2025年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦第3ステージ)

1初暦昭和百年といふ睨み

2鳥打ちを斜めにギャバン老の春

3只ごとはとらぬゑ「がんこ」初句会

4花八手ぽんとあやつの誕生花

5年用意終えコップ酒老主筆

6翅閉じツウと歩きし初雀

7初雀待ち人来ずこつち見る

8異国でもめでたくおもふ初雀

9初雀なにを啄む早くから

10鳴き声のどこか寿ぐ初雀

11氏神の庭に遊ぶや初雀

12窓越しに猫ながめをり初雀

13チュンチュンと吾を起こすや初雀

14無人駅の枕木つつく初雀

15数え日や赤丸のつく誕生日

16初雀四方に首を傾げおり

17数え日や子の発熱の知らせ来て

18幼子の赤き指差す初雀

19電線に胸をそろえて初雀

20五羽で来て三羽飛び立つ初雀

21日溜まりのパン屑に群る初雀

22来し方の柳誌の嵩や年惜しむ

23また今日も喪中の報せ年の暮

24落ち葉敷く道をスキップ白き人

25ランナー待つゴールテープに落ち葉降る

26落葉を追い抜き速し御座の船

27新年を待つ神庭に鳩一羽

28落ち葉からぬっと顔だけポメラニアン

29いつになく晴れた空から初雀

30初雀思い悩んでいられない

31空っぽの心に初雀鳴く

32去年今年なにが起きるか解らない

33戻らない笑顔を胸にいざ新年

34群がりてひかり啄む初雀

35四方からひかり集めて初雀

36鳴き声に命の鼓動初雀

37仮名文字の墨の匂ひや初雀

38鉄塔は村の目印初雀

39行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

40観る人も掻く人もいて落葉時

41縁側の母の背まろし落葉焚

42振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ

43数え日や月のない夜に月見蕎麦

44数え日のひと日を上野美術館

45落葉掃くあとからきりもなき落葉

46ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな

47三日経ち落葉を纏い猫もどる

48ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

49数へ日の床屋の鋏フル稼働

50落葉して家路明るく続きおり

51日めくりをめくりめくりて数へ日に

52数へ日の大桟橋に巨船の灯

53時雨けり湖底にゆれる雑魚の影

54ふりそそぐ言葉となりて落葉かな

55久々に姉と踏む音落葉かな

56好きですと言い出せぬまま数へ日に

57数え日や主婦が出てくる小間物屋

58落葉も黄が多いかな海の街

59数へ日やビルの窓拭く命綱

60卓上の日めくり数え日となりぬ

61啄めば影も啄み初雀

62重なりて屍となりぬ朴落葉

63身籠りし娘に似るしぐさ初雀

64側溝の流れ堰き止む杉落葉

65庭の木も身を守るかに落葉する

66落葉時帚一本あれば良し

67キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな

68数え日のぴたぴた走るインコかな

69懐かない猫の餌付けや初雀

70艶めきて色をまだらに柿落葉

71舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る

72落葉して心細げな大樹かな

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)
【盆梅】【燕】【桜】

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【春の戦2・3・4月】
★2月におすすめの兼題(1月末日〆切。)
【盆梅】
盆栽仕立てにした梅です。
傍題に、「鉢の梅」「盆の梅」

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

鉢の梅浮世の義理に開きけり   正岡子規

燕つばめ泥が好きなるつばめかな 細見綾子

さまざまの事思ひ出すさくらかな 松尾芭蕉

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令和6年1月号12月の結果(冬の戦第2ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~

数へ日やビルの窓拭く命綱

数え日のひと日を上野美術館

卓上の日めくり数え日となりぬ

啄めば影も啄み初雀

重なりて屍となりぬ朴落葉

 

~~<上野貴子選5句>~~

石焼き芋通り過ぎてく嗚呼数え日

好きですと言い出せぬまま数へ日に

日めくりをめくりめくりて数へ日に

数え日や主婦が出てくる小間物屋

数え日や疎遠の友を思い出し

 

点盛りの結果

 

五点句

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ          龍野ひろし

観る人も掻く人もいて落葉時         原田啓子

 

三点句

縁側の母の背まろし落葉焚          原田啓子

振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ         龍野ひろし

数え日や月のない夜に月見蕎麦        瀧口 孝志

 

二点句

数え日のひと日を上野美術館        阿部文彦

落葉掃くあとからきりもなき落葉      辻 雅宏

ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな      辻 雅宏

三日経ち落葉を纏い猫もどる        瀧口 孝志

ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む      辻 雅宏

 

一点句

数へ日の床屋の鋏フル稼働          辻 雅宏

落葉して家路明るく続きおり         原田啓子

日めくりをめくりめくりて数へ日に      辻 雅宏

数へ日の大桟橋に巨船の灯          龍野ひろし

時雨けり湖底にゆれる雑魚の影        水野幸子

ふりそそぐ言葉となりて落葉かな       水野幸子

久々に姉と踏む音落葉かな          原田啓子

好きですと言い出せぬまま数へ日に      辻 雅宏

数え日や主婦が出てくる小間物屋       阿部文彦

落葉も黄が多いかな海の街          船津 元

数へ日やビルの窓拭く命綱          龍野ひろし

卓上の日めくり数え日となりぬ        阿部文彦

啄めば影も啄み初雀             水野幸子

重なりて屍となりぬ朴落葉          水野幸子

身籠りし娘に似るしぐさ初雀         水野幸子

側溝の流れ堰き止む杉落葉          阿部文彦

庭の木も身を守るかに落葉する        阿部文彦

落葉時帚一本あれば良し           原田啓子

キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな      辻 雅宏

数え日のぴたぴた走るインコかな       水野幸子

懐かない猫の餌付けや初雀          瀧口 孝志

艶めきて色をまだらに柿落葉         辻 雅宏

舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る         瀧口 孝志

落葉して心細げな大樹かな          原田啓子

 

 

