2023年10月ネット句会

今月の投句(秋の戦第3ステージ)

 

1身に入むや初手の碁石の響く部屋

2身に入むや灯りのつかぬ老舗宿

3身に入むや平家滅びし壇ノ浦

4サックスの身に入む音やジャズクラブ

5池の面に紅葉且つ散る古都の寺

6「身に入む」「紅葉且つ散る」

7雲間より落ちる風光しむ身なる

8地球誕生謎めく伝説身に沁みて

9桜紅葉枯れゆく前に紅をさし

10錦染め且つ散る山の紅葉谷

11受け取りて便り身に入む追って書き

12身に入むや玻璃戸を叩く風の音 

13恩師らの法話身に入む夕間暮

14バス降りて紅葉且つ散る里の山

15そよ風に紅葉且つ散る点描画

16紅葉かつ散る蓮池の華やげり

17リハビリの膝の曲がりや身に沁みる

18踏切の音に負けじと落とし水

19夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿

20病窓や仏舎利塔へ秋夕焼け

21郷抱く星の静寂の身に入みて

22麗しき死は無く紅葉且つ散りて

23友去りぬ長き汽笛の身に入みて

24碧岩に紅葉且つ散る小歩危峡

25寄る辺なき星の蒼さの身に入みて

26紅葉かつ散るやほろほろ鳩の声

27紅葉かつ散りて水面の舟となり

28流れゆく月日の身に入む便りかな

29北国の暮るる速さや身に入みて

30雨音の身に入む今朝の目覚めかな

31フルートの音色身に入む演奏会

32警官の説諭身に入む違反かな  

33特攻の遺書に身に入む知覧かな

34登頂の紅葉かつ散る山路かな

35紅葉且つ散る石畳馬籠宿

36葉を金箔に変えて一閃稲光

37踏みしめる細き山道墓参り

38父の歳越えて悔悟の墓参り

39草の花名も無き花に名を付けん

40草の花笑み柔らかき野の仏

41トテ馬車の蹄の音や草の花

42二百十日時の階段飛び越えて

43草の花微笑み合ひし道祖神

44空白し二百十日の畑仕事

45故郷をのぞむ峠や草の花

46草の花ままごと遊び孫が笑む

47植木鉢我が物顔や草の花

48迷い来て道なき野辺の草の花

49廃線を行けば迎える草の花 

50石垣の隙間を埋めて草の花

51何もなく二百十日の夕餉かな

52貝ひとつ二百十日の忘れ潮

53通り雨路地を叩いて厄日過ぐ

54二百十日渦中に眠るみどり児よ

55刈るまいとするも刈りたり草の花

56松島や秋空をブルーインパルス

57複眼のバッタ墓石を飛び越えて

58草の花郷を離るる汽車に散り

59漁場遥か二百十日の波を越え

60去る朝にくしゅんと背なの草の花

61厄日明け薄く泥引く沈下橋

62二百十日待ち侘ぶ客の来ぬ日かな

63通り雨二百十日の庭先に 

64一匹の猫の鼻先草の花

65普段着で歩く楽しさ草の花

66草の花故郷のあの畦道に

67保母さんに吾子が差し出す草の花

68手術待ち二百十日も無事過ぎて

6910年目待ちに待ちたる酢橘のみ

70少し楽心の声の残暑かな

71フェリー航く二百十日の波しずか29

72おだやかな二百十日の句会かな

73牧に咲くその名知りたき草の花

74乳牛の食むをはばかる草の花

75可愛さに摘むをためらふ草の花

76富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     

77稲妻や天の重心傾けて        

78稲妻や竿を納むる太公望       

79モカの香や海に稲妻五本立つ     

80新宿の空を広げし稲光        

81稲妻や川の氾濫大写し        

82香煙の低く哀しき雨墓参       

83名瀑をさらに濡らして稲光      

84稲妻の眼裏に残る軌跡かな     

85ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    

86天空の闇を稲妻ほしいまま      

87ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     

88庭の花父母に手向ける墓参かな    

89また今度いつものセリフ墓参り    

90稲妻にルガーノの街一変す      

91墓参り掃除の下手な子でごめん    

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会発表はこちらから

https://bit.ly/3D8KBpp

 

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11月の兼題【冬日和】&【枯葉】(10月末日〆切

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【冬の戦11・12・1月】 

★11月の兼題(10末日〆切。

 【冬日和】

冬の晴れわたった穏やかな日和をいう。

傍題に、冬晴、冬晴るる。

 【枯葉】

霜が降り始めると木の葉、草の葉も枯れ始める。

傍題に、枯葉鳴る、枯葉飛ぶ、枯葉舞ふ。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 <先句に学ぶ>

 

   冬晴のとある駅より印度人

               飯田龍太

 

   一陣の風一陣の枯葉舞ふ

              大橋 晄 

 

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 令和5年10月号9月の結果(秋の戦第2ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

草の花名も無き花に名を付けん

貝ひとつ二百十日の忘れ潮

普段着で歩く楽しさ草の花

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

また今度いつものセリフ墓参り

 

七点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

 

五点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

四点句

草の花笑み柔らかき野の仏      龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

三点句

普段着で歩く楽しさ草の花      原田啓子

通り雨路地を叩いて厄日過ぐ     阿部文彦

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

 

二点句 

草の花微笑み合ひし道祖神      龍野ひろし

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

空白し二百十日の畑仕事       青山好男

故郷をのぞむ峠や草の花       青山好男

何もなく二百十日の夕餉かな     阿部文彦

漁場遥か二百十日の波を越え     神長 誉夫

葉を金箔に変えて一閃稲光      青山好男

踏みしめる細き山道墓参り      青山好男

父の歳越えて悔悟の墓参り      辻 雅宏

草の花名も無き花に名を付けん    龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

一匹の猫の鼻先草の花       原田啓子

おだやかな二百十日の句会かな   辻 雅宏

厄日明け薄く泥引く沈下橋     神長 誉夫

フェリー航く二百十日の波しずか  辻 雅宏

墓参り掃除の下手な子でごめん   神長 誉夫

トテ馬車の蹄の音や草の花     龍野ひろし

保母さんに吾子が差し出す草の花  小林 ひろ

 

四点句

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

三点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

 

二点句 

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ・・・7点

 

秋の戦は断トツでこの句が勝ち残っています。長い猛暑でご先祖様もさぞ暑かろうと思う気持ちが共感を呼んでいますね。やっと秋らしくなりましたが何となく油断禁物です。

この後の最終戦が楽しみです。

(秋:8月~10月)

