠まずに定めなきと下五に書いて、北の空の不安定さを詠んでいるのですね。このような読み方は芭蕉の他には、なかなかできません。まったく見事な表現方法です。

(令和四年十月 上野貴子)

  

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【ネット句会後記】

 

秋の戦が終了しました。初秋から晩秋まで多くの投句をありがとうございました。

そして、冬の戦の第二ステージです。十二月ならではの兼題を用意させて戴きました。多くの方からの投句をお待ちしています。

(令和四年十一月 辻 雅宏)

  

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LINE公式俳句大会9月結果発表~

 

<大賞>

 5  さこたゆう じいちゃんのお下がり着てる案山子あり

 

2点句>

 1  さこたゆう    秋晴にチェロの音色が溶けていく

11 橋詰 博     秋晴の気分転換ひとり旅

16 南出千賀子  一張羅案山子おめかし、刈る日まで

  

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2024年4月のネット句会

今月の投句(春の戦第3ステージ)

1死を招く蜂の一刺し油断すな

2密を吸ふはたらき蜂の尻まろし

3夜の更けて蜂の巣除く業者かな

4蜂の毒おのがいばりで中和せむ

5巣の出入り頻りなりけり蜂四月

6蜜蜂も三労四休寒戻る

7蜜蜂や足先は黄と橙の花粉かな

8梅の香はあるようで無き季節病

9北向きの塀沿いに遅く梅の花

10三春には梅もひっそり役を待つ

11孫の手で蜂を追い出す夫の居て

12産月の娘に蜜蜂の二三匹

13バス停に吾独り待つ余寒かな

14麻酔より覚めて窓辺に山笑う

15蜜蜂や子のさす指に止まりおり

16蜂来たり潜るしょっぱき露天風呂

17剣抜かず老ゆる蜜蜂我も又

18咲き競ふ雛の口々山笑ふ

19蜂の巣や煮えくり返る腑の如く

20浮かぶ蜂じりり近づくハイヌーン

21ポットよりコーヒーを汲む梅見かな

22夫ときし梅園の空仰ぎゆく

23梅林や夫と分けあふ梅ソフト

24花の雨廻るレストラン閉店と

25満開の桜の下の運動会

26戸袋に吸い込まれゆく蜂の群

27蜜蜂の仕事疲れて戻る箱

28日一日色を重ねて山笑う

29石仏の肩まで埋めて山笑う

30茶処に湯気立ち込めて梅日和

31来世もと言う君染める桜かな

32陽だまりや菜の花震え蜂飛べる

33春の海会えること無き人想う

34黄砂舞う街を見下ろす生駒かな

35知らぬ街尋ねる家に梅白し

36蜜蜂や琥珀のひかりまき散らす

37山笑ふスタンプだけのLINEかな

38蜂蜜や春光集め黄金色

39キャンディを包むセロハン山笑ふ

40山笑ふ六千尺の露天風呂

41梅一輪花瓶の中の故郷かな  

42足踏みし窯出し待てば山笑ふ

43リハビリの一歩一歩や山笑う    

44山笑う孫の乳歯見つけたり     

45道真を偲びて開く梅の花      

46咲き満ちて此の香此の色梅の花   

47補聴器に風渡る音春立ちぬ     

48ゆづりあい田浦の里の梅日和    

49外つ国にゐて待ちどほし梅便り   

50白梅の庭冴え渡り三回忌      

51ポップコーン弾けるごとく梅開き  

52猟船の賑わうあたり初茜      

53今年また開花早まる梅便り     

54離れ家に点る白梅星の影      

55蒼天や冬の桜木時を待つ      

56梅の香と一気に上へエレベーター  

57梅林に人影絶えて夜の風      

58四阿に座れば四方の山笑う     

59娘の握るおにぎり二つ山笑う    

60梅園に笑う老若あんこ餅      

61蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る    

62麓行く巡回バスや山笑ふ      

63安曇野の堰の飛沫や山笑ふ     

64縁側で刈られし白髪山笑ふ     

65運命や働き蜂と女王蜂       

66通勤のひとあしお先春コート    

67門入れば白梅の香に迎えられ    

68捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    

69梅の花もの無き畑に色点じ     

70ホットティー今日か明日かと梅の花 

71東雲に星消え忘れ山笑ふ      

72LINEにて梅の咲き様尋ねけり  

73それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    

74支笏湖の水のきらめき山笑ふ    

75莟からいつしか香る梅の里     

 

 

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夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)

【新樹】【五月雨】【紙魚(しみ)】

 

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【夏の戦5・6・7月】

★5月におすすめの兼題(4月末日〆切。)

 

【新樹】

若葉におおわれる初夏の木立をいう。みずみずしい新樹に包まれる山や野には生命力がみなぎる。

傍題に、緑樹、新樹光、新樹蔭。

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   大風にはげしくにほふ新樹かな 日野草城

 

   五月雨や大河を前に家二軒   与謝蕪村

   

   鴎外も茂吉も紙魚に食はれけり  藤田湘子 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 令和6年4月号3月の結果(春の戦第二ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

華やかな口紅選び初鏡

城門の門松の先とがりけり

風止んで三浦三崎の四温晴

どことなく面差し母に初鏡

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

~~<辻 雅宏選5句>~~

通勤のひとあしお先春コート

安曇野の堰の飛沫や山笑ふ

縁側で刈られし白髪山笑ふ

リハビリの一歩一歩や山笑う

運命や働き蜂と女王蜂

 

 

点盛りの結果

 

五点句

梅一輪花瓶の中の故郷かな     青山好男

 

四点句

足踏みし窯出し待てば山笑ふ    神長誉夫

 

三点句

リハビリの一歩一歩や山笑う    原田啓子

山笑う孫の乳歯見つけたり     小林ひろ

道真を偲びて開く梅の花      青山好男

咲き満ちて此の香此の色梅の花   辻 雅宏

補聴器に風渡る音春立ちぬ     原田啓子

ゆづりあい田浦の里の梅日和    阿部文彦

外つ国にゐて待ちどほし梅便り   原田啓子

 

二点句

白梅の庭冴え渡り三回忌      青山好男

ポップコーン弾けるごとく梅開き  原田啓子

猟船の賑わうあたり初茜      青山好男

今年また開花早まる梅便り     上野貴子

離れ家に点る白梅星の影      上野貴子

蒼天や冬の桜木時を待つ      青山好男

梅の香と一気に上へエレベーター  原田啓子

梅林に人影絶えて夜の風      青山好男

 

一点句

四阿に座れば四方の山笑う     阿部文彦

娘の握るおにぎり二つ山笑う    原田啓子

梅園に笑う老若あんこ餅      青山好男

蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る    阿部文彦

麓行く巡回バスや山笑ふ      辻 雅宏

安曇野の堰の飛沫や山笑ふ     龍野ひろし

縁側で刈られし白髪山笑ふ     神長誉夫

運命や働き蜂と女王蜂       小林ひろ

通勤のひとあしお先春コート    小林ひろ

門入れば白梅の香に迎えられ    上野貴子

捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    神長誉夫

梅の花もの無き畑に色点じ     青山好男

ホットティー今日か明日かと梅の花 小林ひろ

東雲に星消え忘れ山笑ふ      神長誉夫

LINEにて梅の咲き様尋ねけり  辻 雅宏

それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    阿部文彦

支笏湖の水のきらめき山笑ふ    水野幸子

莟からいつしか香る梅の里     上野貴子

 

 

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             ~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

梅一輪花瓶の中の故郷かな・・・5点

 

梅の花は枝に直接咲くので特に美しいです。そんな枝を一輪だけ花瓶に挿し、故郷の梅林を想い描いているのでしょうか。美しく素晴らしい句ですね。春の墨絵のような素敵な句が次回は勝ち残るか?楽しみです。

(春:2月~4月)

