2024年7月のネット句会

今月の投句(夏の戦第3ステージ)

 

1ベランダに妻丹精の新樹かな

2銀輪の動きに揺れる新樹光

3ジャカルタの常なる新樹朝日降る

4瓦礫舞う戦火の街の新樹かな

5右の風強まる世事に新樹建て

6解表したる掛軸に紙魚走る

7紙魚の住む伝承されし山水画

8五月雨や行商人の能登訛り

9五月雨や人なきコインランドリー

10五月雨や町家格子の花街かな

11古書店の手にとる辞書や紙魚の痕

12過去帳を干して気づくや紙魚の穴

13紙魚走る六法全書昭和版

14板垣の百円紙魚に喰はれをり

15用済みの母子手帳食むきららかな

16買い替のメガネよく見え新樹光 

17トンネルの先に届けり新樹光

18本棚は読まぬ書籍の紙魚の宿

19父の古書開けばどれも紙魚の跡

20無人駅見送る友や五月雨るる

21開拓の村新緑をたどりゆく

22草刈れば草飛び香りひろがれる

23菊挿して入院の準備終はりけり

24父の日や笑ふ遺影に缶ビール

25豆飯の湯気香る中母ゐます

26五月雨に我待つヒュッテの灯が滲み

27五月雨を押し開け救援船が発つ

28弦音鳴る矢道に溢る新樹光

29五月雨や泥に流さる竹の碧

30五月雨やもうすぐ友は友の妻

31紙魚とても触らぬ神の漢和辞書

32新樹蔭の移る方へと車停め

33新樹風独り歩きの友となり

34五月雨のやまずぬかるむ家路かな

35新樹風アッピア街道静まりて

36鳩もまた平和を傘に五月雨るる

37平和とふ傘が重たい五月雨るる

38かろうじてすずめ隠れている新樹

39市役所の夜間窓口額の花

40この街の謎解きごっこサングラス

41五月雨を眺る猫の背や哀し

42風薫る母子うとうと肌着揺れ

43在りし日の面影探す新緑寺

44村と村つなぐ吊り橋新樹光     

45古文書を開けば紙魚の食みこぼし  

46紙魚走る国語辞典の裏表紙     

47いにしえの手帳に走る紙魚の跡   

48五月雨や速度増したる舟下り    

49五月雨やオランダ坂の石畳     

50赴任地の駅前通りさみだるる    

51目鼻さえ区別なき地蔵新樹光    

525バーツの籠いっぱいのバナナかな 

53五月雨にひねもす烟り法隆寺    

54ヒロインの涙を齧り紙魚きらり   

55雨上がり新樹まぶしき建長寺    

56夫眠り書斎に紙魚の走る音     

57新樹風抜くる谷中の築地塀     

58峡谷のトロッコ列車新樹風     

59熊野古道翳りの中の新樹かな    

60湧き水に命与えて新樹光      

61五月雨を眺る猫の背や哀し     

62五月雨や龍と目が合ふ天井画    

63五月雨や豆ふっくりと芽をかかぐ  

64幼子の背をすっぽりと新樹蔭    

65新樹晴れ川崎宿の芭蕉の碑     

66五月雨や茶房の時はゆるやかに   

67定まらぬ嬰の眼や新樹光      

68徒歩き新樹にもらふ生気かな    

69五月雨やしんがりを行くランドセル 

70五月雨に句点打つよな赤き傘    

71木洩れ日に緑いやます新樹かな   

72道産子の葦毛三つ編み緑さす    

73爆弾のやうなおむすび新樹光    

74銀輪をつらね少年新樹風      

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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秋の戦の兼題(8月から10月を通して毎月詠んでください。)

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【秋の戦8・9・10月】

★8月におすすめの兼題(7月末日〆切。)

【赤のまま】

一年草犬蓼の花、粒状の紅色の花を赤飯になぞらえてこの名がある。夏から秋にかけて、赤い小花を枝先に群がらせて咲く。

傍題に、赤まんま、赤のまま、犬蓼の花。

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   長雨のふるだけ降るや赤のまゝ 中村汀女

 

   鰯雲人に告ぐべきことならず   加藤楸邨

   

   人はみな旅せむ心鳥渡る   石田波郷 

 

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令和6年7月号6月の結果(夏の戦第2ステージ)

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

爆弾のやうなおむすび新樹光

5バーツの籠いっぱいのバナナかな

新樹風抜くる谷中の築地塀

銀輪をつらね少年新樹風

雨上がり新樹まぶしき建長寺

 

 

点盛りの結果

 

五点句

村と村つなぐ吊り橋新樹光     辻 雅宏

 

三点句

古文書を開けば紙魚の食みこぼし  阿部文彦

 

二点句

紙魚走る国語辞典の裏表紙     阿部文彦

いにしえの手帳に走る紙魚の跡   阿部文彦

五月雨や速度増したる舟下り    龍野ひろし

五月雨やオランダ坂の石畳     辻 雅宏

赴任地の駅前通りさみだるる    辻 雅宏

目鼻さえ区別なき地蔵新樹光    青山好男

5バーツの籠いっぱいのバナナかな 植木 彩由

五月雨にひねもす烟り法隆寺    辻 雅宏

ヒロインの涙を齧り紙魚きらり   神長誉夫

雨上がり新樹まぶしき建長寺    阿部文彦

夫眠り書斎に紙魚の走る音     原田啓子

新樹風抜くる谷中の築地塀     龍野ひろし

峡谷のトロッコ列車新樹風     辻 雅宏

熊野古道翳りの中の新樹かな    辻 雅宏

 

一点句

湧き水に命与えて新樹光      神長誉夫

五月雨を眺る猫の背や哀し     瀧口 孝志

五月雨や龍と目が合ふ天井画    龍野ひろし

五月雨や豆ふっくりと芽をかかぐ  水野幸子

幼子の背をすっぽりと新樹蔭    原田啓子

新樹晴れ川崎宿の芭蕉の碑     植木 彩由

五月雨や茶房の時はゆるやかに   龍野ひろし

定まらぬ嬰の眼や新樹光      原田啓子

徒歩き新樹にもらふ生気かな    辻 雅宏

五月雨やしんがりを行くランドセル 阿部文彦

五月雨に句点打つよな赤き傘    神長誉夫

木洩れ日に緑いやます新樹かな   辻 雅宏

道産子の葦毛三つ編み緑さす    水野幸子

爆弾のやうなおむすび新樹光    植木 彩由

銀輪をつらね少年新樹風      龍野ひろし

 

 

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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 

村と村つなぐ吊り橋新樹光・・・5点

 

夏の戦を吊り橋の句が勝ち抜きましたね。やはり絶景の句は強いです。今年も長い猛暑ですが次回は夏最終回です!

(夏:5月~7月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

バーツの籠いっぱいのバナナかな

 

日本円で20円余りで籠いっぱいに買え、旅先のタイでの得した気分がみてとれる。

 

 

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★8月の兼題(7月末日〆切)

 

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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【今月のワンポイントレッスン】

今月はお休み

今回から新しいテーマでこのコーナーの考察を続けて行きたいと思います。

これまで「や」「かな」「けり」の切れ字について芭蕉の「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回からは、そうした手法的な考察ではなく、全体の歴史を見てゆこうと思います。芭蕉が俳諧の発句として、俳句を一句に独立させて、江戸前期に全国に広めました。

 

古池や蛙飛び込む水の音・・・芭蕉

 

この句が、芭蕉の俳句の大元と成る開眼の一句だと言われています。句意は「蛙が飛び込む水の音が響きわたっています。何と静かな古い池であろう。」季語は「蛙」春となります。

貞享3年1686年芭蕉43才の句です。蛙を句材に平凡な事柄に風情を見出すことにより、和歌や連歌、またそれまでの俳諧の型にはまった情趣から一線を画したものであるとされ、この句が芭蕉開眼の名句と云われています。この後46才で「奥の細道」の旅にでて、多くの名句を生み出しています。

 

閑さや岩にしみ入る蝉の声・・・芭蕉

 

この句も「蝉」という平凡な事柄を詠んでいますが「閑さ」という情趣が禅の精神である侘び寂びにも通じる深い感慨をもたらしています。

芭蕉はこうして江戸前期にこれまでの俳諧の世界を発句という一句独立した文学として高めていったのです。そして、1694年元禄7年51歳で江戸を発ち伊賀上野へ向かう途中に大阪で倒れ病状悪化の為に死去しています。蕉風と呼ばれる芸術性の極めて高い句風を確立し、後世では俳聖として世界的にも知られる、日本史上最高の俳諧師の一人と現在でも云われています。

(会報令和六年四月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

夏の戦第二ステージは、5点句が出ましたが最終ステージの展開が楽しみです。今月から秋の兼題になりますが、どれで詠んでいただいても結構です。再三お願いしていますが、選句された句に鑑賞のコメントを寄せて下さる方が若干名ですので、ご協力をお願いします。
(令和六年七月 辻 雅宏)

 

 

 

 

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LINE公式俳句大会6月結果発表~

 

<大賞>

 

42        大西文子 星空と新樹の下で待ち合わせ

 

2点句>

 

6  奥平雅子         世田谷線窓の近くに釣り忍

20 山本佐和子       真緑の服して新樹潜りけり

25 鈴木拝      花嫁や 祝う門出の 新樹光

33 荒木かをり       新樹の香ぬり絵にはまる母米寿

39 大西文子            坂道を駆けておいでと新樹光

45 さこたゆう       若き者新樹の下でボール蹴る

27 山本 佐和子 五月雨の打つ由緒ある木造屋

39 大西 文子 テラス席吾子と取り合うかき氷

31 大西 文子 手を合わすお地蔵様の顔に蜂

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

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12月ネット句会

今月の投句(12月5日更新・冬の戦)