  

~~~今月の選評~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ

 

富士山を眺めるお墓のシチュエーションが良い。水をかける行為が、

その2つを見事につないでいる。

 

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★11月の兼題(10月末日〆切

 

【冬日和】&【枯葉】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は山中の抄の句を見てみましょう。

 

今日よりや書付消さん笠の露・・・芭蕉

 

この句は芭蕉と同行して来た曽良が別れて、これから芭蕉が一人で旅を続けて行くに当たりその寂しさを詠んでいます。曽良は、内臓を病んでしまいここからは先に知人の元へ向かうことになりその別れを惜しんでいるのです。曽良は、一人で行倒れたとしてもそこは萩の花の咲く野原であって欲しい「行々てたふれ伏とも萩の原」という句を残し旅立ます。

芭蕉の句は、芭蕉が好んでいる切れ字「や」を使い、今日これからの旅の不安に詠嘆強調の効果を生み出しています。

「露」という季語がありながら、句の意味の中心を上五にするための見事な効果ですね。

芭蕉の時代ならではの古風な言葉の調べが美しい句です。

また、これまで同行して来た門弟の曽良との旅の別れを詠んでいるところから有名な句となっています。

「や」の多くは上五に使われていますが、やはり自然に時代をうつしている文語調の句ですね。

(令和五年10月号より 上野貴子)

  

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

  

【ネット句会後記】

 

秋の戦第2ステージで7点句が登場し、リードしています。勝ち抜き戦がこの句会の特色です。追い抜く句、新たに高得点の句が出るか最終ステージの結果が楽しみです。

投句と選句をセットにして参加下さるようお願いします。また、選評もお忘れなくお寄せください。

(令和五年十月 辻 雅宏)

  

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LINE公式俳句大会8月結果発表~

 

<大賞>

 

37 大西 文子 隣家まで伸びた朝顔すまし顔

 

2点句>

 

13 鈴木 恵美子 日が落ちて髪を結いあげ盆踊り

20 奥平雅子  幼子が手をのばしとる葡萄棚

29 橋詰 博   秋草の刈り込む匂い袖に染み

 

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

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2025年4月のネット句会

今月の投句(春の戦最終ステージ)

1花の宵起きれば腹で波の音

2いま少しこの世に未練や花いかだ

3古木なる桜の一樹廓跡

4振袖の運ぶ野点や初桜

5校門の桜迎へるランドセル

6千年を紡ぎ踏ん張る老桜

7墨田川下りつ愛づる桜かな

8英国に桜満開サンドイッチ

9この辺に友の家あり大桜

10幼子の手のぬくもりや夕桜

11おちこちの桜の話題夕餉かな

12リージェントパークに桜日本晴れ

13背に負うは鬼女かも知れぬ花の山

14大荒れの海の気象や鰊群来

15雛飾る還暦の子の手を借りて

16東風吹くやリハビリ終えて家路へと

17天ぷらに菜の花咲かせワイン酌む

18履物を脱いだままなり花疲れ

19校庭で訓辞長びく朝桜

20晩学の辞書の重たき夕桜

21陽と風と水の匂いに朝桜

22老桜や忘れたように幹に咲く

23桜の樹異邦の言葉らんまんと

24夜桜のトンネル抜けて夢の国

25みずうみに映る桜と彦根城

26山桜光あふれる湖西かな

27光満つ桜の海を愛車駆る

28咲き満ちて櫓を隠す桜かな

29ひらひらと光となりて桜散る

30ため息をつきて散りたる桜かな

31生きてきて人それぞれの桜かな

32五稜郭星のかたちに桜咲く

33花筏鳥の水浴び岸に除け

34鳥の影探して目黒川花見

35剪定のあとを隠して桜咲く

36目黒川下り海まで花街道

37花の道整えられて花盛り

38盆梅や京の干菓子のかたち良き

39燕きて被災地の空広がれり 

40長崎は坂また坂よ燕飛ぶ           

41黒幹に月日重ねし盆の梅           

42城壁に影を映して散る桜           

43盆梅の鉢の支える樹齢かな          

44盆梅のそれぞれにある矜持かな        

45メビウスの帯のごとくに燕飛ぶ        

46大仏の胸をかすめて初燕           

47味噌蔵の黒塀小路に梅の花          

48褒められて空咳二つ盆の梅          

49夫とゐて日がな眺むや家桜          

50朝市や盆梅並ぶ陣屋前            

51盆梅や京の町家の仄灯り           

52広き堂足音低し盆の梅            

53小次郎に秘剣授けし岩燕           

54遠山の白く輝き流氷来            

55燕来て隈取凛々しき役者顔          

56覗かれる場所に動かす鉢の梅         

57竣工の橋のお披露目燕来る          

58つばくろやシャツター街を一直線し      

59風を切り光きらりと飛燕かな         

60折り鶴が隣飾りし盆の梅           

61盆梅の鉢丸きあり四角あり          

62一輪の盆梅飾れば仏間なす          

63叔父叔母の日々の話題に燕かな        

64登校の子を見送るや盆の梅          

65盆梅や袴の少女弓を手に           

66知事賞にかがやく祖父の鉢の梅        

67燕くる雌はリフォーム雄見張り        

68盆栽の梅には梅の気骨あり          

69盆梅や父の逝きしは今ごろよ         

70盆梅の幹に年季の瘤りゆりゆう        

 

 

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夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)
【卯の花腐し】【子どもの日】【黴】

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【春の戦5・6・7月】
★5月におすすめの兼題(4月末日〆切。)
【卯の花腐し】
卯の花の咲く頃に降り続く雨で、春雨と梅雨との中間の雨。

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

谷川に卯の花腐しほとばしる    高浜虚子

背で浮いて貝割るラッコ子供の日  藤本正弘
    
黴の世や言葉もつとも黴びやすく  片山由美子

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令和7年4月号3月の結果(春の戦第2ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~
長崎は坂また坂よ燕飛ぶ
風を切り光きらりと飛燕かな
城壁に影を映して散る桜
メビウスの帯のごとくに燕飛ぶ
燕きて被災地の空広がれり

~~<上野貴子選5句>~~
味噌蔵の黒塀小路に梅の花
長崎は坂また坂よ燕飛ぶ 
燕きて被災地の空広がれり 
大仏の胸をかすめて初燕 
褒められて空咳二つ盆の梅 

点盛りの結果

五点句
盆梅や京の干菓子のかたち良き        龍野ひろし

四点句
燕きて被災地の空広がれり          阿部文彦

三点句
長崎は坂また坂よ燕飛ぶ           龍野ひろし
黒幹に月日重ねし盆の梅           青山好男
城壁に影を映して散る桜           青山好男
盆梅の鉢の支える樹齢かな          原田啓子
盆梅のそれぞれにある矜持かな        辻 雅宏

二点句
メビウスの帯のごとくに燕飛ぶ        阿部文彦
大仏の胸をかすめて初燕           阿部文彦
味噌蔵の黒塀小路に梅の花          青山好男
褒められて空咳二つ盆の梅          滝口孝志
夫とゐて日がな眺むや家桜          原田啓子
朝市や盆梅並ぶ陣屋前            辻 雅宏
盆梅や京の町家の仄灯り           龍野ひろし
広き堂足音低し盆の梅            青山好男

一点句
小次郎に秘剣授けし岩燕           辻 雅宏
遠山の白く輝き流氷来            水野幸子
燕来て隈取凛々しき役者顔          原田啓子
覗かれる場所に動かす鉢の梅         滝口孝志
竣工の橋のお披露目燕来る          辻 雅宏
つばくろやシャツター街を一直線し      阿部文彦
飛ぶ鳥のクヮウクヮウと冴え返る       水野幸子
風を切り光きらりと飛燕かな         龍野ひろし
折り鶴が隣飾りし盆の梅           青山好男
盆梅の鉢丸きあり四角あり          原田啓子
一輪の盆梅飾れば仏間なす          上野貴子
叔父叔母の日々の話題に燕かな        原田啓子
登校の子を見送るや盆の梅          原田啓子
盆梅や袴の少女弓を手に           龍野ひろし
知事賞にかがやく祖父の鉢の梅        辻 雅宏
燕くる雌はリフォーム雄見張り        水野幸子
盆栽の梅には梅の気骨あり          上野貴子
盆梅や父の逝きしは今ごろよ         水野幸子
盆梅の幹に年季の瘤りゆりゆう        辻 雅宏

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~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

盆梅や京の干菓子のかたち良き・・・・・五点句

お菓子の句が勝ち抜きました。上品な京の盆梅が見事に咲いている姿がお茶室か素敵な和室を思わせて素敵です。次回は春爛漫の頃となりますね。楽しみです。
(春:2月~4月)

~~~今月の選評~~~

夫とゐて日がな眺むや家桜

長年連れ添った夫婦の「あるある」。毎年眺めている桜を間に挟んで、無言の会話が繰り広げられている。桜とともに年老いていく、
これからの時間も感じさせてくれる。

 

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★5月の兼題(3月末日〆切)

【卯の花腐し】【子どもの日】【黴】

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

また、オンライン句会では毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
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【今月のワンポイントレッスン】

ここでは「俳句の展開」として「なんちゃって俳句」として、何句か上げて考えてみましょう。

コンクリートジャングル日陰に避難・・・貴子

「日陰」が夏の季語の句です。全体に17文字上五と中七が句またがりの句となります。
季語もあり、文字数も17文字ですが、なんちゃって俳句としました。避難したのは作者本人であるところから写生句ではありません。「コンクリートジャングル」という単語は一つの呼び名ですが、実在する都会の比喩的表現で、アマゾンのような風景の事では無いので従来の写生句が基本の俳句とは一味違う次世代俳句ですね。

これ以上も以下も無くかき氷食べる・・・貴子

これも「かき氷」が季語の夏の句です。氷が解けて形のない水になる前にカリカリ食べるのが暑い夏には最高ですね。冷たすぎて頭にツンと来たりしながら食べるのがまたたまらない不思議な食べ物です。氷と言う物体の科学的な分析からの句では無く、氷以上に冷たい物は無いし、それ以上に水が固まる物もそうないなぁと食べながら感じたのです。何だか面白いユーモアのある句ですね。
今回のように作者の想いが主体でまとめている句は、少しこれまでとは違うなんちゃって俳句になると考えています。
(会報令和七年四月号より 上野貴子)

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【ネット句会後記】
春の戦第二ステージは3点句以上が七句となり激戦の様相になりました。最終ステージの結果や如何に。遅まきながらやっと春らしい日を過ごせそうです。句会は夏の戦のスタートです。
得心の句をお待ちしています。投句される皆様 感想を添えて下さるようお願いします。
(令和七年四月 辻 雅宏)

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~LINE公式俳句大会3月結果発表~

<大賞>

21 さこたゆう 東風吹いて幸せ届く予感する

2点句>

2 蒲池由美子 雛壇の前でおすまし吾子の顔

6 橋詰 博 夢運ぶ引っ越し業車に流る東風

8 鈴木 恵美子 強東風やもつれ乱れしロングヘアー

14 南出 千賀子 ひるがえすカーテンの裾ひらり東風

18 田辺 公子 蔵前の空にミモザと桜映え

26 蒲池由美子 菜の花を積んで子供とピクニック

32 大西 文子 お出掛けは春の彩り取り入れて

35 荒木 かをり 姉妹美し(いし)四色に盛る雛あられ

36 田中むつみ 強東風につぽみの固さ気にかかり

 

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2022年8月ネット句会

今月の投句(秋の戦第1ステージ) 

1朝顔に日本の花か問うてみる

2蜩の音の届きたる夢の中

3朝顔や生まれる前の夢の色

4蜩や我の故郷はここにあり

5日の蔭り蜩止みてしんとなる

6どの人の手にも朝顔入谷駅

7紺したがへ白朝顔の凛と咲き

8夕去ればひぐらし鳴けり宮の森 

9蜩やバス来るまでのBGM

10ひぐらしやその日暮らしがまた終はり

11蜩や早き夕餉の山の宿

12蜩や遊び疲れし子の帰る

13蜩や共鳴したる森の神

14朝顔や町家二階の物干場

15朝顔や団十郎の中野もありて

16朝顔にレトロ喫茶のある小道

17朝顔がしぼむ惜しげもなく午後に

18じゃんけんで負け朝顔の水当番

19かなかなを聴きに行きたし海越えて

20蜩にふっと目をやる暦かな

21朝顔を覗いてる風の囁き

22朝空が藍より青く花朝顔

23朝風が起きろ起きろと牽牛花

24かなかなの追えば夕陽は山の雲

25蜩に見守られてる夕支度

26蜩やハッカの香る湯を借りて

27漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

28朝顔の濡れた産毛や夜は溶け

29蜩や手拭い解く豆剣士

30蜩やそろり海へと変わる風

31朝顔や藍一滴を拡げたり

32朝顔の見送り受けて郵便車

33起きて見る朝顔の蔓おびただし

34蜩や千年なきてなきたらず

35朝顔の紺の著けきたたみ皺

36ひとしきりカナカナのカでとぎれけり

37秋光や蝶は草刈る手をよけて

38秋高し嬰の手足のよく動く

39夕風に宍道湖の鰡とびにけり

40朝顔や儚きいのち惜しむかに

41朝顔に見送りされて無人駅

42夜明けなる古書をめくれば法師蝉

43蜩や鎮守の杜に鳴き暮るる

44蜩の声もつめ込むスマホかな

45蜩や姥捨て山の話聞き    

46朝顔や鎖骨にひとつある黒子  

47越境も楽し隣の牽牛花

48かなかなや指笛巧みに吹く少女

49かなかなや第三埠頭に巨き船

  

