2024年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦第3ステージ)

 

1銀輪を連ね少年四温かな

2黒板にいたづら書や四温晴

3白神のぶなの鼓動や四温晴

4華やかな口紅選び初鏡

5初鏡娘めかして紅をひく

6初鏡眼鏡をはずし髪束ね

7首元の衿をどうする三寒四温

8口紅を薄ら引いて初鏡

9夕暮れてまさかのニュース四温晴れ

10ソックスの厚さフカフカ三寒四温

11一病越え老い深し初鏡

12畳目も鮮やかなりし初鏡

13初鏡着物の袖で拭いたり

14城門の門松の先とがりけり

15堀の水櫓静謐初日の出

16八十年生きた跡あり初鏡

17またひとつ年取りにけり初鏡

18この部屋の奥まで映し初鏡

19風止んで三浦三崎の四温晴

20軒下に猫のまどろむ四温かな

21初化粧合わせ鏡に千の笑み

22三寒に朝ヨガ挫け四温待つ

23この獣どこに放つや初鏡

24四温晴れ優駿最後のバーを跳ぶ

25初化粧鏡の迷路彷徨いて

26男にも初鏡てふ今朝の夫

27来客を待たせて座る初鏡

28曲がり角立ち話する四温かな

29石像も戸惑う三寒四温かな

30なんのかのと出かけずじまいの四温かな

31注連縄と日の丸の家希有となり

32上唇に紅引く舞妓初鏡

33三寒の今日の用足し四温待つ

34十七音つながる友ら初句会

35初夢や朝の陽あびてひらひらと

36あらためて老いを知らされ初鏡

37どことなく面差し母に初鏡

38特養の母にほどこす初化粧

39三寒に疼き四温に和む膝

40鋤肩に畑へ向かふ四温晴

41身の丈を刻む柱や年送る       

42後悔を胸中に秘め年歩む       

43改札を行き交ふ人の息白し     

44駈け抜けて鼻息白し競走馬      

45訪ひて行く年想ふ蕪村の碑      

46行く年を帰省バスにて詠む一句    

47雨、雪にかわり音なく年行けり    

48おでかけのメイクの猫の息白し   

49行く年の駅に途切れぬ電子音     

50断捨離の捨と離を残し年逝けり    

51行く年のビル窓拭きの命綱      

52止まらない時は宇宙へ年果てる    

53行く年の大さん橋に巨船の灯     

54船溜まり客が降りくる冬日和     

55行く年や奥歯の二本抜けたまま

56舌先にキャラメル丸め息白し

57白息や白さを競う父子かな

58行く年の想いは果てしなく遠く

59魂を再び覚ます年極み

60行く年や竹馬の友を天に召し

61行く年や十字に括る新聞紙

62息白し山門出づる僧の列

63行く年を肴に並ぶ赤ら顔

64行く年を炬燵で妻と見送れり

65行く年の淋しき街を孫と行く

66行く年や残り少なき我が齢

67大股に試歩の?幅や息白し

68鹿の骸掘り上げ熊の目の悲し

69ぽかぽかな陽気勤労感謝の日

70羽拡げ白息吐きて愛叫ぶ

71Goal見え湧く白息を振り払ふ

72年流れ邪念渦巻く盆の窪

73白息に包まる君のさようなら

74夜空へと発つトナカイの息白し

75犬の名を呼べば枯葉の音連れて 

76箒目を追いかけるごと降る枯葉 

77突堤に釣り人並ぶ冬日和        

78転車台くるりと廻り冬麗        

79玻璃越しに光射し込む冬日和      

80子に頼むタイヤ交換冬日和       

81バスを待つ人の会話や冬日和      

82冬日和子猫に譲る一等地        

83鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      

84枯葉一片舞い込んで駐輪所       

85張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  

86城門を出でて枯葉に時を読む      

87細枝にしがみついてる枯葉かな     

88下り線席が空いてる冬日和       

89冬日和床屋の鋏軽やかに        

90冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    

91単音の孫のピアノや冬日向       

92滝糸を長く配して冬紅葉        

93枯葉積む廃線の跡日昇らむ       

94若き日の街夫と訪う冬日和       

95冬日和富士捉えたるファインダー   

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)

【梅】【山笑ふ】【蜂】

 

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【春の戦2・3・4月】

★2月におすすめの兼題(1末日〆切。)

 

【梅】

春真っ先に咲く、香り、色、姿など古来より日本人に愛され親しまれている。

傍題に、野梅、白梅、紅梅、枝垂梅、飛梅、梅林、梅園など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 

<先句に学ぶ>

 

   紅白に空を分かちて梅ひらく 高橋悦男

 

   モナリザのほほ笑みほどに山笑ふ 日下野仁美

     

   なきがらの蜂に黄の縞黒の縞  橋本多佳子

 

 

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令和6年1月号12月の結果(冬の戦第2ステージ)

 

~~<主宰上野貴子選5句>~~

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑

おでかけのメイクの猫の息白し

行く年を帰省バスにて詠む一句

雨、雪にかわり音なく年行けり

箒目を追いかけるごと降る枯葉 

 

~~<辻 雅宏選5句>~~

息白し山門出づる僧の列

行く年や奥歯の二本抜けたまま

止まらない時は宇宙へ年果てる

行く年や十字に括る新聞紙

行く年の大さん橋に巨船の灯

 

点盛りの結果

 

七点句

犬の名を呼べば枯葉の音連れて     龍野 ひろし

 

四点句

行く年や奥歯の二本抜けたまま     原田啓子

箒目を追いかけるごと降る枯葉     阿部 文彦

 

三点句

突堤に釣り人並ぶ冬日和        辻 雅宏

転車台くるりと廻り冬麗        水野 幸子

 

二点句 

行く年や十字に括る新聞紙       龍野 ひろし

息白し山門出づる僧の列        龍野 ひろし

おでかけのメイクの猫の息白し     辻 雅宏

冬日和床屋の鋏軽やかに        龍野 ひろし

玻璃越しに光射し込む冬日和      阿部 文彦

子に頼むタイヤ交換冬日和       辻 雅宏

バスを待つ人の会話や冬日和      阿部 文彦

冬日和子猫に譲る一等地        龍野 ひろし

鼻広げ河馬浮き上がる冬日和      龍野 ひろし

 

一点句

身の丈を刻む柱や年送る       原田啓子

後悔を胸中に秘め年歩む       上野貴子

改札を行き交ふ人の息白し      辻 雅宏

駈け抜けて鼻息白し競走馬      辻 雅宏

訪ひて行く年想ふ蕪村の碑      原田啓子

行く年を帰省バスにて詠む一句    青山好男

雨、雪にかわり音なく年行けり    青山好男

行く年の駅に途切れぬ電子音     龍野 ひろし

断捨離の捨と離を残し年逝けり    辻 雅宏

行く年のビル窓拭きの命綱      龍野ひろし

止まらない時は宇宙へ年果てる    上野貴子

行く年の大さん橋に巨船の灯     龍野 ひろし

船溜まり客が降りくる冬日和      阿部 文彦

枯葉一片舞い込んで駐輪所       上野貴子

張り詰めた冬晴れジェットの雲が裂く  神長 誉夫

城門を出でて枯葉に時を読む      青山 好男

細枝にしがみついてる枯葉かな     辻 雅宏

下り線席が空いてる冬日和       上野貴子

冬晴れを大きく吸いてガラス吹く    神長 誉夫

単音の孫のピアノや冬日向       小林 ひろ

滝糸を長く配して冬紅葉        水野 幸子

枯葉積む廃線の跡日昇らむ       青山 好男

若き日の街夫と訪う冬日和       原田 啓子

冬日和富士捉えたるファインダー    龍野 ひろし

 

 

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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

 

犬の名を呼べば枯葉の音連れて・・・7点

 

冬の戦ではこの句が断トツで勝ち取りました。今年はまさかの1日の能登半島大震災で幕開けでしたが、皆様はお元気ですか。お正月らしさを味わうどころか安否の確認からの年始めですが

どうにか今年の運気が上がりますように

竜神様にお祈りいたしましょう。

(冬:11月~1月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 

行く年のビル窓拭きの命綱

 

一年忙しかったオフィスビルでしょうか、そこにピーンと張った

命綱に支えられた窓ふきの清掃員のてきぱきとした様子が

目に浮かびました。年末らしい光景ですね。

 

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 【春の戦2・3・4月】

2月におすすめの兼題(1末日〆切。)

 【梅】

春真っ先に咲く、香り、色、姿など古来より日本人に愛され親しまれている。

傍題に、野梅、白梅、紅梅、枝垂梅、飛梅、梅林、梅園など

    

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

【山笑ふ】【蜂】

他に、当季雑詠でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て考えてきました。今回は種の浜の抄の句を見てみましょう。

 

波の間や小貝にまじる萩の塵・・・芭蕉

 

この句は、敦賀市色浜の句です。美しい浜の様子がよく解ります。同じ抄に源氏物語の須磨よりも美しい浜だと詠んだ芭蕉の句が書かれていますが、その浜に寄せ来る波に萩の花の花弁が塵のように浮かんでは消えてまた浮かんでは消えと波の泡のようだという句ですね。

ここで芭蕉が「奥の細道」の旅に出たのは、西行法師が歌に詠んだ歌枕を訪ねたいという目的があったのですが、この源氏物語の須磨の浜よりも美しい色浜で、「汐染むるますほの小貝拾ふとて色の浜とはいふにやあるらん」という和歌に詠んでいます。その「小貝」を芭蕉は、まさに、俳句に詠んだのです。

切れ字としては、上五の「や」が使われています。

これは、芭蕉が一番好み効果的だと云われている切れ字の使い方です。

3フレースのどこにも美しい言葉があり「波間」「小貝」「萩」と芭蕉がどこに視点を絞りたいかが切れ字の場所で解ります。こうした俳句では、切れ字が無くては焦点が解りづらいので「や」は効果的ですね。

古風な意味を持つ句なだけに、切れ字の有る無しを論ずるのは避けておきましょう。

(令和六年一月号より 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

明けましておめでとうございます。冬の戦は三馬身リードして七点句が独走の様相です。今年から月ごとの兼題でなく、四季ごとの兼題で毎月詠んでいただくことにしました。2月からは春の戦に入ります。春の兼題3つを3か月間通して、毎月、投句ください。選評にもご協力ください。

それでは、ことしもネット句会への参加をよろしくお願い申し上げます。

(令和六年一月 辻 雅宏)

 

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LINE公式俳句大会11月結果発表~

 

<大賞>

 さこたゆう やり遂げた自分に拍手年流る

 

2点句>

 

17 大西 文子 行年に戦禍の終わりただ祈る

18 大西 文子 行年は一年一年加速する

30 鈴木 恵美子 街並みはひと月早いクリスマス

33 大倉 宏美 早朝の横断歩道息白し

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2024年11月のネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

1行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

2ドア開く電車に落葉滑り込む

3手の平に子の乗せくるる落葉かな

4振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ

5女学院に続く坂道落葉舞ふ

6側溝の流れ堰き止む杉落葉

7幼子と落葉踏みゆく称名寺

8庭の木も身を守るかに落葉する

9四方からの落葉舞いくる集会所

10また今日も空を離れて落葉くる

11虫喰いの穴みな持ちて落葉つむ

12数え日のぴたぴた走るインコかな

13いつも来る藤棚に来て初雀

14とりどりの落葉踏みゆく豊かさよ

15柔らかきところにふるる落葉かな

16縁側の母の背まろし落葉焚

17観る人も掻く人もいて落葉時

18落葉して心細げな大樹かな

19落葉時帚一本あれば良し

20落葉して遠山に見る家一軒

21懐かない猫の餌付けや初雀

22舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る

23三日経ち落葉を纏い猫もどる

24数え日や手を擦り合わせ屋台蕎麦

25数え日や月のない夜に月見蕎麦

26落葉掃くあとからきりもなき落葉

27キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな 

28ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな

29艶めきて色をまだらに柿落葉

30ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

 