1図書館に哲学の在り冬ざれて
2冬ざれの青苔被る鯉の口
3クリスマスケーキ早朝コンビニに
4ケーキ欲しダイエットでもクリスマス
6頓痴気ソング書店に流るる聖夜かな
7冬ざれの獣道にも日当たりて
8冬ざるる四阿風の吹き抜けり
9聖樹なるからくりあつけらかんと朝
10飾られて路面電車のクリスマス
11飾りなき教会今朝のクリスマス
12冬ざれて川沿いに雀来ている
13コロナ禍に途絶えたメールクリスマス
14クリスマス都会の夜のイルミネーション
15冬ざれた里山ひとつ越え真昼
16冬ざれて裏戸に菜っ葉解かず置く
17冬ざれや櫓にのぼる影一つ
18冬ざれにブランコのなほ揺れのこり
19老犬が喧騒に吠え聖夜かな
20救急のサイレン響く街聖夜
21巴里聖夜マダムとなりしひとおほし
22ふところに白樺抱いて山眠る
23湯けむりに夕陽落として山眠る
24一年の無沙汰を詫びて賀状書く
25生きている証のごとく書く賀状
26人の影なくて古寺虎落笛
27クリスマス100均に買うプレゼント
28冬ざれの棚田の畦を風走る
29綿虫やニシン漬けはよ漬けなくちゃ
30夫とゆきし馬籠の宿に初雪や
31初雪や屋根すべり落つ音かろし
32冬ざれの森に巣箱の黄が残り
33繰り返すエチュード聖夜は更けゆきて
34冬ざれを突かんと犀の子駆け始む
35ココア掌に翼の灯数ふ聖夜かな
36冬ざれて残るは蒼穹ばかりなり
37冬ざれて透明度増す赤信号
38高速に早や灯のともり冬ざるる
39冬ざれの帰路の長きに眠りおり
40子がありて親のはりきるクリスマス
41乳飲み子の薄目開け閉め冬ざるる
42冬ざれの湖に昏れゆく浮御堂
43冬ざるる村に一つの床屋かな
44冬ざれて怒涛逆巻く日本海
45エアメール開ければメリークリスマス
46宅配のピザを加へてクリスマス
47飴色に干魚艶めく浜小春
48釣り人の等間隔に湖小春
49眠る子の帯を解きし七五三
50鈴の音を零して歩く七五三
51秋時雨鷹は小屋にて眠りをり
52波白く海鳥高く小六月
53爺婆をしたがへ歩む千歳飴
54小春日や猫眠る屋根雲の下
55縁側で爪切る母の小春かな
56ベランダで小春にそよぐ七分丈
57千歳飴引きずり歩く着物の子
58途中下車してまで歩く小春空
59玉砂利を踏みしめる音七五三
60何の日か問う子もにぎる千歳あめ
61江の島や小春に浮かぶ富士の影
62凩に向かって走るランドセル
63小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く
64紅ひいて唇紡ぐ七五三
65父笑う紅引き笑う娘見て
66おくるみに小春の光編み込んで
67七五三鳥居の長き影踏みて
68お互ひに孫連れ出会ふ七五三
69小春日のピアノ鳴り来る上り坂
70ジャケットの似合うふ青年恋小春
71小春日を分け合う人の写真立て
72小春凪海鳥の群れ河口まで
73産土の神のお祓ひ七五三

 

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1月の兼題【淑気】&【寒の水】(12月31日〆切)

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【冬の戦11・12・1月】

★1月の兼題(12月31日〆切。)

【淑気】
新年を迎え、あたりが瑞相に満ち、荘厳の気が漂うめでたい気分をいう。
傍題に、淑気満つ。

【寒の水 】
寒の内の水をいい、ことに寒中九日目の水は効能があるといわれている。
傍題に、寒水、寒九の水。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

  青墨をやはらかに磨る淑気かな
               加藤三七子

 

  寒の水かぶつて熱くなる心
              高橋将夫

 


11月の結果(冬の戦第一ステージ)


四点句

飴色に干魚艶めく浜小春        神長誉夫

釣り人の等間隔に湖小春        辻 雅宏

 

三点句

眠る子の帯を解きし七五三       伊藤 はな

鈴の音を零して歩く七五三       伊藤 はな

 

二点句

秋時雨鷹は小屋にて眠りをり      広田洋一

波白く海鳥高く小六月         上野貴子

爺婆をしたがへ歩む千歳飴       辻 雅宏

 

一点句

小春日や猫眠る屋根雲の下      青山好男

縁側で爪切る母の小春かな      辻 雅宏

ベランダで小春にそよぐ七分丈     響 あづ妙

千歳飴引きずり歩く着物の子      響 あづ妙

途中下車してまで歩く小春空      辻 雅宏

玉砂利を踏みしめる音七五三     水野幸子

何の日か問う子もにぎる千歳あめ   原田啓子

江の島や小春に浮かぶ富士の影    広田洋一

凩に向かって走るランドセル     阿部文彦

小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く   神長誉夫

紅ひいて唇紡ぐ七五三         響 あづ妙

父笑う紅引き笑う娘見て        響 あづ妙

おくるみに小春の光編み込んで     原田啓子

七五三鳥居の長き影踏みて       青山好男

お互ひに孫連れ出会ふ七五三     辻 雅宏

小春日のピアノ鳴り来る上り坂    芒花

ジャケットの似合うふ青年恋小春    伊藤はな

小春日を分け合う人の写真立て     神長誉夫

小春凪海鳥の群れ河口まで      上野貴子

産土の神のお祓ひ七五三        広田洋一

 

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

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季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 


     ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

     飴色に干魚艶めく浜小春・・・四点     

    釣り人の等間隔に湖小春・・・四点     

今回は最高点が同点で冬の戦が始まりました。小春日よりのうららかな日には海や湖が美しいですね。冬の始まりなのでまだ暖冬めいた感じでしょうか。いよいよ年末年始ですがまだまだコロナ禍が心配な冬の戦です。
(冬:11月~1月)