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9月の兼題【風の盆】&【】(8月31日〆切

 

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【秋の戦8・9・10月】

 

★9月の兼題(8月31日〆切。)

 

【風の盆】

富山県八尾町で九月一日から三日まで行われる盆の行事。

 

【露】

空気中の水蒸気が夜の間に冷えて水となり、草や木についたりする。夜間の冷え込みの強い秋に多い。

傍題に、白露、露の玉、朝露、夜露、露けし、露の世。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

 

  踊りの手ひらひら進み風の盆

              福田蓼汀

   金剛の露ひとつぶや石の上

                 川端茅舎

  

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 8月号7月の結果(夏の戦最終ステージ)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

ビール腹気にする夫と金魚かな

落つるたび生まれ新たな滝となる

寝顔秘す大小四つの夏帽子

民宿は蚊帳の匂ひ波の音

能登に泊つランプの宿の明易し

 

<点盛りの結果>(夏の戦最終ステージ)

 

五点句

長き名の薔薇に手書きの名札つけ       原田啓子

女王も悪魔もありて薔薇の園         井上悦男

寝顔秘す大小四つの夏帽子          神長誉夫

 

四点句

掬はれて金魚三匹電車乗る          辻 雅宏

追ひついて二つとなりし夏帽子        井上悦男

薔薇散れりひとひらごとの影もまた      神長 誉夫

 

三点句

蘭鋳の泳ぐ最上階の夜            井上悦男

神官の袴あをあを滝開き           辻 雅宏

一礼の鳥居の先は夏祭            能天気

もの言える国こそ良けれ薔薇の花       井上悦男

母の日や「写真の人」となりし母       青山好男

更衣へて一段飛ばしの歩道橋         原田啓子

夏帽の改札抜ける海の駅           辻 雅宏

夏帽子つばの先向く水平線          山本佐和子

 

二点句

どの名でも呼ぶと泡出す金魚かな       原田啓子

白扇のわづかに開き走り滝          水野幸子

遠足の子らの小さき背に瀑布         原田啓子

落つるたび生まれ新たな滝となる      山本佐和子

鎮座する猿に箕面の滝しぶき         原田啓子

草を抜く手にひらきけり夏の蝶        水野幸子

発車ベルホーム彩る夏帽子          阿部文彦

観光のパスが吐き出す夏帽子         阿部文彦

いつかまた蔓薔薇の家友の家         上野貴子

母の日の大輪の花束空におく         水野幸子

薔薇の香に途切れ途切れの読書かな      原田啓子

家中の窓開け放し衣更            阿部文彦

咲く家の主は知らず薔薇の道         上野貴子

マネキンの肌もあらはに更衣         辻 雅宏

能登に泊つランプの宿の明易し        辻 雅宏

捥ぎ立ての野菜抱えて麦藁帽         上野貴子

夏帽子いつか写真のあの町へ         上野貴子

 

一点句

舞う様に咲く様に歌う様に金魚        上野貴子

片陰にままごと遊びワンデイケー       能天気

荒滝に抗う岩のまろさかな          神長 誉夫

滝壺の青さ無音の大宇宙           上野貴子

ビール腹気にする夫と金魚かな        小川 泉

民宿は蚊帳の匂ひ波の音           能天気

大滝のてつぺんの空ゆがむかな        小川 泉

野湯浴みや何故に励むか滝の音        神長 誉夫

三日だけ誰か金魚を預かって         井上悦男

長椅子に飛沫楽しむ滝見茶屋         辻 雅宏

水換へに応へて金魚ひと泳ぎ         辻 雅宏

ガラス器の中が金魚の小宇宙         阿部文彦

寝つかれぬ旅の枕や明易し          辻 雅宏

短夜じゃ濡れた唇乾かない          神長 誉夫

街の色連れ帰りたりパナマ帽         青山好男

明けやすし住職の打つ寺の鐘         水野幸子

立ち止まる人話す人夏帽子          原田啓子

母の忌は母の好みし新茶汲む         伊藤はな

お握りの形いびつに豆の飯          伊藤はな

短夜や老爺ひとりで目刺し焼く        井上悦男

竿さしてパナマ帽行く運河かな        原田啓子

若返る色を纏ひし更衣            伊藤はな

夏帽に飛行機雲の白さかな          原田啓子

短夜や机上に積みしままの古書        阿部文彦

短夜や沖ゆく船の灯の遅速          井上悦男

短夜や北へ北へと貨車がゆく         阿部文彦

突堤に釣り糸垂らす麦藁帽          阿部文彦

オホーツクの鉄路に沿うやすかしゆり     水野幸子

薔薇散るや一寸法師の舟となり        原田啓子

衣更子のたのもしきふくらはぎ        井上悦男

薔薇の花朝日浴び立つ衛士かな        青山好男

薔薇の門くぐり主役の仕草せり        阿部文彦

ポケットの財布移して衣更          阿部文彦

更衣あれこれ訊かれ三面鏡          辻 雅宏

薔薇の香や入園券を買う列に         井上悦男

白薔薇や佳きひと眠るカセドラル       青山好男

 

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~LINE公式俳句大会7月結果発表~

 

<大賞>

6  さこたゆう  宿題はあさがおの観察と絵日記

 

2点句>

10 さこたゆう  ひぐらしと母が呼んでる「ごはんだよ」

33 橋詰 博   一斉に笑ふ向日葵村起こし

39 大倉 宏美  虫食いの青葉に思う命あり

54 鈴木 恵美子 朝顔や上へ上へと巻きたがる

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・夏の戦~~~

 長き名の薔薇に手書きの名札つけ・・・五点

女王も悪魔もありて薔薇の園・・・五点

 夏の戦は薔薇の句が逃げ切りました。女王も悪魔もアニメのような薔薇園に手書きの名札の句が勝ち残りました。長い猛暑が続きますが早くも暦の上では秋の戦ですね。

(夏:5月~7月) 

