2025年6月のネット句会

今月の投句(夏の戦第2ステージ)

1出不精も朝から遠出子どもの日

2遠出してマクドで済ます子どもの日

3子どもの日子ヤギに乳やる三歳児

4起されてレゴ組み立てる子どもの日

5子らはみな外国育ち子どもの日

6カムイザウルス歩けし大地風薫る

7青嵐苗植え替えて寒冷紗

8水に映る富士の揺らぎや花馬酔木

9生れし子の太もも立派子供の日

10薫風を走るピンクのヘルメット

11筆箱にアニメのシールこどもの日

12清正は肥後のヒーローこどもの日

13子供の日チーズとろけるピザの耳

14浜つ子の仮装行列こどもの日

15こどもの日擦切れし我が野球帽

16図書券を紙に包みて子供の日

17公園に人の影無し子供の日

18父と子とけん玉競う子供の日

19子供の日祝いのひとつ肥後守

20職退きて鞄に浮かぶ黴の花

21堅物が今日は微笑む紅つつじ

22幼子がつつじの中で見る夢は

23近江路や光る山並み光る湖

24こどもの日戻る所無し雲の群れ

25石くれに水切り競ふ子どもの日

26けふだけは怒らずゐやう子どもの日

27ファミレスで「まちがい探し」子どもの日

28あらためて親を自覚の子どもの日

29己がころ孫に聞かせる子どもの日

30受け継いだ父の歳時記黴くさし      

31ママの手を引いておねだり子供の日    

32羊羹を五つに切りて子供の日       

33菖蒲湯の剣の強さ時を越え        

34こどもの日ラジオいじる手皺深し     

35卯の花腐しもう故郷に家も無く      

36卯の花腐し恐竜展に子ら集い       

37甚平着て堅固と顔に書いてみる      

38一日は卯の花腐しの旅路なり       

39花を手に卯の花腐しの男坂        

40卯の花腐し寺の白砂の痛きほど      

41ひ孫生まれ足をきゅーんと子供の日    

42友来訪卯の花腐しの合間みて       

43鳥二羽来卯の花腐し止む池に       

44丸刈りの選手宣誓風光る         

45尾立てて横切る猫や春障子        

46群て来て群で飛び去る寒雀        

47厨より潮吹く浅蜊ひとり言        

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)

【卯の花腐し】【子どもの日】【黴】

 

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【夏の戦5・6・7月】

★7月におすすめの兼題(6月末日〆切。)

【黴】

梅雨期の湿気でいたる所に生ずる黴

傍題に、黴の香、黴の宿、青黴

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

    谷川に卯の花腐しほとばしる     高浜虚子

 

    背で浮いて貝割るラッコ子供の日  藤本正弘

    

    黴の世や言葉もつとも黴びやすく  片山由美子

 

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令和7年6月号5月の結果(夏の戦第1ステージ)

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

友来訪卯の花腐しの合間みて

鳥二羽来卯の花腐し止む池に

ママの手を引いておねだり子供の日

受け継いだ父の歳時記黴くさし

 

点盛りの結果

 

三点句

受け継いだ父の歳時記黴くさし      阿部文彦

二点句

ママの手を引いておねだり子供の日    上野貴子

羊羹を五つに切りて子供の日       阿部文彦

菖蒲湯の剣の強さ時を越え        上野貴子

こどもの日ラジオいじる手皺深し     青山好男

卯の花腐しもう故郷に家も無く      龍野ひろし

一点句

卯の花腐し恐竜展に子ら集い       原田啓子

甚平着て堅固と顔に書いてみる      秋山正太

一日は卯の花腐しの旅路なり       阿部文彦

花を手に卯の花腐しの男坂        阿部文彦

卯の花腐し寺の白砂の痛きほど      龍野ひろし

ひ孫生まれ足をきゅーんと子供の日    水野幸子

友来訪卯の花腐しの合間みて       原田啓子

鳥二羽来卯の花腐し止む池に       原田啓子

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ 

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

受け継いだ父の歳時記黴くさし・・・・・三点句

 

夏の始まりに素敵な俳句ですね。お父様の顔が浮かぶような

優しい俳句が最高得点でした。厳しい猛暑が今年も来るかと思うとうんざりしますが涼し気でいい俳句からの始まりです。

(夏:5月~7月)