 

~~~今月の選評~~~

爺婆をしたがへ歩む千歳飴 

千歳飴を大事そうに抱えていると、子供より千歳飴の方が目立ち、それが主役になってしまう。
千歳飴を持つ子を先頭にして親や爺、婆が後方をついて歩いていく、ユーモラスな状況が目に浮かぶ。親族全員で祝っている姿がとてもほほえましい。

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★1月の兼題(12月末日〆切)

【淑気】と【寒の水】
他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年11月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字について「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、11月号では、初冬にちなんで芭蕉全句から時雨の句を見てみましょう。

一尾根はしぐるゝ雲かふじのゆき・・・芭蕉

芭蕉45才の句。芭蕉は11月に没したと言われることから芭蕉忌を時雨忌と言いますが、この句は美しい絶景の句ですね。特に切れ字は無く雪の富士を詠んでいます。富士山が見える場所で詠んでいる事が解ります。雪をかぶった富士の裾野が雲がかかっていてぼんやりとしているのですね。伊豆の方からの富士でしょうか。浮世絵のような日本的な景色です。

時雨をやもどかしがりて松の雪・・・芭蕉

この句は芭蕉がまだ若き23歳の句です。古風な言回しで松の枝の雪に時雨が降る様子を詠んでいます。芭蕉にとっては「時雨」と「雪」は季重なりであることが気にならないくらいにマッチしたどちらも省くことのできない景色のようです。雪が止んでいる白い景色に時雨がはかなく冷たく降り冬を感じさせるのですね。

初めの句でもどんよりと曇った灰色の空に白い富士が浮かぶ光景が日本的な情緒を表しています。後の句にも特に切れ字はありません。初めの富士山は何か動かしがたい存在に読み取れて、若かりし頃の松に雪の景色の色彩感にもまして、冬の厳しい寒さにも美しく見える雪の富士が季節感を超えた日本の表情なのだと感じます。この季節が芭蕉忌となり時雨忌と呼ばれていることが良く解ります。
(2021年令和三年十二月 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
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【ネット句会後記】

二年続けてコロナで始まりコロナで暮れようとしています。ネット句会に参加されている皆さんも少なからずコロナを句に詠まれたことでしょう。来年こそ終息までは無理としても寛解を迎えたいものです。それでは、納め句座への投句お待ちしています。よいお年をお迎えください。
(令和三年十二月 辻 雅宏)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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2023年3月のネット句会

今月の投句(春の戦第2ステージ)

 

1街はドラマエンドロールの陽炎す

2線香ゆらと真昼の墓場かぎろひす

3鳥帰る夕日の湖はきらめきて

4冒険といふは誰にも鳥帰る

5帰る雁月光の間を通りけり

6陽炎ふや水面に燭の灯影かな

7鳥雲に水面の影の途切れずに

8引き上ぐる浜の小船や鳥雲に

9つぎつぎと水面くずして鳥帰る

10陽炎に彷徨う少年探偵団  

11鳥帰るいま戦争のなき国へ

12抜き去りしランナーはいま陽炎へ

13鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス

14鳥帰る人なきコインランドリー

15鳥帰る住み慣れし街下に見て

16遮断機の向う陽炎に乳母車

17海までの一本道野馬の立つ

18踏切の音近く陽炎の町迫る

19鳥帰るシベリアまでの空遠く

20別れぎわいつものように鳥帰る

21旧き家の女雛の髪のほつれかな

22女児なき家に春告げて雛飾り

23陽炎にかすみて遠き生駒かな

24陽炎や若き水兵港街

25陽炎や道行く顔のやはらかさ

26陽炎いて貨物列車の浮いてくる

27陽炎の中より吾子が現わるる

28返信の便りの如く鳥帰る

29鳥帰る鳥には鳥の掟あり

30一列に並びて北へ鳥帰る

31春の嬰3歩あゆんでドヤ顔に

32母の手に頭なでられ嬰うらら

33嬰泣いて胸いたくなる春うらら

34けらけらと嬰の笑いや春めける

35泣き声も泣き顔もよし春の嬰 

36碧天を戦火の郷へ鳥帰る

37マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて

38岬端に踏み締む土や鳥帰る

39捨つ郷や母の影さえかぎろひて

40雲は裂け光に濡れて鳥帰る

41鳥帰る空紅色に染まるとき

42鳥帰りトルコ地震の悲報来る

43かげろふや百面相の孫の顔

44教職を辞して日々これ陽炎ヘリ

45陽炎や軽トラに立つ古箪笥

46陽炎を抜けてちんちん電車来る

47かげろへる原爆ドーム昼の黙

48鈍色の空を二手に鳥帰る

49伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る

50投げ竿の放物線や鳥雲に

51春めきて薩摩切子を二つ買う       

52春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      

53調弦の軽く揃いて春めきぬ        

54餌ねだる猫の鳴き声春めけり       

55軽やかに発車のチャイム春めけり     

56障子戸の春めく光部屋に満つ       

57春めきてろくろの土の良く喋る      

58日当たりの斜めの庭も春めけり      

59ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     

60遠山の丸く見える日春めきぬ       

61フリースに包まれ眠る春の風邪      

62春風邪や窓から見る山遠し        

63君のならくれてもいいよ春の風邪     

64妻からのメールにハート春めける     

65オリオンに向ひ帰宅や春めきて      

66光さす千体仏や春めけり         

67一人寝の夜のいつまでも春の風邪     

68レトルトの匂いの粥と春の風邪      

69春めくやひかり膨らむ堰の水       

70春の風邪汽笛掠れしA列車        

71春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        

72小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       

73鍵盤に弾む指先春めけり         

74春めいて草刈られゆく空の堀       

75春めくや老若集うカフェテラス      

76春めくや旅のプランを練り直す      

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

4月の兼題【蛙の目借時】&【桜貝】(3月末日〆切)

 

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【春の戦2・3・4月】

 ★4月の兼題(3月末日〆切。)

 【蛙の目借時】

春深く蛙のしきりに鳴く頃は眠気に襲われる。これは蛙に目を借りられるからだという。

傍題に、目借時。

 【桜貝】

浅海の砂泥に産する小形の二枚貝。色と形が桜の花びらに似ているのでこの名がある。

傍題に、花貝、紅貝。

  

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

   黒板にチョークの音や目借時

                                       福川悠子

   ひく波の跡美しや桜貝

                        安住 敦

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年3月号2月の結果(春の戦第1ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

フリースに包まれ眠る春の風邪

オリオンに向ひ帰宅や春めきて

日当たりの斜めの庭も春めけり

軽やかに発車のチャイム春めけり

調弦の軽く揃いて春めきぬ

 

 

三点句

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

 

二点句

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

 

一点句

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

春めきて薩摩切子を二つ買う・・・三点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・三点句

調弦の軽く揃いて春めきぬ・・・三点句

 

春の戦が始まりました。コロナ禍での風邪は怖いもおですが俳句には春らしい句材が人気のようです。

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

春めきてろくろの土の良く喋る

 

土と向き合い一心に陶芸に励む作者。春の気配を感じ、思わず捏ね

ている土との対話が弾む昼下がり。

 

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★4月の兼題(3月末日〆切)

 

【蛙の目借時】と【桜貝】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は序文の中の最初の句を見てみましょう。

 草の戸も住替る代ぞひなの家・・・芭蕉

 「奥の細道」弥生三月二十七日に出発して150日、2400Kmにおよぶ旅の紀行文の始まりです。この句の切れ字は「ぞ」。自分が引き払った家には次の住人が娘や孫と住むであろう。そのことに感慨を込めています。人生の刹那です。

芭蕉は、この序文で「人生は旅である」と述べて紀行文のすべてを言い尽くしています。

原文の中で「古人」というのは、おそらく李白、杜甫、宗祇、そして西行でしょう。芭蕉46歳の春から秋にかけての最大の北の旅への想いが綴られた有名な序文の一句です。三月は雛の節供があり、そして桜が咲く季節です。

 行春や鳥啼魚の目は泪・・・芭蕉

 旅立の抄の句です。上野や谷中では桜が咲いているけれど、今度いつ見られるであろうかという不安が込められた句で、切れ字は「や」です。過ぎてしまう春が惜しまれる感嘆が見事に表現されています。この「や」が芭蕉の切れ字の多くを代表していますね。たった十七文字に凝縮された俳句の素晴らしさと難しさを感じます。

(令和五年三月 上野貴子)

 

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 【ネット句会後記】

 令和5年の春の戦が始まりました。第1ステージは「春めきぬ」を詠んでいただきましたが、三月というのに春のきざしがまだ感じられません。花が咲き、うららからな四月が一気に来そうです。投句と選句をセットにして参加下さい。

(令和五年三月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会1月結果発表~

<大賞>

16 橋詰 博 夜行列車風花連れて故郷へ

2点句>

20 奥平 雅子  グラタンの焦げる香のたつ初時雨

27 濱野 洋子 晩酌は二合に決めて掘り炬燵

30 鈴木 恵美子 枝枝に小手毬に似た寒雀

 

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2024年9月のネット句会

今月の投句(秋の戦第2ステージ)

1赤のまま試験準備もあと三月

2断食や明けて眩しき赤のまま

3鰯雲語ることなく終戦忌

4鰯雲忙しく走る訪問看護

5鰯雲涼風もさてつかの間か

6投網打つ漁師の影よ鰯雲

7下町に匂ふコロッケ鰯雲

8石積の幾年耐へし鰯雲

9すれ違う市電の軋み鰯雲

10畦道を郵便バイク鰯雲

11渡鳥なる来世に備え足鍛え

12神様と愛し合いたし赤のまま

13幼き日の涙の透けて赤まんま

14秋立ちぬ今週の碁の黒と白

15鰯雲楸邨一味の成り損ない

16読みかけの頁のしるし鰯雲

17夕陽色巨大な鰯雲のろく

18いつまでも一緒だからね鰯雲

19巡り来る地球の先を渡り鳥

20困惑を鎮めて明日へ鰯雲

21汽車降りて別の空あり鰯雲

22鰯雲阿蘇の山々ひと包み

23鰯雲浮いて舟出す漁師かな

24山里の空を食み出す鰯雲

25園児らの駆けゆく先の鰯雲

26球場の開閉屋根や獺祭忌

27ぱんぱんに枝豆実り湯を沸かす

28故郷の山を真下に鳥渡る

29嬰のりし飛機どの辺り星祭

30雨音の隙間をひびくキリギリス

31瀬戸を染む夕陽に旅鳥の影二つ

32赤まんま三つ編み解きし君遠く

33ジャンパーに一秒の空鳥渡る

34涸れ井戸に三粒零れて赤まんま

35敗れたり仰げば旅鳥悠揚と

36泣きべその子の鼻先へ赤まんま

37残された吾は風の中渡り鳥

38三人の親となる娘に鰯雲

39鳥渡る同窓会の知らせあり

40臨月の娘に幸あれと鳥渡る

41赤錆の線路そのまま赤のまま

42窯場へとつづく杣道赤まんま

43高層のビル群覆ふ鰯雲

44投げ釣りの釣果さつぱり鱗雲

45碧天の日本海越え鳥渡る

46渡り鳥くの字がついに点となる

47こけそうでこけぬ幼子赤のまま         

48阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            

49あと一歩届かぬ白球いわし雲          

50鰯雲釣り人並ぶ防波堤             

51山いくつ越えて来たるや渡り鳥         

52木曽川で分かつ県境うろこ雲          

53賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る          

54「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  

55屋敷跡更地にひらく赤まんま          

56このままが一番幸せ赤のまま          

57行く先は風にまかせて赤のまま         

58廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          

59嫁ぎしと風の便りや赤まんま          

60畦道を郵便バイク赤のまま           

61鰯雲空に漂う点描画          

 

 

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秋の戦の兼題(8月から10月を通して毎月詠んでください。)

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

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【秋の戦8・9・10月】

★10月におすすめの兼題(9月末日〆切。)

【渡り鳥】

秋になって、シベリア方面から渡って来る鳥をいう。

傍題に、鳥渡る、鴨渡る

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

   長雨のふるだけ降るや赤のまゝ 中村汀女

 

   鰯雲人に告ぐべきことならず   加藤楸邨

   

   人はみな旅せむ心鳥渡る   石田波郷 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和6年9月号8月の結果(秋の戦第1ステージ)

 ~~<辻 雅宏選5句>~~

こけそうでこけぬ幼子赤のまま

あと一歩届かぬ白球いわし雲

畦道を郵便バイク赤のまま

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲

鰯雲空に漂う点描画

 

 ~~<上野貴子選5句>~~

鰯雲釣り人並ぶ防波堤

こけそうでこけぬ幼子赤のまま

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲

渡り鳥くの字がついに点となる

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま

 

点盛りの結果

 

三点句

渡り鳥くの字がついに点となる         阿部文彦

 

二点句

こけそうでこけぬ幼子赤のまま         龍野ひろし

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            阿部文彦

あと一歩届かぬ白球いわし雲          瀧口 孝志

鰯雲釣り人並ぶ防波堤             辻 雅宏

山いくつ越えて来たるや渡り鳥         辻 雅宏

木曽川で分かつ県境うろこ雲          辻 雅宏

賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る          辻 雅宏

 

一点句

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  水野幸子

屋敷跡更地にひらく赤まんま          阿部文彦

このままが一番幸せ赤のまま          原田啓子

行く先は風にまかせて赤のまま         龍野ひろし

廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          神長 誉夫

嫁ぎしと風の便りや赤まんま          神長 誉夫

畦道を郵便バイク赤のまま           龍野ひろし

鰯雲空に漂う点描画              阿部文彦

 

  

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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

渡り鳥くの字がついに点となる・・・3点

 

渡り鳥の群れを詠んだ句が最高点となりました。この後の勝ち抜きでどこまで勝ち残るかが楽しみですね。くと・の図形の面白さと段々見ええなく遠い点という表現と
ダブルところが面白いです。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~ 

こけそうでこけぬ幼子赤のまま 

歩き始めた幼子を目を細めてみている作者。赤のままも
またやさしく見守っている。

 

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★10月の兼題(9月末日〆切)

 

【赤のまま】【鰯雲】【渡り鳥】

 

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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の歴史」今回はいよいよ正岡子規です。子規と言えば子規庵が有名ですが、生れは四国の松山です。東大中退後に日本新聞に入社、俳諧を研究。写生俳句、写生文を首唱して、俳句革新運動を起こしたと言われています。

 

柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺・・・子規

 

この句は子規の俳句の中で一番有名な句です。法隆寺の近くの茶屋での句と言われます「柿を食べていると、折よく法隆寺の鐘の音がちょうど聞こえてきたことだ。」という句意ですね。柿は奈良の名物なので、ここで子規は美味しい柿を食べたのでしょう。

面白い話に、この法隆寺は果たして本当に法隆寺なのかという疑問がわく説があるらしいです。「くだもの」という随筆の中に、この句によく似た場面があるのですが、それが東大寺だというのです。これはあまり聞かない珍しい説なので、別の日の出来事なのではないかと私は考えるのですが、俳句なので、随筆をもとに考えて詠んだのではないかという説があるのだそうです。面白いですね。

俳句としては「柿」が季語で秋の句、そして、この句には切れ字「や」「かな」「けり」は使われていません。下五の「法隆寺」で体現止めになります。流石に明治の偉人だけあってモダンな写生句の代表句と成っていますね。

 

(会報令和六年8月号より 上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

八月は迷走した台風10号が歓迎されざる主役でした。台風は季語にもなっています。古くは野分とも。

秋の戦第一ステージは、競り合いながらのスタートになりました。このあとの展開が楽しみです。投句されたら選句も必ずお願いします。特によかった句には感想も記載してください。

(令和六年九月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 

<大賞>

 

42        大西文子    飛び石を飛んでトンボを追いかける

 

2点句>

 

3          橋詰博            逆さ富士夏雲連れて河口湖

12        鈴木恵美子    竹の筒押して押し出す水羊羹

28        奥平 雅子      糠床の茄子の色付き夜の膳

37        さこたゆう    道端の犬の鼻先赤のまま

47        田辺 公子      パリ五輪引き分けなしの明と暗

 

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2022年1月のネット句会

今月の投句(1月8日更新・冬の戦)

1寒の水土鍋に注ぎお味噌汁
2淑気かな並びし歩く神社みち
3明し朝ベランダ干して淑気かな
4空風にフード被りてこおり鬼
5あかぎれにてぶくろ所望二年生
6銭湯の富士の壁画や淑気満つ
7内宮へ詣づる人や淑気満つ
8ぴたぴたと寒の水飲む猫の舌
9蛇口より指切れさうな寒の水
10サプリメント寒九の水と喉通る
11いつになく膝そろえ座す淑気かな
12調弦のホールに充ちる淑気かな
13みどりごの含む乳房や淑気満つ
14喉元におどるカプセル寒の水
15孫産まれ手を合わせ飲む寒の水
16峰々の淑気カールを滑り来て
17寒の水滴る刃文青く燃ゆ
18解き放つ管風琴の淑気今
19谷抉る清く厳しき寒の水
20白き峰舞い発つ翼淑気満つ
21甲高きインコの声や淑気満つ
22息つかず喉通したり寒の水
23エメラルドの氷上渉たるオンネトウ
24湯豆腐を真っ赤な鍋にさあ一献
25吹雪く海口開けているお化け岩
26御降りや文机の古書読み通し
27御降りの彼方に揺らぐ漁舟
28散り際を何ぞためらう寒椿
29突として訃報舞い来る寒椿
30寒椿風も華やぐ池畔かな
31帰省する子に汲みおきし寒の水
32朝を待つ千里の丘に淑気満つ
33仏壇の寒の水澄むりんの音
34日昇り山の祠に淑気満つ
35胃カメラの医師の声張る師走かな
36淑気満つ翁一人の住まふ家
37田のあらば神社ありけり淑気満つ
38寒の水陽ざし揺らされをりにけり
39淑気満つ杜へ右足左足
40寒の水山従へて満たしけり
41寒の水世継ぎの服を濯ぎおり
42寒の水いつもの薬喉を過ぐ
43淑気立つ袂に風の入り来る
44日の昇る一分前の淑気かな
45句作して寒の水汲む夜深し
46飴色に干魚艶めく浜小春
47釣り人の等間隔に湖小春
48眠る子の帯を解きし七五三
49鈴の音を零して歩く七五三
50冬ざれの棚田の畦を風走る
51冬ざるる村に一つの床屋かな
52波白く海鳥高く小六月
53飾られて路面電車のクリスマス
54初雪や屋根すべり落つ音かろし
55湯けむりに夕陽落として山眠る
56冬ざれにブランコのなほ揺れのこり
57秋時雨鷹は小屋にて眠りをり
58爺婆をしたがへ歩む千歳飴
59何の日か問う子もにぎる千歳あめ
60江の島や小春に浮かぶ富士の影
61凩に向かって走るランドセル
62小春日のピアノ鳴り来る上り坂
63高速に早や灯のともり冬ざるる
64エアメール開けばメリークリスマス
65冬ざれや櫓にのぼる影一つ
66人の影なくて古寺虎落笛
67繰り返すエチュード聖夜は更けゆきて
68乳飲み子の薄目開け閉め冬ざるる
69冬ざれの森に巣箱の黄が残り
70子がありて親のはりきるクリスマス
71宅配のピザを加へてクリスマス
72ふところに白樺抱いて山眠る
73冬ざれて川沿いに雀来ている
74冬ざれた里山ひとつ越え真昼
75冬ざれて透明度増す赤信号
76図書館に哲学の在り冬ざれて
77冬ざれて裏戸に菜っ葉解かず置く
78ケーキ欲しダイエットでもクリスマス
79救急のサイレン響く街聖夜
80一年の無沙汰を詫びて賀状書く
81小春日や猫眠る屋根雲の下
82縁側で爪切る母の小春かな
83ベランダで小春にそよぐ七分丈
84千歳飴引きずり歩く着物の子
85途中下車してまで歩く小春空
86玉砂利を踏みしめる音七五三
87小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く
88紅ひいて唇紡ぐ七五三
89父笑う紅引き笑う娘見て
90おくるみに小春の光編み込んで
91七五三鳥居の長き影踏みて
92お互ひに孫連れ出会ふ七五三
93ジャケットの似合うふ青年恋小春
94小春日を分け合う人の写真立て
95小春凪海鳥の群れ河口まで
96産土の神のお祓ひ七五三  


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 2月の兼題【雪解】&【余寒】(1月31日〆切)

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 【春の戦2・3・4月】

 ★2月の兼題(1月31日〆切。)

【雪解】

春になって山野を閉ざしていた雪が解けはじめます。傍題に雪解水、雪解風、雪解川、雪解光。

 【余寒 】

立春になってからも寒さが残っていること。傍題に残る寒さ、残寒。

  

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 <先句に学ぶ> 

  四方の戸のがたがた鳴りて雪解風
                                             高濱虚子 

    屋根屋根を余寒の雨の濡らしけり
                       久保田万太郎

 

12月の結果(冬の戦第二ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 ベランダで小春にそよぐ七分丈

千歳飴引きずり歩く着物の子

途中下車してまで歩く小春空

釣り人の等間隔に湖小春

玉砂利を踏みしめる音七五三

 

五点句 

飴色に干魚艶めく浜小春        神長誉夫

 

四点句

釣り人の等間隔に湖小春        辻 雅宏

眠る子の帯を解きし七五三       伊藤 はな

鈴の音を零して歩く七五三       伊藤 はな

 

三点句

冬ざれの棚田の畦を風走る       水野幸子

冬ざるる村に一つの床屋かな      辻 雅宏

波白く海鳥高く小六月         上野貴子

 

二点句

 飾られて路面電車のクリスマス     井上悦男

初雪や屋根すべり落つ音かろし     水野幸子

湯けむりに夕陽落として山眠る     阿部文彦

冬ざれにブランコのなほ揺れのこり   青山好男

秋時雨鷹は小屋にて眠りをり      広田洋一

爺婆をしたがへ歩む千歳飴       辻 雅宏

何の日か問う子もにぎる千歳あめ   原田啓子

江の島や小春に浮かぶ富士の影    広田洋一

凩に向かって走るランドセル     阿部文彦

小春日のピアノ鳴り来る上り坂    芒花

 

一点句

高速に早や灯のともり冬ざるる    原田啓子

エアメール開けばメリークリスマス  辻 雅宏

冬ざれや櫓にのぼる影一つ      青山好男

人の影なくて古寺虎落笛       阿部文彦

繰り返すエチュード聖夜は更けゆきて 神長誉夫

乳飲み子の薄目開け閉め冬ざるる   原田啓子

冬ざれの森に巣箱の黄が残り     神長誉夫

子がありて親のはりきるクリスマス  原田啓子

宅配のピザを加へてクリスマス     辻 雅宏

ふところに白樺抱いて山眠る      阿部文彦

冬ざれて川沿いに雀来ている      上野貴子

冬ざれた里山ひとつ越え真昼      上野貴子

冬ざれて透明度増す赤信号       原田啓子

図書館に哲学の在り冬ざれて      芒花

冬ざれて裏戸に菜っ葉解かず置く    上野貴子

ケーキ欲しダイエットでもクリスマス  芒花

救急のサイレン響く街聖夜       青山好男

一年の無沙汰を詫びて賀状書く     阿部文彦

小春日や猫眠る屋根雲の下      青山好男

縁側で爪切る母の小春かな      辻 雅宏

ベランダで小春にそよぐ七分丈     響 あづ妙

千歳飴引きずり歩く着物の子      響 あづ妙

途中下車してまで歩く小春空      辻 雅宏

玉砂利を踏みしめる音七五三     水野幸子

小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く   神長誉夫

紅ひいて唇紡ぐ七五三         響 あづ妙

父笑う紅引き笑う娘見て        響 あづ妙

おくるみに小春の光編み込んで     原田啓子

七五三鳥居の長き影踏みて       青山好男

お互ひに孫連れ出会ふ七五三     辻 雅宏

ジャケットの似合うふ青年恋小春    伊藤はな

小春日を分け合う人の写真立て     神長誉夫

小春凪海鳥の群れ河口まで      上野貴子

産土の神のお祓ひ七五三       広田洋一

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 ★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表

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 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

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 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

     飴色に干魚艶めく浜小春・・・五点     

競っておりましたが五点句が勝ち抜きました。浜の風景が目に浮かび海産物を食べたくなるお正月でした。まだまだ変異株が心配なコロナ禍が続きますが今回からは春の戦です。暖かくなるのが待ち遠しいですね。(冬:11月~1月)

 