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ・・・五点
観る人も掻く人もいて落葉時・・・五点

年の瀬の戦いの所為でしょうか、競ってます!
何と五点句が二句です。落葉は風情がありまた人の心を動かす情緒もあっていい句が多いですね。最終戦が楽しみです。
(冬:11月~1月)

~~~今月の選評~~~

数へ日やビルの窓拭く命綱

年末によく目にする光景が数へ日
という季語が効いて詩になった。

 

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★2月の兼題(1月末日〆切)

【盆梅】【燕】【桜】

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

また、オンライン句会では毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の展開」今回は、「なんちゃって俳句」の第二弾として、何句か上げて考えてみましょう。

風が吹かなきゃ扇子で起こす力・・・貴子

「扇子」が夏の季語ですが風のない夏に風を起こす。人間の動く力を詠んだものです。
力には「権力」「洞察力」「威力」「重力」など、人の動く運動の力意外にさまざまな力がありますが、扇子を動かす運動力と風を起こさせる見えない力を掛けて作者の想いを含めて書いた「力」の句です。
季語として「扇子」がありますが、季語がこの句のお題と言うよりも「力」に作者の言いたいことが込められているのでテーマが「力」と言ったまとめ方の句でしょうか。そこで「なんちゃって俳句」として詠んでいます。
勿論、リズムとしても破調ですが全体として17文字にまとまっています。
心理心情、想いを込めた俳句は、なんちゃって俳句でも境目のないまとまった句と言えるでしょう。

流れ星どこかで思い出がしゃべる・・・貴子

「流れ星」が秋の季語となる句です。この句は自然なしゃべり言葉なので、季語はありますがなんちゃって俳句です。思い出は作者の思い出なので、心情句でいいと思います。懐かしい写真の一齣が星の世界の時空を越えて何か言ったようなそんな気がして、錯覚だろうか、いや聞こえた気がする。そんな気持ちを詠んだのでやっぱり「なんちゃって俳句」ですね。
(会報令和七年一月号より 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
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【ネット句会後記】
明けましておめでとうございます
本年もこのネット句会を盛り上げてくださいますようお願い申し上げます。冬の戦第二ステージでは、五点句が二句となりました。四点句が無く、最終ステージでどちらかが六点句となるのか、同点タイで決着か楽しみな展開です。
今月からは春の戦になります。三つの兼題を自由に詠んでください。
投句される皆様 感想を添えて下さるようお願いします。
(令和七年一月 辻 雅宏)

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~LINE公式俳句大会12月結果発表~

<大賞>

41 大西 文子 家族皆帰りが早い今日おでん

<2点句>

4 蒲池由美子 年末の掃除家族で大騒ぎ

7 蒲池由美子 夕飯のメニュー自慢の茶碗蒸し

21 さこたゆう 日記買ふ一日一句四年目に

26 蒲池由美子 葉牡丹が迎える門出皆元気

39 荒木 かをり 数え日にがやがやとおば三人来

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2022年5月ネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

1女王も悪魔もありて薔薇の園

2薔薇の香や入園券を買う列に

3器にもこだわりありし衣更

4衣更子のたのもしきふくらはぎ

5もの言える国こそ良けれ薔薇の花

6物憂げな薔薇に振り出す雨の粒

7衣更真っ新な心地で町へ

8いつかまた蔓薔薇の家友の家

9咲く家の主は知らず薔薇の道

10西洋のガーデン真似て薔薇一鉢

11衣更ふ妻の手細きそっと見る

12薔薇かほる若きランナー深き息

13白薔薇や佳きひと眠るカセドラル

14薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな

15母の日や「写真の人」となりし母

16庭師には嘘はつかない薔薇の花

17薔薇の門くぐり主役の仕草せり

18ポケットの財布移して衣更

19船の旅終えて独りの衣更

20家中の窓開け放し衣更

21母の日の大輪の花束空におく

22ベビー服薄手にしたる衣更

23あめんぼにスケーターワルツながれけり

24オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり

25ジカリヨンの鐘に零るる薔薇の露

26薔薇散れりひとひらごとの影もまた

27薔薇の傷触れし唇濡れた赤

28氷刃をあてがふ薔薇の凛として

29薔薇の雨去りゆく影の透きとほる

30ジャガイモの花の中より斜里そびゆ

31旧友に会えたような日更衣 

32更衣へて一段飛ばしの歩道橋

33長き名の薔薇に手書きの名札つけ

34薔薇散るや一寸法師の舟となり

35薔薇の香に途切れ途切れの読書かな

36更衣あれこれ訊かれ三面鏡

37更衣白一団の今朝の駅

38マネキンの肌もあらはに更衣

39薔薇よ薔薇王家の名前つけられて

40薔薇の門くぐり祝ふや婚の客

41蘇る母の味付け木の芽和え

42狭き空ビルの谷間も余花残花

43狂ほしき風の形の雪柳

44ふがいなき傷を負ひたる恋の猫

45燕来る高速道の高架下

  

 

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 月の兼題【短夜】【夏帽子】(5月31日〆切)

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 【夏の戦5・6・7月】

 ★6月の兼題(5月31日〆切。)

【短夜】

その短さ、はかなさを惜しむ気持ちを重ねて夏の夜を呼んだのが短夜という季語です。
傍題に、明易し。

【夏帽子】

夏にかぶる帽子の総称。
傍題に、麦藁帽、パナマ帽、カンカン帽など。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

    短夜のあけゆく水の匂ひかな 

              久保田万太郎

      銀座には銀座のセンス夏帽子

                  松本青風

 

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5月号4月の結果(春の戦第3ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

遅き日のたてぶえ響く通学路

在庫なし遅日の書店めぐる旅

花冷えを描く老爺のベレー帽

ひもすがら上野公園花の冷え

雛飾る母娘三代昼下がり

 

<点盛りの結果>

 

九点句

余寒なほ眉間に皺の阿修羅像   龍野ひろし

  

六点句

赤子はやはじめの一歩水温む   井上悦男

 

五点句

枕木を数えてわたる雪解風    原田啓子

 

四点句

戸口より笑ひこぼるる雛の家   青山好男

 

三点句

花冷ゆるコーンポタージュの舌ざわり   小南彩乃

椿落つ上り電車の始発駅     井上悦男

雪解けて吾子の靴下現るる    阿部文彦

轟々と光広ぐる雪解川      龍野ひろし

連覇への襷を晒す雪解川     神永誉夫

余寒なほ体育館の保護者会    辻 雅宏

 

二点句

花冷えを描く老爺のベレー帽   青山好男

鎌倉へ母を連れだす遅日かな   阿部文彦

遅き日のたてぶえ響く通学路   山本佐和子

花冷えや夜へと急ぐ貨車の群れ  神永誉夫

盆栽の鋏の音や遅日なる     阿部文彦

枝と枝重なる影や夕長し     青山好男

顔洗ふ無骨なる手に水温む    辻 雅宏

雛飾る母娘三代昼下がり     青山好男

水温む鍵の振れゐるランドセル  井上悦男

さびしくて鈴転がして鳴く子猫  水野幸子

落椿拾い集めて手水鉢      野里 安のり

紅つばき模したるみやび京和菓子 井上悦男

廃屋を護りて咲くや藪椿     阿部文彦

箱出でて頬の冷たき女雛かな   青山好男

椿落つ猫驚きて尾を立てり    辻 雅宏

ふる里の無人の駅の余寒かな   阿部文彦

余寒とて美しき言葉やビル狭間  井上悦男

雪解河わたる客車に人は無く   青山好男

友禅を透かし雪どけ水ながる   青山好男

駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ    水野幸子

雪解水ふわり越え来る転校生   神永誉夫

霊山の嶺より落つる雪解水    辻 雅宏

 

一点句

花冷えや児を抱く手が銃掴む   神永誉夫

柵越しに馬と目の合う遅日かな  原田啓子

在庫なし遅日の書店めぐる旅   小南彩乃

ひもすがら上野公園花の冷え   辻 雅宏

花冷や行き着く先の海の青    井上悦男

キャンドルに影濃き祈り花の冷え 神永誉夫

チョッキ着た犬も小走り花の冷え 辻 雅宏

この星の戦い憂ふ花の冷     井上悦男

花冷えや紅茶にミルクの乱れ雲  神永誉夫

蔵町に鐘の音ひびく遅日かな   阿部文彦

暮遅し猫の窓辺に長く居り    小南彩乃

耳朶にピアスの悔いや花の冷え  神永誉夫

白米の炊けてキッチン暮れ兼ねる 上野貴子

花冷えの町を救急車が走る    上野貴子

ベランダに紫煙くゆらす花の冷え 阿部文彦

一日を大事に大事に椿咲く    原田啓子

泣きたくて泣けぬ夜道の白椿   上野貴子

蓮池の鯉の揺らぎや水温む    水野幸子

五日ほどジョギング休み水温む  阿部文彦

友禅を透かし雪どけ水ながる   青山好男

よく見れば玄関脇に雪間草    野里 安のり

椿落つ小川の水に日の反射    井上悦男

三味線の指しなやかに水温む   原田啓子

立春の大雪山の光かな      水野幸子

仏間までピンクの香りヒヤシンス 水野幸子

地震に覚め支度の時の余寒かな  阿部文彦

雪解川往くに存分なる日差し   山本佐和子

雪解川所々に鄙びた草浸る    山本佐和子

野仏の欠けし目鼻や余寒なほ   龍野ひろし

寸借の厠に残る寒さかな     辻 雅宏

冷えきったサンドイッチの余寒かな 山本佐和子

屋根よりの雪解のしずく早鐘に  水野幸子

余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり 井上悦男

触れ合う手ともに冷たき余寒かな 青山好男

雪解けの声に赤鬼面忘れ     上野貴子

せせらぎの調べ軽やか雪解水   井上悦男

 

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~LINE公式俳句大会4月結果発表~

 大賞 さこたゆう   白薔薇が好き壺にたっぷり活ける

 2点句 

さこたゆう   髪束ねパステルカラーに衣更

濱野 洋子   ブラウスに いつぱいの風更衣

 1点句 

さこたゆう  野茨の角曲がる家へようこそ

      ドライのバラライブの記念に残す

橋詰博    衣更決めて口笛高らかに   

       マネキンの衣更え終えポーカーフェイス

富岡 眞奈      一面の 綿毛蹴り蹴り 散歩する

デビ愛染   花のしべ 雨粒たたえ 咲き誇る

大倉 宏美  衣更早歩きして清々し

南出千賀子  衣更えその手進まぬ母思う

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

      余寒なほ眉間に皺の阿修羅像・・・九点     

 とうとう逃げ切られてしまいました。今年は厳しい春ですね。寒暖の差が激しい季節には厳しい顔の阿修羅像の句が高得点を取りました。この後の夏は今年もきっと猛暑ですね。
(春:2月~4月)

  

~~~今月の選評~~~

 花冷えや児を抱く手が銃掴む

 何句かウクライナ情勢を詠んでいる句がありましたが、この句は
まさに国境で家族との別れ、妻子はポーランドへ夫は戦場へと、
臨場感があり詠み手の心の様が手に取るようにわかります。
ウクライナに平和が早く訪れますように、
家族の再会をいのっています。

 

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月の兼題(5月末日〆切)

 【短夜】【夏帽子】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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【今月のワンポイントレッスン】 

2022年「おしゃべりHAIKUの会」会報5月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は私が手術入院という緊急事態となってしまったことに因んで、曽良が病のために先に帰ることになる別れの無念さを詠んだ句を見てみましょう。

 行き行きてたふれ伏とも萩の原・・・曽良

 この先、師と別れての一人旅の途中でたとえ行倒れてしまおうともそこが萩咲く野でありたいという思いの句です。昔の人は厳しい旅を続けることへの覚悟が現代では考えられないほどのものだったのですね。

 今日よりや書付消さん笠の露・・・芭蕉

 芭蕉が曽良の句に「予も又」と書いた句です。今日からは、もう笠に書いた「同行二人」という文字も露で消してしまおう。という一人旅への覚悟が書かれています。病の為とは言えやはり別れは辛いものですね。ましてや旅先では、不安が多いものです。

始めの句には「切れ字」はありません。575のリズムは整っていますから違和感の無い俳句ですね。

芭蕉の句は上五に「や」があります。これは上五の「けふよりや」と文語調では表記されることで「きょう」という現代読みと同じ五文字となります。「ちょう」が「てふ」と文語調では表記されることと同じですね。ですからこの句も整った句となります。

「や」という切れ字は芭蕉が多く使う切れ字です。ここでは、今日の今からという切ない別れの瞬間を惜しんでいることがよく解ります。

芭蕉の時代には自然な作句法だったのでしょう。「や」の柔らかな音調が効いています。

(令和4年5月上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

春の戦は9点句の独走で終わりました。5月となり初夏に入りました。すごしやすい気持ちのいい季節です。夏の第1ステージには兼題「更衣、薔薇」に40句が寄せられました。特選には選評も添えて下さるようお願いします。そして、6月の兼題にも奮って投句下さるようお待ちしています。

(令和四年五月 辻 雅宏)

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2023年8月ネット句会

今月の投句(秋の戦第1ステージ)

1新宿の空を広げし稲光

2富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

3稲妻の眼裏に残る軌跡かな

4稲妻やひかりの走る山湖かな

5稲妻や天の重心傾けて

6名瀑をさらに濡らして稲光

7葉を金箔に変えて一閃稲光

8また今度いつものセリフ墓参り

9踏みしめる細き山道墓参り

10外堀に亀平泳ぎ夏は来ぬ

11ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ

12稲妻や川の氾濫大写し

13稲妻やツァラトストラの語りそむ

14本尊の空位を晒す稲光

15墓参り掃除の下手な子でごめん

16稲妻や叱る事なき子と竦み

17モカの香や海に稲妻五本立つ

18稲妻を眺む吾の背に夫の声

19稲妻や空にも夜光虫住むという

20稲妻にルガーノの街一変す

21庭の花父母に手向ける墓参かな

22香煙の低く哀しき雨墓参

23ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿

24天空の闇を稲妻ほしいまま

25稲妻や竿を納むる太公望

26若き日の蹉跌を詫びる墓参かな

27父の歳越えて悔悟の墓参り

 

  

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9月の兼題【二百十日】&【草の花】(8月末日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【秋の戦8・9・10月】

 

★9月の兼題(8月末日〆切。)

 

【二百十日】

立春から二百十日目で、九月一、二日に当たる。

傍題に、厄日。

 

【草の花】

秋の名のある草、名もない草の花のことである。

傍題に、百草の花、千草の花。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   手紙には書かねど二百十日かな

                 黒田杏子

 

   本名は頓とわからず草の花

               夏目漱石

 

 

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令和5年8月号7月の結果(夏の戦第3ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

夕立の甍を叩く寺の町

髪洗う水音清し夜の星

ががんぼや「あなたはいいね」「ほっとする」

ほうたるを蚊帳に放して闇分かつ

白雨去りいぶし瓦の底光り

  

六点句

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋       龍野ひろし

 