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冬の戦の兼題(11月から1月を通して毎月詠んでください。)
【落葉】【数え日】【初雀】

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【冬の戦11・12・1月】
★12月におすすめの兼題(11月末日〆切。)
【数え日】
今年も指で数えられるほどの残り少ない日をいう。

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

    むさしのの空真青なる落葉かな 水原秋櫻子

    数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ 富安風生

    お手玉のごとくに遊ぶ初雀 下村梅子 

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令和6年11月号10月の結果(秋の戦最終ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~

遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る 

悠揚と国境の河旅鳥超ゆ

この場所を群れが知ってる渡り鳥

高原を一羽遅れて鳥渡る

草に寝て空の青さや鰯雲

 

点盛りの結果

 

五点句

こけそうでこけぬ幼子赤のまま          龍野ひろし

 

四点句

渡り鳥くの字がついに点となる          阿部文彦

あと一歩届かぬ白球いわし雲           瀧口 孝志

汽車降りて別の空あり鰯雲            阿部文彦

木曽川で分かつ県境うろこ雲           辻 雅宏

賤ケ岳越えて余呉湖へ鳥渡る           辻 雅宏

 

三点句

下町に匂ふコロッケ鰯雲             龍野ひろし

読みかけの頁のしるし鰯雲            上野貴子

山いくつ越えて来たるや渡り鳥          辻 雅宏

 

二点句

海に浮く朱の回廊や鳥渡る           龍野ひろし

照紅葉つなぐ手細き老夫婦           青山好男

鰯雲涼風もさてつかの間か           船津 元

廃駅に誰を待ち詫ぶ赤まんま          神長 誉夫

すれ違う市電の軋み鰯雲            龍野ひろし

投網打つ漁師の影よ鰯雲            龍野ひろし

鰯雲語ることなく終戦忌            船津 元

阿武隈の嶺の彼方に鰯雲            阿部文彦

用足して鯖雲掬ふ手水鉢            辻 雅宏

鰯雲釣り人並ぶ防波堤             辻 雅宏

 

一点句

指先で空に追ひたる渡り鳥           龍野ひろし

銛の如ジェット貫く鰯雲            神長 誉夫

紅葉を映し堀水動かざる            青山好男

遠山をぐいと寄せ来て鳥渡る          原田啓子

悠揚と国境の河旅鳥超ゆ            神長 誉夫

排他的水域なんの鳥渡る            辻 雅宏

この場所を群れが知ってる渡り鳥        上野貴子

高原を一羽遅れて鳥渡る            阿部文彦

草に寝て空の青さや鰯雲            阿部文彦

断食や明けて眩しき赤のまま          船津 元

幼き日の涙の透けて赤まんま          山本佐和子

赤まんま三つ編み解きし君遠く         神長誉夫

碧天の日本海越え鳥渡る            辻 雅宏

球場の開閉屋根や獺祭忌            水野幸子

泣きべその子の鼻先へ赤まんま         原田啓子

園児らの駆けゆく先の鰯雲           阿部文彦

鳥渡る同窓会の知らせあり           原田啓子

高層のビル群覆ふ鰯雲             辻 雅宏

鰯雲忙しく走る訪問看護            船津 元

夕陽色巨大な鰯雲のろく            上野貴子

ジャンパーに一秒の空鳥渡る          神長 誉夫

故郷の山を真下に鳥渡る            水野幸子

「待って、待って」とボール追う子や赤のまま  水野幸子

屋敷跡更地にひらく赤まんま          阿部文彦

このままが一番幸せ赤のまま          原田啓子

行く先は風にまかせて赤のまま         龍野ひろし

嫁ぎしと風の便りや赤まんま          神長 誉夫

畦道を郵便バイク赤のまま           龍野ひろし

鰯雲空に漂う点描画              阿部文彦

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

こけそうでこけぬ幼子赤のまま・・・五点

この句が逃げ切りました。丘の上の草原が目に浮かびます。
親子で遊んでいるのでしょう。子供は危なっかしくよく転びますね。
思わず笑ってしまうような微笑ましい句です。
(秋:8月~10月)

 

~~~今月の選評~~~

汽車降りて別の空あり鰯雲

「汽車」という言葉に、都会から遠く離れた静かな田舎を
思い浮かべます。降りたとたん「別の空あり」という
嬉しい発見があり、そこに鰯雲!というイメージが
鮮明で旅愁がそそられる句。

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

【落葉】【数え日】【初雀】

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の歴史」今回は、正岡子規のあとに高浜虚子と対立するように河東碧梧桐が革新的な俳句で名を成してゆきます。

赤い椿白い椿と落ちにけり・・・碧梧桐

この句は碧梧桐の代表句ですが、春を呼んでいますが季重なりで字余りです。6,7、5で上五が一文字字余りです。そこが、この句を引き立てていて効果的だと言えます。
愛媛県松山市に松山藩士の五男として生まれた碧梧桐。父は正岡子規の漢学の師。高浜虚子とは中学時に同級であり、後に子規の門下生となるまで、行動をともにした仲の良い友人であったと言います。
子規没後、虚子は「ホトトギス」の経営を、碧梧桐は新聞「日本」の俳句欄を担当。やがて新傾向運動を展開し、季題趣味と定型を打ち破った自由なリズムによる俳句を推進してゆきます。そして、自由で新しい作風を追い求め自由律俳句を生み出してゆきます。現在でもその流れは、前衛的な作風や現代俳句の中に、根強く息ずいています。
(会報令和六年10月号より 上野貴子)

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【ネット句会後記】
秋の戦は、五点句が脱け出し決着がつきました。四点句も五句揃い、接戦でした。
冬の戦が始まっています。三つの兼題のどれを詠んで頂いてもかまいません。
新規の参加者も大歓迎です。投句をたくさんお待ちしています。
でよかった句には感想も記載してくださるようお願いします。
(令和六年十一月 辻 雅宏)

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~LINE公式俳句大会10月結果発表~

<大賞>

37 田辺公子   どんぐりを拾う子らの目キラキラと

<2点句>

12 荒木かをり   星月夜誕生月の海の宿

25 奥平雅子   釣り人の長靴干して秋の浜

26 奥平雅子   透き通るグラスに注ぐ新ワイン

28 大西文子   吾子と焼く今日のお三時アップルパイ

30 大西文子   親に手を振り出遅れる運動会

36 田辺公子   友と行く甘味処の栗づくし

 

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2024年12月のネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

1石焼き芋通り過ぎてく嗚呼数え日

2数え日に過ぎゆく時の神祈る

3数え日にこの年は二度と帰らぬ

4過ぎて行くもう数え日になるなんて

5数え日の未だに嘘か幻か

6好きですと言い出せぬまま数へ日に

7数へ日やいいお年をと口々に

8日めくりをめくりめくりて数へ日に

9数へ日や慌て隣へ回覧版

10数へ日の床屋の鋏フル稼働

11数へ日の大桟橋に巨船の灯

12数へ日や駅に途絶えぬ電子音

13数へ日の飯場に煽るコップ酒

14数へ日や熊出没の立て看板

15数へ日やビルの窓拭く命綱

16数え日や主婦が出てくる小間物屋

17数え日のひと日を上野美術館

18卓上の日めくり数え日となりぬ

19数え日やなすべきことの数多あり

20いろいろの落葉踏みしめ旅終える

21ふりそそぐ言葉となりて落葉かな

22啄めば影も啄み初雀

23重なりて屍となりぬ朴落葉

24身籠りし娘に似るしぐさ初雀

25時雨けり湖底にゆれる雑魚の影

26数え日や疎遠の友を思い出し

27落葉して家路明るく続きおり

28久々に姉と踏む音落葉かな

29数え日を子は大声で数えおり

30数え日の故郷の空の蒼さかな

31落葉舞い夕餉の献立決まりけり

32降り止まぬ落葉に厭いた駐車場

33落葉も黄が多いかな海の街

34隣家の子落葉の山越す三輪車

35凛とした義母の背中や落葉掃き

36ママさんよ熱燗よりも口づけを

37中三の口語文法名の木枯る

38初伊勢やなつてくれろ連れ合いに

39行違ふ舞妓は傘に落葉のせ          

40数え日や月のない夜に月見蕎麦        

41観る人も掻く人もいて落葉時         

42三日経ち落葉を纏い猫もどる        

43振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ        

44ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

45側溝の流れ堰き止む杉落葉          

46庭の木も身を守るかに落葉する        

47縁側の母の背まろし落葉焚          

48落葉掃くあとからきりもなき落葉       

49落葉時帚一本あれば良し           

50数え日のぴたぴた走るインコかな       

51懐かない猫の餌付けや初雀          

52ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな       

53艶めきて色をまだらに柿落葉         

54舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る         

55落葉して心細げな大樹かな           

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

冬の戦の兼題(11月から1月を通して毎月詠んでください。)
【落葉】【数え日】【初雀】

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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【冬の戦11・12・1月】
★1月におすすめの兼題(12月末日〆切。)
【初雀】
元日の雀です。傍題はありません。

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

    むさしのの空真青なる落葉かな 水原秋櫻子

            数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ 富安風生

    お手玉のごとくに遊ぶ初雀 下村梅子 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

令和6年12月号11月の結果(冬の戦第1ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ

観る人も掻く人もいて落葉時

落葉して心細げな大樹かな

数え日や月のない夜に月見蕎麦

 

~~<上野貴子選5句>~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

側溝の流れ堰き止む杉落葉

庭の木も身を守るかに落葉する

縁側の母の背まろし落葉焚

落葉掃くあとからきりもなき落葉

 

点盛りの結果

四点句

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ          龍野ひろし

三点句

数え日や月のない夜に月見蕎麦        瀧口孝志

観る人も掻く人もいて落葉時         原田啓子

二点句

三日経ち落葉を纏い猫もどる        瀧口孝志

振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ        龍野ひろし

ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

一点句

側溝の流れ堰き止む杉落葉          阿部文彦

庭の木も身を守るかに落葉する        阿部文彦

縁側の母の背まろし落葉焚          原田啓子

落葉掃くあとからきりもなき落葉       辻 雅宏

落葉時帚一本あれば良し           原田啓子

キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな      辻 雅宏

数え日のぴたぴた走るインコかな       水野幸子

懐かない猫の餌付けや初雀          瀧口孝志

ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな       辻 雅宏

艶めきて色をまだらに柿落葉         辻 雅宏

舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る         瀧口孝志

落葉して心細げな大樹かな          原田啓子 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ 

※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ・・・四点

冬の戦の始まりです。風流な句が勝ちとっています。このあとどんな句が迫って来るか楽しみです。短い秋でしたがもう年末ですね。
(冬:11月~1月)

~~~今月の選評~~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

風流な一齣ですね。
(今月は最高得点句は選評句でした。)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★1月の兼題(12月末日〆切)

【落葉】【数え日】【初雀】

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

★オンライン句会<歳末キャンペーン12月8日~15日まで!>
https://youtu.be/ByLnD7xdjXo

毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
https://onlinehaiku.jimdofree.com/ 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の展開」今回は、俳句を現代の私たちが使用している言葉を中心に作句しながら、自然な日本語で俳句を作ろうという試みからの「なんちゃって俳句」に視点を当ててみたいと思います。

地球まで星の光りのタイムラグ・・・貴子

この句はオンライン句会で人気があった句です。575の17文字にまとまっていますが季語が無い句なんです。
「星の光」というフレーズが俳句風な情緒を感じる言葉なのだと考えます。月が美しいと言えば秋の句ですが、夏から秋への季節の移り変わりの無い現代では「月」と言わずに宇宙的な感覚でとらえて夜空の美しさを詠いました。読み手にもそんな時代の特徴や自然現象の異常な昨今の社会情勢がきっとこの句への共感を呼んだのだと思います。
無季句はすでに大成された分野でもあり、この句は無季句ですね。と俳句の批評として捉えても間違いでは無いです。無理に季語を探したり、星を月に変えてみたりしても、この句の「タイムラグ」が効いてこないのではないでしょうか。
季語が無いのに川柳ではないという俳句の面白さが読みとれる句です。俳句のすべてのブロックを取っ払って自由な発想で作句してみようという「なんちゃって俳句」の試みでは、この句は無季句としてまとまった句かなぁと思います。