~~~今月の選評~~~

冬ざれや櫓にのぼる影一つ

寒い中火の見櫓にのぼる人影、半鐘を叩くため何度か経験がありますが今は消防署から直接サイレンを鳴らすようになっています。櫓にのぼる垂直の梯子の長く感じること気持ちの焦る事、火事のないことを祈っています。

 

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 ★2月の兼題(1月末日〆切) 

【雪解】と【余寒】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】 

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年12月号より

 「や」「かな」「けり」の切れ字について「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、12月号では、11月の月末定例句会勉強会から見てみましょう。

 目に青葉山郭公初鰹・・・素堂

 まずこの句は甲州の江戸時代の俳人山口素堂(そどう)作ですが、切れ字こそありませんが三段切れが効果的な反則技の句として有名です。季重りでもあり斬新な印象が鮮明に残る俳句です。

 あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉

 こちらは芭蕉46才「奥の細道」の句です。「なんと瑞々しい青葉も若葉も陽光に輝いていることだ」という解釈となりますが、この句にしても切れ字は無く季語は季重りです。日光東照宮の句、中七の緑の木々の葉の濃淡を季重りで「青葉若葉」と言っている。反則技ですが日光の美しさと東照宮の素晴らしさが伝わります。徳川家康が祀られているだけあって、現代でも謎めくほどの豪華さは未だに神秘的です。

 降る雪や明治は遠くなりにけり・・草田男

 この句は明治から昭和の作者の代表句。この句には切れ字「や」「けり」が2つあり反則技ですね。短い17文字の俳句の世界では、決まり事はあって無いようなものですね。令和を生きる私達には、もはや「切れ字」そのものは無いものとして考えても良いように考えます。レトリック的な技法で古典的なリズムを作り出してしまうだけに陥り易いです。 (2022年令和四年一月 上野貴子)

 「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら   http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

  

【ネット句会後記】 

明けましておめでとうございます。本年もネット句会への参加をよろしくお願いします。冬のステージは最終選句を迎え、春の戦の第一ステージです。兼題には雪解と余寒を用意させていただきました。自然の雪解のようす、残る寒さを詠んで下さい。
(令和四年一月 辻 雅宏) 

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2023年4月ネット句会

今月の投句(春の戦最終ステージ)