 

~~~今月の選評~~~

 

羊羹を五つに切りて子供の日

 

こどもの日の賑やかさ、また作句者のワクワクした嬉しさが伝わってきます。

羊羹もおいしそう!

 

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★夏・7月の兼題(6月末日〆切)

 

【卯の花腐し】【子どもの日】【黴】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

また、オンライン句会では毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。

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【今月のワンポイントレッスン】

 

ここでは「俳句の展開」として「なんちゃって俳句」と称して、何句か上げて考えてみましょう。

 

寝転んで大の字になる花の屋根・・・貴子

 

「花」は桜で春の季語です。全体に17文字上五中七下五とリズムも整った有季定型の句ですが、例句に上げたのは、上五が口語で始まっています。印象が現代の話言葉のイメージですね。そこでなんちゃって俳句としました。お花見の満開の花の下に陣取って寝転んだ時の句です。

 

笑って楽しく泣いたって楽しく・・・貴子

 

この句はまさになんちゃって俳句です。季語も無くリズムも定型ではありません。かろうじて全体で17文字ということで俳句です。川柳のようなイロニーやユーモアが先行するのではない心の十七文字なので、なんちゃって俳句としました。

やはり、作者の想いが主体でまとめている句は、これまでとは違う次世代俳句とでも言いましょうか、なんちゃって俳句になると考えています。

(会報令和七年五月号より 上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

夏の戦第一ステージは突出した点句がなく接戦のスタートになりました。この句会は兼題または当季雑詠の勝ち抜き戦です。夏の季語で投句をおねがいします。
そして、選句には感想を添えて下さるようお願いします。

(令和七年六月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会5月結果発表~

 

<大賞>

 15        鈴木 恵美子  五月晴風入れ語る襖絵に

 2点句>

 2          蒲池由美子    鍾馗様仏間で睨み家守る

 5          蒲池由美子    五月晴れサヨリを釣りに千葉の海

 12        鈴木恵美子    五月晴ローカル電車夢うつつ

 16        鈴木恵美子    初鰹浮世の風に乗ったまま

 38        太田悦子        マンシションの狭間に見ゆる皐月富士

 34   田辺 公子 復興も平和も託し流し雛

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

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2022年9月ネット句会

今月の投句(秋の戦第2ステージ)

 

1風まつり縦横無尽の空尽きる

2三年を三日三晩で風の盆

3傘外す乙女の袖を風の盆

4露の世に朝は来るのかウクライナ

5踏み台の石は動かず草の露

6胡弓弾く手もひらひらと風の盆

7子ら帰りがらんと庭の露けしや

8一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆

9夕露の降りて哀しき犬の声

10笠も手も向き同じうに風の盆

11東京の彼とおちあふ風の盆

12手を返す指うつくしき風の盆

13恋ひとつ失ひ終はる風の盆

14露けしや敷かれしままの廃線路

15露の世に生まれ消えゆくこの身かな

16露纏う蜘蛛の巣朝陽絡めとり

17リング抜く指しなやかに風の盆

18再見と車窓の露に太く書き

19弓震ふ夜の深さや風の盆

20花の露集め君描く絵の具溶く

21朝練の道の木立に露光る

22山峡のひとりの宿り窓の露

23窓開ける入社試験の朝の露

24俳聖の歩きし道や露置ける

25かなたより来たり寄り添う露の玉

26山小屋を発つ朝露に靴濡らし

27指妖し女踊りや風の盆

28編笠に顔を隠して風の盆

29もの悲し胡弓の調べ風の盆

30朝露や山の空気の透きとほる

31昨日より深き瀬音や風の盆

32風の盆左右で違ふイヤリング

33風の盆佳境の闇に胡弓の音

34牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝

35宵越しのぞめきに酔へる風の盆

36月一の院内散歩草の露

37風の盆吾も昭和の生き証人

38病院の内庭夜露ふつくりと

39庭に日の出朝露となる露ひとつ

40風の盆霊にしたがひ列をなす

41どの人の手にも朝顔入谷駅          

42蜩や遊び疲れし子の帰る   

43朝顔や町家二階の物干場          

44ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     

45蜩やハッカの香る湯を借りて      

46秋高し嬰の手足のよく動く          

47蜩や手拭い解く豆剣士        

48朝顔や藍一滴を拡げたり    

49蜩や早き夕餉の山の宿      

50蜩の音の届きたる夢の中       

51蜩やそろり海へと変わる風     

52蜩や千年なきてなきたらず

53朝顔や儚きいのち惜しむかに

54夕去ればひぐらし鳴けり宮の森

55朝顔にレトロ喫茶のある小道

56漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

57朝顔や生まれる前の夢の色

58蜩の声もつめ込むスマホかな

59朝顔に見送りされて無人駅

60紺したがへ白朝顔の凛と咲き

61朝風が起きろ起きろと牽牛花

62朝顔の紺の著けきたたみ皺

63蜩や姥捨て山の話聞き

64蜩やバス来るまでのBGM

65朝顔の見送り受けて郵便車

66越境も楽し隣の牽牛花

67じゃんけんで負け朝顔の水当番

 

 

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10月の兼題【秋晴】&【案山子】(9月30日〆切)

 

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【秋の戦8・9・10月】

 