 

~~~今月の選評~~~ 

掬はれて金魚三匹電車乗る

 祭りの夜店で掬った金魚でしょうね、ビニールの袋を持って

うれしそうなお子様の姿も見えてとても楽しく

ほほえましい家族の姿もみえます。

 

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★9月の兼題(8月末日〆切)

 風の盆】と【

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

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 【今月のワンポイントレッスン】

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ8月の頃の名句を見てみましょう。

 

荒海や佐渡によこたふ天河・・・芭蕉

 

この句は天河の句で秋の句です。八月は旧暦では秋となり、現代の暦でも八月になるとすぐに立秋が過ぎやはり暦の上では秋となります。初秋の空には星が美しいとされていて天の川もよく見えます。この句は新潟から佐渡を眺めて詠んだものですね。「や」が使われています。日本海の海の厳しさを強調されているのです。海と空の対比が広大な宇宙観を感じさせて自然の美しさが際立ちます。

 

秋涼し手毎にむけや瓜茄子・・・芭蕉

 

この句は「秋涼し」から始まりますから勿論秋の句ですね。「涼し」だけでは夏の季語ですが「秋」を付けて「瓜」や「茄子」の野菜を詠んでいます。季語としては季感のズレが生じてあまり整ってはいない句です。夏の句の様にも感じますが、そこを「秋」として、初秋を詠んでいるのです。夏野菜が熟して剝きやすいのかも知れませんね。

この句は資料では金沢での句ですので、茄子の品種が水ナスで、瑞々しいので剥きやすいのかも知れません。

「や」が中七にあり、切れ字の使い方では難しいと言われています。「や」は上五中七下五のどこにでも使える便利な切れ字です。芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようで、ここでは珍しく中七に使っています。どこか無理に整えた感がありますが金沢での宴の作と読みとれますね。

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 夏の戦は薔薇の二句が五点句で並び終わりました。秋の戦が始まっています。第2ステージの兼題は、風の盆と露とさせていただきました。哀調漂う風の盆とどこか儚さを感じる露を詠んでください。残暑が続きそうです。夏バテしないで秋を迎えましょう。

(令和四年八月 辻 雅宏)

 

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2023年11月ネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

1子に頼むタイヤ交換冬日和

2突堤に釣り人並ぶ冬日和

3公園に子らの声する冬日和

4細枝にしがみついてる枯葉かな

5かさこそと乾く音して枯葉道

6冬晴るる妻にデートの申し込み

7白内障術後回復冬日和

8単音の孫のピアノや冬日向

9枯葉散るいいのだけれどそこに居て

10若き日の街夫と訪う冬日和

11白熊のような雲湧く冬日和

12一枚の枯葉の落ちてコトと鳴り

13枯葉舞う生の終焉輝けり

14靴裏の枯葉にそっと声をかけ

15冬晴れや吊るす魚の長き影

16ジャズ祭に赤黄のスウィング枯葉舞う

17冬晴れを大きく吸いてガラス吹く

18瀬に堕ちて尚海目指す枯葉かな

19張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く

20屋根開く球場綿虫の乱舞

21とりどりの枯葉漕ぎゆき懐かしき

22「おはよう」と玄関前の枯葉舞ふ

23滝糸を長く配して冬紅葉

24転車台くるりと廻り冬麗

25船溜まり客が降りくる冬日和

26玻璃越しに光射し込む冬日和

27バスを待つ人の会話や冬日和

28箒目を追いかけるごと降る枯葉

29ひらひらと枯葉舞い来る車椅子

30城門を出でて枯葉に時を読む

31枯葉積む廃線の跡日昇らむ

32妻去りぬ枯葉踏む音仰ぐ空

33冬日和バードウォッチ城の森

34冬日和人声絶えて空青し

35枯葉一片舞い込んで駐輪所

36下り線席が空いてる冬日和

37枯落葉踏めば乾いた音がする

38月白く乾い昼の冬日和

39陽に染まる山は灼けつく枯葉色

40犬の名を呼べば枯葉の音連れて

41鼻広げ河馬浮き上がる冬日和

42冬日和床屋の鋏軽やかに

43冬日和子猫に譲る一等地

44冬日和富士捉えたるファインダー

 

 

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12月の兼題【行く年】&【息白し】(11月末日〆切)

 

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【冬の戦11・12・1月】

 

★12月の兼題(11末日〆切。)

 

【行く年】

年の暮もかなりつまってきてからの流れるような慌ただしさをいう。

傍題に、年逝く、年流る、年送るの晴れわたった穏やかな日和をいう。

傍題に、冬晴、冬晴るる。

 

【息白し】

空気が冷たく、気温が低くなると、吐く息が白く見える。

傍題に、白息。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   ゆく年のゆくさきのあるごとくゆく

                  鷹羽狩行

 

   白息を掌にかけて今日はじまりぬ

                石田波郷 

 

 

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令和5年11月号10月の結果(秋の戦最終ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

そよ風に紅葉且つ散る点描画

夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿

葉を金箔に変えて一閃稲光

貝ひとつ二百十日の忘れ潮

可愛さに摘むをためらふ草の花

 

 

七点句

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ     龍野ひろし

草の花笑み柔らかき野の仏      龍野ひろし

 

 

六点句

稲妻や天の重心傾けて        龍野ひろし

稲妻や竿を納むる太公望       辻 雅宏

 

四点句

夕暮れを縫うてゆくなり雁の竿    水野幸子

通り雨路地を叩いて厄日過ぐ     阿部文彦

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

 

三点句

貝ひとつ二百十日の忘れ潮      阿部文彦

草の花名も無き花に名を付けん    龍野ひろし

草の花微笑み合ひし道祖神      龍野ひろし

普段着で歩く楽しさ草の花      原田啓子

モカの香や海に稲妻五本立つ     神長 誉夫

ぬばたまの闇を斬り裂く稲の殿    辻 雅宏

 

二点句 

身に入むや玻璃戸を叩く風の音    阿部文彦

紅葉且つ散る石畳馬籠宿       辻 雅宏

葉を金箔に変えて一閃稲光      青山好男

厄日明け薄く泥引く沈下橋      神長 誉夫

墓参り掃除の下手な子でごめん    神長 誉夫

保母さんに吾子が差し出す草の花   小林 ひろ

石垣の隙間を埋めて草の花      阿部文彦

通り雨二百十日の庭先に       原田啓子

新宿の空を広げし稲光        龍野ひろし

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

天空の闇を稲妻ほしいまま      辻 雅宏

 

一点句

受け取りて便り身に入む追って書き  阿部文彦

碧岩に紅葉且つ散る小歩危峡     神長 誉夫

そよ風に紅葉且つ散る点描画     阿部文彦

紅葉かつ散るやほろほろ鳩の声    原田啓子

可愛さに摘むをためらふ草の花    辻 雅宏

友去りぬ長き汽笛の身に入みて    神長 誉夫

流れゆく月日の身に入む便りかな   原田啓子

サックスの身に入む音やジャズクラブ 龍野ひろし

池の面に紅葉且つ散る古都の寺    龍野ひろし

廃線を行けば迎える草の花      阿部文彦

空白し二百十日の畑仕事       青山好男

故郷をのぞむ峠や草の花       青山好男

何もなく二百十日の夕餉かな     阿部文彦

漁場遥か二百十日の波を越え     神長 誉夫

踏みしめる細き山道墓参り      青山好男

父の歳越えて悔悟の墓参り      辻 雅宏

また今度いつものセリフ墓参り    青山好男

稲妻や川の氾濫大写し        水野幸子

香煙の低く哀しき雨墓参       原田啓子

名瀑をさらに濡らして稲光      青山好男

稲妻の眼裏に残る軌跡かな      龍野ひろし

ゴルフ場目の端に入れ墓洗ふ     水野幸子

庭の花父母に手向ける墓参かな    原田啓子

稲妻にルガーノの街一変す      原田啓子

一匹の猫の鼻先草の花       原田啓子

おだやかな二百十日の句会かな   辻 雅宏

フェリー航く二百十日の波しずか  辻 雅宏

トテ馬車の蹄の音や草の花     龍野ひろし

 

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

富士眺め水たつぷりと墓洗ふ・・・7点

草の花笑み柔らかき野の仏・・・7

 

秋の最終戦では勝残り句が同点句となりました。7点の高得点です。何と今年は11月でもまだ夏日でなかなか選句も難しいです。

この後はもう冬なんですね。どうなるのでしょうか。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

サックスの身に入む音やジャズクラブ

 

ジャズクラブに身を置き、サックスに酔いしれる秋の夜長のひとときを切り取られています。

 

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

 

【行く年】&【息白し】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当ててきました。今回は天龍寺・永平寺の抄の句を見てみましょう。

 

物書て扇引さく余波哉・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が蕉門の金沢の北枝との別れを詠んだ句です。不用の扇に物を書いて破り捨てようとするが、さすがに名残惜しくて出来かねることだ。あなたとの別れも同じことです。という解釈の句です。この句には切れ字「哉」が使われていますね。

芭蕉は「かな」は「奥の細道」の中では八句に使われています。最後のこれでこの句は終わりですという切れに使われている場合が多い切れ字ですから、この句の使い方も効果的です。文語文法の文章では、やはり切れ字の使い方と同じように、ここで文章が終わりますという意味に使い、終助詞と言われ、詠嘆の意味を表すとされています。ですから切れ字そのものですね。

芭蕉は「余波」と書いて「なごり」と読ませています。これは、波が去った後も残っている波。その影響。などと言う言葉の意味を鑑みて、名残という字ではなく「余波」を使っています。名残惜しくて寂しいという気持ちだけではなく、不用な扇のように捨て去ることは出来ないという弟子を思う気持ちを感じます。けれども旅をつづけなければならないという芭蕉の下五の切れ字「哉」で旅立ちの決断を感じます。

 

(令和五年十一月号より 上野貴子)

 

 

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【ネット句会後記】

 

秋の戦は、かつてない同じ作者の7点句が2つ並んで終わりました。

高得点句が多く並んだたことも特色でした。11月からは冬の戦がスタートです。

兼題「冬日和」「枯葉」に多くの投句をいただきました。12月の兼題もよろしくお願いします。投句と選句をセットにして参加いただき、選評もお忘れなくお寄せください。

(令和五年十一月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会9月結果発表~

 

<大賞>

 

19 さこたゆう 道端の無花果熟し陽の匂ひ

 

2点句>

 

30 鈴木 恵美子 身に入むや湖上にふれる風の音

50 大西 文子 梨かじる口に溢るる水のおと

37 大西 文子 隣家まで伸びた朝顔すまし顔

 

 

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2025年5月のネット句会

今月の投句(夏の戦第1ステージ)

1吾がしとの勢ひ遥かな五月空   

2助けての命すくはぬ蛇苺

3甚平着て堅固と顔に書いてみる

4虎造の啖呵聞こゆる新茶かな

5子供の日女の子もいる遊園地

6紫陽花の夜半に空耳中西龍

7堅物が今日は微笑む紅つつじ

8幼子がつつじの中で見る夢は

9近江路や光る山並み光る湖

10こどもの日ラジオいじる手皺深し

11鯉幟星のお話子守唄

12こどもの日戻る所無し雲の群れ

13友来訪卯の花腐しの合間みて

14パンケーキ香る卯の花腐し佳し

15子らが来て卯の花腐す日々は過ぎ

16卯の花腐し恐竜展に子ら集い

17菖蒲湯の剣の強さ時を越え

18鳥二羽来卯の花腐し止む池に

19ひ孫誕生空を飛び出せ鯉のぼり

20黴くさき部屋を全開風といる

21リハビリや卯の花腐しのせいにして

22武者人形のやうなひ孫の生まれけり

23柏餅漉し餡つぶ餡どっち好き

24ひ孫生まれ足をきゅーんと子供の日

25卯の花腐し寺の白砂の痛きほど

26卯の花腐し窓辺に座り針仕事

27ママの手を引いておねだり子供の日

28一心に祈る卯の花腐しかな

29卯の花腐しゴッホの色に触れたくて

30卯の花腐しもう故郷に家も無く

31花を手に卯の花腐しの男坂

32一日は卯の花腐しの旅路なり

33羊羹を五つに切りて子供の日

34外遊びする子の居ない子供の日

35受け継いだ父の歳時記黴くさし

36厨より潮吹く浅蜊ひとり言

37尾立てて横切る猫や春障子

38丸刈りの選手宣誓風光る

39次々と膨らみうねる春の潮

40群て来て群で飛び去る寒雀

41目刺買ふふるさとのの海懐かし

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)
【卯の花腐し】【子どもの日】【黴】

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/ 

【夏の戦5・6・7月】
★6月におすすめの兼題(5月末日〆切。)
【子どもの日】
五月五日の端午の節句を子供の日と制定。

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

    谷川に卯の花腐しほとばしる    高浜虚子

    背で浮いて貝割るラッコ子供の日  藤本正弘
    
    黴の世や言葉もつとも黴びやすく  片山由美子

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

令和7年5月号4月の結果(春の戦第3ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~
長崎は坂また坂よ燕飛ぶ
風を切り光きらりと飛燕かな
城壁に影を映して散る桜
メビウスの帯のごとくに燕飛ぶ
燕きて被災地の空広がれり

~~<上野貴子選5句>~~
長崎は坂また坂よ燕飛ぶ
味噌蔵の黒塀小路に梅の花
燕きて被災地の空広がれり
大仏の胸をかすめて初燕
褒められて空咳二つ盆の梅

点盛りの結果

五点句
長崎は坂また坂よ燕飛ぶ           龍野ひろし
盆梅や京の干菓子のかたち良き        龍野ひろし

四点句
燕きて被災地の空広がれり          阿部文彦

三点句
黒幹に月日重ねし盆の梅           青山好男
城壁に影を映して散る桜           青山好男
盆梅の鉢の支える樹齢かな          原田啓子
盆梅のそれぞれにある矜持かな        辻 雅宏
味噌蔵の黒塀小路に梅の花          青山好男
メビウスの帯のごとくに燕飛ぶ        阿部文彦
大仏の胸をかすめて初燕           阿部文彦
盆梅や京の町家の仄灯り           龍野ひろし

二点句
褒められて空咳二つ盆の梅          滝口孝志
夫とゐて日がな眺むや家桜          原田啓子
朝市や盆梅並ぶ陣屋前            辻 雅宏
広き堂足音低し盆の梅            青山好男

一点句
古木なる桜の一樹廓跡            辻 雅宏
振袖の運ぶ野点や初桜            辻 雅宏     
この辺に友の家あり大桜           原田 啓子       
英国に桜満開サンドイッチ          原田 啓子  
陽と風と水の匂いに朝桜           阿部 文彦    
いま少しこの世に未練や花筏         瀧口 孝志    
背に負うは鬼女かも知れぬ花の山       水野 幸子    
雛飾る還暦の子の手を借りて         水野 幸子        
校庭で訓辞長びく朝桜            阿部 文彦     
小次郎に秘剣授けし岩燕           辻 雅宏
遠山の白く輝き流氷来            水野幸子
燕来て隈取凛々しき役者顔          原田啓子
覗かれる場所に動かす鉢の梅         滝口孝志
竣工の橋のお披露目燕来る          辻 雅宏
つばくろやシャツター街を一直線し      阿部文彦
飛ぶ鳥のクヮウクヮウと冴え返る       水野幸子
風を切り光きらりと飛燕かな         龍野ひろし
折り鶴が隣飾りし盆の梅           青山好男
盆梅の鉢丸きあり四角あり          原田啓子
一輪の盆梅飾れば仏間なす          上野貴子
叔父叔母の日々の話題に燕かな        原田啓子
登校の子を見送るや盆の梅          原田啓子
盆梅や袴の少女弓を手に           龍野ひろし
知事賞にかがやく祖父の鉢の梅        辻 雅宏
燕くる雌はリフォーム雄見張り        水野幸子
盆栽の梅には梅の気骨あり          上野貴子
盆梅や父の逝きしは今ごろよ         水野幸子
盆梅の幹に年季の瘤りゆりゆう        辻 雅宏

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

      ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

長崎は坂また坂よ燕飛ぶ・・・・・五点句
盆梅や京の干菓子のかたち良き・・・五点句

今回は何と同じ作者の句が最高得点で2句も勝ち取りました!
これは初めてではないでしょうか?次回は早くも夏になります。
猛暑の備えを忘れずに作句を楽しんで下しね。
(夏:5月~7月)

