2022年5月ネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

1女王も悪魔もありて薔薇の園

2薔薇の香や入園券を買う列に

3器にもこだわりありし衣更

4衣更子のたのもしきふくらはぎ

5もの言える国こそ良けれ薔薇の花

6物憂げな薔薇に振り出す雨の粒

7衣更真っ新な心地で町へ

8いつかまた蔓薔薇の家友の家

9咲く家の主は知らず薔薇の道

10西洋のガーデン真似て薔薇一鉢

11衣更ふ妻の手細きそっと見る

12薔薇かほる若きランナー深き息

13白薔薇や佳きひと眠るカセドラル

14薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな

15母の日や「写真の人」となりし母

16庭師には嘘はつかない薔薇の花

17薔薇の門くぐり主役の仕草せり

18ポケットの財布移して衣更

19船の旅終えて独りの衣更

20家中の窓開け放し衣更

21母の日の大輪の花束空におく

22ベビー服薄手にしたる衣更

23あめんぼにスケーターワルツながれけり

24オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり

25ジカリヨンの鐘に零るる薔薇の露

26薔薇散れりひとひらごとの影もまた

27薔薇の傷触れし唇濡れた赤

28氷刃をあてがふ薔薇の凛として

29薔薇の雨去りゆく影の透きとほる

30ジャガイモの花の中より斜里そびゆ

31旧友に会えたような日更衣 

32更衣へて一段飛ばしの歩道橋

33長き名の薔薇に手書きの名札つけ

34薔薇散るや一寸法師の舟となり

35薔薇の香に途切れ途切れの読書かな

36更衣あれこれ訊かれ三面鏡

37更衣白一団の今朝の駅

38マネキンの肌もあらはに更衣

39薔薇よ薔薇王家の名前つけられて

40薔薇の門くぐり祝ふや婚の客

41蘇る母の味付け木の芽和え

42狭き空ビルの谷間も余花残花

43狂ほしき風の形の雪柳

44ふがいなき傷を負ひたる恋の猫

45燕来る高速道の高架下

  

 

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 月の兼題【短夜】【夏帽子】(5月31日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【夏の戦5・6・7月】

 ★6月の兼題(5月31日〆切。)

【短夜】

その短さ、はかなさを惜しむ気持ちを重ねて夏の夜を呼んだのが短夜という季語です。
傍題に、明易し。

【夏帽子】

夏にかぶる帽子の総称。
傍題に、麦藁帽、パナマ帽、カンカン帽など。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

    短夜のあけゆく水の匂ひかな 

              久保田万太郎

      銀座には銀座のセンス夏帽子

                  松本青風

 

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5月号4月の結果(春の戦第3ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

遅き日のたてぶえ響く通学路

在庫なし遅日の書店めぐる旅

花冷えを描く老爺のベレー帽

ひもすがら上野公園花の冷え

雛飾る母娘三代昼下がり

 

<点盛りの結果>

 

九点句

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像   龍野ひろし

  

六点句

赤子はやはじめの一歩水温む   井上悦男

 

五点句

枕木を数えてわたる雪解風    原田啓子

 

四点句

戸口より笑ひこぼるる雛の家   青山好男

 

三点句

花冷ゆるコーンポタージュの舌ざわり   小南彩乃

椿落つ上り電車の始発駅     井上悦男

雪解けて吾子の靴下現るる    阿部文彦

轟々と光広ぐる雪解川      龍野ひろし

連覇への襷を晒す雪解川     神永誉夫

余寒なほ体育館の保護者会    辻 雅宏

 

二点句

花冷えを描く老爺のベレー帽   青山好男

鎌倉へ母を連れだす遅日かな   阿部文彦

遅き日のたてぶえ響く通学路   山本佐和子

花冷えや夜へと急ぐ貨車の群れ  神永誉夫

盆栽の鋏の音や遅日なる     阿部文彦

枝と枝重なる影や夕長し     青山好男

顔洗ふ無骨なる手に水温む    辻 雅宏

雛飾る母娘三代昼下がり     青山好男

水温む鍵の振れゐるランドセル  井上悦男

さびしくて鈴転がして鳴く子猫  水野幸子

落椿拾い集めて手水鉢      野里 安のり

紅つばき模したるみやび京和菓子 井上悦男

廃屋を護りて咲くや藪椿     阿部文彦

箱出でて頬の冷たき女雛かな   青山好男

椿落つ猫驚きて尾を立てり    辻 雅宏

ふる里の無人の駅の余寒かな   阿部文彦

余寒とて美しき言葉やビル狭間  井上悦男

雪解河わたる客車に人は無く   青山好男

友禅を透かし雪どけ水ながる   青山好男

駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ    水野幸子

雪解水ふわり越え来る転校生   神永誉夫

霊山の嶺より落つる雪解水    辻 雅宏

 

一点句

花冷えや児を抱く手が銃掴む   神永誉夫

柵越しに馬と目の合う遅日かな  原田啓子

在庫なし遅日の書店めぐる旅   小南彩乃

ひもすがら上野公園花の冷え   辻 雅宏

花冷や行き着く先の海の青    井上悦男

キャンドルに影濃き祈り花の冷え 神永誉夫

チョッキ着た犬も小走り花の冷え 辻 雅宏

この星の戦い憂ふ花の冷     井上悦男

花冷えや紅茶にミルクの乱れ雲  神永誉夫

蔵町に鐘の音ひびく遅日かな   阿部文彦

暮遅し猫の窓辺に長く居り    小南彩乃

耳朶にピアスの悔いや花の冷え  神永誉夫

白米の炊けてキッチン暮れ兼ねる 上野貴子

花冷えの町を救急車が走る    上野貴子

ベランダに紫煙くゆらす花の冷え 阿部文彦

一日を大事に大事に椿咲く    原田啓子

泣きたくて泣けぬ夜道の白椿   上野貴子

蓮池の鯉の揺らぎや水温む    水野幸子

五日ほどジョギング休み水温む  阿部文彦

友禅を透かし雪どけ水ながる   青山好男

よく見れば玄関脇に雪間草    野里 安のり

椿落つ小川の水に日の反射    井上悦男

三味線の指しなやかに水温む   原田啓子

立春の大雪山の光かな      水野幸子

仏間までピンクの香りヒヤシンス 水野幸子

地震に覚め支度の時の余寒かな  阿部文彦

雪解川往くに存分なる日差し   山本佐和子

雪解川所々に鄙びた草浸る    山本佐和子

野仏の欠けし目鼻や余寒なほ   龍野ひろし

寸借の厠に残る寒さかな     辻 雅宏

冷えきったサンドイッチの余寒かな 山本佐和子

屋根よりの雪解のしずく早鐘に  水野幸子

余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり 井上悦男

触れ合う手ともに冷たき余寒かな 青山好男

雪解けの声に赤鬼面忘れ     上野貴子

せせらぎの調べ軽やか雪解水   井上悦男

 

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~LINE公式俳句大会4月結果発表~

 大賞 さこたゆう   白薔薇が好き壺にたっぷり活ける

 2点句 

さこたゆう   髪束ねパステルカラーに衣更

濱野 洋子   ブラウスに いつぱいの風更衣

 1点句 

さこたゆう  野茨の角曲がる家へようこそ

      ドライのバラライブの記念に残す

橋詰博    衣更決めて口笛高らかに   

       マネキンの衣更え終えポーカーフェイス

富岡 眞奈      一面の 綿毛蹴り蹴り 散歩する

デビ愛染   花のしべ 雨粒たたえ 咲き誇る

大倉 宏美  衣更早歩きして清々し

南出千賀子  衣更えその手進まぬ母思う

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

      余寒なほ眉間に皺の阿修羅像・・・九点     

 とうとう逃げ切られてしまいました。今年は厳しい春ですね。寒暖の差が激しい季節には厳しい顔の阿修羅像の句が高得点を取りました。この後の夏は今年もきっと猛暑ですね。
(春:2月~4月)