 1桜貝月の砂漠に流れ着き

2小石かと蟹が蹴とばす桜貝

3帰る家まだある桜貝の詩

4蛙まだ見かけぬうちに目借時

5悔しさに砂浜白く桜貝

6砂浅し波に逆らう桜貝

7桜貝置き所無く海広し

8桜貝繰り返し聴く波の音

9桜貝寄せては返す浪静か

10城映す狛犬まなこねこやなぎ

11鈍行の揺れにまかせる目借時

12二駅を乗り越し気づく目借時

13濡れ縁の猫も舟こぐ目借時

14抽斗に遠き日の恋さくら貝

15乙姫の置き忘れかも桜貝

16砂を透き潮騒を聴く桜貝

17止まり木のインコ静かな目借時

18いつの間にこんなところに一人静

19小さき日のあの思い出に蓬摘む

20木漏れ日や鳥のきている猫柳

21星の降る渚に帰す桜貝

22上り待つ田中の駅の目借時

23桜貝出でし亡父のピース缶

24濡髪にカルキの臭ふ目借時

25朝の浜花貝未だ夢の色

26忍び寄る汚染知らずや桜貝

27さくら貝これは羽化した恋の羽

28このような心でいたい桜貝

29綿々と恋語る友目借時

30目借時ご不在通知が玄関に

31曳く波の光残せしさくら貝

32海の歌歌ひて帰るさくら貝

33寝ころべば海の匂ひや桜貝

34さざ波の絶えることなし桜貝

35曳く波の足跡消すや桜貝

36疵の互いに抱きしめ合ひぬ桜貝

37世の此岸生きて蛙の目借り時

38砂浜の文字の句点よ桜貝

39雨音に目閉づ蛙の目借時

40黒人の娘のふと拾ふ桜貝

41忘れ潮ひとつ残りし桜貝

42波打ちに波に揺らるる桜貝

43流さるるままに生き抜く桜貝

44横笛に指動かざる目借時

45住職の法話かすかに目借時

46春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      

47春めきて薩摩切子を二つ買う       

48鳥帰る空紅色に染まるとき        

49かげろへる原爆ドーム昼の黙       

50軽やかに発車のチャイム春めけり     

51ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     

52遠山の丸く見える日春めきぬ       

53フリースに包まれ眠る春の風邪      

54調弦の軽く揃いて春めきぬ        

55小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       

56鳥帰るシベリアまでの空遠く       

57陽炎や軽トラに立つ古箪笥        

58冒険といふは誰にも鳥帰る        

59投げ竿の放物線や鳥雲に         

60マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   

61碧天を戦火の郷へ鳥帰る         

62鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       

63餌ねだる猫の鳴き声春めけり       

64障子戸の春めく光部屋に満つ       

65春めきてろくろの土の良く喋る      

66日当たりの斜めの庭も春めけり      

67春風邪や窓から見る山遠し        

68春めくやひかり膨らむ堰の水       

69鍵盤に弾む指先春めけり         

70陽炎の中より吾子が現わるる       

71鍵盤に弾む指先春めけり         

72鳥帰る人なきコインランドリー      

73捨つ郷や母の影さえかぎろひて      

74つぎつぎと水面くずして鳥帰る      

75一列に並びて北へ鳥帰る         

76鈍色の空を二手に鳥帰る         

77伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        

78引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       

79陽炎に彷徨う少年探偵団         

80陽炎いて貨物列車の浮いてくる      

81軽やかに発車のチャイム春めけり     

82春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    

83君のならくれてもいいよ春の風邪     

84妻からのメールにハート春めける     

85オリオンに向ひ帰宅や春めきて      

86光さす千体仏や春めけり         

87一人寝の夜のいつまでも春の風邪     

88レトルトの匂いの粥と春の風邪      

89春の風邪汽笛掠れしA列車        

90春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        

91春めいて草刈られゆく空の堀       

92春めくや老若集うカフェテラス      

93春めくや旅のプランを練り直す      

  

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 5月の兼題【薄暑】&【葉桜】(4月末日〆切)

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 【夏の戦5・6・7月】

 ★5月の兼題(4月末日〆切。)

 【薄暑】

初夏にやや暑さを覚えて少し汗ばむのを感じる気候をいう。

傍題に、薄暑光。

 【葉桜】

桜が散り終え、みずみずしい若葉の緑が濃く重なりを深めてその美しさを見せます。

傍題に、花は葉に。

 

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

 

   飼犬の穴掘つてゐる庭薄暑

                倉内法子

 

   葉桜の中の無数の空さわぐ

                篠原 梵

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年4月号3月の結果(春の戦第3ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

冒険といふは誰にも鳥帰る

陽炎の中より吾子が現わるる

鳥帰る空紅色に染まるとき

春めきて薩摩切子を二つ買う

鍵盤に弾む指先春めけり

  

五点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

 

三点句

鳥帰る空紅色に染まるとき        原田啓子

かげろへる原爆ドーム昼の黙       辻 雅宏

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

 

二点句

鳥帰るシベリアまでの空遠く       上野貴子

陽炎や軽トラに立つ古箪笥        原田啓子

冒険といふは誰にも鳥帰る        山本佐和子

投げ竿の放物線や鳥雲に         辻 雅宏

マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   神長誉夫

碧天を戦火の郷へ鳥帰る         神長誉夫

鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       龍野ひろし

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

 

一点句

陽炎の中より吾子が現わるる       阿部文彦

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

鳥帰る人なきコインランドリー      龍野ひろし

捨つ郷や母の影さえかぎろひて      神長誉夫

つぎつぎと水面くずして鳥帰る      井上悦男

一列に並びて北へ鳥帰る         阿部文彦

鈍色の空を二手に鳥帰る         辻 雅宏

伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        辻 雅宏

引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       井上悦男

陽炎に彷徨う少年探偵団         井上悦男

陽炎いて貨物列車の浮いてくる      阿部文彦

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    神長誉夫

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 春めきて薩摩切子を二つ買う・・・五点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・五点句

 

春の戦の最後となります。勝抜いたのはこの2句でした。春らしい句が勝ち残りましたね。やっとコロナ禍の規制がない春がやって来て明るい句が多いと感じます。

(春:2月~4月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂き

マシンの音とともに陽炎を破り出たレーシングカーの

生中継を見る詠みである。

 

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 ★5月の兼題(4月末日〆切)

 

【薄暑】と【葉桜】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は日光の抄の四月の頃の句を見てみましょう。

 

あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉

 

「奥の細道」の中で特に有名なこの句は季語の使い方も斬新ですし、切れ字もありません。句意は「何と崇高であろうか。日光では東照宮の大改修も進み青葉や若葉が美しく太陽の光りにそのみどりを輝かせていることだ。」と詠んでいます。四月朔日の句と書かれていますから、陽暦の519日頃で新緑が美しい初夏の句です。今の時代では「青葉」「若葉」の二つの季重りですね。これは季感が同じなので「青葉若葉」と一つの言葉とみなすことが出来ますが造語となります。切れ字は無く、日の光が「日光」という名にふさわしく美しく眩しいほどに神々しいということを表現しています。よくある上五の説明にとどまらずに斬新で印象深い句に仕上げている名句ですね。

「あらとうと」この上五は「あら尊し」のことで「あら」が感嘆を表し「とうと」が「とうとし」の語幹となります。

芭蕉は、弥生三月二十七日に出発して四月朔日に日光山に参拝しています。日数計算は暦の違いから難しいところですが、日光街道を旅して辿り着いた日光は改装されていて、その美しさに感銘を受けたに違いありません。

(令和五年四月 上野貴子)

 

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【ネット句会後記】

 

春の戦第2ステージは2句が5点句で競っています。最終ステージの結果が楽しみです。華やかな桜花から瑞々しい若葉の季節へと移り、清々しい五月を迎えます。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年四月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会2月結果発表~

 <大賞>

 10 さこたゆう 陽炎の先ブランコをこぐ二人

 2点句>

22 南出 千賀子 淡雪の足跡に聞く芽吹き声

29 tanaka625 寝過ごして見知らぬ駅に野馬燃ゆる

  

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2024年10月のネット句会

今月の投句(秋の戦最終ステージ)

1土より這い出し蚯蚓や干されをり

2米不足減反政策九月尽

3瑞穂の国永久に平和や終戦日

4火葬場の1週間待ち穴惑い

5電柱に硬き影ある猛残暑

6排他的水域なんの鳥渡る

7我が国へ侵略国の鳥渡る

8四散する廃れ卒塔婆赤まんま

9鰯雲港舞鶴倉庫群

10用足して鯖雲掬ふ手水鉢

11北国にやわらかき日もありいわし雲

12今年また夫と見る空渡り鳥

13鰯雲「どこでもドア」の向こう側

14雲間より薄日も差して渡り鳥

15遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る 

16新札はアラビヤ数字地虫鳴く

17廃鉱の街に旅鳥の艶緑

18鰯雲越ゆる大地の赤鯨

19悠揚と国境の河旅鳥超ゆ

20銛の如ジェット貫く鰯雲

21逆さ枝打ちて旅鳥の餞に

22思ひ出を残して去りし渡り鳥

23指先で空に追ひたる渡り鳥

24列島を俯瞰して飛ぶ渡り鳥

25風を追ひ風に追はるる渡り鳥

26海に浮く朱の回廊や鳥渡る

27この坂を何度も登る鰯雲

28渡り鳥自由に空を飛んで来る

29群れをなす地球の不思議鳥渡る

30この場所を群れが知ってる渡り鳥

31鳥渡りきっとまた来る空の色

32盆栽の手止め一服いわし雲

33どこからかトランペットが鰯雲

34紅葉を映し堀水動かざる

35照紅葉仰ぎ見るひと京言葉

36照紅葉つなぐ手細き老夫婦

37本開くごとく飛びゆく渡り鳥

38高原を一羽遅れて鳥渡る

39湖を埋め尽くしたり鴨来る

40草に寝て空の青さや鰯雲

41湾内に八百八島うろこ雲

42邯鄲の間遠くなりぬ夢の中

43水澄むやあめんぼのスケーターワルツ

44支笏湖の寄せては返す秋の水

45秋空に足投げ出して雲にのる

46渡り鳥くの字がついに点となる          

47こけそうでこけぬ幼子赤のまま          

48あと一歩届かぬ白球いわし雲          

49木曽川で分かつ県境うろこ雲          

50賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る          

51下町に匂ふコロッケ鰯雲            

52すれ違う市電の軋み鰯雲           

53汽車降りて別の空あり鰯雲           

54読みかけの頁のしるし鰯雲           

55投網打つ漁師の影よ鰯雲            

56鰯雲語ることなく終戦忌            

57阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            

58鰯雲釣り人並ぶ防波堤             

59山いくつ越えて来たるや渡り鳥         

60断食や明けて眩しき赤のまま          

61幼き日の涙の透けて赤まんま           

62赤まんま三つ編み解きし君遠く          

63碧天の日本海越え鳥渡る             

64球場の開閉屋根や獺祭忌             

65泣きべその子の鼻先へ赤まんま          

66園児らの駆けゆく先の鰯雲            

67鳥渡る同窓会の知らせあり            

68高層のビル群覆ふ鰯雲              

69鰯雲忙しく走る訪問看護             

70鰯雲涼風もさてつかの間か            

71夕陽色巨大な鰯雲のろく            

72ジャンパーに一秒の空鳥渡る  

73故郷の山を真下に鳥渡る             

74「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  

75屋敷跡更地にひらく赤まんま          

76このままが一番幸せ赤のまま          

77行く先は風にまかせて赤のまま         

78廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          

79嫁ぎしと風の便りや赤まんま         

80畦道を郵便バイク赤のまま           

81鰯雲空に漂う点描画              

 

 

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冬の戦の兼題(11月から1月を通して毎月詠んでください。)

【落葉】【数え日】【初雀】

 

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【冬の戦11・12・1月】

★11月におすすめの兼題(10月末日〆切。)

【落葉】

               晩秋から冬にかけて葉をことごとく落としてしまいます。
               傍題に、落葉焚、落葉掻 

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

    むさしのの空真青なる落葉かな 水原秋櫻子

 