~~~今月の選評~~~

夫とゐて日がな眺むや家桜

長年連れ添った夫婦の「あるある」。毎年眺めている桜を間に挟んで、無言の会話が繰り広げられている。桜とともに年老いていく、
これからの時間も感じさせてくれる。

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★5月の兼題(3月末日〆切)

【卯の花腐し】【子どもの日】【黴】

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

また、オンライン句会では毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
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【今月のワンポイントレッスン】
お休み
ここでは「俳句の展開」として「なんちゃって俳句」として、何句か上げて考えてみましょう。

コンクリートジャングル日陰に避難・・・貴子

「日陰」が夏の季語の句です。全体に17文字上五と中七が句またがりの句となります。
季語もあり、文字数も17文字ですが、なんちゃって俳句としました。避難したのは作者本人であるところから写生句ではありません。「コンクリートジャングル」という単語は一つの呼び名ですが、実在する都会の比喩的表現で、アマゾンのような風景の事では無いので従来の写生句が基本の俳句とは一味違う次世代俳句ですね。

これ以上も以下も無くかき氷食べる・・・貴子

これも「かき氷」が季語の夏の句です。氷が解けて形のない水になる前にカリカリ食べるのが暑い夏には最高ですね。冷たすぎて頭にツンと来たりしながら食べるのがまたたまらない不思議な食べ物です。氷と言う物体の科学的な分析からの句では無く、氷以上に冷たい物は無いし、それ以上に水が固まる物もそうないなぁと食べながら感じたのです。何だか面白いユーモアのある句ですね。
今回のように作者の想いが主体でまとめている句は、少しこれまでとは違うなんちゃって俳句になると考えています。
(会報令和七年四月号より 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら 
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【ネット句会後記】
お休み
春の戦第二ステージは3点句以上が七句となり激戦の様相になりました。最終ステージの結果や如何に。遅まきながらやっと春らしい日を過ごせそうです。句会は夏の戦のスタートです。
得心の句をお待ちしています。投句される皆様 感想を添えて下さるようお願いします。
(令和七年四月 辻 雅宏)

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~LINE公式俳句大会4月結果発表~

<大賞>

34 田辺 公子 復興も平和も託し流し雛

<2点句>

6  奥平 雅子 幼子の手のひらに降る春の雪

12 橋詰 博 山笑う見知らぬ町の途中下車

18 田辺 公子 眠りから覚め車窓より山笑う

23 小川 修司 黄昏の菜の花明かり水明かり

35 南出 千賀子 おむすびが笑顔をつくる山笑う

38 大西 文子 女子旅はゆるり寄り道山笑う

41 大西 文子 姉と行く銀座通りで桜餅

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2022年度8・19俳句記念日大会各賞発表!

【2022年度8・19俳句記念日大会各賞発表!】

8月19日の俳句記念日イベント会場にて2022年度の8・19俳句記念日大賞が決定いたしました。

<各賞発表>

特別審査員水越浩幸大賞

 エントリーNo 802 お名前 阿部文彦  様

         俳句「一つ散りひとつ膨らむ夏椿」

特別審査員阿多星花大賞

エントリーNo 274 お名前 内牧京子  様

俳句「啓蟄やもういいかいと鳩時計」

特別審査員飯村明良大賞

エントリーNo 1  お名前 岡田友美佳  様

        俳句「五七五指を折りつつ生ビール」

特別審査員折田安紀大賞

エントリーNo 307 お名前 井上悦男  様

         俳句「紅つばき模したるみやび京和菓子」

特別審査員今野龍二大賞

エントリーNo 438  お名前 石田 香  様

         俳句「どんな子が好きと聞かれて春キャベツ」

俳句記念日大会大賞

エントリーNo 402  お名前 見目千絵  様

        俳句「青蛙逆さまのこと言う大人」

~いよいよ今回の最高峰の賞にまいります。~

8・19俳句記念日大賞

エントリーNo 1075  お名前 宮 沢子  様

         俳句「梅一輪こんな日だったプロポーズ」

<おしゃべりHAIKUの会新人賞>

今回初めての参加でありながら何句もべスト10入りされ新たな息吹を吹き込んで下さいました。

エントリーNo  566  「乱れ舞う寿命短し姫蛍」      お名前 鈴木恵美子

       855 「夏の夜ジャズのビートにはしご酒」

<俳句記念日功労賞>

エントリーNo 464「旧友と酌み交わす夜の明け早し」 お名前 南出千賀子

以上が2022年度の俳句記念日各賞受賞作品&作者の発表でした。これからも俳句記念日をきっかけに俳句に楽しく親しんで下さい。来年度のご応募もすでに開始されています。どしどしご応募下さい。

 

2023年12月のネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

 

1行く年や奥歯の二本抜けたまま

2訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

3身の丈を刻む柱や年送る

4舌先にキャラメル丸め息白し

5白息や白さを競う父子かな

6行く年の想いは果てしなく遠く

7後悔を胸中に秘め年歩む

8息白く明日はどこから風が吹く

9止まらない時は宇宙へ年果てる

10魂を再び覚ます年極み

11行く年や竹馬の友を天に召し

12断捨離の捨と離を残し年逝けり

13改札を行き交ふ人の息白し

14おでかけのメイクの猫の息白し

15駈け抜けて鼻息白し競走馬

16行く年のビル窓拭きの命綱

17行く年や十字に括る新聞紙

18行く年の駅に途切れぬ電子音

19行く年の大さん橋に巨船の灯

20息白し山門出づる僧の列

21行く年を肴に並ぶ赤ら顔

22行く年を帰省バスにて詠む一句

23雨、雪にかわり音なく年行けり

24行く年を炬燵で妻と見送れり

25行く年の淋しき街を孫と行く

26行く年や残り少なき我が齢

27大股に試歩の?幅や息白し

28鹿の骸掘り上げ熊の目の悲し

29ぽかぽかな陽気勤労感謝の日

30羽拡げ白息吐きて愛叫ぶ

31Goal見え湧く白息を振り払ふ

32年流れ邪念渦巻く盆の窪

33白息に包まる君のさようなら

34夜空へと発つトナカイの息白し

35犬の名を呼べば枯葉の音連れて 

36箒目を追いかけるごと降る枯葉 

37突堤に釣り人並ぶ冬日和        

38転車台くるりと廻り冬麗        

39玻璃越しに光射し込む冬日和      

40子に頼むタイヤ交換冬日和       

41バスを待つ人の会話や冬日和      

42冬日和子猫に譲る一等地        

43鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      

44船溜まり客が降りくる冬日和      

45枯葉一片舞い込んで駐輪所       

46張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  

47城門を出でて枯葉に時を読む      

48細枝にしがみついてる枯葉かな     

49下り線席が空いてる冬日和       

50冬日和床屋の鋏軽やかに        

51冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    

52単音の孫のピアノや冬日向       

53滝糸を長く配して冬紅葉        

54枯葉積む廃線の跡日昇らむ       

55若き日の街夫と訪う冬日和       

56冬日和富士捉えたるファインダー  

57靴裏の枯葉にそっと声をかけ 

  