  

~~~今月の選評~~~

 花冷えや児を抱く手が銃掴む

 何句かウクライナ情勢を詠んでいる句がありましたが、この句は
まさに国境で家族との別れ、妻子はポーランドへ夫は戦場へと、
臨場感があり詠み手の心の様が手に取るようにわかります。
ウクライナに平和が早く訪れますように、
家族の再会をいのっています。

 

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月の兼題(5月末日〆切)

 【短夜】【夏帽子】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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【今月のワンポイントレッスン】 

2022年「おしゃべりHAIKUの会」会報5月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は私が手術入院という緊急事態となってしまったことに因んで、曽良が病のために先に帰ることになる別れの無念さを詠んだ句を見てみましょう。

 行き行きてたふれ伏とも萩の原・・・曽良

 この先、師と別れての一人旅の途中でたとえ行倒れてしまおうともそこが萩咲く野でありたいという思いの句です。昔の人は厳しい旅を続けることへの覚悟が現代では考えられないほどのものだったのですね。

 今日よりや書付消さん笠の露・・・芭蕉

 芭蕉が曽良の句に「予も又」と書いた句です。今日からは、もう笠に書いた「同行二人」という文字も露で消してしまおう。という一人旅への覚悟が書かれています。病の為とは言えやはり別れは辛いものですね。ましてや旅先では、不安が多いものです。

始めの句には「切れ字」はありません。575のリズムは整っていますから違和感の無い俳句ですね。

芭蕉の句は上五に「や」があります。これは上五の「けふよりや」と文語調では表記されることで「きょう」という現代読みと同じ五文字となります。「ちょう」が「てふ」と文語調では表記されることと同じですね。ですからこの句も整った句となります。

「や」という切れ字は芭蕉が多く使う切れ字です。ここでは、今日の今からという切ない別れの瞬間を惜しんでいることがよく解ります。

芭蕉の時代には自然な作句法だったのでしょう。「や」の柔らかな音調が効いています。

(令和4年5月上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より
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【ネット句会後記】

春の戦は9点句の独走で終わりました。5月となり初夏に入りました。すごしやすい気持ちのいい季節です。夏の第1ステージには兼題「更衣、薔薇」に40句が寄せられました。特選には選評も添えて下さるようお願いします。そして、6月の兼題にも奮って投句下さるようお待ちしています。

(令和四年五月 辻 雅宏)

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2023年8月ネット句会

今月の投句(秋の戦第1ステージ)

1新宿の空を広げし稲光

2富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

3稲妻の眼裏に残る軌跡かな

4稲妻やひかりの走る山湖かな

5稲妻や天の重心傾けて

6名瀑をさらに濡らして稲光

7葉を金箔に変えて一閃稲光

8また今度いつものセリフ墓参り

9踏みしめる細き山道墓参り

10外堀に亀平泳ぎ夏は来ぬ

11ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ

12稲妻や川の氾濫大写し

13稲妻やツァラトストラの語りそむ

14本尊の空位を晒す稲光

15墓参り掃除の下手な子でごめん

16稲妻や叱る事なき子と竦み

17モカの香や海に稲妻五本立つ

18稲妻を眺む吾の背に夫の声

19稲妻や空にも夜光虫住むという

20稲妻にルガーノの街一変す

21庭の花父母に手向ける墓参かな

22香煙の低く哀しき雨墓参

23ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿

24天空の闇を稲妻ほしいまま

25稲妻や竿を納むる太公望

26若き日の蹉跌を詫びる墓参かな

27父の歳越えて悔悟の墓参り

 

  

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9月の兼題【二百十日】&【草の花】(8月末日〆切)

 

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【秋の戦8・9・10月】

 

★9月の兼題(8月末日〆切。)

 

【二百十日】

立春から二百十日目で、九月一、二日に当たる。

傍題に、厄日。

 

【草の花】

秋の名のある草、名もない草の花のことである。

傍題に、百草の花、千草の花。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   手紙には書かねど二百十日かな

                 黒田杏子

 

   本名は頓とわからず草の花

               夏目漱石

 

 

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令和5年8月号7月の結果(夏の戦第3ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

夕立の甍を叩く寺の町

髪洗う水音清し夜の星

ががんぼや「あなたはいいね」「ほっとする」

ほうたるを蚊帳に放して闇分かつ

白雨去りいぶし瓦の底光り

  

六点句

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋       龍野ひろし

 

五点句

葉桜の中をゆるりと車椅子       阿部文彦

バイオリンの弓締め直す昼薄暑     原田啓子

 

四点句

葉桜の蔭に川瀬の水光る        上野貴子

サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ   龍野ひろし

 

三点句

葉桜に透ける光を仰ぎけり       龍野ひろし

葉桜の中に奏でる瀬音かな       阿部文彦

白雨去りいぶし瓦の底光り       神長誉夫

葉桜の隙間を埋むる空の青       辻 雅宏

二階より豆腐屋止むる夕薄暑      辻 雅宏

 

二点句 

髪洗う湯殿を包む夜の闇        青山好男様

無骨なる指もて妻の髪洗ふ       辻 雅宏

夕立の甍を叩く寺の町         龍野ひろし

洗い髪夜風に吹かれ回り道       水野幸子

大夕立街の火照りを覚ましけり     龍野ひろし

テンポあげトタン叩くや大夕立     龍野ひろし

熊野古道霊気ただよふ木下闇      辻 雅宏

薫風や舳先に猫の座りおり       原田啓子

貝塚の層は幾重や風薫る        龍野ひろし

軋み行くトロッコ列車や風薫る     神長誉夫

故里を遠望の丘風薫る         辻 雅宏

配達を終へし自転車夕薄暑       龍野ひろし

葉桜や詰襟開く初年生         神長誉夫

人影も絶えて堤の花は葉に       辻 雅宏

 

一点句

雨上がり白雨の影を風が追う      上野貴子

髪洗う水音清し夜の星         青山好男

ががんぼや「あなたはいいね」「ほっとする」水野幸子

ほうたるを蚊帳に放して闇分かつ    水野幸子

夕立の歩道に泡の立ちにけり      阿部文彦

旅人の風に梳かるる洗い髪       阿部文彦

夕立ち止みストーンヘンジの巨石かな  原田啓子

天窓にさす光なお髪洗う        原田啓子

夕立や音立て入る部屋暗し       青山好男

薄明やメデューサ髪を洗ふ影      神長誉夫

束ね髪解きて少女は髪洗ふ       龍野ひろし

テンポあげトタン叩くや大夕立     龍野ひろし

講演を明日に控えて髪洗う       阿部文彦

あてもなく風に誘われ夏木立      上野貴子

せせらぎの音生き生きと木下闇     阿部文彦

伊勢湾へ木曽揖斐長良風薫る      辻 雅宏

子供らの謎なぞ遊び木下闇       龍野ひろし

風に折れし牡丹三本供花とす      水野幸子

サッカーの球フワと浮き風薫る     原田啓子

嬰泣きし涙なぞりて夏の風       水野幸子

みどり児の笑窪くっきり木下闇     水野幸子

暗いほど外明るくて木下闇       原田啓子

けん玉で遊ぶ子たちや風薫る      阿部文彦

猫の駆るバス停ありし木下闇      原田啓子

作句する語彙の貧しき薄暑かな     阿部文彦

葉桜を描くキャンバス青き空      青山好男

娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり    水野幸子

葉桜の梢へ伸びる緑かな        原田啓子

地下街を出でて地上の街薄暑      辻 雅宏

葉桜やケルンに注ぐジン香る      神長誉夫

老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな       青山好男

葉桜や嬰は保育園なれた頃       水野幸子

 

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋・・・6点

 

夏の最終戦です。とうとう6点句が勝ち抜きました。

夏は句材が多い季節ですが、最近は暑すぎる猛暑のためか

意外に苦戦でした。古風な下町情緒の句が最高点を取りましたね。

次回はもう秋の戦となります。残暑が厳しい季節ですが

どんな句が集まるかお楽しみに。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

夕立ち止みストーンヘンジの巨石かな

 

夕立の後のみずみずしい広大な荒野が目に浮かぶとともに、長い歴史の積み重ねを経た巨石群を目前にして、人間の卑小や生命の一瞬性を想い、自然に対して敬虔な気持ちにさせられる。

 

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★9月の兼題(8月末日〆切)

 

【二百十日】&【草の花】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

只今準備中

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は最上川を日本海へ下り酒田の湊での句を見てみましょう。

 

暑き日を海に入れたり最上川・・・芭蕉

 

「奥の細道」の中で日本海へ下り河口での句となります。悠々と流れる最上川が暑い一日を海へ流し込んでしまい河口付近は涼しくなったという意味の句です。

この句の前後には、芭蕉が得意とする切れ字「や」が多く使われていますが、この句には特に代表的な切れ字は見当たりません。文語調では「たり」がありますが、形容動詞の終止形となりここで句の切れを感じます。下五に名詞止を持って来て上手くまとめています。この後に芭蕉は象潟へ向かいます。芭蕉にとっては象潟はこの「奥の細道」の旅の中で大きな目的地のひとつでした。象潟の抄では、「松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし」という名文を残しています。太平洋と日本海のイメージの違いをまさに見事に言い表わしています。広くおおらかな太平洋と厳しく陰鬱な日本海の同じ海でありながらまったく別の顔を持つ美しさですね。天候が定まらないと今も昔も人の心はどこか陰鬱な恨み節を思わせるものなのですね。コロナ禍の不安定さと天候不順が合いまった現代に通じるものを感じます。

(令和五年七月号より 上野貴子)

 

 

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【ネット句会後記】

 

夏の戦が六点句をトップに終わりました。俳句の八月は秋だそうですが、この猛暑からは実感できませんね。秋の戦第一ステージの始まりです。

投句と選句をセットにして参加下さい。選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年八月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会6月結果発表~

 

<大賞>

 

25 米重 初枝 あの雲の下は夕立君の駅

 

2点句>

 

17 濱野 洋子 抽斗の古びた名簿麦の秋

18 さこたゆう 夕立が洗い流した一ページ

30 鈴木 恵美子 田植え終え水に映るは空のあお

46 大倉 宏美 気がつけば読みふける間に夕立や

 

 

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2022年6月ネット句会

今月の投句(夏の戦第2ステージ)

1寝つかれぬ旅の枕や明易し

2没頭の徹夜麻雀明早し

3能登に泊つランプの宿の明易し

4夏帽の改札抜ける海の駅

5九十の伯母輝くや夏帽子

6短夜のヒールの音や石畳 

7天窓の短夜蒼き空のまま

8竿さしてパナマ帽行く運河かな 

9夏帽に飛行機雲の白さかな 

10立ち止まる人話す人夏帽子 

11短夜にスネアが跳ねて弦が追ふ

12しなやかに人混み抜けて夏帽子

13短夜を舐るネオンの熱き舌

14寝顔秘す大小四つの夏帽子

15短夜じゃ濡れた唇乾かない

16青空に曽孫の花柄夏帽子

17明けやすし住職の打つ寺の鐘

18美しきフランス料理蝸牛

19草を抜く手にひらきけり夏の蝶

20発車ベルホーム彩る夏帽子

21突堤に釣り糸垂らす麦藁帽

22観光のパスが吐き出す夏帽子

23短夜や北へ北へと貨車がゆく

24短夜や机上に積みしままの古書

25畦道に葬列白きパナマ帽

26街の色連れ帰りたりパナマ帽

27古机亡父のにおう麦藁帽

28遠き日や紐ちぎれたる麦藁帽

29短夜や浪にただよう孤舟かな

30夏帽子いつか写真のあの町へ

31捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽

32夏帽子やっとお外で子等の声

33短夜のラジオの歌の懐かしく

34短夜のジグソーパズル終わらずに

35母の忌は母の好みし新茶汲む

36お握りの形いびつに豆の飯

37鳴く猫の声をかき消す夏嵐

38武蔵野は薔薇満つ百花風の路

39若返る色を纏ひし更衣

40追ひついて二つとなりし夏帽子

41短夜や老爺ひとりで目刺し焼く

42夏帽子ブルースは熟年の曲

43日の当たる坂に紫紺の夏帽子

44短夜や沖ゆく船の灯の遅速

45短夜のドライヤー急くこともなく

46短夜の深きに沈むレトロチカ

47夏帽子つばの先向く水平線

48親切に過ぎる叔母の屋薔薇の角

49住処より遠き公園薔薇に雨

50女王も悪魔もありて薔薇の園         

51長き名の薔薇に手書きの名札つけ       

52もの言える国こそ良けれ薔薇の花       

53母の日や「写真の人」となりし母       

54母の日の大輪の花束空におく         

55薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      

56更衣へて一段飛ばしの歩道橋         

57家中の窓開け放し衣更            

58咲く家の主は知らず薔薇の道         

59マネキンの肌もあらはに更衣         

60薔薇散れりひとひらごとの影もまた      

61オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     

62薔薇散るや一寸法師の舟となり        

63衣更子のたのもしきふくらはぎ        

64薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        

65薔薇の門くぐり主役の仕草せり        

66いつかまた蔓薔薇の家友の家         

67ポケットの財布移して衣更          

68更衣あれこれ訊かれ三面鏡          

69薔薇の香や入園券を買う列に         

70白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

月の兼題【滝】【金魚】(6月30日〆切)

 

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【夏の戦5・6・7月】

 

★7月の兼題(6月30日〆切。)

 【滝】

雄大な滝も小さな滝も、眺めてそれぞれに清涼感があるものです。
傍題に、瀑布、滝壺、夫婦滝、滝見茶屋など。

 【金魚】

養殖されて鑑賞用で、紅、白、黒など色、形とも種類が多い。
傍題に、和金、琉金、出目金など。金魚売、金魚鉢は別の兼題になります。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   滝落ちて群青世界とどろけり
              水原秋櫻子 

  金魚浮き時を吸ひては泡を吐く
              西東三鬼

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 6月号5月の結果(夏の戦第1ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 女王も悪魔もありて薔薇の園

もの言える国こそ良けれ薔薇の花

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり

長き名の薔薇に手書きの名札つけ

薔薇散るや一寸法師の舟となり

  

<点盛りの結果>

 

四点句

女王も悪魔もありて薔薇の園        井上悦男

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

 

三点句

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

 

二点句

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

 

一点句

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

  

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~LINE公式俳句大会5月結果発表~

 

大賞 南出 千賀子 旧友と酌み交わす(くみかわす)夜の明け早し

 

2点句

  橋詰 博    村工場訪ねて香る一番茶

  鈴木 恵美子  雨ふふむ命の芽生え葉桜に

                    豆ご飯小指で試す塩加減  

 

1点句

   さこたゆう   太陽をはねのけ白い夏帽子

                  ページ繰る夏の夜(よ)短し時計鳴る

                  幼子の麦わら帽子赤リボン

    濱野 洋子         灯台の風に手を添へ夏帽子

   南出 千賀子     衿足しにUV帽子のつば翳り

    橋詰 博            破天荒竿から逃げた鯉のぼり

    大倉 宏美     夏帽子水玉模様にてんと虫

                      夏帽子虫取りの子の網模様

    じゅんこ     やわき髪ふわりミルクと汗香る  

 鈴木 恵美子    人知れず古刹静まり若葉風

   Keiko     明易し句集のあたりへ手を伸ばし

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

女王も悪魔もありて薔薇の園・・・四点

長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・四点

 

今月から夏の戦が始まります。まずは薔薇の句が2句同点ですね。これからどんな句が迫って来るか楽しみです。

(夏:5月~7月) 

 