(会報令和六年十二月号より 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら 
https://nbsacademy.jimdofree.com/ 

【ネット句会後記】
冬の戦第一ステージで、いきなり四点句が一句そして三点句が二句と続きました。
二点句も三句あって、第二ステージの展開が楽しみです。
投句される皆様にお願いです。特によかった句には感想を添えて下さるようお願いします。十二月は納め句座です。有終の美を飾る句をお待ちしています。

(令和六年十二月 辻 雅宏)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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~LINE公式俳句大会11月結果発表~

<大賞>

52 山本 佐和子  スニーカー落ち葉を砕く家路にて

<2点句>
4 蒲池由美子 十字路でスマホ持つ人鉢合わせ

6 奥平雅子 大鍋を洗い磨きて冬支度

9 奥平雅子 大業の押して決まるや宮相撲

19 米重初枝 泪落つ落葉その理由知りて落つ

22 橋詰博 吉野川落葉集めて川下り

29 さこたゆう 道端の馬頭観音落ち葉舞ふ

35 鈴木恵美子 山の里落ち葉の足湯カサカサと

36 鈴木恵美子 山門を潜り抜けるや落ち葉道

38 鈴木恵美子 秋空に友とのんびり寺巡り

46 田辺 公子 初時雨ココアとひざ掛け手に読書

49 田辺 公子 創作の意欲むくむく落ち葉や実

51 山本 佐和子 落葉降る本の表紙のことばたち

54 南出千賀子 木にもたれ降る葉はどこへ落葉床

58 荒木 かをり ふり積もれ落葉こどものおもちゃ箱

66 大西 文子 千歳飴貰って笑顔の記念写真

この他の結果はLINEよりご覧ください。

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果の一部と連動してまいります。

自由なオンライン句会はこちら
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2025年1月のネット句会

今月の投句(冬の戦第3ステージ)

1初暦昭和百年といふ睨み

2鳥打ちを斜めにギャバン老の春

3只ごとはとらぬゑ「がんこ」初句会

4花八手ぽんとあやつの誕生花

5年用意終えコップ酒老主筆

6翅閉じツウと歩きし初雀

7初雀待ち人来ずこつち見る

8異国でもめでたくおもふ初雀

9初雀なにを啄む早くから

10鳴き声のどこか寿ぐ初雀

11氏神の庭に遊ぶや初雀

12窓越しに猫ながめをり初雀

13チュンチュンと吾を起こすや初雀

14無人駅の枕木つつく初雀

15数え日や赤丸のつく誕生日

16初雀四方に首を傾げおり

17数え日や子の発熱の知らせ来て

18幼子の赤き指差す初雀

19電線に胸をそろえて初雀

20五羽で来て三羽飛び立つ初雀

21日溜まりのパン屑に群る初雀

22来し方の柳誌の嵩や年惜しむ

23また今日も喪中の報せ年の暮

24落ち葉敷く道をスキップ白き人

25ランナー待つゴールテープに落ち葉降る

26落葉を追い抜き速し御座の船

27新年を待つ神庭に鳩一羽

28落ち葉からぬっと顔だけポメラニアン

29いつになく晴れた空から初雀

30初雀思い悩んでいられない

31空っぽの心に初雀鳴く

32去年今年なにが起きるか解らない

33戻らない笑顔を胸にいざ新年

34群がりてひかり啄む初雀

35四方からひかり集めて初雀

36鳴き声に命の鼓動初雀

37仮名文字の墨の匂ひや初雀

38鉄塔は村の目印初雀

39行違ふ舞妓は傘に落葉のせ

40観る人も掻く人もいて落葉時

41縁側の母の背まろし落葉焚

42振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ

43数え日や月のない夜に月見蕎麦

44数え日のひと日を上野美術館

45落葉掃くあとからきりもなき落葉

46ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな

47三日経ち落葉を纏い猫もどる

48ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む

49数へ日の床屋の鋏フル稼働

50落葉して家路明るく続きおり

51日めくりをめくりめくりて数へ日に

52数へ日の大桟橋に巨船の灯

53時雨けり湖底にゆれる雑魚の影

54ふりそそぐ言葉となりて落葉かな

55久々に姉と踏む音落葉かな

56好きですと言い出せぬまま数へ日に

57数え日や主婦が出てくる小間物屋

58落葉も黄が多いかな海の街

59数へ日やビルの窓拭く命綱

60卓上の日めくり数え日となりぬ

61啄めば影も啄み初雀

62重なりて屍となりぬ朴落葉

63身籠りし娘に似るしぐさ初雀

64側溝の流れ堰き止む杉落葉

65庭の木も身を守るかに落葉する

66落葉時帚一本あれば良し

67キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな

68数え日のぴたぴた走るインコかな

69懐かない猫の餌付けや初雀

70艶めきて色をまだらに柿落葉

71舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る

72落葉して心細げな大樹かな

 

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春の戦の兼題(2月から4月を通して毎月詠んでください。)
【盆梅】【燕】【桜】

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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【春の戦2・3・4月】
★2月におすすめの兼題(1月末日〆切。)
【盆梅】
盆栽仕立てにした梅です。
傍題に、「鉢の梅」「盆の梅」

※他に、当季雑詠でも可ですが、季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

<先句に学ぶ>

鉢の梅浮世の義理に開きけり   正岡子規

燕つばめ泥が好きなるつばめかな 細見綾子

さまざまの事思ひ出すさくらかな 松尾芭蕉

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

令和6年1月号12月の結果(冬の戦第2ステージ)

~~<辻 雅宏選5句>~~

数へ日やビルの窓拭く命綱

数え日のひと日を上野美術館

卓上の日めくり数え日となりぬ

啄めば影も啄み初雀

重なりて屍となりぬ朴落葉

 

~~<上野貴子選5句>~~

石焼き芋通り過ぎてく嗚呼数え日

好きですと言い出せぬまま数へ日に

日めくりをめくりめくりて数へ日に

数え日や主婦が出てくる小間物屋

数え日や疎遠の友を思い出し

 

点盛りの結果

 

五点句

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ          龍野ひろし

観る人も掻く人もいて落葉時         原田啓子

 

三点句

縁側の母の背まろし落葉焚          原田啓子

振り上ぐる応援団旗落葉舞ふ         龍野ひろし

数え日や月のない夜に月見蕎麦        瀧口 孝志

 

二点句

数え日のひと日を上野美術館        阿部文彦

落葉掃くあとからきりもなき落葉      辻 雅宏

ブロワーに散らされ惑ふ落葉かな      辻 雅宏

三日経ち落葉を纏い猫もどる        瀧口 孝志

ぶさかわな犬に引かれて落葉踏む      辻 雅宏

 

一点句

数へ日の床屋の鋏フル稼働          辻 雅宏

落葉して家路明るく続きおり         原田啓子

日めくりをめくりめくりて数へ日に      辻 雅宏

数へ日の大桟橋に巨船の灯          龍野ひろし

時雨けり湖底にゆれる雑魚の影        水野幸子

ふりそそぐ言葉となりて落葉かな       水野幸子

久々に姉と踏む音落葉かな          原田啓子

好きですと言い出せぬまま数へ日に      辻 雅宏

数え日や主婦が出てくる小間物屋       阿部文彦

落葉も黄が多いかな海の街          船津 元

数へ日やビルの窓拭く命綱          龍野ひろし

卓上の日めくり数え日となりぬ        阿部文彦

啄めば影も啄み初雀             水野幸子

重なりて屍となりぬ朴落葉          水野幸子

身籠りし娘に似るしぐさ初雀         水野幸子

側溝の流れ堰き止む杉落葉          阿部文彦

庭の木も身を守るかに落葉する        阿部文彦

落葉時帚一本あれば良し           原田啓子

キャンパスをいろどる銀杏黄葉かな      辻 雅宏

数え日のぴたぴた走るインコかな       水野幸子

懐かない猫の餌付けや初雀          瀧口 孝志

艶めきて色をまだらに柿落葉         辻 雅宏

舞う落葉動かぬ猫に陽は翳る         瀧口 孝志

落葉して心細げな大樹かな          原田啓子

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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※ネット句会では当季雑詠もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