★10月の兼題(9月30日〆切。)

 

【秋晴】

遠山まで見晴らすことができるほど、秋空の澄んで晴れ渡ることをいう。

傍題に秋日和。

 

【案山子】

竹藁などで人形をつくり、田畑の畔等に立てて鳥獣を脅すもの

傍題に捨案山子。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

  

  畳屋の肘が働く秋日和

             草間時彦

   案山子にも大志あるらん角帽子

                       三遊亭金遊

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9月号8月の結果(秋の戦)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森

朝顔にレトロ喫茶のある小道

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

秋高し嬰の手足のよく動く

 

 

<点盛りの結果>(秋の戦第1ステージ)

 

四点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

三点句

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

  

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LINE公式俳句大会7月結果発表~

 

<大賞>

 

6  さこたゆう  宿題はあさがおの観察と絵日記

 

2点句>

 

10 さこたゆう  ひぐらしと母が呼んでる「ごはんだよ」

33 橋詰 博   一斉に笑ふ向日葵村起こし

39 大倉 宏美  虫食いの青葉に思う命あり

54 鈴木 恵美子 朝顔や上へ上へと巻きたがる

 

 

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 ~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅・・・四点

 

朝顔市の風景ですね。朝早く買いに出かけたことを思い出します。

法被姿の女性もいて賑やかでした。まだまだ残暑が続きますが

早くも秋の戦の始まりです。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

秋高し嬰の手足のよく動く

 

秋の空という広々した空間から目を転じ、幼子の手足へと

視線の動きがある一句です。対比によって嬰児の持つ

可能性の大きさまで感じられます。

 

 

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★10月の兼題(9月末日〆切)

 

【秋晴】と【案山子】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ8月の頃の名句を見てみましょう。

 

荒海や佐渡によこたふ天河・・・芭蕉

 

この句は天河の句で秋の句です。八月は旧暦では秋となり、現代の暦でも八月になるとすぐに立秋が過ぎやはり暦の上では秋となります。初秋の空には星が美しいとされていて天の川もよく見えます。この句は新潟から佐渡を眺めて詠んだものですね。「や」が使われています。日本海の海の厳しさを強調されているのです。海と空の対比が広大な宇宙観を感じさせて自然の美しさが際立ちます。

 

秋涼し手毎にむけや瓜茄子・・・芭蕉

 

この句は「秋涼し」から始まりますから勿論秋の句ですね。「涼し」だけでは夏の季語ですが「秋」を付けて「瓜」や「茄子」の野菜を詠んでいます。季語としては季感のズレが生じてあまり整ってはいない句です。夏の句の様にも感じますが、そこを「秋」として、初秋を詠んでいるのです。夏野菜が熟して剝きやすいのかも知れませんね。

この句は資料では金沢での句ですので、茄子の品種が水ナスで、瑞々しいので剥きやすいのかも知れません。

「や」が中七にあり、切れ字の使い方では難しいと言われています。「や」は上五中七下五のどこにでも使える便利な切れ字です。芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようで、ここでは珍しく中七に使っています。どこか無理に整えた感がありますが金沢での宴の作と読みとれますね。

(令和四年九月 上野貴子)

  

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【ネット句会後記】

 秋の戦第一ステージが終了しましたが。そして、九月は秋の第二ステージの選句と第3ステージの投句です。兼題は秋晴と案山子を用意させて戴きました。親しみやすく詠みやすいと思いますので多数のご参加をお待ちしています。
投句されましたら是非、選句もお願いします。

(令和四年九月 辻 雅宏)

 

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2024年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦第3ステージ)

 

1銀輪を連ね少年四温かな

2黒板にいたづら書や四温晴

3白神のぶなの鼓動や四温晴

4華やかな口紅選び初鏡

5初鏡娘めかして紅をひく

6初鏡眼鏡をはずし髪束ね

7首元の衿をどうする三寒四温

8口紅を薄ら引いて初鏡

9夕暮れてまさかのニュース四温晴れ

10ソックスの厚さフカフカ三寒四温

11一病越え老い深し初鏡

12畳目も鮮やかなりし初鏡

13初鏡着物の袖で拭いたり

14城門の門松の先とがりけり

15堀の水櫓静謐初日の出

16八十年生きた跡あり初鏡

17またひとつ年取りにけり初鏡

18この部屋の奥まで映し初鏡

19風止んで三浦三崎の四温晴

20軒下に猫のまどろむ四温かな

21初化粧合わせ鏡に千の笑み

22三寒に朝ヨガ挫け四温待つ

23この獣どこに放つや初鏡

24四温晴れ優駿最後のバーを跳ぶ

25初化粧鏡の迷路彷徨いて

26男にも初鏡てふ今朝の夫

27来客を待たせて座る初鏡

28曲がり角立ち話する四温かな

29石像も戸惑う三寒四温かな

30なんのかのと出かけずじまいの四温かな

31注連縄と日の丸の家希有となり

32上唇に紅引く舞妓初鏡

33三寒の今日の用足し四温待つ

34十七音つながる友ら初句会

35初夢や朝の陽あびてひらひらと

36あらためて老いを知らされ初鏡

37どことなく面差し母に初鏡