五点句

葉桜の中をゆるりと車椅子       阿部文彦

バイオリンの弓締め直す昼薄暑     原田啓子

 

四点句

葉桜の蔭に川瀬の水光る        上野貴子

サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ   龍野ひろし

 

三点句

葉桜に透ける光を仰ぎけり       龍野ひろし

葉桜の中に奏でる瀬音かな       阿部文彦

白雨去りいぶし瓦の底光り       神長誉夫

葉桜の隙間を埋むる空の青       辻 雅宏

二階より豆腐屋止むる夕薄暑      辻 雅宏

 

二点句 

髪洗う湯殿を包む夜の闇        青山好男様

無骨なる指もて妻の髪洗ふ       辻 雅宏

夕立の甍を叩く寺の町         龍野ひろし

洗い髪夜風に吹かれ回り道       水野幸子

大夕立街の火照りを覚ましけり     龍野ひろし

テンポあげトタン叩くや大夕立     龍野ひろし

熊野古道霊気ただよふ木下闇      辻 雅宏

薫風や舳先に猫の座りおり       原田啓子

貝塚の層は幾重や風薫る        龍野ひろし

軋み行くトロッコ列車や風薫る     神長誉夫

故里を遠望の丘風薫る         辻 雅宏

配達を終へし自転車夕薄暑       龍野ひろし

葉桜や詰襟開く初年生         神長誉夫

人影も絶えて堤の花は葉に       辻 雅宏

 

一点句

雨上がり白雨の影を風が追う      上野貴子

髪洗う水音清し夜の星         青山好男

ががんぼや「あなたはいいね」「ほっとする」水野幸子

ほうたるを蚊帳に放して闇分かつ    水野幸子

夕立の歩道に泡の立ちにけり      阿部文彦

旅人の風に梳かるる洗い髪       阿部文彦

夕立ち止みストーンヘンジの巨石かな  原田啓子

天窓にさす光なお髪洗う        原田啓子

夕立や音立て入る部屋暗し       青山好男

薄明やメデューサ髪を洗ふ影      神長誉夫

束ね髪解きて少女は髪洗ふ       龍野ひろし

テンポあげトタン叩くや大夕立     龍野ひろし

講演を明日に控えて髪洗う       阿部文彦

あてもなく風に誘われ夏木立      上野貴子

せせらぎの音生き生きと木下闇     阿部文彦

伊勢湾へ木曽揖斐長良風薫る      辻 雅宏

子供らの謎なぞ遊び木下闇       龍野ひろし

風に折れし牡丹三本供花とす      水野幸子

サッカーの球フワと浮き風薫る     原田啓子

嬰泣きし涙なぞりて夏の風       水野幸子

みどり児の笑窪くっきり木下闇     水野幸子

暗いほど外明るくて木下闇       原田啓子

けん玉で遊ぶ子たちや風薫る      阿部文彦

猫の駆るバス停ありし木下闇      原田啓子

作句する語彙の貧しき薄暑かな     阿部文彦

葉桜を描くキャンバス青き空      青山好男

娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり    水野幸子

葉桜の梢へ伸びる緑かな        原田啓子

地下街を出でて地上の街薄暑      辻 雅宏

葉桜やケルンに注ぐジン香る      神長誉夫

老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな       青山好男

葉桜や嬰は保育園なれた頃       水野幸子

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 

夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋・・・6点

 

夏の最終戦です。とうとう6点句が勝ち抜きました。

夏は句材が多い季節ですが、最近は暑すぎる猛暑のためか

意外に苦戦でした。古風な下町情緒の句が最高点を取りましたね。

次回はもう秋の戦となります。残暑が厳しい季節ですが

どんな句が集まるかお楽しみに。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

夕立ち止みストーンヘンジの巨石かな

 

夕立の後のみずみずしい広大な荒野が目に浮かぶとともに、長い歴史の積み重ねを経た巨石群を目前にして、人間の卑小や生命の一瞬性を想い、自然に対して敬虔な気持ちにさせられる。

 

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★9月の兼題(8月末日〆切)

 

【二百十日】&【草の花】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

只今準備中

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は最上川を日本海へ下り酒田の湊での句を見てみましょう。

 

暑き日を海に入れたり最上川・・・芭蕉

 

「奥の細道」の中で日本海へ下り河口での句となります。悠々と流れる最上川が暑い一日を海へ流し込んでしまい河口付近は涼しくなったという意味の句です。

この句の前後には、芭蕉が得意とする切れ字「や」が多く使われていますが、この句には特に代表的な切れ字は見当たりません。文語調では「たり」がありますが、形容動詞の終止形となりここで句の切れを感じます。下五に名詞止を持って来て上手くまとめています。この後に芭蕉は象潟へ向かいます。芭蕉にとっては象潟はこの「奥の細道」の旅の中で大きな目的地のひとつでした。象潟の抄では、「松島は笑ふが如く、象潟はうらむがごとし」という名文を残しています。太平洋と日本海のイメージの違いをまさに見事に言い表わしています。広くおおらかな太平洋と厳しく陰鬱な日本海の同じ海でありながらまったく別の顔を持つ美しさですね。天候が定まらないと今も昔も人の心はどこか陰鬱な恨み節を思わせるものなのですね。コロナ禍の不安定さと天候不順が合いまった現代に通じるものを感じます。

(令和五年七月号より 上野貴子)

 

 

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【ネット句会後記】

 

夏の戦が六点句をトップに終わりました。俳句の八月は秋だそうですが、この猛暑からは実感できませんね。秋の戦第一ステージの始まりです。

投句と選句をセットにして参加下さい。選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年八月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会6月結果発表~

 

<大賞>

 

25 米重 初枝 あの雲の下は夕立君の駅

 

2点句>

 

17 濱野 洋子 抽斗の古びた名簿麦の秋

18 さこたゆう 夕立が洗い流した一ページ

30 鈴木 恵美子 田植え終え水に映るは空のあお

46 大倉 宏美 気がつけば読みふける間に夕立や

 

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2025年2月のネット句会

今月の投句(春の戦第1ステージ)

1盆梅や袴の少女弓を手に

2盆梅や京の町家の仄灯り

3盆梅や花街灯りの神楽坂

4盆梅や水郷下る稚児の舟

5盆梅や京の干菓子のかたち良き

6四角鉢根まではみ出し白梅紅梅

7盆栽の梅には梅の気骨あり

8一輪の盆梅飾れば仏間なす

9ラウンジの盆梅にふと立ち止まる

10盆梅の鉢の模様は骨董品

11黒幹に月日重ねし盆の梅

12広き堂足音低し盆の梅

13盆の梅入学近き孫の笑み

14折り鶴が隣飾りし盆の梅

15海眺む窓辺にひとり盆の梅

16なし咲き満ちて鹿の子絞りの桜かな

17イケメンな尾羽の長い燕かな

18燕くる雌はリフォーム雄見張り

19盆梅や父の逝きしは今ごろよ

20背に負うは鬼女かもしれぬ花の山

21盆梅の鉢丸きあり四角あり

22叔父叔母の日々の話題に燕かな

23愛されてまた疎まれて燕来

24登校の子を見送るや盆の梅

25盆梅の鉢の支える樹齢かな

26盆梅のそれぞれにある矜持かな

27知事賞にかがやく祖父の鉢の梅

28お歴々の審査を待つや盆の梅

29朝市や盆梅並ぶ陣屋前

30盆梅の幹に年季の瘤りゆうりゆう

 

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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)
【盆梅】【燕】【桜】

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【春の戦2・3・4月】
★3月におすすめの兼題(2月末日〆切。)
【燕】
   春にやってきて、人家の軒先に営巣し、秋には帰っていきます。
   傍題に、「つばくろ」「初燕」「燕来る」

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

    鉢の梅浮世の義理に開きけり   正岡子規

    燕つばめ泥が好きなるつばめかな 細見綾子

    さまざまの事思ひ出すさくらかな 松尾芭蕉

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令和7年2月号1月の結果(冬の戦第3ステージ)

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

鳥打ちを斜めにギャバン老の春
また今日も喪中の報せ年の暮
鳴き声に命の鼓動初雀
仮名文字の墨の匂ひや初雀
鉄塔は村の目印初雀

~~<上野貴子選5句>~~

初雀なにを啄む早くから
鳴き声のどこか寿ぐ初雀
無人駅の枕木つつく初雀
四方からひかり集めて初雀
鉄塔は村の目印初雀

 

点盛りの結果

六点句
行違ふ舞妓は傘に落葉のせ          龍野ひろし

五点句
数え日のひと日を上野美術館         阿部文彦
観る人も掻く人もいて落葉時         原田啓子

四点句
縁側の母の背まろし落葉焚          原田啓子

三点句
落葉掃くあとからきりもなき落葉       辻 雅宏
振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ         龍野ひろし
数え日や月のない夜に月見蕎麦        瀧口 孝志

二点句
四方からひかり集めて初雀          龍野ひろし
鉄塔は村の目印初雀             龍野ひろし
来し方の柳誌の嵩や年惜しむ         阿部文彦
鳥打ちを斜めにギャバン老の春        瞳人
数へ日の床屋の鋏フル稼働          辻 雅宏
数へ日の大桟橋に巨船の灯          龍野ひろし
好きですと言い出せぬまま数へ日に      辻 雅宏
無人駅の枕木つつく初雀           原田啓子
ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな       辻 雅宏
三日経ち落葉を纏い猫もどる         瀧口 孝志
ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む       辻 雅宏

一点句
初雀四方に首を傾げおり           原田啓子
初雀なにを啄む早くから           辻 雅宏
鳴き声のどこか寿ぐ初雀           辻 雅宏
空っぽの心に初雀鳴く            上野貴子
初暦昭和百年といふ睨み           瞳人
初雀思い悩んでいられない          上野貴子
五羽で来て三羽飛び立つ初雀         阿部文彦
また今日も喪中の報せ年の暮         阿部文彦
鳴き声に命の鼓動初雀            龍野ひろし
仮名文字の墨の匂ひや初雀          龍野ひろし
群がりてひかり啄む初雀           龍野ひろし
落葉して家路明るく続きおり         原田啓子
日めくりをめくりめくりて数へ日に      辻 雅宏
時雨けり湖底にゆれる雑魚の影        水野幸子
ふりそそぐ言葉となりて落葉かな       水野幸子
久々に姉と踏む音落葉かな          原田啓子
数え日や主婦が出てくる小間物屋       阿部文彦
落葉も黄が多いかな海の街          船津 元
数へ日やビルの窓拭く命綱          龍野ひろし
卓上の日めくり数え日となりぬ        阿部文彦
啄めば影も啄み初雀             水野幸子
重なりて屍となりぬ朴落葉          水野幸子
身籠りし娘に似るしぐさ初雀         水野幸子  
側溝の流れ堰き止む杉落葉          阿部文彦
庭の木も身を守るかに落葉する        阿部文彦
落葉時帚一本あれば良し           原田啓子
キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな      辻 雅宏
数え日のぴたぴた走るインコかな       水野幸子
懐かない猫の餌付けや初雀          瀧口 孝志
艶めきて色をまだらに柿落葉         辻 雅宏
舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る         瀧口 孝志
落葉して心細げな大樹かな          原田啓子 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ・・・六点