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

1月の兼題【初鏡】&【三寒四温】(12月末日〆切)

 

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【冬の戦11・12・1月】

 

★1月の兼題(12末日〆切。)

 

【初鏡】

新年になって初めて鏡台に向かって化粧すること。

傍題に、初化粧。

 

【三寒四温】

冬に三日寒い日が続いたあと、四日暖かい日があるという寒暖の変化に周期があるということ。

傍題に、三寒、四温、四温日和、四温晴。

 

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

    初鏡娘のあとに妻坐る

              日野草城

    三寒の寒のつづきて四温なし

               桂信子

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和5年12月号11月の結果(冬の戦第1ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

冬晴れや吊るす魚の長き影

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く

靴裏の枯葉にそっと声をかけ

冬日和床屋の鋏軽やかに

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く

~~<辻 雅宏選5句>~~

犬の名を呼べば枯葉の音連れて

若き日の街夫と訪う冬日和

玻璃越しに光射し込む冬日和

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和

冬日和富士捉えたるファインダー

  

11月の点盛りの結果

 

四点句

犬の名を呼べば枯葉の音連れて     龍野 ひろし

 

三点句

箒目を追いかけるごと降る枯葉     阿部 文彦

 

二点句 

突堤に釣り人並ぶ冬日和        辻 雅宏

転車台くるりと廻り冬麗        水野 幸子

玻璃越しに光射し込む冬日和      阿部 文彦

子に頼むタイヤ交換冬日和       辻 雅宏

バスを待つ人の会話や冬日和      阿部 文彦

冬日和子猫に譲る一等地        龍野 ひろし

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      龍野 ひろし

 

一点句

船溜まり客が降りくる冬日和      阿部 文彦

枯葉一片舞い込んで駐輪所       上野貴子

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  神長 誉夫

城門を出でて枯葉に時を読む      青山 好男

細枝にしがみついてる枯葉かな     辻 雅宏

下り線席が空いてる冬日和       上野貴子

冬日和床屋の鋏軽やかに        龍野 ひろし

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    神長 誉夫

単音の孫のピアノや冬日向       小林 ひろ

滝糸を長く配して冬紅葉        水野 幸子

枯葉積む廃線の跡日昇らむ       青山 好男

若き日の街夫と訪う冬日和       原田 啓子

冬日和富士捉えたるファインダー    龍野 ひろし

靴裏の枯葉にそっと声をかけ      原田啓子

  

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 犬の名を呼べば枯葉の音連れて・・・4点

冬の戦が始まりました。今年はコロナ禍が明けて久しぶりの年末年始ですが、

どうなることやら楽しみです。

(冬:11月~1月)

 

 

~~~今月の選評~~~

箒目を追いかけるごと降る枯葉

確かにそうですね。私の庭でも今、藤や紅葉の落ち葉が絶え間なく落ちていて、

箒目を「追いかけるごと」というところに共感しました。

 

 

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★1月の兼題(12月末日〆切)

 

【初鏡】&【三寒四温】

他に、当季雑詠自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は敦賀の抄の句を見てみましょう。

 

名月や北国日和定なき・・・芭蕉

 

この句は、日本海の美しさと天候の不安定なことを詠んでいますね。中七の部分は「ほっこくびより」と読みます。北陸のお天気のことです。

昨夜の月は美しかったけれども、十五夜の今日には雨が降ってしまった。北陸の空模様は変わり易く解りづらいものだ。芭蕉はこのように俳句にしています。  

芭蕉が好きな「や」が上五にあり、「名月」という季語に付けています。一番多く効果的と云われる切れ字の使い方です。名月を詠みながら雨月を思わせるところが芭蕉ならではですね。

敦賀は歌枕の地として知られていて、月見の景勝地とされていました。この句からは、この日は雨月のようですが「奥の細道」のこの抄は、多くの歌枕や名所が連ねられています。

気比神社にまつわる謂れや仲秋の名月を楽しみに芭蕉はこの地を訪れたのではないでしょうか。その期待に反して、残念ながら雨月となってしまい、この句を詠んでいます。

芭蕉は、この後は船で種の浜へ向かいます。江戸を出発してからこの頃は、もう四ヶ月半がたっています。陸奥の旅「奥の細道」も、そろそろ終わりに近づいて来ているようです。

(令和五年十二月号より 上野貴子)

 

 「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

冬の戦がスタートしました。いきなり四点句が出ました。残り2カ月の展開が楽しみです。今年も勝ち抜き戦の句会に投句と選句をありがとうございました。

来年春の戦からは少し装いをかえて皆様の投句をお待ちします。

参加戴きました皆様 どうぞよいお年をお迎えください。

(令和五年十二月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会10月結果発表~

 

<大賞>

 

1   橋詰 博 謎解きの枯葉挟んだこの頁

 

2点句>

 

18 鈴木 恵美子 新走りそよ吹く風の蔵の街

27 米重 初枝 喧嘩して仲直りして冬隣

34 大西 文子 鬼ごっこ逃げる児たちを追う枯葉

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2025年6月のネット句会

今月の投句(夏の戦第2ステージ)

1出不精も朝から遠出子どもの日

2遠出してマクドで済ます子どもの日

3子どもの日子ヤギに乳やる三歳児

4起されてレゴ組み立てる子どもの日

5子らはみな外国育ち子どもの日

6カムイザウルス歩けし大地風薫る

7青嵐苗植え替えて寒冷紗

8水に映る富士の揺らぎや花馬酔木

9生れし子の太もも立派子供の日

10薫風を走るピンクのヘルメット

11筆箱にアニメのシールこどもの日

12清正は肥後のヒーローこどもの日

13子供の日チーズとろけるピザの耳

14浜つ子の仮装行列こどもの日

15こどもの日擦切れし我が野球帽

16図書券を紙に包みて子供の日

17公園に人の影無し子供の日

18父と子とけん玉競う子供の日

19子供の日祝いのひとつ肥後守

20職退きて鞄に浮かぶ黴の花

21堅物が今日は微笑む紅つつじ

22幼子がつつじの中で見る夢は

23近江路や光る山並み光る湖

24こどもの日戻る所無し雲の群れ

25石くれに水切り競ふ子どもの日

26けふだけは怒らずゐやう子どもの日

27ファミレスで「まちがい探し」子どもの日

28あらためて親を自覚の子どもの日

29己がころ孫に聞かせる子どもの日

30受け継いだ父の歳時記黴くさし      

31ママの手を引いておねだり子供の日    

32羊羹を五つに切りて子供の日       

33菖蒲湯の剣の強さ時を越え        

34こどもの日ラジオいじる手皺深し     

35卯の花腐しもう故郷に家も無く      

36卯の花腐し恐竜展に子ら集い       

37甚平着て堅固と顔に書いてみる      

38一日は卯の花腐しの旅路なり       

39花を手に卯の花腐しの男坂        

40卯の花腐し寺の白砂の痛きほど      

41ひ孫生まれ足をきゅーんと子供の日    

42友来訪卯の花腐しの合間みて       

43鳥二羽来卯の花腐し止む池に       

44丸刈りの選手宣誓風光る         

45尾立てて横切る猫や春障子        

46群て来て群で飛び去る寒雀        

47厨より潮吹く浅蜊ひとり言        

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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夏の戦の兼題(5月から7月を通して毎月詠んでください。)

【卯の花腐し】【子どもの日】【黴】

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【夏の戦5・6・7月】

★7月におすすめの兼題(6月末日〆切。)

【黴】

梅雨期の湿気でいたる所に生ずる黴

傍題に、黴の香、黴の宿、青黴

 

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

    谷川に卯の花腐しほとばしる     高浜虚子

 

    背で浮いて貝割るラッコ子供の日  藤本正弘

    

    黴の世や言葉もつとも黴びやすく  片山由美子

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和7年6月号5月の結果(夏の戦第1ステージ)

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

友来訪卯の花腐しの合間みて

鳥二羽来卯の花腐し止む池に

ママの手を引いておねだり子供の日

受け継いだ父の歳時記黴くさし

 

点盛りの結果

 

三点句

受け継いだ父の歳時記黴くさし      阿部文彦

二点句

ママの手を引いておねだり子供の日    上野貴子

羊羹を五つに切りて子供の日       阿部文彦

菖蒲湯の剣の強さ時を越え        上野貴子

こどもの日ラジオいじる手皺深し     青山好男

卯の花腐しもう故郷に家も無く      龍野ひろし

一点句

卯の花腐し恐竜展に子ら集い       原田啓子

甚平着て堅固と顔に書いてみる      秋山正太

一日は卯の花腐しの旅路なり       阿部文彦

花を手に卯の花腐しの男坂        阿部文彦

卯の花腐し寺の白砂の痛きほど      龍野ひろし

ひ孫生まれ足をきゅーんと子供の日    水野幸子

友来訪卯の花腐しの合間みて       原田啓子

鳥二羽来卯の花腐し止む池に       原田啓子

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ 

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

受け継いだ父の歳時記黴くさし・・・・・三点句

 

夏の始まりに素敵な俳句ですね。お父様の顔が浮かぶような

優しい俳句が最高得点でした。厳しい猛暑が今年も来るかと思うとうんざりしますが涼し気でいい俳句からの始まりです。

(夏:5月~7月)

 

~~~今月の選評~~~

 

羊羹を五つに切りて子供の日

 

こどもの日の賑やかさ、また作句者のワクワクした嬉しさが伝わってきます。

羊羹もおいしそう!