~~~今月の選評~~~ 

母の日や「写真の人」となりし母 

写真の人となった母は昨年のことであろう。そう思えばこの句は

しみじみと響いてきます。 

 

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★7月の兼題(6月末日〆切)

 【滝】【金魚】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が呼んだ初夏の名句を見てみましょう。 

あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉 

日光での名句ですね。「青葉若葉」と季語を重ねてひとつの季語として、緑が光輝き美しいことを詠み、新しくなった東照宮を讃頌しています。この句には切れ字は見当たりません。斬新な季語がこの句を印象的にしています。 

木啄も庵はやぶらず夏木立・・・芭蕉 

この夏の句にも切れ字がありません。「夏木立」の仏頂和尚の隠居後を訪て詠んだ句ですが、雨風をしのいだ庵の後が夏木立の中にひっそりとある姿は人の世の刹那を感じさせます。切れ字はこの句にもありません。「や」を好んで使う芭蕉の句の中では、意外に切れ字が無い句が多いのですが、夏の句には、ことさら強調するよりも、季語の印象が強い句が多いようです。

芭蕉の時代から、切れ字の良し悪しはあまり強く解かれていません。

切れ字をよしとするのであれば、どの言葉を用いても切れ字であり、俳句の語調が心地よく整えば、その句の意味が伝わり易いとされています。

やはり、17文字の短い中に、江戸時代の芭蕉の想いが凝縮されているからこそ、現代でも読んで感動し共感するのですね。こうしてみても、現代の私達は現代の言葉の句を詠みたいものです。

(令和四年六月 上野 貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より
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【ネット句会後記】

 夏の戦第一ステージの兼題「薔薇」にいい句が集まったように思いました。6月に入って、ようやく夏らしくなってきました。街ゆく人にも半袖が目立ちます。7月の兼題は滝と金魚を用意いたしました。どちらも清涼感がある兼題です。

たくさんのご応募をお待ちしています。特選の一句には選評も添えて下さるようお願いします。

(令和四年六月 辻 雅宏)

 

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2023年9月ネット句会

今月の投句(秋の戦第2ステージ)

 

1草の花名も無き花に名を付けん

2草の花笑み柔らかき野の仏

3トテ馬車の蹄の音や草の花

4二百十日時の階段飛び越えて

5草の花微笑み合ひし道祖神

6空白し二百十日の畑仕事

7故郷をのぞむ峠や草の花

8草の花ままごと遊び孫が笑む

9植木鉢我が物顔や草の花

10迷い来て道なき野辺の草の花

11廃線を行けば迎える草の花 

12石垣の隙間を埋めて草の花

13何もなく二百十日の夕餉かな

14貝ひとつ二百十日の忘れ潮

15通り雨路地を叩いて厄日過ぐ

16二百十日渦中に眠るみどり児よ

17刈るまいとするも刈りたり草の花

18松島や秋空をブルーインパルス

19複眼のバッタ墓石を飛び越えて

20草の花郷を離るる汽車に散り

21漁場遥か二百十日の波を越え

22去る朝にくしゅんと背なの草の花

23厄日明け薄く泥引く沈下橋

24二百十日待ち侘ぶ客の来ぬ日かな

25通り雨二百十日の庭先に 

26一匹の猫の鼻先草の花

27普段着で歩く楽しさ草の花

28草の花故郷のあの畦道に

29保母さんに吾子が差し出す草の花

30手術待ち二百十日も無事過ぎて

3110年目待ちに待ちたる酢橘のみ

32少し楽心の声の残暑かな

33フェリー航く二百十日の波しずか29

34おだやかな二百十日の句会かな

35牧に咲くその名知りたき草の花

36乳牛の食むをはばかる草の花

37可愛さに摘むをためらふ草の花

38富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     

39稲妻や天の重心傾けて        

40稲妻や竿を納むる太公望       

41モカの香や海に稲妻五本立つ     

42新宿の空を広げし稲光        

43稲妻や川の氾濫大写し        

44香煙の低く哀しき雨墓参       

45名瀑をさらに濡らして稲光      

46稲妻の眼裏に残る軌跡かな     

47ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    

48天空の闇を稲妻ほしいまま      

49ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     

50庭の花父母に手向ける墓参かな    

51また今度いつものセリフ墓参り    

52稲妻にルガーノの街一変す      

53墓参り掃除の下手な子でごめん    

 

 

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10月の兼題【身に入む】&【紅葉且つ散る】(9月末日〆切)

 

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【秋の戦8・9・10月】

 

★10月の兼題(9末日〆切。)

 

【身に入む】

秋も闌ける頃から寒さが身にしむのを覚えます。

 