2025年初めての結果です。今年は風情のある日本的な句が逃げ切りました。古風な舞妓さんの姿はお正月にも素敵ですね。
次回はもう春の戦です。こうご期待!
(春:2月~4月)

~~~今月の選評~~~

鳥打ちを斜めにギャバン老の春

老いてはいるが、まだまだ元気だぞと、ギャバンを気取って鏡を見ている。そんなユーモラスな感じがよく出ている。

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★3月の兼題(2月末日〆切)

【盆梅】【燕】【桜】

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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の展開」今回は、「なんちゃって俳句」の第三弾として、何句か上げて考えてみましょう。

空の道鳥は知ってる風の道・・・貴子

この句には季語は無いので無季句です。渡り鳥を詠んでいるのが読者にも解る句なので、季感は秋となります。
季語が無い俳句を無季の句といいますが、毎年同じ場所にやって来る渡り鳥の習性の不思議を詠んでいます。風に乗って遠くシベリアからやって来るなんて自然は広大ですね。リズムとしては5・7・5、17文字にまとまっています。
 
運命が月の周りを回ってる・・・貴子

この句は「月」が秋の季語です。リズムは、5・7・5で17文字に整った句です。太陽系の地球の周りを回る月、衛星と呼ばれていて、その周りを回る星を孫衛星と呼びますが、現在では月には孫衛星は発見されていません。数少ない他の惑星の孫衛星の他に、人工衛星などを孫惑星と呼ぶこともあると言います。まさに宇宙の不思議ですね。
人間の運命は形には表せない目には見えないものですから、未だに発見されていない月の周りを回る孫惑星を運命と例えて詠んでみました。架空の幻想を句材にしているのでなんちゃって俳句でいいと思います。リズムは定型で季語は「月」となりますが、写生句とは言えない空想の世界の俳句となります。
(会報令和七年二月号より 上野貴子)

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【ネット句会後記】
冬の戦は5点句のうちの1句が6点句となり逃げ切りして終了しました。立春とはまさに暦の上のことで、寒波が波状的に到来してきます。俳句では一足先に春を迎えました。心あたたまる楽しい俳句をお寄せください。投句される皆様 感想を添えて下さるようお願いします。
(令和七年二月 辻 雅宏)

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~LINE公式俳句大会1月結果発表~

<大賞>

41 鈴木 恵美子    杯かわす越乃寒梅緩む頬

<2点句>

4 蒲池由美子     世田谷の富士見公園カメラの輪

5 蒲池由美子     外輪山富士の姿に魅入る我

11 米重 初枝     地震の地もはや三十歳や寒の梅

12 米重 初枝     じっと待つライン無き日や梅一輪

13 米重 初枝     真白なる梅に問いたきことありて

22 奥平 雅子     一本の嬉しき電話冬晴るる

28 荒木 かをり    弾ける夜推し活の娘とホットココア

32 さこたゆう    石段を上り詰めれば寒紅梅

40 鈴木 恵美子    六義園香りほのかに冬の梅

44 吉木政人     子の上着ポケットのカイロまだ温か

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2022年6月ネット句会

今月の投句(夏の戦第2ステージ)

1寝つかれぬ旅の枕や明易し

2没頭の徹夜麻雀明早し

3能登に泊つランプの宿の明易し

4夏帽の改札抜ける海の駅

5九十の伯母輝くや夏帽子

6短夜のヒールの音や石畳 

7天窓の短夜蒼き空のまま

8竿さしてパナマ帽行く運河かな 

9夏帽に飛行機雲の白さかな 

10立ち止まる人話す人夏帽子 

11短夜にスネアが跳ねて弦が追ふ

12しなやかに人混み抜けて夏帽子

13短夜を舐るネオンの熱き舌

14寝顔秘す大小四つの夏帽子

15短夜じゃ濡れた唇乾かない

16青空に曽孫の花柄夏帽子

17明けやすし住職の打つ寺の鐘

18美しきフランス料理蝸牛

19草を抜く手にひらきけり夏の蝶

20発車ベルホーム彩る夏帽子

21突堤に釣り糸垂らす麦藁帽

22観光のパスが吐き出す夏帽子

23短夜や北へ北へと貨車がゆく

24短夜や机上に積みしままの古書

25畦道に葬列白きパナマ帽

26街の色連れ帰りたりパナマ帽

27古机亡父のにおう麦藁帽

28遠き日や紐ちぎれたる麦藁帽

29短夜や浪にただよう孤舟かな

30夏帽子いつか写真のあの町へ

31捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽

32夏帽子やっとお外で子等の声

33短夜のラジオの歌の懐かしく

34短夜のジグソーパズル終わらずに

35母の忌は母の好みし新茶汲む

36お握りの形いびつに豆の飯

37鳴く猫の声をかき消す夏嵐

38武蔵野は薔薇満つ百花風の路

39若返る色を纏ひし更衣

40追ひついて二つとなりし夏帽子

41短夜や老爺ひとりで目刺し焼く

42夏帽子ブルースは熟年の曲

43日の当たる坂に紫紺の夏帽子

44短夜や沖ゆく船の灯の遅速

45短夜のドライヤー急くこともなく

46短夜の深きに沈むレトロチカ

47夏帽子つばの先向く水平線

48親切に過ぎる叔母の屋薔薇の角

49住処より遠き公園薔薇に雨

50女王も悪魔もありて薔薇の園         

51長き名の薔薇に手書きの名札つけ       

52もの言える国こそ良けれ薔薇の花       

53母の日や「写真の人」となりし母       

54母の日の大輪の花束空におく         

55薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      

56更衣へて一段飛ばしの歩道橋         

57家中の窓開け放し衣更            

58咲く家の主は知らず薔薇の道         

59マネキンの肌もあらはに更衣         

60薔薇散れりひとひらごとの影もまた      

61オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     

62薔薇散るや一寸法師の舟となり        

63衣更子のたのもしきふくらはぎ        

64薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        

65薔薇の門くぐり主役の仕草せり        

66いつかまた蔓薔薇の家友の家         

67ポケットの財布移して衣更          

68更衣あれこれ訊かれ三面鏡          

69薔薇の香や入園券を買う列に         

70白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       

  

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月の兼題【滝】【金魚】(6月30日〆切)

 

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【夏の戦5・6・7月】

 

★7月の兼題(6月30日〆切。)

 【滝】

雄大な滝も小さな滝も、眺めてそれぞれに清涼感があるものです。
傍題に、瀑布、滝壺、夫婦滝、滝見茶屋など。

 【金魚】

養殖されて鑑賞用で、紅、白、黒など色、形とも種類が多い。
傍題に、和金、琉金、出目金など。金魚売、金魚鉢は別の兼題になります。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   滝落ちて群青世界とどろけり
              水原秋櫻子 

  金魚浮き時を吸ひては泡を吐く
              西東三鬼

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 6月号5月の結果(夏の戦第1ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 女王も悪魔もありて薔薇の園

もの言える国こそ良けれ薔薇の花

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり

長き名の薔薇に手書きの名札つけ

薔薇散るや一寸法師の舟となり

  

<点盛りの結果>

 

四点句

女王も悪魔もありて薔薇の園        井上悦男

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

 

三点句

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

 

二点句

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

 

一点句

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

  

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~LINE公式俳句大会5月結果発表~

 

大賞 南出 千賀子 旧友と酌み交わす(くみかわす)夜の明け早し

 

2点句

  橋詰 博    村工場訪ねて香る一番茶

  鈴木 恵美子  雨ふふむ命の芽生え葉桜に

                    豆ご飯小指で試す塩加減  

 

1点句

   さこたゆう   太陽をはねのけ白い夏帽子

                  ページ繰る夏の夜(よ)短し時計鳴る

                  幼子の麦わら帽子赤リボン

    濱野 洋子         灯台の風に手を添へ夏帽子

   南出 千賀子     衿足しにUV帽子のつば翳り

    橋詰 博            破天荒竿から逃げた鯉のぼり

    大倉 宏美     夏帽子水玉模様にてんと虫

                      夏帽子虫取りの子の網模様

    じゅんこ     やわき髪ふわりミルクと汗香る  

 鈴木 恵美子    人知れず古刹静まり若葉風

   Keiko     明易し句集のあたりへ手を伸ばし

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

女王も悪魔もありて薔薇の園・・・四点

長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・四点

 

今月から夏の戦が始まります。まずは薔薇の句が2句同点ですね。これからどんな句が迫って来るか楽しみです。

(夏:5月~7月) 

 

~~~今月の選評~~~ 

母の日や「写真の人」となりし母 

写真の人となった母は昨年のことであろう。そう思えばこの句は

しみじみと響いてきます。 

 

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★7月の兼題(6月末日〆切)

 【滝】【金魚】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が呼んだ初夏の名句を見てみましょう。 

あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉 

日光での名句ですね。「青葉若葉」と季語を重ねてひとつの季語として、緑が光輝き美しいことを詠み、新しくなった東照宮を讃頌しています。この句には切れ字は見当たりません。斬新な季語がこの句を印象的にしています。 

木啄も庵はやぶらず夏木立・・・芭蕉 

この夏の句にも切れ字がありません。「夏木立」の仏頂和尚の隠居後を訪て詠んだ句ですが、雨風をしのいだ庵の後が夏木立の中にひっそりとある姿は人の世の刹那を感じさせます。切れ字はこの句にもありません。「や」を好んで使う芭蕉の句の中では、意外に切れ字が無い句が多いのですが、夏の句には、ことさら強調するよりも、季語の印象が強い句が多いようです。