行違ふ舞妓は傘に落葉のせ・・・五点
観る人も掻く人もいて落葉時・・・五点

年の瀬の戦いの所為でしょうか、競ってます!
何と五点句が二句です。落葉は風情がありまた人の心を動かす情緒もあっていい句が多いですね。最終戦が楽しみです。
(冬:11月~1月)

~~~今月の選評~~~

数へ日やビルの窓拭く命綱

年末によく目にする光景が数へ日
という季語が効いて詩になった。

 

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★2月の兼題(1月末日〆切)

【盆梅】【燕】【桜】

※ネット句会では、兼題での投句、もしくは当季雑詠を受け付けておりますが、季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

また、オンライン句会では毎月のお題にこだわらない自由な俳句を募集しております。気軽にご参加ください。
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【今月のワンポイントレッスン】

「俳句の展開」今回は、「なんちゃって俳句」の第二弾として、何句か上げて考えてみましょう。

風が吹かなきゃ扇子で起こす力・・・貴子

「扇子」が夏の季語ですが風のない夏に風を起こす。人間の動く力を詠んだものです。
力には「権力」「洞察力」「威力」「重力」など、人の動く運動の力意外にさまざまな力がありますが、扇子を動かす運動力と風を起こさせる見えない力を掛けて作者の想いを含めて書いた「力」の句です。
季語として「扇子」がありますが、季語がこの句のお題と言うよりも「力」に作者の言いたいことが込められているのでテーマが「力」と言ったまとめ方の句でしょうか。そこで「なんちゃって俳句」として詠んでいます。
勿論、リズムとしても破調ですが全体として17文字にまとまっています。
心理心情、想いを込めた俳句は、なんちゃって俳句でも境目のないまとまった句と言えるでしょう。

流れ星どこかで思い出がしゃべる・・・貴子

「流れ星」が秋の季語となる句です。この句は自然なしゃべり言葉なので、季語はありますがなんちゃって俳句です。思い出は作者の思い出なので、心情句でいいと思います。懐かしい写真の一齣が星の世界の時空を越えて何か言ったようなそんな気がして、錯覚だろうか、いや聞こえた気がする。そんな気持ちを詠んだのでやっぱり「なんちゃって俳句」ですね。
(会報令和七年一月号より 上野貴子)

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【ネット句会後記】
明けましておめでとうございます
本年もこのネット句会を盛り上げてくださいますようお願い申し上げます。冬の戦第二ステージでは、五点句が二句となりました。四点句が無く、最終ステージでどちらかが六点句となるのか、同点タイで決着か楽しみな展開です。
今月からは春の戦になります。三つの兼題を自由に詠んでください。
投句される皆様 感想を添えて下さるようお願いします。
(令和七年一月 辻 雅宏)

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~LINE公式俳句大会12月結果発表~

<大賞>

41 大西 文子 家族皆帰りが早い今日おでん

<2点句>

4 蒲池由美子 年末の掃除家族で大騒ぎ

7 蒲池由美子 夕飯のメニュー自慢の茶碗蒸し

21 さこたゆう 日記買ふ一日一句四年目に

26 蒲池由美子 葉牡丹が迎える門出皆元気

39 荒木 かをり 数え日にがやがやとおば三人来

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11月のネット句会

今月の投句(11月12日更新・冬秋の戦)

1波白く海鳥高く小六月
2母の手を放して拝む七五三
3小春凪海鳥の群れ河口まで
4女の子鈴を鳴らして七五三
5可愛さに娘に話しかけ七五三
6ベランダで小春にそよぐ七分丈
7くしゃみして小春の空をうらみけり
8紅ひいて唇紡ぐ七五三
9千歳飴引きずり歩く着物の子
10父笑う紅引き笑う娘見て
11お互ひに孫連れ出会ふ七五三
12爺婆をしたがへ歩む千歳飴
13縁側で爪切る母の小春かな
14途中下車してまで歩く小春空
15釣り人の等間隔に湖小春
16凩に向かって走るランドセル
17凩や埃巻き上げ屋敷跡
18境内に人の影なし神の留守
19賽銭の音響き合う神の留守
20日溜まりの木戸に寄り添う返り花
21小春日のインコの声の甲高し
22玉砂利を踏みしめる音七五三
23植え替えし多肉植物初時雨
24絨毯にインコの糞や暮早し
25頬かすめ飛び交ふインコ冬に入る
26のったりとエアバルーン浮く小春かな
27学生の声に華やぐ街小春
28おくるみに小春の光編み込んで
29家じゅうがただ嬉しくて七五三
30何の日か問う子もにぎる千歳あめ
31千歳飴だいじに抱え段上がり
32七五三の石段ばかり見ておりぬ
33付いて来ぬ祖父母のぶんまで七五三祝
34小春日の明き林に影さがす
35小春日のピアノ鳴り来る上り坂
36眠る子の帯を解きし七五三
37七五三カメラの前のすまし顔
38鈴の音を零して歩く七五三
39小春日や一家総出の床磨き
40ジャケットの似合うふ青年恋小春
41七五三玉砂利踏む音遠き日々
42七五三鳥居の長き影踏みて
43小春日や猫眠る屋根雲の下
44蝶二頭もつれもつれて小春かな
45江の島や小春に浮かぶ富士の影
46爺婆は鳥居の前や七五三
47産土の神のお祓ひ七五三
48秋時雨鷹は小屋にて眠りをり
49小春日は?みしだかれて牛の夢
50小春日に爪立て空睨め軍鶏独り
51小春日を分け合う人の写真立て
52飴色に干魚艶めく浜小春
53小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く

 

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★お茶会テレビ句会はこちらから
http://uenotakako.com/?p=74430

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12月の兼題【冬ざれ】&【クリスマス】(11月31日〆切)

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【冬の戦11・12・1月】

★12月の兼題(11月31日〆切。)

【冬ざれ】

冬の万象の蕭条たるさまをいう時候の季語です。
傍題に、冬され、冬ざるる。

【クリスマス 】

12月25日キリストの誕生を祝う日。
傍題に、降誕祭、聖夜、聖歌、聖樹(クリスマスツリー)、聖菓、クリスマスイブ、サンタクロースなど。

 

<先句に学ぶ>

  冬ざれてうるさき程に鴉鳴く
                                       山下孝子

  靴下がくの字に吊られクリスマス
                                        阿波野青畝

 

 


10月の結果(秋の戦第三ステージ)

七点句

干網に綻びありて浜残暑        神長 誉夫

真つ新の赤き前垂れ地蔵盆       辻 雅宏

 

五点句

雁高く空一層の深みかな        原田 啓子

古書店にばら積みの本残暑なほ     龍野 ひろし

 

四点句

跡継ぎのなくて最後の今年米    龍野 ひろし

残暑なほ旋盤の吐く螺旋屑      龍野 ひろし

アザラシの鼻また開く残暑かな     神長 誉夫

 

三点句

実南天何か良いこと有りさうな    広田洋一

その名にも産地の心今年米      原田 啓子

退職の帰路南天の実はこぼるほど   小南彩乃

雁行や富士の稜線たもちつつ      原田 啓子

病院を出でて残暑へ飛び込まん     芒花

絵手紙に季節をとめる葡萄の実    芒花

悪童もけふは大人し地蔵盆      辻 雅宏

下町の地下道匂ふ残暑かな       龍野 ひろし

遺された母の小さき残暑かな      原田 啓子

 

二点句

秋天に高層ビルの窓光る        広田洋一

豚汁に茸あふるる夕餉かな       水野幸子

二階へと匂ふ新米炊きあがり      井上悦男

花南天掃き寄せられてまたこぼれ    原田 啓子

雲奔りパンデミックの秋暑し      上野 貴子

シャンソンの車窓に広き葡萄園     青山好男

セコイアの天辺をゆく雁の列      阿部文彦

折れてなお確かなるもの雁の棹     原田 啓子

雁渡る見上げる人の地の遠く      芒花

山里へ一声ひびく雁の棹        阿部文彦

葡萄狩り透くる光に手を伸ばし     龍野 ひろし

親と子の影の動くや葡萄棚       龍野 ひろし

語り部の身じろぎもせず原爆忌     濱野 洋子

パチンコ店の音うねりくる残暑かな   小南彩乃

町内の子が減るばかり地蔵盆      阿部文彦

橋渡る貨車に脈打つ河残暑       神長 誉夫

セコイアも棒立ちになる残暑かな    阿部文彦

ビルの間に地蔵詣のニ三人       原田 啓子

里に向く小さき祠地蔵盆        阿部文彦

越してきた子と分ける菓子地蔵盆    小南彩乃

手を合わせ戦火を思う地蔵盆      小南彩乃

             

一点句

コンビニでコピーをとりて良夜かな   濱野 洋子

残暑光父の棺を焼かんとす       原田 啓子

生き馬の目を抜く銀座秋暑し      辻 雅宏

南天の実ゲノムまるごと縁紡ぐ     芒花

古戦場の塚に供へる今年米       小南彩乃

初陣を控えた夜半(よわ)に白南天    小南彩乃

一片の雲なき空に月上る        広田洋一

おかわりの茶碗差し出す今年米     龍野 ひろし

実南天代々続く旧家なり        濱野 洋子

世話をする主亡くとも実南天      小南彩乃

裏庭にいつしか夕陽実南天       上野貴子

実南天なれば目出度し喉に良し     上野貴子

新米を受くる手のひら深きしわ     青山好男

今年米ふるさとの水匂ふかに      水野幸子

掌を零る新米育てし日々の如      神長 誉夫

ゴマ塩を遠慮して振る今年米      原田啓子

実南天築百年の民家裏         井上悦男

新米の炊けてタイマー鳴るキッチン   上野貴子

新米や山下清の握り飯         濱野 洋子

葡萄光る棺の友の顔静か        小南彩乃

ひとくさりありて葡萄を渡される    龍野 ひろし

連れ立ちて明けゆく空を雁渡る     芒花

聳え立つビルの上空雁渡る       広田洋一

葡萄着く小粒を詫びる筆を添へ     龍野 ひろし

一房にひしめき合へりデラウェア    辻 雅宏

雁渡る近くて遠き田舎道        宇田川せいち

薄墨の山のざわめき秋の虹       阿部文彦

赤富士や葡萄棚にも朝の来て      水野幸子

雁が音や潮待ち浦に夢白帆       神長 誉夫

山幾つ越えて来たるや雁の棹      辻 雅宏

雁渡る点から線に日本海        辻 雅宏

黒葡萄蛇笏龍太の里に満つ       辻 雅宏

新涼の肩にのり来るインコかな     水野幸子

センターフライ見上げた先に雁渡る   小南彩乃

葡萄粒透かせば宙の子蹲り       神長 誉夫

重そうな二人の時間黒葡萄       宇田川せいち

大空に黒糸刺繍雁の群れ        青山好男

海静か夕陽に溶け行く雁の影      神長 誉夫

赤信号の続く帰路や秋暑し       宮沢 俊幸

寝息背に灯明辿る地蔵盆        神長 誉夫

里に向く小さき祠地蔵盆        阿部文彦

包丁の切れ味落ちて秋となる      宮沢 俊幸

厠とふ孤独の部屋の残暑かな      辻 雅宏

迷惑メールと根比べの残暑かな     海老名 智子

うろこめく棚田の畔や残暑光      水野 幸子

町内の人をつなぐや地蔵盆       原田 啓子

 

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

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季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 


         ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

干網に綻びありて浜残暑        神長 誉夫

真つ新の赤き前垂れ地蔵盆       辻 雅宏

 

干網の浜の句が逃げ切りましたが地蔵盆が同点までせって来て面白い戦いでした。コロナ禍の秋はやはり物寂しい俳句に点が集まったようです。次回はコロナ禍二度目の冬の戦です。

(秋:8月~10月)

 

~~~今月の選評~~~

実南天何か良いこと有りさうな

南天の明るい色に良い予感を感じる一句です。寒くなりゆく時期だからこその
良いこと探しをする作者の姿が浮かんできます。

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年10月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字について「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、10月号では、食欲の秋にちなんで芭蕉全句の中から「食」の句を見てみましょう。

鎌倉を生て出けむ初鰹・・・芭蕉

芭蕉49才の句。江戸時代には鎌倉沖で取れた鰹を生きたまま江戸まで運んでいたようです。鎌倉から江戸の将軍様へ鰹が献上されたことを聞くと、江戸の庶民はこぞって鰹を食べようとしたので高値で売れた訳ですね。鰹は夏の魚ですが、秋の魚と言えば「秋刀魚」です。

秋深き隣は何をする人ぞ・・・芭蕉

この句は芭蕉51歳の句ですが、私はこの句を「焼く人ぞ」と勘違いをしていました。どこか秋刀魚の句のイメージないですか。ところがこの句は、食の句ではないのです。芭蕉は大阪の知人宅で病気のために臥せっていてその秋に詠んだとされています。人恋しさが感じられます。

松茸や知らぬ木の葉がへばりつく・・・芭蕉

この句は芭蕉48歳の句。「松茸」を詠んでいます。松茸採りに行かれた句でしょう。松に生えるから松茸ですが、雑木林で思いもよらず見つけたのでしょうか。俳諧味のある食の句ですね。この「や」は現代ではあまり使われない「ぞ」よりも切れ字としての効果は解りますが、中七下五のユーモラスな印象が切れ字の効果よりも楽しそうで効いていますね。
(2021年令和三年十一月 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

 

【ネット句会後記】

二年続けてコロナで始まりコロナで暮れようとしています。ネット句会に参加されている皆さんも少なからずコロナを句に詠まれたことでしょう。来年こそ終息までは無理としても寛解を迎えたいものです。それでは、納め句座への投句お待ちしています。よいお年をお迎えください。
(令和三年十一月 辻 雅宏)

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12月ネット句会

今月の投句(12月5日更新・冬の戦)

1図書館に哲学の在り冬ざれて
2冬ざれの青苔被る鯉の口
3クリスマスケーキ早朝コンビニに
4ケーキ欲しダイエットでもクリスマス
6頓痴気ソング書店に流るる聖夜かな
7冬ざれの獣道にも日当たりて
8冬ざるる四阿風の吹き抜けり
9聖樹なるからくりあつけらかんと朝
10飾られて路面電車のクリスマス
11飾りなき教会今朝のクリスマス
12冬ざれて川沿いに雀来ている
13コロナ禍に途絶えたメールクリスマス
14クリスマス都会の夜のイルミネーション
15冬ざれた里山ひとつ越え真昼
16冬ざれて裏戸に菜っ葉解かず置く
17冬ざれや櫓にのぼる影一つ
18冬ざれにブランコのなほ揺れのこり
19老犬が喧騒に吠え聖夜かな
20救急のサイレン響く街聖夜
21巴里聖夜マダムとなりしひとおほし
22ふところに白樺抱いて山眠る
23湯けむりに夕陽落として山眠る
24一年の無沙汰を詫びて賀状書く
25生きている証のごとく書く賀状
26人の影なくて古寺虎落笛
27クリスマス100均に買うプレゼント
28冬ざれの棚田の畦を風走る
29綿虫やニシン漬けはよ漬けなくちゃ
30夫とゆきし馬籠の宿に初雪や
31初雪や屋根すべり落つ音かろし
32冬ざれの森に巣箱の黄が残り
33繰り返すエチュード聖夜は更けゆきて
34冬ざれを突かんと犀の子駆け始む
35ココア掌に翼の灯数ふ聖夜かな
36冬ざれて残るは蒼穹ばかりなり
37冬ざれて透明度増す赤信号
38高速に早や灯のともり冬ざるる
39冬ざれの帰路の長きに眠りおり
40子がありて親のはりきるクリスマス
41乳飲み子の薄目開け閉め冬ざるる
42冬ざれの湖に昏れゆく浮御堂
43冬ざるる村に一つの床屋かな
44冬ざれて怒涛逆巻く日本海
45エアメール開ければメリークリスマス
46宅配のピザを加へてクリスマス
47飴色に干魚艶めく浜小春
48釣り人の等間隔に湖小春
49眠る子の帯を解きし七五三
50鈴の音を零して歩く七五三
51秋時雨鷹は小屋にて眠りをり
52波白く海鳥高く小六月
53爺婆をしたがへ歩む千歳飴
54小春日や猫眠る屋根雲の下
55縁側で爪切る母の小春かな
56ベランダで小春にそよぐ七分丈
57千歳飴引きずり歩く着物の子
58途中下車してまで歩く小春空
59玉砂利を踏みしめる音七五三
60何の日か問う子もにぎる千歳あめ
61江の島や小春に浮かぶ富士の影
62凩に向かって走るランドセル
63小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く
64紅ひいて唇紡ぐ七五三
65父笑う紅引き笑う娘見て
66おくるみに小春の光編み込んで
67七五三鳥居の長き影踏みて
68お互ひに孫連れ出会ふ七五三
69小春日のピアノ鳴り来る上り坂
70ジャケットの似合うふ青年恋小春
71小春日を分け合う人の写真立て
72小春凪海鳥の群れ河口まで
73産土の神のお祓ひ七五三