38特養の母にほどこす初化粧

39三寒に疼き四温に和む膝

40鋤肩に畑へ向かふ四温晴

41身の丈を刻む柱や年送る       

42後悔を胸中に秘め年歩む       

43改札を行き交ふ人の息白し     

44駈け抜けて鼻息白し競走馬      

45訪ひて行く年想ふ蕪村の碑      

46行く年を帰省バスにて詠む一句    

47雨、雪にかわり音なく年行けり    

48おでかけのメイクの猫の息白し   

49行く年の駅に途切れぬ電子音     

50断捨離の捨と離を残し年逝けり    

51行く年のビル窓拭きの命綱      

52止まらない時は宇宙へ年果てる    

53行く年の大さん橋に巨船の灯     

54船溜まり客が降りくる冬日和     

55行く年や奥歯の二本抜けたまま

56舌先にキャラメル丸め息白し

57白息や白さを競う父子かな

58行く年の想いは果てしなく遠く

59魂を再び覚ます年極み

60行く年や竹馬の友を天に召し

61行く年や十字に括る新聞紙

62息白し山門出づる僧の列

63行く年を肴に並ぶ赤ら顔

64行く年を炬燵で妻と見送れり

65行く年の淋しき街を孫と行く

66行く年や残り少なき我が齢

67大股に試歩の?幅や息白し

68鹿の骸掘り上げ熊の目の悲し

69ぽかぽかな陽気勤労感謝の日

70羽拡げ白息吐きて愛叫ぶ

71Goal見え湧く白息を振り払ふ

72年流れ邪念渦巻く盆の窪

73白息に包まる君のさようなら

74夜空へと発つトナカイの息白し

75犬の名を呼べば枯葉の音連れて 

76箒目を追いかけるごと降る枯葉 

77突堤に釣り人並ぶ冬日和        

78転車台くるりと廻り冬麗        

79玻璃越しに光射し込む冬日和      

80子に頼むタイヤ交換冬日和       

81バスを待つ人の会話や冬日和      

82冬日和子猫に譲る一等地        

83鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      

84枯葉一片舞い込んで駐輪所       

85張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  

86城門を出でて枯葉に時を読む      

87細枝にしがみついてる枯葉かな     

88下り線席が空いてる冬日和       

89冬日和床屋の鋏軽やかに        

90冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    

91単音の孫のピアノや冬日向       

92滝糸を長く配して冬紅葉        

93枯葉積む廃線の跡日昇らむ       

94若き日の街夫と訪う冬日和       

95冬日和富士捉えたるファインダー   

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【春の戦2・3・4月】

★2月におすすめの兼題(1末日〆切。)

 

【梅】

春真っ先に咲く、香り、色、姿など古来より日本人に愛され親しまれている。

傍題に、野梅、白梅、紅梅、枝垂梅、飛梅、梅林、梅園など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   紅白に空を分かちて梅ひらく 高橋悦男

 

   モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ 日下野仁美

     

   なきがらの蜂に黄の縞黒の縞  橋本多佳子

 

 

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令和6年1月号12月の結果(冬の戦第2ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

おでかけのメイクの猫の息白し

行く年を帰省バスにて詠む一句

雨、雪にかわり音なく年行けり

箒目を追いかけるごと降る枯葉 

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

息白し山門出づる僧の列

行く年や奥歯の二本抜けたまま

止まらない時は宇宙へ年果てる

行く年や十字に括る新聞紙

行く年の大さん橋に巨船の灯

 

点盛りの結果

 

七点句

犬の名を呼べば枯葉の音連れて     龍野 ひろし

 

四点句

行く年や奥歯の二本抜けたまま     原田啓子

箒目を追いかけるごと降る枯葉     阿部 文彦

 

三点句

突堤に釣り人並ぶ冬日和        辻 雅宏

転車台くるりと廻り冬麗        水野 幸子

 

二点句 

行く年や十字に括る新聞紙       龍野 ひろし

息白し山門出づる僧の列        龍野 ひろし

おでかけのメイクの猫の息白し     辻 雅宏

冬日和床屋の鋏軽やかに        龍野 ひろし

玻璃越しに光射し込む冬日和      阿部 文彦

子に頼むタイヤ交換冬日和       辻 雅宏

バスを待つ人の会話や冬日和      阿部 文彦

冬日和子猫に譲る一等地        龍野 ひろし

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      龍野 ひろし

 

一点句

身の丈を刻む柱や年送る       原田啓子

後悔を胸中に秘め年歩む       上野貴子

改札を行き交ふ人の息白し      辻 雅宏

駈け抜けて鼻息白し競走馬      辻 雅宏

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑      原田啓子

行く年を帰省バスにて詠む一句    青山好男

雨、雪にかわり音なく年行けり    青山好男

行く年の駅に途切れぬ電子音     龍野 ひろし

断捨離の捨と離を残し年逝けり    辻 雅宏

行く年のビル窓拭きの命綱      龍野ひろし

止まらない時は宇宙へ年果てる    上野貴子

行く年の大さん橋に巨船の灯     龍野 ひろし

船溜まり客が降りくる冬日和      阿部 文彦

枯葉一片舞い込んで駐輪所       上野貴子

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  神長 誉夫

城門を出でて枯葉に時を読む      青山 好男

細枝にしがみついてる枯葉かな     辻 雅宏