【紅葉且つ散る】

紅葉しながら同時に散るのをいう。紅葉散るは冬の季語になります。。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

 

   梵鐘の一打身に入む古都の宵

                 稲畑廣太郎

 

   山紅葉且つ散る雨も加はりて

                稲畑汀子

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 令和5年9月号8月の結果(秋の戦第1ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿   

葉を金箔に変えて一閃稲光

踏みしめる細き山道墓参り

外堀に亀平泳ぎ夏は来ぬ

父の歳越えて悔悟の墓参り

  

四点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

三点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

二点句 

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

稲妻や竿を納むる太公望・・・4点

 

秋の戦が始まりました。始めは順当な句が勝ちとっていますね。

突然の稲妻に慌てている釣り場の動きが見事に目に動きます。

秋はまだまだ猛暑が厳しいようですが

この後が楽しみです。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

稲妻や竿を納むる太公望

 

「太公望」が、単なる「釣り人」以上の意味を醸し出している句だと思いました。恐ろしい稲妻ですが、滑稽さも加味されているように感じます。

 

 

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★10月の兼題(9月末日〆切)

 

【身に入む】&【紅葉且つ散る】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は越後路の七夕の頃の句を見てみましょう。

 

文月や六日も常の夜には似ず・・・芭蕉

 

「文月や」と始まりますから、これは七月の六日の句です。七日では無いのにいつになく七夕の夜を思わせる艶っぽい夜だという意味ですが、蒸し暑いのかも知れませんね。陰暦7月は秋に当たりますので、ちょうど八月頃の蒸し暑さを悶々とした逢瀬になぞらえているようです。切れ字「や」はそうした意味を詠嘆で強調していますね。

 

荒海や佐渡によこたふ天河・・・芭蕉

 

同じ抄に収録されている有名な名句です。天河が七夕祭の頃を思わせます。上五の「や」が、いかにも日本海の波音の高い北国の厳しい荒海の様子を表現しています。

芭蕉の好きな切れ字「や」がこの抄では見事な効果を発揮しています。切れ字と言えば多く「や」を使うのが芭蕉の特徴です。加賀の国、現在の金沢市の日本海らしい美しさが垣間見える素敵な名句です。芭蕉の全俳句の中でも、この天河の句はやはり有名ですね。

(令和五年八月号より 上野貴子)

  

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【ネット句会後記】

 秋の戦がスタートしました。最終的にどの句が抜け出すのか、それとも追い抜く句が現れるのか楽しみな展開です。十月の兼題の「紅葉且つ散る」は俳句特有の季語です。

どんな句が詠まれるか楽しみです。

投句と選句をセットにして参加下さい。選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年九月 辻 雅宏)

 

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<大賞>

 19 南出 千賀子 三姉妹喋りっぱなしの墓参り

 

2点句>

10 米重 初枝 朝顔に友の名をつけ日記帳

24 鈴木 恵美子 八ヶ岳稜線跨ぐ登山の日

26 橋詰 博 盆帰り駅名変わりて半世紀

 

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2022年7月ネット句会

今月の投句(夏の戦最終ステージ)

1嫁となり仰ぐオシンコシン滝

2大滝のてつぺんの空ゆがむかな

3五合目のひらけ滝の音きよら

4ビール腹気にする夫と金魚かな

5満腹がわかつておらぬ金魚たち

6滝ひとつ過去の孤独を覚えたり

7こころざし特に無けれど滝仰ぐ

8作り滝ここで一回休みとす

9落つるたび生まれ新たな滝となる

10滝浴びる脇に来たりていま一人

11掬ひ来し三年目なる金魚かな

12枯滝やぽろぽろ零れ行く記憶  

13断崖を吹き上ぐ風や滝枯るる 

14蘭鋳の泳ぐ最上階の夜

15三日だけ誰か金魚を預かって

16ひらひらと金魚の尾鰭鉢の花

17舞う様に咲く様に歌う様に金魚

18滝落ちて言葉をなくし空仰ぐ

19せせらぎの森の精霊滝の音

20滝壺の青さ無音の大宇宙

21泳いでも泳いでも金魚水の檻

22金魚の眼水に溶けゆき鉢の中

23店先の空金魚鉢五円玉

24武家屋敷「金魚」声高に過ぎにけり

25滝壺に飲まる小舟やナイヤガラ

26白水となりて落ちくる瀑布かな

27滝壺へ難題捨てて帰りけり

28ガラス器の中が金魚の小宇宙

29母と子が金魚掬いに袖ぬらし

30遠泳に望み捨てぬや土佐金魚

31白扇のわづかに開き走り滝

32三匹の尾鰭ふれあふ金魚かな

33みどり児の初座りして夕立やむ

34薔薇を切ってオレンジの香に満たされぬ

35野湯浴みや何故に励むか滝の音

36欠伸して強がるポイの金魚かな

37地の底に降り来る滝よ我に入れ

38眼を見張る鉢の金魚や大謀議

39荒滝に抗う岩のまろさかな

40鎮座する猿に箕面の滝しぶき

41遠足の子らの小さき背に瀑布

42浮かぶ藻に遊んでくれろと金魚かな

43どの名でも呼ぶと泡出す金魚かな

44子らと見る遠山の滝那智の滝

45長椅子に飛沫楽しむ滝見茶屋

46神官の袴あをあを滝開き

47見つめれば眼剥き見返す出目金魚

48水換へに応へて金魚ひと泳ぎ

49掬はれて金魚三匹電車乗る

50民宿は蚊帳の匂ひ波の音

51エアキャビン五分の旅路夕焼空

52片陰にままごと遊びワンデイケー

53谷川の涼を連れ添い流れけり

54一礼の鳥居の先は夏祭

55長き名の薔薇に手書きの名札つけ       

56女王も悪魔もありて薔薇の園         

57寝顔秘す大小四つの夏帽子          

58追ひついて二つとなりし夏帽子        

59もの言える国こそ良けれ薔薇の花       

60薔薇散れりひとひらごとの影もまた      

61母の日や「写真の人」となりし母       

62更衣へて一段飛ばしの歩道橋         

63草を抜く手にひらきけり夏の蝶        

64夏帽の改札抜ける海の駅           

65夏帽子つばの先向く水平線          

66発車ベルホーム彩る夏帽子          

67観光のパスが吐き出す夏帽子         

68いつかまた蔓薔薇の家友の家         

69母の日の大輪の花束空におく         

70薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      

71家中の窓開け放し衣更            

72咲く家の主は知らず薔薇の道         

73マネキンの肌もあらはに更衣         

74寝つかれぬ旅の枕や明易し          

75短夜じゃ濡れた唇乾かない          

76街の色連れ帰りたりパナマ帽         

77明けやすし住職の打つ寺の鐘         

78能登に泊つランプの宿の明易し        

79立ち止まる人話す人夏帽子          

80母の忌は母の好みし新茶汲む         

81お握りの形いびつに豆の飯          

82短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        

83竿さしてパナマ帽行く運河かな        

84若返る色を纏ひし更衣            

85夏帽に飛行機雲の白さかな          

86短夜や机上に積みしままの古書        

87捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         

88短夜や沖ゆく船の灯の遅速          

89夏帽子いつか写真のあの町へ         

90短夜や北へ北へと貨車がゆく         

91突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          

92オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     

93薔薇散るや一寸法師の舟となり        

94衣更子のたのもしきふくらはぎ        

95薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        

96薔薇の門くぐり主役の仕草せり        

97ポケットの財布移して衣更          

98更衣あれこれ訊かれ三面鏡          

99薔薇の香や入園券を買う列に         

100白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       

  

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8月の兼題【朝顔】&【】(7月31日〆切

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 【秋の戦8・9・10月】

 ★8月の兼題(7月31日〆切。)

 【朝顔】

朝顔は、夏の花と思いきや秋の訪れを告げる花。夜明けに開いて昼にはしぼみます。昔の人はこの花に秋の訪れを感じてきたようです。奈良時代に薬として遣唐使により日本にもたらされたそうです。

傍題に牽牛花。

 【蜩】

夕方や暁方に鳴く蝉。カナカナと哀調ある声が特徴です。

傍題に日暮し、かなかな、寒蝉。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   朝顔へ寝起の貌を近づける

                皆川盤水

   ひぐらしのこゑのつまづく午後三時

                    飯田蛇笏

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  7月号6月の結果(夏の戦第2ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

夏帽の改札抜ける海の駅

母の忌は母の好みし新茶汲む

お握りの形いびつに豆の飯

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く

夏帽子つばの先向く水平線

  

<点盛りの結果>(夏の戦第2ステージ)

五点句

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

四点句

女王も悪魔もありて薔薇の園         井上悦男

三点句

寝顔秘す大小四つの夏帽子          神長誉夫

追ひついて二つとなりし夏帽子        井上悦男

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

二点句

草を抜く手にひらきけり夏の蝶        水野幸子

夏帽の改札抜ける海の駅           辻 雅宏

夏帽子つばの先向く水平線          山本佐和子

発車ベルホーム彩る夏帽子          阿部文彦

観光のパスが吐き出す夏帽子         阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

一点句

寝つかれぬ旅の枕や明易し          辻 雅宏

短夜じゃ濡れた唇乾かない          神長 誉夫

街の色連れ帰りたりパナマ帽         青山好男

明けやすし住職の打つ寺の鐘         水野幸子

能登に泊つランプの宿の明易し        辻 雅宏

立ち止まる人話す人夏帽子          原田啓子

母の忌は母の好みし新茶汲む         伊藤はな

お握りの形いびつに豆の飯          伊藤はな

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        井上悦男

竿さしてパナマ帽行く運河かな        原田啓子

若返る色を纏ひし更衣            伊藤はな

夏帽に飛行機雲の白さかな          原田啓子

短夜や机上に積みしままの古書        阿部文彦

捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         上野貴子

短夜や沖ゆく船の灯の遅速          井上悦男

夏帽子いつか写真のあの町へ         上野貴子

短夜や北へ北へと貨車がゆく         阿部文彦

突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          阿部文彦

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

  

