今月の投句(春の戦第2ステージ)
1紅白の靄るがごとき梅の園
2放牧の牛の反芻山笑ふ
3安曇野の堰の飛沫や山笑ふ
4光琳の見し紅梅を旅に吾も
5ズームする梅一輪の嬉しさを
6山笑い賑わい戻る日曜日
7メジロ来て何やら突く春の山
8私鉄駅下りれば梅の山笑う
9紅白の山は目出度く笑うほど
10石段を上る四方から山笑う
11白梅の庭冴え渡り三回忌
12梅の香や人影無き寺経響く
13梅園に笑う老若あんこ餅
14和歌の札道も進まず梅の園
15雲の下懐旧集う山笑う
16四阿に座れば四方の山笑う
17尋れば母住む里の山笑う
18山笑う家まばらなり道祖神
19屋根裏へ吸い込まれゆく雀蜂
20蜜蜂の花粉まみれで巣に戻る
21さへずりの枝々に色こぼれけり
22桃の花を猫柳と・ガーベラに
23シマエナガ春の雫へホバリング
24流氷をこじ開け逃れシャチの群れ
25古雛娘が繕ろふて飾りけり
26縁側で刈られし白髪山笑ふ
27おさげ髪揺れて梅咲く径海へ
28蜂翔けて出でし大河のゆるりゆら
29やなものは嫌だと言えて梅の花
30老樹にも確かな脈音山笑ふ
31ニ窓に分かれてのどか山笑う
32乳母車風受け傾ぐ潮干潟
33娘の握るおにぎり二つ山笑う
34入院の延期の知らせ寒もどる
35リハビリの一歩一歩や山笑う
36運命や働き蜂と女王蜂
37通勤のひとあしお先春コート
38二十年余命を決めて山笑う
39春一番タクシー会話弾んでる
40耳成が笑へば畝傍香具笑ふ
41麓行く巡回バスや山笑ふ
42眠りから覚めて山山笑ひけり
43初孫に浮き立つこころ山笑ふ
44湖とふ五つの鏡富士笑ふ
45足踏みし窯出し待てば山笑ふ
46梅一輪花瓶の中の故郷かな
47外つ国にゐて待ちどほし梅便り
48今年また開花早まる梅便り
49離れ家に点る白梅星の影
50道真を偲びて開く梅の花
51咲き満ちて此の香此の色梅の花
52蒼天や冬の桜木時を待つ
53梅の香と一気に上へエレベーター
54補聴器に風渡る音春立ちぬ
55梅林に人影絶えて夜の風
56ゆづりあい田浦の里の梅日和
57門入れば白梅の香に迎えられ
58捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ
59梅の花もの無き畑に色点じ
60ポップコーン弾けるごとく梅開き
61ホットティー今日か明日かと梅の花
62東雲に星消え忘れ山笑ふ
63山笑う孫の乳歯見つけたり
64猟船の賑わうあたり初茜
65LINEにて梅の咲き様尋ねけり
66それぞれの蕾萌えそむ梅月夜
67支笏湖の水のきらめき山笑ふ
68莟からいつしか香る梅の里
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)
【梅】【山笑ふ】【蜂】
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
【春の戦2・3・4月】
★4月におすすめの兼題(3月末日〆切。)
【蜂】
蜂の種類は多く、尻に毒のある針をもつ
傍題に、足長蜂、熊蜂、蜜蜂、女王蜂、雀蜂、蜂の子、蜂の巣など
※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。
<先句に学ぶ>
紅白に空を分かちて梅ひらく 高橋悦男
モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ 日下野仁美
なきがらの蜂に黄の縞黒の縞 橋本多佳子
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令和6年3月号2月の結果(春の戦第一ステージ)
~~<主宰上野貴子選5句>~~
華やかな口紅選び初鏡
城門の門松の先とがりけり
風止んで三浦三崎の四温晴
どことなく面差し母に初鏡
訪ひて行く年想ふ蕪村の碑
~~<辻 雅宏選5句>~~
道真を偲びて開く梅の花
莟からいつしか香る梅の里
今年また開花早まる梅便り
蒼天や冬の桜木時を待つ
外つ国にゐて待ちどほし梅便り
点盛りの結果
四点句
足踏みし窯出し待てば山笑ふ 神長誉夫
三点句
梅一輪花瓶の中の故郷かな 青山好男
外つ国にゐて待ちどほし梅便り 原田啓子
二点句
今年また開花早まる梅便り 上野貴子
離れ家に点る白梅星の影 上野貴子
道真を偲びて開く梅の花 青山好男
咲き満ちて此の香此の色梅の花 辻 雅宏
蒼天や冬の桜木時を待つ 青山好男
梅の香と一気に上へエレベーター 原田啓子
補聴器に風渡る音春立ちぬ 原田啓子
梅林に人影絶えて夜の風 青山好男
ゆづりあい田浦の里の梅日和 阿部文彦
一点句
門入れば白梅の香に迎えられ 上野貴子
捨て仔犬初めて振る尾山笑ふ 神長誉夫
梅の花もの無き畑に色点じ 青山好男
ポップコーン弾けるごとく梅開き 原田啓子
ホットティー今日か明日かと梅の花 小林ひろ