芭蕉の時代から、切れ字の良し悪しはあまり強く解かれていません。

切れ字をよしとするのであれば、どの言葉を用いても切れ字であり、俳句の語調が心地よく整えば、その句の意味が伝わり易いとされています。

やはり、17文字の短い中に、江戸時代の芭蕉の想いが凝縮されているからこそ、現代でも読んで感動し共感するのですね。こうしてみても、現代の私達は現代の言葉の句を詠みたいものです。

(令和四年六月 上野 貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より
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【ネット句会後記】

 夏の戦第一ステージの兼題「薔薇」にいい句が集まったように思いました。6月に入って、ようやく夏らしくなってきました。街ゆく人にも半袖が目立ちます。7月の兼題は滝と金魚を用意いたしました。どちらも清涼感がある兼題です。

たくさんのご応募をお待ちしています。特選の一句には選評も添えて下さるようお願いします。

(令和四年六月 辻 雅宏)

 

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2023年9月ネット句会

今月の投句(秋の戦第2ステージ)

 

1草の花名も無き花に名を付けん

2草の花笑み柔らかき野の仏

3トテ馬車の蹄の音や草の花

4二百十日時の階段飛び越えて

5草の花微笑み合ひし道祖神

6空白し二百十日の畑仕事

7故郷をのぞむ峠や草の花

8草の花ままごと遊び孫が笑む

9植木鉢我が物顔や草の花

10迷い来て道なき野辺の草の花

11廃線を行けば迎える草の花 

12石垣の隙間を埋めて草の花

13何もなく二百十日の夕餉かな

14貝ひとつ二百十日の忘れ潮

15通り雨路地を叩いて厄日過ぐ

16二百十日渦中に眠るみどり児よ

17刈るまいとするも刈りたり草の花

18松島や秋空をブルーインパルス

19複眼のバッタ墓石を飛び越えて

20草の花郷を離るる汽車に散り

21漁場遥か二百十日の波を越え

22去る朝にくしゅんと背なの草の花

23厄日明け薄く泥引く沈下橋

24二百十日待ち侘ぶ客の来ぬ日かな

25通り雨二百十日の庭先に 

26一匹の猫の鼻先草の花

27普段着で歩く楽しさ草の花

28草の花故郷のあの畦道に

29保母さんに吾子が差し出す草の花

30手術待ち二百十日も無事過ぎて

3110年目待ちに待ちたる酢橘のみ

32少し楽心の声の残暑かな

33フェリー航く二百十日の波しずか29

34おだやかな二百十日の句会かな

35牧に咲くその名知りたき草の花

36乳牛の食むをはばかる草の花

37可愛さに摘むをためらふ草の花

38富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     

39稲妻や天の重心傾けて        

40稲妻や竿を納むる太公望       

41モカの香や海に稲妻五本立つ     

42新宿の空を広げし稲光        

43稲妻や川の氾濫大写し        

44香煙の低く哀しき雨墓参       

45名瀑をさらに濡らして稲光      

46稲妻の眼裏に残る軌跡かな     

47ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    

48天空の闇を稲妻ほしいまま      

49ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     

50庭の花父母に手向ける墓参かな    

51また今度いつものセリフ墓参り    

52稲妻にルガーノの街一変す      

53墓参り掃除の下手な子でごめん    

 

 

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10月の兼題【身に入む】&【紅葉且つ散る】(9月末日〆切)

 

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【秋の戦8・9・10月】

 

★10月の兼題(9末日〆切。)

 

【身に入む】

秋も闌ける頃から寒さが身にしむのを覚えます。

 

【紅葉且つ散る】

紅葉しながら同時に散るのをいう。紅葉散るは冬の季語になります。。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

 

   梵鐘の一打身に入む古都の宵

                 稲畑廣太郎

 

   山紅葉且つ散る雨も加はりて

                稲畑汀子

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 令和5年9月号8月の結果(秋の戦第1ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿   

葉を金箔に変えて一閃稲光

踏みしめる細き山道墓参り

外堀に亀平泳ぎ夏は来ぬ

父の歳越えて悔悟の墓参り

  

四点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

三点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

二点句 

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

稲妻や竿を納むる太公望・・・4点

 

秋の戦が始まりました。始めは順当な句が勝ちとっていますね。

突然の稲妻に慌てている釣り場の動きが見事に目に動きます。

秋はまだまだ猛暑が厳しいようですが

この後が楽しみです。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

稲妻や竿を納むる太公望

 

「太公望」が、単なる「釣り人」以上の意味を醸し出している句だと思いました。恐ろしい稲妻ですが、滑稽さも加味されているように感じます。

 

 

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★10月の兼題(9月末日〆切)

 

【身に入む】&【紅葉且つ散る】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は越後路の七夕の頃の句を見てみましょう。

 

文月や六日も常の夜には似ず・・・芭蕉

 

「文月や」と始まりますから、これは七月の六日の句です。七日では無いのにいつになく七夕の夜を思わせる艶っぽい夜だという意味ですが、蒸し暑いのかも知れませんね。陰暦7月は秋に当たりますので、ちょうど八月頃の蒸し暑さを悶々とした逢瀬になぞらえているようです。切れ字「や」はそうした意味を詠嘆で強調していますね。

 

荒海や佐渡によこたふ天河・・・芭蕉

 

同じ抄に収録されている有名な名句です。天河が七夕祭の頃を思わせます。上五の「や」が、いかにも日本海の波音の高い北国の厳しい荒海の様子を表現しています。

芭蕉の好きな切れ字「や」がこの抄では見事な効果を発揮しています。切れ字と言えば多く「や」を使うのが芭蕉の特徴です。加賀の国、現在の金沢市の日本海らしい美しさが垣間見える素敵な名句です。芭蕉の全俳句の中でも、この天河の句はやはり有名ですね。

(令和五年八月号より 上野貴子)

  

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【ネット句会後記】

 秋の戦がスタートしました。最終的にどの句が抜け出すのか、それとも追い抜く句が現れるのか楽しみな展開です。十月の兼題の「紅葉且つ散る」は俳句特有の季語です。

どんな句が詠まれるか楽しみです。

投句と選句をセットにして参加下さい。選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年九月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会7月結果発表~

 

<大賞>

 19 南出 千賀子 三姉妹喋りっぱなしの墓参り

 

2点句>

10 米重 初枝 朝顔に友の名をつけ日記帳

24 鈴木 恵美子 八ヶ岳稜線跨ぐ登山の日

26 橋詰 博 盆帰り駅名変わりて半世紀

 

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2025年3月のネット句会

今月の投句(春の戦第2ステージ)

1長崎は坂また坂よ燕飛ぶ

2風を追ひ風に追はるる飛燕かな

3我が影を湖に映せり飛燕かな

4川の面にひかりを残す飛燕かな

5風を切り光きらりと飛燕かな

6さくら咲く小さくなりし母と見る

7味噌蔵の黒塀小路に梅の花

8城下町みどりごの如梅つぼみ

9城壁に影を映して散る桜

10懐かしの家の軒先つばめの巣

11メビウスの帯のごとくに燕飛ぶ

12燕きて被災地の空広がれり

13大仏の胸をかすめて初燕

14参道の起伏自在や初燕

15つばくろやシャツター街を一直線し

16初つばめ空が明るくなりにけり

17出勤は断崖の巣より岩燕

18飛ぶ鳥のクヮウクヮウと冴え返る

19豆まかれ園児こっそり逃げてゆく

20遠山の白く輝き流氷来

21燕来て隈取凛々しき役者顔

22群燕啼く縁側へ昼餉かな

23人生を燕のごとく切り返さん

24新築の民家に泥の燕の巣

25夫とゐて日がな眺むや家桜

26覗かれる場所に動かす鉢の梅

27褒められて空咳二つ盆の梅

28踏み出せば視界を横切る燕かな

29くぐられずガラス戸の下あゝ燕

30冴え空をくるりと燕猫が追う

31えもいへぬ速さで去るやつばくらめ

32小次郎に秘剣授けし岩燕

33竣工の橋のお披露目燕来る

34初燕低空飛行雨催

35不意に来て空(くう)を一旋夕燕

36盆梅の幹に年季の瘤りゆうりゆう

37黒幹に月日重ねし盆の梅

38盆梅や京の干菓子のかたち良き

39広き堂足音低し盆の梅

40盆梅の鉢の支える樹齢かな

41盆梅のそれぞれにある矜持かな

42折り鶴が隣飾りし盆の梅

43朝市や盆梅並ぶ陣屋前

44盆梅の鉢丸きあり四角あり

45一輪の盆梅飾れば仏間なす

46叔父叔母の日々の話題に燕かな

47登校の子を見送るや盆の梅

48盆梅や袴の少女弓を手に

49知事賞にかがやく祖父の鉢の梅

50燕くる雌はリフォーム雄見張り

51盆梅や京の町家の仄灯り

52盆栽の梅には梅の気骨あり

53盆梅や父の逝きしは今ごろよ

 

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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)
【盆梅】【燕】【桜】

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【春の戦2・3・4月】
★4月におすすめの兼題(3月末日〆切。)
【桜】
春を代表する日本の国花。
傍題に、「朝桜」「夕桜」「夜桜」「老桜」など。
※八重桜は別題になります。

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

鉢の梅浮世の義理に開きけり   正岡子規

燕つばめ泥が好きなるつばめかな 細見綾子

さまざまの事思ひ出すさくらかな 松尾芭蕉

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

令和7年3月号2月の結果(春の戦第1ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~
燕くる雌はリフォーム雄見張り
盆梅や京の町家の仄灯り
盆栽の梅には梅の気骨あり
黒幹に月日重ねし盆の梅
盆梅や父の逝きしは今ごろよ

~~<上野貴子選5句>~~
お休み

点盛りの結果

三点句
黒幹に月日重ねし盆の梅           青山好男
盆梅や京の干菓子のかたち良き        龍野ひろし

二点句
広き堂足音低し盆の梅            青山好男
盆梅の鉢の支える樹齢かな          原田啓子
盆梅のそれぞれにある矜持かな        辻 雅宏

一点句
折り鶴が隣飾りし盆の梅           青山好男
朝市や盆梅並ぶ陣屋前            辻 雅宏
盆梅の鉢丸きあり四角あり          原田啓子
一輪の盆梅飾れば仏間なす          上野貴子
叔父叔母の日々の話題に燕かな        原田啓子
登校の子を見送るや盆の梅          原田啓子
盆梅や袴の少女弓を手に           龍野ひろし
知事賞にかがやく祖父の鉢の梅        辻 雅宏
燕くる雌はリフォーム雄見張り        水野幸子
盆梅や京の町家の仄灯り           龍野ひろし
盆栽の梅には梅の気骨あり          上野貴子
盆梅や父の逝きしは今ごろよ         水野幸子
盆梅の幹に年季の瘤りゆりゆう        辻 雅宏