  

~~~今月の選評~~~

 

梅一輪花瓶の中の故郷かな

 

花瓶に一輪という限られたセッティングに、「故郷かな」で空間的・時間的な広がりがもたらされ、梅にまつわる様々な思いが込められているいい句だと思います。

 

 

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★5月の兼題(4月末日〆切)

 

【新樹】【五月雨】【紙魚】

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は最後のまとめです。

 

草の戸も住替る代ぞひなの家

蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ

 

始めの「序章」と最後の「大垣」の抄のどちらにも切れ字十八の「ぞ」が使われています。この「ぞ」は終助詞で強調させる感嘆の意味として使われていると考えます。ですから切れ字が無いとは言い難いのですが、代表的な3つの切れ字は使われていません。

 

あらたうと青葉若葉の日の光

 

この句は「日光」の抄の句です。切れ字が使われていない代表的な句です。季語に関しても「青葉若葉」と二つの季語を組み合わせて造語にして一つの言葉としていますので、季重なりとも言い切れません。日光の緑の美しさを強調しながら、江戸の徳川の威光を表現していると解釈され、「あらたうと」は「あら尊し」の意味で、「日光」の旧称「二荒(ふたあら)」に掛かり、昔の名から空海大使が「日光」と改めたことを句のなかに詠み込んでいます。印象深い名句です。

このように現代で切れ字と云われる「や」「かな」「けり」を使わない句にも名句は多く、芭蕉の時代に遡って考えてみても、切れ字の有る無しではなく、意味が切れているのかどうかという解釈の問題ですね。言葉の響きやリズムでは文語調になるため、現在の自分らしい句を詠むためにはことさら必要は無くなってきているようです。

 

(令和六年三月号より 上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

 

春の戦第二ステージは、五点句が出ましたが、三点句までは追いつ追われつのシーソーゲームの様相です。最終ステージが楽しみです。今月からは夏の戦の始まりです。兼題のどれで詠んでいただいても結構です。
投句されても選句されない方がおられます。是非、選句にも参加下さい。

(令和六年四月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会3月結果発表~

 

<大賞>

 

34 田辺 公子 復興も平和も託し流し雛

 

2点句>

 

6   奥平 雅子 幼子の手のひらに降る春の雪

12 橋詰 博 山笑う見知らぬ町の途中下車

18 田辺 公子 眠りから覚め車窓より山笑う

23 小川 修司 黄昏の菜の花明かり水明かり

35 南出 千賀子 おむすびが笑顔をつくる山笑う

38 大西 文子 女子旅はゆるり寄り道山笑う

41 大西 文子 姉と行く銀座通りで桜餅

2   橋詰 博 梅日和友を誘いて隣町

 

 

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9月のネット句会

今月の投句 (9月7日更新・秋の戦 )

1デラウェアの実の出で来るや吸うままに
2雁渡る見上げる人の地の遠く
3絵手紙に季節をとめる葡萄の実
4調理師の剥きたる葡萄つややかに
5連れ立ちて明けゆく空を雁渡る
6雁渡るロシアの男(ひと)は眼裏に
7センターフライ見上げた先に雁渡る
8葡萄光る棺の友の顔静か
9命継ぐ葡萄のまろさ熱の床
10初雁に誘われ抜ける5時限目
11大空に黒糸刺繍雁の群れ
12シャンソンの車窓に広き葡萄園
13葡萄の実一粒ごとの甘さかな
14葡萄粒握る我が子の汚れ無き
15日落ちて挽歌の如し葡萄園
16種無しにされた葡萄の恨み節
17山葡萄たわわに熟れて人を待つ
18山里へ一声ひびく雁の棹
19セコイアの天辺をゆく雁の列
20薄墨の山のざわめき秋の虹
21全天がほのかに焼けし秋の空
22箱一つ貰いし葡萄藤沢産
23聳え立つビルの上空雁渡る
24秋空に白線を引く飛行機雲
25秋桜の花から花へ揚羽蝶なし
26親と子の影の動くや葡萄棚
27葡萄狩り透くる光に手を伸ばし
28ふるさとや舌に転がす黒葡萄
29ひとくさりありて葡萄を渡される
30葡萄着く小粒を詫びる筆を添へ
31廃園の木馬に真青な葡萄成る
32雁が音や潮待ち浦に夢白帆
33葡萄粒透かせば宙の子蹲り
34海静か夕陽に溶けゆく雁の影
35星巡る宇宙の隅で葡萄吸う
36雁渡る近くて遠き田舎道
37百均の古本を選る雁の頃
38重そうな二人の時間黒葡萄
39種のある隣家の庭のデラウェア
40折れてなお確かなるもの雁の棹
41雁高く空一層の深みかな
42雁行や富士の稜線たもちつつ
43種なしの葡萄のまっことありがたき
44葡萄食ぶ結婚記念の夜の二人
45コロナ禍で帰省もできず雁渡し
46中央線右に左に葡萄棚
47富士山も霧に隠れし葡萄園
48新涼の糠床に糠足しにけり
49語り部の身じろぎもせず原爆忌
50山幾つ越えて来たるや雁の棹
51雁渡る点から線に日本海
52一房にひしめき合へりデラウェア
53好きなぶだう好きなだけ食べぶだう狩り
54黒葡萄蛇笏龍太の里に満つ
55干網に綻びありて浜残暑
56真つ新の赤き前垂れ地蔵盆
57悪童もけふは大人し地蔵盆
58下町の地下道匂ふ残暑かな
59古書店にばら積みの本残暑なほ
60残暑なほ旋盤の吐く螺旋屑
61遺された母の小さき残暑かな
62セコイアも棒立ちになる残暑かな
63ビルの間に地蔵詣のニ三人
64里に向く小さき祠地蔵盆
65越してきた子と分ける菓子地蔵盆
66アザラシの鼻また開く残暑かな
67手を合わせ戦火を思う地蔵盆
68赤信号の続く帰路や秋暑し
69パチンコ店の音うねりくる残暑かな
70橋渡る貨車に脈打つ河残暑
71寝息背に灯明辿る地蔵盆
72里に向く小さき祠地蔵盆
73病院を出でて残暑へ飛び込まん
74町内の子が減るばかり地蔵盆
75アザラシの鼻また開く残暑かな
76包丁の切れ味落ちて秋となる
77厠とふ孤独の部屋の残暑かな
78迷惑メールと根比べの残暑かな
79うろこめく棚田の畔や残暑光
80雲奔りパンデミックの秋暑し
81マスカット砂糖まぶされお茶の席
81町内の人をつなぐや地蔵盆
82落雁の木の葉のように撒かれけり
83白木槿バイクの爆音凄まじき
84赤富士や葡萄棚にも朝のきて
85新涼の肩にのり来るインコかな

 

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10月の兼題【新米】&【南天の実】(9月30日〆切)

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【秋の戦8・9・10月】

★10月の兼題(9月30日〆切。)

【新米】
その年に収穫した米で十月ころに出回ります。丹精込めた米が、収穫を迎えた喜びの思いがこの季語にあります。傍題に今年米、古米。

【南天の実 】
南天は花のあと、赤い小さな実をかたまって穂のようにつけます。傍題に実南天、白南天。

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

病む母の粥にまづ炊く今年米
                根岸善雄

鴎外の生家北向き実南天
                松崎鉄之介


8月の結果(秋の戦第一ステージ)

五点句

干網に綻びありて浜残暑        神長 誉夫

四点句 

真つ新の赤き前垂れ地蔵盆       辻 雅宏

三点句

悪童もけふは大人し地蔵盆       辻 雅宏

下町の地下道匂ふ残暑かな       龍野 ひろし

古書店にばら積みの本残暑なほ     龍野 ひろし

残暑なほ旋盤の吐く螺旋屑       龍野 ひろし

二点句

遺された母の小さき残暑かな      原田 啓子

セコイアも棒立ちになる残暑かな    阿部文彦

ビルの間に地蔵詣のニ三人       原田 啓子

里に向く小さき祠地蔵盆        阿部文彦

越してきた子と分ける菓子地蔵盆    小南彩乃

アザラシの鼻また開く残暑かな     神長 誉夫

手を合わせ戦火を思う地蔵盆      小南彩乃

一点句

赤信号の続く帰路や秋暑し       宮沢 俊幸

パチンコ店の音うねりくる残暑かな   小南彩乃

橋渡る貨車に脈打つ河残暑       神長 誉夫

寝息背に灯明辿る地蔵盆        神長 誉夫

里に向く小さき祠地蔵盆        阿部文彦

病院を出でて残暑へ飛び込まん     山本佐和子

町内の子が減るばかり地蔵盆      阿部文彦

アザラシの鼻また開く残暑かな     神長 誉夫

包丁の切れ味落ちて秋となる      宮沢 俊幸

厠とふ孤独の部屋の残暑かな      辻 雅宏

迷惑メールと根比べの残暑かな     海老名 智子

うろこめく棚田の畔や残暑光      水野 幸子

雲奔りパンデミックの秋暑し      上野 貴子

町内の人をつなぐや地蔵盆       原田 啓子

 

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表
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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。
季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。


         ~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

干網に綻びありて浜残暑・・・五点:神長 誉夫

情緒のある句ですね。地曳網の盛んな九十九里が目に浮かびます。緊急事態宣言がどうなるのか心配な初秋ですが、今年は不思議なくらいに小寒いですね。
(秋:8月~10月)

 