下り線席が空いてる冬日和       上野貴子

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    神長 誉夫

単音の孫のピアノや冬日向       小林 ひろ

滝糸を長く配して冬紅葉        水野 幸子

枯葉積む廃線の跡日昇らむ       青山 好男

若き日の街夫と訪う冬日和       原田 啓子

冬日和富士捉えたるファインダー    龍野 ひろし

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

犬の名を呼べば枯葉の音連れて・・・7点

 

冬の戦ではこの句が断トツで勝ち取りました。今年はまさかの1日の能登半島大震災で幕開けでしたが、皆様はお元気ですか。お正月らしさを味わうどころか安否の確認からの年始めですが

どうにか今年の運気が上がりますように

竜神様にお祈りいたしましょう。

(冬:11月~1月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 

行く年のビル窓拭きの命綱

 

一年忙しかったオフィスビルでしょうか、そこにピーンと張った

命綱に支えられた窓ふきの清掃員のてきぱきとした様子が

目に浮かびました。年末らしい光景ですね。

 

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 【春の戦2・3・4月】

2月におすすめの兼題(1末日〆切。)

 【梅】

春真っ先に咲く、香り、色、姿など古来より日本人に愛され親しまれている。

傍題に、野梅、白梅、紅梅、枝垂梅、飛梅、梅林、梅園など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

【山笑ふ】【蜂】

他に、当季雑詠でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は種の浜の抄の句を見てみましょう。

 

波の間や小貝にまじる萩の塵・・・芭蕉

 

この句は、敦賀市色浜の句です。美しい浜の様子がよく解ります。同じ抄に源氏物語の須磨よりも美しい浜だと詠んだ芭蕉の句が書かれていますが、その浜に寄せ来る波に萩の花の花弁が塵のように浮かんでは消えてまた浮かんでは消えと波の泡のようだという句ですね。

ここで芭蕉が「奥の細道」の旅に出たのは、西行法師が歌に詠んだ歌枕を訪ねたいという目的があったのですが、この源氏物語の須磨の浜よりも美しい色浜で、「汐染むるますほの小貝拾ふとて色の浜とはいふにやあるらん」という和歌に詠んでいます。その「小貝」を芭蕉は、まさに、俳句に詠んだのです。

切れ字としては、上五の「や」が使われています。

これは、芭蕉が一番好み効果的だと云われている切れ字の使い方です。

3フレースのどこにも美しい言葉があり「波間」「小貝」「萩」と芭蕉がどこに視点を絞りたいかが切れ字の場所で解ります。こうした俳句では、切れ字が無くては焦点が解りづらいので「や」は効果的ですね。

古風な意味を持つ句なだけに、切れ字の有る無しを論ずるのは避けておきましょう。

(令和六年一月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

明けましておめでとうございます。冬の戦は三馬身リードして七点句が独走の様相です。今年から月ごとの兼題でなく、四季ごとの兼題で毎月詠んでいただくことにしました。2月からは春の戦に入ります。春の兼題3つを3か月間通して、毎月、投句ください。選評にもご協力ください。

それでは、ことしもネット句会への参加をよろしくお願い申し上げます。

(令和六年一月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会11月結果発表~

 

<大賞>

 さこたゆう やり遂げた自分に拍手年流る

 

2点句>

 

17 大西 文子 行年に戦禍の終わりただ祈る

18 大西 文子 行年は一年一年加速する

30 鈴木 恵美子 街並みはひと月早いクリスマス

33 大倉 宏美 早朝の横断歩道息白し

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

自由なオンライン句会はこちら
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2022年10月ネット句会

今月の投句(秋の戦最終ステージ)

 

1二人旅えっちら案山子の迷い道

2秋晴れや懐かしきものランドセル

3秋晴れや寂しさを未だ知らぬ児や

4秋晴れを行く道だれか呼ばれおり

5秋晴れや此の人生はマラソンだ

6捨かかし草でぬぐへる鎌二本

7捨案山子日本手拭ひ首に巻き

8村人の数より多き案山子かな

9秋晴や駆けだしさうにならぶ靴

10秋晴れて何処へも行かぬ靴を干す

11秋晴やドロップ缶のからからと

12鼻の穴広ぐる河馬や秋の晴

13秋晴や大きく見ゆる今朝の富士

14秋晴や犬のリードを長くして

15モンローの案山子雀を引寄せて

16朝の町小さく見えて秋晴れる

17天高くどこまでも続くハイウエー

18一葉忌見上げる空の月は欠け

19秋晴の午後に雀の群れの飛ぶ

20秋日和歴女声高し大手門

21秋晴れやカンバスの先天守閣

22山の田の案山子のの眼に映る秋

23坂道や捨つる案山子の重さかな

24棚田飛ぶドローン見上げて案山子立つ

25秋晴やバスに園児の弾む声

26秋日和帽子忘れて帰りけり

27秋晴の四方の空にも雲置かず

28直立で猟師姿の案山子かな

29休耕地案山子が納屋で欠伸せり

30秋晴や軽鴨親子無事川へ

31深山の一日木の実の落ちる音

32紫苑ゆる風の吹くまま竜飛崎

33雁の声を残して暮れなずむ

34種になるをしってか揺るる黄コスモス

35鷺穿つ湖面に溢るる秋日和

捨て案山子焼けば血色の焔立ち

36秋晴れや生きてりゃ濁りも傷もある

37穂の波を案山子の影がまた越えて

38秋晴れや戦う白衣高く干し

39秋晴やスマホのレンズに納まらず

40「太陽の塔」もひときわ秋晴れて

41秋晴や再出発はこんな日に

42かたぶいてへのへの揺れる案山子かな

43向かい合い声を掛け合う案山子かな

44秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅

45菊日和千代田区千代田一番地

46村興す案山子集ふやコンクール

47父祖の畑護る案山子の夫婦かな

48おまえもかお役御免に捨案山子

49どの人の手にも朝顔入谷駅          