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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★お茶会テレビ句会はこちらから
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1月の兼題【淑気】&【寒の水】(12月31日〆切)

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【冬の戦11・12・1月】

★1月の兼題(12月31日〆切。)

【淑気】
新年を迎え、あたりが瑞相に満ち、荘厳の気が漂うめでたい気分をいう。
傍題に、淑気満つ。

【寒の水 】
寒の内の水をいい、ことに寒中九日目の水は効能があるといわれている。
傍題に、寒水、寒九の水。

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

 

  青墨をやはらかに磨る淑気かな
               加藤三七子

 

  寒の水かぶつて熱くなる心
              高橋将夫

 


11月の結果(冬の戦第一ステージ)


四点句

飴色に干魚艶めく浜小春        神長誉夫

釣り人の等間隔に湖小春        辻 雅宏

 

三点句

眠る子の帯を解きし七五三       伊藤 はな

鈴の音を零して歩く七五三       伊藤 はな

 

二点句

秋時雨鷹は小屋にて眠りをり      広田洋一

波白く海鳥高く小六月         上野貴子

爺婆をしたがへ歩む千歳飴       辻 雅宏

 

一点句

小春日や猫眠る屋根雲の下      青山好男

縁側で爪切る母の小春かな      辻 雅宏

ベランダで小春にそよぐ七分丈     響 あづ妙

千歳飴引きずり歩く着物の子      響 あづ妙

途中下車してまで歩く小春空      辻 雅宏

玉砂利を踏みしめる音七五三     水野幸子

何の日か問う子もにぎる千歳あめ   原田啓子

江の島や小春に浮かぶ富士の影    広田洋一

凩に向かって走るランドセル     阿部文彦

小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く   神長誉夫

紅ひいて唇紡ぐ七五三         響 あづ妙

父笑う紅引き笑う娘見て        響 あづ妙

おくるみに小春の光編み込んで     原田啓子

七五三鳥居の長き影踏みて       青山好男

お互ひに孫連れ出会ふ七五三     辻 雅宏

小春日のピアノ鳴り来る上り坂    芒花

ジャケットの似合うふ青年恋小春    伊藤はな

小春日を分け合う人の写真立て     神長誉夫

小春凪海鳥の群れ河口まで      上野貴子

産土の神のお祓ひ七五三        広田洋一

 

 

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季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 


     ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

     飴色に干魚艶めく浜小春・・・四点     

    釣り人の等間隔に湖小春・・・四点     

今回は最高点が同点で冬の戦が始まりました。小春日よりのうららかな日には海や湖が美しいですね。冬の始まりなのでまだ暖冬めいた感じでしょうか。いよいよ年末年始ですがまだまだコロナ禍が心配な冬の戦です。
(冬:11月~1月)

 

~~~今月の選評~~~

爺婆をしたがへ歩む千歳飴 

千歳飴を大事そうに抱えていると、子供より千歳飴の方が目立ち、それが主役になってしまう。
千歳飴を持つ子を先頭にして親や爺、婆が後方をついて歩いていく、ユーモラスな状況が目に浮かぶ。親族全員で祝っている姿がとてもほほえましい。

 

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★1月の兼題(12月末日〆切)

【淑気】と【寒の水】
他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年11月号より

「や」「かな」「けり」の切れ字について「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、11月号では、初冬にちなんで芭蕉全句から時雨の句を見てみましょう。

一尾根はしぐるゝ雲かふじのゆき・・・芭蕉

芭蕉45才の句。芭蕉は11月に没したと言われることから芭蕉忌を時雨忌と言いますが、この句は美しい絶景の句ですね。特に切れ字は無く雪の富士を詠んでいます。富士山が見える場所で詠んでいる事が解ります。雪をかぶった富士の裾野が雲がかかっていてぼんやりとしているのですね。伊豆の方からの富士でしょうか。浮世絵のような日本的な景色です。

時雨をやもどかしがりて松の雪・・・芭蕉

この句は芭蕉がまだ若き23歳の句です。古風な言回しで松の枝の雪に時雨が降る様子を詠んでいます。芭蕉にとっては「時雨」と「雪」は季重なりであることが気にならないくらいにマッチしたどちらも省くことのできない景色のようです。雪が止んでいる白い景色に時雨がはかなく冷たく降り冬を感じさせるのですね。

初めの句でもどんよりと曇った灰色の空に白い富士が浮かぶ光景が日本的な情緒を表しています。後の句にも特に切れ字はありません。初めの富士山は何か動かしがたい存在に読み取れて、若かりし頃の松に雪の景色の色彩感にもまして、冬の厳しい寒さにも美しく見える雪の富士が季節感を超えた日本の表情なのだと感じます。この季節が芭蕉忌となり時雨忌と呼ばれていることが良く解ります。
(2021年令和三年十二月 上野貴子)

「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

 

【ネット句会後記】

二年続けてコロナで始まりコロナで暮れようとしています。ネット句会に参加されている皆さんも少なからずコロナを句に詠まれたことでしょう。来年こそ終息までは無理としても寛解を迎えたいものです。それでは、納め句座への投句お待ちしています。よいお年をお迎えください。
(令和三年十二月 辻 雅宏)

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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2022年1月のネット句会

今月の投句(1月8日更新・冬の戦)

1寒の水土鍋に注ぎお味噌汁
2淑気かな並びし歩く神社みち
3明し朝ベランダ干して淑気かな
4空風にフード被りてこおり鬼
5あかぎれにてぶくろ所望二年生
6銭湯の富士の壁画や淑気満つ
7内宮へ詣づる人や淑気満つ
8ぴたぴたと寒の水飲む猫の舌
9蛇口より指切れさうな寒の水
10サプリメント寒九の水と喉通る
11いつになく膝そろえ座す淑気かな
12調弦のホールに充ちる淑気かな
13みどりごの含む乳房や淑気満つ
14喉元におどるカプセル寒の水
15孫産まれ手を合わせ飲む寒の水
16峰々の淑気カールを滑り来て
17寒の水滴る刃文青く燃ゆ
18解き放つ管風琴の淑気今
19谷抉る清く厳しき寒の水
20白き峰舞い発つ翼淑気満つ
21甲高きインコの声や淑気満つ
22息つかず喉通したり寒の水
23エメラルドの氷上渉たるオンネトウ
24湯豆腐を真っ赤な鍋にさあ一献
25吹雪く海口開けているお化け岩
26御降りや文机の古書読み通し
27御降りの彼方に揺らぐ漁舟
28散り際を何ぞためらう寒椿
29突として訃報舞い来る寒椿
30寒椿風も華やぐ池畔かな
31帰省する子に汲みおきし寒の水
32朝を待つ千里の丘に淑気満つ
33仏壇の寒の水澄むりんの音
34日昇り山の祠に淑気満つ
35胃カメラの医師の声張る師走かな
36淑気満つ翁一人の住まふ家
37田のあらば神社ありけり淑気満つ
38寒の水陽ざし揺らされをりにけり
39淑気満つ杜へ右足左足
40寒の水山従へて満たしけり
41寒の水世継ぎの服を濯ぎおり
42寒の水いつもの薬喉を過ぐ
43淑気立つ袂に風の入り来る
44日の昇る一分前の淑気かな
45句作して寒の水汲む夜深し
46飴色に干魚艶めく浜小春
47釣り人の等間隔に湖小春
48眠る子の帯を解きし七五三
49鈴の音を零して歩く七五三
50冬ざれの棚田の畦を風走る
51冬ざるる村に一つの床屋かな
52波白く海鳥高く小六月
53飾られて路面電車のクリスマス
54初雪や屋根すべり落つ音かろし
55湯けむりに夕陽落として山眠る
56冬ざれにブランコのなほ揺れのこり
57秋時雨鷹は小屋にて眠りをり
58爺婆をしたがへ歩む千歳飴
59何の日か問う子もにぎる千歳あめ
60江の島や小春に浮かぶ富士の影
61凩に向かって走るランドセル
62小春日のピアノ鳴り来る上り坂
63高速に早や灯のともり冬ざるる
64エアメール開けばメリークリスマス
65冬ざれや櫓にのぼる影一つ
66人の影なくて古寺虎落笛
67繰り返すエチュード聖夜は更けゆきて
68乳飲み子の薄目開け閉め冬ざるる
69冬ざれの森に巣箱の黄が残り
70子がありて親のはりきるクリスマス
71宅配のピザを加へてクリスマス
72ふところに白樺抱いて山眠る
73冬ざれて川沿いに雀来ている
74冬ざれた里山ひとつ越え真昼
75冬ざれて透明度増す赤信号
76図書館に哲学の在り冬ざれて
77冬ざれて裏戸に菜っ葉解かず置く
78ケーキ欲しダイエットでもクリスマス
79救急のサイレン響く街聖夜
80一年の無沙汰を詫びて賀状書く
81小春日や猫眠る屋根雲の下
82縁側で爪切る母の小春かな
83ベランダで小春にそよぐ七分丈
84千歳飴引きずり歩く着物の子
85途中下車してまで歩く小春空
86玉砂利を踏みしめる音七五三
87小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く
88紅ひいて唇紡ぐ七五三
89父笑う紅引き笑う娘見て
90おくるみに小春の光編み込んで
91七五三鳥居の長き影踏みて
92お互ひに孫連れ出会ふ七五三
93ジャケットの似合うふ青年恋小春
94小春日を分け合う人の写真立て
95小春凪海鳥の群れ河口まで
96産土の神のお祓ひ七五三  


★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 2月の兼題【雪解】&【余寒】(1月31日〆切)

 ★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 【春の戦2・3・4月】

 ★2月の兼題(1月31日〆切。)

【雪解】

春になって山野を閉ざしていた雪が解けはじめます。傍題に雪解水、雪解風、雪解川、雪解光。

 【余寒 】

立春になってからも寒さが残っていること。傍題に残る寒さ、残寒。

  

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

 <先句に学ぶ> 

  四方の戸のがたがた鳴りて雪解風
                                             高濱虚子 

    屋根屋根を余寒の雨の濡らしけり
                       久保田万太郎

 

12月の結果(冬の戦第二ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

 ベランダで小春にそよぐ七分丈

千歳飴引きずり歩く着物の子

途中下車してまで歩く小春空

釣り人の等間隔に湖小春

玉砂利を踏みしめる音七五三

 

五点句 

飴色に干魚艶めく浜小春        神長誉夫

 

四点句

釣り人の等間隔に湖小春        辻 雅宏

眠る子の帯を解きし七五三       伊藤 はな

鈴の音を零して歩く七五三       伊藤 はな

 

三点句

冬ざれの棚田の畦を風走る       水野幸子

冬ざるる村に一つの床屋かな      辻 雅宏

波白く海鳥高く小六月         上野貴子

 

二点句

 飾られて路面電車のクリスマス     井上悦男

初雪や屋根すべり落つ音かろし     水野幸子

湯けむりに夕陽落として山眠る     阿部文彦

冬ざれにブランコのなほ揺れのこり   青山好男

秋時雨鷹は小屋にて眠りをり      広田洋一

爺婆をしたがへ歩む千歳飴       辻 雅宏

何の日か問う子もにぎる千歳あめ   原田啓子

江の島や小春に浮かぶ富士の影    広田洋一

凩に向かって走るランドセル     阿部文彦

小春日のピアノ鳴り来る上り坂    芒花

 

一点句

高速に早や灯のともり冬ざるる    原田啓子

エアメール開けばメリークリスマス  辻 雅宏

冬ざれや櫓にのぼる影一つ      青山好男

人の影なくて古寺虎落笛       阿部文彦

繰り返すエチュード聖夜は更けゆきて 神長誉夫

乳飲み子の薄目開け閉め冬ざるる   原田啓子

冬ざれの森に巣箱の黄が残り     神長誉夫

子がありて親のはりきるクリスマス  原田啓子

宅配のピザを加へてクリスマス     辻 雅宏

ふところに白樺抱いて山眠る      阿部文彦

冬ざれて川沿いに雀来ている      上野貴子

冬ざれた里山ひとつ越え真昼      上野貴子

冬ざれて透明度増す赤信号       原田啓子

図書館に哲学の在り冬ざれて      芒花

冬ざれて裏戸に菜っ葉解かず置く    上野貴子

ケーキ欲しダイエットでもクリスマス  芒花

救急のサイレン響く街聖夜       青山好男

一年の無沙汰を詫びて賀状書く     阿部文彦

小春日や猫眠る屋根雲の下      青山好男

縁側で爪切る母の小春かな      辻 雅宏

ベランダで小春にそよぐ七分丈     響 あづ妙

千歳飴引きずり歩く着物の子      響 あづ妙

途中下車してまで歩く小春空      辻 雅宏

玉砂利を踏みしめる音七五三     水野幸子

小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く   神長誉夫

紅ひいて唇紡ぐ七五三         響 あづ妙

父笑う紅引き笑う娘見て        響 あづ妙

おくるみに小春の光編み込んで     原田啓子

七五三鳥居の長き影踏みて       青山好男

お互ひに孫連れ出会ふ七五三     辻 雅宏

ジャケットの似合うふ青年恋小春    伊藤はな

小春日を分け合う人の写真立て     神長誉夫

小春凪海鳥の群れ河口まで      上野貴子

産土の神のお祓ひ七五三       広田洋一

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

https://ae-ne.com/c/haiku/entry/e/JFET4VCymDtxJaSr/

 ★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表

https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

     飴色に干魚艶めく浜小春・・・五点     

競っておりましたが五点句が勝ち抜きました。浜の風景が目に浮かび海産物を食べたくなるお正月でした。まだまだ変異株が心配なコロナ禍が続きますが今回からは春の戦です。暖かくなるのが待ち遠しいですね。(冬:11月~1月)

 