~~~今月の選評~~~

下町の地下道匂ふ残暑かな

東京で暮らす私の中では、残暑を最も感じたのがこの句でした。地下道の独特のにおいに暑さと湿気を感じます。中でも下町の地下道というのが、更にいいですね。肌で残暑を感じられる句でした。

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★10月の兼題(9月末日〆切)

【新米】と【南天の実】
他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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【今月のワンポイントレッスン】

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年8月号より

「や 」「かな」「けり」 の切れ字 について 「奥の細道」に視点を当て勉強してきました が、 今回は 8 月、芭蕉全句 の中から 「 朝顔 」 の 句 を 見てみましょ う。

朝顔に我は食めしくふおとこ哉 ・ ・・芭蕉

芭蕉39 才の句。 美しい花とおとこの自分を対比させていますね。

朝顔に釣瓶とられてもらひ水・・・ 加賀 千代女

この句は、女性の「 朝顔 」の句で有名な句ですね 。昔の女性は朝から食事の支度をする水仕が、先ずは井戸に水を汲みに行くことから始まります。今では考えられない位に大変だったことでしょう。そんな、昔の江戸の人々の生活の一齣が、それぞれ読み取れます。
切れ字としては、 芭蕉の句には「 哉 」が使われていて、最後の下五で意味を止めています。千代女の句では 切れ字は見当たりません 。下五の名詞止めとなります。どちらも「朝顔 」から始まり575にリズムの整えら れた定型の句ですね。切れ字は、このようにその句の意味が最後にそこで終わり、17文字で一つの作品としての句意がまとまって理解しやすい場合には効果的です 。芭蕉が自分はおとこであることを感慨深く感じていることが解り詠嘆の意味が込められていますから、季語を別の季語にすることは出来ない 、 朝顔を詠んだ名句 ですね 。切れ字は、 現代の文章では使われませんから 、俳句特有の意味を持ちます 。 千代女の句のように切れ字が無い句でも17文字にまとめられていることがはっきりと解る名句もありますね。

(2021年令和三年九月 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

【ネット句会後記】

秋の戦第一ステージの結果が発表されました。手ごたえはいかがでしたでしょうか。十月の兼題は比較的組みしやすい季語ではないかと思います。好句が期待されます。兼題以外でも秋の季語で秋の季感をお寄せ下さい。
(2021年令和三年九月 辻 雅宏)

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2021年のこれまでの兼題

【春の戦これまでの兼題】

★2月の兼題(1月31日〆切)【初音】【薄氷】
★3月の兼題(2月28日〆切)【初蝶】【青き踏む】
★4月の兼題(3月31日〆切)【沈丁花】【石鹸玉】

【夏の戦これまでの兼題】

★5月の兼題(4月30日〆切)【麦の秋】【新茶】
★6月の兼題(5月31日〆切)【紫陽花】【さくらんぼ】
★7月の兼題(6月30日〆切)【日傘】【昼寝】

【秋の戦これまでの兼題】

★8月の兼題(7月31日〆切)【残暑】 【地蔵盆】
★9月の兼題(8月31日〆切)【葡萄】 【雁】

他に、当季雑詠、自由題でも可、5句投句5句選句です。

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2020年のこれまでの兼題

【秋の戦の兼題】
★8月の兼題(7月31日〆切。)【天の川】【蛍】
★9月の兼題(8月31日〆切。)【霧】【萩】
★10月の兼題(9月30日〆切)【秋高し】【小鳥】

【冬の戦の兼題】
★11月の兼題(10月31日〆切。)【凩】【神の留守】
★12月の兼題(11月30日〆切。)【山眠る】【賀状書く】
★1月の兼題(12月31日〆切。)【御降り】【寒椿】

 

2022年12月ネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

 

1着ぶくれて見る月食の終るまで

2着ぶくれて犬と星空見上げをり

3絶やさぬ窯火陶工は着ぶくれて

4着ぶくれし夜釣りの背中並びけり

5着ぶくれて時間のかかる脱衣場

6着ぶくれて旅行バックを引く婦人

7着ぶくれて電車乗る人降りる人

8着ぶくれを吐き出すバスのターミナル

9着ぶくれてお腹から乗るマタニティー

10義士の日や雪に昏れゆく南部坂

11四十七の香煙空に義士の会

12着ぶくれてタイムサービス早足に

13義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君

14着ぶくれも十年前は着やせ組

15義士の日に誕生祝い赤穂パン

16手足まで着ぶくれ浸かり汗光る

17パン屑の溜まる胸元着ぶくれて

18着ぶくれてチェックインする日本人

19色コーデする暇もなく着膨れて 

20義士の日や四十七士が動いた日

21義士の日に義士の日のことグーグルす

22落葉風なまぬるくコロナ禍の町

23義士の日を令和の人が行きすぎる

24着ぶくれて家路を急ぐ一番星

25着ぶくれて待つ顔険し交差点

26義士の日や映画の後のしるこかな

27義士の日や雨も冷たき泉岳寺

28棒振りてスタアになりし義士の日よ

29風の音石の声冬銀閣寺

30着膨れて歯のない嬰の破顔かな

31義士の日や膝の痛みのいや増して

32嬰を呼ぶ父親の声冬ぬくし

33季語帳を繕うテープ小六月

34小春日や父の顔なり離乳食

35義士会や名優達の時を愛で

36着ぶくれて南の島の果実剥く

37群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日

38「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯

39義士の日や夜を駆けゆく風数ふ

40初時雨能登行商の頬を打つ

41お遍路の杖音急ぐ初時雨         

42初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        

43そして皆大人になりぬ一葉忌       

44家族皆一つ傘にて初時雨         

45女性史の初めの一歩一葉忌        

46短くも長くも一生一葉忌         

47陸前は父母のふる里一葉忌        

48初時雨天地返しの田が笑い        

49読書せる窓辺の外は初時雨        

50濁水に作り花散る一葉忌         

51読みかけのたけくらべ手に一葉忌     

52てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   

53野良猫の小走りになる初時雨       

54初時雨産寧坂を濡るるほど        

55花街の町家格子や初時雨         

56階段の軋む茶房や初時雨         

57初時雨灯りのつかぬ老舗宿        

58改札に人影の増え初時雨         

59対岸の陽射し伸びるや初時雨       

60嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      

61着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      

62初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        

63五千円一人飲む酒一葉忌         

64路地裏の声甲高かき一葉忌        

65日本語の美しきかな一葉忌        

66灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       

67初時雨駅の置き傘借りにけり       

68初時雨先客の居る木暮かな        

 

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1月の兼題【初詣】&【風花】(12月末日〆切)

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【冬の戦11・12・1月】

 ★1月の兼題(12月末日〆切。)

 【初詣】

新年になって氏神様やその年の恵方に当たっているほうが句の神社仏閣に参拝すること。傍題に初社、初神籤。

 【風花】

晴天なのに風に乗ってちらちら舞ってくる雪片。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   新句帳一句を得たり初詣

              野村喜舟

   風花の地に着くまでを遊びけり

                         村松路生

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 12月号11の結果(冬の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

読書せる窓辺の外は初時雨

時雨煉瓦校舎に灯が一つ

濁水に作り花散る一葉忌

読みかけのたけくらべ手に一葉忌

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ

 

<点盛りの結果>(冬の戦第1ステージ)

三点句

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

二点句

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 一点句

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

  

 

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 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

初時雨能登行商の頬を打つ・・・三点

時雨の情緒が能登の昔からの風習を上手く俳句にまとめられていて古風であり土地柄が上手く表現されていて見事ですね。今年もいよいよ冬の戦です。

(冬:11月~1月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 日本語の美しきかな一葉忌

樋口一葉の書を手にした作者は、あらためて一葉の著述に日本語の美しさを認識したというもの。私も俳句を詠んでいて心動かされる日本語に出会えることしばしである。

 

 

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 ★1月の兼題(12月末日〆切)

 

【初詣】と【風花】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉全句に視点を当てみました。

 

芭蕉の有名な名句に「行春を近江の人とおしみけり」という句があります。この句には過去の詠嘆を表す切れ字と言われる「けり」が下五の最後に使われています。ところが、この句には他にも同じような句があり、同じ場所で詠まれたであろうとされています。定本岩波文庫の芭蕉俳句集ではこの句には三句同じような句があり推敲されているように思われます。三句挙げてみましょう。

 

行春を近江の人とおしみける・猿蓑

行春を近江の人とおしみけり・蝶すがた

行春や近江の人とおしみける・真蹟懐紙

 