50一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        

51朝顔や町家二階の物干場           

52秋高し嬰の手足のよく動く          

53山小屋を発つ朝露に靴濡らし         

54蜩や遊び疲れし子の帰る           

55ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     

56朝露や山の空気の透きとほる         

57弓震ふ夜の深さや風の盆           

58山峡のひとりの宿り窓の露          

59俳聖の歩きし道や露置ける          

60手を返す指うつくしき風の盆         

61牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        

62露けしや敷かれしままの廃線路        

63漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      

64朝顔や生まれる前の夢の色          

65越境も楽し隣の牽牛花            

66蜩やハッカの香る湯を借りて         

67蜩や手拭い解く豆剣士            

68朝顔や藍一滴を拡げたり           

69蜩や早き夕餉の山の宿            

70蜩の音の届きたる夢の中           

71露の世に生まれ消えゆくこの身かな      

72窓開ける入社試験の朝の露          

73踏み台の石は動かず草の露          

74月一の院内散歩草の露            

75かなたより来たり寄り添う露の玉       

76昨日より深き瀬音や風の盆          

77リング抜く指しなやかに風の盆        

78風の盆左右で違ふイヤリング         

79風の盆霊にしたがひ列をなす         

80蜩やそろり海へと変わる風          

81蜩や千年なきてなきたらず          

82朝顔や儚きいのち惜しむかに         

83夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        

84朝顔にレトロ喫茶のある小道         

85蜩の声もつめ込むスマホかな         

86朝顔に見送りされて無人駅          

87紺したがへ白朝顔の凛と咲き         

88朝風が起きろ起きろと牽牛花         

89朝顔の紺の著けきたたみ皺          

90蜩や姥捨て山の話聞き            

91蜩やバス来るまでのBGM          

92朝顔の見送り受けて郵便車          

93じゃんけんで負け朝顔の水当番        

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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11月の兼題【初時雨】&【一葉忌】(10月31日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【冬の戦11・12・1月】

★11月の兼題(10月31日〆切。)

 【初時雨】

その年の冬、初めて降る時雨のこと。いよいよ冬が来た感じが漂う。

 【一葉忌】

樋口一葉の忌日。明治十九年、十一月二十三日没。二十五歳であった。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

  

  旅先のビニール傘や初時雨

               堀之内和子

 

  縫ひ上げて歯で切る糸や一葉忌

                          岩城のり子

  

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 10月号9月の結果(秋の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 手を返す指うつくしき風の盆

山小屋を発つ朝露に靴濡らし

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

朝顔や生まれる前の夢の色

 

<点盛りの結果>(秋の戦第2ステージ)

 

六点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

四点句

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        原田啓子

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

 

三点句

山小屋を発つ朝露に靴濡らし         龍野博史

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

朝露や山の空気の透きとほる         龍野博史

弓震ふ夜の深さや風の盆           神長誉夫

山峡のひとりの宿り窓の露          青山好男

俳聖の歩きし道や露置ける          青山好男

手を返す指うつくしき風の盆         辻 雅宏

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        井上悦男

露けしや敷かれしままの廃線路        辻 雅宏

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

露の世に生まれ消えゆくこの身かな      辻 雅宏

窓開ける入社試験の朝の露          青山好男

踏み台の石は動かず草の露          上野貴子

月一の院内散歩草の露            山本佐和子

かなたより来たり寄り添う露の玉       青山好男

昨日より深き瀬音や風の盆          井上悦男

リング抜く指しなやかに風の盆        神長誉夫

風の盆左右で違ふイヤリング         井上悦男

風の盆霊にしたがひ列をなす         山本佐和子

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

 