~~~今月の選評~~~

冬ざれや櫓にのぼる影一つ

寒い中火の見櫓にのぼる人影、半鐘を叩くため何度か経験がありますが今は消防署から直接サイレンを鳴らすようになっています。櫓にのぼる垂直の梯子の長く感じること気持ちの焦る事、火事のないことを祈っています。

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 ★2月の兼題(1月末日〆切) 

【雪解】と【余寒】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 ※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【今月のワンポイントレッスン】 

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年12月号より

 「や」「かな」「けり」の切れ字について「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、12月号では、11月の月末定例句会勉強会から見てみましょう。

 目に青葉山郭公初鰹・・・素堂

 まずこの句は甲州の江戸時代の俳人山口素堂(そどう)作ですが、切れ字こそありませんが三段切れが効果的な反則技の句として有名です。季重りでもあり斬新な印象が鮮明に残る俳句です。

 あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉

 こちらは芭蕉46才「奥の細道」の句です。「なんと瑞々しい青葉も若葉も陽光に輝いていることだ」という解釈となりますが、この句にしても切れ字は無く季語は季重りです。日光東照宮の句、中七の緑の木々の葉の濃淡を季重りで「青葉若葉」と言っている。反則技ですが日光の美しさと東照宮の素晴らしさが伝わります。徳川家康が祀られているだけあって、現代でも謎めくほどの豪華さは未だに神秘的です。

 降る雪や明治は遠くなりにけり・・草田男

 この句は明治から昭和の作者の代表句。この句には切れ字「や」「けり」が2つあり反則技ですね。短い17文字の俳句の世界では、決まり事はあって無いようなものですね。令和を生きる私達には、もはや「切れ字」そのものは無いものとして考えても良いように考えます。レトリック的な技法で古典的なリズムを作り出してしまうだけに陥り易いです。 (2022年令和四年一月 上野貴子)

 「俳句TV」ミニ講座下記より
★過去番組ページはこちら   http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

  

【ネット句会後記】 

明けましておめでとうございます。本年もネット句会への参加をよろしくお願いします。冬のステージは最終選句を迎え、春の戦の第一ステージです。兼題には雪解と余寒を用意させていただきました。自然の雪解のようす、残る寒さを詠んで下さい。
(令和四年一月 辻 雅宏) 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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2022年2月ネット句会

今月の投句(2月8日更新・春の戦)

1友禅を透かし雪どけ水ながる
2下り落つ雪解けの水岩削る
3雪解河わたる客車に人は無く
4雪解川所々に鄙びた草浸る
5雪解けの道の一本知己の家へ
6えきったサンドイッチの余寒かな
7居座りて木の芽を制す余寒かな
8雪解川往くに存分なる日差し
9遠目にも明るき伊吹雪解晴
10霊山の嶺より落つる雪解水
11余寒なほ体育館の保護者会
12寸借の厠に残る寒さかな
13ミサを待つ日曜朝の余寒かな
14夫のゐぬ家路も遠く余寒かな
15枕木を数えてわたる雪解風
16税務署の度なる通知余寒かな
17雪解けて道おちこちや世界地図
18眼の隅を指でふき取る余寒かな
19インコ鳴く声も余寒のなかにあり
20屋根よりの雪解のしずく早鐘に
21如月の陽射しの欠片漂いぬ
22仏間までピンクの香りヒヤシンス
23駅逓の雪解の水に鯉ゆらぐ
24雪解水ふわり越え来る転校生
25連覇への襷を晒す雪解川
26雪解河渡船に深紅のランドセル
27止まり木に名知らぬ馴染み欠く余寒
28雪解野や葬送幡の揺れ進む
29余寒ありひと日をぎゆつと縮こまり
30雪解水石に磨かれをりにけり
31せせらぎの調べ軽やか雪解水
32余寒とて美しき言葉やビル狭間
33雲払ふ風鳴る夜の余寒かな
34雪解けの水何処ゆく月明り
35触れ合う手ともに冷たき余寒かな
36雪解けの声に赤鬼面忘れ
37生垣に雪解のあと陽を追って
38駐車場まだ雪解の名残水
39起き抜けの朝の空気に余寒あり
40キッチンにお茶熱く入れ余寒めく
41友禅を透かし雪どけ水ながる
42下り落つ雪解けの水岩削る
43雪解河わたる客車に人は無く
44雪解けの水何処ゆく月明り
45触れ合う手ともに冷たき余寒かな
46地震に覚め支度の時の余寒かな
47ふる里の無人の駅の余寒かな
48風に耐え余寒にも耐え走る犬
49雪解けて吾子の靴下現わるる
50雪解の水があふれて暴れ川
51雪解風とき緩やかに山の宿
52轟々と光広ぐる雪解川
53余寒なほ眉間に皺の阿修羅像
54野仏の欠けし目鼻や余寒なほ
55余寒なほ画廊に架かる抽象画

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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3月の兼題【水温む】&【椿】(2月28日〆切

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)
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【春の戦2・3・4月】

★3月の兼題(2月28日〆切。

【水温む】

春になって日差しがあたたかくなり、気温が上昇し、沼や池などの水もぬるんでくる。
傍題に、温む水、温む池、温む川、温む沼

【椿】

つやつやした肉厚の葉の中に真紅の花を咲かせる。花びらが散るのではなく、花ひとつが丸ごと落ちる。傍題に、玉椿、山椿、藪椿、落椿、白椿、紅椿、赤椿、椿咲く

 

※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ>

   さしのぞく古井の水もぬるみけり
                 富安風生

   赤い椿白い椿と落ちにけり
                河東碧梧桐

 

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2月号月の結果(冬の戦第三ステージ)

~~<主宰上野貴子選5句>~~

内宮へ詣づる人や淑気満つ
いつになく膝そろえ座す淑気かな
エメラルドの氷上渉たるオンネトウ
日昇り山の祠に淑気満つ
田のあらば神社ありけり淑気満つ


<点盛りの結果>

五点句

 

飴色に干魚艶めく浜小春        神長誉夫

釣り人の等間隔に湖小春        辻 雅宏

鈴の音を零して歩く七五三       伊藤 はな

 

四点句

調弦のホールに充ちる淑気かな     原田啓子

冬ざれの棚田の畦を風走る       水野幸子

眠る子の帯を解きし七五三       伊藤 はな

 

三点句

みどりごの含む乳房や淑気満つ     原田啓子

ぴたぴたと寒の水飲む猫の舌      辻 雅宏

飾られて路面電車のクリスマス     井上悦男

爺婆をしたがへ歩む千歳飴       辻 雅宏

冬ざるる村に一つの床屋かな      辻 雅宏

波白く海鳥高く小六月         上野貴子

飾られて路面電車のクリスマス     井上悦男

 

二点句

日昇り山の祠(ほこら)に淑気満つ    青山好男

甲高きインコの声や淑気満つ      水野幸子

御降りや文机の古書読み通し      阿部文彦

解き放つ管風琴の淑気今        神長誉夫

谷抉る清く厳しき寒の水        神長誉夫

銭湯の富士の壁画や淑気満つ      辻 雅宏

途中下車してまで歩く小春空      辻 雅宏

小春凪海鳥の群れ河口まで       上野貴子

初雪や屋根すべり落つ音かろし     水野幸子

湯けむりに夕陽落として山眠る     阿部文彦

冬ざれにブランコのなほ揺れのこり   青山好男

秋時雨鷹は小屋にて眠りをり      広田洋一

何の日か問う子もにぎる千歳あめ   原田啓子

江の島や小春に浮かぶ富士の影    広田洋一

凩に向かって走るランドセル     阿部文彦

小春日のピアノ鳴り来る上り坂    山本佐和子

 