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~LINE公式俳句大会6月結果発表~

 <大賞>

 11 山田 純 我もまた小さき鉢の紅金魚

 <2点句>

 1  南出 千賀子 森を抜け水しぶきキラ滝の音

7  橋詰 博   滝しぶき小猿打たれて大はしゃぎ

13 山田 純   滝に出てマイナスイオン全身に

14 山田 純   永劫に尽きる事なく滝の水

16 訓子     音階を繰るごと動く金魚玉

18 道林 正樹  あじさいが待ってましたと雨に笑う

34 大倉 宏美  山の滝しぶきの向こうはパステル画


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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・五点

 夏の戦では薔薇の句ですが女王の悪魔もアニメのような薔薇園の句を手書きの名札の句が勝ち抜きました。温かみのある文字が浮かぶ優しい句です。この後はものすごい猛暑が続きますが夏の最終戦はどうなるのか楽しみです。

(夏:5月~7月)

 

~~~今月の選評~~~

 夏帽の改札抜ける海の駅

駅の改札口を抜けた先に広がる青い海を思い起こさせる。「夏帽」という言葉が効果的で、涼しげな風を感じさせてくれる。

  

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★8月の兼題(7月末日〆切)

 朝顔】と【

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ夏の名句を見てみましょう。

 

夏草や兵どもが夢の跡・・・芭蕉

 

この句は平泉の抄の句です。藤原三代の栄華の儚さを詠んでいます。芭蕉の好きな切れ字「や」がしみじみとした感慨を生み出し歴史の重さを感じますね。勿論、名句ですから、この「や」は効果的です。「夢の跡」という栄枯盛衰の刹那を上手くまとめています。

同じ平泉の抄に

 

五月雨の降のこしてや光堂・・・芭蕉

 

この句が収録されており、夏の長雨の頃の厳しい旅が伺えます。長い月日は千年の時を越えて芭蕉に語り掛けているようです。この句にもやはり「や」が使われています。現代まで保存され残されている光堂ですが、芭蕉の時代では、雨風をしのいで残されていることが心を打つ何よりの刹那だったと読み取れます。

こうして名句を鑑賞していると、歴史の移り変わりが嘘のように、現代の私たちの心に響いてくる句ばかりです。切れ字のあるなしを芭蕉本人のことさら強く言い伝えてはいないようですが、奥の細道を見ても、芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようです。野点の席で烏帽子姿の平安の貴族たちが短冊に和歌を詠んでいる光景が切れ字「や」から浮かんできます。きっと芭蕉も同じように和歌や連歌から俳句を独立した文芸として高めることを常に理想として考えていたからなのかも知れませんね。

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

夏の戦第二ステージが終了しましたが、薔薇を詠んだ二句が高位置をキープしています。最終ステージの展開が楽しみです。そして、投句は秋の第一ステージです。

投句されましたら是非、選句もお願いします。今年は梅雨明けが早く、猛暑が続いています。また、台風もこれからです。しっかり対策をしたいものです。

(令和四年七月 辻 雅宏)

 

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2023年10月ネット句会

今月の投句(秋の戦第3ステージ)

 

1身に入むや初手の碁石の響く部屋

2身に入むや灯りのつかぬ老舗宿

3身に入むや平家滅びし壇ノ浦

4サックスの身に入む音やジャズクラブ

5池の面に紅葉且つ散る古都の寺

6「身に入む」「紅葉且つ散る」

7雲間より落ちる風光しむ身なる

8地球誕生謎めく伝説身に沁みて

9桜紅葉枯れゆく前に紅をさし

10錦染め且つ散る山の紅葉谷

11受け取りて便り身に入む追って書き

12身に入むや玻璃戸を叩く風の音 

13恩師らの法話身に入む夕間暮

14バス降りて紅葉且つ散る里の山

15そよ風に紅葉且つ散る点描画

16紅葉かつ散る蓮池の華やげり

17リハビリの膝の曲がりや身に沁みる

18踏切の音に負けじと落とし水

19夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿

20病窓や仏舎利塔へ秋夕焼け

21郷抱く星の静寂の身に入みて

22麗しき死は無く紅葉且つ散りて

23友去りぬ長き汽笛の身に入みて

24碧岩に紅葉且つ散る小歩危峡

25寄る辺なき星の蒼さの身に入みて

26紅葉かつ散るやほろほろ鳩の声

27紅葉かつ散りて水面の舟となり

28流れゆく月日の身に入む便りかな

29北国の暮るる速さや身に入みて

30雨音の身に入む今朝の目覚めかな

31フルートの音色身に入む演奏会

32警官の説諭身に入む違反かな  

33特攻の遺書に身に入む知覧かな

34登頂の紅葉かつ散る山路かな

35紅葉且つ散る石畳馬籠宿

36葉を金箔に変えて一閃稲光

37踏みしめる細き山道墓参り

38父の歳越えて悔悟の墓参り

39草の花名も無き花に名を付けん

40草の花笑み柔らかき野の仏

41トテ馬車の蹄の音や草の花

42二百十日時の階段飛び越えて

43草の花微笑み合ひし道祖神

44空白し二百十日の畑仕事

45故郷をのぞむ峠や草の花

46草の花ままごと遊び孫が笑む

47植木鉢我が物顔や草の花

48迷い来て道なき野辺の草の花

49廃線を行けば迎える草の花 

50石垣の隙間を埋めて草の花

51何もなく二百十日の夕餉かな

52貝ひとつ二百十日の忘れ潮

53通り雨路地を叩いて厄日過ぐ

54二百十日渦中に眠るみどり児よ

55刈るまいとするも刈りたり草の花

56松島や秋空をブルーインパルス

57複眼のバッタ墓石を飛び越えて

58草の花郷を離るる汽車に散り

59漁場遥か二百十日の波を越え

60去る朝にくしゅんと背なの草の花

61厄日明け薄く泥引く沈下橋

62二百十日待ち侘ぶ客の来ぬ日かな

63通り雨二百十日の庭先に 

64一匹の猫の鼻先草の花

65普段着で歩く楽しさ草の花

66草の花故郷のあの畦道に

67保母さんに吾子が差し出す草の花

68手術待ち二百十日も無事過ぎて

6910年目待ちに待ちたる酢橘のみ

70少し楽心の声の残暑かな

71フェリー航く二百十日の波しずか29

72おだやかな二百十日の句会かな

73牧に咲くその名知りたき草の花

74乳牛の食むをはばかる草の花

75可愛さに摘むをためらふ草の花

76富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     

77稲妻や天の重心傾けて        

78稲妻や竿を納むる太公望       

79モカの香や海に稲妻五本立つ     

80新宿の空を広げし稲光        

81稲妻や川の氾濫大写し        

82香煙の低く哀しき雨墓参       

83名瀑をさらに濡らして稲光      

84稲妻の眼裏に残る軌跡かな     

85ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    

86天空の闇を稲妻ほしいまま      

87ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     

88庭の花父母に手向ける墓参かな    

89また今度いつものセリフ墓参り    

90稲妻にルガーノの街一変す      

91墓参り掃除の下手な子でごめん    

  

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11月の兼題【冬日和】&【枯葉】(10月末日〆切

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 【冬の戦11・12・1月】 

★11月の兼題(10末日〆切。

 【冬日和】

冬の晴れわたった穏やかな日和をいう。

傍題に、冬晴、冬晴るる。

 【枯葉】

霜が降り始めると木の葉、草の葉も枯れ始める。

傍題に、枯葉鳴る、枯葉飛ぶ、枯葉舞ふ。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 <先句に学ぶ>

 

   冬晴のとある駅より印度人

               飯田龍太

 

   一陣の風一陣の枯葉舞ふ

              大橋 晄 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 令和5年10月号9月の結果(秋の戦第2ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

草の花名も無き花に名を付けん

貝ひとつ二百十日の忘れ潮

普段着で歩く楽しさ草の花

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

また今度いつものセリフ墓参り

 

七点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

 

五点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

四点句

草の花笑み柔らかき野の仏      龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

三点句

普段着で歩く楽しさ草の花      原田啓子

通り雨路地を叩いて厄日過ぐ     阿部文彦

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

 

二点句 

草の花微笑み合ひし道祖神      龍野ひろし

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

空白し二百十日の畑仕事       青山好男

故郷をのぞむ峠や草の花       青山好男

何もなく二百十日の夕餉かな     阿部文彦

漁場遥か二百十日の波を越え     神長 誉夫

葉を金箔に変えて一閃稲光      青山好男

踏みしめる細き山道墓参り      青山好男

父の歳越えて悔悟の墓参り      辻 雅宏

草の花名も無き花に名を付けん    龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

一匹の猫の鼻先草の花       原田啓子

おだやかな二百十日の句会かな   辻 雅宏

厄日明け薄く泥引く沈下橋     神長 誉夫

フェリー航く二百十日の波しずか  辻 雅宏

墓参り掃除の下手な子でごめん   神長 誉夫

トテ馬車の蹄の音や草の花     龍野ひろし

保母さんに吾子が差し出す草の花  小林 ひろ

 

四点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