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 <大賞>

 29 南出 千賀子 おわら祭燃え尽きるほど風踊る

 

2点句>

 6   濱野 洋子 露葎ひよつこり現れ北きつね

11 さこたゆう 初露を硯に受けて身を正す

16 出口 科野  公園の水面眩しい夏の午後

25 鈴木 恵美子 老若男女踊る踊りの風の盆

30 南出 千賀子 連打する下駄もわらじも風の盆

33 橋詰 博   秋立てば隣家のショパンピアニッシモ

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

             どの人の手にも朝顔入谷駅・・・六点

 朝顔市の風景の句が勝ち抜きました。今年はコロナ禍3度目の秋ですが、少しでもコロナ禍が和らぎ世の中が活気付いてほしいという願いを感じます。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆 

風の盆の町流しの様子を一歩ずつと動画になって読み手の心に沁みます。

  

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 ★11月の兼題(10月末日〆切)

 

【初時雨】と【一葉忌】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ秋の名句を見てみましょう。

 

石山の石より白し秋の風・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が那()()寺の石を詠んだ句ですが、この石山とは、紫式部が源氏物語を執筆されたと伝えられる近江の石山寺のことです。その石山寺の石の白さよりもこの那谷寺の石の白さは秋の風を一層清澄な気分にさせるものだと詠んでいます。切れ字は使われて無い句ですね。

 

山中や菊はたおらぬ湯の匂・・・芭蕉

 

この句は山中の温泉での句。「菊」が秋の季語となります。湯の匂いが不老長寿の効能がある菊の花の匂いのようで、有名な菊慈童のように菊を手折る必要はないほどだと詠んでいます。

切れ字「や」を上五に使い、山中の湯の素晴らしさを強調しています。感嘆の切れ字「や」は上五に置かれることの多い柔らかでありながらリズムのよいインパクトを表現しています。菊を詠んでいますから重陽の節供にまつわる言い伝えである菊慈童の菊の酒の伝説を踏まえての俳句ですね。菊慈童とは中国の穆王(ぼくおう)時代に王の枕を蹴った罪で流人とされるが菊の露を飲み700年も童の姿で生きながらえたと伝わる話です。江戸時代の芭蕉には温泉はそれくらいに疲れを癒してくれるものだったのですね。

(令和四年十月 上野貴子)

 

 

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【ネット句会後記】

 

秋の戦も第二ステージが終了し、最終ステージの選句となります。投句されたみなさんには是非、特選句のコメントをお願いします。そして、投句は冬の第一ステージです。

兼題は初時雨と一葉忌を用意させて戴きました。多くの方からの投句をお待ちしています。

(令和四年十月 辻 雅宏)

  

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2024年3月のネット句会

今月の投句(春の戦第2ステージ)

1紅白の靄るがごとき梅の園

2放牧の牛の反芻山笑ふ

3安曇野の堰の飛沫や山笑ふ

4光琳の見し紅梅を旅に吾も

5ズームする梅一輪の嬉しさを

6山笑い賑わい戻る日曜日

7メジロ来て何やら突く春の山

8私鉄駅下りれば梅の山笑う

9紅白の山は目出度く笑うほど

10石段を上る四方から山笑う

11白梅の庭冴え渡り三回忌

12梅の香や人影無き寺経響く

13梅園に笑う老若あんこ餅

14和歌の札道も進まず梅の園

15雲の下懐旧集う山笑う

16四阿に座れば四方の山笑う

17尋れば母住む里の山笑う

18山笑う家まばらなり道祖神

19屋根裏へ吸い込まれゆく雀蜂

20蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る

21さへずりの枝々に色こぼれけり

22桃の花を猫柳と・ガーベラに

23シマエナガ春の雫へホバリング

24流氷をこじ開け逃れシャチの群れ

25古雛娘が繕ろふて飾りけり

26縁側で刈られし白髪山笑ふ

27おさげ髪揺れて梅咲く径海へ

28蜂翔けて出でし大河のゆるりゆら

29やなものは嫌だと言えて梅の花

30老樹にも確かな脈音山笑ふ

31ニ窓に分かれてのどか山笑う

32乳母車風受け傾ぐ潮干潟

33娘の握るおにぎり二つ山笑う

34入院の延期の知らせ寒もどる

35リハビリの一歩一歩や山笑う

36運命や働き蜂と女王蜂

37通勤のひとあしお先春コート

38二十年余命を決めて山笑う

39春一番タクシー会話弾んでる

40耳成が笑へば畝傍香具笑ふ

41麓行く巡回バスや山笑ふ

42眠りから覚めて山山笑ひけり

43初孫に浮き立つこころ山笑ふ

44湖とふ五つの鏡富士笑ふ

45足踏みし窯出し待てば山笑ふ    

46梅一輪花瓶の中の故郷かな     

47外つ国にゐて待ちどほし梅便り   

48今年また開花早まる梅便り     

49離れ家に点る白梅星の影      

50道真を偲びて開く梅の花      

51咲き満ちて此の香此の色梅の花   

52蒼天や冬の桜木時を待つ      

53梅の香と一気に上へエレベーター  

54補聴器に風渡る音春立ちぬ     

55梅林に人影絶えて夜の風      

56ゆづりあい田浦の里の梅日和    

57門入れば白梅の香に迎えられ    

58捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    

59梅の花もの無き畑に色点じ     

60ポップコーン弾けるごとく梅開き  

61ホットティー今日か明日かと梅の花 

62東雲に星消え忘れ山笑ふ      

63山笑う孫の乳歯見つけたり     

64猟船の賑わうあたり初茜      

65LINEにて梅の咲き様尋ねけり  

66それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    

67支笏湖の水のきらめき山笑ふ    

68莟からいつしか香る梅の里     

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