一点句

突として訃報舞い来る寒椿       阿部文彦

寒の水滴る刃文青く燃ゆ        神長誉夫

内宮へ詣づる人や淑気満つ      辻 雅宏

エメラルドの氷上渉たるオンネトウ   水野幸子

いつになく膝そろえ座す淑気かな    原田啓子

田のあらば神社ありけり淑気満つ   井上悦男

喉元におどるカプセル寒の水      原田啓子

散り際を何ぞためらう寒椿       青山好夫

寒の水世継ぎの服を濯ぎおり      山本佐和子

息つかず喉通したり寒の水       水野幸子

寒の水土鍋に注ぎお味噌汁       山中千明

峰々の淑気カールを滑り来て      神長誉夫

御降りの彼方に揺らぐ漁舟       阿部文彦

寒の水世継ぎの服を濯ぎおり      山本佐和子

仏壇の寒の水澄むりんの音       青山好男

吹雪く海口開けているお化け岩     辻 雅宏

高速に早や灯のともり冬ざるる     原田啓子

エアメール開けばメリークリスマス   辻 雅宏

冬ざれや櫓にのぼる影一つ       青山好男

人の影なくて古寺虎落笛        阿部文彦

繰り返すエチュード聖夜は更けゆきて  神長誉夫

乳飲み子の薄目開け閉め冬ざるる    原田啓子

冬ざれの森に巣箱の黄が残り      神長誉夫

子がありて親のはりきるクリスマス   原田啓子

宅配のピザを加へてクリスマス     辻 雅宏

ふところに白樺抱いて山眠る      阿部文彦

冬ざれて川沿いに雀来ている      上野貴子

冬ざれた里山ひとつ越え真昼      上野貴子

冬ざれて透明度増す赤信号       原田啓子

図書館に哲学の在り冬ざれて      山本佐和子

冬ざれて裏戸に菜っ葉解かず置く    上野貴子

ケーキ欲しダイエットでもクリスマス  山本佐和子

救急のサイレン響く街聖夜       青山好男

一年の無沙汰を詫びて賀状書く     阿部文彦

小春日や猫眠る屋根雲の下      青山好男

縁側で爪切る母の小春かな      辻 雅宏

ベランダで小春にそよぐ七分丈     響 あづ妙

千歳飴引きずり歩く着物の子      響 あづ妙

玉砂利を踏みしめる音七五三     水野幸子

小春日に抱かれて矮鶏の鶏冠咲く   神長誉夫

紅ひいて唇紡ぐ七五三         響 あづ妙

父笑う紅引き笑う娘見て        響 あづ妙

おくるみに小春の光編み込んで     原田啓子

七五三鳥居の長き影踏みて       青山好男

お互ひに孫連れ出会ふ七五三     辻 雅宏

ジャケットの似合うふ青年恋小春    伊藤はな

小春日を分け合う人の写真立て     神長誉夫

産土の神のお祓ひ七五三       広田洋一

 

 

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~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

飴色に干魚艶めく浜小春・・・五点
釣り人の等間隔に湖小春・・・五点

冬の戦では小春の句が勝ち残りましたね。寒さが厳しい中の小春日は心が和み美しい風景とよく合うのですね。次回はもう春の戦となります。

(冬:11月~1月)

 

~~~今月の選評~~~

日昇り山の祠に淑気満つ

祠に焦点を合わせて詠ませており「淑気」との取り合わせが新鮮です。日の出とともに光が当たり始め、何か粛々とした神々しい空気感を醸し出している光景が目に浮かびます。

 

 

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★3月の兼題(2月末日〆切

 

【水温む】と【椿】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

【おしゃべりHAIKU勉強会より】2021年12月号より

 

「や」「かな」「けり」の切れ字について「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが、12月号では、11月の月末定例句会勉強会から見てみましょう。

 

目に青葉山郭公初鰹・・・素堂

 

まずこの句は甲州の江戸の俳人山口素堂(そどう)作ですが、切れ字こそありませんが三段切れが効果的な反則技の句として有名です。季重りでもあり斬新な印象が鮮明に残る俳句です。

 

あらたうと青葉若葉の日の光・・・芭蕉

 

こちらは芭蕉46才「奥の細道」の句です。「なんと瑞々しい青葉も若葉も陽光に輝いていることだ」という解釈となりますが、この句にしても切れ字は無く季語は季重りです。日光東照宮の句、中七の緑の木々の葉の濃淡を季重りで「青葉若葉」と言っている。反則技ですが日光の美しさと東照宮の素晴らしさが伝わります。徳川家康が祀られているだけあって、現代でも謎めくほどの豪華さは未だに神秘的です。

 

降る雪や明治は遠くなりにけり・・草田男

 

この句は明治から昭和の作者の代表句。この句には切れ字「や」「けり」が2つあり反則技ですね。短い17文字の俳句の世界では、決まり事はあって無いようなものですね。令和を生きる私達には、もはや「切れ字」そのものは無いものとして考えても良いように考えます。レトリック的な技法で古典的なリズムを作り出してしまうだけに陥り易いです。

(2021年令和四年一月 上野貴子)

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら http://uenotakako.com/?post_type=haikutv

 

【ネット句会後記】

 

冬の戦は五点句が並び接戦で終わりました。立春を過ぎて各地で大雪に見舞われています。皆さんのところではいかがでしたか。早くあったかくなって欲しいですね、そんな気持ちで、兼題は水温むと椿にさせて戴きました。春の戦の始まりです。多くの皆さんからの投句をお待ちしています。

(2022年令和三年二月 辻 雅宏)

 

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2022年11月ネット句会

今月の投句(冬の戦第1ステージ)

 

1沈黙に拾ふ言葉や初時雨

2初時雨能登行商の頬を打つ

3花街の町家格子や初時雨

4階段の軋む茶房や初時雨

5初時雨灯りのつかぬ老舗宿

6そして皆大人になりぬ一葉忌

7ワクチンに少し熱帯び初時雨

8読書せる窓辺の外は初時雨

9しぐるるや芭蕉は旅をしてゐたり

10俳人の信仰帰依や初時雨

11女性史の初めの一歩一葉忌

12朝売りのコンビニ駆け込む初時雨

13改札に人影の増え初時雨

14初時雨夕べの土の匂い呼ぶ

15短くも長くも一生一葉忌

16初時雨お堀端行く相合傘

17灯が一つ暮れなずむ街一葉忌

18五千円一人飲む酒一葉忌

19初時雨子犬があそぶ泥の中

20亡き人を尋ぬ山道初時雨

21初時雨駅の置き傘借りにけり

22野良猫の小走りになる初時雨

23対岸の陽射し伸びるや初時雨

24陸前は父母のふる里一葉忌

25小雨降るシャッター街や一葉忌

26嬰のハイハイ横へ横へと初時雨

27路地裏の声甲高かき一葉忌

28冬暖か娘はマネキュアを塗りくるる

29小春日や吾とインコはダイエット

30初雪や歓びあふるる分娩室

31初時雨煉瓦校舎に灯が一つ

32訃を告げし受話器の向こう初時雨

33濁水に作り花散る一葉忌

34初時雨天地返しの田が笑い

35吉凶のくじに等しく初時雨

36お遍路の杖音急ぐ初時雨

37初時雨先客の居る木暮かな 

38家族皆一つ傘にて初時雨

39日本語の美しきかな一葉忌

40読みかけのたけくらべ手に一葉忌

41初時雨産寧坂を濡るるほど

42暮れかかる三茶界隈初しぐれ

43てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ

44千円札残しておかむ一葉忌

45着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌

  

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 12月の兼題【着ぶくれ】&【義士の日】(11月末日〆切)

【着ぶくれ】

寒いので何枚も重ねて着たため身体がふくれてみえること。

【義士の日】

十二月十四日 赤穂浪士が討ち入りした快挙をたたえ偲ぶ会がこの日に催されてきた。傍題に義士会 義士討ち入りの日。
義士祭は春の季語として別の季題になります。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

 

<先句に学ぶ> 

  着膨れて海豹(アザラシ)の貎してゐたる 

                  長谷川 櫂

   義士の日やスーパーに買ふ赤穂塩

                          添野光子

 

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 11月号10月の結果(秋の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

 捨案山子日本手拭ひ首に巻き

雁の声を残して暮れなずむ

穂の波を案山子の影がまた越えて

秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅

菊日和千代田区千代田一番地

 

 <点盛りの結果>(秋の戦最終ステージ)

 

 六点句

どの人の手にも朝顔入谷駅          辻 雅宏

 

五点句 

一歩ずつ夜のふけゆくや風の盆        原田啓子

秋高し嬰の手足のよく動く          水野幸子

 

四点句

朝顔や町家二階の物干場           龍野ひろし

 

三点句

村人の数より多き案山子かな         井上悦男

かたぶいてへのへの揺れる案山子かな     原田啓子

穂の波を案山子の影がまた越えて       神長誉夫

手を返す指うつくしき風の盆         辻 雅宏

朝顔や生まれる前の夢の色          山本佐和子

蜩やハッカの香る湯を借りて         神長誉夫

山小屋を発つ朝露に靴濡らし         龍野博史

蜩や遊び疲れし子の帰る           龍野ひろし

ひぐらしやその日暮らしがまた終はり     辻 雅宏

 

二点句

秋晴や駆けだしさうにならぶ靴        井上悦男

おまえもかお役御免に捨案山子        辻 雅宏

秋晴や犬のリードを長くして         龍野ひろし

モンローの案山子雀を引寄せて        龍野ひろし

風の盆霊にしたがひ列をなす         山本佐和子

朝露や山の空気の透きとほる         龍野博史

弓震ふ夜の深さや風の盆           神長誉夫

山峡のひとりの宿り窓の露          青山好男

俳聖の歩きし道や露置ける          青山好男

牧舎みなまだ起きやらぬ露の朝        井上悦男

露けしや敷かれしままの廃線路        辻 雅宏

漁終えし背にかなかなの打ち寄せて      神長誉夫

越境も楽し隣の牽牛花            井上悦男

蜩や手拭い解く豆剣士            神長誉夫

朝顔や藍一滴を拡げたり           青山好男

蜩や早き夕餉の山の宿            龍野ひろし

蜩の音の届きたる夢の中           山本佐和子

 

一点句

秋日和歴女声高し大手門           青山好男

秋晴や軽鴨親子無事川へ           水野幸子

捨て案山子焼けば血色の焔立ち        神長誉夫

坂道や捨つる案山子の重さかな        青山好男

捨案山子日本手拭ひ首に巻き         井上悦男

雁の声を残して暮れなずむ          水野幸子

捨かかし草でぬぐへる鎌二本         井上悦男

秋晴やドロップ缶のからからと        龍野ひろし

秋晴の飛鳥斑鳩気まま旅           辻 雅宏

菊日和千代田区千代田一番地         辻 雅宏

休耕地案山子が納屋で欠伸せり        阿部文彦

向かい合い声を掛け合う案山子かな      原田啓子

秋晴れや戦う白衣高く干し          神長誉夫

鼻の穴広ぐる河馬や秋の晴          龍野ひろし

秋晴やバスに園児の弾む声          阿部文彦

露の世に生まれ消えゆくこの身かな      辻 雅宏

窓開ける入社試験の朝の露          青山好男

踏み台の石は動かず草の露          上野貴子

月一の院内散歩草の露            山本佐和子

かなたより来たり寄り添う露の玉       青山好男

昨日より深き瀬音や風の盆          井上悦男

リング抜く指しなやかに風の盆        神長誉夫

風の盆左右で違ふイヤリング         井上悦男

蜩やそろり海へと変わる風          神長誉夫

蜩や千年なきてなきたらず          青山好男

朝顔や儚きいのち惜しむかに         阿部文彦

夕去ればひぐらし鳴けり宮の森        辻 雅宏

朝顔にレトロ喫茶のある小道         原田啓子

蜩の声もつめ込むスマホかな         阿部文彦

朝顔に見送りされて無人駅          阿部文彦

紺したがへ白朝顔の凛と咲き         辻 雅宏

朝風が起きろ起きろと牽牛花         上野貴子

朝顔の紺の著けきたたみ皺          水野幸子

蜩や姥捨て山の話聞き            井上悦男

蜩やバス来るまでのBGM          辻 雅宏

朝顔の見送り受けて郵便車          青山好男

じゃんけんで負け朝顔の水当番        原田啓子

 

 

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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 ★ネットテレビ「俳句TV」から毎月点盛りの結果発表https://www.youtube.com/channel/UCxvCKp1aE7_pAWNsjr_czQQ

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

  

~~~勝ち抜き戦の結果・秋の戦~~~

 

どの人の手にも朝顔入谷駅・・・六点

 

とうとう勝ち抜かれてしまいましたね。3度目の秋は

すこしずつ以前の活気が戻り始めていることの現れですね。

次回はもう冬の戦の始まりです。

(冬:11月~1月)