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~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

黒幹に月日重ねし盆の梅・・・・・三点句
盆梅や京の干菓子のかたち良き・・三点句

早春の句ですね。盆梅には樹齢何百年もの老木も多いと聞き驚きました。梅が咲くと春の訪れを感じます。
(春:2月~4月)

~~~今月の選評~~~

盆梅や京の干菓子のかたち良き

盆梅から干菓子か、干菓子から盆梅か
いずれにしても見事な連想。

 

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★3月の兼題(2月末日〆切)

【盆梅】【燕】【桜】

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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の展開」今回は、「なんちゃって俳句」編を考えてみましょう。

翁なら兎と月を旅あるき・・・貴子

「翁」とは松尾芭蕉のことです。この句では季語が「月」で秋の月が綺麗な夜道の句です。芭蕉ならば、兎と一緒に月を旅して歩いているのだろうと、芭蕉翁の姿をふと想い詠んだ句です。勿論、空想の句なのでなんちゃって俳句ですね。西郷さんなら犬でしょう。翁といえば蛙ですが、月の美しさが空想の世界を描かせてくれた句です。

叶うから夢に大小なんてない・・・貴子

口語調でまとめた句です。17文字ですが無季句となります。作者の想いを詠んだ句ですね。
小さな夢でも人はその夢に向かって懸命に生きている。ささやかな夢でも、叶いそうもないような大恐れた夢でも、人の見る夢は夢だ。たとえ無理でも叶えるためにあるものだという句です。叶えてしまえばそれは夢ではないと言いますが、叶えれば、また芭蕉の旅のように、新たな夢を抱きたくなるものですね。
俳句の基本の写生句とは違う味わいのある俳句なので「なんちゃって俳句」だと考えます。季語が無いのですが、この句は冬の句と考えています。春の新たな門出の頃の句ではありません。夢があればきっといつかは叶うという希望の句なので、冬の句なのです。夢に向かっている時は、成長している時。そんな時は苦しいものなんですよね。春が待ち遠しいものです。
(会報令和七年二月号より 上野貴子)

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【ネット句会後記】
春の戦は3点句が二句、2点句が三句でスタートました。1点句からの下剋上があるかもです。春は名のみの感がある3月入りとなりましたが、今月末頃の開花が待ち遠しいです。燕もやってきます。投句される皆様感想を添えて下さるようお願いします。
(令和七年三月 辻 雅宏)

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~LINE公式俳句大会2月結果発表~

<大賞>

19 米重 初枝 『おはよう』のなかに小さき春や来ぬ

<2点句>

2 蒲池由美子 早春の袋田の滝しずか

7 奥平雅子 用賀駅巣箱作りて駅長さん

15 さこたゆう 春きざす洋服選びもうきうきと

20 鈴木 恵美子 早春や華やぎ添えるちらし寿司

21 鈴木 恵美子 ツバメ来る古き軒下雨宿り

23 鈴木 恵美子 口ずさむ懐かし歌の早春賦

26 山科雅樹 春雪や雲にかすみし桜島

27 大西 文子 パイ生地でチョコクロワッサンハート形

30 大西 文子 寒蜆あすの朝まで鍋の中

31 大西 文子 手水舎は細き氷柱に諏訪大社

32 田辺 公子 早春や本格始動キャンプイン

35 荒木 かをり 早春や靴色変えて万歩ゆく

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2022年7月ネット句会

今月の投句(夏の戦最終ステージ)

1嫁となり仰ぐオシンコシン滝

2大滝のてつぺんの空ゆがむかな

3五合目のひらけ滝の音きよら

4ビール腹気にする夫と金魚かな

5満腹がわかつておらぬ金魚たち

6滝ひとつ過去の孤独を覚えたり

7こころざし特に無けれど滝仰ぐ

8作り滝ここで一回休みとす

9落つるたび生まれ新たな滝となる

10滝浴びる脇に来たりていま一人

11掬ひ来し三年目なる金魚かな

12枯滝やぽろぽろ零れ行く記憶  

13断崖を吹き上ぐ風や滝枯るる 

14蘭鋳の泳ぐ最上階の夜

15三日だけ誰か金魚を預かって

16ひらひらと金魚の尾鰭鉢の花

17舞う様に咲く様に歌う様に金魚

18滝落ちて言葉をなくし空仰ぐ

19せせらぎの森の精霊滝の音

20滝壺の青さ無音の大宇宙

21泳いでも泳いでも金魚水の檻

22金魚の眼水に溶けゆき鉢の中

23店先の空金魚鉢五円玉

24武家屋敷「金魚」声高に過ぎにけり

25滝壺に飲まる小舟やナイヤガラ

26白水となりて落ちくる瀑布かな

27滝壺へ難題捨てて帰りけり

28ガラス器の中が金魚の小宇宙

29母と子が金魚掬いに袖ぬらし

30遠泳に望み捨てぬや土佐金魚

31白扇のわづかに開き走り滝

32三匹の尾鰭ふれあふ金魚かな

33みどり児の初座りして夕立やむ

34薔薇を切ってオレンジの香に満たされぬ

35野湯浴みや何故に励むか滝の音

36欠伸して強がるポイの金魚かな

37地の底に降り来る滝よ我に入れ

38眼を見張る鉢の金魚や大謀議

39荒滝に抗う岩のまろさかな

40鎮座する猿に箕面の滝しぶき

41遠足の子らの小さき背に瀑布

42浮かぶ藻に遊んでくれろと金魚かな

43どの名でも呼ぶと泡出す金魚かな

44子らと見る遠山の滝那智の滝

45長椅子に飛沫楽しむ滝見茶屋

46神官の袴あをあを滝開き

47見つめれば眼剥き見返す出目金魚

48水換へに応へて金魚ひと泳ぎ

49掬はれて金魚三匹電車乗る

50民宿は蚊帳の匂ひ波の音

51エアキャビン五分の旅路夕焼空

52片陰にままごと遊びワンデイケー

53谷川の涼を連れ添い流れけり

54一礼の鳥居の先は夏祭

55長き名の薔薇に手書きの名札つけ       

56女王も悪魔もありて薔薇の園         

57寝顔秘す大小四つの夏帽子          

58追ひついて二つとなりし夏帽子        

59もの言える国こそ良けれ薔薇の花       

60薔薇散れりひとひらごとの影もまた      

61母の日や「写真の人」となりし母       

62更衣へて一段飛ばしの歩道橋         

63草を抜く手にひらきけり夏の蝶        

64夏帽の改札抜ける海の駅           

65夏帽子つばの先向く水平線          

66発車ベルホーム彩る夏帽子          

67観光のパスが吐き出す夏帽子         

68いつかまた蔓薔薇の家友の家         

69母の日の大輪の花束空におく         

70薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      

71家中の窓開け放し衣更            

72咲く家の主は知らず薔薇の道         

73マネキンの肌もあらはに更衣         

74寝つかれぬ旅の枕や明易し          

75短夜じゃ濡れた唇乾かない          

76街の色連れ帰りたりパナマ帽         

77明けやすし住職の打つ寺の鐘         

78能登に泊つランプの宿の明易し        

79立ち止まる人話す人夏帽子          

80母の忌は母の好みし新茶汲む         

81お握りの形いびつに豆の飯          

82短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        

83竿さしてパナマ帽行く運河かな        

84若返る色を纏ひし更衣            

85夏帽に飛行機雲の白さかな          

86短夜や机上に積みしままの古書        

87捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         

88短夜や沖ゆく船の灯の遅速          

89夏帽子いつか写真のあの町へ         

90短夜や北へ北へと貨車がゆく         

91突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          

92オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     

93薔薇散るや一寸法師の舟となり        

94衣更子のたのもしきふくらはぎ        

95薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        

96薔薇の門くぐり主役の仕草せり        

97ポケットの財布移して衣更          

98更衣あれこれ訊かれ三面鏡          

99薔薇の香や入園券を買う列に         

100白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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8月の兼題【朝顔】&【】(7月31日〆切

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【秋の戦8・9・10月】

 ★8月の兼題(7月31日〆切。)

 【朝顔】

朝顔は、夏の花と思いきや秋の訪れを告げる花。夜明けに開いて昼にはしぼみます。昔の人はこの花に秋の訪れを感じてきたようです。奈良時代に薬として遣唐使により日本にもたらされたそうです。

傍題に牽牛花。

 【蜩】

夕方や暁方に鳴く蝉。カナカナと哀調ある声が特徴です。

傍題に日暮し、かなかな、寒蝉。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   朝顔へ寝起の貌を近づける

                皆川盤水

   ひぐらしのこゑのつまづく午後三時

                    飯田蛇笏

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  7月号6月の結果(夏の戦第2ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

夏帽の改札抜ける海の駅

母の忌は母の好みし新茶汲む

お握りの形いびつに豆の飯

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く

夏帽子つばの先向く水平線

  

<点盛りの結果>(夏の戦第2ステージ)

五点句

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

四点句

女王も悪魔もありて薔薇の園         井上悦男

三点句

寝顔秘す大小四つの夏帽子          神長誉夫

追ひついて二つとなりし夏帽子        井上悦男

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

二点句

草を抜く手にひらきけり夏の蝶        水野幸子

夏帽の改札抜ける海の駅           辻 雅宏

夏帽子つばの先向く水平線          山本佐和子

発車ベルホーム彩る夏帽子          阿部文彦

観光のパスが吐き出す夏帽子         阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

一点句

寝つかれぬ旅の枕や明易し          辻 雅宏

短夜じゃ濡れた唇乾かない          神長 誉夫

街の色連れ帰りたりパナマ帽         青山好男

明けやすし住職の打つ寺の鐘         水野幸子

能登に泊つランプの宿の明易し        辻 雅宏

立ち止まる人話す人夏帽子          原田啓子

母の忌は母の好みし新茶汲む         伊藤はな

お握りの形いびつに豆の飯          伊藤はな

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        井上悦男

竿さしてパナマ帽行く運河かな        原田啓子

若返る色を纏ひし更衣            伊藤はな

夏帽に飛行機雲の白さかな          原田啓子

短夜や机上に積みしままの古書        阿部文彦

捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         上野貴子

短夜や沖ゆく船の灯の遅速          井上悦男

夏帽子いつか写真のあの町へ         上野貴子

短夜や北へ北へと貨車がゆく         阿部文彦

突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          阿部文彦

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 ★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~LINE公式俳句大会6月結果発表~

 <大賞>

 11 山田 純 我もまた小さき鉢の紅金魚

 <2点句>

 1  南出 千賀子 森を抜け水しぶきキラ滝の音

7  橋詰 博   滝しぶき小猿打たれて大はしゃぎ

13 山田 純   滝に出てマイナスイオン全身に

14 山田 純   永劫に尽きる事なく滝の水

16 訓子     音階を繰るごと動く金魚玉

18 道林 正樹  あじさいが待ってましたと雨に笑う

34 大倉 宏美  山の滝しぶきの向こうはパステル画


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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・五点

 夏の戦では薔薇の句ですが女王の悪魔もアニメのような薔薇園の句を手書きの名札の句が勝ち抜きました。温かみのある文字が浮かぶ優しい句です。この後はものすごい猛暑が続きますが夏の最終戦はどうなるのか楽しみです。

(夏:5月~7月)

 