このように「けり」の有る句と無い句、そして「や」の有る句があります。これは並べて見ると芭蕉が切れ字の有る無しをかなり悩んで詠んだ句なのではないかと思われます。ところが詠まれた年が違うようなのです。過去の詠嘆を表す切れ字「けり」が使われた年が元禄四年とあるので、これは後から推敲されたのかも知れません。けれども有名な文献資料としては「猿蓑」となりますから、定本では「ける」となり、元禄三年に収録されています。そこで、この名句には切れ字が有るのか無いのか、どちらを取るのかという疑問が残ります。そして、切れ字「や」の句、この句は「や」で意味が切れますから、春を惜しむという上五と、近江の人と惜しんでいたことは必ずしも一致しない場合もあると解釈出来ます。どうも三句並べるとそうでは無いようですから、この句は「ける」で元禄三年に収録されているようです。以降は1117日勉強会資料をご覧ください。https://onl.sc/ecACLnU

 

(令和四年十二月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

冬の戦の第一ステージは一点句が多く言わば混戦模様でした。混戦から抜け出す句は果たしてどの句でしょうか。選評が少なく編集上困っています。選句されましたら選評にご協力願います。今年も終わりが近づいてきました。この句会に参加下さいました皆様に厚く御礼申し上げます。来年もお引き立てのほどお願い申し上げます。

よいお年をお迎えください。

(令和四年十二月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会10月結果発表~

 

<大賞>

 

12 tanaka623 一葉忌をんなはつよくなりぬるや

 

2点句>

 

18 さこたゆう 「十三夜」短き生涯一葉忌

27 橋詰 博 郷愁の荷解く部屋にリンゴの香

36 大倉 宏美 時雨打つ葉音で見入るカレンダー

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2024年5月のネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

 

1新樹光駅へ小走り女学生

2丘の上この道が好き新樹光

3ベンチにはいつもの老人新樹光

4新緑へ曲がればバスは水族館

5通院は今年で二度目新樹光

6爆弾のやうなおむすび新樹光

7老木のわきの豊けき新樹かな

8白シャツや胸の黒子は父ゆづり

9てのひらの黒子が育つ麦の秋

105バーツの籠いっぱいのバナナかな

11新樹風抜くる谷中の築地塀

12銀輪をつらね少年新樹風

13キャンデイを捩るセロハン新樹光

14新樹風背中に跳ねるランドセル

15新樹風杜の都へ新幹線

16目鼻さえ区別なき地蔵新樹光

17新樹光母の生まれし旧家なり

18ネコとイヌ新樹の上下でにらみ合い

19雨上がり新樹まぶしき建長寺

20神の住む四方の山々新樹光

21天を衝きメタセコイヤの新樹かな

22五月雨やしんがりを行くランドセル

23車椅子押す坂道に五月雨るる

24道産子の葦毛三つ編み緑さす

25五月雨や飛鳥寺に蘇を味わいぬ

26文箱あけ紙魚はいづこに目をこらす

27五月雨を爆して落ちる水の音

28新樹雨濡れて身の内洗いけり

29五月雨に句点打つよな赤き傘

30新樹光宙へと続く峠道

31五月雨の葉脈這ひて蹲り

32ヒロインの涙を齧り紙魚きらり

33燃え上がる新樹の影で息を継ぐ

34定まらぬ嬰の眼や新樹光

35英国の野も五月雨に湖となり

36生涯の終わりまで吹け新樹風

37五月雨て乳の香の立つ襁褓かな

38夫眠り書斎に紙魚の走る音

39木洩れ日に緑いやます新樹かな

40徒歩き新樹にもらふ生気かな

41峡谷のトロッコ列車新樹風

42熊野古道翳りの中の新樹かな

43村と村つなぐ吊り橋新樹光

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

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夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)

【新樹】【五月雨】【紙魚(しみ)】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【夏の戦5・6・7月】

★6月におすすめの兼題(5月末日〆切。)

【五月雨】

梅雨期に降り続く雨のこと。梅雨は時候を表し、五月雨は雨を表す。

傍題に、さつき雨、さみだるる、五月雨雲。

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   大風にはげしくにほふ新樹かな 日野草城

 

   五月雨や大河を前に家二軒   与謝蕪村

   

   鴎外も茂吉も紙魚に食はれけり  藤田湘子 

 

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令和6年5月号4月の結果(春の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

梅の香はあるようで無き季節病  

剣抜かず老ゆる蜜蜂我も又 

梅林や夫と分けあふ梅ソフト 

戸袋に吸い込まれゆく蜂の群 

蜜蜂の仕事疲れて戻る箱 

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

麻酔より覚めて窓辺に山笑う

蜜蜂の仕事疲れて戻る箱

春の海会えること無き人想う

道真を偲びて開く梅の花   

通勤のひとあしお先春コート

 

 

点盛りの結果

 

七点句

梅一輪花瓶の中の故郷かな     青山好男

 

五点句

足踏みし窯出し待てば山笑ふ    神長誉夫

ゆづりあい田浦の里の梅日和    阿部文彦

 

四点句

リハビリの一歩一歩や山笑う    原田啓子

道真を偲びて開く梅の花      青山好男

 

三点句

山笑ふ六千尺の露天風呂      龍野ひろし

今年また開花早まる梅便り     上野貴子

通勤のひとあしお先春コート    小林ひろ

山笑う孫の乳歯見つけたり     小林ひろ

咲き満ちて此の香此の色梅の花   辻 雅宏

補聴器に風渡る音春立ちぬ     原田啓子

外つ国にゐて待ちどほし梅便り   原田啓子

 

二点句

捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    神長誉夫

支笏湖の水のきらめき山笑ふ    水野幸子

蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る    阿部文彦

梅林や夫と分けあふ梅ソフト    水野幸子

麻酔より覚めて窓辺に山笑う    原田啓子

麓行く巡回バスや山笑ふ      辻 雅宏

白梅の庭冴え渡り三回忌      青山好男

ポップコーン弾けるごとく梅開き  原田啓子

猟船の賑わうあたり初茜      青山好男

離れ家に点る白梅星の影      上野貴子

蒼天や冬の桜木時を待つ      青山好男

梅の香と一気に上へエレベーター  原田啓子

梅林に人影絶えて夜の風      青山好男

 

一点句

蜜蜂も三労四休寒戻る       船津

梅の香はあるようで無き季節病   船津

産月の娘に蜜蜂の二三匹      原田啓子

剣抜かず老ゆる蜜蜂我も又     神長誉夫

戸袋に吸い込まれゆく蜂の群    阿部文彦

バス停に吾独り待つ余寒かな    原田啓子

咲き競ふ雛の口々山笑ふ      神長誉夫

蜂蜜や春光集め黄金色       龍野ひろし

蜜蜂や琥珀のひかりまき散らす   龍野ひろし

茶処に湯気立ち込めて梅日和    阿部文彦

知らぬ街尋ねる家に梅白し     青山好男

石仏の肩まで埋めて山笑う     阿部文彦

蜜蜂の仕事疲れて戻る箱      阿部文彦

春の海会えること無き人想う    青山好男

四阿に座れば四方の山笑う     阿部文彦

娘の握るおにぎり二つ山笑う    原田啓子

梅園に笑う老若あんこ餅      青山好男

安曇野の堰の飛沫や山笑ふ     龍野ひろし

縁側で刈られし白髪山笑ふ     神長誉夫

運命や働き蜂と女王蜂       小林ひろ

門入れば白梅の香に迎えられ    上野貴子

梅の花もの無き畑に色点じ     青山好男

ホットティー今日か明日かと梅の花 小林ひろ

東雲に星消え忘れ山笑ふ      神長誉夫

LINEにて梅の咲き様尋ねけり  辻 雅宏

それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    阿部文彦

莟からいつしか香る梅の里     上野貴子

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

梅一輪花瓶の中の故郷かな・・・7点

 

梅の花の句が春の戦を勝ち抜きました。花瓶に挿した一輪の美しさが心に響く素晴らしい句ですね。次回はもう夏の勝です!今年もいよいよ猛暑の始まりです!楽しみです。

(夏:5月~7月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

山笑ふ六千尺の露天風呂

 

大自然の中の大きな露天風呂、春のまだ冷たい風と温泉に温まっていく身体。

心が解放されてゆく。

 

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 ★6月の兼題(5月末日〆切)

 

【新樹】【五月雨】【紙魚】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。

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【今月のワンポイントレッスン】

 

今回から新しいテーマでこのコーナーの考察を続けて行きたいと思います。

これまで「や」「かな」「けり」の切れ字について芭蕉の「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回からは、そうした手法的な考察ではなく、全体の歴史を見てゆこうと思います。芭蕉が俳諧の発句として、俳句を一句に独立させて、江戸前期に全国に広めました。

 

古池や蛙飛び込む水の音・・・芭蕉

 