三点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

二点句 

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ・・・7点

 

秋の戦は断トツでこの句が勝ち残っています。長い猛暑でご先祖様もさぞ暑かろうと思う気持ちが共感を呼んでいますね。やっと秋らしくなりましたが何となく油断禁物です。

この後の最終戦が楽しみです。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

 

富士山を眺めるお墓のシチュエーションが良い。水をかける行為が、

その2つを見事につないでいる。

 

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★11月の兼題(10月末日〆切

 

【冬日和】&【枯葉】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は山中の抄の句を見てみましょう。

 

今日よりや書付消さん笠の露・・・芭蕉

 

この句は芭蕉と同行して来た曽良が別れて、これから芭蕉が一人で旅を続けて行くに当たりその寂しさを詠んでいます。曽良は、内臓を病んでしまいここからは先に知人の元へ向かうことになりその別れを惜しんでいるのです。曽良は、一人で行倒れたとしてもそこは萩の花の咲く野原であって欲しい「行々てたふれ伏とも萩の原」という句を残し旅立ます。

芭蕉の句は、芭蕉が好んでいる切れ字「や」を使い、今日これからの旅の不安に詠嘆強調の効果を生み出しています。

「露」という季語がありながら、句の意味の中心を上五にするための見事な効果ですね。

芭蕉の時代ならではの古風な言葉の調べが美しい句です。

また、これまで同行して来た門弟の曽良との旅の別れを詠んでいるところから有名な句となっています。

「や」の多くは上五に使われていますが、やはり自然に時代をうつしている文語調の句ですね。

(令和五年10月号より 上野貴子)

  

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【ネット句会後記】

 

秋の戦第2ステージで7点句が登場し、リードしています。勝ち抜き戦がこの句会の特色です。追い抜く句、新たに高得点の句が出るか最終ステージの結果が楽しみです。

投句と選句をセットにして参加下さるようお願いします。また、選評もお忘れなくお寄せください。

(令和五年十月 辻 雅宏)

  

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 

<大賞>

 

37 大西 文子 隣家まで伸びた朝顔すまし顔

 

2点句>

 

13 鈴木 恵美子 日が落ちて髪を結いあげ盆踊り

20 奥平雅子  幼子が手をのばしとる葡萄棚

29 橋詰 博   秋草の刈り込む匂い袖に染み

 

 

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2022年8月ネット句会

今月の投句(秋の戦第1ステージ) 

1朝顔に日本の花か問うてみる

2蜩の音の届きたる夢の中

3朝顔や生まれる前の夢の色

4蜩や我の故郷はここにあり

5日の蔭り蜩止みてしんとなる

6どの人の手にも朝顔入谷駅

7紺したがへ白朝顔の凛と咲き

8夕去ればひぐらし鳴けり宮の森 

9蜩やバス来るまでのBGM

10ひぐらしやその日暮らしがまた終はり

11蜩や早き夕餉の山の宿

12蜩や遊び疲れし子の帰る

13蜩や共鳴したる森の神

14朝顔や町家二階の物干場

15朝顔や団十郎の中野もありて

16朝顔にレトロ喫茶のある小道

17朝顔がしぼむ惜しげもなく午後に

18じゃんけんで負け朝顔の水当番

19かなかなを聴きに行きたし海越えて

20蜩にふっと目をやる暦かな

21朝顔を覗いてる風の囁き

22朝空が藍より青く花朝顔

23朝風が起きろ起きろと牽牛花

24かなかなの追えば夕陽は山の雲

25蜩に見守られてる夕支度

26蜩やハッカの香る湯を借りて

27漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

28朝顔の濡れた産毛や夜は溶け

29蜩や手拭い解く豆剣士

30蜩やそろり海へと変わる風

31朝顔や藍一滴を拡げたり

32朝顔の見送り受けて郵便車

33起きて見る朝顔の蔓おびただし

34蜩や千年なきてなきたらず

35朝顔の紺の著けきたたみ皺

36ひとしきりカナカナのカでとぎれけり

37秋光や蝶は草刈る手をよけて

38秋高し嬰の手足のよく動く

39夕風に宍道湖の鰡とびにけり

40朝顔や儚きいのち惜しむかに

41朝顔に見送りされて無人駅

42夜明けなる古書をめくれば法師蝉

43蜩や鎮守の杜に鳴き暮るる

44蜩の声もつめ込むスマホかな

45蜩や姥捨て山の話聞き    

46朝顔や鎖骨にひとつある黒子  

47越境も楽し隣の牽牛花

48かなかなや指笛巧みに吹く少女

49かなかなや第三埠頭に巨き船

  

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9月の兼題【風の盆】&【】(8月31日〆切

 

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【秋の戦8・9・10月】

 

★9月の兼題(8月31日〆切。)

 

【風の盆】

富山県八尾町で九月一日から三日まで行われる盆の行事。

 

【露】

空気中の水蒸気が夜の間に冷えて水となり、草や木についたりする。夜間の冷え込みの強い秋に多い。

傍題に、白露、露の玉、朝露、夜露、露けし、露の世。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

 

  踊りの手ひらひら進み風の盆

              福田蓼汀

   金剛の露ひとつぶや石の上

                 川端茅舎

  

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 8月号7月の結果(夏の戦最終ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

ビール腹気にする夫と金魚かな

落つるたび生まれ新たな滝となる

寝顔秘す大小四つの夏帽子

民宿は蚊帳の匂ひ波の音

能登に泊つランプの宿の明易し

 

<点盛りの結果>(夏の戦最終ステージ)

 

五点句

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

女王も悪魔もありて薔薇の園         井上悦男

寝顔秘す大小四つの夏帽子          神長誉夫

 

四点句

掬はれて金魚三匹電車乗る          辻 雅宏

追ひついて二つとなりし夏帽子        井上悦男

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

 

三点句

蘭鋳の泳ぐ最上階の夜            井上悦男

神官の袴あをあを滝開き           辻 雅宏

一礼の鳥居の先は夏祭            能天気

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

夏帽の改札抜ける海の駅           辻 雅宏

夏帽子つばの先向く水平線          山本佐和子

 

二点句

どの名でも呼ぶと泡出す金魚かな       原田啓子

白扇のわづかに開き走り滝          水野幸子

遠足の子らの小さき背に瀑布         原田啓子

落つるたび生まれ新たな滝となる      山本佐和子

鎮座する猿に箕面の滝しぶき         原田啓子

草を抜く手にひらきけり夏の蝶        水野幸子

発車ベルホーム彩る夏帽子          阿部文彦

観光のパスが吐き出す夏帽子         阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

能登に泊つランプの宿の明易し        辻 雅宏

捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         上野貴子

夏帽子いつか写真のあの町へ         上野貴子

 

一点句

舞う様に咲く様に歌う様に金魚        上野貴子

片陰にままごと遊びワンデイケー       能天気

荒滝に抗う岩のまろさかな          神長 誉夫

滝壺の青さ無音の大宇宙           上野貴子

ビール腹気にする夫と金魚かな        小川 泉

民宿は蚊帳の匂ひ波の音           能天気

大滝のてつぺんの空ゆがむかな        小川 泉

野湯浴みや何故に励むか滝の音        神長 誉夫

三日だけ誰か金魚を預かって         井上悦男

長椅子に飛沫楽しむ滝見茶屋         辻 雅宏

水換へに応へて金魚ひと泳ぎ         辻 雅宏

ガラス器の中が金魚の小宇宙         阿部文彦

寝つかれぬ旅の枕や明易し          辻 雅宏

短夜じゃ濡れた唇乾かない          神長 誉夫

街の色連れ帰りたりパナマ帽         青山好男

明けやすし住職の打つ寺の鐘         水野幸子

立ち止まる人話す人夏帽子          原田啓子

母の忌は母の好みし新茶汲む         伊藤はな

お握りの形いびつに豆の飯          伊藤はな

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        井上悦男

竿さしてパナマ帽行く運河かな        原田啓子

若返る色を纏ひし更衣            伊藤はな

夏帽に飛行機雲の白さかな          原田啓子

短夜や机上に積みしままの古書        阿部文彦

短夜や沖ゆく船の灯の遅速          井上悦男

短夜や北へ北へと貨車がゆく         阿部文彦

突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          阿部文彦

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~LINE公式俳句大会7月結果発表~

 

<大賞>

6  さこたゆう  宿題はあさがおの観察と絵日記

 

2点句>

10 さこたゆう  ひぐらしと母が呼んでる「ごはんだよ」

33 橋詰 博   一斉に笑ふ向日葵村起こし

39 大倉 宏美  虫食いの青葉に思う命あり

54 鈴木 恵美子 朝顔や上へ上へと巻きたがる

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・五点

女王も悪魔もありて薔薇の園・・・五点

 夏の戦は薔薇の句が逃げ切りました。女王も悪魔もアニメのような薔薇園に手書きの名札の句が勝ち残りました。長い猛暑が続きますが早くも暦の上では秋の戦ですね。

(夏:5月~7月) 

 