~~~今月の選評~~~

 夏帽の改札抜ける海の駅

駅の改札口を抜けた先に広がる青い海を思い起こさせる。「夏帽」という言葉が効果的で、涼しげな風を感じさせてくれる。

  

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★8月の兼題(7月末日〆切)

 朝顔】と【

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ夏の名句を見てみましょう。

 

夏草や兵どもが夢の跡・・・芭蕉

 

この句は平泉の抄の句です。藤原三代の栄華の儚さを詠んでいます。芭蕉の好きな切れ字「や」がしみじみとした感慨を生み出し歴史の重さを感じますね。勿論、名句ですから、この「や」は効果的です。「夢の跡」という栄枯盛衰の刹那を上手くまとめています。

同じ平泉の抄に

 

五月雨の降のこしてや光堂・・・芭蕉

 

この句が収録されており、夏の長雨の頃の厳しい旅が伺えます。長い月日は千年の時を越えて芭蕉に語り掛けているようです。この句にもやはり「や」が使われています。現代まで保存され残されている光堂ですが、芭蕉の時代では、雨風をしのいで残されていることが心を打つ何よりの刹那だったと読み取れます。

こうして名句を鑑賞していると、歴史の移り変わりが嘘のように、現代の私たちの心に響いてくる句ばかりです。切れ字のあるなしを芭蕉本人のことさら強く言い伝えてはいないようですが、奥の細道を見ても、芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようです。野点の席で烏帽子姿の平安の貴族たちが短冊に和歌を詠んでいる光景が切れ字「や」から浮かんできます。きっと芭蕉も同じように和歌や連歌から俳句を独立した文芸として高めることを常に理想として考えていたからなのかも知れませんね。

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

 

夏の戦第二ステージが終了しましたが、薔薇を詠んだ二句が高位置をキープしています。最終ステージの展開が楽しみです。そして、投句は秋の第一ステージです。

投句されましたら是非、選句もお願いします。今年は梅雨明けが早く、猛暑が続いています。また、台風もこれからです。しっかり対策をしたいものです。

(令和四年七月 辻 雅宏)

 

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2023年10月ネット句会

今月の投句(秋の戦第3ステージ)

 

1身に入むや初手の碁石の響く部屋

2身に入むや灯りのつかぬ老舗宿

3身に入むや平家滅びし壇ノ浦

4サックスの身に入む音やジャズクラブ

5池の面に紅葉且つ散る古都の寺

6「身に入む」「紅葉且つ散る」

7雲間より落ちる風光しむ身なる

8地球誕生謎めく伝説身に沁みて

9桜紅葉枯れゆく前に紅をさし

10錦染め且つ散る山の紅葉谷

11受け取りて便り身に入む追って書き

12身に入むや玻璃戸を叩く風の音 

13恩師らの法話身に入む夕間暮

14バス降りて紅葉且つ散る里の山

15そよ風に紅葉且つ散る点描画

16紅葉かつ散る蓮池の華やげり

17リハビリの膝の曲がりや身に沁みる

18踏切の音に負けじと落とし水

19夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿

20病窓や仏舎利塔へ秋夕焼け

21郷抱く星の静寂の身に入みて

22麗しき死は無く紅葉且つ散りて

23友去りぬ長き汽笛の身に入みて

24碧岩に紅葉且つ散る小歩危峡

25寄る辺なき星の蒼さの身に入みて

26紅葉かつ散るやほろほろ鳩の声

27紅葉かつ散りて水面の舟となり

28流れゆく月日の身に入む便りかな

29北国の暮るる速さや身に入みて

30雨音の身に入む今朝の目覚めかな

31フルートの音色身に入む演奏会

32警官の説諭身に入む違反かな  

33特攻の遺書に身に入む知覧かな

34登頂の紅葉かつ散る山路かな

35紅葉且つ散る石畳馬籠宿

36葉を金箔に変えて一閃稲光

37踏みしめる細き山道墓参り

38父の歳越えて悔悟の墓参り

39草の花名も無き花に名を付けん

40草の花笑み柔らかき野の仏

41トテ馬車の蹄の音や草の花

42二百十日時の階段飛び越えて

43草の花微笑み合ひし道祖神

44空白し二百十日の畑仕事

45故郷をのぞむ峠や草の花

46草の花ままごと遊び孫が笑む

47植木鉢我が物顔や草の花

48迷い来て道なき野辺の草の花

49廃線を行けば迎える草の花 

50石垣の隙間を埋めて草の花

51何もなく二百十日の夕餉かな

52貝ひとつ二百十日の忘れ潮

53通り雨路地を叩いて厄日過ぐ

54二百十日渦中に眠るみどり児よ

55刈るまいとするも刈りたり草の花

56松島や秋空をブルーインパルス

57複眼のバッタ墓石を飛び越えて

58草の花郷を離るる汽車に散り

59漁場遥か二百十日の波を越え

60去る朝にくしゅんと背なの草の花

61厄日明け薄く泥引く沈下橋

62二百十日待ち侘ぶ客の来ぬ日かな

63通り雨二百十日の庭先に 

64一匹の猫の鼻先草の花

65普段着で歩く楽しさ草の花

66草の花故郷のあの畦道に

67保母さんに吾子が差し出す草の花

68手術待ち二百十日も無事過ぎて

6910年目待ちに待ちたる酢橘のみ

70少し楽心の声の残暑かな

71フェリー航く二百十日の波しずか29

72おだやかな二百十日の句会かな

73牧に咲くその名知りたき草の花

74乳牛の食むをはばかる草の花

75可愛さに摘むをためらふ草の花

76富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     

77稲妻や天の重心傾けて        

78稲妻や竿を納むる太公望       

79モカの香や海に稲妻五本立つ     

80新宿の空を広げし稲光        

81稲妻や川の氾濫大写し        

82香煙の低く哀しき雨墓参       

83名瀑をさらに濡らして稲光      

84稲妻の眼裏に残る軌跡かな     

85ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    

86天空の闇を稲妻ほしいまま      

87ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     

88庭の花父母に手向ける墓参かな    

89また今度いつものセリフ墓参り    

90稲妻にルガーノの街一変す      

91墓参り掃除の下手な子でごめん    

  

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11月の兼題【冬日和】&【枯葉】(10月末日〆切

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 【冬の戦11・12・1月】 

★11月の兼題(10末日〆切。

 【冬日和】

冬の晴れわたった穏やかな日和をいう。

傍題に、冬晴、冬晴るる。

 【枯葉】

霜が降り始めると木の葉、草の葉も枯れ始める。

傍題に、枯葉鳴る、枯葉飛ぶ、枯葉舞ふ。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 <先句に学ぶ>

 

   冬晴のとある駅より印度人

               飯田龍太

 

   一陣の風一陣の枯葉舞ふ

              大橋 晄 

 

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 令和5年10月号9月の結果(秋の戦第2ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

草の花名も無き花に名を付けん

貝ひとつ二百十日の忘れ潮

普段着で歩く楽しさ草の花

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

また今度いつものセリフ墓参り

 

七点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

 

五点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

四点句

草の花笑み柔らかき野の仏      龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

三点句

普段着で歩く楽しさ草の花      原田啓子

通り雨路地を叩いて厄日過ぐ     阿部文彦

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

 

二点句 

草の花微笑み合ひし道祖神      龍野ひろし

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

空白し二百十日の畑仕事       青山好男

故郷をのぞむ峠や草の花       青山好男

何もなく二百十日の夕餉かな     阿部文彦

漁場遥か二百十日の波を越え     神長 誉夫

葉を金箔に変えて一閃稲光      青山好男

踏みしめる細き山道墓参り      青山好男

父の歳越えて悔悟の墓参り      辻 雅宏

草の花名も無き花に名を付けん    龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

一匹の猫の鼻先草の花       原田啓子

おだやかな二百十日の句会かな   辻 雅宏

厄日明け薄く泥引く沈下橋     神長 誉夫

フェリー航く二百十日の波しずか  辻 雅宏

墓参り掃除の下手な子でごめん   神長 誉夫

トテ馬車の蹄の音や草の花     龍野ひろし

保母さんに吾子が差し出す草の花  小林 ひろ

 

四点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

三点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

二点句 

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ・・・7点

 

秋の戦は断トツでこの句が勝ち残っています。長い猛暑でご先祖様もさぞ暑かろうと思う気持ちが共感を呼んでいますね。やっと秋らしくなりましたが何となく油断禁物です。

この後の最終戦が楽しみです。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

 

富士山を眺めるお墓のシチュエーションが良い。水をかける行為が、

その2つを見事につないでいる。

 

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★11月の兼題(10月末日〆切

 

【冬日和】&【枯葉】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は山中の抄の句を見てみましょう。

 

今日よりや書付消さん笠の露・・・芭蕉

 

この句は芭蕉と同行して来た曽良が別れて、これから芭蕉が一人で旅を続けて行くに当たりその寂しさを詠んでいます。曽良は、内臓を病んでしまいここからは先に知人の元へ向かうことになりその別れを惜しんでいるのです。曽良は、一人で行倒れたとしてもそこは萩の花の咲く野原であって欲しい「行々てたふれ伏とも萩の原」という句を残し旅立ます。