  

~~~今月の選評~~~

 

村人の数より多き案山子かな

 

過疎の村が増えているが、そんな様子を表した句である。

単に村人の数が減っていると言うより案山子を持ち出すことで

大幅な減少をよく語っている。

 

 

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★12月の兼題(11月末日〆切)

 

【着ぶくれ】と【義士の日】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

  

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 【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきました。今回は芭蕉の詠んだ月の俳句を見てみましょう。

 

月清し遊行のもてる砂の上・・・芭蕉

 

この句は芭蕉が敦賀で十五夜の前日に詠んだ句です。代表的な切れ字は無い句です。清しは形容詞のク活用の終止形です。形用詞の場合は切れ字18と言われる場合には切れ字とされますが、代表的な3つの切れ字では無いですね。もう1句「奥の細道」の中の句を見てみましょう。

 

 名月や北国日和定なき・・・芭蕉

 

この句は切れ字「や」が効果的な句です。始めの例句の翌日の句で、折角の十五夜様が雨で見れず北国の天候の定まらないことを詠んでいます。芭蕉は「や」を好んで使いますので、ここでも「や」で名月を強く印象的に詠んでいますね。面白いことに、この句の前書きや解説などで調べると、「名月や」と詠んでいるにも関わらず、この日には月が見られなかったのです。見れない月を、「雨月」や「無月」と詠まずに定めなきと下五に書いて、北の空の不安定さを詠んでいるのですね。このような読み方は芭蕉の他には、なかなかできません。まったく見事な表現方法です。

(令和四年十月 上野貴子)

  

「俳句TV」ミニ講座下記より

★過去番組ページはこちら 

https://nbsacademy.jimdofree.com/

  

【ネット句会後記】

 

秋の戦が終了しました。初秋から晩秋まで多くの投句をありがとうございました。

そして、冬の戦の第二ステージです。十二月ならではの兼題を用意させて戴きました。多くの方からの投句をお待ちしています。

(令和四年十一月 辻 雅宏)

  

★ネット句会への投句(5句)& 選句(5句)

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LINE公式俳句大会9月結果発表~

 

<大賞>

 5  さこたゆう じいちゃんのお下がり着てる案山子あり

 

2点句>

 1  さこたゆう    秋晴にチェロの音色が溶けていく

11 橋詰 博     秋晴の気分転換ひとり旅

16 南出千賀子  一張羅案山子おめかし、刈る日まで

  

LINE公式俳句大会発表HPはこちらから

https://sites.google.com/view/haikutaikai-ueno3/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

 

★まずは気軽にこちらからご登録下さい♪

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。

 

2022年12月ネット句会

今月の投句(冬の戦第2ステージ)

 

1着ぶくれて見る月食の終るまで

2着ぶくれて犬と星空見上げをり

3絶やさぬ窯火陶工は着ぶくれて

4着ぶくれし夜釣りの背中並びけり

5着ぶくれて時間のかかる脱衣場

6着ぶくれて旅行バックを引く婦人

7着ぶくれて電車乗る人降りる人

8着ぶくれを吐き出すバスのターミナル

9着ぶくれてお腹から乗るマタニティー

10義士の日や雪に昏れゆく南部坂

11四十七の香煙空に義士の会

12着ぶくれてタイムサービス早足に

13義士の日を知らないと言う忠義(ただよし)君

14着ぶくれも十年前は着やせ組

15義士の日に誕生祝い赤穂パン

16手足まで着ぶくれ浸かり汗光る

17パン屑の溜まる胸元着ぶくれて

18着ぶくれてチェックインする日本人

19色コーデする暇もなく着膨れて 

20義士の日や四十七士が動いた日

21義士の日に義士の日のことグーグルす

22落葉風なまぬるくコロナ禍の町

23義士の日を令和の人が行きすぎる

24着ぶくれて家路を急ぐ一番星

25着ぶくれて待つ顔険し交差点

26義士の日や映画の後のしるこかな

27義士の日や雨も冷たき泉岳寺

28棒振りてスタアになりし義士の日よ

29風の音石の声冬銀閣寺

30着膨れて歯のない嬰の破顔かな

31義士の日や膝の痛みのいや増して

32嬰を呼ぶ父親の声冬ぬくし

33季語帳を繕うテープ小六月

34小春日や父の顔なり離乳食

35義士会や名優達の時を愛で

36着ぶくれて南の島の果実剥く

37群れ烏そろり飛び立つ討ち入り日

38「気楽さ」と意地の着ぶくれ独り飯

39義士の日や夜を駆けゆく風数ふ

40初時雨能登行商の頬を打つ

41お遍路の杖音急ぐ初時雨         

42初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        

43そして皆大人になりぬ一葉忌       

44家族皆一つ傘にて初時雨         

45女性史の初めの一歩一葉忌        

46短くも長くも一生一葉忌         

47陸前は父母のふる里一葉忌        

48初時雨天地返しの田が笑い        

49読書せる窓辺の外は初時雨        

50濁水に作り花散る一葉忌         

51読みかけのたけくらべ手に一葉忌     

52てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   

53野良猫の小走りになる初時雨       

54初時雨産寧坂を濡るるほど        

55花街の町家格子や初時雨         

56階段の軋む茶房や初時雨         

57初時雨灯りのつかぬ老舗宿        

58改札に人影の増え初時雨         

59対岸の陽射し伸びるや初時雨       

60嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      

61着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      

62初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        

63五千円一人飲む酒一葉忌         

64路地裏の声甲高かき一葉忌        

65日本語の美しきかな一葉忌        

66灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       

67初時雨駅の置き傘借りにけり       

68初時雨先客の居る木暮かな        

 

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1月の兼題【初詣】&【風花】(12月末日〆切)

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【冬の戦11・12・1月】

 ★1月の兼題(12月末日〆切。)

 【初詣】

新年になって氏神様やその年の恵方に当たっているほうが句の神社仏閣に参拝すること。傍題に初社、初神籤。

 【風花】

晴天なのに風に乗ってちらちら舞ってくる雪片。

 ※他に、当季雑詠、自由題でも可ですが季節ごとの勝ち抜き戦であることをご了承下さい。5句投句5句選句です。

  

<先句に学ぶ>

   新句帳一句を得たり初詣

              野村喜舟

   風花の地に着くまでを遊びけり

                         村松路生

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 12月号11の結果(冬の戦)

 ~~<主宰上野貴子選5句>~~

読書せる窓辺の外は初時雨

時雨煉瓦校舎に灯が一つ

濁水に作り花散る一葉忌

読みかけのたけくらべ手に一葉忌

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ

 

<点盛りの結果>(冬の戦第1ステージ)

三点句

初時雨能登行商の頬を打つ        龍野ひろし

二点句

お遍路の杖音急ぐ初時雨         原田啓子

初時雨煉瓦校舎に灯が一つ        神長誉夫

そして皆大人になりぬ一葉忌       山本佐和子

家族皆一つ傘にて初時雨         原田啓子

 一点句

女性史の初めの一歩一葉忌        上野貴子

短くも長くも一生一葉忌         上野貴子

陸前は父母のふる里一葉忌        阿部文彦

初時雨天地返しの田が笑い        神長誉夫

読書せる窓辺の外は初時雨        山本佐和子

濁水に作り花散る一葉忌         神長誉夫

読みかけのたけくらべ手に一葉忌     原田啓子

てのひらにふたつぶみつぶはつしぐれ   辻 雅宏

野良猫の小走りになる初時雨       阿部文彦

初時雨産寧坂を濡るるほど        辻 雅宏

花街の町家格子や初時雨         龍野ひろし

階段の軋む茶房や初時雨         龍野ひろし

初時雨灯りのつかぬ老舗宿        龍野ひろし

改札に人影の増え初時雨         上野貴子

対岸の陽射し伸びるや初時雨       阿部文彦

嬰のハイハイ横へ横へと初時雨      水野幸子

着物裁つ祖母のゐさうな一葉忌      辻 雅宏

初時雨夕べの土の匂い呼ぶ        上野貴子

五千円一人飲む酒一葉忌         青山好男

路地裏の声甲高かき一葉忌        水野幸子

日本語の美しきかな一葉忌        原田啓子

灯が一つ暮れなずむ街一葉忌       青山好男

初時雨駅の置き傘借りにけり       阿部文彦

初時雨先客の居る木暮かな        原田啓子

  

 

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※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句はお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

 ~~~勝ち抜き戦の結果・冬の戦~~~

初時雨能登行商の頬を打つ・・・三点

時雨の情緒が能登の昔からの風習を上手く俳句にまとめられていて古風であり土地柄が上手く表現されていて見事ですね。今年もいよいよ冬の戦です。

(冬:11月~1月)

 

 ~~~今月の選評~~~

 日本語の美しきかな一葉忌

樋口一葉の書を手にした作者は、あらためて一葉の著述に日本語の美しさを認識したというもの。私も俳句を詠んでいて心動かされる日本語に出会えることしばしである。

 

 

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 ★1月の兼題(12月末日〆切)

 

【初詣】と【風花】

他に、当季雑詠、自由題でも投句可能とし、5句投句5句選句です。

 

※ネット句会では当季雑詠自由題もしくは、兼題での投句を受け付けております。季感が明らかにずれている俳句の投句は季節ごとの勝ち抜き戦のためお断りしておりますことご了承下さい。

 

 

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【今月のワンポイントレッスン】

 

「や」「かな」「けり」の切れ字についてこのコーナーでは「奥の細道」に視点を当て勉強してきましたが今回は芭蕉全句に視点を当てみました。

 

芭蕉の有名な名句に「行春を近江の人とおしみけり」という句があります。この句には過去の詠嘆を表す切れ字と言われる「けり」が下五の最後に使われています。ところが、この句には他にも同じような句があり、同じ場所で詠まれたであろうとされています。定本岩波文庫の芭蕉俳句集ではこの句には三句同じような句があり推敲されているように思われます。三句挙げてみましょう。

 

行春を近江の人とおしみける・猿蓑

行春を近江の人とおしみけり・蝶すがた

行春や近江の人とおしみける・真蹟懐紙

 

このように「けり」の有る句と無い句、そして「や」の有る句があります。これは並べて見ると芭蕉が切れ字の有る無しをかなり悩んで詠んだ句なのではないかと思われます。ところが詠まれた年が違うようなのです。過去の詠嘆を表す切れ字「けり」が使われた年が元禄四年とあるので、これは後から推敲されたのかも知れません。けれども有名な文献資料としては「猿蓑」となりますから、定本では「ける」となり、元禄三年に収録されています。そこで、この名句には切れ字が有るのか無いのか、どちらを取るのかという疑問が残ります。そして、切れ字「や」の句、この句は「や」で意味が切れますから、春を惜しむという上五と、近江の人と惜しんでいたことは必ずしも一致しない場合もあると解釈出来ます。どうも三句並べるとそうでは無いようですから、この句は「ける」で元禄三年に収録されているようです。以降は1117日勉強会資料をご覧ください。https://onl.sc/ecACLnU

 

(令和四年十二月 上野貴子)

 

 

「俳句TV」ミニ講座下記より

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【ネット句会後記】

 

冬の戦の第一ステージは一点句が多く言わば混戦模様でした。混戦から抜け出す句は果たしてどの句でしょうか。選評が少なく編集上困っています。選句されましたら選評にご協力願います。今年も終わりが近づいてきました。この句会に参加下さいました皆様に厚く御礼申し上げます。来年もお引き立てのほどお願い申し上げます。

よいお年をお迎えください。

(令和四年十二月 辻 雅宏)

 

 

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LINE公式俳句大会10月結果発表~

 

<大賞>

 

12 tanaka623 一葉忌をんなはつよくなりぬるや

 

2点句>

 

18 さこたゆう 「十三夜」短き生涯一葉忌

27 橋詰 博 郷愁の荷解く部屋にリンゴの香

36 大倉 宏美 時雨打つ葉音で見入るカレンダー

 

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※ネット句会ではこのページにてLINE公式俳句大会の結果発表と連動してまいります。