この句が、芭蕉の俳句の大元と成る開眼の一句だと言われています。句意は「蛙が飛び込む水の音が響きわたっています。何と静かな古い池であろう。」季語は「蛙」春となります。

貞享3年1686年芭蕉43才の句です。蛙を句材に平凡な事柄に風情を見出すことにより、和歌や連歌、またそれまでの俳諧の型にはまった情趣から一線を画したものであるとされ、この句が芭蕉開眼の名句と云われています。この後46才で「奥の細道」の旅にでて、多くの名句を生み出しています。

 

閑さや岩にしみ入る蝉の声・・・芭蕉

 

この句も「蝉」という平凡な事柄を詠んでいますが「閑さ」という情趣が禅の精神である侘び寂びにも通じる深い感慨をもたらしています。

芭蕉はこうして江戸前期にこれまでの俳諧の世界を発句という一句独立した文学として高めていったのです。そして、1694年元禄7年51歳で江戸を発ち伊賀上野へ向かう途中に大阪で倒れ病状悪化の為に死去しています。蕉風と呼ばれる芸術性の極めて高い句風を確立し、後世では俳聖として世界的にも知られる、日本史上最高の俳諧師の一人と現在でも云われています。

(会報令和六年四月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

春の戦最終ステージは、七点句、五点句、四点句と高点句が並んで終わりました。夏の戦がスタートしています。第一ステージの選句と第二ステージの投句をよろしくお願いします。句会は選句して完結します。必ず、選句に参加して感想も添えて下さるようお願いします。
(令和六年五月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会4月結果発表~

 

<大賞>

 

31 大西 文子 手を合わすお地蔵様の顔に蜂

 

2点句>

 

2  米重 初枝 暮れるまで地蔵の視野に雀の子

6  田辺 公子 ミツバチは集団力で危機脱し

15 奥平 雅子 フレンチのフォークとナイフ花衣

28 さこたゆう ホバリング仕事精出す蜂余多

34 大西 文子 房総の潮風うける花見酒

35 大西 文子 草萌ゆる復興祈るコンサート

38 南出 千賀子 刺されまいハッカ油片手のガーデンニング

41 大倉 宏美 蜂の巣も我が家も母は飛び回り

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

自由なオンライン句会はこちら
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10月のネット句会

今月の投句(10月8日更新・秋の戦)

1南天の実ゲノムまるごと縁紡ぐ
2サンダルで踏む南天の実の堅し
3ままごとの南天の実をよそう妻
4新米のパンの焼き立てまん丸し
5御新米ヒトのつくりし数多かな
6実南天築百年の民家裏
7煙草屋の錆びた看板素風ふく
8電球を買ふ秋風の雑貨店
9かみさんと熱きコーヒー龍淵に
10二階へと匂ふ新米炊きあがり
11古戦場の塚に供へる今年米
12新米を手づかみで食ふ従姉妹の子
13世話をする主亡くとも実南天
14初陣を控えた夜半(よわ)に白南天
15退職の帰路南天の実はこぼるほど
16新米の炊けてタイマー鳴るキッチン
17米どころ新米自慢親自慢
18実南天なれば目出度し喉に良し
19実南天木戸まで伸びて雨の来る
20裏庭にいつしか夕陽実南天
21山路来て忠魂碑あり秋の風
22幼子の目に南天のあかあかと
23新米を受くる手のひら深きしわ
24新米の倉の土塀も朽ちにけり
25稜線に鉄塔高く秋の色
26赤き色はぜるが如き実南天
27実南天何か良いこと有りさうな
28ふるさとの今年米買ふ夕べかな
29一片の雲なき空に月上る
30秋天に高層ビルの窓光る
31跡継ぎのなくて最後の今年米
32飯盒で炊く新米の水加減
33新品種と添へて新米届きけり
34おかわりの茶碗差し出す今年米
35新米や友農業の板につき
36今年米ふるさとの水匂ふかに
37豚汁に茸あふるる夕餉かな
38還暦や菊を浮かべて新酒くむ
39秋明菊ピンクと白で風うばふ
40老医往く一道照らす実南天
41掌を零る新米育てし日々の如
42嘴先に未だ燃え尽きぬ実南天
43病床に新米一箸灯をともす
44実南天帰還カプセル待ちわびて
45巫女さんに持たせてみたい実南天
46実南天へたな料理の彩りに
47花南天掃き寄せられてまたこぼれ
48その名にも産地の心今年米
49ゴマ塩を遠慮して振る今年米
50長き夜や部屋に墨の香満ち溢れ
51新米や糠漬けみ切れあればよし
52実南天代々続く旧家なり
53新米や山下清の握り飯
54コンビニでコピーをとりて良夜かな
55新米が届きましたと声便り
56研ぐ音の柔き今日から新米か
57大根は私と目が言い夫婦酒
58干網に綻びありて浜残暑
59真つ新の赤き前垂れ地蔵盆
60雁高く空一層の深みかな
61古書店にばら積みの本残暑なほ
62絵手紙に季節をとめる葡萄の実
63悪童もけふは大人し地蔵盆
64下町の地下道匂ふ残暑かな
65残暑なほ旋盤の吐く螺旋屑
66アザラシの鼻また開く残暑かな
67遺された母の小さき残暑かな
68シャンソンの車窓に広き葡萄園
69セコイアの天辺をゆく雁の列
70折れてなお確かなるもの雁の棹
71雁渡る見上げる人の地の遠く
72山里へ一声ひびく雁の棹
73葡萄狩り透くる光に手を伸ばし
74雁行や富士の稜線たもちつつ
75親と子の影の動くや葡萄棚
76語り部の身じろぎもせず原爆忌
77パチンコ店の音うねりくる残暑かな
78病院を出でて残暑へ飛び込まん
79町内の子が減るばかり地蔵盆
80橋渡る貨車に脈打つ河残暑
81セコイアも棒立ちになる残暑かな
82ビルの間に地蔵詣のニ三人
83里に向く小さき祠地蔵盆
84越してきた子と分ける菓子地蔵盆
85手を合わせ戦火を思う地蔵盆
86葡萄光る棺の友の顔静か
87ひとくさりありて葡萄を渡される
88連れ立ちて明けゆく空を雁渡る
89聳え立つビルの上空雁渡る
90葡萄着く小粒を詫びる筆を添へ
91一房にひしめき合へりデラウェア
92雁渡る近くて遠き田舎道
93薄墨の山のざわめき秋の虹
94赤富士や葡萄棚にも朝の来て
95雁が音や潮待ち浦に夢白帆
96山幾つ越えて来たるや雁の棹
97雁渡る点から線に日本海
98黒葡萄蛇笏龍太の里に満つ
99新涼の肩にのり来るインコかな
101センターフライ見上げた先に雁渡る
102葡萄粒透かせば宙の子蹲り
103重そうな二人の時間黒葡萄
104大空に黒糸刺繍雁の群れ
105海静か夕陽に溶け行く雁の影
106赤信号の続く帰路や秋暑し
107寝息背に灯明辿る地蔵盆
108病院を出でて残暑へ飛び込まん

109町内の子が減るばかり地蔵盆
110アザラシの鼻また開く残暑かな
111包丁の切れ味落ちて秋となる
112厠とふ孤独の部屋の残暑かな
113迷惑メールと根比べの残暑かな
114うろこめく棚田の畔や残暑光
115雲奔りパンデミックの秋暑し
116町内の人をつなぐや地蔵盆
117里に向く小さき祠地蔵盆

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★お茶会テレビ句会はこちらから
http://uenotakako.com/?p=74430

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11月の兼題【小春】&【七五三】(10月31日〆切)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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【冬の戦11・12・1月】

★11月の兼題(10月31日〆切。)

【小春】
陰暦十月を小春といい、ほぼいまの十一月にあたり、おだやかな好い日和が続きます。傍題に小春日和、小六月、小春日、小春空など。

【七五三 】
十一月十五日に男の子は三歳、五歳 女の子は七歳を祝います。傍題に千歳飴。

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

孫悟空居さうな雲の国小春
              高田風人子

母と子とまれに父と子七五三
              大橋 桜坡子

 

 


9月の結果(秋の戦第一ステージ)

 

六点句

干網に綻びありて浜残暑        神長 誉夫

 

五点句 

真つ新の赤き前垂れ地蔵盆       辻 雅宏

 

四点句

雁高く空一層の深みかな        原田 啓子

古書店にばら積みの本残暑なほ     龍野 ひろし

 

三点句

絵手紙に季節をとめる葡萄の実     芒花

悪童もけふは大人し地蔵盆       辻 雅宏

下町の地下道匂ふ残暑かな       龍野 ひろし

残暑なほ旋盤の吐く螺旋屑       龍野 ひろし

アザラシの鼻また開く残暑かな     神長 誉夫

遺された母の小さき残暑かな      原田 啓子

 