~~~今月の選評~~~ 

掬はれて金魚三匹電車乗る

 祭りの夜店で掬った金魚でしょうね、ビニールの袋を持って

うれしそうなお子様の姿も見えてとても楽しく

ほほえましい家族の姿もみえます。

 

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★9月の兼題(8月末日〆切)

 風の盆】と【

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  

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 【今月のワンポイントレッスン】

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ8月の頃の名句を見てみましょう。

 

荒海や佐渡によこたふ天河・・・芭蕉

 

この句は天河の句で秋の句です。八月は旧暦では秋となり、現代の暦でも八月になるとすぐに立秋が過ぎやはり暦の上では秋となります。初秋の空には星が美しいとされていて天の川もよく見えます。この句は新潟から佐渡を眺めて詠んだものですね。「や」が使われています。日本海の海の厳しさを強調されているのです。海と空の対比が広大な宇宙観を感じさせて自然の美しさが際立ちます。

 

秋涼し手毎にむけや瓜茄子・・・芭蕉

 

この句は「秋涼し」から始まりますから勿論秋の句ですね。「涼し」だけでは夏の季語ですが「秋」を付けて「瓜」や「茄子」の野菜を詠んでいます。季語としては季感のズレが生じてあまり整ってはいない句です。夏の句の様にも感じますが、そこを「秋」として、初秋を詠んでいるのです。夏野菜が熟して剝きやすいのかも知れませんね。

この句は資料では金沢での句ですので、茄子の品種が水ナスで、瑞々しいので剥きやすいのかも知れません。

「や」が中七にあり、切れ字の使い方では難しいと言われています。「や」は上五中七下五のどこにでも使える便利な切れ字です。芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようで、ここでは珍しく中七に使っています。どこか無理に整えた感がありますが金沢での宴の作と読みとれますね。

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

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【ネット句会後記】

 夏の戦は薔薇の二句が五点句で並び終わりました。秋の戦が始まっています。第2ステージの兼題は、風の盆と露とさせていただきました。哀調漂う風の盆とどこか儚さを感じる露を詠んでください。残暑が続きそうです。夏バテしないで秋を迎えましょう。

(令和四年八月 辻 雅宏)

 

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2023年11月ネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

1子に頼むタイヤ交換冬日和

2突堤に釣り人並ぶ冬日和

3公園に子らの声する冬日和

4細枝にしがみついてる枯葉かな

5かさこそと乾く音して枯葉道

6冬晴るる妻にデートの申し込み

7白内障術後回復冬日和

8単音の孫のピアノや冬日向

9枯葉散るいいのだけれどそこに居て

10若き日の街夫と訪う冬日和

11白熊のような雲湧く冬日和

12一枚の枯葉の落ちてコトと鳴り

13枯葉舞う生の終焉輝けり

14靴裏の枯葉にそっと声をかけ

15冬晴れや吊るす魚の長き影

16ジャズ祭に赤黄のスウィング枯葉舞う

17冬晴れを大きく吸いてガラス吹く

18瀬に堕ちて尚海目指す枯葉かな

19張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く

20屋根開く球場綿虫の乱舞

21とりどりの枯葉漕ぎゆき懐かしき

22「おはよう」と玄関前の枯葉舞ふ

23滝糸を長く配して冬紅葉

24転車台くるりと廻り冬麗

25船溜まり客が降りくる冬日和

26玻璃越しに光射し込む冬日和

27バスを待つ人の会話や冬日和

28箒目を追いかけるごと降る枯葉

29ひらひらと枯葉舞い来る車椅子

30城門を出でて枯葉に時を読む

31枯葉積む廃線の跡日昇らむ

32妻去りぬ枯葉踏む音仰ぐ空

33冬日和バードウォッチ城の森

34冬日和人声絶えて空青し

35枯葉一片舞い込んで駐輪所

36下り線席が空いてる冬日和

37枯落葉踏めば乾いた音がする

38月白く乾い昼の冬日和

39陽に染まる山は灼けつく枯葉色

40犬の名を呼べば枯葉の音連れて

41鼻広げ河馬浮き上がる冬日和

42冬日和床屋の鋏軽やかに

43冬日和子猫に譲る一等地

44冬日和富士捉えたるファインダー

 

 

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12月の兼題【行く年】&【息白し】(11月末日〆切)

 

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【冬の戦11・12・1月】

 

★12月の兼題(11末日〆切。)

 

【行く年】

年の暮もかなりつまってきてからの流れるような慌ただしさをいう。

傍題に、年逝く、年流る、年送るの晴れわたった穏やかな日和をいう。

傍題に、冬晴、冬晴るる。

 

【息白し】

空気が冷たく、気温が低くなると、吐く息が白く見える。

傍題に、白息。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   ゆく年のゆくさきのあるごとくゆく

                  鷹羽狩行

 

   白息を掌にかけて今日はじまりぬ

                石田波郷 

 

 

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令和5年11月号10月の結果(秋の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

そよ風に紅葉且つ散る点描画

夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿

葉を金箔に変えて一閃稲光

貝ひとつ二百十日の忘れ潮

可愛さに摘むをためらふ草の花

 

 

七点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

草の花笑み柔らかき野の仏      龍野ひろし

 

 

六点句

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

四点句

夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿    水野幸子

通り雨路地を叩いて厄日過ぐ     阿部文彦

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

 

三点句

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

草の花名も無き花に名を付けん    龍野ひろし

草の花微笑み合ひし道祖神      龍野ひろし

普段着で歩く楽しさ草の花      原田啓子

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

 

二点句 

身に入むや玻璃戸を叩く風の音    阿部文彦

紅葉且つ散る石畳馬籠宿       辻 雅宏

葉を金箔に変えて一閃稲光      青山好男

厄日明け薄く泥引く沈下橋      神長 誉夫

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

保母さんに吾子が差し出す草の花   小林 ひろ

石垣の隙間を埋めて草の花      阿部文彦

通り雨二百十日の庭先に       原田啓子

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

受け取りて便り身に入む追って書き  阿部文彦

碧岩に紅葉且つ散る小歩危峡     神長 誉夫

そよ風に紅葉且つ散る点描画     阿部文彦

紅葉かつ散るやほろほろ鳩の声    原田啓子

可愛さに摘むをためらふ草の花    辻 雅宏

友去りぬ長き汽笛の身に入みて    神長 誉夫

流れゆく月日の身に入む便りかな   原田啓子

サックスの身に入む音やジャズクラブ 龍野ひろし

池の面に紅葉且つ散る古都の寺    龍野ひろし

廃線を行けば迎える草の花      阿部文彦

空白し二百十日の畑仕事       青山好男

故郷をのぞむ峠や草の花       青山好男

何もなく二百十日の夕餉かな     阿部文彦

漁場遥か二百十日の波を越え     神長 誉夫

踏みしめる細き山道墓参り      青山好男

父の歳越えて悔悟の墓参り      辻 雅宏

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

一匹の猫の鼻先草の花       原田啓子

おだやかな二百十日の句会かな   辻 雅宏

フェリー航く二百十日の波しずか  辻 雅宏

トテ馬車の蹄の音や草の花     龍野ひろし

 

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ・・・7点

草の花笑み柔らかき野の仏・・・7

 

秋の最終戦では勝残り句が同点句となりました。7点の高得点です。何と今年は11月でもまだ夏日でなかなか選句も難しいです。

この後はもう冬なんですね。どうなるのでしょうか。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

サックスの身に入む音やジャズクラブ

 

ジャズクラブに身を置き、サックスに酔いしれる秋の夜長のひとときを切り取られています。

 

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

 

【行く年】&【息白し】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は天龍寺・永平寺の抄の句を見てみましょう。

 

物書て扇引さく余波哉・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が蕉門の金沢の北枝との別れを詠んだ句です。不用の扇に物を書いて破り捨てようとするが、さすがに名残惜しくて出来かねることだ。あなたとの別れも同じことです。という解釈の句です。この句には切れ字「哉」が使われていますね。

芭蕉は「かな」は「奥の細道」の中では八句に使われています。最後のこれでこの句は終わりですという切れに使われている場合が多い切れ字ですから、この句の使い方も効果的です。文語文法の文章では、やはり切れ字の使い方と同じように、ここで文章が終わりますという意味に使い、終助詞と言われ、詠嘆の意味を表すとされています。ですから切れ字そのものですね。

芭蕉は「余波」と書いて「なごり」と読ませています。これは、波が去った後も残っている波。その影響。などと言う言葉の意味を鑑みて、名残という字ではなく「余波」を使っています。名残惜しくて寂しいという気持ちだけではなく、不用な扇のように捨て去ることは出来ないという弟子を思う気持ちを感じます。けれども旅をつづけなければならないという芭蕉の下五の切れ字「哉」で旅立ちの決断を感じます。

 

(令和五年十一月号より 上野貴子)

 

 

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【ネット句会後記】

 

秋の戦は、かつてない同じ作者の7点句が2つ並んで終わりました。

高得点句が多く並んだたことも特色でした。11月からは冬の戦がスタートです。

兼題「冬日和」「枯葉」に多くの投句をいただきました。12月の兼題もよろしくお願いします。投句と選句をセットにして参加いただき、選評もお忘れなくお寄せください。

(令和五年十一月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会9月結果発表~

 

<大賞>

 

19 さこたゆう 道端の無花果熟し陽の匂ひ

 

2点句>

 

30 鈴木 恵美子 身に入むや湖上にふれる風の音

50 大西 文子 梨かじる口に溢るる水のおと

37 大西 文子 隣家まで伸びた朝顔すまし顔

 

 

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2022年度8・19俳句記念日大会各賞発表!