            数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ 富安風生

 

    お手玉のごとくに遊ぶ初雀 下村梅子 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和6年10月号9月の結果(秋の戦第2ステージ)

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

下町に匂ふコロッケ鰯雲

投網打つ漁師の影よ鰯雲

すれ違う市電の軋み鰯雲

故郷の山を真下に鳥渡る

こけそうでこけぬ幼子赤のまま 

 

~~<上野貴子選5句>~~

下町に匂ふコロッケ鰯雲

すれ違う市電の軋み鰯雲

球場の開閉屋根や獺祭忌

泣きべその子の鼻先へ赤まんま

渡り鳥くの字がついに点となる

 

点盛りの結果

 

四点句

渡り鳥くの字がついに点となる      阿部文彦

こけそうでこけぬ幼子赤のまま      龍野ひろし

 

三点句

あと一歩届かぬ白球いわし雲       瀧口 孝志

木曽川で分かつ県境うろこ雲       辻 雅宏

賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る       辻 雅宏

 

二点句

下町に匂ふコロッケ鰯雲         龍野ひろし

すれ違う市電の軋み鰯雲         龍野ひろし

汽車降りて別の空あり鰯雲        阿部文彦

読みかけの頁のしるし鰯雲        上野貴子

投網打つ漁師の影よ鰯雲         龍野ひろし

鰯雲語ることなく終戦忌         船津 元

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲         阿部文彦

鰯雲釣り人並ぶ防波堤          辻 雅宏

山いくつ越えて来たるや渡り鳥      辻 雅宏

 

一点句

断食や明けて眩しき赤のまま       船津 元

幼き日の涙の透けて赤まんま       山本佐和子

赤まんま三つ編み解きし君遠く      神長誉夫

碧天の日本海越え鳥渡る         辻 雅宏

球場の開閉屋根や獺祭忌         水野幸子

泣きべその子の鼻先へ赤まんま      原田啓子

園児らの駆けゆく先の鰯雲        阿部文彦

鳥渡る同窓会の知らせあり        原田啓子

高層のビル群覆ふ鰯雲          辻 雅宏

鰯雲忙しく走る訪問看護         船津 元

鰯雲涼風もさてつかの間か        船津 元

夕陽色巨大な鰯雲のろく         上野貴子

ジャンパーに一秒の空鳥渡る       神長 誉夫

故郷の山を真下に鳥渡る         水野幸子

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま 水野幸子

屋敷跡更地にひらく赤まんま       阿部文彦

このままが一番幸せ赤のまま       原田啓子

行く先は風にまかせて赤のまま      龍野ひろし

廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま       神長 誉夫

嫁ぎしと風の便りや赤まんま       神長 誉夫

畦道を郵便バイク赤のまま        龍野ひろし

鰯雲空に漂う点描画           阿部文彦

 

 

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ 

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~ 

渡り鳥くの字がついに点となる・・・四点

こけそうでこけぬ幼子赤のまま・・・四点
 

今回は空と地とちょうど両方の秋の句が経ち残りました。この後はどちらがどうなるか楽しみです。秋らしくなって来て面白いですね。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 あと一歩届かぬ白球いわし雲

歩スポーツの秋。プロ野球も草野球もシーズン真っ盛り。
大きな飛球の先に大空が拡がっている。

 

 

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★11月の兼題(10月末日〆切)

 

【落葉】【数え日】【初雀】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

★オンライン句会
毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「俳句の歴史」今回は、正岡子規のあとにその流れとして「ホトトギス」を広く大衆に広めたと言われている高浜虚子です。虚子は客観写生を提唱した俳句を詠んでいます。

 

流れ行く大根の葉の早やさかな・・・虚子

 

この句は虚子の代表句です。愛媛の松山生れ。河東碧梧桐と共に子規庵を訪ねての俳句問答は子規の随筆「病床六尺」に書かれておりとても面白いです。革新的な碧梧桐の俳句に対立して、虚子は「花鳥諷詠」「客観写生」の理念を揚げてゆきます。やがてホトトギス全盛の時代を迎え、婦人に俳句の場を多く与えようとホトトギスに台所俳句と言われる女性俳人を多く育てる場を設けます。この功績が大きく讃えられ、多くの女性俳人を生み出しました。自らの娘である星野立子がその中から育った女性俳人として最も有名です。

女性俳人では同時期に活躍した中村汀女・橋本多佳子・三橋鷹女とともに四Tと称され人気を博したと言われています。

そして、その後は、飯田蛇笏、水原秋桜子、山口誓子、中村草田男、川端茅舎、松本たかしなど、そうそうたるメンバーを輩出しています。虚子と碧梧桐が子規のあとの俳句界を背負っていったと言えるでしょう。やがてその中から現代俳句につながる面々が活躍してゆきます。

 

(会報令和六年9月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

https://nbsacademy.jimdofree.com/ 

 

 

【ネット句会後記】

猛暑から残暑どころか続暑となりましたが、遅まきながら秋めいてきました。秋の戦第二ステージは、二句が四点句で競っています。これを三句の三点句が追う展開になっています。最終ステージが楽しみです。選句でよかった句には感想も記載してくださるようお願いします。

(令和六年十月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 <大賞>

 LINE大賞 

30        荒木 かをり   芋煮会濃口しょうゆにも慣れて

 

2点句>

 

1          田中むつみ    嵐去り京の五山に鰯雲

8          鈴木恵美子    朝の競り銀色光る初秋刀魚

9          山本佐和子    晴れるってこのことなんだ鰯雲

10        山本佐和子    退院し眺め切れぬほどいわし雲

13        さこたゆう    鰯雲空の高さは測れない

17        米重 初枝      夕空を見つめる二人鰯雲

18        米重 初枝      子規の忌や老母へ届ける糸瓜水

31        大西文子        鰯雲群れの外れの下は何処

42        大西文子    飛び石を飛んでトンボを追いかける

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果の一部と連動してまいります。

 

自由なオンライン句会はこちら
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2022年2月ネット句会

今月の投句(2月8日更新・春の戦)

1友禅を透かし雪どけ水ながる
2下り落つ雪解けの水岩削る
3雪解河わたる客車に人は無く
4雪解川所々に鄙びた草浸る
5雪解けの道の一本知己の家へ
6えきったサンドイッチの余寒かな
7居座りて木の芽を制す余寒かな
8雪解川往くに存分なる日差し
9遠目にも明るき伊吹雪解晴
10霊山の嶺より落つる雪解水
11余寒なほ体育館の保護者会
12寸借の厠に残る寒さかな
13ミサを待つ日曜朝の余寒かな
14夫のゐぬ家路も遠く余寒かな
15枕木を数えてわたる雪解風
16税務署の度なる通知余寒かな
17雪解けて道おちこちや世界地図
18眼の隅を指でふき取る余寒かな
19インコ鳴く声も余寒のなかにあり
20屋根よりの雪解のしずく早鐘に
21如月の陽射しの欠片漂いぬ
22仏間までピンクの香りヒヤシンス
23駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ
24雪解水ふわり越え来る転校生
25連覇への襷を晒す雪解川
26雪解河渡船に深紅のランドセル
27止まり木に名知らぬ馴染み欠く余寒
28雪解野や葬送幡の揺れ進む
29余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり
30雪解水石に磨かれをりにけり
31せせらぎの調べ軽やか雪解水
32余寒とて美しき言葉やビル狭間
33雲払ふ風鳴る夜の余寒かな
34雪解けの水何処ゆく月明り
35触れ合う手ともに冷たき余寒かな
36雪解けの声に赤鬼面忘れ
37生垣に雪解のあと陽を追って
38駐車場まだ雪解の名残水
39起き抜けの朝の空気に余寒あり
40キッチンにお茶熱く入れ余寒めく
41友禅を透かし雪どけ水ながる
42下り落つ雪解けの水岩削る
43雪解河わたる客車に人は無く
44雪解けの水何処ゆく月明り
45触れ合う手ともに冷たき余寒かな
46地震に覚め支度の時の余寒かな
47ふる里の無人の駅の余寒かな
48風に耐え余寒にも耐え走る犬
49雪解けて吾子の靴下現わるる
50雪解の水があふれて暴れ川
51雪解風とき緩やかに山の宿
52轟々と光広ぐる雪解川
53余寒なほ眉間に皺の阿修羅像
54野仏の欠けし目鼻や余寒なほ
55余寒なほ画廊に架かる抽象画

 

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3月の兼題【水温む】&【椿】(2月28日〆切

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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【春の戦2・3・4月】

★3月の兼題(2月28日〆切。

【水温む】

春になって日差しがあたたかくなり、気温が上昇し、沼や池などの水もぬるんでくる。
傍題に、温む水、温む池、温む川、温む沼

【椿】

つやつやした肉厚の葉の中に真紅の花を咲かせる。花びらが散るのではなく、花ひとつが丸ごと落ちる。傍題に、玉椿、山椿、藪椿、落椿、白椿、紅椿、赤椿、椿咲く

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

   さしのぞく古井の水もぬるみけり
                 富安風生

   赤い椿白い椿と落ちにけり
                河東碧梧桐

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

2月号月の結果(冬の戦第三ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

内宮へ詣づる人や淑気満つ
いつになく膝そろえ座す淑気かな
エメラルドの氷上渉たるオンネトウ
日昇り山の祠に淑気満つ
田のあらば神社ありけり淑気満つ


<点盛りの結果>

五点句

 

飴色に干魚艶めく浜小春        神長誉夫

釣り人の等間隔に湖小春        辻 雅宏

鈴の音を零して歩く七五三       伊藤 はな

 

四点句

調弦のホールに充ちる淑気かな     原田啓子

冬ざれの棚田の畦を風走る       水野幸子

眠る子の帯を解きし七五三       伊藤 はな

 

三点句

みどりごの含む乳房や淑気満つ     原田啓子

ぴたぴたと寒の水飲む猫の舌      辻 雅宏

飾られて路面電車のクリスマス     井上悦男

爺婆をしたがへ歩む千歳飴       辻 雅宏

冬ざるる村に一つの床屋かな      辻 雅宏

波白く海鳥高く小六月         上野貴子

飾られて路面電車のクリスマス     井上悦男

 

二点句

日昇り山の祠(ほこら)に淑気満つ    青山好男

甲高きインコの声や淑気満つ      水野幸子

御降りや文机の古書読み通し      阿部文彦

解き放つ管風琴の淑気今        神長誉夫

谷抉る清く厳しき寒の水        神長誉夫

銭湯の富士の壁画や淑気満つ      辻 雅宏

途中下車してまで歩く小春空      辻 雅宏

小春凪海鳥の群れ河口まで       上野貴子

初雪や屋根すべり落つ音かろし     水野幸子

湯けむりに夕陽落として山眠る     阿部文彦

冬ざれにブランコのなほ揺れのこり   青山好男

秋時雨鷹は小屋にて眠りをり      広田洋一

何の日か問う子もにぎる千歳あめ   原田啓子

江の島や小春に浮かぶ富士の影    広田洋一

凩に向かって走るランドセル     阿部文彦

小春日のピアノ鳴り来る上り坂    山本佐和子

 