二点句

シャンソンの車窓に広き葡萄園     青山好男

セコイアの天辺をゆく雁の列      阿部文彦

折れてなお確かなるもの雁の棹     原田 啓子

雁渡る見上げる人の地の遠く      芒花

山里へ一声ひびく雁の棹        阿部文彦

葡萄狩り透くる光に手を伸ばし     龍野 ひろし

雁行や富士の稜線たもちつつ      原田 啓子

親と子の影の動くや葡萄棚       龍野 ひろし

語り部の身じろぎもせず原爆忌     濱野 洋子

パチンコ店の音うねりくる残暑かな   小南彩乃

病院を出でて残暑へ飛び込まん     芒花

町内の子が減るばかり地蔵盆      阿部文彦

橋渡る貨車に脈打つ河残暑       神長 誉夫

セコイアも棒立ちになる残暑かな    阿部文彦

ビルの間に地蔵詣のニ三人       原田 啓子

里に向く小さき祠地蔵盆        阿部文彦

越してきた子と分ける菓子地蔵盆    小南彩乃

手を合わせ戦火を思う地蔵盆      小南彩乃

 

一点句

葡萄光る棺の友の顔静か        小南彩乃

ひとくさりありて葡萄を渡される    龍野 ひろし

連れ立ちて明けゆく空を雁渡る     芒花

聳え立つビルの上空雁渡る       広田洋一

葡萄着く小粒を詫びる筆を添へ     龍野 ひろし

一房にひしめき合へりデラウェア    辻 雅宏

雁渡る近くて遠き田舎道        宇田川せいち

薄墨の山のざわめき秋の虹       阿部文彦

赤富士や葡萄棚にも朝の来て      水野 幸子

雁が音や潮待ち浦に夢白帆       神長 誉夫

山幾つ越えて来たるや雁の棹      辻 雅宏

雁渡る点から線に日本海        辻 雅宏

黒葡萄蛇笏龍太の里に満つ       辻 雅宏

新涼の肩にのり来るインコかな     水野 幸子

センターフライ見上げた先に雁渡る   小南彩乃

葡萄粒透かせば宙の子蹲り       神長 誉夫

重そうな二人の時間黒葡萄       宇田川せいち

大空に黒糸刺繍雁の群れ        青山好男

海静か夕陽に溶け行く雁の影      神長 誉夫

赤信号の続く帰路や秋暑し       宮沢 俊幸

寝息背に灯明辿る地蔵盆        神長 誉夫

里に向く小さき祠地蔵盆        阿部文彦

アザラシの鼻また開く残暑かな     神長 誉夫

包丁の切れ味落ちて秋となる      宮沢 俊幸

厠とふ孤独の部屋の残暑かな      辻 雅宏

迷惑メールと根比べの残暑かな     海老名 智子

うろこめく棚田の畔や残暑光      水野 幸子

雲奔りパンデミックの秋暑し      上野 貴子

町内の人をつなぐや地蔵盆       原田 啓子

 

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季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。


         ~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

干網に綻びありて浜残暑・・・六点

干網の浜の風情に勝る句が出てきませんでしたね。コロナ禍のうえに更に東京近郊では地震があり海沿いではまた大変な秋なのでしょうか。寒暖の差が激しく何かと心配です。次回からはもう冬の戦が始まります。
(秋:8月~10月)