【2022年度8・19俳句記念日大会各賞発表!】

8月19日の俳句記念日イベント会場にて2022年度の8・19俳句記念日大賞が決定いたしました。

<各賞発表>

特別審査員水越浩幸大賞

 エントリーNo 802 お名前 阿部文彦  様

         俳句「一つ散りひとつ膨らむ夏椿」

特別審査員阿多星花大賞

エントリーNo 274 お名前 内牧京子  様

俳句「啓蟄やもういいかいと鳩時計」

特別審査員飯村明良大賞

エントリーNo 1  お名前 岡田友美佳  様

        俳句「五七五指を折りつつ生ビール」

特別審査員折田安紀大賞

エントリーNo 307 お名前 井上悦男  様

         俳句「紅つばき模したるみやび京和菓子」

特別審査員今野龍二大賞

エントリーNo 438  お名前 石田 香  様

         俳句「どんな子が好きと聞かれて春キャベツ」

俳句記念日大会大賞

エントリーNo 402  お名前 見目千絵  様

        俳句「青蛙逆さまのこと言う大人」

~いよいよ今回の最高峰の賞にまいります。~

8・19俳句記念日大賞

エントリーNo 1075  お名前 宮 沢子  様

         俳句「梅一輪こんな日だったプロポーズ」

<おしゃべりHAIKUの会新人賞>

今回初めての参加でありながら何句もべスト10入りされ新たな息吹を吹き込んで下さいました。

エントリーNo  566  「乱れ舞う寿命短し姫蛍」      お名前 鈴木恵美子

       855 「夏の夜ジャズのビートにはしご酒」

<俳句記念日功労賞>

エントリーNo 464「旧友と酌み交わす夜の明け早し」 お名前 南出千賀子

以上が2022年度の俳句記念日各賞受賞作品&作者の発表でした。これからも俳句記念日をきっかけに俳句に楽しく親しんで下さい。来年度のご応募もすでに開始されています。どしどしご応募下さい。

 

2023年12月のネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

 

1行く年や奥歯の二本抜けたまま

2訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

3身の丈を刻む柱や年送る

4舌先にキャラメル丸め息白し

5白息や白さを競う父子かな

6行く年の想いは果てしなく遠く

7後悔を胸中に秘め年歩む

8息白く明日はどこから風が吹く

9止まらない時は宇宙へ年果てる

10魂を再び覚ます年極み

11行く年や竹馬の友を天に召し

12断捨離の捨と離を残し年逝けり

13改札を行き交ふ人の息白し

14おでかけのメイクの猫の息白し

15駈け抜けて鼻息白し競走馬

16行く年のビル窓拭きの命綱

17行く年や十字に括る新聞紙

18行く年の駅に途切れぬ電子音

19行く年の大さん橋に巨船の灯

20息白し山門出づる僧の列

21行く年を肴に並ぶ赤ら顔

22行く年を帰省バスにて詠む一句

23雨、雪にかわり音なく年行けり

24行く年を炬燵で妻と見送れり

25行く年の淋しき街を孫と行く

26行く年や残り少なき我が齢

27大股に試歩の?幅や息白し

28鹿の骸掘り上げ熊の目の悲し

29ぽかぽかな陽気勤労感謝の日

30羽拡げ白息吐きて愛叫ぶ

31Goal見え湧く白息を振り払ふ

32年流れ邪念渦巻く盆の窪

33白息に包まる君のさようなら

34夜空へと発つトナカイの息白し

35犬の名を呼べば枯葉の音連れて 

36箒目を追いかけるごと降る枯葉 

37突堤に釣り人並ぶ冬日和        

38転車台くるりと廻り冬麗        

39玻璃越しに光射し込む冬日和      

40子に頼むタイヤ交換冬日和       

41バスを待つ人の会話や冬日和      

42冬日和子猫に譲る一等地        

43鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      

44船溜まり客が降りくる冬日和      

45枯葉一片舞い込んで駐輪所       

46張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  

47城門を出でて枯葉に時を読む      

48細枝にしがみついてる枯葉かな     

49下り線席が空いてる冬日和       

50冬日和床屋の鋏軽やかに        

51冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    

52単音の孫のピアノや冬日向       

53滝糸を長く配して冬紅葉        

54枯葉積む廃線の跡日昇らむ       

55若き日の街夫と訪う冬日和       

56冬日和富士捉えたるファインダー  

57靴裏の枯葉にそっと声をかけ 

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

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1月の兼題【初鏡】&【三寒四温】(12月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【冬の戦11・12・1月】

 

★1月の兼題(12末日〆切。)

 

【初鏡】

新年になって初めて鏡台に向かって化粧すること。

傍題に、初化粧。

 

【三寒四温】

冬に三日寒い日が続いたあと、四日暖かい日があるという寒暖の変化に周期があるということ。

傍題に、三寒、四温、四温日和、四温晴。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

    初鏡娘のあとに妻坐る

              日野草城

    三寒の寒のつづきて四温なし

               桂信子

 

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令和5年12月号11月の結果(冬の戦第1ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

冬晴れや吊るす魚の長き影

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く

靴裏の枯葉にそっと声をかけ

冬日和床屋の鋏軽やかに

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く

~~<辻 雅宏選5句>~~

犬の名を呼べば枯葉の音連れて

若き日の街夫と訪う冬日和

玻璃越しに光射し込む冬日和

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和

冬日和富士捉えたるファインダー

  

11月の点盛りの結果

 

四点句

犬の名を呼べば枯葉の音連れて     龍野 ひろし

 

三点句

箒目を追いかけるごと降る枯葉     阿部 文彦

 

二点句 

突堤に釣り人並ぶ冬日和        辻 雅宏

転車台くるりと廻り冬麗        水野 幸子

玻璃越しに光射し込む冬日和      阿部 文彦

子に頼むタイヤ交換冬日和       辻 雅宏

バスを待つ人の会話や冬日和      阿部 文彦

冬日和子猫に譲る一等地        龍野 ひろし

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      龍野 ひろし

 

一点句

船溜まり客が降りくる冬日和      阿部 文彦

枯葉一片舞い込んで駐輪所       上野貴子

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  神長 誉夫

城門を出でて枯葉に時を読む      青山 好男

細枝にしがみついてる枯葉かな     辻 雅宏

下り線席が空いてる冬日和       上野貴子

冬日和床屋の鋏軽やかに        龍野 ひろし

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    神長 誉夫

単音の孫のピアノや冬日向       小林 ひろ

滝糸を長く配して冬紅葉        水野 幸子

枯葉積む廃線の跡日昇らむ       青山 好男

若き日の街夫と訪う冬日和       原田 啓子

冬日和富士捉えたるファインダー    龍野 ひろし

靴裏の枯葉にそっと声をかけ      原田啓子

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 犬の名を呼べば枯葉の音連れて・・・4点

冬の戦が始まりました。今年はコロナ禍が明けて久しぶりの年末年始ですが、

どうなることやら楽しみです。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

箒目を追いかけるごと降る枯葉

確かにそうですね。私の庭でも今、藤や紅葉の落ち葉が絶え間なく落ちていて、

箒目を「追いかけるごと」というところに共感しました。

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★1月の兼題(12月末日〆切)

 

【初鏡】&【三寒四温】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は敦賀の抄の句を見てみましょう。

 

名月や北国日和定なき・・・芭蕉

 

この句は、日本海の美しさと天候の不安定なことを詠んでいますね。中七の部分は「ほっこくびより」と読みます。北陸のお天気のことです。

昨夜の月は美しかったけれども、十五夜の今日には雨が降ってしまった。北陸の空模様は変わり易く解りづらいものだ。芭蕉はこのように俳句にしています。  

芭蕉が好きな「や」が上五にあり、「名月」という季語に付けています。一番多く効果的と云われる切れ字の使い方です。名月を詠みながら雨月を思わせるところが芭蕉ならではですね。

敦賀は歌枕の地として知られていて、月見の景勝地とされていました。この句からは、この日は雨月のようですが「奥の細道」のこの抄は、多くの歌枕や名所が連ねられています。

気比神社にまつわる謂れや仲秋の名月を楽しみに芭蕉はこの地を訪れたのではないでしょうか。その期待に反して、残念ながら雨月となってしまい、この句を詠んでいます。

芭蕉は、この後は船で種の浜へ向かいます。江戸を出発してからこの頃は、もう四ヶ月半がたっています。陸奥の旅「奥の細道」も、そろそろ終わりに近づいて来ているようです。

(令和五年十二月号より 上野貴子)

 

 「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

 

冬の戦がスタートしました。いきなり四点句が出ました。残り2カ月の展開が楽しみです。今年も勝ち抜き戦の句会に投句と選句をありがとうございました。

来年春の戦からは少し装いをかえて皆様の投句をお待ちします。

参加戴きました皆様 どうぞよいお年をお迎えください。

(令和五年十二月 辻 雅宏)

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会10月結果発表~

 

<大賞>

 

1   橋詰 博 謎解きの枯葉挟んだこの頁

 

2点句>

 

18 鈴木 恵美子 新走りそよ吹く風の蔵の街

27 米重 初枝 喧嘩して仲直りして冬隣

34 大西 文子 鬼ごっこ逃げる児たちを追う枯葉

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

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https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

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