芭蕉の句は、芭蕉が好んでいる切れ字「や」を使い、今日これからの旅の不安に詠嘆強調の効果を生み出しています。

「露」という季語がありながら、句の意味の中心を上五にするための見事な効果ですね。

芭蕉の時代ならではの古風な言葉の調べが美しい句です。

また、これまで同行して来た門弟の曽良との旅の別れを詠んでいるところから有名な句となっています。

「や」の多くは上五に使われていますが、やはり自然に時代をうつしている文語調の句ですね。

(令和五年10月号より 上野貴子)

  

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

  

【ネット句会後記】

 

秋の戦第2ステージで7点句が登場し、リードしています。勝ち抜き戦がこの句会の特色です。追い抜く句、新たに高得点の句が出るか最終ステージの結果が楽しみです。

投句と選句をセットにして参加下さるようお願いします。また、選評もお忘れなくお寄せください。

(令和五年十月 辻 雅宏)

  

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 

<大賞>

 

37 大西 文子 隣家まで伸びた朝顔すまし顔

 

2点句>

 

13 鈴木 恵美子 日が落ちて髪を結いあげ盆踊り

20 奥平雅子  幼子が手をのばしとる葡萄棚

29 橋詰 博   秋草の刈り込む匂い袖に染み

 

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

自由な句会オンライン句会はこちらから

 

 

2025年4月のネット句会

今月の投句(春の戦最終ステージ)

1花の宵起きれば腹で波の音

2いま少しこの世に未練や花いかだ

3古木なる桜の一樹廓跡

4振袖の運ぶ野点や初桜

5校門の桜迎へるランドセル

6千年を紡ぎ踏ん張る老桜

7墨田川下りつ愛づる桜かな

8英国に桜満開サンドイッチ

9この辺に友の家あり大桜

10幼子の手のぬくもりや夕桜

11おちこちの桜の話題夕餉かな

12リージェントパークに桜日本晴れ

13背に負うは鬼女かも知れぬ花の山

14大荒れの海の気象や鰊群来

15雛飾る還暦の子の手を借りて

16東風吹くやリハビリ終えて家路へと

17天ぷらに菜の花咲かせワイン酌む

18履物を脱いだままなり花疲れ

19校庭で訓辞長びく朝桜

20晩学の辞書の重たき夕桜

21陽と風と水の匂いに朝桜

22老桜や忘れたように幹に咲く

23桜の樹異邦の言葉らんまんと

24夜桜のトンネル抜けて夢の国

25みずうみに映る桜と彦根城

26山桜光あふれる湖西かな

27光満つ桜の海を愛車駆る

28咲き満ちて櫓を隠す桜かな

29ひらひらと光となりて桜散る

30ため息をつきて散りたる桜かな

31生きてきて人それぞれの桜かな

32五稜郭星のかたちに桜咲く

33花筏鳥の水浴び岸に除け

34鳥の影探して目黒川花見

35剪定のあとを隠して桜咲く

36目黒川下り海まで花街道

37花の道整えられて花盛り

38盆梅や京の干菓子のかたち良き

39燕きて被災地の空広がれり 

40長崎は坂また坂よ燕飛ぶ           

41黒幹に月日重ねし盆の梅           

42城壁に影を映して散る桜           

43盆梅の鉢の支える樹齢かな          

44盆梅のそれぞれにある矜持かな        

45メビウスの帯のごとくに燕飛ぶ        

46大仏の胸をかすめて初燕           

47味噌蔵の黒塀小路に梅の花          

48褒められて空咳二つ盆の梅          

49夫とゐて日がな眺むや家桜          

50朝市や盆梅並ぶ陣屋前            

51盆梅や京の町家の仄灯り           

52広き堂足音低し盆の梅            

53小次郎に秘剣授けし岩燕           

54遠山の白く輝き流氷来            

55燕来て隈取凛々しき役者顔          

56覗かれる場所に動かす鉢の梅         

57竣工の橋のお披露目燕来る          

58つばくろやシャツター街を一直線し      

59風を切り光きらりと飛燕かな         

60折り鶴が隣飾りし盆の梅           

61盆梅の鉢丸きあり四角あり          

62一輪の盆梅飾れば仏間なす          

63叔父叔母の日々の話題に燕かな        

64登校の子を見送るや盆の梅          

65盆梅や袴の少女弓を手に           

66知事賞にかがやく祖父の鉢の梅        

67燕くる雌はリフォーム雄見張り        

68盆栽の梅には梅の気骨あり          

69盆梅や父の逝きしは今ごろよ         

70盆梅の幹に年季の瘤りゆりゆう        

 

 

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夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)
【卯の花腐し】【子どもの日】【黴】

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【春の戦5・6・7月】
★5月におすすめの兼題(4月末日〆切。)
【卯の花腐し】
卯の花の咲く頃に降り続く雨で、春雨と梅雨との中間の雨。

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

谷川に卯の花腐しほとばしる    高浜虚子

背で浮いて貝割るラッコ子供の日  藤本正弘
    
黴の世や言葉もつとも黴びやすく  片山由美子

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令和7年4月号3月の結果(春の戦第2ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~
長崎は坂また坂よ燕飛ぶ
風を切り光きらりと飛燕かな
城壁に影を映して散る桜
メビウスの帯のごとくに燕飛ぶ
燕きて被災地の空広がれり

~~<上野貴子選5句>~~
味噌蔵の黒塀小路に梅の花
長崎は坂また坂よ燕飛ぶ 
燕きて被災地の空広がれり 
大仏の胸をかすめて初燕 
褒められて空咳二つ盆の梅 

点盛りの結果

五点句
盆梅や京の干菓子のかたち良き        龍野ひろし

四点句
燕きて被災地の空広がれり          阿部文彦

三点句
長崎は坂また坂よ燕飛ぶ           龍野ひろし
黒幹に月日重ねし盆の梅           青山好男
城壁に影を映して散る桜           青山好男
盆梅の鉢の支える樹齢かな          原田啓子
盆梅のそれぞれにある矜持かな        辻 雅宏

二点句
メビウスの帯のごとくに燕飛ぶ        阿部文彦
大仏の胸をかすめて初燕           阿部文彦
味噌蔵の黒塀小路に梅の花          青山好男
褒められて空咳二つ盆の梅          滝口孝志
夫とゐて日がな眺むや家桜          原田啓子
朝市や盆梅並ぶ陣屋前            辻 雅宏
盆梅や京の町家の仄灯り           龍野ひろし
広き堂足音低し盆の梅            青山好男

一点句
小次郎に秘剣授けし岩燕           辻 雅宏
遠山の白く輝き流氷来            水野幸子
燕来て隈取凛々しき役者顔          原田啓子
覗かれる場所に動かす鉢の梅         滝口孝志
竣工の橋のお披露目燕来る          辻 雅宏
つばくろやシャツター街を一直線し      阿部文彦
飛ぶ鳥のクヮウクヮウと冴え返る       水野幸子
風を切り光きらりと飛燕かな         龍野ひろし
折り鶴が隣飾りし盆の梅           青山好男
盆梅の鉢丸きあり四角あり          原田啓子
一輪の盆梅飾れば仏間なす          上野貴子
叔父叔母の日々の話題に燕かな        原田啓子
登校の子を見送るや盆の梅          原田啓子
盆梅や袴の少女弓を手に           龍野ひろし
知事賞にかがやく祖父の鉢の梅        辻 雅宏
燕くる雌はリフォーム雄見張り        水野幸子
盆栽の梅には梅の気骨あり          上野貴子
盆梅や父の逝きしは今ごろよ         水野幸子
盆梅の幹に年季の瘤りゆりゆう        辻 雅宏

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~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

盆梅や京の干菓子のかたち良き・・・・・五点句

お菓子の句が勝ち抜きました。上品な京の盆梅が見事に咲いている姿がお茶室か素敵な和室を思わせて素敵です。次回は春爛漫の頃となりますね。楽しみです。
(春:2月~4月)

~~~今月の選評~~~

夫とゐて日がな眺むや家桜

長年連れ添った夫婦の「あるある」。毎年眺めている桜を間に挟んで、無言の会話が繰り広げられている。桜とともに年老いていく、
これからの時間も感じさせてくれる。

 

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★5月の兼題(3月末日〆切)

【卯の花腐し】【子どもの日】【黴】

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また、オンライン句会では毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
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【今月のワンポイントレッスン】

ここでは「俳句の展開」として「なんちゃって俳句」として、何句か上げて考えてみましょう。

コンクリートジャングル日陰に避難・・・貴子

「日陰」が夏の季語の句です。全体に17文字上五と中七が句またがりの句となります。
季語もあり、文字数も17文字ですが、なんちゃって俳句としました。避難したのは作者本人であるところから写生句ではありません。「コンクリートジャングル」という単語は一つの呼び名ですが、実在する都会の比喩的表現で、アマゾンのような風景の事では無いので従来の写生句が基本の俳句とは一味違う次世代俳句ですね。

これ以上も以下も無くかき氷食べる・・・貴子

これも「かき氷」が季語の夏の句です。氷が解けて形のない水になる前にカリカリ食べるのが暑い夏には最高ですね。冷たすぎて頭にツンと来たりしながら食べるのがまたたまらない不思議な食べ物です。氷と言う物体の科学的な分析からの句では無く、氷以上に冷たい物は無いし、それ以上に水が固まる物もそうないなぁと食べながら感じたのです。何だか面白いユーモアのある句ですね。
今回のように作者の想いが主体でまとめている句は、少しこれまでとは違うなんちゃって俳句になると考えています。
(会報令和七年四月号より 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
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【ネット句会後記】
春の戦第二ステージは3点句以上が七句となり激戦の様相になりました。最終ステージの結果や如何に。遅まきながらやっと春らしい日を過ごせそうです。句会は夏の戦のスタートです。
得心の句をお待ちしています。投句される皆様 感想を添えて下さるようお願いします。
(令和七年四月 辻 雅宏)

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~LINE公式俳句大会3月結果発表~

<大賞>

21 さこたゆう 東風吹いて幸せ届く予感する

2点句>

2 蒲池由美子 雛壇の前でおすまし吾子の顔

6 橋詰 博 夢運ぶ引っ越し業車に流る東風

8 鈴木 恵美子 強東風やもつれ乱れしロングヘアー

14 南出 千賀子 ひるがえすカーテンの裾ひらり東風

18 田辺 公子 蔵前の空にミモザと桜映え

26 蒲池由美子 菜の花を積んで子供とピクニック

32 大西 文子 お出掛けは春の彩り取り入れて

35 荒木 かをり 姉妹美し(いし)四色に盛る雛あられ

36 田中むつみ 強東風につぽみの固さ気にかかり

 

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