東雲に星消え忘れ山笑ふ 神長誉夫
山笑う孫の乳歯見つけたり 小林ひろ
猟船の賑わうあたり初茜 青山好男
LINEにて梅の咲き様尋ねけり 辻 雅宏
それぞれの蕾萌えそむ梅月夜 阿部文彦
支笏湖の水のきらめき山笑ふ 水野幸子
莟からいつしか香る梅の里 上野貴子
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ
※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。
~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~
足踏みし窯出し待てば山笑ふ・・・4点
足踏みをして待ちきれない様子がユーモラスですね。春のうららかさと上手くマッチしていると思います。そろそろ春の花の季節なので次回からの句が楽しみです。
(春:2月~4月)
~~~今月の選評~~~
道真を偲びて開く梅の花
道真と梅の花は即くとも言われ、また、類句も多いが、それにしてもこの詠みはさらりとよどみない。
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/
★4月の兼題(3月末日〆切)
【梅】【山笑ふ】【蜂】
※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。
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【今月のワンポイントレッスン】
「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は最後のまとめです。
草の戸も住替る代ぞひなの家
蛤のふたみにわかれ行く秋ぞ
始めの「序章」と最後の「大垣」の抄のどちらにも切れ字十八の「ぞ」が使われています。この「ぞ」は終助詞で強調させる感嘆の意味として使われていると考えます。ですから切れ字が無いとは言い難いのですが、代表的な3つの切れ字は使われていません。
あらたうと青葉若葉の日の光
この句は「日光」の抄の句です。切れ字が使われていない代表的な句です。季語に関しても「青葉若葉」と二つの季語を組み合わせて造語にして一つの言葉としていますので、季重なりとも言い切れません。日光の緑の美しさを強調しながら、江戸の徳川の威光を表現していると解釈され、「あらたうと」は「あら尊し」の意味で、「日光」の旧称「二荒(ふたあら)」に掛かり、昔の名から空海大使が「日光」と改めたことを句のなかに詠み込んでいます。印象深い名句です。
このように現代で切れ字と云われる「や」「かな」「けり」を使わない句にも名句は多く、芭蕉の時代に遡って考えてみても、切れ字の有る無しではなく、意味が切れているのかどうかという解釈の問題ですね。言葉の響きやリズムでは文語調になるため、現在の自分らしい句を詠むためにはことさら必要は無くなってきているようです。
(令和六年三月号より 上野貴子)
「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら
https://nbsacademy.jimdofree.com/
【ネット句会後記】
春の戦第一ステージは、四点句を筆頭に好句が並びました。そして、第2ステージでの選句と第3ステージの投句になります。自信の五句をお待ちしています。投句と選句をセットでお願いします。選評をされる方が少なく、是非、目に止まった句から一句 選評をお寄せください。
(令和六年三月 辻 雅宏)
★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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~LINE公式俳句大会2月結果発表~
<大賞>
45 大倉 宏美 赤と白絵の具絞りて梅の花
<2点句>
2 橋詰 博 梅日和友を誘いて隣町
11 奥平 雅子 啓蟄のしまい忘れの俳句の本
28 鈴木 恵美子 爪木崎岬に香る黄水仙
30 芒花 白梅の畑静かに時とどめ
32 芒花 枝垂れ梅つぼみ啄むジョウビタキ
37 米重 初枝 大将も後期高齢ちゃんちゃんこ
41 大西 文子 凍空の星の瞬き能登念(おも)う
この他の結果はLINEよりご覧ください。
※1月が抜けましたことお詫びいたします。LINE公式俳句大会でご確認ください。
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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。
自由なオンライン句会はこちら
https://onlinekukai.jimdofree.com