 

~~~今月の選評~~~

薄墨の山のざわめき秋の虹

秋らしい風情を感じさせていた山に急に虹がかかってきた情景をうたっている。
「薄墨」と「ざわめき」の語の選択が秀逸。

 

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★11月の兼題(10月末日〆切)

【小春】と【七五三】
他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年9月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字について「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、今回は9月、芭蕉全句の中から「月」の句を見てみましょう。

名月や池をめぐりて夜もすがら・・・芭蕉

芭蕉43才の句。芭蕉庵での「月見の会」の句と言われています。月見に隅田川に船を出して詠んだといわれていて風流ですね。芭蕉お得意の切れ字「や」で見事に日本語の美しさを表しています。ここでは、月が池をめぐるのか、芭蕉が池をめぐるのか、どちらにも採れますが、池をめぐり水面に映る月が江戸時代には光輝いて美しかったに違いありません。そんな風に私は解釈しました。この句にある切れ字「や」は、奥の細道でも芭蕉が多く使っている切れ字です。現在では切れ字と言えば、この「や」の他に「かな」「けり」の3つくらいしか実際には使われていません。

月見する座に美しき顔もなし・・・芭蕉

この句は、切れ字が使われていない句です。切れ字は、句の意味を区切るためなので、この月が良夜なのか雨月なのかを考えると、月は美しいが、美しい綺麗どころの女性は同席しておらず、男ばかりの集まりだったのでしょう。風雅を求めていた芭蕉にはこの月見の会はあまり盛況ではなかったのかもしれませんね。結局は「明月や座に美しき顔もなし」とされた句が決定句とされていますが、どこか人間味を感じるのは取り上げた句の方ですね。現代に生きる私達との時代の相違かもしれません。芭蕉は「や」で月の美しさを際立たせて決定しているように読み取れます。
(2021年令和三年十月 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

 

【ネット句会後記】

秋の戦十月は最終ステージです。勝ち残る句が楽しみです。選句の中から一句について、評価をお願いします。十一月の兼題の七五三はご自身にもお子様にも、そしてお孫様とシーンが浮かぶことでしょう。小春日和には、そろそろお出かけしてみたいものです。秋の夜長、皆様からの渾身の五句をお待ちしています。
(2021年令和三年十月 辻 雅宏)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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2021年のこれまでの兼題

【春の戦これまでの兼題】

★2月の兼題(1月31日〆切)【初音】【薄氷】
★3月の兼題(2月28日〆切)【初蝶】【青き踏む】
★4月の兼題(3月31日〆切)【沈丁花】【石鹸玉】

【夏の戦これまでの兼題】

★5月の兼題(4月30日〆切)【麦の秋】【新茶】
★6月の兼題(5月31日〆切)【紫陽花】【さくらんぼ】
★7月の兼題(6月30日〆切)【日傘】【昼寝】

【秋の戦これまでの兼題】

★8月の兼題(7月31日〆切)【残暑】 【地蔵盆】
★9月の兼題(8月31日〆切)【葡萄】 【雁】
★10月の兼題(9月30日〆切)【新米】【南天の実】

他に、当季雑詠、自由題でも可、5句投句5句選句です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
2020年のこれまでの兼題

【秋の戦の兼題】
★8月の兼題(7月31日〆切。)【天の川】【蛍】
★9月の兼題(8月31日〆切。)【霧】【萩】
★10月の兼題(9月30日〆切)【秋高し】【小鳥】

【冬の戦の兼題】
★11月の兼題(10月31日〆切。)【凩】【神の留守】
★12月の兼題(11月30日〆切。)【山眠る】【賀状書く】
★1月の兼題(12月31日〆切。)【御降り】【寒椿】

 

 

2023年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦最終ステージ)

 

1信仰無し何は無くとも初詣

2初詣昼日に五円にぎりしめ

3珈琲の戸の外に風花ゆたり

4風花来おもひでひとつ消すやうに

5風花よ乙女青年恋を抜け

6風花や街角低く鴉二羽

7三枚目賀状の文字は大きめに

8風花や百円木馬で風に乗る

9二拍めに揃ふ柏手初詣

10初詣令和五年を握りしめ

11風花のたちまち消ゆる手のひらに

12小吉の御籤ほどよき初詣

13巾着に仕舞ふ吉札初詣

14風花や奥の院への二百段

15真つさらの鈴緒振りたる初詣

16花見小路風花まとい歩くひと

17仰ぐ空風花一つ二つかな

18風花や文投函す遠き友

19風花や道一列の紅き頬

20初詣冷たき水も有難し

21初詣高台よりの海蒼し

22里帰り孫ひまご抱き初詣

23一夜にて縫いし晴れ着を嬰に着す

24高台の神仏に手を初詣

25海見ゆる土俵に子らの初相撲

26野天湯や湯気と風花すれ違う

27猫の髭風花捕え反り返る

28枝高く我が初籤は風に泣く

29風花の煌めきの中郷を捨て

30風花や帰って来いよと郷の声

31外人の肩一つ出て初詣

32巫女たちの札所の灯り初詣 

33風花や母の手書きの文一つ

34庭師去りあとに風花二三片

35地にとどくまで風花の調べかな

36初詣晴れ着姿のまばらなる

37初詣神籤見せ合ふ若夫婦

38朝市の並ぶ川沿ひ風花す

39風花を追ふ子掴む子口開く子

40おくるみの嬰(やや)に風花ふうわりと

41群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     

42初時雨能登行商の頬を打つ        

43着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     

44義士の日や映画の後のしるこかな     

45着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   

46そして皆大人になりぬ一葉忌       

47着膨れて歯のない嬰の破顔かな      

48義士の日や雪に昏れゆく南部坂      

49着ぶくれて見る月食の終るまで     

50義士の日や雨も冷たき泉岳寺       

51陸前は父母のふる里一葉忌        

52読書せる窓辺の外は初時雨        

53てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   

54階段の軋む茶房や初時雨         

55改札に人影の増え初時雨         

56初時雨駅の置き傘借りにけり       

57初時雨産寧坂を濡るるほど        

58お遍路の杖音急ぐ初時雨         

59初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        

60家族皆一つ傘にて初時雨         

61着ぶくれて犬と星空見上げをり     

62義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 

63パン屑の溜まる胸元着ぶくれて    

64義士の日や膝の痛みのいや増して    

65初時雨産寧坂を濡るるほど       

66着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  

67季語帳を繕うテープ小六月       

68「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   

69義士の日を令和の人が行きすぎる    

70義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     

71着ぶくれて南の島の果実剥く      

72着ぶくれて旅行バックを引く婦人    

73義士会や名優達の時を愛で       

74女性史の初めの一歩一葉忌        

75短くも長くも一生一葉忌         

76初時雨天地返しの田が笑い        

77濁水に作り花散る一葉忌         

78読みかけのたけくらべ手に一葉忌     

79野良猫の小走りになる初時雨       

80花街の町家格子や初時雨         

81初時雨灯りのつかぬ老舗宿       

82対岸の陽射し伸びるや初時雨       

83嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      

84着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      

85初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        

86五千円一人飲む酒一葉忌         

87路地裏の声甲高かき一葉忌        

88日本語の美しきかな一葉忌        

89灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       

90初時雨先客の居る木暮かな        

 

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

2月の兼題【春めく】&【春の風邪】(1月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【春の戦2・3・4月】

 

★2月の兼題(1月末日〆切。)

 

【春めく】

寒さがゆるみ、万象春らしく感じることをいう。

 

【春の風邪】

春めいているのに油断からか、思わぬ風邪をひくことがある。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

  卓飾る花のいろいろ春めきぬ

                稲畑汀子

 

  しんがりは妻が勤めぬ春の風邪 

                 石塚友二

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年1月号12月の結果(冬の戦第二ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル

義士の日や膝の痛みのいや増して

季語帳を繕うテープ小六月

初時雨能登行商の頬を打つ

そして皆大人になりぬ一葉忌

 

四点句

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日     神長誉夫

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

 

三点句

着ぶくれし夜釣りの背中並びけり     龍野ひろし

義士の日や映画の後のしるこかな     青山好男

着ぶくれを吐き出すバスのターミナル   辻 雅宏

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

 

二点句

着膨れて歯のない嬰の破顔かな      水野幸子

義士の日や雪に昏れゆく南部坂      辻 雅宏

着ぶくれて見る月食の終るまで      龍野ひろし

義士の日や雨も冷たき泉岳寺       青山好男

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 

一点句

着ぶくれて犬と星空見上げをり     龍野ひろし

義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君 田中伸明

パン屑の溜まる胸元着ぶくれて     原田啓子

義士の日や膝の痛みのいや増して    水野幸子

初時雨産寧坂を濡るるほど       辻 雅宏

着ぶくれてお腹から乗るマタニティー  辻 雅宏

季語帳を繕うテープ小六月       水野幸子

「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯   神長誉夫

着ぶくれてタイムサービス早足に    田中伸明

色コーデする暇もなく着膨れて     原田啓子

義士の日を令和の人が行きすぎる    上野貴子

義士の日や夜を駆けゆく風数ふ     神長誉夫

着ぶくれて南の島の果実剥く      神長誉夫

着ぶくれて旅行バックを引く婦人    上野貴子

義士会や名優達の時を愛で       神長誉夫

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日・・・四点句

初時雨能登行商の頬を打つ・・・四点句

 

能登の句に討ち入りの句が追い付いて来ました。次回の最終ステージでは果たしてどうなるでしょうか。まだコロナ禍ですが今年こそは終焉収束を祈ります。今年も宜しくお願い致します。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日

 

四十七士が忍び足で袴などをはためかせ討ち入る様子が烏の描写と重なり、見事な比喩だと思いました。志士たちの押し殺した息遣いも聞こえてきそうです。

 

 

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★2月の兼題(1月末日〆切)

 

【春めく】と【春の風邪】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉の詠んだ新年の句を見てみましょう。

 

春立つや新年ふるき米五升・・・芭蕉

 

「新年」で探したところ芭蕉38才の頃のこの句しかありませんでした。江戸時代は立春がお正月だったことが良く解ります。そこで、「餅」の句を探してみました。

「餅雪をしら糸となす柳哉」

「餅を夢に折結ふしだの草枕」

「餅花やかざしにさせる娌(よめ)が君」

「誰が聟(むこ)ぞ歯朶に餅おふうしの年」「煩(わずら)へば餅をも喰はず桃の花」

「鶯や餅に糞する縁のさき」

などの句があり、「餅」は冬の季語ですが、現代では春の季語とされている言葉との季重りが目立ち、まさに立春が一年の始まりだった時代の相違を感じます。この他に「初日の出」の句も芭蕉には見当たりません。

 

むめがゝにのつと日の出る山路かな・・芭蕉

 

この句があるのですが、日の出とあり「むめがゝ」が春の季語です。初日の出の習慣は、日本古来のものと言われますが、明治以降盛んになったとされていて芭蕉の句でも「初日の出」とは呼んでいません。面白いですね。

 

(令和五年一月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

 

明けましておめでとうございます。

本年もネット句会のお引き立てをよろしくお願い申し上げます。

冬の戦第2ステージは4点句が2つ並びました。最終ステージの選句が楽しみです。そして、投句は春の第1ステージ向けての募集になります。多くのご参加をお待ちしています。この句会では投句と選句はセットですから、セットで参加をお願いします。

(令和五年一月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会11月結果発表~

 

<大賞>

 

10 さこたゆう 着ぶくれて素のままの自分を探す  

             

2点句>

 

2  出口 科野    ゆるやかな時が流れて秋の空

18 奥平雅子     時雨るるや泣いてどうにかなるものか

23 tanaka623     旅心期待と不安で着ぶくれる

38 鈴木 恵美子  渡月橋空の青さと燃える秋

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

11月のネット句会

今月の投句(11月12日更新・冬秋の戦)

1波白く海鳥高く小六月
2母の手を放して拝む七五三
3小春凪海鳥の群れ河口まで
4女の子鈴を鳴らして七五三
5可愛さに娘に話しかけ七五三
6ベランダで小春にそよぐ七分丈
7くしゃみして小春の空をうらみけり
8紅ひいて唇紡ぐ七五三
9千歳飴引きずり歩く着物の子
10父笑う紅引き笑う娘見て
11お互ひに孫連れ出会ふ七五三
12爺婆をしたがへ歩む千歳飴
13縁側で爪切る母の小春かな
14途中下車してまで歩く小春空
15釣り人の等間隔に湖小春
16凩に向かって走るランドセル
17凩や埃巻き上げ屋敷跡
18境内に人の影なし神の留守
19賽銭の音響き合う神の留守
20日溜まりの木戸に寄り添う返り花
21小春日のインコの声の甲高し
22玉砂利を踏みしめる音七五三
23植え替えし多肉植物初時雨
24絨毯にインコの糞や暮早し
25頬かすめ飛び交ふインコ冬に入る
26のったりとエアバルーン浮く小春かな
27学生の声に華やぐ街小春
28おくるみに小春の光編み込んで
29家じゅうがただ嬉しくて七五三
30何の日か問う子もにぎる千歳あめ
31千歳飴だいじに抱え段上がり
32七五三の石段ばかり見ておりぬ
33付いて来ぬ祖父母のぶんまで七五三祝
34小春日の明き林に影さがす
35小春日のピアノ鳴り来る上り坂
36眠る子の帯を解きし七五三
37七五三カメラの前のすまし顔
38鈴の音を零して歩く七五三
39小春日や一家総出の床磨き
40ジャケットの似合うふ青年恋小春
41七五三玉砂利踏む音遠き日々
42七五三鳥居の長き影踏みて
43小春日や猫眠る屋根雲の下
44蝶二頭もつれもつれて小春かな
45江の島や小春に浮かぶ富士の影
46爺婆は鳥居の前や七五三
47産土の神のお祓ひ七五三
48秋時雨鷹は小屋にて眠りをり
49小春日は?みしだかれて牛の夢
50小春日に爪立て空睨め軍鶏独り
51小春日を分け合う人の写真立て
52飴色に干魚艶めく浜小春
53小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く

 

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12月の兼題【冬ざれ】&【クリスマス】(11月31日〆切)

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【冬の戦11・12・1月】

★12月の兼題(11月31日〆切。)

【冬ざれ】

冬の万象の蕭条たるさまをいう時候の季語です。
傍題に、冬され、冬ざるる。

【クリスマス 】

12月25日キリストの誕生を祝う日。
傍題に、降誕祭、聖夜、聖歌、聖樹(クリスマスツリー)、聖菓、クリスマスイブ、サンタクロースなど。

 

<先句に学ぶ>

  冬ざれてうるさき程に鴉鳴く
                                       山下孝子

  靴下がくの字に吊られクリスマス
                                        阿波野青畝

 

 


10月の結果(秋の戦第三ステージ)

七点句

干網に綻びありて浜残暑        神長 誉夫

真つ新の赤き前垂れ地蔵盆       辻 雅宏

 

五点句

雁高く空一層の深みかな        原田 啓子

古書店にばら積みの本残暑なほ     龍野 ひろし

 

四点句

跡継ぎのなくて最後の今年米    龍野 ひろし

残暑なほ旋盤の吐く螺旋屑      龍野 ひろし

アザラシの鼻また開く残暑かな     神長 誉夫

 

三点句

実南天何か良いこと有りさうな    広田洋一

その名にも産地の心今年米      原田 啓子

退職の帰路南天の実はこぼるほど   小南彩乃

雁行や富士の稜線たもちつつ      原田 啓子

病院を出でて残暑へ飛び込まん     芒花

絵手紙に季節をとめる葡萄の実    芒花

悪童もけふは大人し地蔵盆      辻 雅宏

下町の地下道匂ふ残暑かな       龍野 ひろし

遺された母の小さき残暑かな      原田 啓子

 

二点句

秋天に高層ビルの窓光る        広田洋一

豚汁に茸あふるる夕餉かな       水野幸子

二階へと匂ふ新米炊きあがり      井上悦男

花南天掃き寄せられてまたこぼれ    原田 啓子

雲奔りパンデミックの秋暑し      上野 貴子

シャンソンの車窓に広き葡萄園     青山好男

セコイアの天辺をゆく雁の列      阿部文彦

折れてなお確かなるもの雁の棹     原田 啓子

雁渡る見上げる人の地の遠く      芒花

山里へ一声ひびく雁の棹        阿部文彦

葡萄狩り透くる光に手を伸ばし     龍野 ひろし

親と子の影の動くや葡萄棚       龍野 ひろし

語り部の身じろぎもせず原爆忌     濱野 洋子

パチンコ店の音うねりくる残暑かな   小南彩乃

町内の子が減るばかり地蔵盆      阿部文彦

橋渡る貨車に脈打つ河残暑       神長 誉夫

セコイアも棒立ちになる残暑かな    阿部文彦

ビルの間に地蔵詣のニ三人       原田 啓子

里に向く小さき祠地蔵盆        阿部文彦

越してきた子と分ける菓子地蔵盆    小南彩乃

手を合わせ戦火を思う地蔵盆      小南彩乃

             

一点句

コンビニでコピーをとりて良夜かな   濱野 洋子

残暑光父の棺を焼かんとす       原田 啓子

生き馬の目を抜く銀座秋暑し      辻 雅宏

南天の実ゲノムまるごと縁紡ぐ     芒花

古戦場の塚に供へる今年米       小南彩乃

初陣を控えた夜半(よわ)に白南天    小南彩乃

一片の雲なき空に月上る        広田洋一

おかわりの茶碗差し出す今年米     龍野 ひろし

実南天代々続く旧家なり        濱野 洋子

世話をする主亡くとも実南天      小南彩乃

裏庭にいつしか夕陽実南天       上野貴子

実南天なれば目出度し喉に良し     上野貴子

新米を受くる手のひら深きしわ     青山好男

今年米ふるさとの水匂ふかに      水野幸子

掌を零る新米育てし日々の如      神長 誉夫

ゴマ塩を遠慮して振る今年米      原田啓子

実南天築百年の民家裏         井上悦男

新米の炊けてタイマー鳴るキッチン   上野貴子

新米や山下清の握り飯         濱野 洋子

葡萄光る棺の友の顔静か        小南彩乃

ひとくさりありて葡萄を渡される    龍野 ひろし

連れ立ちて明けゆく空を雁渡る     芒花

聳え立つビルの上空雁渡る       広田洋一

葡萄着く小粒を詫びる筆を添へ     龍野 ひろし

一房にひしめき合へりデラウェア    辻 雅宏

雁渡る近くて遠き田舎道        宇田川せいち

薄墨の山のざわめき秋の虹       阿部文彦

赤富士や葡萄棚にも朝の来て      水野幸子

雁が音や潮待ち浦に夢白帆       神長 誉夫

山幾つ越えて来たるや雁の棹      辻 雅宏

雁渡る点から線に日本海        辻 雅宏

黒葡萄蛇笏龍太の里に満つ       辻 雅宏

新涼の肩にのり来るインコかな     水野幸子

センターフライ見上げた先に雁渡る   小南彩乃

葡萄粒透かせば宙の子蹲り       神長 誉夫

重そうな二人の時間黒葡萄       宇田川せいち

大空に黒糸刺繍雁の群れ        青山好男

海静か夕陽に溶け行く雁の影      神長 誉夫

赤信号の続く帰路や秋暑し       宮沢 俊幸

寝息背に灯明辿る地蔵盆        神長 誉夫

里に向く小さき祠地蔵盆        阿部文彦

包丁の切れ味落ちて秋となる      宮沢 俊幸

厠とふ孤独の部屋の残暑かな      辻 雅宏

迷惑メールと根比べの残暑かな     海老名 智子

うろこめく棚田の畔や残暑光      水野 幸子

町内の人をつなぐや地蔵盆       原田 啓子

 

 

 

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         ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

干網に綻びありて浜残暑        神長 誉夫

真つ新の赤き前垂れ地蔵盆       辻 雅宏

 

干網の浜の句が逃げ切りましたが地蔵盆が同点までせって来て面白い戦いでした。コロナ禍の秋はやはり物寂しい俳句に点が集まったようです。次回はコロナ禍二度目の冬の戦です。

(秋:8月~10月)

 