一点句

突として訃報舞い来る寒椿       阿部文彦

寒の水滴る刃文青く燃ゆ        神長誉夫

内宮へ詣づる人や淑気満つ      辻 雅宏

エメラルドの氷上渉たるオンネトウ   水野幸子

いつになく膝そろえ座す淑気かな    原田啓子

田のあらば神社ありけり淑気満つ   井上悦男

喉元におどるカプセル寒の水      原田啓子

散り際を何ぞためらう寒椿       青山好夫

寒の水世継ぎの服を濯ぎおり      山本佐和子

息つかず喉通したり寒の水       水野幸子

寒の水土鍋に注ぎお味噌汁       山中千明

峰々の淑気カールを滑り来て      神長誉夫

御降りの彼方に揺らぐ漁舟       阿部文彦

寒の水世継ぎの服を濯ぎおり      山本佐和子

仏壇の寒の水澄むりんの音       青山好男

吹雪く海口開けているお化け岩     辻 雅宏

高速に早や灯のともり冬ざるる     原田啓子

エアメール開けばメリークリスマス   辻 雅宏

冬ざれや櫓にのぼる影一つ       青山好男

人の影なくて古寺虎落笛        阿部文彦

繰り返すエチュード聖夜は更けゆきて  神長誉夫

乳飲み子の薄目開け閉め冬ざるる    原田啓子

冬ざれの森に巣箱の黄が残り      神長誉夫

子がありて親のはりきるクリスマス   原田啓子

宅配のピザを加へてクリスマス     辻 雅宏

ふところに白樺抱いて山眠る      阿部文彦

冬ざれて川沿いに雀来ている      上野貴子

冬ざれた里山ひとつ越え真昼      上野貴子

冬ざれて透明度増す赤信号       原田啓子

図書館に哲学の在り冬ざれて      山本佐和子

冬ざれて裏戸に菜っ葉解かず置く    上野貴子

ケーキ欲しダイエットでもクリスマス  山本佐和子

救急のサイレン響く街聖夜       青山好男

一年の無沙汰を詫びて賀状書く     阿部文彦

小春日や猫眠る屋根雲の下      青山好男

縁側で爪切る母の小春かな      辻 雅宏

ベランダで小春にそよぐ七分丈     響 あづ妙

千歳飴引きずり歩く着物の子      響 あづ妙

玉砂利を踏みしめる音七五三     水野幸子

小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く   神長誉夫

紅ひいて唇紡ぐ七五三         響 あづ妙

父笑う紅引き笑う娘見て        響 あづ妙

おくるみに小春の光編み込んで     原田啓子

七五三鳥居の長き影踏みて       青山好男

お互ひに孫連れ出会ふ七五三     辻 雅宏

ジャケットの似合うふ青年恋小春    伊藤はな

小春日を分け合う人の写真立て     神長誉夫

産土の神のお祓ひ七五三       広田洋一

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

飴色に干魚艶めく浜小春・・・五点
釣り人の等間隔に湖小春・・・五点

冬の戦では小春の句が勝ち残りましたね。寒さが厳しい中の小春日は心が和み美しい風景とよく合うのですね。次回はもう春の戦となります。

(冬:11月~1月)