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★夏・7月の兼題(6月末日〆切)

 

【卯の花腐し】【子どもの日】【黴】

 

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

また、オンライン句会では毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。

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~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【今月のワンポイントレッスン】

 

ここでは「俳句の展開」として「なんちゃって俳句」と称して、何句か上げて考えてみましょう。

 

寝転んで大の字になる花の屋根・・・貴子

 

「花」は桜で春の季語です。全体に17文字上五中七下五とリズムも整った有季定型の句ですが、例句に上げたのは、上五が口語で始まっています。印象が現代の話言葉のイメージですね。そこでなんちゃって俳句としました。お花見の満開の花の下に陣取って寝転んだ時の句です。

 

笑って楽しく泣いたって楽しく・・・貴子

 

この句はまさになんちゃって俳句です。季語も無くリズムも定型ではありません。かろうじて全体で17文字ということで俳句です。川柳のようなイロニーやユーモアが先行するのではない心の十七文字なので、なんちゃって俳句としました。

やはり、作者の想いが主体でまとめている句は、これまでとは違う次世代俳句とでも言いましょうか、なんちゃって俳句になると考えています。

(会報令和七年五月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

夏の戦第一ステージは突出した点句がなく接戦のスタートになりました。この句会は兼題または当季雑詠の勝ち抜き戦です。夏の季語で投句をおねがいします。
そして、選句には感想を添えて下さるようお願いします。

(令和七年六月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会5月結果発表~

 

<大賞>

 15        鈴木 恵美子  五月晴風入れ語る襖絵に

 2点句>

 2          蒲池由美子    鍾馗様仏間で睨み家守る

 5          蒲池由美子    五月晴れサヨリを釣りに千葉の海

 12        鈴木恵美子    五月晴ローカル電車夢うつつ

 16        鈴木恵美子    初鰹浮世の風に乗ったまま

 38        太田悦子        マンシションの狭間に見ゆる皐月富士

 34   田辺 公子 復興も平和も託し流し雛

 

 

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果の一部と連動してまいります。

 

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2022年9月ネット句会

今月の投句(秋の戦第2ステージ)

 

1風まつり縦横無尽の空尽きる

2三年を三日三晩で風の盆

3傘外す乙女の袖を風の盆

4露の世に朝は来るのかウクライナ

5踏み台の石は動かず草の露

6胡弓弾く手もひらひらと風の盆

7子ら帰りがらんと庭の露けしや

8一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆

9夕露の降りて哀しき犬の声

10笠も手も向き同じうに風の盆

11東京の彼とおちあふ風の盆

12手を返す指うつくしき風の盆

13恋ひとつ失ひ終はる風の盆

14露けしや敷かれしままの廃線路

15露の世に生まれ消えゆくこの身かな

16露纏う蜘蛛の巣朝陽絡めとり

17リング抜く指しなやかに風の盆

18再見と車窓の露に太く書き

19弓震ふ夜の深さや風の盆

20花の露集め君描く絵の具溶く

21朝練の道の木立に露光る

22山峡のひとりの宿り窓の露

23窓開ける入社試験の朝の露

24俳聖の歩きし道や露置ける

25かなたより来たり寄り添う露の玉

26山小屋を発つ朝露に靴濡らし

27指妖し女踊りや風の盆

28編笠に顔を隠して風の盆

29もの悲し胡弓の調べ風の盆

30朝露や山の空気の透きとほる

31昨日より深き瀬音や風の盆

32風の盆左右で違ふイヤリング

33風の盆佳境の闇に胡弓の音

34牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝

35宵越しのぞめきに酔へる風の盆

36月一の院内散歩草の露

37風の盆吾も昭和の生き証人

38病院の内庭夜露ふつくりと

39庭に日の出朝露となる露ひとつ

40風の盆霊にしたがひ列をなす

41どの人の手にも朝顔入谷駅          

42蜩や遊び疲れし子の帰る   

43朝顔や町家二階の物干場          

44ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     

45蜩やハッカの香る湯を借りて      

46秋高し嬰の手足のよく動く          

47蜩や手拭い解く豆剣士        

48朝顔や藍一滴を拡げたり    

49蜩や早き夕餉の山の宿      

50蜩の音の届きたる夢の中       

51蜩やそろり海へと変わる風     

52蜩や千年なきてなきたらず

53朝顔や儚きいのち惜しむかに

54夕去ればひぐらし鳴けり宮の森

55朝顔にレトロ喫茶のある小道

56漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

57朝顔や生まれる前の夢の色

58蜩の声もつめ込むスマホかな

59朝顔に見送りされて無人駅

60紺したがへ白朝顔の凛と咲き

61朝風が起きろ起きろと牽牛花

62朝顔の紺の著けきたたみ皺

63蜩や姥捨て山の話聞き

64蜩やバス来るまでのBGM

65朝顔の見送り受けて郵便車

66越境も楽し隣の牽牛花

67じゃんけんで負け朝顔の水当番

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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10月の兼題【秋晴】&【案山子】(9月30日〆切)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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【秋の戦8・9・10月】

 

★10月の兼題(9月30日〆切。)

 

【秋晴】

遠山まで見晴らすことができるほど、秋空の澄んで晴れ渡ることをいう。

傍題に秋日和。

 

【案山子】

竹藁などで人形をつくり、田畑の畔等に立てて鳥獣を脅すもの

傍題に捨案山子。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

  

  畳屋の肘が働く秋日和

             草間時彦

   案山子にも大志あるらん角帽子

                       三遊亭金遊

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

9月号8月の結果(秋の戦)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森

朝顔にレトロ喫茶のある小道

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて

秋高し嬰の手足のよく動く

 

 

<点盛りの結果>(秋の戦第1ステージ)

 

四点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

三点句

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

  

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LINE公式俳句大会7月結果発表~

 

<大賞>

 

6  さこたゆう  宿題はあさがおの観察と絵日記

 

2点句>

 

10 さこたゆう  ひぐらしと母が呼んでる「ごはんだよ」

33 橋詰 博   一斉に笑ふ向日葵村起こし

39 大倉 宏美  虫食いの青葉に思う命あり

54 鈴木 恵美子 朝顔や上へ上へと巻きたがる

 

 

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 ~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅・・・四点

 

朝顔市の風景ですね。朝早く買いに出かけたことを思い出します。

法被姿の女性もいて賑やかでした。まだまだ残暑が続きますが

早くも秋の戦の始まりです。

(秋:8月~10月)

 