【春の戦2・3・4月】

★4月におすすめの兼題(3月末日〆切。)

 

【蜂】

蜂の種類は多く、尻に毒のある針をもつ

傍題に、足長蜂、熊蜂、蜜蜂、女王蜂、雀蜂、蜂の子、蜂の巣など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

紅白に空を分かちて梅ひらく  高橋悦男

 

モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ   日下野仁美

     

なきがらの蜂に黄の縞黒の縞   橋本多佳子

 

 

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令和6年3月号2月の結果(春の戦第一ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

華やかな口紅選び初鏡

城門の門松の先とがりけり

風止んで三浦三崎の四温晴

どことなく面差し母に初鏡

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

 ~~<辻 雅宏選5句>~~

道真を偲びて開く梅の花

莟からいつしか香る梅の里

今年また開花早まる梅便り

蒼天や冬の桜木時を待つ

外つ国にゐて待ちどほし梅便り

  

点盛りの結果

 

四点句

足踏みし窯出し待てば山笑ふ    神長誉夫

 

三点句

梅一輪花瓶の中の故郷かな     青山好男

外つ国にゐて待ちどほし梅便り   原田啓子

 

二点句

今年また開花早まる梅便り     上野貴子

離れ家に点る白梅星の影      上野貴子

道真を偲びて開く梅の花      青山好男

咲き満ちて此の香此の色梅の花   辻 雅宏

蒼天や冬の桜木時を待つ      青山好男

梅の香と一気に上へエレベーター  原田啓子

補聴器に風渡る音春立ちぬ     原田啓子

梅林に人影絶えて夜の風      青山好男

ゆづりあい田浦の里の梅日和    阿部文彦

 

一点句

門入れば白梅の香に迎えられ    上野貴子

捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ    神長誉夫

梅の花もの無き畑に色点じ     青山好男

ポップコーン弾けるごとく梅開き  原田啓子

ホットティー今日か明日かと梅の花 小林ひろ

東雲に星消え忘れ山笑ふ      神長誉夫

山笑う孫の乳歯見つけたり     小林ひろ

猟船の賑わうあたり初茜      青山好男

LINEにて梅の咲き様尋ねけり  辻 雅宏

それぞれの蕾萌えそむ梅月夜    阿部文彦

支笏湖の水のきらめき山笑ふ    水野幸子

莟からいつしか香る梅の里     上野貴子

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

足踏みし窯出し待てば山笑ふ・・・4点

 

足踏みをして待ちきれない様子がユーモラスですね。春のうららかさと上手くマッチしていると思います。そろそろ春の花の季節なので次回からの句が楽しみです。

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

道真を偲びて開く梅の花

 

道真と梅の花は即くとも言われ、また、類句も多いが、それにしてもこの詠みはさらりとよどみない。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 

★4月の兼題(3月末日〆切)

 

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は最後のまとめです。

 

草の戸も住替る代ぞひなの家

蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ

 

始めの「序章」と最後の「大垣」の抄のどちらにも切れ字十八の「ぞ」が使われています。この「ぞ」は終助詞で強調させる感嘆の意味として使われていると考えます。ですから切れ字が無いとは言い難いのですが、代表的な3つの切れ字は使われていません。

 

あらたうと青葉若葉の日の光

 

この句は「日光」の抄の句です。切れ字が使われていない代表的な句です。季語に関しても「青葉若葉」と二つの季語を組み合わせて造語にして一つの言葉としていますので、季重なりとも言い切れません。日光の緑の美しさを強調しながら、江戸の徳川の威光を表現していると解釈され、「あらたうと」は「あら尊し」の意味で、「日光」の旧称「二荒(ふたあら)」に掛かり、昔の名から空海大使が「日光」と改めたことを句のなかに詠み込んでいます。印象深い名句です。

このように現代で切れ字と云われる「や」「かな」「けり」を使わない句にも名句は多く、芭蕉の時代に遡って考えてみても、切れ字の有る無しではなく、意味が切れているのかどうかという解釈の問題ですね。言葉の響きやリズムでは文語調になるため、現在の自分らしい句を詠むためにはことさら必要は無くなってきているようです。

(令和六年三月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

 

春の戦第一ステージは、四点句を筆頭に好句が並びました。そして、第2ステージでの選句と第3ステージの投句になります。自信の五句をお待ちしています。投句と選句をセットでお願いします。選評をされる方が少なく、是非、目に止まった句から一句 選評をお寄せください。

(令和六年三月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 

LINE公式俳句大会2月結果発表~

 

<大賞>

45 大倉 宏美 赤と白絵の具絞りて梅の花

 

2点句>

2   橋詰 博 梅日和友を誘いて隣町

11 奥平 雅子 啓蟄のしまい忘れの俳句の本

28 鈴木 恵美子 爪木崎岬に香る黄水仙

30 芒花 白梅の畑静かに時とどめ

32 芒花 枝垂れ梅つぼみ啄むジョウビタキ

37 米重 初枝 大将も後期高齢ちゃんちゃんこ

41 大西 文子 凍空の星の瞬き能登念(おも)

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

※1月が抜けましたことお詫びいたします。LINE公式俳句大会でご確認ください。
 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

自由なオンライン句会はこちら
https://onlinekukai.jimdofree.com