 

~~~今月の選評~~~

日昇り山の祠に淑気満つ

祠に焦点を合わせて詠ませており「淑気」との取り合わせが新鮮です。日の出とともに光が当たり始め、何か粛々とした神々しい空気感を醸し出している光景が目に浮かびます。

 

 

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★3月の兼題(2月末日〆切

 

【水温む】と【椿】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年12月号より

 

「や」「かな」「けり」の切れ字について「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、12月号では、11月の月末定例句会勉強会から見てみましょう。

 

目に青葉山郭公初鰹・・・素堂

 

まずこの句は甲州の江戸の俳人山口素堂(そどう)作ですが、切れ字こそありませんが三段切れが効果的な反則技の句として有名です。季重りでもあり斬新な印象が鮮明に残る俳句です。

 

あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉

 

こちらは芭蕉46才「奥の細道」の句です。「なんと瑞々しい青葉も若葉も陽光に輝いていることだ」という解釈となりますが、この句にしても切れ字は無く季語は季重りです。日光東照宮の句、中七の緑の木々の葉の濃淡を季重りで「青葉若葉」と言っている。反則技ですが日光の美しさと東照宮の素晴らしさが伝わります。徳川家康が祀られているだけあって、現代でも謎めくほどの豪華さは未だに神秘的です。

 

降る雪や明治は遠くなりにけり・・草田男

 

この句は明治から昭和の作者の代表句。この句には切れ字「や」「けり」が2つあり反則技ですね。短い17文字の俳句の世界では、決まり事はあって無いようなものですね。令和を生きる私達には、もはや「切れ字」そのものは無いものとして考えても良いように考えます。レトリック的な技法で古典的なリズムを作り出してしまうだけに陥り易いです。

(2021年令和四年一月 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

 

【ネット句会後記】

 

冬の戦は五点句が並び接戦で終わりました。立春を過ぎて各地で大雪に見舞われています。皆さんのところではいかがでしたか。早くあったかくなって欲しいですね、そんな気持ちで、兼題は水温むと椿にさせて戴きました。春の戦の始まりです。多くの皆さんからの投句をお待ちしています。

(2022年令和三年二月 辻 雅宏)

 

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2023年5月ネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

 

1夕薄暑匂ひ洩れ来る佃煮屋

2配達を終へし自転車夕薄暑

3若きの日下宿薄暑の四畳半

4葉桜に透ける光を仰ぎけり

5サックスの咽ぶ薄暑のジャズクラブ

6葉桜の蔭に川瀬の水光る

7魚跳ね水脈引く池に薄暑来る

8バス通り学校帰り薄暑光

9これからが人生本番薄暑光

10葉桜に山移ろえど動かざる

11葉桜を愛でる群れびと城の下

12グランドの若人の息荒し薄暑

13老幼が遊ぶ芝生の薄暑かな

14葉桜を描くキャンバス青き空

15葉桜やバス駐車場のエンジン音

16集合の駅前に待つ薄暑かな

17作句する語彙の貧しき薄暑かな

18葉桜の中をゆるりと車椅子

19葉桜や人の影なし河津町

20葉桜の中に奏でる瀬音かな

21この川に友と掬いし目高かな 

22娘が来ると豆飯を炊き待ちてをり

23緑陰を園児らの手を引かれ過ぐ

24葉桜や嬰は保育園なれた頃

25箱車の園児らのゆく薄暑かな

26葉桜の駅に磯の香キハが連れ

27葉桜や詰襟開く初年生

28七色のソーダの泡や浜薄暑

29葉桜の堤煌めく魚鱗追ふ

30葉桜やケルンに注ぐジン香る

31バイオリンの弓締め直す昼薄暑

32薄暑光字余りの句を持て余し

33葉桜の外人もてなす観光地

34葉桜や時代が一つ変わる如

35葉桜の梢へ伸びる緑かな

36二階より豆腐屋止むる夕薄暑

37地下街を出でて地上の街薄暑

38葉桜の隙間を埋むる空の青

39邂逅のマドンナ老いぬ花は葉に

40人影も絶えて堤の花は葉に 

  

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6月の兼題【風薫る】&【木下闇】(5月末日〆切)

 

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【夏の戦5・6・7月】

 

★6月の兼題(5月末日〆切。)

 

【風薫る】

緑の草木を渡ってきて匂うようなすがすがしい夏の風をいう。

傍題に、薫風。

 

【木下闇】

夏木立が茂って、樹の下のほの暗い様子をいう。

傍題に、下闇、青葉闇。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   海からの風山からの風薫る

                鷹羽狩行

 

   名刹といふもおほかた木下闇

                檜 紀代

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 令和5年5月号4月の結果(春の戦最終ステージ)

 

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 砂浅し波に逆らう桜貝

鈍行の揺れにまかせる目借時

乙姫の置き忘れかも桜貝

さくら貝これは羽化した恋の羽

世の此岸生きて蛙の目借り時

  

六点句

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋      神長誉夫

 

五点句

春めきて薩摩切子を二つ買う       阿部文彦

かげろへる原爆ドーム昼の黙       辻 雅宏

 

三点句

桜貝月の砂漠に流れ着き         上野貴子

曳く波の足跡消すや桜貝         龍野ひろし

鳥帰る空紅色に染まるとき        原田啓子

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

ピンと立つ猫のしっぽや春めきぬ     原田啓子

遠山の丸く見える日春めきぬ       原田啓子

フリースに包まれ眠る春の風邪      山本佐和子

調弦の軽く揃いて春めきぬ        原田啓子

小魚の跳ぬる波紋や春めきぬ       辻 雅宏

 

二点句

桜貝寄せては返す浪静か         青山好男

鈍行の揺れにまかせる目借時       辻 雅宏

乙姫の置き忘れかも桜貝         辻 雅宏

忘れ潮ひとつ残りし桜貝         阿部文彦

海の歌歌ひて帰るさくら貝        龍野ひろし

忍び寄る汚染知らずや桜貝        原田啓子

曳く波の光残せしさくら貝        龍野ひろし

桜貝出でし亡父のピース缶        神長誉夫

鳥帰るシベリアまでの空遠く       上野貴子

陽炎や軽トラに立つ古箪笥        原田啓子

冒険といふは誰にも鳥帰る        山本佐和子

投げ竿の放物線や鳥雲に         辻 雅宏

マシン吠ゆル・マンの陽炎引き裂きて   神長誉夫

碧天を戦火の郷へ鳥帰る         神長誉夫

鳥帰る故郷へ向かふ夜行バス       龍野ひろし

餌ねだる猫の鳴き声春めけり       井上悦男

障子戸の春めく光部屋に満つ       水野幸子

春めきてろくろの土の良く喋る      神長誉夫

日当たりの斜めの庭も春めけり      井上悦男

春風邪や窓から見る山遠し        青山好男

春めくやひかり膨らむ堰の水       龍野ひろし

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

 

一点句

抽斗に遠き日の恋さくら貝       辻 雅宏

砂浅し波に逆らう桜貝         青山好男

さくら貝これは羽化した恋の羽     原田啓子

世の此岸生きて蛙の目借り時      山本佐和子

朝の浜花貝未だ夢の色         神長誉夫

流さるるままに生き抜く桜貝      阿部文彦

砂を透き潮騒を聴く桜貝        水野幸子

上り待つ田中の駅の目借時       神長誉夫

横笛に指動かざる目借時        阿部文彦

住職の法話かすかに目借時       阿部文彦

陽炎の中より吾子が現わるる       阿部文彦

鍵盤に弾む指先春めけり         龍野ひろし

鳥帰る人なきコインランドリー      龍野ひろし

捨つ郷や母の影さえかぎろひて      神長誉夫

つぎつぎと水面くずして鳥帰る      井上悦男

一列に並びて北へ鳥帰る         阿部文彦

鈍色の空を二手に鳥帰る         辻 雅宏

伊吹嶺の浮雲かすめ鳥帰る        辻 雅宏

引き上ぐる浜の小船や鳥雲に       井上悦男

陽炎に彷徨う少年探偵団         井上悦男

陽炎いて貨物列車の浮いてくる      阿部文彦

軽やかに発車のチャイム春めけり     龍野ひろし

春めきてシェフの帽子も背を伸ばし    神長誉夫

君のならくれてもいいよ春の風邪     辻 雅宏

妻からのメールにハート春めける     龍野ひろし

オリオンに向ひ帰宅や春めきて      井上悦男

光さす千体仏や春めけり         龍野ひろし

一人寝の夜のいつまでも春の風邪     原田啓子

レトルトの匂いの粥と春の風邪      山本佐和子

春の風邪汽笛掠れしA列車        神長誉夫

春めくや浅瀬に遊ぶ鷺一羽        辻 雅宏

春めいて草刈られゆく空の堀       青山好男

春めくや老若集うカフェテラス      山本佐和子

春めくや旅のプランを練り直す      阿部文彦

 

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・春の戦~~~

 

春めきて鼻歌漏るる海女の小屋・・・六点句

 

春の戦の勝ち抜き句となります。春らしく女性の句がかなり追ってきておりました。次回はもう夏となります!

(春:2月~4月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

桜貝出でし亡父のピース缶

 

亡くなったお父様の小さな秘密を発見したような句。

「ピース缶」がピッタリ決まっています。

 

 

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★6月の兼題(5月末日〆切)

 

【風薫る】と【木下闇】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は雲巌寺での句を見てみましょう。

啄木も庵はやぶらず夏木立・・・芭蕉

 

「奥の細道」雲巌寺のこの句は夏木立が季語です。啄木は季語ではなく秋から冬の間に啄木につつかれることも無く庵がまだ存在していることを詠んでいるのです。

雲巌寺の裏山の緑が美しい岩山にもたれかかるように庵があり、名僧の伝説を思わせるようだと芭蕉は書いています。今は亡き仏頂和尚を訪ねての一句です。

この句には「切れ字」はありませんが、切れ字を十八とすると「ず」がそうなります。今では「や」「かな」「けり」以外の切れ字にはほとんどふれませんから、この句には切れ字は無いとしても良いでしょう。ただ、芭蕉の江戸時代前期の時代には、切れ字十八と言われていましたので、句そのものとしてはやはり「ず」を切れ字とみなした方がよいと考えました。秋の勉強会の基本資料でも「ず」を切れ字としています。「や」のように芭蕉が好んで使っていた切れ字ではないようですね。「ず」は打消しの助動詞なので変化しますが終止形として「あらず」と中七で意味を切っています。そこで切れ字と考えました。芭蕉の時代のことで解りづらいのですが、やはり「ず」は切れ字と成るでしょう。

(令和五年四月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

春の戦は六点句が制しました。チューリップや薔薇が咲き誇ってとても心地よい初夏です。コロナも2類から5類となり、人々の動きも前向きになりつつあります。

いざ 夏の戦の選句と投句です。投句と選句をセットにして参加下さい。そして、選評もお忘れなくお願いします。

(令和五年五月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会3月結果発表~

 

<大賞>

 

38 大倉 宏美 あと一行読もう蛙の目借時

 

2点句>

 

1  橋詰 博 駆け抜けた十五の恋の桜貝

2  南出 千賀子 天狗来い春も来い来い高尾山

10 奥平 雅子 春落ち葉昼のランプの洋食屋

18 奥平 雅子 銀座三越ライオン像脱マスク

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2024年11月のネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

1行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

2ドア開く電車に落葉滑り込む

3手の平に子の乗せくるる落葉かな

4振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ

5女学院に続く坂道落葉舞ふ

6側溝の流れ堰き止む杉落葉

7幼子と落葉踏みゆく称名寺

8庭の木も身を守るかに落葉する

9四方からの落葉舞いくる集会所

10また今日も空を離れて落葉くる

11虫喰いの穴みな持ちて落葉つむ

12数え日のぴたぴた走るインコかな

13いつも来る藤棚に来て初雀

14とりどりの落葉踏みゆく豊かさよ

15柔らかきところにふるる落葉かな

16縁側の母の背まろし落葉焚

17観る人も掻く人もいて落葉時

18落葉して心細げな大樹かな

19落葉時帚一本あれば良し

20落葉して遠山に見る家一軒

21懐かない猫の餌付けや初雀

22舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る

23三日経ち落葉を纏い猫もどる

24数え日や手を擦り合わせ屋台蕎麦

25数え日や月のない夜に月見蕎麦

26落葉掃くあとからきりもなき落葉

27キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな 

28ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな

29艶めきて色をまだらに柿落葉

30ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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冬の戦の兼題(11月から1月を通して毎月詠んでください。)
【落葉】【数え日】【初雀】

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【冬の戦11・12・1月】
★12月におすすめの兼題(11月末日〆切。)
【数え日】
今年も指で数えられるほどの残り少ない日をいう。

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

    むさしのの空真青なる落葉かな 水原秋櫻子

    数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ 富安風生

    お手玉のごとくに遊ぶ初雀 下村梅子 

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令和6年11月号10月の結果(秋の戦最終ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~

遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る 

悠揚と国境の河旅鳥超ゆ

この場所を群れが知ってる渡り鳥

高原を一羽遅れて鳥渡る

草に寝て空の青さや鰯雲

 

点盛りの結果

 

五点句

こけそうでこけぬ幼子赤のまま          龍野ひろし

 

四点句

渡り鳥くの字がついに点となる          阿部文彦

あと一歩届かぬ白球いわし雲           瀧口 孝志

汽車降りて別の空あり鰯雲            阿部文彦

木曽川で分かつ県境うろこ雲           辻 雅宏

賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る           辻 雅宏

 

三点句

下町に匂ふコロッケ鰯雲             龍野ひろし

読みかけの頁のしるし鰯雲            上野貴子

山いくつ越えて来たるや渡り鳥          辻 雅宏

 

二点句

海に浮く朱の回廊や鳥渡る           龍野ひろし

照紅葉つなぐ手細き老夫婦           青山好男

鰯雲涼風もさてつかの間か           船津 元

廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          神長 誉夫

すれ違う市電の軋み鰯雲            龍野ひろし

投網打つ漁師の影よ鰯雲            龍野ひろし

鰯雲語ることなく終戦忌            船津 元

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            阿部文彦

用足して鯖雲掬ふ手水鉢            辻 雅宏

鰯雲釣り人並ぶ防波堤             辻 雅宏

 

一点句

指先で空に追ひたる渡り鳥           龍野ひろし

銛の如ジェット貫く鰯雲            神長 誉夫

紅葉を映し堀水動かざる            青山好男

遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る          原田啓子

悠揚と国境の河旅鳥超ゆ            神長 誉夫

排他的水域なんの鳥渡る            辻 雅宏

この場所を群れが知ってる渡り鳥        上野貴子

高原を一羽遅れて鳥渡る            阿部文彦

草に寝て空の青さや鰯雲            阿部文彦

断食や明けて眩しき赤のまま          船津 元

幼き日の涙の透けて赤まんま          山本佐和子

赤まんま三つ編み解きし君遠く         神長誉夫

碧天の日本海越え鳥渡る            辻 雅宏

球場の開閉屋根や獺祭忌            水野幸子

泣きべその子の鼻先へ赤まんま         原田啓子

園児らの駆けゆく先の鰯雲           阿部文彦

鳥渡る同窓会の知らせあり           原田啓子

高層のビル群覆ふ鰯雲             辻 雅宏

鰯雲忙しく走る訪問看護            船津 元

夕陽色巨大な鰯雲のろく            上野貴子

ジャンパーに一秒の空鳥渡る          神長 誉夫

故郷の山を真下に鳥渡る            水野幸子

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  水野幸子

屋敷跡更地にひらく赤まんま          阿部文彦

このままが一番幸せ赤のまま          原田啓子

行く先は風にまかせて赤のまま         龍野ひろし

嫁ぎしと風の便りや赤まんま          神長 誉夫

畦道を郵便バイク赤のまま           龍野ひろし

鰯雲空に漂う点描画              阿部文彦

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

こけそうでこけぬ幼子赤のまま・・・五点

この句が逃げ切りました。丘の上の草原が目に浮かびます。
親子で遊んでいるのでしょう。子供は危なっかしくよく転びますね。
思わず笑ってしまうような微笑ましい句です。
(秋:8月~10月)

 

~~~今月の選評~~~

汽車降りて別の空あり鰯雲

「汽車」という言葉に、都会から遠く離れた静かな田舎を
思い浮かべます。降りたとたん「別の空あり」という
嬉しい発見があり、そこに鰯雲!というイメージが
鮮明で旅愁がそそられる句。

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

【落葉】【数え日】【初雀】

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

★オンライン句会
毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の歴史」今回は、正岡子規のあとに高浜虚子と対立するように河東碧梧桐が革新的な俳句で名を成してゆきます。

赤い椿白い椿と落ちにけり・・・碧梧桐

この句は碧梧桐の代表句ですが、春を呼んでいますが季重なりで字余りです。6,7、5で上五が一文字字余りです。そこが、この句を引き立てていて効果的だと言えます。
愛媛県松山市に松山藩士の五男として生まれた碧梧桐。父は正岡子規の漢学の師。高浜虚子とは中学時に同級であり、後に子規の門下生となるまで、行動をともにした仲の良い友人であったと言います。
子規没後、虚子は「ホトトギス」の経営を、碧梧桐は新聞「日本」の俳句欄を担当。やがて新傾向運動を展開し、季題趣味と定型を打ち破った自由なリズムによる俳句を推進してゆきます。そして、自由で新しい作風を追い求め自由律俳句を生み出してゆきます。現在でもその流れは、前衛的な作風や現代俳句の中に、根強く息ずいています。
(会報令和六年10月号より 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
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【ネット句会後記】
秋の戦は、五点句が脱け出し決着がつきました。四点句も五句揃い、接戦でした。
冬の戦が始まっています。三つの兼題のどれを詠んで頂いてもかまいません。
新規の参加者も大歓迎です。投句をたくさんお待ちしています。
でよかった句には感想も記載してくださるようお願いします。
(令和六年十一月 辻 雅宏)

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~LINE公式俳句大会10月結果発表~

<大賞>

37 田辺公子   どんぐりを拾う子らの目キラキラと

<2点句>

12 荒木かをり   星月夜誕生月の海の宿

25 奥平雅子   釣り人の長靴干して秋の浜

26 奥平雅子   透き通るグラスに注ぐ新ワイン

28 大西文子   吾子と焼く今日のお三時アップルパイ

30 大西文子   親に手を振り出遅れる運動会

36 田辺公子   友と行く甘味処の栗づくし

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

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