 

~~~今月の選評~~~

 

秋高し嬰の手足のよく動く

 

秋の空という広々した空間から目を転じ、幼子の手足へと

視線の動きがある一句です。対比によって嬰児の持つ

可能性の大きさまで感じられます。

 

 

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★10月の兼題(9月末日〆切)

 

【秋晴】と【案山子】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  

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 【今月のワンポイントレッスン】

 「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉が詠んだ8月の頃の名句を見てみましょう。

 

荒海や佐渡によこたふ天河・・・芭蕉

 

この句は天河の句で秋の句です。八月は旧暦では秋となり、現代の暦でも八月になるとすぐに立秋が過ぎやはり暦の上では秋となります。初秋の空には星が美しいとされていて天の川もよく見えます。この句は新潟から佐渡を眺めて詠んだものですね。「や」が使われています。日本海の海の厳しさを強調されているのです。海と空の対比が広大な宇宙観を感じさせて自然の美しさが際立ちます。

 

秋涼し手毎にむけや瓜茄子・・・芭蕉

 

この句は「秋涼し」から始まりますから勿論秋の句ですね。「涼し」だけでは夏の季語ですが「秋」を付けて「瓜」や「茄子」の野菜を詠んでいます。季語としては季感のズレが生じてあまり整ってはいない句です。夏の句の様にも感じますが、そこを「秋」として、初秋を詠んでいるのです。夏野菜が熟して剝きやすいのかも知れませんね。

この句は資料では金沢での句ですので、茄子の品種が水ナスで、瑞々しいので剥きやすいのかも知れません。

「や」が中七にあり、切れ字の使い方では難しいと言われています。「や」は上五中七下五のどこにでも使える便利な切れ字です。芭蕉は切れ字としては「や」が一番好きなようで、ここでは珍しく中七に使っています。どこか無理に整えた感がありますが金沢での宴の作と読みとれますね。

(令和四年九月 上野貴子)

  

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【ネット句会後記】

 秋の戦第一ステージが終了しましたが。そして、九月は秋の第二ステージの選句と第3ステージの投句です。兼題は秋晴と案山子を用意させて戴きました。親しみやすく詠みやすいと思いますので多数のご参加をお待ちしています。
投句されましたら是非、選句もお願いします。

(令和四年九月 辻 雅宏)

 

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2024年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦第3ステージ)

 

1銀輪を連ね少年四温かな

2黒板にいたづら書や四温晴

3白神のぶなの鼓動や四温晴

4華やかな口紅選び初鏡

5初鏡娘めかして紅をひく

6初鏡眼鏡をはずし髪束ね

7首元の衿をどうする三寒四温

8口紅を薄ら引いて初鏡

9夕暮れてまさかのニュース四温晴れ

10ソックスの厚さフカフカ三寒四温

11一病越え老い深し初鏡

12畳目も鮮やかなりし初鏡

13初鏡着物の袖で拭いたり

14城門の門松の先とがりけり

15堀の水櫓静謐初日の出

16八十年生きた跡あり初鏡

17またひとつ年取りにけり初鏡

18この部屋の奥まで映し初鏡

19風止んで三浦三崎の四温晴

20軒下に猫のまどろむ四温かな

21初化粧合わせ鏡に千の笑み

22三寒に朝ヨガ挫け四温待つ

23この獣どこに放つや初鏡

24四温晴れ優駿最後のバーを跳ぶ

25初化粧鏡の迷路彷徨いて

26男にも初鏡てふ今朝の夫

27来客を待たせて座る初鏡

28曲がり角立ち話する四温かな

29石像も戸惑う三寒四温かな

30なんのかのと出かけずじまいの四温かな

31注連縄と日の丸の家希有となり

32上唇に紅引く舞妓初鏡

33三寒の今日の用足し四温待つ

34十七音つながる友ら初句会

35初夢や朝の陽あびてひらひらと

36あらためて老いを知らされ初鏡

37どことなく面差し母に初鏡

38特養の母にほどこす初化粧

39三寒に疼き四温に和む膝

40鋤肩に畑へ向かふ四温晴

41身の丈を刻む柱や年送る       

42後悔を胸中に秘め年歩む       

43改札を行き交ふ人の息白し     

44駈け抜けて鼻息白し競走馬      

45訪ひて行く年想ふ蕪村の碑      

46行く年を帰省バスにて詠む一句    

47雨、雪にかわり音なく年行けり    

48おでかけのメイクの猫の息白し   

49行く年の駅に途切れぬ電子音     

50断捨離の捨と離を残し年逝けり    

51行く年のビル窓拭きの命綱      

52止まらない時は宇宙へ年果てる    

53行く年の大さん橋に巨船の灯     

54船溜まり客が降りくる冬日和     

55行く年や奥歯の二本抜けたまま

56舌先にキャラメル丸め息白し

57白息や白さを競う父子かな

58行く年の想いは果てしなく遠く

59魂を再び覚ます年極み

60行く年や竹馬の友を天に召し

61行く年や十字に括る新聞紙

62息白し山門出づる僧の列

63行く年を肴に並ぶ赤ら顔

64行く年を炬燵で妻と見送れり

65行く年の淋しき街を孫と行く

66行く年や残り少なき我が齢

67大股に試歩の?幅や息白し

68鹿の骸掘り上げ熊の目の悲し

69ぽかぽかな陽気勤労感謝の日

70羽拡げ白息吐きて愛叫ぶ

71Goal見え湧く白息を振り払ふ

72年流れ邪念渦巻く盆の窪

73白息に包まる君のさようなら

74夜空へと発つトナカイの息白し

75犬の名を呼べば枯葉の音連れて 

76箒目を追いかけるごと降る枯葉 

77突堤に釣り人並ぶ冬日和        

78転車台くるりと廻り冬麗        

79玻璃越しに光射し込む冬日和      

80子に頼むタイヤ交換冬日和       

81バスを待つ人の会話や冬日和      

82冬日和子猫に譲る一等地        

83鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      

84枯葉一片舞い込んで駐輪所       

85張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  

86城門を出でて枯葉に時を読む      

87細枝にしがみついてる枯葉かな     

88下り線席が空いてる冬日和       

89冬日和床屋の鋏軽やかに        

90冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    

91単音の孫のピアノや冬日向       

92滝糸を長く配して冬紅葉        

93枯葉積む廃線の跡日昇らむ       

94若き日の街夫と訪う冬日和       

95冬日和富士捉えたるファインダー   

 

 

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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

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【春の戦2・3・4月】

★2月におすすめの兼題(1末日〆切。)

 

【梅】

春真っ先に咲く、香り、色、姿など古来より日本人に愛され親しまれている。

傍題に、野梅、白梅、紅梅、枝垂梅、飛梅、梅林、梅園など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   紅白に空を分かちて梅ひらく 高橋悦男

 

   モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ 日下野仁美

     

   なきがらの蜂に黄の縞黒の縞  橋本多佳子

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

令和6年1月号12月の結果(冬の戦第2ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

おでかけのメイクの猫の息白し

行く年を帰省バスにて詠む一句

雨、雪にかわり音なく年行けり

箒目を追いかけるごと降る枯葉 

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

息白し山門出づる僧の列

行く年や奥歯の二本抜けたまま

止まらない時は宇宙へ年果てる

行く年や十字に括る新聞紙

行く年の大さん橋に巨船の灯

 

点盛りの結果

 

七点句

犬の名を呼べば枯葉の音連れて     龍野 ひろし

 

四点句

行く年や奥歯の二本抜けたまま     原田啓子

箒目を追いかけるごと降る枯葉     阿部 文彦

 

三点句

突堤に釣り人並ぶ冬日和        辻 雅宏

転車台くるりと廻り冬麗        水野 幸子

 

二点句 

行く年や十字に括る新聞紙       龍野 ひろし

息白し山門出づる僧の列        龍野 ひろし

おでかけのメイクの猫の息白し     辻 雅宏

冬日和床屋の鋏軽やかに        龍野 ひろし

玻璃越しに光射し込む冬日和      阿部 文彦

子に頼むタイヤ交換冬日和       辻 雅宏

バスを待つ人の会話や冬日和      阿部 文彦

冬日和子猫に譲る一等地        龍野 ひろし

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      龍野 ひろし

 

一点句

身の丈を刻む柱や年送る       原田啓子

後悔を胸中に秘め年歩む       上野貴子

改札を行き交ふ人の息白し      辻 雅宏

駈け抜けて鼻息白し競走馬      辻 雅宏

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑      原田啓子

行く年を帰省バスにて詠む一句    青山好男

雨、雪にかわり音なく年行けり    青山好男

行く年の駅に途切れぬ電子音     龍野 ひろし

断捨離の捨と離を残し年逝けり    辻 雅宏

行く年のビル窓拭きの命綱      龍野ひろし

止まらない時は宇宙へ年果てる    上野貴子

行く年の大さん橋に巨船の灯     龍野 ひろし

船溜まり客が降りくる冬日和      阿部 文彦

枯葉一片舞い込んで駐輪所       上野貴子

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  神長 誉夫

城門を出でて枯葉に時を読む      青山 好男

細枝にしがみついてる枯葉かな     辻 雅宏

下り線席が空いてる冬日和       上野貴子

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    神長 誉夫

単音の孫のピアノや冬日向       小林 ひろ

滝糸を長く配して冬紅葉        水野 幸子

枯葉積む廃線の跡日昇らむ       青山 好男

若き日の街夫と訪う冬日和       原田 啓子

冬日和富士捉えたるファインダー    龍野 ひろし

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

犬の名を呼べば枯葉の音連れて・・・7点

 

冬の戦ではこの句が断トツで勝ち取りました。今年はまさかの1日の能登半島大震災で幕開けでしたが、皆様はお元気ですか。お正月らしさを味わうどころか安否の確認からの年始めですが

どうにか今年の運気が上がりますように

竜神様にお祈りいたしましょう。

(冬:11月~1月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 

行く年のビル窓拭きの命綱

 

一年忙しかったオフィスビルでしょうか、そこにピーンと張った

命綱に支えられた窓ふきの清掃員のてきぱきとした様子が

目に浮かびました。年末らしい光景ですね。

 

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 

 【春の戦2・3・4月】

2月におすすめの兼題(1末日〆切。)

 【梅】

春真っ先に咲く、香り、色、姿など古来より日本人に愛され親しまれている。

傍題に、野梅、白梅、紅梅、枝垂梅、飛梅、梅林、梅園など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

【山笑ふ】【蜂】

他に、当季雑詠でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は種の浜の抄の句を見てみましょう。

 

波の間や小貝にまじる萩の塵・・・芭蕉

 

この句は、敦賀市色浜の句です。美しい浜の様子がよく解ります。同じ抄に源氏物語の須磨よりも美しい浜だと詠んだ芭蕉の句が書かれていますが、その浜に寄せ来る波に萩の花の花弁が塵のように浮かんでは消えてまた浮かんでは消えと波の泡のようだという句ですね。

ここで芭蕉が「奥の細道」の旅に出たのは、西行法師が歌に詠んだ歌枕を訪ねたいという目的があったのですが、この源氏物語の須磨の浜よりも美しい色浜で、「汐染むるますほの小貝拾ふとて色の浜とはいふにやあるらん」という和歌に詠んでいます。その「小貝」を芭蕉は、まさに、俳句に詠んだのです。

切れ字としては、上五の「や」が使われています。

これは、芭蕉が一番好み効果的だと云われている切れ字の使い方です。

3フレースのどこにも美しい言葉があり「波間」「小貝」「萩」と芭蕉がどこに視点を絞りたいかが切れ字の場所で解ります。こうした俳句では、切れ字が無くては焦点が解りづらいので「や」は効果的ですね。

古風な意味を持つ句なだけに、切れ字の有る無しを論ずるのは避けておきましょう。

(令和六年一月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

 https://nbsacademy.jimdofree.com/

 

 

【ネット句会後記】

 

明けましておめでとうございます。冬の戦は三馬身リードして七点句が独走の様相です。今年から月ごとの兼題でなく、四季ごとの兼題で毎月詠んでいただくことにしました。2月からは春の戦に入ります。春の兼題3つを3か月間通して、毎月、投句ください。選評にもご協力ください。

それでは、ことしもネット句会への参加をよろしくお願い申し上げます。

(令和六年一月 辻 雅宏)

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会11月結果発表~

 

<大賞>

 さこたゆう やり遂げた自分に拍手年流る

 

2点句>

 

17 大西 文子 行年に戦禍の終わりただ祈る

18 大西 文子 行年は一年一年加速する

30 鈴木 恵美子 街並みはひと月早いクリスマス

33 大倉 宏美 早朝の横断歩道息白し

この他の結果はLINEよりご覧ください。

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

https://lin.ee/UY7VIpw

 

※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

自由なオンライン句会はこちら
https://onlinekukai.jimdofree.com