~~~今月の選評~~~

実南天何か良いこと有りさうな

南天の明るい色に良い予感を感じる一句です。寒くなりゆく時期だからこその
良いこと探しをする作者の姿が浮かんできます。

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【今月のワンポイントレッスン】

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年10月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字について「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、10月号では、食欲の秋にちなんで芭蕉全句の中から「食」の句を見てみましょう。

鎌倉を生て出けむ初鰹・・・芭蕉

芭蕉49才の句。江戸時代には鎌倉沖で取れた鰹を生きたまま江戸まで運んでいたようです。鎌倉から江戸の将軍様へ鰹が献上されたことを聞くと、江戸の庶民はこぞって鰹を食べようとしたので高値で売れた訳ですね。鰹は夏の魚ですが、秋の魚と言えば「秋刀魚」です。

秋深き隣は何をする人ぞ・・・芭蕉

この句は芭蕉51歳の句ですが、私はこの句を「焼く人ぞ」と勘違いをしていました。どこか秋刀魚の句のイメージないですか。ところがこの句は、食の句ではないのです。芭蕉は大阪の知人宅で病気のために臥せっていてその秋に詠んだとされています。人恋しさが感じられます。

松茸や知らぬ木の葉がへばりつく・・・芭蕉

この句は芭蕉48歳の句。「松茸」を詠んでいます。松茸採りに行かれた句でしょう。松に生えるから松茸ですが、雑木林で思いもよらず見つけたのでしょうか。俳諧味のある食の句ですね。この「や」は現代ではあまり使われない「ぞ」よりも切れ字としての効果は解りますが、中七下五のユーモラスな印象が切れ字の効果よりも楽しそうで効いていますね。
(2021年令和三年十一月 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

 

【ネット句会後記】

二年続けてコロナで始まりコロナで暮れようとしています。ネット句会に参加されている皆さんも少なからずコロナを句に詠まれたことでしょう。来年こそ終息までは無理としても寛解を迎えたいものです。それでは、納め句座への投句お待ちしています。よいお年をお迎えください。
(令和三年十一月 辻 雅宏)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/